JPWO2020171198A1 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

印刷用塗工紙 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020171198A1
JPWO2020171198A1 JP2021502173A JP2021502173A JPWO2020171198A1 JP WO2020171198 A1 JPWO2020171198 A1 JP WO2020171198A1 JP 2021502173 A JP2021502173 A JP 2021502173A JP 2021502173 A JP2021502173 A JP 2021502173A JP WO2020171198 A1 JPWO2020171198 A1 JP WO2020171198A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
calcium carbonate
paper
weight
coated paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021502173A
Other languages
English (en)
Inventor
光司 中山
未紀 助川
丈博 吉松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Publication of JPWO2020171198A1 publication Critical patent/JPWO2020171198A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H19/00Coated paper; Coating material
    • D21H19/36Coatings with pigments
    • D21H19/38Coatings with pigments characterised by the pigments

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

白紙光沢度(75°)が40%超60%未満の印刷用塗工紙であって、原紙の少なくとも片面に片面塗工量5〜15g/m2の顔料塗工層を備え、最外顔料塗層が0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する不定形炭酸カルシウムを含む印刷用塗工紙を提供する。

Description

本発明はA3グレード相当の印刷用塗工紙に関し、より詳しくは良好な印刷面感と印刷表面強度を備えるA3グレード相当の印刷用塗工紙に関する。
印刷用塗工紙は、塗工量に応じてA1〜A3グレード等に分類される。一般にA3グレードに分類される印刷用塗工紙は、原紙に晒化学パルプを100%使用しかつ塗工量が片面で5〜15g/m程度であることから、印刷面感が良好かつ軽量であり、美粧性を求められるカタログ、パンフレット、チラシ、ポスター等の用途に用いられる。しかし、より塗工量の多いA2グレードの印刷用塗工紙と比較して塗工量が低いことから、A2グレードレベルの印刷面感を得ることが難しいという課題があった。印刷用塗工紙の面感を向上させることに関し、特許文献1は顔料として二酸化チタンを用いることが開示されている。
特開2014−163020号公報
特許文献1で使用される二酸化チタンを用いずに、当該分野で通常使用される炭酸カルシウムを用いて良好な印刷面感を達成したいという要求がある。また、発明者らは予備的検討を行った結果、印刷面感を向上させようとすると印刷表面強度が低下する傾向にあることを見出した。かかる事情を鑑み、本発明は、良好な印刷面感と印刷表面強度を備えるA3グレード相当の印刷用塗工紙を提供することを課題とする。
発明者らは特定の粒子径を有する不定形微粒炭酸カルシウムを含む顔料塗工層を備える印刷用塗工紙が上記課題を解決することを見出した。すなわち、前記課題は以下の本発明によって解決される。
(1)白紙光沢度(75°)が40%超60%未満の印刷用塗工紙であって、
原紙の少なくとも片面に片面塗工量5〜15g/mの顔料塗工層を備え、
最外顔料塗工層が0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する不定形炭酸カルシウムを含む、印刷用塗工紙。
(2)前記不定形炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)が0.50μm以上である、(1)に記載の印刷用塗工紙。
(3)前記最外顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記不定形炭酸カルシウムを10重量部以上含む、(1)または(2)に記載の印刷用塗工紙。
(4)前記不定形炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)が0.55〜0.75μmである、(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
(5)前記最外顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記不定形炭酸カルシウムを50重量部以下含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
(6)前記最外顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記不定形炭酸カルシウムを30重量部以下含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
本発明により、良好な印刷面感と印刷表面強度を有するA3グレード相当の印刷用塗工紙を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において「〜」はその端点を含む。すなわち「X〜Y」はXおよびYの値を含む。
1.印刷用塗工紙
印刷用塗工紙とは原紙の上に設けられた顔料塗工層を備える印刷用の紙である。顔料塗工層とは白色顔料を主成分とする層である。本発明の印刷用塗工紙の最外顔料塗工層は、0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する不定形炭酸カルシウムを含有する。本発明の印刷用塗工紙は、用紙表面にオフセット印刷、グラビア印刷、オンデマンド印刷(レーザー方式、インクジェット方式、電子写真方式等)等の商業印刷を施すことができる。また、その用途としては書籍、雑誌、ポスター、封筒、カレンダー等が挙げられるが、これらに限定されない。
(1)最外顔料塗工層
1)顔料
本発明の最外顔料塗工層は平均粒子径(D50)が0.80μm以下の不定形炭酸カルシウム(以下、「第1の炭酸カルシウム」ともいう)を含む。不定形炭酸カルシウムとは形状が均一でない炭酸カルシウムであり、例えば、石灰石を物理的に粉砕、分級して製造される重質炭酸カルシウムや、パルプ製造工程の苛性化工程で製造された軽質炭酸カルシウム(苛性化軽質炭酸カルシウム、特許5274077号公報参照)等が挙げられる。
顔料塗工層が原紙の両面に存在する場合は、少なくとも一方の面の最外顔料塗工層が第1の炭酸カルシウムを含めばよい。炭酸カルシウムは後述するラテックス等の酸性基を有する接着剤(バインダー)との結着性に優れ、かつ白色度を向上するので、良好な印刷表面強度と印刷面感と白色度を達成できる。
本発明において、平均粒子径(D50)は体積50%平均粒子径である。本発明において平均粒子径(D50)はレーザー回折法によって測定され、Malvern社製、マスターサイザー3000等により測定できる。第1の炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)の上限は0.75μm以下であることが好ましく、0.70μm以下であることが好ましい。顔料の比表面積とバインダー要求量の観点から前記平均粒子径(D50)の下限は0.50μm以上であることが好ましく、0.55μm以上であることがより好ましい。平均粒子径(D50)が0.80μm以下であると塗工層が緻密になるため、塗工量が低くても光沢性が発現しやすく、さらにカレンダー処理をした場合には高い光沢度を達成できる。また、平均粒子径(D50)が0.50μm未満であると、接着剤(バインダー)要求量が多くなるため印刷表面強度が低下することがある。
最外顔料塗工層における第1の炭酸カルシウムの配合量の下限は、当該最外顔料塗工層中の顔料100重量部中、10重量部以上であることが好ましく、20重量部以上であることがより好ましい。全量を第1の炭酸カルシウムとしてもよいが、平均粒子径(D50)が小さい第1の炭酸カルシウムを使用すると顔料の比表面積が増加して接着剤(バインダー)要求量が多くなるため、印刷表面強度が発現しにくくなる傾向がある。一方で、第1の炭酸カルシウムの含有量を多くすると印刷光沢の発現性や白色度が向上する傾向がある。以上の観点から第1の炭酸カルシウムの配合量の上限は好ましくは80重量部以下、より好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは40重量部以下、最も好ましくは30重量部以下である。第1の炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムまたは前述の苛性化軽質炭酸カルシウムであることが好ましい。第1の炭酸カルシウムとして、D50が異なる二種以上のものを用いる場合、前記「第1の炭酸カルシウムの配合量」はこれらの合計量を意味する。例えばD50が0.8μmである第1の炭酸カルシウムを70重量部、D50が0.5μmである第1の炭酸カルシウムを30重量部用いる場合、前記「第1の炭酸カルシウムの配合量」は100重量部である。
第1の炭酸カルシウム以外の白色顔料として、当該分野で通常使用されている顔料を用いることができる。その例としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料、密実型、中空型、コアーシェル型等の有機顔料が挙げられる。これらの顔料は複数種を組合せて使用してもよいが、白色度が低下する恐れがあるため、カオリン、クレー等の黄色味のある顔料の含有量は少ないことが好ましい。
第1の炭酸カルシウム以外の白色顔料として、平均粒子径(D50)が0.80μmを超える重質炭酸カルシウムまたは軽質炭酸カルシウム(以下、「第2の炭酸カルシウム」ともいう)を用いることが好ましい。第2の炭酸カルシウムの形状は任意であり、不定形または均一形状であってもよい。最外顔料塗工層中の顔料100重量部中、第1および第2の炭酸カルシウムの合計量は90重量部以上が好ましく、100重量部(全量)がより好ましい。第2の炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムまたは苛性化軽質炭酸カルシウムであることが好ましい。この態様における第1の炭酸カルシウムの配合量は、前述のとおりであることが好ましい。
2)接着剤
本発明の最外顔料塗工層はマトリックスとして接着剤(バインダー)を含む。接着剤は限定されず、公知の接着剤を使用できる。その例としては、スチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン・メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等のラテックス;完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。これらは複数種を組合せて使用できる。
最外顔料塗工層中の接着剤の配合量は、印刷適性、塗工適性の点から、当該最外顔料塗工層中の顔料100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましく、8〜25重量部であることがより好ましい。接着剤の配合量が30重量部を超える場合、顔料塗工液の粘度が高くなり塗工時に操業トラブルが生じ易い。さらに、印刷時にインキの乾燥性が低下する傾向が見られる。一方、接着剤の配合量が5重量部未満であると、十分な印刷表面強度を得にくくなる。
本発明の印刷用塗工紙は、最外顔料塗工層中の全接着剤中10〜80重量%のラテックスを含むことが好ましく、15〜70重量%のラテックスを含むことがより好ましい。ラテックスとはエマルションの形態の接着剤である。ラテックスとしてはスチレン・ブタジエン系共重合ラテックスが好ましい。炭酸カルシウムはカオリンまたはクレーと比較して、ラテックス等の酸性基を有する接着剤との親和性が良好である。このため本発明の印刷用塗工紙にラテックスを使用することで、高い印刷表面強度、白色度および印刷面感を有する印刷用塗工紙を得ることができる。また、他の接着剤として澱粉類を併用することが好ましい。
3)他の添加剤
本発明の最外顔料塗工層は、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、着色用顔料等、通常の印刷用塗工紙に配合される各種助剤を含んでいてもよい。
(2)その他の顔料塗工層
本発明の印刷用塗工紙が2層以上の顔料塗工層を有する場合、最外顔料塗工層以外の顔料塗工層(以下、「その他の顔料塗工層」ともいう)中の第1の炭酸カルシウムの配合量、ならびに第1および第2の炭酸カルシウムの合計量は限定されないが、前述した範囲であることが好ましい。また、その他の顔料塗工層中の接着剤の配合量、およびラテックスと澱粉類の含有率は限定されないが、前述した範囲であることが好ましい。また、その他の顔料塗工層は、前述した各種助剤を含んでいてもよい。
(3)塗工量
本発明の印刷用塗工紙はA3グレード相当であるため、最外顔料塗工層およびその他の顔料塗工層を合計した塗工量は、片面あたり固形分で5〜15g/mであり、9〜15g/mであることが好ましい。最外顔料塗工層およびその他の顔料塗工層を合計した塗工量が5g/m未満であると、原紙表面の凹凸を十分に覆うことができないため、十分な白紙光沢度が得られない場合がある。さらに、印刷インキの受理性が著しく低下し、A3グレードの紙に求められる印刷品質が得られない恐れがある。
(4)原紙
1)パルプ
原紙には公知のパルプを使用できる。公知のパルプとしては、化学パルプ、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケモサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、古紙パルプ等が挙げられる。
本発明においては、化学パルプを使用することが好ましい。化学パルプには、クラフトパルプ法により製造したものと、亜硫酸パルプ法により製造されたものがあり、本発明においてはその両方を使用することができるが、クラフト法により製造した化学パルプが生産コストの面から好適である。原料パルプに占める化学パルプの含有量は、白色度等の観点から、全パルプ中60重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、95重量%以上が特に好ましい。
2)填料
原紙には公知の填料を用いてよい。公知の填料としては、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱酸による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムが不透明度向上のためにも好ましく使用される。填料として使用する炭酸カルシウムは任意であり、前述の第1の炭酸カルシウムであってもよいし第2の炭酸カルシウムであってもよいが、軽質炭酸カルシウムが好ましい。原紙中の填料率は特に制限されないが、1〜40重量%であることが好ましく、10〜35重量%であることがさらに好ましい。原紙の強度等を考慮すると、より好ましくは10〜20重量%である。
3)その他の添加剤
原紙には公知の製紙用添加剤も用いることができる。例えば、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、各種紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。乾燥紙力向上剤としてはポリアクリルアミド、カチオン化澱粉等が挙げられ、湿潤紙力向上剤としてはポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアミンエピクロロヒドリン、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン等が挙げられる。これらの薬品は地合や操業性等の影響の無い範囲で添加される。内添サイズ剤としてはアルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸、ロジンサイズ剤等が挙げられる。さらに、染料、顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
4)原紙の坪量
本発明の印刷用塗工紙の原紙の坪量は20〜200g/mであることが好ましく、20〜150g/mであることがより好ましく、25〜72g/mであることがさらに好ましい。
5)クリア塗工層
本発明の印刷用塗工紙は、前述した原紙の片面または両面にクリア(透明)塗工層を有していてもよい。クリア塗工層とは、例えば、2ロールポンドサイズプレス、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレス、カーテンコーター、スプレーコーター等のコータ(塗工機)を使用して、澱粉、酸化澱粉、各種変性澱粉(自家変性、カチオン変性等)等の澱粉類、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を主成分とするクリア塗工液(表面処理液)を、原紙上に塗工、乾燥して得られる塗工層をいう。本発明においては澱粉類を塗工することが好ましい。また、クリア塗工液にはサイズ剤等を含有させてもよい。
原紙上にクリア塗工層を有すると、原紙の表面強度や平滑性が向上すると共に、顔料塗工層を設ける際の塗工適性が向上する。クリア塗工層の塗工量は、片面あたり固形分で0.1〜3.0g/mであることが好ましく、0.2〜2.0g/mであることがより好ましく、0.5〜2.0g/mであることがさらに好ましい。
2.製造方法
本発明の印刷用塗工紙は公知の方法で製造できる。
(1)原紙の製造
本発明で用いられる原紙に使用される原料についてはすでに述べたとおりである。原紙は公知の抄紙方法で製造される。例えば、トップワイヤー等を含む長網抄紙機、オントップフォーマー、ギャップフォーマ、丸網抄紙機、長網抄紙機と丸網抄紙機を併用した板紙抄紙機、ヤンキードライヤーマシン等を用いて行うことができる。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよいが、中性またはアルカリ性が好ましい。抄紙速度も特に限定されない。本発明で用いられる原紙は、単層でも多層でもよいが、単層の原紙が好適に使用される。
(2)原紙のカレンダー処理
得られた原紙に顔料塗工液を塗工する前に、各種カレンダー装置により原紙にカレンダー処理を施すことが好ましい。かかるカレンダー装置としては、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の一般に使用されているカレンダー装置が適宜使用できる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度、線圧、ニップ数、ロール速度、カレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。原紙にカレンダー処理を施すことで、原紙の平滑性が向上し、顔料塗工適性が向上する。
(3)顔料塗工層用塗工液の調製
顔料塗工層用塗工液は、前述した顔料、接着剤、他の添加剤を水に分散または溶解することで調製できる。顔料塗工層用塗工液の固形分濃度および粘度は、後述する塗工方法に合わせて適宜調整すればよいが、一例として、ブレードコーターでは固形分濃度は好ましくは40〜70重量%、より好ましくは60〜70重量%であり、粘度は室温にて60rpmで測定したB型粘度が500〜5000mPa・sの範囲であることが好ましい。また、ロールコーターでは固形分濃度は好ましくは30〜60重量%、より好ましくは40〜60重量%である。固形分濃度が低すぎるとブレードコーターではバックフロー等が発生しやすくなる。また、固形分濃度が高すぎるとブレードコーターではブレードの負荷が大きくなりブレードの摩耗が進む、ロールコーターではボイリングが発生する等、操業性に影響が出やすくなる。
(4)塗工方法
塗工方法は限定されず、ロールコーター、ブレードコーター等の公知の塗工方法を用いることができる。塗工速度も特に限定されないが、ブレードコーターの場合は400〜1800m/分、ロールコーターの場合は400〜2000m/分が好ましい。本発明においては、顔料塗工層は1層であってもよく2層以上であってもよいが、表面の平滑性を向上させることができるため、最外顔料塗工層の塗工方法はブレードコーターであることが好ましい。
(5)その他の工程
湿潤状態の顔料塗工層を乾燥させる方法は限定されず、例えば蒸気加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等を用いることができる。
前述のとおり、製造した印刷用塗工紙をカレンダー処理してもよい。高い光沢度を得るためには印刷用塗工紙にカレンダー処理を行うことが好ましいが、その一方で、顔料塗工層が圧縮されて密度が大きくなり、散乱係数が高くなるため白色度は低下する傾向が見られる。そのため、後述するとおり、カレンダー処理条件は要求される品質に応じて適宜選択される必要がある。カレンダー処理を行う場合には、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の一般に使用されているカレンダー装置が適宜使用できる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度、線圧、ニップ数、ロール速度、カレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択されるが、本発明の印刷用塗工紙においてはホットソフトニップカレンダー処理を行うことがより好ましい。当該カレンダー処理条件は、線圧140〜300kN/m、温度70〜300℃で、ニップ数は5ニップ以上が好ましい。カレンダー処理速度は200〜800m/分程度である。
3.白紙物性
(1)坪量
印刷用塗工紙の印刷品質に対しては、坪量よりも顔料塗工層の塗工量の方が大きな影響を与える。よって、本発明の印刷用塗工紙の坪量は、通常の印刷機で使用される紙と同程度の坪量であればよく特に限定されない。しかしながら、印刷機における搬送性や紙の剛度の観点から、本発明の印刷用塗工紙の坪量は好ましくは30〜250g/mであり、より好ましくは50〜220g/mである。
(2)白紙光沢度
白紙光沢度は白紙での光沢度合いを示す指標であり、本発明においてはJIS−P8142に従い測定される、紙面の法線に対して75°の角度における鏡面光沢度である。本発明の印刷用塗工紙は、高級感のあるカタログやパンフレット用途に好適に使用することができるため、白紙光沢度の高い印刷用塗工紙である。本発明の印刷用塗工紙の白紙光沢度は40%超60%未満である。
(3)印刷面感および印刷表面強度
前述のとおり、本発明の印刷用塗工紙は最外顔料塗工層に平均粒子径(D50)が0.80μm以下である不定形炭酸カルシウムを含むため、優れた印刷面感および印刷表面強度を有する。平均粒子径(D50)が前記範囲であっても、均一形状を有する炭酸カルシウム(柱状炭酸カルシウム等)を用いた場合、印刷面感は向上しうるが、一方で顔料の比表面積が過度に高くなり接着剤(バインダー)要求量が過多となるため、印刷表面強度が低下する。その点、本発明では、比表面積が過度に高くない不定形炭酸カルシウムを用いるため、接着剤(バインダー)要求量が過多とならず印刷表面強度の低下を抑制でき、優れた印刷面感と優れた印刷表面強度の双方を達成できる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するがこれらによって本発明は限定されない。重量部および重量%は固形分換算の値である。
<評価方法>
(1)坪量
JIS P 8124に基づいて測定した。
(2)紙厚および密度
JIS P 8118:2014に基づいて測定した。
(3)ISO白色度
JIS P 8148に基づいて、村上色彩(株)製色差計CMS−35SPXにて、紫外光を含む条件にて測定した。
(4)白紙光沢度
JIS P 8142に基づいて測定した。
(5)不透明度
JIS P 8149:2000に基づいて測定した。
(6)印刷面感
ローランド平判印刷機(4色)にて、印刷用インキ(東洋インキ製NEX−NV M)を用いて墨→藍→紅→黄の順に印刷速度8000枚/時で印刷し、得られた印刷物の2色(藍、紅)印刷部および藍単色ベタ印刷部およびハーフトーン(50%)印刷部の印刷面感(着肉ムラ、光沢度ムラ等)を目視で評価した。評価基準は以下の通りとした。
A=非常に良好、B=良好、C=やや劣る、D=劣る
(7)印刷表面強度
RI−I型印刷機(明製作所製)を用い、印刷用インキ(東洋インキ製NEX−Y)を使用して印刷後、ゴムロールについた印刷跡を紙に転写してピッキングの発生の程度を目視で評価した。評価基準は以下の通りとした。
A=まったく発生しない、B=ほとんど発生しない、C=やや発生するが使用には問題ない、D=使用できないほど多い
[実施例1]
化学パルプ100重量%を用い、填料として軽質炭酸カルシウムを13.5重量%含有する坪量45g/mの原紙を準備した。
顔料として第1の炭酸カルシウムである超微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック製、商品名:FMT100YF、D50=0.59μm)100重量部を用い、これに接着剤としてスチレン・ブタジエン系共重合ラテックスを5重量部、酸化澱粉を6重量部配合して、さらに水を加えて固形分濃度65重量%の顔料塗工層用塗工液を得た。
前記原紙上に、顔料塗工層用塗工液を片面あたり固形分で10g/mとなるようにブレードコーターで両面塗工し、定法によって乾燥し、樹脂ロールと金属ロールにてカレンダー処理を行い、印刷用塗工紙を得た。当該印刷用塗工紙について、前述の方法にて評価した。
[実施例2]
顔料として第1の炭酸カルシウムである超微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック製、商品名:FMT100YF、D50=0.59μm)50重量部および第2の炭酸カルシウムである微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック製、商品名:FMT97、D50=0.86μm)50重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[実施例3]
顔料として第1の炭酸カルシウムである超微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック製、商品名:FMT100YF、D50=0.59μm)20重量部および第2の炭酸カルシウムである微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック製、商品名:FMT97、D50=0.86μm)80重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[比較例1]
顔料として第2の炭酸カルシウムである微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック製、商品名:FMT97、D50=0.86μm)50重量部および一級カオリン(イメリスミネラルズ・ジャパン製、商品名:プレミア、D50=2.67μm)50重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[比較例2]
カレンダー処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[比較例3]
片面あたり固形分で4.5g/mとなるようにブレードコーターで両面塗工した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[実施例4]
第1の炭酸カルシウムとして超微粒苛性化軽質炭酸カルシウム(日本製紙株式会社製、D50=0.64μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[実施例5〜7]
第1の炭酸カルシウムと第2の炭酸カルシウムの配合比を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[比較例4]
超微粒苛性化軽質炭酸カルシウム(日本製紙株式会社製、D50=0.64μm)の代わりに柱状の軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業株式会社製、商品名:TP123CS)の粉砕品(D50=0.37μm)を用いた以外は、実施例4と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
[比較例5]
スチレン・ブタジエン系共重合ラテックスおよび酸化澱粉の配合量を表1に示すように変更した以外は、比較例4と同様にして印刷用塗工紙を製造して評価した。
Figure 2020171198
本発明の印刷用塗工紙は印刷面感および印刷表面強度に優れることが明らかである。特に実施例3、5、6、7の印刷用塗工紙は印刷面感および印刷表面強度に極めて優れることが明らかである。一方、比較例の印刷用塗工紙は印刷面感および印刷表面強度が十分なレベルではない。特に、形状が均一の炭酸カルシウムを最外顔料塗工層の顔料として用いた比較例4の印刷用塗工紙は、接着剤(バインダー)要求量が多くなるため印刷表面強度が低い。このことを補うべく接着剤(バインダー)量を増やした比較例5の印刷用塗工紙では、印刷表面強度は向上したが、印刷面感が低下した。

Claims (6)

  1. 白紙光沢度(75°)が40%超60%未満の印刷用塗工紙であって、
    原紙の少なくとも片面に片面塗工量5〜15g/mの顔料塗工層を備え、
    最外顔料塗工層が0.80μm以下の平均粒子径(D50)を有する不定形炭酸カルシウムを含む、印刷用塗工紙。
  2. 前記不定形炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)が0.50μm以上である、請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 前記最外顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記不定形炭酸カルシウムを10重量部以上含む、請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
  4. 前記不定形炭酸カルシウムの平均粒子径(D50)が0.55〜0.75μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  5. 前記最外顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記不定形炭酸カルシウムを50重量部以下含む、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  6. 前記最外顔料塗工層における顔料100重量部中に、前記不定形炭酸カルシウムを30重量部以下含む、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
JP2021502173A 2019-02-22 2020-02-21 印刷用塗工紙 Pending JPWO2020171198A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019030480 2019-02-22
JP2019030480 2019-02-22
PCT/JP2020/006996 WO2020171198A1 (ja) 2019-02-22 2020-02-21 印刷用塗工紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2020171198A1 true JPWO2020171198A1 (ja) 2021-12-23

Family

ID=72143615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021502173A Pending JPWO2020171198A1 (ja) 2019-02-22 2020-02-21 印刷用塗工紙

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2020171198A1 (ja)
TW (1) TW202104723A (ja)
WO (1) WO2020171198A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4802465B2 (ja) * 2004-08-31 2011-10-26 日本製紙株式会社 印刷用塗工紙
JP2006249607A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Oji Paper Co Ltd 印刷用艶消し塗被紙
JP4840002B2 (ja) * 2006-06-23 2011-12-21 王子製紙株式会社 印刷用塗被紙およびその製造方法
JP2008106406A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Oji Paper Co Ltd 印刷用艶消し塗被紙
JP5274072B2 (ja) * 2008-03-28 2013-08-28 日本製紙株式会社 エンジニアード炭酸カルシウムの製造方法、および、それを用いた製紙用塗料
WO2017039015A1 (ja) * 2015-09-03 2017-03-09 日本製紙株式会社 塗工紙、塗工基材、およびインキ乾燥性の評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW202104723A (zh) 2021-02-01
WO2020171198A1 (ja) 2020-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6414356B1 (ja) 塗工板紙の製造方法
JP2008214782A (ja) グラビア印刷用塗工紙
JP2007101917A (ja) 電子写真用転写紙
AU2011235701A1 (en) Processes for preparing coated printing paper
JP5917220B2 (ja) 印刷用塗工紙及びその製造方法
WO2018155649A1 (ja) コールドセット型オフセット印刷用塗工紙
JP6633251B2 (ja) 印刷用塗工紙
JPWO2020171198A1 (ja) 印刷用塗工紙
JP5841552B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP7440994B2 (ja) 塗工紙
JPWO2019244970A1 (ja) 印刷用塗工紙
JPWO2018163795A1 (ja) 塗工紙
JP6152130B2 (ja) 印刷用紙
JP7123926B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP7121498B2 (ja) 印刷用紙
JP5374194B2 (ja) グラビア印刷用塗工紙およびその製造方法
JP7123925B2 (ja) 印刷用塗工紙および封筒用紙
JP5864452B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP2018178277A (ja) クリア塗工紙
JP5300563B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP4377425B2 (ja) 微塗工紙の製造方法
JP2004143624A (ja) 印刷用嵩高塗工紙
JP2023121212A (ja) 印刷用塗工紙
JP4093122B2 (ja) オフセット輪転印刷用塗被紙
JP2023121210A (ja) 印刷用塗工紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240502