JPWO2019066080A1 - 光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の一の態様によれば、光透過性基材11、ハードコート層12および無機層13をこの順で備える光学フィルム10であって、ハードコート層12が、無機層13に接し、ハードコート層12が、バインダ樹脂12Aおよび無機粒子12Bを含み、ハードコート層12の膜厚が、1μm以上であり、ハードコート層12のインデンテーション硬さが、200MPa以上である、光学フィルム10が提供される。

Description

関連出願の参照
本願は、先行する日本国出願である特願2017−191319(出願日:2017年9月29日)の優先権の利益を享受するものであり、その開示内容全体は引用することにより本明細書の一部とされる。
本発明は、光学フィルムおよび画像表示装置に関する。
従来から、スマートフォンやタブレット端末等の画像表示装置には、光学フィルムが用いられている。光学フィルムとして、光透過性基材、ハードコート層、および無機層をこの順で備える光学フィルムを用いることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−128927号公報
しかしながら、このような無機層を有する光学フィルムにおいて、無機層の表面に対し♯0000番のスチールウールで1kg/cmの荷重を加えながら10往復擦るスチールウール試験を行うと、無機層に傷が入ることがあり、または無機層に傷が入るとともにハードコート層が削れることがある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、優れた耐擦傷性を有する光学フィルム、およびこれを備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の発明を含む。
[1]ハードコート層および無機層をこの順で備える光学フィルムであって、前記ハードコート層が、前記無機層に接し、前記ハードコート層が、バインダ樹脂および無機粒子を含み、前記ハードコート層の膜厚が、1μm以上であり、前記ハードコート層のインデンテーション硬さが、200MPa以上である、光学フィルム。
[2]前記ハードコート層の膜厚方向の断面において、前記ハードコート層と前記無機層の界面から前記ハードコート層の深さ500nmまでの領域における前記無機粒子の面積比率が、5%以上75%以下である、上記[1]に記載の光学フィルム。
[3]前記無機粒子が、シリカ粒子である、上記[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4]光透過性基材、ハードコート層および無機層をこの順で備える光学フィルムであって、前記ハードコート層が、前記無機層に接し、前記ハードコート層が、金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含み、前記ハードコート層の膜厚が、1μm以上であり、前記ハードコート層のインデンテーション硬さが、200MPa以上である、光学フィルム。
[5]前記無機層が、無機酸化物層である、上記[1]ないし[4]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[6]前記無機層が、ケイ素を含む、上記[1]ないし[4]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[7]前記無機層の厚みが、10nm以上300nm以下である、上記[1]ないし[6]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[8]前記ハードコート層が半金属元素を含み、前記半金属元素が、ケイ素である、上記[4]ないし[7]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[9]前記ハードコート層に含まれ、かつX線光電子分光分析法により測定される前記金属元素および前記半金属元素の合計の原子比率が、1.5%以上30%以下である、上記[4]ないし[8]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[10]前記ハードコート層が、重合性官能基を有するシルセスキオキサンを含む重合性化合物の重合体を含む、上記[1]ないし[9]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[11]前記光学フィルムの対向する辺部の間隔が6mmとなるように180°折り畳む試験を10万回繰り返し行った場合に割れまたは破断が生じない、上記[1]ないし[10]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[12]前記無機層が内側となり、かつ前記光学フィルムの対向する辺部の間隔が2mmとなるように180°折り畳む試験を10万回繰り返し行った場合に割れまたは破断が生じない、上記[1]ないし[11]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[13]前記光透過性基材が、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、またはこれらの混合物からなる基材である、上記[1]ないし[12]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[14]表示パネルと、前記表示パネルよりも観察者側に配置された上記[1]ないし[13]のいずれか一項に記載の光学フィルムと、を備え、前記光学フィルムの前記ハードコート層が、前記光透過性基材よりも観察者側に位置している、画像表示装置。
[15]前記表示パネルが、有機発光ダイオードパネルである、上記[14]に記載の画像表示装置。
本発明の一の態様および他の態様によれば、優れた耐擦傷性を有する光学フィルムを提供できる。また、本発明の他の態様によれば、このような光学フィルムを備える画像表示装置を提供できる。
第1の実施形態に係る光学フィルムの概略構成図である。 図1に示される光学フィルムの一部の拡大図である。 折り畳み試験の様子を模式的に示した図である。 第1の実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。 第2の実施形態に係る光学フィルムの概略構成図である。 第2の実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る光学フィルムおよび画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「フィルム」、「シート」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートとも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。図1は本実施形態に係る光学フィルムの概略構成図であり、図2は図1に示される光学フィルムの一部の拡大図であり、図3は折り畳み試験の様子を模式的に示した図である。
図1に示される光学フィルム10は、光透過性基材11、ハードコート層12、および無機層13をこの順で備えている。ハードコート層12は、無機層13に接している。光学フィルム10は、光透過性基材11とハードコート層12の間に機能層14をさらに備えている。図1に示される光学フィルム10は、機能層14を備えているが、光学フィルムは、機能層を備えていなくともよい。
図1においては、光学フィルム10の表面10Aは、無機層13の表面13Aとなっている。なお、本明細書においては、光学フィルムの表面は光学フィルムの片側の表面を意味するものとして用いるので、光学フィルムの表面とは反対側の面は、光学フィルムの表面と区別するために裏面と称するものとする。光学フィルム10の裏面10Bは、光透過性基材11におけるハードコート層12側の面とは反対側の面となっている。
光学フィルム10のヘイズ値(全ヘイズ値)は2.5%以下であることが好ましい。光学フィルム10のヘイズ値が2.5%以下であれば、優れた透明性を得ることができる。上記ヘイズ値は、1.5%以下、1.0%以下の順にさらに好ましい(数値が小さいほど好ましい)。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7136:2000に準拠した方法により測定することができる。上記ヘイズ値は、50mm×100mmの大きさに切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で無機層側が非光源側となるように設置し、光学フィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。本明細書における「3回測定する」とは、同じ場所を3回測定するのではなく、異なる3箇所を測定することを意味するものとする。光学フィルム10においては、目視した表面10Aは平坦であり、かつハードコート層12等の積層する層も平坦であり、また膜厚のばらつきも±10%の範囲内に収まる。したがって、切り出した光学フィルムの異なる3箇所でヘイズ値を測定することで、おおよその光学フィルムの面内全体のヘイズ値の平均値が得られると考えられる。ヘイズ値のばらつきは、測定対象が1m×3000mと長尺であっても、5インチのスマートフォン程度の大きさであっても、±10%以内である。なお、光学フィルムを上記大きさに切り出せない場合には、例えば、HM−150は測定する際の入口開口が20mmφであるので、直径21mm以上となるようなサンプル大きさが必要になる。このため、22mm×22mm以上の大きさに光学フィルムを適宜切り出してもよい。光学フィルムの大きさが小さい場合は、光源スポットが外れない範囲で少しずつずらす、または角度を変えるなどして測定点を3箇所にする。光学フィルムがロール状である場合、光学フィルムは製品(例えば画像表示装置)に使用される部分である有効部分および製品に使用されない部分である非有効部分を有するが、ヘイズ値等の測定のために光学フィルムを切り出す際には光学フィルムの有効部分から切り出すものとする。例えば、光学フィルムの幅方向の両端からそれぞれ5cmまでの部分は、非有効部分となる可能性がある。
また、光学フィルム10の一方の面側に粘着層や接着層を介して偏光板等の他のフィルムが設けられている場合には、粘着層や接着層とともに他のフィルムを剥離してから、光学フィルムのヘイズ値を求めるものとする。他のフィルムの剥離は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、光学フィルムに粘着層や接着層を介して他のフィルムが付いた積層体をドライヤーで加熱し、光学フィルムと他のフィルムの界面と思われる部位にカッターの刃先を入れて、ゆっくりと剥離していく。このような加熱と剥離を繰り返すことで、粘着層や接着層および他のフィルムを剥離することができる。なお、このような剥離工程があったとしても、ヘイズ値の測定には大きな影響はない。
光学フィルム10の全光線透過率は、80%以上であることが好ましい。光学フィルム10の全光線透過率が80%以上であれば、充分な光透過性を得ることができる。光学フィルム10の全光線透過率は、85%以上、90%以上の順にさらに好ましい(数値が大きいほど好ましい)。
上記全光線透過率は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7361−1:1997に準拠した方法により測定することができる。上記全光線透過率は、50mm×100mmの大きさに切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で無機層側が非光源側となるように設置し、光学フィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。光学フィルム10においては、目視した表面10Aは平坦であり、かつハードコート層12等の積層する層も平坦であり、また膜厚のばらつきも±10%の範囲内に収まる。したがって、切り出した光学フィルムの異なる3箇所で全光線透過率を測定することで、おおよその光学フィルムの面内全体の全光線透過率の平均値が得られると考えられる。全光線透過率のばらつきは、測定対象が1m×3000mと長尺であっても、5インチのスマートフォン程度の大きさであっても、±10%以内である。なお、光学フィルムを上記大きさに切り出せない場合には、22mm×22mm以上の大きさに光学フィルムを適宜切り出してもよい。光学フィルムの大きさが小さい場合は、光源スポットが外れない範囲で少しずつずらす、または角度を変えるなどして測定点を3箇所にする。
また、光学フィルム10の一方の面側に粘着層や接着層を介して偏光板等の他のフィルムが設けられている場合には、上記と同様の方法によって粘着層や接着層とともに他のフィルムを剥離してから、光学フィルムの全光線透過率とする。なお、このような剥離工程があったとしても、全光線透過率の測定には大きな影響はない。
光学フィルム10のイエローインデックス(YI)は、15以下であることが好ましい。光学フィルム10のイエローインデックスYIが15以下であれば、光学フィルムの黄色味が目立たないので、透明性が求められる用途に適用できる。光学フィルム10のイエローインデックス(YI)の上限は、10以下であることがより好ましい。上記イエローインデックス(YI)は、分光光度計(製品名「UV−3100PC」、島津製作所製、光源:タングステンランプおよび重水素ランプ)を用いて、50mm×100mmの大きさに切り出した光学フィルムについて測定された値からJIS Z8722:2009に記載された演算式に従って色度三刺激値X、Y、Zを計算し、三刺激値X、Y、ZからASTM D1925:1962に記載された演算式に従って算出された値である。上記イエローインデックス(YI)は、光学フィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
また、光学フィルム10の一方の面側に粘着層または接着層を介して偏光板等の他のフィルムが設けられている場合には、上記と同様の方法によって粘着層や接着層とともに他のフィルムを剥離してから、イエローインデックス(YI)を測定するものとする。なお、このような剥離工程があったとしても、イエローインデックス(YI)の測定には大きな影響はない。
光学フィルム10のイエローインデックス(YI)を調整するために、例えば、光透過性基材11やハードコート層12に、黄色の補色となる青色の色素を含有させてもよい。光透過性基材11として、ポリイミド系樹脂からなる基材を用いたことで、黄色味が問題となるような場合であったとしても、光透過性基材11やハードコート層12に青色の色素を含ませることで、光学フィルム10のイエローインデックス(YI)を低下させることができる。
上記青色の色素としては、顔料または染料のいずれであってもよいが、例えば、光学フィルム10が有機発光ダイオード表示装置に用いる場合、耐光性や耐熱性を兼ね備えたものが好ましい。上記青色の色素として、多環系有機顔料や金属錯体有機顔料等は、染料の分子分散に比べて紫外線による分子裂断の度合いが少なく耐光性が格段に優れるため、耐光性等が求められる用途に好ましく、より具体的には、フタロシアニン系の有機顔料等が好適に挙げられる。ただし、顔料は溶剤に対して粒子分散するため、粒子散乱による透明性阻害は存在するため、顔料分散体の粒度をレイリー散乱域に入れることが好ましい。一方、光学フィルムの透明性が重要視される場合には、上記青色の色素としては、溶剤に対して分子分散する染料を用いることが好ましい。
光学フィルム10の波長380nmの光の透過率は8%以下であることが好ましい。光学フィルムの上記透過率が8%以下であれば、光学フィルムをモバイル端末に用いた場合、偏光子が紫外線に晒されて、劣化するのを抑制できる。光学フィルム10の上記透過率の上限は5%であることがより好ましい。上記透過率は、分光光度計(製品名「UV−3100PC」、株式会社島津製作所製、光源:タングステンランプおよび重水素ランプ)を用いて測定することができる。上記透過率は、50mm×100mmの大きさに切り出した光学フィルムに対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とする。なお、光学フィルム10の上記透過率は、ハードコート層12中の後述する紫外線吸収剤の添加量を調整すること等によって達成することができる。
光学フィルム10は、折り畳み性の観点から、光学フィルム10に対し次に説明する折り畳み試験を10万回繰り返し行った場合であっても、光学フィルムに割れまたは破断が生じないことが好ましく、折り畳み試験を20万回繰り返し行った場合であっても、光学フィルム10に割れまたは破断が生じないことがより好ましく、100万回繰り返し行った場合であっても、光学フィルムに割れまたは破断が生じないことがさらに好ましい。光学フィルム10に対し折り畳み試験を10万回繰り返し行った場合に、光学フィルム10に割れ等が生じると、光学フィルム10の折り畳み性が不充分となる。
光学フィルムの一方の面側に粘着層や接着層を介して偏光板等の他のフィルムが設けられている場合には、光学フィルムの折り畳み試験は、上記と同様の方法によって光学フィルムから粘着層や接着層とともに他のフィルムを剥離した後に行うものとする。また、光学フィルムに粘着層や接着層を介して他のフィルムが付いた積層体に対し折り畳み試験を行った場合には、折り畳み試験を1万回繰り返し行った場合であっても、光学フィルムに割れまたは破断が生じないことが好ましい。
折り畳み試験は、以下のようにして行われる。図3(A)に示すように折り畳み試験においては、まず、20mm×100mmの大きさに切り出した光学フィルム10の辺部10Cと、辺部10Cと対向する辺部10Dとを、平行に配置された固定部20でそれぞれ固定する。なお、光学フィルムを上記大きさに切り出せない場合には、20mm×40mm以上の大きさに光学フィルムを適宜切り出してもよい。また、図3(A)に示すように、固定部20は水平方向にスライド移動可能となっている。
次に、図3(B)に示すように、固定部20を互いに近接するように移動させることで、光学フィルム10の折り畳むように変形させ、更に、図3(C)に示すように、光学フィルム10の固定部20で固定された対向する2つの辺部10C、10Dの間隔が6mmとなる位置まで固定部20を移動させた後、固定部20を逆方向に移動させて光学フィルム10の変形を解消させる。
図3(A)〜(C)に示すように固定部20を移動させることで、光学フィルム10を180°折り畳むことができる。また、光学フィルム10の屈曲部10Eが固定部20の下端からはみ出さないように折り畳み試験を行い、かつ固定部20が最接近したときの間隔をスペーサー等によって制御することで、光学フィルム10の対向する2つの辺部の間隔を6mmにできる。この場合、屈曲部10Eの外径を6mmとみなす。
また、無機層13が内側となり、かつ光学フィルム10の対向する辺部10C、10Dの間隔が2mmとなるように180°折り畳む試験を10万回繰り返し行った場合に割れまたは破断が生じないことが好ましい。この場合も、光学フィルム10の固定部20で固定された対向する2つの辺部10C、10Dの間隔が2mmとなる位置まで固定部20を移動させた後、固定部20を逆方向に移動させて光学フィルム10の変形を解消させて、折り畳み試験を行うこと以外は、上記と同様に折り畳み試験を行う。
また、光学フィルム10の一方の面側に粘着層や接着層を介して偏光板等の他のフィルムが設けられている場合には、上記と同様の方法によって粘着層や接着層とともに他のフィルムを剥離してから、折り畳み試験を行うものとする。なお、このような剥離工程があったとしても、折り畳み試験には大きな影響はない。
光学フィルム10の表面10Aは、JIS K5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で測定されたときの硬度(鉛筆硬度)が、2H以上であることが好ましい。鉛筆硬度試験は、50mm×100mmの大きさに切り出された光学フィルムの表面に対し鉛筆硬度試験機(製品名「鉛筆引っかき塗膜硬さ試験機(電動式)」、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、鉛筆(製品名「ユニ」、三菱鉛筆株式会社製)に750gの荷重を加えながら鉛筆を1mm/秒の移動速度で移動させることにより行うものとする。鉛筆硬度は、鉛筆硬度試験において光学フィルムの表面に傷が付かなかった最も高い硬度とする。なお、鉛筆硬度の測定の際には、硬度が異なる鉛筆を複数本用いて行うが、鉛筆1本につき5回鉛筆硬度試験を行い、5回のうち4回以上光学フィルムの表面に傷が付かなかった場合には、この硬度の鉛筆においては光学フィルムの表面に傷が付かなかったと判断する。上記傷は、鉛筆硬度試験を行った光学フィルムの表面を蛍光灯下で透過観察して視認されるものを指す。光学フィルム10の表面10Aの上記鉛筆硬度は、3H以上であることがより好ましく、5Hであることがさらに好ましく、6H以上であることが最も好ましい。
近年、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の画像表示装置のバックライトの光源として発光ダイオード(Light Emitting Diode)が積極的に採用されているが、この発光ダイオードは、ブルーライトと呼ばれる光を強く発している。このブルーライトは、波長380〜495nmの光で紫外線に近い性質を持っており、強いエネルギーを有しているため、角膜や水晶体で吸収されずに網膜に到達することで、網膜の損傷、眼精疲労、睡眠への悪影響等の原因になると言われている。このため、光学フィルムを、画像表示装置に適用した場合に、表示画面の色味に影響を与えることなく、ブルーライト遮蔽性に優れたものとなることが好ましい。このため、ブルーライトを遮光する観点から、光学フィルム10は、波長380nmにおける分光透過率が1%未満であり、波長410nmにおける分光透過率が10%未満であり、波長440nmにおける分光透過率が70%以上であることが好ましい。上記波長380nmにおける分光透過率が1%以上であったり、波長410nmにおける分光透過率が10%以上であったりすると、ブルーライトによる問題を解消できないことがあり、波長440nmにおける分光透過率が70%未満であると、光学フィルムを用いた画像表示装置の表示画面の色味に影響を及ぼしてしまうことがあるからである。光学フィルム10は、ブルーライトの波長のうち、波長410nm以下の波長領域の光を充分に吸収させる一方で、波長440nm以上の光を充分に透過させ、表示画面の色味に影響を与えることなくブルーライトの遮蔽性を優れたものとすることができる。また、このようなブルーライトの遮蔽性に優れる光学フィルム10を画像表示装置として有機発光ダイオード(OLED)表示装置に適用した場合、有機発光ダイオード素子の劣化抑制にも効果的である。
光学フィルム10の光の透過率は、波長380nmまでは殆ど0%であり、波長410nmから徐々に光の透過が大きくなり、波長440nm付近で急激に光の透過が大きくなっていることが好ましい。具体的には、例えば、波長410nmから440nmの間で分光透過率がシグモイド型の曲線を描くように変化することが好ましい。上記波長380nmにおける分光透過率は、より好ましくは0.5%未満、更に好ましくは0.2%未満であり、波長410nmにおける分光透過率がより好ましくは7%未満、より好ましくは5%未満であり、波長440nmにおける分光透過率がより好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上である。なお、光学フィルム10は、波長420nmにおける分光透過率が50%未満であることが好ましい。このような分光透過率の関係を満たすことで、光学フィルム10は、波長440nm付近で急激に透過率が向上するものとなり、表示画面の色味に影響を及ぼすことなく極めて優れたブルーライト遮蔽性を得ることができる。
光学フィルム10における波長380nmにおける分光透過率は0.1%未満であることがより好ましく、波長410nmにおける分光透過率は7%未満であることがより好ましく、波長440nmにおける分光透過率は80%以上であることがより好ましい。
光学フィルム10は、最小二乗法を用いて得られた波長415〜435nmの範囲の透過スペクトルの傾きが2.0より大きいことが好ましい。上記傾きが2.0以下であると、ブルーライトの光波長領域、例えば、波長415〜435nmの波長領域において充分に光がカットできずブルーライトカット効果が弱くなることがある。また、ブルーライトの光波長領域(波長415〜435nm)をカットしすぎている可能性も考えられ、その場合、画像表示装置のバックライトや発光波長領域(例えば、OLEDの波長430nmからの発光)に干渉してしまい、色味が悪くなるといった不具合が発生する可能性が大きくなることがある。上記傾きは、例えば、0.5nm刻みにて測定可能の分光光度計(製品名「UV−3100PC」、株式会社島津製作所製)を用い、前後1nmの間で最低5ポイント分の透過率のデータを415〜435nm間で測定することで算出することができる。
光学フィルム10は、ブルーライトの遮蔽率が40%以上であることが好ましい。ブルーライトの遮蔽率が40%未満であると、上述したブルーライトに起因した問題が充分に解消できないことがある。上記ブルーライトの遮蔽率は、例えば、JIS T7333:2005により算出される値である。なお、このようなブルーライト遮蔽率は、例えば、ハードコート層12が後述するセサモール型ベンゾトリアゾール系単量体を含むことで、達成することができる。
光学フィルム10の用途は、特に限定されないが、光学フィルム10の用途としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ウェアラブル端末、デジタルサイネージ、テレビジョン、カーナビゲーション等の画像表示装置が挙げられる。また、光学フィルム10は、車載用途にも適している。上記各画像表示装置の形態としては、フォールダブル、ローラブルといったフレキシブル性を必要とする用途にも好ましい。
光学フィルム10は、所望の大きさにカットされていてもよいが、ロール状であってもよい。光学フィルム10が所望の大きさにカットされている場合、光学フィルムの大きさは、特に制限されず、画像表示装置の表示面の大きさに応じて適宜決定される。具体的には、光学フィルム10の大きさは、例えば、2.8インチ以上500インチ以下となっていてもよい。本明細書における「インチ」とは、光学フィルムが四角形状である場合には対角線の長さを意味し、円形状である場合には直径を意味し、楕円形状である場合には、短径と長径の和の平均値を意味するものとする。ここで、光学フィルムが四角形状である場合、上記インチを求める際の光学フィルムの縦横比は、画像表示装置の表示画面として問題がなければ特に限定されない。例えば、縦:横=1:1、4:3、16:10、16:9、2:1等が挙げられる。ただし、特に、デザイン性に富む車載用途やデジタルサイネージにおいては、このような縦横比に限定されない。また、光学フィルム10の大きさが大きい場合には、任意の位置からA5サイズ(148mm×210mm)に切り出した後、各測定項目の大きさに切り出すものとする。
画像表示装置における光学フィルム10の配置箇所は、画像表示装置の内部であってもよいが、画像表示装置の表面付近であることが好ましい。画像表示装置の表面付近に用いられる場合、光学フィルム10は、カバーガラスの代わりに用いられるカバーフィルムとして機能する。
<<光透過性基材>>
光透過性基材11は、光透過性を有する基材である。本明細書における「光透過性」とは、光を透過させる性質を意味し、例えば、全光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上であることを含む。光透過性とは、必ずしも透明である必要はなく、半透明であってもよい。
光透過性基材11の厚みは、10μm以上100μm以下となっていることが好ましい。光透過性基材の厚みが10μm以上であれば、光学フィルム10のカールが抑制でき、また硬度も充分となって鉛筆硬度が3H以上にでき、更に、光学フィルムをRoll to Rollで製造する場合、シワの発生を抑制できるため外観の悪化を招くおそれもない。一方、光透過性基材11の厚みが100μm以下であれば、光学フィルムの折り畳み性能が充分であり、また、軽量化の面で好ましい。光透過性基材の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、光透過性基材の断面を撮影し、その断面の画像において光透過性基材の厚みを10箇所測定し、その10箇所の厚みの算術平均値とする。光透過性基材11の下限は25μm以上であることがより好ましく、光透過性基材11の上限は80μm以下であることがより好ましい。
光透過性基材11の構成材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート)等の樹脂が挙げられる。これらの中でも、折り畳み試験において割れ又は破断が発生しにくいだけでなく、優れた硬度及び透明性をも有し、また、耐熱性にも優れ、焼成することにより、更に優れた硬度及び透明性を付与することもできる観点から、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、またはこれらの混合物が好ましい。
ポリイミド系樹脂は、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させて得られるものである。ポリイミド系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、優れた光透過性および優れた剛性を有する点から、下記一般式(1)および下記一般式(3)で表される構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を有することが好ましい。
上記一般式(1)において、Rはテトラカルボン酸残基である4価の基、Rは、trans−シクロヘキサンジアミン残基、trans−1,4−ビスメチレンシクロヘキサンジアミン残基、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基、および下記一般式(2)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の基を表す。nは繰り返し単位数を表し、1以上である。本明細書において、「テトラカルボン酸残基」とは、テトラカルボン酸から、4つのカルボキシル基を除いた残基をいい、テトラカルボン酸二無水物から酸二無水物構造を除いた残基と同じ構造を表す。また、「ジアミン残基」とは、ジアミンから2つのアミノ基を除いた残基をいう。
上記一般式(2)において、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、またはパーフルオロアルキル基を表す。
上記一般式(3)において、Rはシクロヘキサンテトラカルボン酸残基、シクロペンタンテトラカルボン酸残基、ジシクロヘキサン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸残基、および4,4'−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸残基からなる群から選ばれる少なくとも1種の4価の基、Rは、ジアミン残基である2価の基を表す。n’は繰り返し単位数を表し、1以上である。
上記一般式(1)における、Rはテトラカルボン酸残基であり、前記例示されたようなテトラカルボン酸二無水物から酸二無水物構造を除いた残基とすることができる。上記一般式(1)におけるRとしては、中でも、光透過性を向上し、かつ剛性を向上する点から、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸残基、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸残基、ピロメリット酸残基、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸残基、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸残基、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸残基、4,4'-オキシジフタル酸残基、シクロヘキサンテトラカルボン酸残基、およびシクロペンタンテトラカルボン酸残基からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、さらに、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸残基、4,4’−オキシジフタル酸残基、および3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸残基からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
において、これらの好適な残基を合計で、50モル%以上含むことが好ましく、更に70モル%以上含むことが好ましく、より更に90モル%以上含むことが好ましい。
また、Rとして、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸残基、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸残基、およびピロメリット酸残基からなる群から選択される少なくとも1種のような剛直性を向上するのに適したテトラカルボン酸残基群(グループA)と、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸残基、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸残基、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸残基、4,4'−オキシジフタル酸残基、シクロヘキサンテトラカルボン酸残基、およびシクロペンタンテトラカルボン酸残基からなる群から選択される少なくとも1種のような透明性を向上するのに適したテトラカルボン酸残基群(グループB)とを混合して用いることも好ましい。
この場合、前記剛直性を向上するのに適したテトラカルボン酸残基群(グループA)と、透明性を向上するのに適したテトラカルボン酸残基群(グループB)との含有比率は、透明性を向上するのに適したテトラカルボン酸残基群(グループB)1モルに対して、前記剛直性を向上するのに適したテトラカルボン酸残基群(グループA)が0.05モル以上9モル以下であることが好ましく、更に0.1モル以上5モル以下であることが好ましく、より更に0.3モル以上4モル以下であることが好ましい。
上記一般式(1)におけるRとしては、中でも、光透過性を向上し、かつ剛性を向上する点から、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基、および上記一般式(2)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の基であることが好ましく、更に、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基、ならびに、R3およびR4がパーフルオロアルキル基である上記一般式(2)で表される2価の基からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の基であることが好ましい。
上記一般式(3)におけるRとしては、中でも、光透過性を向上し、かつ剛性を向上する点から、4,4'−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸残基、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸残基、及びオキシジフタル酸残基を含むことが好ましい。
において、これらの好適な残基を、50モル%以上含むことが好ましく、更に70モル%以上含むことが好ましく、より更に90モル%以上含むことが好ましい。
上記一般式(3)におけるRはジアミン残基であり、前記例示されたようなジアミンから2つのアミノ基を除いた残基とすることができる。上記一般式(3)におけるR6としては、中でも、光透過性を向上し、かつ剛性を向上する点から、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン残基、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン残基、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル残基、1,4−ビス[4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゼン残基、2,2−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン残基、4,4’−ジアミノ−2−(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル残基、4,4’−ジアミノベンズアニリド残基、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド残基、及び9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン残基からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の基を含むことが好ましく、更に、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン残基、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基、及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基からなる群から選ばれる少なくとも1種の2価の基を含むことが好ましい。
において、これらの好適な残基を合計で、50モル%以上含むことが好ましく、更に70モル%以上含むことが好ましく、より更に90モル%以上含むことが好ましい。
また、Rとして、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基、4,4’−ジアミノベンズアニリド残基、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド残基、パラフェニレンジアミン残基、メタフェニレンジアミン残基、および4,4’−ジアミノジフェニルメタン残基からなる群から選択される少なくとも1種のような剛直性を向上するのに適したジアミン残基群(グループC)と、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン残基、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン残基、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン残基、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン残基、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル残基、1,4−ビス[4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ベンゼン残基、2,2−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン残基、4,4’−ジアミノ−2−(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル残基、及び9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン残基からなる群から選択される少なくとも1種のような透明性を向上するのに適したジアミン残基群(グループD)とを混合して用いることも好ましい。
この場合、前記剛直性を向上するのに適したジアミン残基群(グループC)と、透明性を向上するのに適したジアミン残基群(グループD)との含有比率は、透明性を向上するのに適したジアミン残基群(グループD)1モルに対して、前記剛直性を向上するのに適したジアミン残基群(グループC)が0.05モル以上9モル以下であることが好ましく、更に0.1モル以上5モル以下であることが好ましく、0.3モル以上4モル以下であることがより好ましい。
上記一般式(1)および上記一般式(3)で表される構造において、nおよびn’はそれぞれ独立に、繰り返し単位数を表し、1以上である。ポリイミドにおける繰り返し単位数nは、後述する好ましいガラス転移温度を示すように、構造に応じて適宜選択されれば良く、特に限定されない。平均繰り返し単位数は、通常10〜2000であり、更に15〜1000であることが好ましい。
また、ポリイミド系樹脂は、その一部にポリアミド構造を含んでいても良い。含んでいても良いポリアミド構造としては、例えば、トリメリット酸無水物のようなトリカルボン酸残基を含むポリアミドイミド構造や、テレフタル酸のようなジカルボン酸残基を含むポリアミド構造が挙げられる。
ポリイミド系樹脂は、耐熱性の点から、ガラス転移温度が250℃以上であることが好ましく、更に、270℃以上であることが好ましい。一方、延伸の容易さやベーク温度低減の点から、ガラス転移温度が400℃以下であることが好ましく、更に、380℃以下であることが好ましい。
具体的には、ポリイミド系樹脂としては、例えば、下記式で表される構造を有する化合物が挙げられる。下記式中、nは、繰り返し単位であり、2以上の整数を表す。
上記ポリイミド系樹脂のなかでも、優れた透明性を有することから、分子内又は分子間の電荷移動が起こりにくい構造を有するポリイミド系樹脂またはポリアミド系樹脂が好ましく、具体的には、上記式(4)〜(11)等のフッ素化ポリイミド系樹脂、上記式(13)〜(16)等の脂環構造を有するポリイミド系樹脂が挙げられる。
また、上記式(4)〜(11)等のフッ素化ポリイミド系樹脂では、フッ素化された構造を有するため、高い耐熱性を有しており、ポリイミド系樹脂からなるポリイミドフィルムの製造時の熱によって着色されることもないので、優れた透明性を有する。
ポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミドのみならず、芳香族ポリアミド(アラミド)を含む概念である。ポリアミド系樹脂としては、一般的に、下記式(21)および(22)で表される骨格を有するものであり、上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、下記式(23)で表される化合物が挙げられる。なお、下記式中、nは、繰り返し単位であり、2以上の整数を表す。
上記式(4)〜(20)および(23)で表されるポリイミド系樹脂またはポリアミド系樹脂からなる基材は、市販のものを用いても良い。上記ポリイミド系樹脂からなる基材の市販品としては、例えば、三菱ガス化学株式会社製のネオプリム等が挙げられ、上記ポリアミド系樹脂からなる基材の市販品としては、例えば、東レ株式会社製のミクトロン等が挙げられる。
また、上記式(4)〜(20)および(23)で表されるポリイミド系樹脂またはポリアミド系樹脂からなる基材は、公知の方法により合成したものを用いても良い。例えば、上記式(4)で表されるポリイミド系樹脂の合成方法は、特開2009−132091に記載されており、具体的には、下記式(24)で表される4,4’−ヘキサフルオロプロピリデンビスフタル酸二無水物(FPA)と2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFDB)とを反応させることにより得ることができる。
上記ポリイミド系樹脂またはポリアミド系樹脂の重量平均分子量は、3000以上50万以下の範囲であることが好ましく、5000〜30万の範囲であることがより好ましく、1万以上20万以下の範囲であることが更に好ましい。重量平均分子量が3000未満であると、充分な強度が得られないことがあり、50万を超えると粘度が上昇し、溶解性が低下するため、表面が平滑で膜厚が均一な基材が得られないことがある。なお、本明細書において、「重量平均分子量」とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である。
上記ポリイミド系樹脂およびポリアミド系樹脂のなかでも、優れた透明性を有することから、分子内又は分子間の電荷移動が起こりにくい構造を有するポリイミド系樹脂またはポリアミド系樹脂が好ましく、具体的には、上記式(4)〜(11)等のフッ素化ポリイミド系樹脂、上記式(13)〜(16)等の脂環構造を有するポリイミド系樹脂、上記式(23)等のハロゲン基を有するポリアミド系樹脂が挙げられる。
また、上記式(4)〜(11)等のフッ素化ポリイミド系樹脂では、フッ素化された構造を有するため、高い耐熱性を有しており、ポリイミド系樹脂からなる基材の製造時の熱によって着色されることもないので、優れた透明性を有する。
光透過性基材11は、無機層13の表面13AにおけるJIS K5600−5−4:1999に規定される鉛筆硬度試験(荷重:1kg、速度:1mm/秒)の条件で測定された硬度を、3H以上にできることが可能な観点から、上記式(4)〜(11)等で表されるフッ素化ポリイミド系樹脂または上記式(23)等のハロゲン基を有するポリアミド系樹脂からなる基材を用いることが好ましい。なかでも、上記鉛筆硬度を3H以上の極めて優れた硬度を付与できることから、上記式(4)で表されるポリイミド系樹脂からなる基材を用いることがより好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする樹脂が挙げられる。
<<ハードコート層>>
ハードコート層12は、200MPa以上のインデンテーション硬さ(HIT)を有する。本明細書における「インデンテーション硬さ」とは、ナノインデンテーション法による硬度測定によって得られる圧子の負荷から除荷までの荷重−変位曲線から求められる値である。ハードコート層12のインデンテーション硬さ(HIT)の下限は、200MPa以上、500MPa以上、800MPa以上の順に好ましい(数値が大きいほど好ましい)。また、ハードコート層12のインデンテーション硬さの上限は、光学フィルム10を折り畳んだ際のハードコート層12の割れやクラックの発生を抑制する観点から、1500MPa以下、1300MPa以下、1100MPa以下の順に好ましい(数値が小さいほど好ましい)。
上記インデンテーション硬さ(HIT)の測定は、測定サンプルについてHYSITRON(ハイジトロン)社製の「TI950 TriboIndenter」を用いて行うものとする。具体的には、まず、1mm×10mmに切り出した光学フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片を切り出す。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)等を用いることができる。そして、この穴等がない均一な切片が切り出された残りのブロックを測定サンプルとする。次いで、このような測定サンプルにおける上記切片が切り出されることによって得られた断面において、以下の測定条件で、上記圧子としてバーコビッチ(Berkovich)圧子(三角錐、BRUKER社製のTI−0039)をハードコート層の断面に25秒間かけて最大押し込み荷重500μNまでで垂直に押し込む。ここで、バーコビッチ圧子は、光透過性基材や無機層の影響を避けるためおよびハードコート層の側縁の影響を避けるために、光透過性基材とハードコート層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層と無機層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層の両側端からそれぞれハードコート層の中央側に500nm離れたハードコート層の部分内に押し込むものとする。なお、光透過性基材とハードコート層の間に機能層が存在する場合には、機能層とハードコート層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層と無機層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層の両側端からそれぞれハードコート層の中央側に500nm離れたハードコート層の部分内に押し込むものとする。その後、一定保持して残留応力の緩和を行った後、25秒かけて除荷させて、緩和後の最大荷重を計測し、該最大荷重Pmax(μN)と接触投影面積A(nm)とを用い、Pmax/Aにより、インデンテーション硬さ(HIT)を算出する。上記接触投影面積は、標準試料の溶融石英(BRUKER社製の5−0098)を用いてOliver−Pharr法で圧子先端曲率を補正した接触投影面積である。インデンテーション硬さ(HIT)は、10箇所測定して得られた値の算術平均値とする。なお、測定値の中に算術平均値から±20%以上外れるものが含まれている場合は、その測定値を除外し再測定を行うものとする。測定値の中に算術平均値から±20%以上外れているものが存在するか否かは、測定値をAとし、算術平均値をBとしたとき、(A−B)/B×100によって求められる値(%)が±20%以上であるかによって判断するものとする。インデンテーション硬さ(HIT)は、後述するバインダ樹脂12Aの種類や無機粒子12Bの含有量等によって調整できる。
(測定条件)
・荷重速度:20μN/秒
・保持時間:5秒
・荷重除荷速度:20μN/秒
・測定温度:25℃
ハードコート層12の膜厚は、1μm以上となっている。ハードコート層12の膜厚が、1μm以上であれば、スチールウール試験時にスチールウールのめり込みの程度が少なくなるので、それによってハードコート層の表面の傷付きを抑制できる。ハードコート層12の下限は2μm以上、3μm以上、4μm以上の順にさらに好ましい(数値が大きいほど好ましい)。ハードコート層12の上限は、十分な折り畳み性能を得る観点から、10μm以下、9μm以下、8μm以下、7μm以下の順にさらに好ましい(数値が小さいほど好ましい)。
ハードコート層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、ハードコート層の断面を撮影し、その断面の画像においてハードコート層の膜厚を10箇所測定し、その10箇所の膜厚の算術平均値とする。具体的な断面写真の撮影方法を以下に記載する。まず、1mm×10mmに切り出した光学フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片を切り出す。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)等を用いることができる。そして、この穴等がない均一な切片を測定サンプルとする。その後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、測定サンプルの断面写真を撮影する。上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、検出器を「TE」、加速電圧を「30kV」、エミッション電流を「10μA」にして断面観察を行う。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら5000倍〜20万倍で適宜調節する。好ましい倍率は、1万倍〜10万倍、更に好ましい倍率は1万倍〜5万倍であり、最も好ましい倍率2.5万倍〜5万倍である。なお、上記S−4800を用いて断面写真を撮影する際には、さらに、アパーチャーを「ビームモニタ絞り3」にし、対物レンズ絞りを「3」にし、またW.D.を「8mm」にしてもよい。ハードコート層の膜厚を測定する際には、断面観察した折に、ハードコート層と他の層(例えば、機能層)との界面コントラストが可能な限り明確に観察できることが重要となる。仮に、コントラスト不足でこの界面が見え難い場合には、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、リンタングステン酸など染色処理を施すと、有機層間の界面が見やすくなるので、染色処理を行ってもよい。また、界面のコントラストは高倍率である方が分かりにくい場合がある。その場合には、低倍率も同時に観察する。例えば、2.5万倍と5万倍や、5万倍と10万倍など、高低の2つの倍率で観察し、両倍率で上記した算術平均値を求め、さらにその平均値をハードコート層の膜厚の値とする。
ハードコート層12は、バインダ樹脂12Aおよび無機粒子12Bを含んでいる。ハードコート層12は、バインダ樹脂12Aおよび無機粒子12Bの他、紫外線吸収剤、分光透過率調整剤のような添加剤を含んでいてもよい。
図2に示されるハードコート層12の膜厚方向の断面において、ハードコート層12と無機層13の界面IFからハードコート層12の深さ500nmまでの領域IR(以下、この領域を「界面近傍領域」と称することもある。)における無機粒子12Bの面積比率が、5%以上75%以下であることが好ましい。界面近傍領域IFにおける無機粒子の面積比率が5%以上であれば、ハードコート層12中に無機粒子12Bが多く含まれているので、ハードコート層12をより硬くすることができるとともに無機層13との密着性をより向上させることができる。またスチールウール試験は、無機層の表面から荷重を加えた行うものであるが、スチールウールで無機層の表面を擦るために無機層の膜厚方向のみならず、剪断方向にも荷重が加えられる。界面近傍領域IRにおける無機粒子12Bの面積比率が75%以下であれば、スチールウール試験によって剪断方向に荷重が加えられた場合であっても、ハードコート層12中にバインダ樹脂12Aがある程度存在しているので、傷が生じにくく、また削れにくい。また、ハードコート層12中にバインダ樹脂12Aがある程度存在することにより、機能層14との密着性もより向上させることができる。ここで、上記界面近傍領域における無機領域の面積比率を求めることとしたのは、スチールウール試験を行ったときに界面近傍領域が特に傷や削れが生じやすい領域であるからである。上記界面近傍領域IFにおける無機粒子12Bの面積比率の下限は、23%以上、33%以上、44%以上の順にさらに好ましい(数値が大きいほど好ましい)。上記界面近傍領域IFにおける無機粒子12Bの面積比率の上限は、71%以下、67%以下、60%以下の順にさらに好ましい(数値が小さいほど好ましい)。
上記界面近傍領域における無機粒子の面積比率は、以下のようにして求めるものとする。まず、1mm×10mmに切り出した光学フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片10枚を切り出す。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)等を用いることができる。そして、この穴等がない均一な切片10枚を測定サンプルとする。次いで、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)により各測定サンプルの断面写真を撮影する。なお、測定サンプル1枚につき1箇所の断面写真を撮影するものとする。走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、各測定サンプルの断面写真を撮影する場合、この断面写真の撮影の際には、検出器を「TE」、加速電圧を「30kV」、エミッション電流を「10μA」にする。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら5000倍〜20万倍で適宜調節する。好ましい倍率は、1万倍〜10万倍、更に好ましい倍率は1万倍〜5万倍であり、最も好ましい倍率2.5万倍〜5万倍である。なお、断面写真の撮影の際には、さらに、アパーチャーを「ビームモニタ絞り3」にし、対物レンズ絞りを「3」にし、またW.D.を「8mm」にしてもよい。そして、得られた10枚の断面写真において、界面近傍領域の面積を100%とし、界面近傍領域の面積に占める無機粒子の面積の比率(面積比率)を求める。上記界面近傍領域における無機粒子の面積比率は、上記界面近傍領域の10枚の断面写真から求めた無機粒子の面積比率の算術平均値とする。このような無機粒子12Bの面積比率を得るためには、例えば、無機粒子12Bを、硬化後にバインダ樹脂12Aとなる重合性化合物に対して10%以上300%以下、好ましくは10%以上200%の割合(重量比)で含有させることが好ましい。
ハードコート層12における無機層13側の面は、バインダ樹脂12Aを選択的にエッチングする方法等によって無機粒子12Bを露出させる処理がされていてもよい。このような処理がされることよって、ハードコート層12と無機層13との密着性をさらに向上させることができる。ただし、この処理を過度に行うと、ハードコート層の表面における無機層側の面が荒れるとともに無機層の膜厚が薄いので、ハードコート層の表面形状が無機層の表面形状に反映させてしまい、スチールウール試験を行ったときに無機層の表面に存在する凹凸でスチールウールが引っ掛かり、耐擦傷性が低下してしまうおそれがある。バインダ樹脂を選択的にエッチングする方法としては、例えば、グロー放電処理、プラズマ処理、イオンエッチング処理、アルカリ処理が挙げられる。
<バインダ樹脂>
バインダ樹脂12Aは、重合性化合物(硬化性化合物)の重合体(硬化物)および熱可塑性樹脂の少なくともいずれかを含む。重合性化合物は、分子内にラジカル重合性官能基およびカチオン重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。以下、ラジカル重合性官能基を有する重合性化合物をラジカル重合性化合物と称し、カチオン重合性官能基を有する重合性化合物をカチオン重合性化合物と称する。ラジカル重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。カチオン重合性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、環状エーテル基、メルカプト基等が挙げられる。
バインダ樹脂12Aは、重合性官能基当量(重量平均分子量/重合性官能基数)が130以上の重合性化合物を10質量%以上含まないことが好ましい。このような重合性化合物を10質量%以上含まないことにより、ハードコート層12に硬さを付与できるので、光学フィルム10の表面10Aに対しスチールウール試験を行った場合であっても、傷が生じにくく、また削れにくい。また、ハードコート層12と機能層14の密着性もより向上させることができる。
ラジカル重合性化合物としては、多官能(メタ)アクリレートが好ましい。上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO、カプロラクトン等で変性したものが挙げられる。
これらの中でも上述したインデンテーション硬さを好適に満たし得ることから、3〜6官能のものが好ましく、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート等が好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
なお、硬度や組成物の粘度調整、密着性の改善等のために、更に単官能(メタ)アクリレートモノマーを含んでいてもよい。上記単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、グリシジルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、及び、アダマンチルアクリレート等が挙げられる。
上記モノマーの重量平均分子量は、ハードコート層12の硬度を向上させる観点から、1000未満が好ましく、200以上800以下がより好ましい。また、上記重合性オリゴマーの重量平均分子量は、1000以上2万以下であることが好ましく、1000以上1万以下であることがより好ましく、2000以上7000以下であることが更に好ましい。
カチオン重合性化合物としては、特に限定されず、例えば、エポキシ化合物、ポリオール化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、ウレア化合物、フェノール化合物等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。
<無機粒子>
無機粒子12Bは、主として無機物からなる粒子である。無機粒子12Bは、有機成分を含んでいてもよいが、無機物のみから構成されていることが好ましい。無機粒子12Bは、有機成分により表面処理されたものであってもよい。無機粒子12Bとしては、硬度を向上させることができれば、特に限定されないが、優れた硬度を得る観点から、シリカ粒子が好ましい。
シリカ粒子の中でも、反応性シリカ粒子が好ましい。上記反応性シリカ粒子は、上記多官能(メタ)アクリレートとの間で架橋構造を構成することが可能なシリカ粒子であり、この反応性シリカ粒子を含有することで、ハードコート層の硬度を充分に高めることができる。
上記反応性シリカ粒子は、その表面に反応性官能基を有することが好ましく、該反応性官能基とてしては、例えば、上記の重合性官能基が好適に用いられる。
上記反応性シリカ粒子としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、特開2008−165040号公報記載の反応性シリカ粒子等が挙げられる。また、上記反応性シリカ粒子の市販品としては、例えば、日産化学工業株式会社製のMIBK−SD、MIBK−SDMS、MIBK−SDL、MIBK−SDZL、日揮触媒化成株式会社製のV8802、V8803等が挙げられる。
また、上記シリカ粒子は、球形シリカ粒子であってもよいが、異形シリカ粒子であることが好ましい。なお、本明細書における「球形シリカ粒子」とは、例えば、真球状、楕円球状等のシリカ粒子を意味しまた、「異形シリカ粒子」とは、ジャガイモ状のランダムな凹凸を表面に有する形状のシリカ粒子を意味する。上記異形シリカ粒子は、その表面積が球形シリカ粒子と比較して大きいため、このような異形シリカ粒子を含有することで、上記多官能(メタ)アクリレート等との接触面積が大きくなり、上記ハードコート層の硬度を向上させることができる。上記異形シリカ粒子か否かは、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)による機能層の断面観察により確認することができる。
上記シリカ粒子の平均粒子径は、8nm以上100nm以下であることが好ましい。シリカ粒子の平均粒子径が8nm以上であれば、無機層13との密着性を十分に得ることができ、また100nm以下であれば、白化を抑制できる。シリカ粒子の平均粒子径の上限は、65nm以下、40nm以下、25nm以下の順にさらに好ましい(数値が小さいほど好ましい)。シリカ粒子が球形シリカ粒子の場合には、シリカ粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)で撮影した画像から、画像処理ソフトウェアを用いて測定される値である。また、シリカ粒子が異形シリカ粒子である場合には、シリカ粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)で撮影した画像に現れた異形シリカ粒子の外周の2点間距離の最大値(長径)と最小値(短径)との平均値である。
シリカ粒子としては、2種類以上のシリカ粒子の混合物を用いることが好ましい。例えば、シリカ粒子としては、上記反応性シリカ粒子および非反応性シリカ粒子の混合物や第1のシリカ粒子および粒子径が第1のシリカ粒子よりも小さい第2のシリカ粒子の混合物であってもよい。上記反応性シリカ粒子および非反応性シリカ粒子の混合物を用いた場合には、無機層13との密着性や耐擦傷性を維持しながらカールを抑制できる。また、上記第1のシリカ粒子および第2のシリカ粒子の混合物を用いた場合には、ハードコート層の硬度をさらに向上させることができ、これにより耐擦傷性をより向上させることができる。
<紫外線吸収剤>
光学フィルムは、屈曲可能なスマートフォンやタブレット端末のようなモバイル端末に特に好適に用いられるが、このようなモバイル端末は屋外で使用されることが多く、そのため、光学フィルムより表示素子側に配置された偏光子が紫外線に晒されて劣化しやすいという問題がある。これに対し、ハードコート層は、偏光子の表示画面側に配置されるため、ハードコート層に紫外線吸収剤が含有されていると、偏光子が紫外線に晒されることによる劣化を好適に防止することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、及び、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。市販されているトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、TINUVIN460、TINUVIN477(いずれも、BASF社製)、LA−46(株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。市販されているベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、CHMASSORB81/FL(BASF社製)等が挙げられる。
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、及び、2−(2’−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。市販されているベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、KEMISORB71D、KEMISORB79(いずれも、ケミプロ化成株式会社製)、JF−80、JAST−500(いずれも、城北化学工業株式会社製)、ULS−1933D(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、RUVA−93(大塚化学株式会社製)等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、なかでも、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好適に用いられる。紫外線吸収剤は、機能層を構成する樹脂成分との溶解性が高いほうが好ましく、また、上述した折り畳み試験後のブリードアウトが少ないほうが好ましい。紫外線吸収剤は、ポリマー化又はオリゴマー化されていることが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、トリアジン、ベンゾフェノン骨格を有するポリマー又はオリゴマーが好ましく、具体的には、ベンゾトリアゾールやベンゾフェノン骨格を有する(メタ)アクリレートと、メチルメタクリレート(MMA)とを任意の比率で熱共重合したものであることが好ましい。なお、有機発光ダイオード(OLED)表示装置に光学フィルムを適用する場合、紫外線吸収剤は、OLEDを紫外線から保護する役割も果たすことができる。
紫外線吸収剤の含有量としては特に限定されないが、機能層用組成物の固形分100質量部に対して1質量部以上6質量部以下であることが好ましい。1質量部未満であると、上述した紫外線吸収剤を機能層に含有させる効果を充分に得ることができないことがあり、6質量部を超えると、機能層に著しい着色や強度低下が生じることがある。上記紫外線吸収剤の含有量のより好ましい下限は2質量部以上、より好ましい上限は5質量部以下である。
<分光透過率調整剤>
分光透過率調整剤は、光学フィルムの分光透過率を調整するものである。ハードコート層12に、例えば、下記一般式(21)で表されるセサモール型ベンゾトリアゾール系単量体を含ませた場合には、上述した分光透過率を好適に満たすことができる。
式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rは炭素数1〜6の直鎖状又は枝分かれ鎖状のアルキレン基又は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のオキシアルキレン基を表す。
上記のセサモール型ベンゾトリアゾール系単量体としては特に制限されないが、具体的な物質名としては、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルアクリレート、3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロピルメタクリレート、3−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]プロピルアクリレート、4−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]ブチルメタクリレート、4−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]ブチルアクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルメタクリレート、2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イルオキシ]エチルアクリレート、2−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]エチルメタクリレート、2−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]エチルアクリレート、4−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]ブチルメタクリレート、4−[3−{ 2 −(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]ブチルアクリレート、2−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]エチルメタクリレート、2−[3−{2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル}プロパノイルオキシ]エチルアクリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5カルボキシレート、2−(アクリロイルオキシ)エチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、4−(メタクリロイルオキシ)ブチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、4−(アクリロイルオキシ)ブチル2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート等を挙げることができる。また、これらセサモール型ベンゾトリアゾール系単量体は1種類で用いてもよいし、また2種類以上用いてもよい。
上記セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体がハードコート層12に含有されている場合、例えば、上記セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体は、ハードコート層12中15〜30質量%で含有されていることが好ましい。このような範囲でセサモール型ベンゾトリアゾール系単量体が含有されていることで、上述した分光透過率を満たすことができる。なお、上記セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体は、ハードコート層12において、ハードコート層12を構成する樹脂成分と反応して一体的に含有されていてもよく、ハードコート層12を構成する樹脂成分と反応することなく単独で含有されていてもよい。
<<無機層>>
無機層13は、主として無機物からなる層であり、例えば、無機層中に無機物が、55質量%以上存在していれば、無機層に該当する。無機層13は、有機成分を含んでいてもよいが、無機物のみから構成されていることが好ましい。ハードコート層12に接触している層が、無機層に該当するか否かは、X線光電子分光分析法(X−Ray Photoelectron Spectroscopy:XPSまたはElectron Spectroscopy for Chemical Analysis:ESCA)によって確認することができる。
無機層13の構成材料としては、Ti、Al、Mg、Zr等の金属、または酸化ケイ素(SiO(x=1〜2))、酸化アルミニウム、酸化窒化ケイ素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化イットリウム等の無機酸化物、無機窒化物、ダイヤモンドライクカーボン等が挙げられる。それらの中でも、透過率向上や耐擦傷性向上の観点から、酸化ケイ素が好ましい。
無機層13は、ケイ素を含むことが好ましい。無機層13が、ケイ素を含むことにより、低屈折率化を図ることができる。無機層にケイ素が含まれるか否かは、X線光電子分光分析法(X−Ray Photoelectron Spectroscopy:XPSまたはElectron Spectroscopy for Chemical Analysis:ESCA)によって確認することができる。
無機層13の膜厚は、10nm以上300nm以下となっていることが好ましい。無機層13の膜厚が、10nm以上であれば、優れた耐擦傷性を付与することができ、また300nm以下であれば、屈曲性や光学特性に影響なく他の層との密着性が良好である。無機層13の膜厚の下限は、30nm以上、50nm以上、80nm以上の順にさらに好ましく(数値が大きいほど好ましい)、上限は250nm以下、200nm以下、150nm以下の順にさらに好ましい(数値が小さいほど好ましい)。無機層13の膜厚は、ハードコート層12の膜厚と同様の方法によって求めるものとする。
無機層13においては、40°、相対湿度90%における水蒸気透過率(WVTR:Water Vapor Transmission Rate)が100g/(m・24h)以下となっていることが好ましい。折り耐性は、温度が高く、また相対湿度が高いほど、悪化する。これは、無機層13が水分を透過し、透過した水分によってハードコート層が加水分解を起こすからであると考えられる。無機層13の上記水蒸気透過率が100g/(m・24h)以下となっていることにより、無機層13を透過する水分を減らすことができるので、ハードコート層の加水分解を抑制することができる。水蒸気透過率はJIS K7129:2008に準拠した手法で得られる数値である。水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(製品名「PERMATRAN−W3/31」、MOCON社製)を用いて測定することができる。水蒸気透過率は、3回測定して得られた値の平均値とする。
無機層13は、例えば、PVD法やCVD法等の蒸着法等を用いて形成することができる。PVD法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。真空蒸着法としては、例えば、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法、または、高周波誘電加熱方式による真空蒸着法等が挙げられる。
<<機能層>>
機能層14は、光学フィルム10において、何らかの機能を発揮する層であり、機能層14としては、例えば、光学調整層、帯電防止層等が挙げられる。なお、機能層14が発揮する機能は、2以上であってもよい。例えば、機能層14は、光学調整機能と帯電防止機能の両方の機能を発揮する層であってもよい。
機能層14の膜厚は、30nm以上200nm以下となっていることが好ましい。機能層14の膜厚が、30nm以上であれば、ハードコート層12と光学調整層14の充分な密着性を確保でき、また200nm以下であれば、干渉縞をより抑制することができる。機能層14の下限は50nm以上、70nm以上、90nm以上の順にさらに好ましく(数値が大きいほど好ましい)、上限は150nm以下、140nm以下、130nm以下の順にさらに好ましい(数値が小さいほど好ましい)。機能層14の膜厚は、ハードコート層12の膜厚と同様の方法によって求めるものとする。
<光学調整層>
一般的に曲げられる光透過性基材を構成する樹脂は屈折率が高いので、光透過性基材とハードコート層の屈折率差が大きくなる。このため、光透過性基材とハードコート層との屈折率差に起因して、虹色状のムラである干渉縞が発生するおそれがある。光学調整層は、干渉縞の発生を抑制するための層である。光学調整層の屈折率は、干渉縞の発生を抑制する観点から、光透過性基材11の屈折率よりも低く、かつハードコート層12の屈折率よりも高いことが好ましい。光学調整層の屈折率は、例えば、ベッケ法によって測定することができる。光学調整層の屈折率を、ベッケ法を用いて測定する場合、光学調整層の欠片を10個切り出し、切り出した10個の欠片において、屈折率標準液を用いて、ベッケ法により屈折率をそれぞれ測定し、測定した欠片の屈折率の10個の平均値を光学調整層の屈折率とする。光透過性基材11やハードコート層12の屈折率も光学調整層の屈折率と同様の方法によって測定することができる。
光学調整層とハードコート層12との屈折率差(光学調整層の屈折率−ハードコート層の屈折率)は、0.005以上0.100以下であることが好ましい。この屈折率差が、0.005以上であれば、光学調整層とハードコート層12における界面反射は生じるが干渉縞が視認できないレベルにすることができ、また0.100以下であれば、干渉縞は若干確認されるが、実使用上問題ないレベルにすることができる。この屈折率差の下限は、0.007以上であることがより好ましく、上限は0.090以下であることがより好ましい。光学調整層の屈折率は、0.010以上0.080以下であってもよい。
光学調整層は、樹脂のみから構成されていてもよいが、バインダ樹脂および屈折率を調整するための粒子を含んでいることが好ましい。また、光学調整機能の他、帯電防止機能も発揮させるために、光学調整層は、帯電防止剤をさらに含んでいてもよい。光学調整層のバインダ樹脂は、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン、およびABS樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。光学調整層14の粒子は、シリカやフッ化マグネシウム等の低屈折率粒子、酸化チタンや酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子、コバルトブルー等の無機顔料等からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、密着性と屈折率差調整の観点から、ポリエステル系樹脂と、酸化チタンや酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子との組み合わせがより好ましい。
<帯電防止層>
帯電防止層は、帯電防止剤を含んでいる。帯電防止剤としては、イオン伝導型帯電防止剤と電子伝導型帯電防止剤があり、バインダ樹脂との相溶性の観点から、イオン伝導型帯電防止剤が好ましい。
上記イオン伝導型帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジウム塩等のカチオン性帯電防止剤、スルホン酸、リン酸、カルボン酸等のアルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)等のアニオン性帯電防止剤、アミノ酸系、アミノ酸硫酸エステル系等の両性帯電防止剤、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性帯電防止剤等が挙げられる。これらの中でも、バインダ樹脂に対して優れた相溶性を示すことから、第4級アンモニウム塩やリチウム塩が好ましい。
上記電子伝導型帯電防止剤としては、例えば、ポリアセチレン系、ポリチオフェン系等の導電性ポリマー、金属粒子、金属酸化物粒子等の導電性粒子が挙げられる。これらの中でも、ポリアセチレン、ポリチオフェン等の導電性ポリマーにドーパントを組み合わせた帯電防止剤、金属粒子、金属酸化物粒子が好ましい。また、上記導電性ポリマーに導電性粒子を含有させることもできる。
上記導電性ポリマーからなる帯電防止剤としては、具体的には、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフィニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポリ(2,5−チエニレン)、又は、これらの誘導体等の導電性高分子が挙げられ、好ましくは、ポリチオフェン系の導電性有機ポリマー(例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等)が挙げられる。
上記導電性有機ポリマーからなる帯電防止剤を用いることで、湿度依存性が少なく長期間にわたって帯電防止性が維持でき、また、高い透明性、低ヘイズ値を実現し、更に、高いハードコート性、特に鉛筆硬度、スチールウール等に対する耐擦傷性を著しく向上できる。
上記金属粒子を構成する金属としては特に限定されず、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Fe、Ni、Pd、Pt等の単独、あるいはこれら金属の合金が挙げられる。また、上記金属酸化物粒子を構成する金属酸化物としては特に限定されず、例えば、酸化錫(SnO)、酸化アンチモン(Sb)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)等が挙げられる。
帯電防止剤の含有量としては、特に限定されないが、帯電防止層用組成物の重合性化合物100質量部に対して1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。1質量部以上であれば、上述した帯電防止性を充分に得ることができ、50質量部以下であればヘイズ値が小さく、全光線透過率が良好な高透明の膜を得ることができる。上記帯電防止剤の含有量の下限は、10質量部以上であることがより好ましく、上限は40質量部以下であることがより好ましい。
<<光学フィルムの製造方法>>
光学フィルム10は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、光透過性基材11の一方の面上に、バーコーター等の塗布装置によって、機能層14を形成するための機能層用組成物を塗布して、機能層用組成物の塗膜を形成する。なお、ここでの機能層用組成物は、光学調整層用組成物となっているが、帯電防止層用組成物であってもよい。
<機能層用組成物>
機能層用組成物は、バインダ樹脂前駆体、金属酸化物等の粒子および溶剤を含んでいる。機能層用組成物は、その他、必要に応じて、シリカやフッ化マグネシウム等の低屈折率粒子、コバルトブルー等の無機顔料、レベリング剤、および重合開始剤の少なくともいずれかを含んでいてもよい。また、バインダ樹脂前駆体として、ポリエステル系樹脂を用いた場合には、機能層用組成物は、その他、必要に応じて、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン、ABS樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含んでいてもよい。
機能層用組成物の塗膜を形成した後、各種の公知の方法で塗膜を、例えば40℃以上200℃以下の温度で10秒間〜120秒間加熱することにより乾燥させ、溶剤を蒸発させて、または硬化させて、また必要に応じて塗膜に紫外線等の電離放射線を照射して、機能層14を形成する。
機能層14を形成した後、機能層14上に、バーコーター等の塗布装置によって、ハードコート層12を形成するためのハードコート層用組成物を塗布して、ハードコート層用組成物の塗膜を形成する。
<ハードコート層用組成物>
ハードコート層用組成物は、硬化後にバインダ樹脂12Aとなる重合性化合物および無機粒子12Bを含んでいる。ハードコート層用組成物は、その他、必要に応じて、紫外線吸収剤、分光透過率調整剤、レベリング剤、溶剤、重合開始剤を含んでいてもよい。
(溶媒)
上記溶媒としては、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール、ジアセトンアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジアセトンアルコール)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、蟻酸メチル、PGMEA)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、カーボネート(炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル)、等が挙げられる。これらの溶媒、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。なかでも、上記溶媒としては、ウレタン(メタ)アクリレート等の成分、並びに、他の添加剤を溶解或いは分散させ、上記樹脂層用組成物を好適に塗工できる点で、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンが好ましい。
(重合開始剤)
重合開始剤は、電離放射線照射または熱により分解されて、ラジカルを発生して重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。
重合開始剤は、電離放射線照射または熱によりラジカル重合を開始させる物質を放出することが可能であれば特に限定されない。重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、具体例には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
ハードコート層用組成物の塗膜を形成した後、各種の公知の方法で塗膜を、例えば30℃以上120℃以下の温度で10秒間〜120秒間加熱することにより乾燥させ、溶剤を蒸発させる。
塗膜を乾燥させた後、塗膜に紫外線等の電離放射線を照射して、塗膜を硬化させて、ハードコート層12を形成する。
ハードコート層12を形成した後、例えば、スパッタリング法等の蒸着法によって、ハードコート層12に接するように無機層13を形成する。これにより、図1に示される光学フィルム10が得られる。
<<<画像表示装置>>>
光学フィルム10は、折り畳み可能な画像表示装置に組み込んで使用することが可能である。図4は、本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。図4に示されるように、画像表示装置40は、観察者側に向けて、主に、電池等が収納された筐体41、保護フィルム42、表示パネル43、タッチセンサ44、円偏光板45、および光学フィルム10がこの順で積層されている。表示パネル43とタッチセンサ44との間、タッチセンサ44と円偏光板45との間、円偏光板45と光学フィルム10との間には、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)等の光透過性接着層46が配置されており、これら部材は光透過性接着層46によって互いに固定されている。
光学フィルム10は、ハードコート層12が光透過性基材11よりも観察者側となるように配置されている。画像表示装置40においては、光学フィルム10の表面10Aが、画像表示装置40の表面40Aを構成している。
画像表示装置40においては、表示パネル43は、有機発光ダイオード等を含む有機発光ダイオードパネルとなっている。タッチセンサ44は、円偏光板45よりも表示パネル43側に配置されているが、円偏光板45と光学フィルム10との間に配置されていてもよい。また、タッチセンサ44は、オンセル方式やインセル方式であってもよい。
本発明者らは、ハードコート層上に無機層が形成された光学フィルムの耐擦傷性に対して鋭意研究を重ねたところ、ハードコート層に無機粒子を含有させ、ハードコート層の膜厚を1μm以上とし、かつハードコート層のインデンテーション硬さを200MPa以上とすることによって、耐擦傷性を向上させることができることを見出した。これは、適当な無機粒子を適当なハードコート層に配合することで、無機層との密着性を確保し、かつハードコート層の高硬度化を達成できたためであると考えられる。本実施形態によれば、バインダ樹脂12Aおよび無機粒子12Bを含むハードコート層12の膜厚を1μm以上とし、かつハードコート層12のインデンテーション硬さを200MPa以上としているので、優れた耐擦傷性を有する光学フィルム10を提供することができる。
ハードコート層の表面に対してスチールウール試験を行うと、無機粒子は脱落しやすい。このため、耐擦傷性を向上させる観点からは、ハードコート層は無機粒子を含まないことが好ましいとも考えられるが、本実施形態においては、ハードコート層12上に無機層13が形成されているので、スチールウール試験時にハードコート層12中の無機粒子12Bが脱落することを抑制できる。これにより、無機粒子12を含有させることでハードコート層12の硬度を高めることができ、耐擦傷性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態に係る光学フィルムおよび画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図5は本実施形態に係る光学フィルムの概略構成図である。なお、図5において、図1と同じ符号が付されている部材は、図1で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
<<<光学フィルム>>>
図5に示される光学フィルム50は、光学フィルム10と同様に、光透過性基材11、ハードコート層51および無機層13をこの順で備えている。図5においては、光学フィルム50の表面50Aは、無機層13の表面13Aとなっており、裏面50Bは、光透過性基材11におけるハードコート層51側の面とは反対側の面となっている。光学フィルム50の物性は、光学フィルム10の物性と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
<<ハードコート層>>
ハードコート層51は、ハードコート層12の欄で説明した理由と同様の理由から、インデンテーション硬さが200MPa以上となっており、また膜厚も、1μm以上となっている。ハードコート層51のインデンテーション硬さおよび膜厚の好ましい上限、下限は、ハードコート層12のインデンテーション硬さおよび膜厚の好ましい上限、下限と同様になっている。なお、ハードコート層51のその他の物性等は、ハードコート層12の物性等と同様であるので、ここでは、説明を省略するものとする。
ハードコート層51は、金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含んでいる。ハードコート層51が、金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含むことにより、無機層13との密着性を向上させることができるので、耐擦傷性を向上させることができる。金属元素としては、例えば、アルミニウムや錫等の典型金属元素およびジルコニウムやチタン等の遷移金属元素のいずれであってもよい。また、半金属元素としては、例えば、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン及びテルル等が挙げられる。ハードコート層が上記元素を含んでいるか否かは、以下の方法によって確認することができる。まず、1mm×6mmの大きさに切り出した光学フィルムにおいて、面内に対し2°以下の角度でミクロトーム(製品名「ウルトラミクロトーム EM UC7」、ライカ マイクロシステムズ株式会社製)で無機層の膜厚以上に切削して、ハードコート層を露出させる。その後、X線光電子分光分析装置(ESCA、製品名「KRATOS Nova」、株式会社島津製作所製)を用いて、上記切削することによって得られた表面から元素分析を行う。これにより、ハードコート層が金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含んでいるか否か確認することができる。
ハードコート層51に含まれ、かつX線光電子分光分析法により測定される金属元素および半金属元素の合計の原子比率は、1.5%以上30%以下であることが好ましい。上記金属元素および半金属元素の合計の原子比率が、1.5%以上であれば、無機層13との密着性をより向上させることができ、また、30%以下であれば、屈曲性を維持することができる。上記金属元素および半金属元素の合計の原子比率は、上記元素分析を行うために切削することによって得られた表面において、X線光電子分光分析装置(ESCA、製品名「KRATOS Nova」、株式会社島津製作所製)を用いて、測定するものとする。ハードコート層51中の上記金属元素および半金属元素の合計量の原子比率の下限は、2%以上、5%以上であることがより好ましく(数値が大きいほどが好ましい)、上限は、25%以下、20%以下であることがより好ましい(数値が小さいほど好ましい)。
ハードコート層51は、耐擦傷性をより向上させる観点からシリコーン樹脂51Aおよび無機粒子51Bを含んでいることが好ましい。ただし、ハードコート層51が金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含んでいれば、シリコーン樹脂51Aおよび無機粒子51Bの両方を含まなくともよい。例えば、ハードコート層が、シリコーン樹脂を含む場合には、ハードコート層はシリコーン樹脂由来のケイ素を含むので、無機粒子51Bを含まなくともよい。また、ハードコート層が、無機粒子としてシリカ粒子を含む場合には、ハードコート層はシリカ粒子由来のケイ素を含むので、シリコーン樹脂を含まなくともよい。本明細書における「シリコーン樹脂」とは、シロキサン結合(ケイ素と酸素との結合)による主骨格を有する高分子化合物のことを意味する。ハードコート層51は、シリコーン樹脂51Aおよび無機粒子51Bの他、紫外線吸収剤、分光透過率調整剤のような添加剤を含んでいてもよい。
<シリコーン樹脂>
シリコーン樹脂51Aとしては、重合性官能基を有する一般式(RSiO1.5で表されるシルセスキオキサンを含む重合性化合物の重合体(硬化物)であることが好ましい。上記式中、Rは、ラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基等の重合性官能基であり、nは1以上の整数である。重合性化合物は、上記シルセスキオキサンの他、他の重合性化合物を含んでいてもよいが、上記シルセスキオキサンのみであってもよい。シリコーン樹脂51Aが、このようなシルセスキオキサンを含む重合性化合物の重合体を含んでいることにより、無機層との密着性をより確保できる。ラジカル重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和基等が挙げられ、カチオン重合性官能基としては、例えば、エポキシ基やオキセタニル基等が挙げられる。このようなラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基を含ませることにより、シルセスキオキサン同士を連結することができ、重合体を得ることができる。
シルセスキオキサンの構造としては、特に限定されず、例えば、完全籠型や不完全籠型等の籠型構造、はしご型構造、ランダム型構造等が挙げられるが、いずれの構造であってもよい。シルセスキオキサンの市販品としては、例えば、コンストゥールケミカル株式会社製のGlycidyl polysilsesquioxane cage mixtureや東亞合成株式会社製の光硬化型SQシリーズが挙げられる。
シリコーン樹脂51Aを形成する重合性化合物は、上記シルセスキオキサンの代わりに、(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性官能基を有するジメチルポリシロキサン、アルコキシシリル基を有するシリコーンオリゴマー、および/またはシリコーンポリマー等を含んでいてもよい。上記シリコーンオリゴマーやシリコーンポリマーは、ハードコート層の硬度をより高めることができる観点から、ラジカル重合性官能基またはカチオン重合性官能基等の重合性官能基を有することが好ましい。
ラジカル重合性官能基を有するジメチルポリシロキサンの市販品としては、信越化学工業株式会社製のKRシリーズ、例えば、KP−410、KP−411、KP−412、KP−413、KP−414、KP−415、KP−423(いずれも両末端型)、KP−416、KP418、KP−422(いずれも片末端型)、KP−420(側鎖型)が挙げられる。
アルコキシシリル基を有するシリコーンオリゴマーの市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR−500、KR−515、KC−895、X−40−9225等が挙げられる。また、超高分子シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR−251等が挙げられる。
<無機粒子>
無機粒子51Bは、第1実施形態で説明した無機粒子12Bと同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
本発明者らは、ハードコート層上に無機層が形成された光学フィルムの耐擦傷性に対して鋭意研究を重ねたところ、ハードコート層に金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含ませ、ハードコート層の膜厚を1μm以上とし、かつハードコート層のインデンテーション硬さを200MPa以上とすることによって、耐擦傷性を向上させることができることを見出した。これは、金属元素および半金属元素の少なくともいずれかをハードコート層に含ませることで、無機層との密着性を確保し、かつハードコート層の高硬度化を達成できたためであると考えられる。本実施形態によれば、金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含むハードコート層51の膜厚を1μm以上とし、かつハードコート層51のインデンテーション硬さを200MPa以上としているので、優れた耐擦傷性を有する光学フィルム50を提供することができる。
ハードコート層の表面に対してスチールウール試験を行うと、無機粒子は脱落しやすい。このため、耐擦傷性を向上させる観点からは、ハードコート層は無機粒子を含まないことが好ましいとも考えられるが、本実施形態においては、ハードコート層51上に無機層13が形成されているので、スチールウール試験時にハードコート層51中の無機粒子51Bが脱落することを抑制できる。これにより、無機粒子51Bを含有させることでハードコート層51の硬度を高めることができ、耐擦傷性を向上させることができる。
<<<画像表示装置>>>
光学フィルム50は、折り畳み可能な画像表示装置に組み込んで使用することが可能である。図6は、本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図である。図6に示される画像表示装置60は、光学フィルム50を備えている。画像表示装置60は、光学フィルム10を光学フィルム50としたこと以外は、画像表示装置40と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。なお、下記の「固形分100%換算値」とは、溶剤希釈品中の固形分を100%としたときの値である。
<ハードコート層用組成物の調製>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、光学調整層用組成物を得た。
(ハードコート層用組成物1)
・ポリエステルアクリレート(製品名「M−9050」、東亞合成株式会社製):50質量部
・シリカ粒子(製品名「MIBK−SD」、日産化学工業株式会社製):50質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):5質量部
・メチルイソブチルケトン:100質量部
(ハードコート層用組成物2)
・ポリエステルアクリレート(製品名「M−9050」、東亞合成株式会社製):67質量部
・シリカ粒子(製品名「MIBK−SD」、日産化学工業株式会社製):33質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):5質量部
・メチルイソブチルケトン:100質量部
(ハードコート層用組成物3)
・ポリエステルアクリレート(製品名「M−9050」、東亞合成株式会社製):90質量部
・シリカ粒子(製品名「MIBK−SD」、日産化学工業株式会社製):10質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):5質量部
・メチルイソブチルケトン:100質量部
(ハードコート層用組成物4)
・アルコキシ化ジペンタエリスリトールアクリレート(製品名「A−DPH−12E」、新中村化学工業株式会社製):50質量部
・シリカ粒子(製品名「MIBK−SD」、日産化学工業株式会社製):50質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):5質量部
・メチルイソブチルケトン:100質量部
(ハードコート層用組成物5)
・グリシジルポリシルセスキオキサン(製品名「Glycidyl polysilsesquioxane cage mixture」、コンストゥールケミカル株式会社製):100質量部
・重合開始剤(トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、東京化成工業株式会社製):5質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール:100質量部
(ハードコート層用組成物6)
・ポリエステルアクリレート(製品名「M−9050」、東亞合成株式会社製):100質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):5質量部
・メチルイソブチルケトン:100質量部
(ハードコート層用組成物7)
・ポリプロピレングリコールジアクリレート(製品名「M−220」、東亞合成株式会社製):90質量部
・シリカ粒子(製品名「MIBK−SD」、日産化学工業株式会社製):10質量部
・重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):5質量部
・メチルイソブチルケトン:100質量部
<光学調整層用組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、光学調整層用組成物を得た。
(光学調整層用組成物1)
・ウレタン変性ポリエステル系樹脂(製品名「UR−3200」、東洋紡株式会社製):85質量部(固形分100%換算値)
・酸化ジルコニウム(平均粒子径20nm、CIKナノテック株式会社製):15質量部(固形分100%換算値)
・メチルイソブチルケトン(MIBK):170質量部
<ポリイミド系基材の作製>
500mlのセパラブルフラスコに、脱水されたジメチルアセトアミド278.0gおよび1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(AprTMOS)8.1g(33mmol)を溶解させた溶液を液温30℃に制御し、そこへ、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)18.1g(41mmol)を、温度上昇が2℃以下になるように徐々に投入し、メカニカルスターラーで1時間撹拌した。そこへ、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)46.1g(131mmol)を添加し、完全に溶解したことを確認後、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)51.8g(122mmol)を温度上昇が2℃以下になるように数回に分けて徐々に投入し、ポリイミド前駆体1が溶解したポリイミド前駆体溶液(1)(固形分30重量%)を合成した。
上記ポリイミド前駆体溶液(1)を室温まで下げ、脱水されたジメチルアセトアミドを196.8g加え均一になるまで撹拌した。次に触媒であるピリジン128.9g(1.63mol)と無水酢酸167.7g(1.63mol)を加え24時間室温で撹拌し、ポリイミド溶液を合成した。得られたポリイミド溶液400.0gを5Lのセパラブルフラスコに移し、酢酸ブチル119.2gを加え均一になるまで撹拌した。次にメタノール688.0gを徐々に加え、僅かに濁りが見られる溶液を得た。濁りのみられる溶液にメタノール2.064kgを一気に加え白色スラリーを得た。上記スラリーをろ過し、5回メタノールで洗浄し、ポリイミド樹脂(1)を65.0g得た。
酢酸ブチル42.2gに上記ポリイミド樹脂(1)を10.0g加え、室温で1時間撹拌しポリイミド溶液を得た。ポリイミド溶液は卓上型超音波洗浄機(製品名「UT−104」、シャープ株式会社製)で10分間脱気し、取り出した後、室温で1時間静置させた。静置させたポリイミド溶液を厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(製品名「ルミラーT60」、東レ株式会社製)上に塗布し、40℃の循環オーブンで10分間、150℃で10分間乾燥させた後、PETフィルムから剥離し、さらに150℃で1時間乾燥させ、大きさA5サイズ(148mm×210mm)および厚さ50μmのポリイミド系基材を得た。なお、ポリイミド系基材の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、ポリイミド系基材の断面を撮影し、その断面の画像においてポリイミド系基材の厚みを10箇所測定し、その10箇所の膜厚の算術平均値とした。
<実施例1>
光透過性基材として、屈折率1.630および厚さ50μmのポリイミド系基材(製品名「ネオプリム」、三菱ガス化学株式会社製)を準備し、ポリイミド系基材の一方の面に、バーコーターでハードコート層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。その後、形成した塗膜に対して、70℃、1分間加熱させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン株式会社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気中にて積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させて、屈折率1.521および膜厚4μmのハードコート層を形成した。最後に、ハードコート層の表面に、スパッタリング法により膜厚100nmのSiO(x=1〜2未満)からなる無機層を形成し、光学フィルムを得た。
上記ポリイミド系基材の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、ポリイミド系基材の断面を撮影し、その断面の画像においてポリイミド系基材の厚みをそれぞれ10箇所測定し、その10箇所の厚みの算術平均値とした。また、ハードコート層の膜厚は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、ハードコート層の断面を撮影し、その断面の画像においてハードコート層の膜厚を10箇所測定し、その10箇所の膜厚の算術平均値とした。ハードコート層の断面写真は、以下のようにして撮影した。まず、1mm×10mmに切り出した光学フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片を切り出した。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)等を用いた。そして、この穴等がない均一な切片を測定サンプルとした。その後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて、測定サンプルの断面写真を撮影した。この断面写真の撮影の際には、検出器を「TE」、加速電圧を「30kV」、エミッション電流を「10μA」にしてSTEM観察を行った。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら5000倍〜20万倍で適宜調節した。なお、断面写真の撮影の際には、さらに、アパーチャーを「ビームモニタ絞り3」にし、対物レンズ絞りを「3」にし、またW.D.を「8mm」にした。無機層の膜厚も、ハードコート層の膜厚と同様の方法によって測定した。また、ポリイミド系基材等およびハードコート層の屈折率は、JIS K7142:2008のB法に準拠したベッケ法によって求めた。ポリイミド系基材の屈折率を、ベッケ法を用いて求める場合、ポリイミド系基材の欠片を10個切り出し、切り出した10個の欠片において、波長589nmのナトリウムD線および屈折率標準液を用いて、欠片の屈折率をそれぞれ測定し、測定した欠片の屈折率の10個の平均値をポリイミド系基材の屈折率とした。ハードコート層の屈折率を、ベッケ法を用いて求める場合も、上記ベッケ法によるポリイミド系基材の屈折率の求め方と同様の方法によって求めた。実施例2〜7および比較例1〜4においても、実施例1と同様の手法によってポリイミド系基材等の厚みおよび屈折率を測定した。
<実施例2>
実施例2においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<実施例3>
実施例3においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<実施例4>
実施例4においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<実施例5>
実施例5においては、ハードコート層の膜厚を2μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<実施例6>
実施例6においては、ハードコート層の膜厚を10μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<実施例7>
実施例7においては、ハードコート層の膜厚を20μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<実施例8>
光透過性基材として、屈折率1.630および厚さ50μmのポリイミド系基材(製品名「ネオプリム」、三菱ガス化学株式会社製)を準備し、ポリイミド系基材の一方の面に、バーコーターで光学調整層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。その後、形成した塗膜に対して、90℃で1分間加熱させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させて、屈折率1.562および膜厚100nmの光学調整層を形成した。光学調整層を形成した後、光学調整層の表面に、バーコーターでハードコート層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。その後、形成した塗膜に対して、70℃、1分間加熱させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン株式会社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気中にて積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させて、屈折率1.521および膜厚4μmのハードコート層を形成した。最後に、ハードコート層の表面に、スパッタリング法により膜厚100nmのSiO(x=1〜2未満)からなる無機層を形成し、光学フィルムを得た。光学調整層の膜厚も、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、光学調整層の断面を撮影し、その断面の画像において光学調整層の厚みをそれぞれ10箇所測定し、その10箇所の厚みの算術平均値とした。光学調整層の膜厚は、ハードコート層の膜厚と同様の方法によって測定した。また光学調整層の屈折率は、ポリイミド系基材等と同様にJIS K7142:2008のB法に準拠したベッケ法によって求めた。
<実施例9>
実施例9においては、ポリイミド系基材(製品名「ネオプリム」、三菱ガス化学株式会社製)を上記で作製したポリイミド系基材1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<実施例10>
実施例10においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<比較例1>
比較例1においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<比較例2>
比較例2においては、ハードコート層用組成物1の代わりにハードコート層用組成物7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<比較例3>
比較例3においては、ハードコート層の膜厚を0.8μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを得た。
<インデンテーション硬さ測定>
実施例および比較例に係る光学フィルムのハードコート層のインデンテーション硬さを測定した。具体的には、まず1mm×10mmに切り出した光学フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片を切り出した。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)を用いた。そして、この穴等がない均一な切片が切り出された残りのブロックを測定サンプルとした。次いで、このような測定サンプルにおける上記切片が切り出されることによって得られた断面において、圧子としてバーコビッチ(Berkovich)圧子(三角錐、BRUKER社製のTI−0039)を、以下の測定条件で、ハードコート層の断面に25秒間かけて最大押し込み荷重500μNとなるまで垂直に押し込んだ。ここで、バーコビッチ圧子は、実施例1〜7、9、10および比較例1〜3に係る光学フィルムにおいては、ポリイミド系基材や無機層の影響を避けるためおよびハードコート層の側縁の影響を避けるために、ポリイミド系基材とハードコート層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層と無機層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層の両側端からそれぞれハードコート層の中央側に500nm離れたハードコート層の部分内に押し込んだ。また、同様の理由から、実施例8に係る光学フィルムにおいては、光学調整層とハードコート層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層と無機層の界面からハードコート層の中央側に500nm離れ、ハードコート層の両側端からそれぞれハードコート層の中央側に500nm離れたハードコート層の部分内に押し込んだ。その後、一定時間保持して残留応力の緩和を行った後、25秒かけて除荷し、緩和後の最大荷重を計測し、該最大荷重Pmax(μN)と接触投影面積A(nm)とを用い、Pmax/Aにより、インデンテーション硬さを算出した。上記接触投影面積は、標準試料の溶融石英(BRUKER社製の5−0098)を用いてOliver−Pharr法で圧子先端曲率を補正した接触投影面積であった。インデンテーション硬さ(HIT)は、10箇所測定して得られた値の算術平均値とした。なお、測定値の中に算術平均値から±20%以上外れるものが含まれている場合は、その測定値を除外し再測定を行うものとする。
(測定条件)
・荷重速度:20μN/秒
・保持時間:5秒
・荷重除荷速度:20μN/秒
・測定温度:25℃
<金属元素および半金属元素の存在確認およびこれらの元素の合計量の原子比率測定>
実施例および比較例に係る光学フィルムのハードコート層に金属元素および半金属元素の少なくともいずれかが存在するか否か確認した。具体的には、まず、1mm×6mmの大きさに切り出した光学フィルムにおいて、面内に対し平行方向にミクロトーム(製品名「ウルトラミクロトーム EM UC7」、ライカ マイクロシステムズ株式会社製)で200nm程度切削して、ハードコート層を露出させた。その後、X線光電子分光分析装置(ESCA、製品名「KRATOS Nova」、株式会社島津製作所製)を用いて、上記切削することによって得られた表面において元素分析を行い、金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含んでいるか否か確認した。また、その際、上記切削することによって得られた表面において、X線光電子分光分析装置(ESCA、製品名「KRATOS Nova」、株式会社島津製作所製)を用いて金属元素および半金属元素の合計量の原子比率(%)を測定した。
(測定条件)
・測定手法:Wide・Narrow
・X線源:モノクロAlKα
・X線出力:150W
・エミッション電流:10mA
・加速電圧:15kV
・帯電中和機構:ON
・測定領域:300×700μm
・Pass Energy(Survey):160eV
・Pass Energy(Narrow):40eV
<シリカ粒子の面積比率>
実施例および比較例に係る光学フィルムのハードコート層の膜厚方向の断面において、ハードコート層と無機層の界面からハードコート層の深さ500nmまでの界面近傍領域における無機粒子の面積比率を求めた。上記界面近傍領域における無機粒子の面積比率は、以下のようにして求めた。まず、1mm×10mmに切り出した光学フィルムを包埋樹脂によって包埋したブロックを作製し、このブロックから一般的な切片作製方法によって穴等がない均一な、厚さ70nm以上100nm以下の切片10枚を切り出した。切片の作製には、「ウルトラミクロトーム EM UC7」(ライカ マイクロシステムズ株式会社)を用いた。そして、この穴等がない均一な切片10枚を測定サンプルとした。次いで、走査透過型電子顕微鏡(STEM)(製品名「S−4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)により各測定サンプルの断面写真を撮影した。なお、測定サンプル1枚につき1箇所の断面写真を撮影するものとした。この断面写真の撮影の際には、検出器を「TE」、加速電圧を「30kV」、エミッション電流を「10μA」にして観察を行った。倍率については、フォーカスを調節しコントラストおよび明るさを各層が見分けられるか観察しながら5000倍〜20万倍で適宜調節した。なお、断面写真の撮影の際には、さらに、アパーチャーを「ビームモニタ絞り3」にし、対物レンズ絞りを「3」にし、またW.D.を「8mm」にした。そして、得られた10枚の断面写真において、界面近傍領域の面積を100%とし、界面近傍領域の面積に占める無機粒子の面積の比率(面積比率)を求めた。上記界面近傍領域における無機粒子の面積比率は、上記界面近傍領域の10枚の断面写真から求めた無機粒子の面積比率の算術平均値とした。
<耐擦傷性>
実施例および比較例に係る光学フィルムの表面(無機層の表面)に対して、スチールウール試験を行い、評価した。具体的には、50mm×100mmの大きさに切り出した光学フィルムをガラス板上に折れやシワがないようニチバン株式会社製のセロテープ(登録商標)で無機層が上側となるように固定した状態で、♯0000番のスチールウール(製品名「BON STAR」、日本スチールウール株式会社製)を用いて、1kg/cmの荷重をかけながら、速度50mm/秒で10往復擦るスチールウール試験を行い、その後の光学フィルムの表面に傷の有無を目視により確認した。評価基準は、以下の通りとした。
○:傷や削れが確認されなかった、または傷や削れが若干確認されたが実用上問題がないレベルであった。
×:傷や削れが明らかに確認された。
<ヘイズ測定>
実施例および比較例に係る光学フィルムのヘイズ値(全ヘイズ値)をそれぞれ測定した。ヘイズ値は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7136:2000に準拠した方法により測定した。上記ヘイズ値は、50mm×100mmの大きさに切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で無機層側が非光源側となるように設置し、光学フィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とした。
<全光線透過率>
実施例および比較例に係る光学フィルムの全光線透過率をそれぞれ測定した。全光線透過率は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7361−1:1997に準拠した方法により測定した。上記全光線透過率は、上記全光線透過率は、50mm×100mmの大きさに切り出した後、カールや皺がなく、かつ指紋や埃等がない状態で無機層側が非光源側となるように設置し、光学フィルム1枚に対して3回測定し、3回測定して得られた値の算術平均値とした。
<折り畳み性>
実施例および比較例に係る光学フィルムに対して折り畳み試験を行い、折り畳み性を評価した。具体的には、まず、30mm×100mmの大きさに切り出した光学フィルムを、耐久試験機(製品名「DLDMLH−FS」、ユアサシステム機器株式会社製)に、光学フィルムの短辺側を固定部でそれぞれ固定し、図3(C)に示したように対向する2つの辺部の最小の間隔が6mmとなるようにして取り付け、光学フィルムの表面側を180°となるように10万回折り畳む折り畳み試験(無機層が内側となり、ポリイミド系基材が外側となるように折り畳む試験)を行い、屈曲部に割れ又は破断が生じていないか調べた。また、同様に、30mm×100mmの大きさに切り出した新しい光学フィルムを、耐久試験機(製品名「DLDMLH−FS」、ユアサシステム機器株式会社製)に、光学フィルムの短辺側を固定部でそれぞれ固定し、対向する2つの辺部の最小の間隔が2mmとなるようにして取り付け、光学フィルムの表面側を180°となるように10万回折り畳む折り畳み試験(無機層が内側となり、ポリイミド系基材が外側となるように折り畳む試験)を行い、屈曲部に割れ又は破断が生じていないか調べた。評価基準は、以下の通りとした。
(折り畳み性)
○:折り畳み試験において、屈曲部に割れ又は破断が生じていなかった。
×:折り畳み試験において、屈曲部に割れ又は破断が生じていた。
<干渉縞評価>
実施例および比較例に係る光学フィルムにおいて、干渉縞が観察されるか評価した。具体的には、50mm×100mmの大きさに切り出した光学フィルムの裏面に厚み25μmの透明粘着剤(製品名「高透明性両面テープ 8146−1」、スリーエム社製)を介して、裏面反射を防止するための黒色アクリル板を貼り、光学フィルムの表面側から各光学フィルムに光を照射し、干渉縞が確認されるか目視で観察した。光源としては、三波長管蛍光灯を使用した。干渉縞の発生を以下の基準により評価した。
○:干渉縞は確認されなかった。
△:干渉縞は若干確認された。
×:干渉縞が明確に確認された。
以下、結果について述べる。表1に示されるように、比較例1に係る光学フィルムにおいては、ハードコート層が無機粒子または金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含んでいなかったので、無機層の表面における耐擦傷性が劣っていた。比較例2に係る光学フィルムは、インデンテーション硬さが200MPa未満であったので、無機層の表面における耐擦傷性が劣っていた。比較例3に係る光学フィルムは、ハードコート層の膜厚が小さかったので、無機層の表面における耐擦傷性が劣っていた。これに対し、実施例1〜10に係る光学フィルムは、ハードコート層が無機粒子または金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含み、インデンテーション硬さが200MPa以上であり、かつハードコート層の膜厚が2μm以上であったので、無機層の表面における耐擦傷性に優れていた。なお、実施例1〜6、8〜10の光学フィルムにおいて、上記折り畳み試験後に上記と同様の条件でスチールウール試験を行い、その後の光学フィルムの表面に傷や削れの有無を目視により確認したところ、いずれの光学フィルムも傷や削れが確認されなかった、または傷や削れが若干確認されたが実用上問題がないレベルであった。
実施例1〜6、8〜10に係る光学フィルムは、ハードコート層の膜厚が10μm以下であったので、ハードコート層の膜厚が20μmである実施例7に係る光学フィルムよりも折り畳み性に優れていた。
実施例7に係る光学フィルムは、ハードコート層がかなり厚いため、実施例8に係る光学フィルムは、光学調整層が形成されていたため、また実施例9に係る光学フィルムは、ポリイミド系基材の屈折率が低いために、干渉縞が確認されなかった。
実施例に係る光学フィルムにおいて、無機層にケイ素が存在するかX線光電子分光分析装置(製品名「KRATOS Nova」、株式会社島津製作所製)により確認したところ、いずれの光学フィルムにおいても、無機層にケイ素が存在することが確認された。無機層にケイ素が存在するか否かを確認する際には、1mm×6mmの大きさに切り出した光学フィルムの無機層の表面において、X線光電子分光分析装置(ESCA、製品名「KRATOS Nova」、株式会社島津製作所製)を用いてハードコート層の金属元素および半金属元素の存在有無と同様の測定条件により元素分析を行った。
10、50…光学フィルム
11…光透過性基材
12、51…ハードコート層
12A…バインダ樹脂
12B…無機粒子
13…無機層
40、60…画像表示装置
43…表示パネル
51A…シリコーン樹脂
51B…無機粒子

Claims (15)

  1. 光透過性基材、ハードコート層および無機層をこの順で備える光学フィルムであって、
    前記ハードコート層が、前記無機層に接し、
    前記ハードコート層が、バインダ樹脂および無機粒子を含み、
    前記ハードコート層の膜厚が、1μm以上であり、
    前記ハードコート層のインデンテーション硬さが、200MPa以上である、光学フィルム。
  2. 前記ハードコート層の膜厚方向の断面において、前記ハードコート層と前記無機層の界面から前記ハードコート層の深さ500nmまでの領域における前記無機粒子の面積比率が、5%以上75%以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記無機粒子が、シリカ粒子である、請求項1に記載の光学フィルム。
  4. 光透過性基材、ハードコート層および無機層をこの順で備える光学フィルムであって、
    前記ハードコート層が、前記無機層に接し、
    前記ハードコート層が、金属元素および半金属元素の少なくともいずれかを含み、
    前記ハードコート層の膜厚が、1μm以上であり、
    前記ハードコート層のインデンテーション硬さが、200MPa以上である、光学フィルム。
  5. 前記無機層が、無機酸化物層である、請求項1または4に記載の光学フィルム。
  6. 前記無機層が、ケイ素を含む、請求項1または4に記載の光学フィルム。
  7. 前記無機層の厚みが、10nm以上300nm以下である、請求項1または4に記載の光学フィルム。
  8. 前記ハードコート層が半金属元素を含み、前記半金属元素がケイ素である、請求項4に記載の光学フィルム。
  9. 前記ハードコート層に含まれ、かつX線光電子分光分析法により測定される前記金属元素および前記半金属元素の合計の原子比率が、1.5%以上30%以下である、請求項4に記載の光学フィルム。
  10. 前記ハードコート層が、重合性官能基を有するシルセスキオキサンを含む重合性化合物の重合体を含む、請求項1または4に記載の光学フィルム。
  11. 前記光学フィルムの対向する辺部の間隔が6mmとなるように180°折り畳む試験を10万回繰り返し行った場合に割れまたは破断が生じない、請求項1または4に記載の光学フィルム。
  12. 前記無機層が内側となり、かつ前記光学フィルムの対向する辺部の間隔が2mmとなるように180°折り畳む試験を10万回繰り返し行った場合に割れまたは破断が生じない、請求項1または4に記載の光学フィルム。
  13. 前記光透過性基材が、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、またはこれらの混合物からなる基材である、請求項1または4に記載の光学フィルム。
  14. 表示パネルと、
    前記表示パネルよりも観察者側に配置された請求項1または4に記載の光学フィルムと、を備え、
    前記光学フィルムの前記ハードコート層が、前記光透過性基材よりも観察者側に位置している、画像表示装置。
  15. 前記表示パネルが、有機発光ダイオードパネルである、請求項14に記載の画像表示装置。
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