JPWO2017170190A1 - ゴム組成物およびそれを用いたゴム成形品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、従来のEPDMを用いたゴム成形品と同等レベルの硬度を有しつつ、特に、低温ゴム特性に優れたゴム成形品を製造するために用いられる、低材料コストのゴム組成物およびそれを用いたゴム成形品を提供することを目的とする。
エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体(EBENB)と、カーボンブラックと、硬度調整剤と、架橋剤とを含む、ゴム組成物。

Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いたゴム成形品に関する。さらに詳しくは、低温(例えば、−40℃〜−60℃程度)の環境下で使用されるゴム成形品を製造するために適したゴム組成物に関する。
従来、ニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)、ブチルゴム(IIR)等のゴム材料は、その性質から、各種ゴム成形品(例えば、シール部品や電気絶縁体、防振ゴム、防音ゴム、一般工業用ゴム等)の材料として広く用いられてきた。しかし、これらの材料は、低温(例えば、−40℃〜−60℃程度の)環境下では、十分なゴム特性(例えば、弾性や耐久性、柔軟性、変形追随性等)を発揮できないという問題があった。
これに対し、エチレン・プロピレン・ジエン3元共重合体(EPDM)は、上記ゴム材料に比べて低温ゴム特性が優れており、低温環境下での使用でも、十分な特性を発揮できるゴム材料として知られている。
しかし、上記のようなEPDMを用いたゴム組成物は、材料コストや、加工性の観点から、他のゴム材料を用いた場合に比べて生産コストが高くなる問題があった。そのため近年、低温ゴム特性を有しつつ、生産コストを低減し得るゴム組成物の開発が求められていた。
ところで、特許文献1では、新たなゴム材料としてエチレン・ブテン・非共役ポリエン共重合体(EBT)が開示されている。EBTは、耐寒性に優れると共に、特にEPDMに比べて柔軟性が高く、これを用いたゴム組成物は、優れた加工性を有し、生産性が向上するというメリットがある。一方で、EBTは、その柔軟性から、EPDMに比べて、得られるゴム成形品の硬度が劣るというデメリットがあり、耐久性が求められるゴム成形品としては使用しにくいという問題点があった。
特開2011−213822号公報
そこで本発明は、従来のEPDMを用いたゴム成形品と同等レベルの硬度を有しつつ、特に、低温ゴム特性に優れたゴム成形品を製造するために用いられるゴム組成物およびそれを用いたゴム成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、EBTの一種であるエチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体(EBENB)が、優れた低温ゴム特性および優れた加工性を有することに着目し、従来のEPDMに替えて、EBENBを用い、特に硬度調整剤を配合することにより、EPDMと同等レベルの硬度を有しつつ、低温ゴム特性および加工性に優れたゴム成形品を製造するために好適なゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1] エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体(EBENB)と、カーボンブラックと、硬度調整剤と、架橋剤とを含む、ゴム組成物。
[2] 前記エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体のヨウ素価が、3〜20である、上記[1]に記載のゴム組成物。
[3] 前記エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)が、10〜45である、上記[1]または[2]に記載のゴム組成物。
[4] −50℃での低温ゴム特性を有するゴム成形品を製造するために用いられる、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のゴム組成物。
本発明のゴム組成物によれば、従来のEPDMを用いたゴム成形品と同等レベルの硬度を有し、特に低温ゴム特性に優れたゴム成形品を得ることができる。
本発明に従うゴム組成物の実施形態について、以下で詳しく説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体(EBENB)と、カーボンブラックと、硬度調整剤と、架橋剤とを含む。また、ゴム組成物は、加工助剤をさらに含むことが好ましい。また、必要に応じて、さらに各種配合剤を含有してもよい。
従来、低温ゴム性を有する材料としては、EPDMが広く用いられていたが、EPDMを用いたゴム組成物は、他のゴム材料を用いたゴム組成物に比べて材料コストや加工性の観点から、生産コストが高くなる傾向にあった。そこで、本発明者は、優れた耐寒性を有し、柔軟性に優れたEBENBに着目し、検討を進めたところ、EBENBを用いて得られるゴム成形品は、EPDMを用いた場合に比べて、低温ゴム特性が同等かそれ以上であり、さらに、その柔軟性からゴム組成物としての加工性にも優れることが分かった。また、EBENBを用いる際に、硬度調整剤を適宜配合することにより、得られるゴム成形品において所望の硬度を実現し得ることが分かった。
上記のような検討を経て完成された本発明に係るゴム組成物によれば、ゴム成形品の用途に応じた所望の硬度と、優れた低温ゴム特性との双方を有したゴム成形品を効率よく製造できる。
また、ゴム組成物において、EBENBやEPDMのようなゴム材料の特性は、ゴム組成物(ひいてはゴム成形品)全体の材料コストや生産効率に大きな影響を与える。
EBENBは、EPDMに比べて、耐寒性に優れることから、EPDMよりも少ない配合量で、所望の低温ゴム特性を有したゴム組成物を実現することができ、ゴム組成物全体として、材料コストを低減することができる。
また、EBENBは、EPDMに比べて柔軟性に優れることから、混練性や、分散性、成形性などの加工性に優れ、生産効率が大きく向上するため、生産工程におけるコストの低減を図ることができる。
このようにEBENBを用いた本発明のゴム組成物によれば、EPDMを用いた従来のゴム組成物に比べて、材料コストおよび生産効率の観点から、ゴム成形品の生産コストを低減できる。
EBENBとしては、エチレンおよびブテンに各種のエチリデンノルボルネン成分を少量共重合させたもののいずれをも用いることができ、実際には各種の市販EBENBをそのまま用いることができる。
EBENBのヨウ素価(g/100g)は、3〜20であることが好ましく、より好ましくは5〜18である。上記範囲とすることにより、優れた耐熱老化性および耐候性によりゴム成形品の劣化を防止でき、低温環境下においても安定した分子の状態を維持することができ、ひいては低温シール性を向上できる。
また、EBENBは、EPDMに比べて、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)で表されるポリマー粘度が小さく、加工性(例えば混練性や成形性)の観点でも優れているといえる。そのため、EPDMに替えて、EBENBを用いることにより、成形効率などの生産性が向上し、ひいては生産コストの低減にもつながる。
このようなEBENBのムーニー粘度(ML1+4、100℃)としては、好ましくは10〜45であり、より好ましくは15〜35である。このムーニー粘度が低すぎると、圧縮永久ひずみが大きくなり、引張強さが小さくなる場合がある。一方、このムーニー粘度が高すぎると、特性は向上するが、加工性に劣る場合がある。なお、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、JIS K6300−1:2013の規定に従って求めることができる。
また、EBENB中のエチレン成分の含有量は、好ましくは60〜80質量%であり、より好ましくは65〜75質量%である。上記範囲とすることにより、EBENBのガラス転移温度が最小値を示し、耐寒性が向上する。
このようなEBENBの含有量は、本実施形態に係るゴム組成物中に、1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは50〜100重量部、さらに好ましくは70〜100重量部である。EBENBの含有量を上記範囲とすることにより、加工性、生産性の向上が見込める。
本実施形態に係るゴム組成物において、カーボンブラックは、充填剤としての役割を担う。カーボンブラックは、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、FEFカーボンブラックや、SRFカーボンブラックなどが挙げられる。また、カーボンブラック以外の充填剤を適宜組み合わせて用いることもできる。カーボンブラック以外の充填剤としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、クマロン―インデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂及びコルク粉末などの有機系充填剤が挙げられ、これらは単独あるいは組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの配合量は、EBENB100重量部に対して、5〜300重量部であることが好ましいが、カーボンブラック以外の充填剤を組み合わせて用いる場合などは、上記範囲外であっても配合可能な場合がある。なお、カーボンブラック以外の充填剤はその目的に合わせて任意に種類、配合量を決定すればよい。
本実施形態に係るゴム組成物において、硬度調整剤は、主として、得られるゴム成形品の硬度を調整するための補強剤としての役割を担う。このような硬度調整剤としては、珪酸、珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、ベントナイト、セリサイト、マイカ、珪酸カルシウム、アルミナ水和物、硫酸バリウム等が挙げられる。硬度調整剤の配合量は、目的とするゴム成形品の硬度や、カーボンブラック等の配合量に応じて、適宜調節することが好ましい。
なお、硬度調整剤も、広義には、カーボンブラックと同様、充填剤の役割があるため、本発明において、カーボンブラック、その他の充填剤および硬度調整剤の合計配合量は、EBENB100重量部に対して、5〜300重量部であることが好ましい。カーボンブラックおよび硬度調整剤を増やすことでポリマー比率を低下させゴム組成物としての配合単価を低減できる。
架橋剤としては、主に有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,3−ジ−t−ブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどが挙げられる。
架橋剤の配合量は、EBENB100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。上記範囲とすることにより、加硫時に発泡して成形できなくなることを防止でき、また架橋密度が良好となるため十分な物性のものが得やすくなる。
また、上記のような有機過酸化物が含まれるマスターバッチ、例えばDCP30ZP03K(日本ゼオン株式会社製マスターバッチ;ジクミルパーオキサイド30質量%、Zetpol2010L30質量%、SRFカーボンブラック40質量%)などを用いることもできる。このようなマスターバッチは、ゴム組成物を調製する際の混練性および分散性を向上し得る点で好ましい。
さらに、必要に応じて架橋促進剤を含有してもよい。架橋促進剤としては、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアネート(TAC)、液状ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンなどを用いることができる。架橋促進剤は、適量配合添加されることにより、架橋効率を向上でき、さらに耐熱性や機械的特性を向上できるので、シール部品としての安定性も向上し得る。
また、本実施形態に係るゴム組成物は、加工助剤をさらに含むことが好ましい。加工助剤としては、脂肪族炭化水素を主成分とするプロセスオイル、例えば出光興産株式会社製品PW380、PW220などが挙げられ、単独あるいは組み合わせて用いることができる。特に、プロセスオイルは、化学構造が類似するパラフィンワックスに比べて低分子であるため、パラフィンワックスを配合した場合には達成し得ない特有の効果を奏する点で、より好ましい。
加工助剤の配合量は、EBENB100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは3〜15重量部である。上記範囲とすることにより、混練加工性が良好となり、またオイルのブリード発生などを防止できる。
本実施形態に係るゴム組成物中には、上記成分以外にも、ゴム配合剤として、受酸剤や、酸化防止剤などのゴム工業で一般的に使用されている配合剤が、必要に応じて適宜添加されて用いられてもよい。ゴム配合剤の配合量は、EBENB100重量部に対して、300重量部以下であることが好ましい。
ゴム組成物の調製は、各種材料を、例えば一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、高剪断型ミキサーなどの混練機を用いて混練することによって行うことができる。
また、ゴム組成物の加硫は、射出成形機、圧縮成形機などを用いて、一般に約150〜230℃、約0.5〜30分間の加圧加硫によって行うことができる。また、上記のような一次加硫を施した後、加硫物の内部まで確実に加硫させるため、必要に応じて二次加硫を行ってもよい。二次加硫は、一般に約150〜250℃、約0.5〜24時間のオーブン加熱によって行うことができる。
本発明に係るゴム組成物を加硫成形して得られるもの(ゴム成形品)は、特に、−50℃での低温ゴム特性を有し、低温(例えば、−40℃〜−60℃程度)の環境下で使用されゴム成形品として好適である。このようなゴム成形品は、例えば、JIS K6261:2006に規定されている低温弾性回復試験で測定したTR10の値が、−50℃以下であることが好ましい。さらに、本発明のゴム成形品は、適度な硬度を有することが好ましく、例えば、ゴム成形品がOリングであれば、JIS K6253−1:2012に規定されているタイプAのデュロメータ硬さが、65〜95であることが好ましい。
このようなゴム成形品としては、例えば、低温の高圧ガスをシールするために用いられるシール部品や、絶縁体、防振、防音体等が挙げられる。中でも、低温環境下で使用され、低温シール性に優れたシール部品、特に高圧ガス(例えば、高圧水素)機器用シール部品として好適に用いられる。
本発明に係るゴム成形品の形状には、特に限定は無く、用途に応じた様々な形状にすることができる。例えば、シール部品としての形状は、例えば、Oリング、パッキンおよびシートなどの形状が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、実施例および比較例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)35、ヨウ素価16のEBENB(実験合成品)100重量部に対して、カーボンブラックを70重量部、硬度調整剤が適量、過酸化物架橋剤を3重量部、酸化亜鉛を5重量部、ステアリン酸を1重量部、さらに必要に応じて加工助剤および酸化防止剤を適量配合し、これらをニーダーおよびオープンロールにて混練して、ゴム組成物を得た。また、硬度調整剤は、得られるゴム成形品の硬度(JIS A硬度)が80となるように適宜配合量を調整した。
(実施例2)
実施例2では、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)40、ヨウ素価10のEBENB(実験合成品)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ゴム組成物を得た。
(実施例3)
実施例3では、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)30、ヨウ素価5のEBENB(実験合成品)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ゴム組成物を得た。
(比較例1)
比較例1では、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)45、ヨウ素価16のEPDM(実験合成品)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ゴム組成物を得た。
(比較例2)
比較例2では、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)45、ヨウ素価26のEPDM(実験合成品)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、ゴム組成物を得た。
[評価]
上記実施例および比較例に係るゴム組成物を用いて、下記に示す特性評価を行った。各特性の評価条件は下記の通りである。結果を表1に示す。
[1]ゴム硬度(硬さ)
上記ゴム組成物について、シート金型を用いて、180℃、8分間の加圧加硫(一次加硫)および180℃、24時間のオープン加硫(二次加硫)を行い、厚さ2mmの板状加硫ゴムを成型した。
得られた板状加硫ゴムについて、JIS K6253−1:2012に従って、ゴム硬度を測定した。具体的には、デュロメータ硬さ試験機を用いて行った。
[2]低温弾性回復試験(低温ゴム特性)
上記ゴム組成物について、シート金型を用いて、180℃、8分間の加圧加硫(一次加硫)および180℃、24時間のオープン加硫(二次加硫)を行い、厚さ2mmの板状加硫ゴムを成型した。
得られた板状加硫ゴムについて、JIS K6261:2006に従って、TR−10およびTR70を測定した。TR10およびTR70は、試験片を50%伸張して凍結させた後、これを昇温して弾性率を回復する際に、収縮率がそれぞれ10%および70%になる温度である。TR10およびTR70の各温度は、低いほど、低温でゴム弾性が回復していることを示しており、ゴム弾性によりシール性を付与するシール部品においては、これらの温度がより低いことが望ましい。また、これらの温度の温度差は、値が小さいほど、弾性の回復がより狭い温度範囲で実現することを示しており、このような材料は、ゴム弾性の観点から好ましいシール挙動を示すことがわかる。
なお、本実施例では、特にTR10が−50℃以下である場合を低温ゴム特性が良好であると評価した。
[3]圧縮永久ひずみ試験(耐熱性)
上記ゴム組成物について、Oリング金型を用いて、180℃、10分間の加圧加硫(一次加硫)および150℃、24時間のオープン加硫(二次加硫)を行い、JIS B2401−1:2012 G25で規定するOリングを得た。
得られたOリングについて、JIS K6262:2006に従って、圧縮率25%、試験温度150℃、試験時間70時間の耐熱老化後の、圧縮永久ひずみ(%)を測定した。Oリングの圧縮永久ひずみは、その値が小さいほど、Oリングのシール性がよく、シール寿命が長いことを意味する。
[4]比較例1に対する材料費の指数比(材料コスト)
上記ゴム組成物を構成する各材料の代表的な単価から、ゴム組成物1kgあたりの材料費の単価を算出し、比較例1の材料費の単価を100として、各実施例及び比較例の材料費を指数比で表した。
なお、本実施例では、特に材料費の指数比が100未満である場合を低材料コストであると評価した。
Figure 2017170190
表1に示されるように、本発明に係るEBENBと、カーボンブラックと、硬度調整剤と、架橋剤とを含むゴム組成物によれば、ゴム成形品の用途に応じた硬度を実現しつつ、特に、従来のEPDMを用いたゴム組成物(比較例1および2)に比べて、低温ゴム特性に優れたゴム成形品を、低コストで製造できることが確認された(実施例1〜3)。
特に、EBENBを含む実施例1〜3に係るゴム組成物を用いたゴム成形品は、EBENBの代わりにEPDMを用いた比較例1および2に係るゴム組成物のゴム成形品に比べて、TR10がより低い温度であることから、低温ゴム特性に優れていることが確認された。
また、EBENBを含む実施例1〜3に係るゴム組成物を用いたゴム成形品は、EPDMを用いた比較例1および2に係るゴム組成物のゴム成形品と、同等の圧縮永久ひずみであることから、十分な耐熱性を有することが確認された。
また、EBENBを含む実施例1〜3に係るゴム組成物を用いたゴム成形品は、EPDMを用いた比較例1および2に係るゴム組成物のゴム成形品に比べて、材料コストを低減できることが確認された。
以上から、本発明に係る本発明に係るEBENBと、カーボンブラックと、硬度調整剤と、架橋剤とを含むゴム組成物は、従来のEPDMを用いたゴム成形品と同等レベルの所望の硬度を実現しつつ、特に、低温ゴム特性に優れたゴム成形品を、低コストに製造するために好適であることが確認された。

Claims (4)

  1. エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体(EBENB)と、カーボンブラックと、硬度調整剤と、架橋剤とを含む、ゴム組成物。
  2. 前記エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体のヨウ素価が、3〜20である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記エチレン・ブテン・エチリデンノルボルネン3元共重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)が、10〜45である、請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. −50℃での低温ゴム特性を有するゴム成形品を製造するために用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
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