JP2018178277A - クリア塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】光源によらない自然な白さを持つクリア塗工紙を提供する。【解決手段】原紙の上に一層以上のクリア塗工層を有する蛍光増白剤を含有しないクリア塗工紙であって、JIS P8148によるF1が0.10以下、白色度が80%以上であるクリア塗工紙。JIS P8150による紫外線を含まない光源によるL*a*b*値がそれぞれ、L*値が90以上98以下、a*値が−5以上2以下、b*値が−5以上5以下とすることで、ナチュラルな白さを持ったクリア塗工紙を提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光染料を含有しないにもかかわらず白色度に優れるクリア塗工紙に関するものである。さらに詳しくは、ナチュラル色でありながら白色度が良好であり、かつオフセット印刷にも耐えうる表面強度を備えた印刷用紙に関するものである。
近年、印刷上りの美麗さから高白色の用紙が求められることがあるが、一方で、黄色味を帯びた自然な色調であるナチュラル色を要望するユーザーも増えてきている。
紙を白くするため、またはより白く見せるために、一般的に蛍光増白剤を使用して蛍光増白効果を利用する手段(特許文献1)や、炭酸カルシウムなどの高白色の顔料を塗工する手段(特許文献2)が用いられる。蛍光増白剤を配合した紙は、300〜400nmの紫外線を吸収し400〜500nmの青味の可視光にして放射することにより増白効果が得られる。また、青色の色材を添加することで、紙の見た目の白さが増し、機器で測定する白色度よりも白さが際立って見えるという技術も存在する(特許文献3)。
特開2006−183192号公報 特開2013−129939号公報 特開2010―287426号公報
しかしながら、蛍光増白剤を含有した紙は、健康への影響から食品用途には使用できない。また、蛍光染料の増白効果は、紫外線を有しない光源下ではその効果が得られないばかりでなく、紙の色相が変わってしまう。オフセット印刷等で使用されるインキは、蛍光増白剤を含有していないことが多いため、蛍光増白剤を含有した紙に印刷した場合、光源が変わると紙の色相が変化してしまい、印刷部と非印刷部のコントラストが変わることから印刷仕上がりのイメージが変わってしまうという問題が発生する。
また、青色の色材を添加した紙は、見た目の白さは増すものの、自然な白ではなく青黒い白となってしまう。色の感じ方には地域性があり、南国等の紫外線の強い地域では、蛍光増白剤や青み付された白さが好まれるが、比較的低緯度の特に日本では、黄色味を帯びたナチュラルな白を好む傾向があることが知られている。また、黄色味を帯びた紙を作成する為に、黄色の染料を添加する方法もあるが、この方法では黄色味が強くなりすぎ、自然な黄色味ではなくなってしまう。
以上のような背景を鑑みた結果、本発明の課題は、光源によらない自然な白さを持つクリア塗工紙を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決する為に鋭意検討した結果、蛍光増白剤を含有せず、さらに、DIPや損紙由来の原料を使用しないことで、光源によらない自然な白さを持つクリア塗工紙が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。これに限定されるものではないが、すなわち前記課題は以下の発明によって解決される。
(1)原紙の上に一層以上のクリア塗工層を有するクリア塗工紙であって、前記クリア塗工層が蛍光増白剤を含有せず、JIS P8148によるF1が0.10以下、白色度が80%以上であるクリア塗工紙。
(2)JIS P8150による紫外線を含まない光源によるL値がそれぞれ、L値が90以上98以下、a値が−5以上2以下、b値が−5以上5以下である(1)に記載のクリア塗工紙。
(3)前記原紙が蛍光増白剤を含有しない(1)または(2)に記載のクリア塗工紙。
(4)前記原紙が脱墨パルプを含有しない(1)〜(3)のいずれかに記載のクリア塗工紙。
(5)オフセット印刷用紙である(1)〜(4)のいずれかに記載のクリア塗工紙。
本発明によれば、光源によらない自然な白さを持つクリア塗工紙を得ることができる。
本発明のクリア塗工紙は、接着剤を主成分とするクリア塗工層(以下、本明細書において、サイズプレス層ということがある)を設けることができる。本発明においてクリア塗工紙とは、基紙(以下、本明細書において、「原紙」または「原紙層」ということがある)からなるか、または、該基紙上の片面あるいは両面に少なくとも一層のクリア塗工層を有する紙である。
本発明によって得られるクリア塗工紙は、例えば、コールドオフセット印刷やヒートオフセット印刷などの平版印刷、グラビア印刷などの凹版印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、湿式/乾式電子写真印刷などの印刷方式で印刷することができる。また、用途としては印刷用紙、封筒用紙、包装紙、紙袋などが挙げられ、印刷を施した後に封筒用紙、包装紙、紙袋などに使用することもできる。本発明のクリア塗工紙は特に、自然な風合いの印刷物が得られることから、印刷用紙として好適に使用される。
クリア塗工紙の製造
本発明のクリア塗工紙は公知の方法により製造することができる。例えば、本発明のクリア塗工紙は、以下に記載する抄紙原料をワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して基紙を製造することができ、次いでコーターパートにて後述する塗工液を基紙上に塗工した後、アフタードライヤーパート、カレンダーパート、リールパート、ワインダーパートなどに供して製造することができる。また、抄紙原料をワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して原紙を製造し、その原紙上に水溶性高分子(バインダー)をクリア塗工して製造することができる。
[原紙]
本発明のクリア塗工紙は少なくとも原紙層を有する。本発明に用いる原紙は、単層抄きであっても多層抄きであってもよい。本発明の原紙の製法は特に制限されず、公知の原料を用いて公知の方法によることができる。
[原料パルプ]
本発明で用いるパルプは特に制限されず、一般的なパルプ原料を用いることができ、具体的には、一般的な木材に加えて、リンター、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、ワラなどの非木材、各種合成原料等を使用することができる。また、パルプとしては、機械パルプ(MP)、脱墨パルプ(DIP、古紙パルプとも呼ばれる)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、紙の抄紙原料として一般的に使用されているものを好適に使用することができ、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維などをも使用することが出来る。これらのパルプや繊維を1種類または2種類以上を配合して使用される。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。
一般に脱墨パルプには、原料として蛍光増白剤を含有する古紙が含まれることから、本発明の原紙には、蛍光増白剤を含有する古紙を原料として使用した脱墨パルプや、蛍光増白剤を含有する損紙由来の原料を使用しないことが好ましい。
[填料]
本発明のクリア塗工紙に使用される填料は、特に制限はないが、例えば、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー、シリカ、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化チタン、ベントナイトなどの無機填料;尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料;を単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用することができる。特に、本発明においては、安価でかつ光学特性に優れていることから、炭酸カルシウムを填料として使用することが好ましく、軽質炭酸カルシウムを使用することが特に好ましい。また、炭酸カルシウム−シリカ複合物(例えば、特開2003−212539号公報あるいは特開2005−219945号公報等に記載の軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)などの複合填料も使用可能である。酸性抄紙では、前記中性抄紙で使用する填料から、酸溶解性のものを除いた填料が使用され、その単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
特に本発明においては、紙の不透明度や白色度を比較的低コストで向上させることがで
きるため、炭酸カルシウムを内添填料として含有することが好ましい。不透明度や白色度
を高めるという観点から、原紙の炭酸カルシウム含有量がパルプ100重量%に対し、5重量%以上であることが好ましく、7重量%以上であることがより好ましく、10重量%以上であることがさらに好ましい。また、自然な白さのバランスを調節する為に、タルクを併用してもよい。填料として炭酸カルシウムとタルクを併用する場合、紙中における両者の比率は、炭酸カルシウム:タルク=50:50〜99:1とすることが好ましい。前記範囲とすることで、前述のように自然な白さのバランスのとれたクリア塗工紙を得ることが出来る。
[接着剤]
本発明においては、特に限定はないが、接着剤を使用することができる。接着剤としては、水溶性高分子物質を用いることができ、水溶性高分子しては、生澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉などの澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール;スチレン―ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステルなどを単独または併用することができる。本発明においては、安価で、繊維分歩留および灰分歩留向上効果もある、澱粉類を使用することが好ましく、より好ましくはカチオン化澱粉である。また、原紙の接着剤含有量が、絶乾パルプ100重量%に対し、0.2重量%以上3重量%以下が好ましく、0.5重量%以上1.5重量%以下が特に好ましい。
[その他添加剤]
本発明においては、公知の製紙用添加剤を使用することができる。製紙用薬品は、特に制限されず、種々の薬品を単独または組み合わせて用いることができる。例えば、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、ベントナイト、シリカ、サイズ剤、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、嵩高剤、填料、染料、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの製紙用薬品を用いることができる。中でも、製紙用薬品として歩留剤を添加することが好ましく、2種以上混合してもよい。歩留剤の他、本発明の製紙用薬品として好適に使用できるものとしては、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン性澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの内添乾燥紙力増強剤;ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などの内添湿潤紙力増強剤;ロジン系サイズ剤、AKD系サイズ剤、ASA系サイズ剤、石油系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤などの内添サイズ剤;などを挙げることができる。本発明に於いては、原紙の吸水性等をコントロールするために、ASAサイズ剤を使用することが好ましく、さらに、光源によらない自然な白さをもつクリア塗工紙を得るために、蛍光増白剤を添加しないことが好ましい。
[抄紙方法・抄紙機]
上記のようにして製紙用薬品を混合された紙料は、ヘッドボックスに送られ、ヘッドボックスからワイヤーに噴射されて抄紙される。本発明は、種々の抄紙機や抄紙法に適用することができる。抄紙機としては例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ギャップフォーマー抄紙機、ヤンキー抄紙機等で適宜抄紙でき、ツインワイヤー抄紙機としては、ギャップフォーマー、オントップフォーマーなどが挙げられる。本発明においては、長網抄紙機が好ましい。本発明の抄紙系は、特に制限されず、中性紙でも酸性紙でもよいが、本発明の紙が炭酸カルシウムを比較的多く含有する場合、中性紙であることが好ましい。具体的には、本発明においては、紙面pHが6.0〜9.0であることが好ましく、6.8〜8.0であることがより好ましい。抄紙速度は、特に限定されない。
[原紙の坪量]
本発明の原紙の坪量は特に限定されないが、35g/m以上、245g/m以下程度である。
さらに、本発明においては、抄造した原紙に種々の表面処理を施すことができる。表面処理としては、クリア塗工などの表面塗工を施すこともできるし、カレンダー処理を施すこともできる。
本発明において、原紙表面に表面処理剤を塗工する場合、例えば、プレドライヤーとアフタードライヤーの間に設置された表面塗工装置等を利用することができる。塗工装置は、一般に使用されるもの用いることができる。
[プレカレンダー処理]
本発明においては、オンラインソフトキャレンダ、オンラインチルドカレンダなどにより塗工前の原紙にプレカレンダー処理を行い、原紙を予め平滑化しておくこともできる。
[クリア塗工]
本発明のクリア塗工紙は、上述した原紙の片面または両面にクリア(透明)塗工層を有する。本発明においてクリア塗工とは、例えば、サイズプレス、ゲートロールコータ、プレメタリングサイズプレス、カーテンコータ、スプレーコータなどのコータ(塗工機)を使用して、澱粉、酸化澱粉などの各種澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を主成分とする塗布液(表面処理液)を原紙上に塗布(サイズプレス)することをいう。
原紙上にクリア塗工を施すことにより、原紙の表面強度や平滑性を向上させることができ、また、顔料塗工をする際の塗工性を向上させることができる。本発明においては、光源によらない自然な白さをもつクリア塗工紙を得るために、クリア塗工層が蛍光増白剤を含有しないことが好ましい。
クリア塗工する表面塗工剤の種類や組成は、特に限定はないが、表面強度の強化を目的とした水溶性高分子物質としては、生澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉などの澱粉;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール;スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどを単独または併用する。中でも澱粉の塗布が好ましく、コーンやタピオカを原料とするコーン澱粉、タピオカ澱粉が特に好ましい。また、紙に吸水抵抗性を付与するために、前記の水溶性高分子物質の他に、スチレン系化合物、オレフィン系化合物、アルキル(メタ)アクリレート系化合物など一般的な表面サイズ剤を併用塗布することが好ましい。使用する表面サイズ剤としては、AKDサイズ剤が好ましい。また、表面サイズ剤を2種以上混合して使用してもよい。
水溶性高分子物質と表面サイズ剤からなる表面処理剤を塗布する場合、水溶性高分子物質と表面サイズ剤との混合比率は公用の範囲で行えば良く、特に限定はないが、水溶性高分子物質:表面サイズ剤=5:1〜50:1が好ましい。
本発明において、クリア塗工層の塗工量は、固形分(両面)で0.5g/m以上6.0g/m以下が好ましく、1.2g/m以上5.0g/m以下がより好ましく、さらに好ましくは1.5g/m以上4.0g/m以下である。上記範囲のクリア塗工層を設けることで、オフセット印刷に耐えうる表面強度を持ったクリア塗工紙を得ることが出来る。
[顔料塗工]
本発明のクリア塗工紙は、クリア塗工層の上に、顔料塗工により顔料塗工層を設けることもできる。本発明の印刷用紙に顔料塗工層を設ける場合、顔料塗工層は単層であっても多層であってもよいが、本発明の効果を得るために、顔料塗工層にも蛍光増白剤を含有しないことが好ましい。
本発明において、湿潤塗工層を乾燥させる方法に制限はなく、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いることができる。
本発明においては、紙表面にカレンダー処理を施すこともできるが、カレンダー装置の種類と処理条件は特に限定はなく、金属ロールから成る通常のカレンダーやソフトニップカレンダー、高温ソフトニップカレンダーなどの公用の装置を適宜選定し、品質目標値に応じて、これらの装置の制御可能な範囲内で条件を設定すればよい。
[クリア塗工紙]
[坪量]
本発明の印刷用紙の坪量は、特に限定されないが、40g/m以上250g/m以下が好ましく、さらに好ましくは45g/m以上215g/m以下である。
[灰分]
本発明において灰分は、JISP 8251に規定される紙および板紙の灰分試験方法に準拠し、燃焼温度を525±25℃に設定した方法で測定される。 本発明のクリア塗工紙の灰分は5重量%以上であることが好ましい。特に、灰分が8重量%以上であることが好ましく、12重量%以上がより好ましい。灰分の上限は特にないが、紙の強度や操業性を考慮すると、25重量%以下が好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。灰分が25重量%より高いと、紙のこしや層間強度が低下し、印刷適性や加工適性が低下する恐れがある。また、灰分が5重量%より少ないと不透明度や白色度が十分に向上しないことがある。
[色相]
本発明のクリア塗工紙の色相は、JIS P8150に規定される紫外線を含む/含まない測定において、いずれもL値が90以上98以下、a値が−5以上2以下、b値が−5以上5以下であることが好ましい。さらに好ましくは、L値が91以上97以下、a値が−3以上1以下、b値が−2以上2以下であり、L値が92以上96以下、a値が−2以上0以下、b値が−1以上1以下である。このようにL値を前記範囲とすることで、ナチュラルな風合いを持ちながらも十分な白さを有するクリア塗工紙を得ることが出来る。前記範囲を外れると、クリア塗工紙の色がナチュラルな風合いの白に見えなくなってしまうことがあるため好ましくない。また、JIS P8148に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXを用いて測定されたF1値が、0.10以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下である。蛍光増白剤の原紙、塗工層への添加、原紙がDIPを含有するなどの理由で、クリア塗工紙に蛍光増白剤が含有される場合、F1値が0.10より高くなり、光源によって色相が変わってしまう。測定装置としては、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPX等が挙げられる。
[白色度]
本発明のクリア塗工紙の、JIS P8148に準拠して測定されたISO白色度は80%以上が好ましく、83%以上がより好ましい。80%より低いと目ためにも白色度に優れるクリア塗工紙とは言い難い。測定装置としては、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPX等が挙げられる。
[不透明度]
本発明のクリア塗工紙の、JIS P8149に準拠して測定された不透明度は、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、さらに好ましくは85%以上である。不透明度が75%より低いと、印刷物の裏抜けが発生したり、封筒として使用した際に内容物が透過して見えてしまうなどの問題が発生することがある。測定装置としては、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPX等が挙げられる。
[密度]
本発明のクリア塗工紙の密度は0.70g/cm以上、1.00g/cm以下が好ましく、0.75g/cm以上、0.95g/m以下がより好ましい。密度が0.75g/mより低いと、オフセット印刷を行った際の強度が不足してしまい、印刷不要や印刷機の汚れが発生してしまう事がある。
以下にクリア塗工紙に関する実施例および比較例をあげて本発明をより詳細に説明するが、当然ながら、本発明は実施例のみに限定されない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
[品質評価方法]
以下に記載する品質評価方法で、本発明のクリア塗工紙の品質を評価した。
(1)色相測定方法(a、b):JIS P8150に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて、原紙またはクリア塗工紙を紫外光を含む光源及び紫外線を含まない光源にて測定した。
(2)F1:JIS P8148に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて、原紙またはクリア塗工紙を紫外光を含む光源にて測定した。
(3)ISO白色度測定方法:JIS P8148に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて、紫外光を含む光源にて測定した。
(4)不透明度測定方法:JIS P8149に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて測定した。
(5)灰分測定方法:JIS P8251に準拠して測定した。
(6)坪量:JIS P8124:1998(ISO536:1995)に従った。
(7)風合い(目視評価):得られクリア塗工紙について、以下の基準で評価した。
〇:ナチュラルな白さを持った自然な風合い
△:少し黄色味もしくは青味がかっている
×:黄色味もしくは青味が強い
[実施例1]LBKP100部のパルプスラリーに、填料としてタルクと軽質炭酸カルシウムを1:4の割合で灰分15%となるように添加し紙料を調整した。
その後、上記紙料をヘッドボックスから長網式の抄紙ワイヤー上に紙料を噴出して抄紙し、プレスパートで搾水、プレドライヤーで乾燥し、抄紙速度550m/minで原紙を抄造した。得られた原紙に、コーン変性澱粉5%、スチレン系サイズ剤0.25%、AKDサイズ剤0.1%を含有するクリア塗工液を、ポンド式サイズプレスを用いて、塗工量が両面で1.72g/m(固形分)となるように表裏均等に塗工した。乾燥後、坪量81.5g/m、紙厚97μm、紙中灰分14.4%のクリア塗工紙を得た。紙質の測定値、評価結果は表1に示す。
[実施例2]
原紙のパルプ配合がLBKP97重量部、NBKP3重量部として、内添填料を全量軽質炭酸カルシウムとして灰分9%となるように添加し紙料を調整し、クリア塗工液の塗布量を両面で1.56g/m(固形分)となるように表裏均等に塗工紙した以外は実施例1に記載の方法でクリア塗工紙を作成し、坪量47.5g/m、紙厚61μm、紙中灰分8.9%のクリア塗工紙を得た。紙質の測定値、評価結果は表1に示す。
[実施例3]
填料としてタルクと軽質炭酸カルシウムを2:3とし、クリア塗工液の澱粉を6.5重量%、スチレン系サイズ剤を0.3重量%、AKDサイズ剤を0.2重量%とし、塗布量を両面で3.50g/m(固形分)となるように均等に塗工した以外は実施例1に記載の方法でクリア塗工紙を作成し、坪量128.7g/m、紙厚152μm、紙中灰分14.8%のクリア塗工紙を得た。紙質の測定値、評価結果は表1に示す。
[実施例4]
クリア塗工液の澱粉を8重量%、スチレン系サイズ剤を0.5重量%、AKDサイズ剤を0.08重量%とし、塗布量を両面で3.43g/m(固形分)となるように均等に塗工した以外は実施例3記載の方法でクリア塗工紙を作成し、坪量210.3g/m、紙厚239g/m、紙中灰分14.9%のクリア塗工紙を得た。紙質の測定値、評価結果は表1に示す。
[比較例1]
原紙の内添填料のタルクと軽質炭酸カルシウムの比率を1:9とし、クリア塗工液の澱粉を7%水溶液にし、蛍光染料を0.05%添加したものを使用し、塗工量が両面で2.58g/mとなるように均等に塗工した以外は、実施例1に記載の方法でクリア塗工紙を作成し、坪量81.6g/m、紙厚97μm、紙中灰分15.9%のクリア塗工紙を得た。紙質の測定値、評価結果は表1に示す。
[比較例2]
蛍光染料の添加量を0.32%とした以外は、比較例1と同様にクリア塗工紙を作成し、坪量81.0g/m、紙厚96μm、紙中灰分17.2%のクリア塗工紙を得た。紙質の測定値、評価結果は表1に示す。
[比較例3]
原紙の内添填料のタルクと重質炭酸カルシウムの比率を2:8とし、クリア塗工液が、黄色染料200g/tを含有する以外は、実施例1に記載の方法でクリア塗工紙を作成し、坪量80.9g/m、紙厚96μm、紙中灰分13.8%のクリア塗工紙を得た。紙質の測定値、評価結果は表1に示す。
Figure 2018178277
表1からわかるように、蛍光増白剤を含有しない実施例1〜4は、蛍光増白剤を含有する比較例1と比較して、紫外線を含む光源での白色度はやや低いもののF1値が低く、ナチュラルな風合いのクリア塗工紙となった。また、比較例1より蛍光増白剤の添加量が多い比較例2は、b(UV−cut)値が−3.91と低く、実施例と比較して青味の強いクリア塗工紙となった。さらに、黄色染料を含有する比較例3は、b(UV−cut)値が9.17と高く、黄色味が強いため、実施例1〜4と比較して白色度が低く、ナチュラルな風合いも劣っていた。

Claims (5)

  1. 原紙の上に一層以上のクリア塗工層を有するクリア塗工紙であって、
    前記クリア塗工層が蛍光増白剤を含有せず、
    JIS P8148によるF1が0.10以下、白色度が80%以上であるクリア塗工紙。
  2. JIS P8150による紫外線を含まない光源によるL値がそれぞれ、L値が90以上98以下、a値が−5以上2以下、b値が−5以上5以下である、請求項1記載のクリア塗工紙。
  3. 前記原紙が蛍光増白剤を含有しない請求項1または2記載のクリア塗工紙。
  4. 前記原紙が脱墨パルプを含有しない請求項1〜3のいずれかに記載のクリア塗工紙。
  5. オフセット印刷用紙である請求項1〜4のいずれかに記載のクリア塗工紙。
JP2017075227A 2017-04-05 2017-04-05 クリア塗工紙 Pending JP2018178277A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102257561B1 (ko) * 2020-09-11 2021-05-31 서만석 친환경 테이블 세팅지 제조방법

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