JPWO2019188979A1 - 分離回収方法 - Google Patents

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Abstract

セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、繊維状炭素ナノ構造体とを別々に回収する、より簡便な分離回収方法を提供する。本発明の分離回収方法は、複合体粒子を繊維状炭素ナノ構造体通路の入口付近まで移送し、移送された複合体粒子に対して、繊維状炭素ナノ構造体通路の入口に向かって流れる流体と、前記流体の流れる方向とは逆方向の成分を含む外力とを付与し、繊維状炭素ナノ構造体とセラミック粒子状支持基材とを分離する分離工程と、分離した繊維状炭素ナノ構造体を流体の流れにより繊維状炭素ナノ構造体通路の内部に移送して回収すると共に、分離したセラミック粒子状支持基材を繊維状炭素ナノ構造体通路から離れる方向に移送して回収する回収工程とを含み、分離工程において、繊維状炭素ナノ構造体に付与される外力よりもセラミック粒子状支持基材に付与される外力が大きい。

Description

本発明は、分離回収方法に関するものである。
カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)などの繊維状炭素ナノ構造体は、機械的強度、摺動特性、柔軟性、半導体的および金属的導電性、熱伝導性などの種々の特性に優れ、かつ化学的安定性も高いため、幅広い用途への応用が進んでいる。
そこで、近年、このような優れた特性を有する繊維状炭素ナノ構造体を効率的に、かつ低コストで製造する方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、FeおよびAlからなる触媒を担持させた支持基材表面に対し、アセチレン、二酸化炭素、および不活性ガスからなる原料ガスを所定の分圧にて流通させることにより、支持基材上にカーボンナノチューブを合成させる技術が開示されている。さらに、支持基材として粒子状のものを用いることも検討されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2012/057229号 国際公開第2017/145604号
ここで、合成したカーボンナノチューブを支持基材から剥離して回収する方法として、粒子状支持基材からカーボンナノチューブを剥離する前の複合体粒子から、粒子状支持基材とカーボンナノチューブとを分離して、別々に回収することができる、より簡便な分離回収方法が求められていた。
本発明は、セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを、別々に、回収することができる、より簡便な分離回収方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、外力と該外力の抗力としての流体の流れ(例えば、遠心力と該遠心力の抗力としての空気流とにより形成される空気渦)を利用すれば、セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを、別々に、回収することをより簡便に行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の分離回収方法は、セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、前記セラミック粒子状支持基材と前記被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを分離して回収する分離回収方法であって、前記複合体粒子を、前記繊維状炭素ナノ構造体を通過させて回収するための繊維状炭素ナノ構造体通路の入口付近まで移送し、前記移送された複合体粒子に対して、前記繊維状炭素ナノ構造体通路の入口に向かって流れる流体と、前記流体の流れる方向とは逆方向の成分を含む外力を付与し、前記繊維状炭素ナノ構造体と前記セラミック粒子状支持基材とを分離する分離工程と、前記分離した繊維状炭素ナノ構造体を前記流体の流れにより前記繊維状炭素ナノ構造体通路の内部に移送して回収すると共に、前記分離したセラミック粒子状支持基材を前記繊維状炭素ナノ構造体通路から離れる方向に移送して回収する回収工程と、を含み、前記分離工程において、前記繊維状炭素ナノ構造体に付与される前記外力よりも前記セラミック粒子状支持基材に付与される前記外力が大きいことを特徴とする。このように、外力と流体の流れとを利用すれば、セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを、別々に、回収することをより簡便に行うことができる。
ここで、本発明の分離回収方法では、前記流体が、空気および/または不活性ガスを含むことが好ましい。流体が空気および/または不活性ガスを含めば、流体と複合体粒子が反応することを防止することができる。
また、本発明の分離回収方法では、前記外力が、重力、および/または、所定の回転軸を中心に前記複合体粒子を回転させることで発生する遠心力を含むことが好ましい。外力が、重力、および/または、所定の回転軸を中心に複合体粒子を回転させることで発生する遠心力を含めば、セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを、別々に、回収することをより確実に行うことができる。
ここで、本発明の分離回収方法では、前記流体の線流速v(m/s)と前記セラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рが1以上であることが好ましい。
流体の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рが1以上であれば、繊維状炭素ナノ構造体の回収率を向上させることができる。
なお、本明細書において、「真密度」は、「測定対象自体の体積から算出した密度」を意味する。また、「真密度」は、実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本発明の分離回収方法では、前記セラミック粒子状支持基材の真密度と前記繊維状炭素ナノ構造体の真密度との比(セラミック粒子状支持基材の真密度/繊維状炭素ナノ構造体の真密度)が2以上であることが好ましい。セラミック粒子状支持基材の真密度と繊維状炭素ナノ構造体の真密度との比が2以上であれば、繊維状炭素ナノ構造体がセラミック粒子状支持基材回収部に混入する量を低減し、繊維状炭素ナノ構造体の回収率を向上させることができる。
ここで、本発明の分離回収方法では、前記セラミック粒子状支持基材のかさ密度と前記繊維状炭素ナノ構造体のかさ密度との比(セラミック粒子状支持基材のかさ密度/繊維状炭素ナノ構造体のかさ密度)が10以上であることが好ましい。セラミック粒子状支持基材のかさ密度と繊維状炭素ナノ構造体のかさ密度との比が10以上であれば、繊維状炭素ナノ構造体回収部にセラミック粒子状支持基材が混入することを防ぐことができる。
なお、本明細書において、「かさ密度」は、「測定対象を所定の容器に充填し、その容器の内容積を体積として算出した密度」を意味し、容器の内容積を体積には、測定対象自体の体積のみならず、測定対象間および容器の間隙の体積を含まれる。また、「かさ密度」は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明によれば、セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを、別々に、回収することができる、より簡便な分離回収方法を提供することができる。
本発明に従う分離回収方法の処理対象としての複合体粒子の断面図である。 本発明に従う分離回収方法の一例を説明するための図である(その1)。 回転スリットの一例による作用を示す図である。 本発明に従う分離回収方法の一例を説明するための図である(その2)。 回転ロータを構成する回転スリット体を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
ここで、本発明の分離回収方法は、セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを分離して、別々に回収する際に用いることができる。
(分離回収方法)
本発明の分離回収方法は、セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを分離して回収する方法である。そして、本発明の分離回収方法は、複合体粒子を、繊維状炭素ナノ構造体を通過させて回収するための繊維状炭素ナノ構造体通路の入口付近まで移送し、移送された複合体粒子に対して、繊維状炭素ナノ構造体通路の入口に向かって流れる流体と、流体の流れる方向とは逆方向の成分を含む外力とを付与し、繊維状炭素ナノ構造体とセラミック粒子状支持基材とを分離する工程(分離工程)と、分離した繊維状炭素ナノ構造体を流体の流れにより繊維状炭素ナノ構造体通路の内部に移送して回収すると共に、分離したセラミック粒子状支持基材を繊維状炭素ナノ構造体通路から離れる方向に移送して回収する工程(回収工程)と、を含み、任意に、その他の工程を更に含む。
<複合体粒子>
本発明の分離回収方法が実施される複合体粒子は、セラミック粒子状支持基材と、当該セラミック粒子状支持基材の表面に被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを有する。
図1において、複合体粒子1は、セラミック粒子状支持基材2と、セラミック粒子状支持基材2の表面に被覆された繊維状炭素ナノ構造体3とを有する。
複合体粒子のかさ密度としては、特に制限されることはないが、1g/cm以下であることが好ましい。
〔セラミック粒子状支持基材〕
セラミック粒子状支持基材は、任意のセラミック材質からなる粒子形状を有し、当該基材表面に後述する繊維状炭素ナノ構造体を被覆するための母体構造を成す部分である。このように、セラミック粒子状支持基材を用いれば、セラミック粒子状支持基材を用いて製造される複合体粒子も粒子状となる。
なお、「粒子状」とは、略粒子形状を形成していればよく、アスペクト比が10以下であることが好ましい。
なお、本発明において、「セラミック粒子状支持基材のアスペクト比」は、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択したセラミック粒子状支持基材100個の短径および長径を測定して求めることができる。
また、セラミック粒子状支持基材の構造としては、当該セラミック粒子状支持基材のみでもよく、当該セラミック粒子状支持基材の表面上に繊維状炭素ナノ構造体を良好に被覆するための任意の下地層を設けた下地層付きセラミック粒子状支持基材でもよい。前記下地層は、任意の材質からなり、例えば、セラミック粒子状支持基材の表面に1層、または2層以上形成されることができる。
なお、下地層の組成は、特に制限されることなく、セラミック粒子状支持基材の種類、および後述する繊維状炭素ナノ構造体の種類によって適宜選択することができる。また、形成する下地層の膜厚も、所望の繊維状炭素ナノ構造体の被覆量によって適宜調節することができる。
セラミック粒子状支持基材のセラミック材質としては、特に制限されることはないが、金属酸化物を含むことが好ましく、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、およびモリブデン(Mo)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する金属酸化物を含むことがより好ましく、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、ムライト(酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の化合物)等の金属酸化物により構成されていることがさらに好ましい。セラミック粒子状支持基材が金属酸化物により構成されていることで、耐熱性を向上させることができる。また、酸化アルミニウムまたはムライトを金属酸化物として使用することで、耐熱性をより向上させることができる。
セラミック粒子状支持基材の直径としては、特に制限されることはないが、50μm以上10mm以下であることが好ましい。
セラミック粒子状支持基材のかさ密度としては、特に制限されることはないが、2g/cm以上であることが好ましく、また、4g/cm以下であることが好ましい。
〔繊維状炭素ナノ構造体〕
繊維状炭素ナノ構造体としては、特に制限されることなく、例えば、アスペクト比が10を超える繊維状炭素ナノ構造体が挙げられる。具体的には、繊維状炭素ナノ構造体としては、CNT、気相成長炭素繊維などが挙げられる。
なお、本発明において、「繊維状炭素ナノ構造体のアスペクト比」は、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体100本の直径(外径)および長さを測定して求めることができる。
以下、本発明の製造方法で得られる繊維状炭素ナノ構造体がCNTを含む場合について説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
複合体粒子における繊維状炭素ナノ構造体が形成する層の厚みとしては、特に制限されることはないが、0.05mm以上であることが好ましく、また、1.0mm以下であることが好ましい。
繊維状炭素ナノ構造体のかさ密度としては、特に制限されることはないが、0.01g/cm以上であることが好ましく、また、0.03g/cm以下であることが好ましい。
−カーボンナノチューブ−
カーボンナノチューブ(CNT)は、グラフェンシートを筒状に巻いた構造を有し、アスペクト比の非常に大きい一次元構造を有する材料である(非特許文献1を参照)。ここで、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体は、CNTのみから構成されていてもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
また、CNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブとすることができるが、種々の機械的強度、電気的特性、熱伝導性などの特性を高める観点からは、CNTは、10層以下の層で構成されていることが好ましく、5層以下の層で構成されていることがより好ましく、単層カーボンナノチューブであることが更に好ましい。単層カーボンナノチューブ/多層カーボンナノチューブは、例えば、触媒の大きさ、触媒の組成、反応時間、原料ガス供給流量などの種々の反応条件を変更することにより、適宜調節することができる。
−性状−
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の平均直径は、種々の用途により所望の値とすることができる。一般的には、CNTの平均直径が微細であるほど種々の特性は向上する。
なお、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の「平均直径」は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。
また、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の平均長さは、種々の用途により所望の値とすることができるが、合成時における平均長さが1μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。合成時のCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の平均長さが1μm以上であれば、得られる繊維状炭素ナノ構造体に、種々の機械的強度、電気的特性、熱伝導性などの特性をより良好に発揮させることができるからである。また、合成時のCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の長さが長いほど、繊維状炭素ナノ構造体に破断や切断などの損傷が発生し易いので、合成時のCNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の平均長さは5000μm以下とすることが好ましい。
なお、CNTを含む繊維状炭素ナノ構造体の「平均長さ」は、例えば、合成反応時間を変更することにより、適宜調節することができる。
本発明の分離回収方法では、例えば、セラミック粒子状支持基材の表面上に繊維状炭素ナノ構造体を生成させ、生成した繊維状炭素ナノ構造体を化学気相法によって成長させることにより得られた複合体粒子が供される。
セラミック粒子状支持基材の真密度と繊維状炭素ナノ構造体の真密度との比(セラミック粒子状支持基材の真密度/繊維状炭素ナノ構造体の真密度)としては、特に制限されることはないが、繊維状ナノ構造体の回収率向上の観点から、2以上であることが好ましい。
セラミック粒子状支持基材のかさ密度と繊維状炭素ナノ構造体のかさ密度との比(セラミック粒子状支持基材のかさ密度/繊維状炭素ナノ構造体のかさ密度)としては、特に制限されることはないが、繊維状炭素ナノ構造体回収部にセラミック粒子状支持基材が混入することを防ぐ観点から、10以上であることが好ましい。
<分離工程>
本発明の分離回収方法では、複合体粒子を、繊維状炭素ナノ構造体を通過させて回収するための繊維状炭素ナノ構造体通路の入口付近まで移送し、移送された複合体粒子に対して、繊維状炭素ナノ構造体通路の入口に向かって流れる流体と、流体の流れる方向とは逆方向の成分を含む外力を付与することにより、繊維状炭素ナノ構造体とセラミック粒子状支持基材とを分離することができる。
ここで、外力の種類としては、特に制限はなく、例えば、重力、所定の回転軸を中心に前記複合体粒子を回転させることで発生する遠心力、などが好適に挙げられる。
また、流体の種類としては、特に制限はなく、例えば、空気、不活性ガス、などが好適に挙げられる。
さらに、外力は、流体の流れる方向と逆方向の成分を含めばよいが、流体の流れる方向と逆方向であることが好ましい。
〔移送〕
本発明の分離回収方法では、まず、複合体粒子を繊維状炭素ナノ構造体通路の入口付近まで移送する。
移送方法としては、繊維状炭素ナノ構造体通路の入口付近まで移送可能な方法である限り、特に制限はなく、例えば、空気(エアー)による移送、重力による移送、などが挙げられる。
−繊維状炭素ナノ構造体通路−
繊維状炭素ナノ構造体通路としては、繊維状炭素ナノ構造体が通過可能な空間である限り、特に制限はなく、例えば、後述する図2Aにおける空洞部32,62、後述する図3Aにおける回転ロータ130、などが挙げられる。
繊維状炭素ナノ構造体通路の入口としては、繊維状炭素ナノ構造体通路に通ずる間隙(スリット)である限り、特に制限はなく、例えば、後述する図2Aにおける隙間38、後述する図3Aにおける回転ロータ130に設けられた粉体導入口130a、などが挙げられる。
〔分離〕
分離工程において、繊維状炭素ナノ構造体に付与される外力よりもセラミック粒子状支持基材に付与される外力が大きい。このバランスよって、複合体粒子をセラミック粒子状支持基材(外力により移動させる)と繊維状炭素ナノ構造体(流体の流れにより移動させる)とに分離させる。
ここで、外力が所定の回転軸を中心に複合体粒子を回転させることで発生する遠心力である場合、密度が大きいセラミック粒子状支持基材は遠心力の力をより受け、一方、密度が小さい繊維状炭素ナノ構造体は抗力をより受ける。このバランスよって、セラミック粒子状支持基材と繊維状炭素ナノ構造体との大きさ(体積)や質量の違いから、複合体粒子をセラミック粒子状支持基材(遠心力により移動させる)と繊維状炭素ナノ構造体(空気流により移動させる)とに分離させる。
−流体の流れ−
流体の流れは、繊維状炭素ナノ構造体通路の入口に向かって流れる流体の流れである限り、特に制限はない。流体の流れは、例えば、図2Aの説明で示すように、分離回収装置100の内部に負圧が形成されて、空気導入口14から流入された空気が、補助羽根4によって回転方向の流れに変換され、旋回した状態、つまり分級ロータ30とほぼ同一の周速の気流となって円環路6から分級室46に入る。
流体の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рとしては、特に制限されることはないが、1以上であることが好ましく、1.3以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましく、1.7以上であることが特に好ましい。比v/рが1以上であることにより、繊維状炭素ナノ構造体の回収率を向上させることができる。
−遠心力−
外力としての遠心力は、所定の回転手段(例えば、分級ロータ30(図2A)、バランスロータ60(図2A)、回転ロータ130(図3A))による回転により発生するもので、回転軸と離れる方向(遠心方向)に作用する。
<回収工程>
本発明の分離回収方法では、分離した繊維状炭素ナノ構造体を流体の流れにより繊維状炭素ナノ構造体通路の内部に移送して回収すると共に、分離したセラミック粒子状支持基材を繊維状炭素ナノ構造体通路から離れる方向に移送して回収することにより、複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを、別々に、回収することをより簡便に行うことができる。
ここで、外力が所定の回転軸を中心に複合体粒子を回転させることで発生する遠心力である場合、繊維状炭素ナノ構造体を回収する回収方向は、分離回収のし易さの観点から、回転手段の回転軸方向であることが好ましい。
<その他の工程>
なお、回収されたセラミック粒子状支持基材の中に少量の繊維状炭素ナノ構造体が混入している場合は、分離することは困難であるが、回収された繊維状炭素ナノ構造体の中に少量のセラミック粒子状支持基材が混入している場合は、所定の篩を用いて分級する(その他の工程としての分級工程を行う)ことで、分離することが可能である。
以下に、上述した方法を用いて、複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを、別々に回収する手順の具体例(強制渦式分級方式)を示す。なお、本発明は、以下の具体例に限定されるものではなく、旋回気流式、ふるい分け自由渦式、なども含む。
図2Aは、本発明に従う分離回収方法の一例を説明するための図である(その1)。
図2Aにおいて、分離回収装置100は、ケーシング10と、ケーシング10内の回転軸16に回転自在に設けられた分級ロータ30等から構成されている。ケーシング10は、上面中心部に原料投入口12を有し、外周に円環路6、周側面に空気導入口14、及び粗粉取出口(セラミック粒子状支持基材回収部)20が設けられている。ケーシング10と分級ロータ30の上板40との間には通路52が形成してあり、原料投入口12に連通している。また、下部外方には、渦巻きケーシング(繊維状炭素ナノ構造体回収部)18が設けてあり、この渦巻きケーシング18には、図示しないサイクロン、バックフィルタ等の捕集装置(不図示)が連結されている。
分級ロータ30は、円盤状で、円周部から軸心部下方に連通する空洞部32(繊維状炭素ナノ構造体通路)を有し、ケーシング10の縦方向の軸心部に軸受15により垂直に取り付けられた回転軸16の上端に固着されている。空洞部32の内部には、外方分級羽根36と内方分級羽根34とが内外二段となるように、円周方向に等間隔に放射状に配列してある。
これら外方分級羽根36と内方分級羽根34との間には、所望の間隔の隙間38が形成してある。分級ロータ30の上板40には、粉体分散羽根42が軸心部から外周方向に放射状に設けてあり、また隙間38に一致させて空洞部32内と連通するリング状の粉体導入口44が形成してある。このように、外方分級羽根36と内方分級羽根34等によって、分級室46が分級ロータ30の内部外周に構成されている。
さらに、分級ロータ30の下面には、外方分級羽根36や内方分級羽根34とほぼ同じ円周上に補助羽根4が設けられている。補助羽根4は、円周方向に等間隔に、放射状に設けられている。補助羽根4は、分級ロータ30が回転したとき回転方向の空気流を形成し、旋回した状態で間隔38(繊維状炭素ナノ構造体通路の入口)へ空気を導入するようにしている。
分級ロータ30の下部には、分級ロータ30とほぼ同様の形状のバランスロータ60が取り付けられている。バランスロータ60は、円盤状で、円周部から軸心部に連通する空洞部62(繊維状炭素ナノ構造体通路)を有し、分級ロータ30と上下対称の配置状態となり、かつ空洞部62が分級ロータ30の空洞部32と連通して、回転軸16に一体に固着してある。また、バランスロータ60の空洞部62内の開口周縁部には多数の羽根64が放射状に設けてある。
以下、分離回収方法の一例を詳細に説明する。
まず、分級ロータ30およびバランスロータ60を所望の速度で回転させ、バランスロータ60の吸引作用および外部に連結されたブロワー(不図示)で分離回収装置100の内部に負圧を形成する。空気導入口14から流入された空気は、補助羽根4によって回転方向の流れに変換され、旋回した状態、つまり分級ロータ30とほぼ同一の周速の気流となって円環路6から分級室46に入る。分級室46では、内方分級羽根34、外方分級羽根36に沿って半径方向に空気が流れ、空洞部32を通ってバランスロータ60の空洞部62を通過した空気は、渦巻きケーシング18を介してサイクロンのブロワー(不図示)に吸引される。
この状態で、原料である複合体粒子を原料投入口12から投入すると、投入された複合体粒子は、分級ロータ30およびバランスロータ60の回転による遠心力で、通路52を通じて、間隔38(粉体導入口44、分級室46)付近に移動する。ここで、間隔38付近に移動した複合体粒子は、分級ロータ30およびバランスロータ60の回転による遠心力と、該遠心力の逆方向に作用する抗力としての矢印方向の空気流とによって、セラミック粒子状支持基材から繊維状炭素ナノ構造体が剥離する。ここで、比重(真密度)が大きいセラミック粒子状支持基材は、遠心力によって、回転軸16から離れる遠心方向(分離回収装置100の外側)に飛ばされて、粗粉取出口20を通じて、粗粉として回収される。一方、比重(真密度)が小さい繊維状炭素ナノ構造体は、空気流に沿って分級羽根34,36を通過し、空洞部32,62を通じて、微粉として渦巻きケーシング18に回収される。
また、図2Bは、回転スリットの一例による作用を示す図である。
図2Bにおける回転スリット70は、図2Aにおける上板40と、内方分級羽根34と、外方分級羽根36と、隙間38と、空洞部32,62とによって構成される。
まず、回転スリット70の上方から原料として投入された複合体粒子が、遠心力により回転スリット70の側面(図2Aの「隙間38付近」に相当)に移動する。次に、回転スリット70の側面における遠心力と抗力(空気流)とにより発生する空気渦で、複合体粒子が、セラミック粒子状支持基材と繊維状炭素ナノ構造体とに分離する(セラミック粒子状支持基材から繊維状炭素ナノ構造体が剥離する)。さらに、繊維状炭素ナノ構造体は、抗力(空気流)に沿って回転スリット70の側面に形成されたスリットを通過し、回転スリット70の内部(図2Aの「空洞部32,62」に相当)を通って微粉として回収される。
図3Aは、本発明に従う分離回収方法の一例を説明するための図である(その2)。
図3Aにおいて、分離回収装置200は、装置側部に設けられた原料投入口110と、装置下方側部に設けられた空気導入口120、121と、装置内部上方に設けられ、「繊維状炭素ナノ構造体通路」および「複合体粒子を回転軸を中心に回転させる回転手段」として機能する回転ロータ130と、装置下部に設けられた粗粉取出口135とを備える。
回転ロータ130は、回転スリット体140(図3B参照)を備えている。回転スリット体140の側面には、繊維状炭素ナノ構造体が内部に導入されるための粉体導入口130aが形成されている。また、回転ロータ130には、回転ロータ130を構成する回転スリット体140の内部を通過した繊維状炭素ナノ構造体を回収するための回転ロータ側部130bが設けられている。
以下、分離回収方法の一例を詳細に説明する。
まず、原料としての複合体粒子を原料投入口110から投入すると、複合体粒子は、重力によって鉛直下方向に落下するが、この落下の際、空気導入口120からの一次エアもしくは空気導入口121からの二次エアによって、上方に巻き上げられて、回転ロータ130に設けられた粉体導入口130a(繊維状炭素ナノ構造体通路の入口)付近に移動する。さらに、回転ロータ130の中に一次エアおよび二次エアが流れて、空気流が形成される。ここで、回転ロータ130の回転による遠心力と該遠心力の逆方向に作用する抗力としての上述の空気流によって、複合体粒子におけるセラミック粒子状支持基材から繊維状炭素ナノ構造体が剥離する。ここで、比重(真密度)が大きいセラミック粒子状支持基材は、遠心力によって、回転ロータ130の回転軸から離れる遠心方向(図3Aの下側方向)に飛ばされて、粗粉取出口135を通じて、粗粉として回収される。なおここで、セラミック粒子状支持基材は、比重(真密度)が大きいため、一次エアもしくは二次エアによって巻き上げられない。一方、比重(真密度)が小さい繊維状炭素ナノ構造体は、空気流に沿って回転ロータ130内部を通過し、回転ロータ側部130bを通って、微粉として回収される。
また、図3Bは、回転ロータを構成する回転スリット体を示す図である。
図3Bにおける回転スリット体140は、図3Aにおける回転ロータ130を構成する部材である。
まず、移送された複合体粒子が回転スリット体140の側面付近に移動する。次に、回転スリット体140の側面付近において、遠心力と抗力とにより発生する空気渦が発生し、この空気渦により、複合体粒子が、セラミック粒子状支持基材と繊維状炭素ナノ構造体とに分離する(セラミック粒子状支持基材から繊維状炭素ナノ構造体が剥離する)。さらに、繊維状炭素ナノ構造体は、空気流に沿って回転スリット体140の側面に形成されたスリットとしての粉体導入口130a(図3A)を通過し、回転スリット体140の内部を通って、回転スリット140体の側部である回転ロータ側部130b(図3A)から抜けて、微粉として回収される。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<複合体粒子の作製>
Fe触媒を被覆したジルコニア粒子基材に対して、高温下で水素による還元工程後、高温下で炭素ガスおよび数百質量ppmの微量の水分にさらした。
このようにして、直径0.3mmのジルコニア(二酸化ジルコニウム)(真密度:6.0g/cm、かさ密度:3.9g/cm)からなるセラミック粒子状支持基材に、繊維状炭素ナノ構造体としてのCNT(真密度:1.3g/cm、かさ密度:0.2g/cm)からなる0.23mmの厚みのCNT層が被覆された複合体粒子1(真密度:5.9g/cm、かさ密度:0.51g/cm)を得た。
なお、セラミック粒子状支持基材、繊維状炭素ナノ構造体および複合体粒子の真密度およびかさ密度は以下のように測定した。
<<真密度の測定>>
乾式自動密度計(アキュピック:島津製作所製)を用いて測定した。
<<かさ密度の測定>>
粉体減少度測定器(密充填カサ密度測定器)TPM−3P形(筒丼理化学器械株式会社製)を用いて測定を行った。(約60mL程度を測定容器に入れ、重量を測定した。その後タッピングを200回繰り返した後の容量を測定し、かさ密度を測定した。
<分離回収>
図2Aに記載の分離回収装置を用いて、分離回収を行った。なお、複合体粒子1を回転軸に沿って回転させる分級ロータ30およびバランスロータ60の回転数は、3000rpmであり、隙間38の幅は、10mmであった。
空気流の線流速vは12.36m/sであり、空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは2.06であり、CNTの回収率は95.9質量%であった。
なお、空気流の線流速v(m/s)は以下のように測定し、CNTの回収率(質量%)は、以下のように測定および算出した。
<<空気流の線流速vの測定>>
空洞部62または回転ロータ(分級ロータ30およびバランスロータ60)側部を通過する空気量A(m/s)を測定し、回転ロータの開口面積BからA/B(m)より算出した。
<<CNTの回収率の測定および算出>>
複合体合成後に増加したCNT量Aと微粉側に回収したCNT量Bから、B/A×100(%)によりCNT回収率を測定した。
(実施例2)
実施例1において、分離回収における空気流の線流速vを、12.36m/sとする代わりに、10.62m/sとしたこと以外は、実施例1と同様に、「複合体粒子の作製」および「分離回収」を行った。
空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは1.77であり、CNTの回収率は89.1質量%であった。
(実施例3)
実施例1において、分離回収における空気流の線流速vを、12.36m/sとする代わりに、8.82m/sとしたこと以外は、実施例1と同様に、「複合体粒子の作製」および「分離回収」を行った。
空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは1.47であり、CNTの回収率は88.2質量%であった。
(実施例4)
実施例1において、図2Aに記載の分離回収装置を用いて分離回収する代わりに、下記のように「分離回収」を行ったこと以外は、実施例1と同様に、「複合体粒子の作製」を行った。
<分離回収>
図3Aに記載の分離回収装置を用いて、分離回収を行った。なお、複合体粒子1を回転軸に沿って回転させる回転ロータ130の回転数は18000rpmであり、回転ロータ130の側面に設けられた粉体導入口130aとしての各スリットの幅(円周方向の幅)は20mmであり、回転ロータ130の側面の粉体導入口130aによる開孔率は75%であり、回転ロータ130の円筒形状における底面の直径は50mmであった。
空気流の線流速vは11.70m/sであり、空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは1.95であり、CNTの回収率は97.5質量%であった。
なお、空気流の線流速v(m/s)は以下のように測定し、CNTの回収率(質量%)は以下のように測定および算出した。
空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは1.95であり、CNTの回収率は97.5質量%であった。
(実施例5)
実施例4において、分離回収における空気流の線流速vを、11.70m/sとする代わりに、10.62m/sとしたこと以外は、実施例4と同様に、「複合体粒子の作製」および「分離回収」を行った。
空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは1.77であり、CNTの回収率は99.4質量%であった。
(実施例6)
実施例4において、分離回収における空気流の線流速vを、11.70m/sとする代わりに、7.68m/sとしたこと以外は、実施例4と同様に、「複合体粒子の作製」および「分離回収」を行った。
空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは1.28であり、CNTの回収率は62.3質量%であった。
(実施例7)
実施例4において、分離回収における空気流の線流速vを、11.70m/sとする代わりに、5.28m/sとしたこと以外は、実施例4と同様に、「複合体粒子の作製」および「分離回収」を行った。
空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは0.88であり、CNTの回収率は20.0質量%であった。
(実施例8)
<複合体粒子の作製>
Fe触媒を被覆したアルミナ粒子基材に対して高温下で水素による還元工程後、高温下で炭素ガスおよび数百質量ppmの微量の水分にさらした。
このようにして、直径0.3mmのアルミナ(酸化アルミニウム)(真密度:3.9g/cm、かさ密度:2.4g/cm)からなるセラミック粒子状支持基材に、繊維状炭素ナノ構造体としてのCNT(真密度:1.3g/cm、かさ密度:0.018g/cm)からなる0.2mmの厚みのCNT層が被覆された複合体粒子2(真密度:3.8g/cm、かさ密度:0.47g/cm)を得た。
<分離回収>
図3Aに記載の分離回収装置を用いて、分離回収を行った。なお、複合体粒子2を回転軸に沿って回転させる回転ロータ130の回転数は18000rpmであり、回転ロータ130の側面に設けられた粉体導入口130aとしての各スリットの幅(円周方向の幅)は20mmであり、回転ロータ130の側面の粉体導入口130aによる開孔率は75%であり、回転ロータ130の円筒形状における底面の直径は50mmであった。
空気流の線流速vは7.68m/sであり、空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは1.97であり、CNTの回収率は87.3質量%であった。
なお、空気流の線流速v(m/s)は実施例1と同様に測定し、CNTの回収率(質量%)は実施例1と同様に測定および算出した。
(実施例9)
実施例8おいて、分離回収における空気流の線流速vを、7.68m/sとする代わりに、5.30m/sとしたこと以外は、実施例8と同様に、「複合体粒子の作製」および「分離回収」を行った。
空気流の線流速v(m/s)とセラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm)との比v/рは1.36であり、CNTの回収率は43.8質量%であった。
実施例1〜9では、複合体粒子を、CNTを通過させて回収するための繊維状炭素ナノ構造体通路(空洞部32,62(図2A)、回転ロータ130(図3A))の入口(隙間38(図2A)、粉体導入口130a(図3A))付近まで移送し、この移送された複合体粒子に対して、繊維状炭素ナノ構造体通路の入口に向かって流れる流体の流れ(空気流)と、流体の流れる方向とは逆方向の成分を含む外力(回転軸(回転軸16(図2A))を中心に複合体粒子を回転させることで発生する遠心力)とを付与し、繊維状炭素ナノ構造体とセラミック粒子状支持基材とを分離し(CNTをセラミック粒子状支持基材の表面から剥離し)、分離した繊維状炭素ナノ構造体(CNT)を流体の流れ(空気流)により繊維状炭素ナノ構造体通路(空洞部32,62(図2A)、回転ロータ130(図3A))の内部に移送して回収すると共に、分離したセラミック粒子状支持基材を繊維状炭素ナノ構造体通路から離れる方向(遠心力により回転軸(回転軸16(図2A))から離れる方向(遠心方向))に移送して回収したので、セラミック粒子状支持基材の表面がCNTで被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆されたCNTとを、別々に、回収することをより簡便に行うことができた。
本発明によれば、セラミック粒子状支持基材の表面がカーボンナノチューブで被覆された複合体粒子から、セラミック粒子状支持基材と、被覆されたカーボンナノチューブとを、別々に、回収することができる、より簡便な分離回収方法を提供することができる。
1 複合体粒子
2 セラミック粒子状支持基材
3 繊維状炭素ナノ構造体
4 補助羽根
6 円環路
10 ケーシング
12 原料投入口
14 空気導入口
15 軸受
16 回転軸
18 渦巻きケーシング(繊維状炭素ナノ構造体回収部)
20 粗粉取出口(セラミック粒子状支持基材回収部)
30 分級ロータ
32 空洞部
34 内方分級羽根
36 外方分級羽根
38 隙間
40 上板
42 粉体分散羽根
44 粉体導入口
46 分級室
52 通路
60 バランスロータ
62 空洞部
64 羽根
70 回転スリット
100 分離回収装置
110 原料投入口
120 空気導入口
121 空気導入口
130 回転ロータ
130a 粉体導入口
130b 回転ロータ側部
135 粗粉取出口
140 回転スリット体
200 分離回収装置
A 原料
B 粗粉
C 微粉
D 空気流
E 原料投入
F 遠心力
G 抗力
H 微粉とエアが下から抜けて回収
I 一次エアー
J 二次エアー
K 微粉とエアが横から抜けて回収

Claims (6)

  1. セラミック粒子状支持基材の表面が繊維状炭素ナノ構造体で被覆された複合体粒子から、前記セラミック粒子状支持基材と前記被覆された繊維状炭素ナノ構造体とを分離して回収する分離回収方法であって、
    前記複合体粒子を、前記繊維状炭素ナノ構造体を通過させて回収するための繊維状炭素ナノ構造体通路の入口付近まで移送し、前記移送された複合体粒子に対して、前記繊維状炭素ナノ構造体通路の入口に向かって流れる流体と、前記流体の流れる方向とは逆方向の成分を含む外力とを付与し、前記繊維状炭素ナノ構造体と前記セラミック粒子状支持基材とを分離する分離工程と、
    前記分離した繊維状炭素ナノ構造体を前記流体の流れにより前記繊維状炭素ナノ構造体通路の内部に移送して回収すると共に、前記分離したセラミック粒子状支持基材を前記繊維状炭素ナノ構造体通路から離れる方向に移送して回収する回収工程と、を含み、
    前記分離工程において、前記繊維状炭素ナノ構造体に付与される前記外力よりも前記セラミック粒子状支持基材に付与される前記外力が大きい、分離回収方法。
  2. 前記流体が、空気および/または不活性ガスを含む、請求項1に記載の分離回収方法。
  3. 前記外力が、重力、および/または、所定の回転軸を中心に前記複合体粒子を回転させることで発生する遠心力を含む、請求項1または2に記載の分離回収方法。
  4. 前記流体の線流速v(m/s)と前記セラミック粒子状支持基材の真密度р(g/cm )との比v/рが1以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の分離回収方法。
  5. 前記セラミック粒子状支持基材の真密度と前記繊維状炭素ナノ構造体の真密度との比(セラミック粒子状支持基材の真密度/繊維状炭素ナノ構造体の真密度)が2以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の分離回収方法。
  6. 前記セラミック粒子状支持基材のかさ密度と前記繊維状炭素ナノ構造体のかさ密度との比(セラミック粒子状支持基材のかさ密度/繊維状炭素ナノ構造体のかさ密度)が10以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の分離回収方法。
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