JP2008239832A - ゴム組成物、架橋ゴム、及び成形品 - Google Patents

ゴム組成物、架橋ゴム、及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】高モジュラス及び高強度であり、耐屈曲性及び耐熱性に優れるとともに、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持される架橋ゴム及び成形品を製造し得るゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)共役ジエンに由来する構造単位を全構造単位中に30〜65質量%含有する、α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、(B)135℃、デカリン溶媒中における極限粘度が3.3dl/g以上である、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムと、(C)架橋剤と、(D1)タルク及び/又は(D2)シリカとを含有するゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、架橋ゴム、及び成形品に関する。更に詳しくは、車両用部材等の成形品を形成する材料として好適なゴム組成物、それを用いた架橋ゴム、及び成形品に関する。
二種類以上のエラストマーをブレンドすることによって、単一のエラストマーでは得られない性質(耐油性、耐候耐熱性等)を有するゴム成形品(又は架橋ゴム)を得るといった試みは、従来から行われている。例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)とを混合し、これらのゴムを架橋剤によって架橋させることが提案されている。具体的には、良好な機械的性質を有する耐油性のゴム成形品を得ることを目的として、特定のNBRとEPDMとを用いたゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1において開示されたゴム組成物を用いて作製された架橋ゴムやその成形品は、強度、耐熱性、耐屈曲性等の面で必ずしも満足し得る特性を示すものではなく、更には低モジュラスであることから、締め付け性、及びかしめ性が劣る傾向にあった。更に、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム(及びその成形品)は、高温条件下に晒された場合における伸びが低下してしまうといった問題があった。このように、高温条件下での伸びが低下してしまうと、成形後の製品取り出し時に破れを生ずる場合がある。
特公平4−75931号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高モジュラス及び高強度であり、耐屈曲性及び耐熱性に優れるとともに、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持される架橋ゴム及び成形品を製造し得るゴム組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、タルク及び/又はシリカを配合した特定のα,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムを、架橋剤で架橋することによって上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示すゴム組成物、架橋ゴム、及び成形品が提供される。
[1](A)共役ジエンに由来する構造単位を全構造単位中に30〜65質量%含有する、α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、(B)135℃、デカリン溶媒中における極限粘度が3.3dl/g以上である、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムと、(C)架橋剤と、(D1)タルク及び/又は(D2)シリカと、を含有するゴム組成物。
[2]前記(C)架橋剤が、前記(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、前記(B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムとを、モノスルフィド結合によって架橋することが可能な架橋剤である前記[1]に記載のゴム組成物。
[3]前記(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムが、アクリロニトリルブタジエンゴムである前記[1]又は[2]に記載のゴム組成物。
[4]前記(B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムが、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴムである前記[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物。
[5]前記(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、前記(B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムの合計100質量部に対する、前記(D1)タルクの含有量が、5〜150質量部である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム組成物。
[6]前記(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、前記(B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムの合計100質量部に対する、前記(D2)シリカの含有量が、5〜100質量部である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム組成物。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載のゴム組成物が架橋された架橋ゴム。
[8]前記[7]に記載の架橋ゴムからなる成形品。
本発明のゴム組成物は、高モジュラス及び高強度であり、耐屈曲性及び耐熱性に優れるとともに、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持される架橋ゴム及び成形品を製造し得るといった効果を奏するものである。
本発明の架橋ゴムは、高モジュラス及び高強度であり、耐屈曲性及び耐熱性に優れるとともに、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持されるといった効果を奏するものである。
本発明の成形品は、高モジュラス及び高強度であり、耐屈曲性及び耐熱性に優れるとともに、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持されるといった効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.ゴム組成物:
本発明のゴム組成物の一実施形態は、(A)共役ジエンに由来する構造単位を全構造単位中に30〜65質量%含有する、α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴム(以下、「(A)成分」ともいう)と、(B)135℃、デカリン溶媒中における極限粘度が3.3dl/g以上である、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム(以下、「(B)成分」ともいう)と、(C)架橋剤(以下、「(C)成分」ともいう)と、(D1)タルク(以下、「(D1)成分」ともいう)及び/又は(D2)シリカ(以下、「(D2)成分」ともいう)とを含有するものである。以下、その詳細について説明する。
((A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴム)
本発明のゴム組成物に含有される(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴム((A)成分)は、共役ジエンと、α,β−不飽和ニトリルと、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体(以下、「その他の単量体」ともいう)とを共重合させることにより得られる共重合体である。従って、(A)成分には、共役ジエンに由来する構造単位と、α,β−不飽和ニトリルに由来する構造単位とが含まれている。共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−トリメトキシシリル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。なかでも、ブタジエンが好ましい。
(A)成分に含まれる共役ジエンに由来する構造単位の割合は、全構造単位中30〜65質量%であることが必要であり、30〜55質量%であることが好ましく、35〜55質量%であることが更に好ましい。共役ジエンに由来する構造単位の割合が30質量%未満であると、この(A)成分を含有するゴム組成物を用いて得られる成形品の低温性が低下する傾向にある。一方、60質量%超であると、得られる成形品の耐油性が低下する傾向にある。
α,β−不飽和ニトリルとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−イソプロピルアクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル、エタクリロニトリル等を挙げることができる。なかでも、アクリロニトリルが好ましい。これらのα,β−不飽和ニトリルは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分に含有される、α,β−不飽和ニトリルに由来する構造単位の割合は、20〜70質量%であることが好ましく、20〜55質量%であることが更に好ましく、25〜50質量%であることが特に好ましい。α,β−不飽和ニトリルに由来する構造単位の割合が20質量%未満であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の耐油性が低下する傾向にある。一方、70質量%超であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の耐低温性が低下する傾向にある。
「その他の単量体」としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート系単量体;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート系単量体を挙げることができる。なかでも、エチルアクリレ−ト、n−ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレートが好ましい。
(A)成分に含有される、その他の単量体に由来する構造単位の割合は、全構造単位中0〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることが更に好ましく、15〜40質量%であることが特に好ましい。上記含有割合が50質量%超であると、得られる成形品の強度が劣る傾向にある。
(A)成分の重合方法は特に限定されないが、例えば、ラジカル重合法、アニオン重合法等を挙げることができる。ラジカル重合法としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を挙げることができる。なかでも、重合終了時に安定な乳化分散液が得られる乳化重合法が特に好ましい。この乳化重合法の具体的な態様としては、所定の比率に混合された単量体を乳化剤の存在下、水系媒体中で乳化させ、ラジカル重合開始剤により重合を開始させ、所定の重合転化率に達した後、重合停止剤にて重合を停止する方法等を挙げることができる。
乳化重合法に際して用いることのできる乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等を挙げることができる。なかでも、アニオン系界面活性剤、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩、ロジン酸塩等が汎用される。より具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸のカリウム塩又はナトリウム塩等を好適に用いることができる。これらの乳化剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、及びジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるジアゾ化合物;過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化物;及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合せに代表されるレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
得られる(A)成分の分子量を調節すべく、重合に際しては連鎖移動剤を使用してもよい。この連鎖移動剤としては、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタンや、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン類等を使用することができる。
(A)成分を重合する際に、それぞれの単量体、乳化剤、ラジカル重合開始剤、及び連鎖移動剤等は、反応容器に全量を一括して投入して重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的に又は間欠的に追加してもよい。この重合は、酸素を除去した雰囲気下、通常0〜100℃、好ましくは0〜80℃の温度で行う。反応途中で、温度や撹拌等の反応条件を適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式でもよい。
重合反応は、所定の重合転化率に達した時点で、重合停止剤を添加することによって停止することが一般的である。重合停止剤としては、例えば、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ヒドロキノン等のキノン化合物等を用いることができる。重合停止後、反応系から必要に応じて水蒸気蒸留等の方法により未反応単量体を除去してラテックスを得、得られたラテックスを凝固させることにより(A)成分を得ることができる。
(A)成分の分子量については特に制限はない。また、(A)成分のムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、5〜100であることが好ましく、5〜60であることが更に好ましい。(A)成分のムーニー粘度(ML1+4(100℃))が5未満であると、得られる架橋ゴム及び成形品の機械的強度を低下する傾向にある。一方、(A)成分のムーニー粘度(ML1+4(100℃))が100超であると、混練等の加工特性が低下する傾向にある。
(A)成分の好適な具体例としては、(a−1)ブタジエンに由来する構造単位(以下、「構造単位(a−1)」ともいう)と、(a−2)アクリロニトリルに由来する構造単位(以下、「構造単位(a−2)」ともいう)とを含むアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を挙げることができる。
このNBRに含有される構造単位(a−1)の割合は、構造単位(a−1)と構造単位(a−2)の合計を100質量%とした場合に、30〜65質量%、好ましくは30〜55質量%、更に好ましくは35〜55質量%である。NBRに含有される構造単位(a−1)の割合が30質量%未満であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の耐低温性が低下する傾向にある。一方、65質量%超であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の耐油性が低下する傾向にある。
((B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム)
本発明のゴム組成物に含有される(B)成分は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムである。この(B)成分の、135℃のデカリン溶媒中における極限粘度[η]は、3.3dl/g以上、好ましくは4.0〜12.0dl/g、更に好ましくは4.0〜10.0dl/gである。(B)成分の極限粘度[η]が3.3dl/g未満であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の強度が低下する傾向にある。
(B)成分としては、エチレンとプロピレンとの共重合ゴム;エチリデンノルボルネン、シクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、メチレンノルボルネン、及び4,7,8,9−テトラヒドロインデンからなる群より選択される少なくとも一種を非共役ジエンとして含むエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)等を挙げることができる。なかでも、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムが好ましい。
(B)成分の重合方法は特に制限されないが、例えば、バナジウム系触媒、チタン系触媒、メタロセン系触媒等の従来公知の触媒の存在下で重合する方法等を挙げることができる。より具体的には、バナジウム系触媒を用いる場合は、少なくとも一種の溶媒に可溶なバナジウム化合物と少なくとも一種の有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下で単量体成分を重合する方法を挙げることができる。この際、必要に応じて分子量調節剤としての水素を供給しつつ重合してもよい。重合は、気相法(流動床又は撹拌床)、液相法(スラリー法又は溶液法)のいずれでも実施することができる。
(B)成分として、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムと伸展油との混合組成物である、いわゆる油展ゴムを用いることも好ましい。(B)成分として油展ゴムを使用すると、滑り性が良好となり、加工成形が容易となるために好ましい。
伸展油としては、鉱物油又は合成油等を用いることができる。鉱物油としては、アロマティック系伸展油、ナフテン系伸展油、パラフィン系伸展油を挙げることができる。また、合成油としては、アルキルベンゼン系オイルを挙げることができる。
アロマティック系伸展油としては、以下いずれも商品名で、ダイアナプロセスオイルAC−12、同AC460、同AH−16、同AH−58(いずれも出光興産社製);モービルゾールK、同22、同130(いずれもエクソンモービル社製);共石プロセスX50、同X100,同X140(いずれも日鉱共石社製);レゾックスNo.3、デュートレックス729UK(いずれもシェル化学社製);コウモレックス200、同300、同500、同700(いずれも新日本石油社[旧日本石油社]製);エッソプロセスオイル110、同120(いずれもエクソンモービル社製);三菱34ヘビープロセス油、三菱44ヘビープロセス油、三菱38ヘビープロセス油、三菱39ヘビープロセス油(いずれも新日本石油社[旧三菱石油社]製)等を挙げることができる。
ナフテン系伸展油としては、以下いずれも商品名で、ダイアナプロセスオイルNS−24、同NS−100、同NM−26、同NM−280、同NP−24(いずれも出光興産社製);ナプレックス38(エクソンモービル社製);フッコールFLEX#1060N、同#1150N、同#1400N、同#2040N、同#2050N(いずれも富士興産社製);共石プロセスR25、同R50、同R200、同R1000(いずれも日鉱共石社製);シェルフレックス371JY、同371N、同451、同N−40、同22、同22R、同32R、同100R、同100S、同100SA、同220RS、同220S、同260、同320R、同680(いずれもシェル化学社製);コウモレックス2号プロセスオイル(新日本石油社[旧日本石油社]製);エッソプロセスオイルL−2、同765(いずれもエクソンモービル社製);三菱20ライトプロセス油(新日本石油社[旧三菱石油社]製)等を挙げることができる。
パラフィン系伸展油としては、以下いずれも商品名で、ダイアナプロセスオイルPW−90、同PW−380、同PS−32、同PS−90、同PS−430(いずれも出光興産社製);フッコールプロセスP−100、同P−200、同P−300、同P400、同P−500(いずれも富士興産社製);共石プロセスP−200、同P−300、同P−500、共石EPT750、同1000、共石プロセスS90(いずれも日鉱共石社製);ルブレックス26、同100、同460(いずれもシェル化学社製);エッソプロセスオイル815、同845、同B−1、ナプレックス32(いずれもエクソンモービル社製);三菱10ライトプロセス油(新日本石油社[旧三菱石油社]製)等を挙げることができる。
アルキルベンゼン系オイルは、プロピレンのテトラマーとベンゼンとの反応、又はn−パラフィンの脱水素化反応により得られるn−オレフィンとベンゼンとの反応によって製造される炭化水素系オイルであり、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、トリアルキルベンゼン、ジフェニルアルカン等のアルキルベンゼン類を含有する合成オイルである。
上述の伸展油は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。伸展油の総配合量は、(B)成分100質量部に対して、5〜200質量部とすることが好ましく、10〜180質量部とすることが更に好ましく、10〜120質量部とすることが特に好ましい。
((C)架橋剤)
本発明のゴム組成物に含有される(C)成分は、架橋剤である。この(C)成分の種類は特に限定されないが、例えば、硫黄、硫黄化合物、有機化酸化物、フェノール樹脂等を好適例として挙げることができる。なかでも、α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムとエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムをモノスルフィド結合によって架橋することが可能な架橋剤が、得られる架橋ゴム及び成形品の耐熱性を向上させ、耐油性及び耐熱性のバランスを良好にすることが可能となるために好ましい。なお、硫黄供与型架橋系として、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)−酸化亜鉛系を用い、この系に長い加硫時間を与えると、主としてモノスルフィド架橋が形成されることは知られている。
上記の「α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムとエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムをモノスルフィド結合によって架橋することが可能な架橋剤」の具体例としては、以下いずれも商品名で、バルノックR、ノクセラーTT、ノクセラーTET、ノクセラーTBT、ノクセラーTS、ノクセラーTRA、ノクセラーTOT−N、ノクセラーTBZTD(いずれも大内新興化学工業社製)等の硫黄化合物を挙げることができる。
また、「α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムとエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムをモノスルフィド結合によって架橋することが可能な架橋剤」として、硫黄を用いることもできる。硫黄の具体例としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等を挙げることができる。
また、(C)成分として硫黄や硫黄化合物を用いる場合には、架橋助剤(以下、「加硫促進剤」ともいう)を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミン又はアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華等の無機系亜鉛化合物等を挙げることができる。これらの加硫促進剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
((D1)タルク)
本発明のゴム組成物に含有されることのある(D1)成分は、タルクである。この(D1)成分を含有させることにより、粘度を過度に上昇させることなく、得られるゴム組成物のモジュラスを高めることができる。また、(D1)成分を含有させることにより、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持される架橋ゴム及び成形品を製造し得るゴム組成物とすることができる。
含有させることのできる(D1)成分の具体的な種類は特に限定されない。(D1)成分の市販品としては、例えば、商品名「ミストロンベーパー」(日本ミストロン社製)、商品名「SMT」(山陽クレー工業社製)等を挙げることができる。なお、(D1)成分は、珪酸マグネシウムの含有割合が80質量%以上のものであることが好ましく、85質量%以上のものであることが更に好ましい。
((D2)シリカ)
本発明のゴム組成物に含有されることのある(D2)成分は、シリカである。この(D2)成分を含有させることにより、粘度を過度に上昇させることなく、得られるゴム組成物のモジュラスを高めることができる。また、(D2)成分を含有させることにより、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持される架橋ゴム及び成形品を製造し得るゴム組成物とすることができる。
含有させることのできる(D2)成分の具体的な種類は特に限定されないが、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を好適例として挙げることができる。なかでも、湿式シリカが好ましい。これらのシリカは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、(D2)成分の市販品としては、例えば、商品名「ニプシールER」(東ソー・シリカ社製)、商品名「トクシールGU」(トクヤマ社製)、商品名「ニプシールVN3」(東ソー・シリカ社製)等を挙げることができる。
本発明のゴム組成物に(D2)成分を含有させる場合には、通常、シランカップリング剤を適当量含有させる。含有させるシランカップリング剤の割合は、(A)成分と、(B)成分の合計の100質量部に対して、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。シランカップリング剤の具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。なかでも、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
なお、シランカップリング剤の市販品としては、例えば、商品名「TSL8380」(東芝シリコーン社製)、商品名「KBM−803」(信越化学社製)、商品名「TSL8331」(東芝シリコーン社製)等を挙げることができる。
本発明のゴム組成物には、(D1)成分及び(D2)成分のうちのいずれか、又は両方を含有させる。なお、(D1)成分を含有させる場合と、(D2)成分を含有させる場合を比較すると、(D1)成分のみを含有させる場合の方が、得られるゴム組成物の粘度上昇をより効果的に抑制しつつ、モジュラスを高めることができるために好ましい。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物に含有される(A)成分の割合は、(A)成分と(B)成分の合計を100質量%とした場合に、20〜70質量%であることが好ましく、25〜65質量%であることが更に好ましく、30〜60質量%であることが特に好ましい。(A)成分の含有割合が20質量%未満であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の耐油性が低下する場合がある。一方、70質量%超であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の耐熱性が低下する場合がある。
本発明のゴム組成物に含有される(B)成分の割合は、(A)成分と(B)成分の合計を100質量%とした場合に、30〜80質量%であることが好ましく、35〜75質量%であることが更に好ましく、40〜70質量%であることが特に好ましい。(B)成分の含有割合が30質量%未満であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の耐熱性が低下する場合がある。一方、80質量%超であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の耐油性が低下する場合がある。
本発明のゴム組成物に含有される(C)成分の量は、ゴム組成物に含有される全ての重合体成分((A)成分及び(B)成分以外の重合体を含む)の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。(C)成分の含有量が0.1質量部未満であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の強度が低下する場合がある。一方、20質量部超であると、このゴム組成物を用いて得られる架橋ゴム及び成形品の伸びが低下する場合がある。
本発明のゴム組成物に(D1)成分が含有される場合において、この(D1)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、5〜150質量部であることが好ましく、5〜130質量部であることが更に好ましく、5〜100質量部であることが特に好ましい。(D1)成分の含有量が5質量部未満であると、得られるゴム組成物が低モジュラスとなる傾向にある。一方、150質量部超であると、高温条件下での伸びが低下する傾向にある。
本発明のゴム組成物に(D2)成分が含有される場合において、この(D2)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、5〜80質量部であることが更に好ましく、5〜60質量部であることが特に好ましい。(D2)成分の含有量が10質量部未満であると、得られるゴム組成物が低モジュラスとなる傾向にある。一方、100質量部超であると、高温条件下での伸びが低下する傾向にある。
(その他の重合体成分)
本発明のゴム組成物には、(A)成分及び(B)成分以外の、他の重合体成分を含有させることができる。他の重合体成分としては、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ブタジエン・イソプレン共重合ゴム、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合ゴムブチルゴム等を挙げることができる。
(添加剤)
本発明のゴム組成物には、各種の添加剤を含有させることができる。含有させることのできる添加剤としては、例えば、補強剤、充填剤、可塑剤、加工助剤、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防菌・防かび剤、着色剤等を挙げることができる。
補強剤の具体例としては、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、アルミナ等を挙げることができる。なかでも、カーボンブラックが好ましい。これらの補強剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの具体例としては、SAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等を挙げることができる。
補強剤の配合量は、ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましく、10〜150質量部であることが更に好ましく、20〜120質量部であることが特に好ましい。
充填剤の具体例としては、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリン、セリサイト、ウォラスナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、アスベスト、PMF(Processed Mineral Fiber)、胡粉、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバレーン、ハイドロタルサイト、フライアシュバレーン、シラスバレーン、カーボン系バレーン、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等を挙げることができる。これらの充填剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
充填剤の配合量は、ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜200質量部であることが好ましく、0〜100質量部であることが更に好ましく、0〜50質量部であることが特に好ましい。
可塑剤の具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類;トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類の他、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等を挙げることができる。これらの可塑剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
可塑剤の配合量は、ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜150質量部であることが好ましく、0〜100質量部であることが更に好ましく、0〜80質量部であることが特に好ましい。
加工助剤の具体例としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸亜鉛、市販の各種加工助剤等を挙げることができる。これらの加工助剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、加工助剤の配合量は、ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることが更に好ましく、1〜5質量部であることが特に好ましい。
軟化剤の具体例としては、前述した鉱物油系の伸展油の他、植物油系軟化剤、サブ等を挙げることができる。なお、サブの具体例としては、黒サブ、白サブ、飴サブ等を挙げることができる。また、植物系軟化剤の具体例としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう等を挙げることができる。これらの軟化剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。軟化剤の配合量は、ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜150質量部であることが好ましく、0〜100質量部であることが更に好ましく、0〜80質量部であることが特に好ましい。
老化防止剤の具体例としては、例えば、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等を挙げることができる。これらの老化防止剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。老化防止剤の配合量は、ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、0〜7質量部であることが更に好ましく、0〜5質量部であることが特に好ましい。
紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等を挙げることができる。これらの紫外線吸収剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。前記紫外線吸収剤の配合量は、ゴム組成物中の全重合体の合計100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、0〜7質量部であることが更に好ましく、0〜5質量部であることが特に好ましい。
(ゴム組成物の製造方法)
本発明のゴム組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。先ず、(A)成分、(B)成分、並びに(D1)成分及び/又は(D2)成分を、バンバリーミキサー等の混練機等を使用し、温度70〜180℃で混練して混練物を得る。得られた混練物を冷却した後、バンバリーミキサー、ミキシングロール等を使用して(C)成分を配合すれば、本発明のゴム組成物を製造することができる。
(A)成分と(B)成分については、それぞれ凝固後の固体状態で混練してもよい。また、(A)成分については固体状態とする前の乳化液(ラテックス)の状態とし、(B)成分については固体状態から溶解した後の乳化液の状態とし、これらを所定割合で混合して得られた混合液から重合体成分を凝固・分離した、(A)成分と(B)成分を含有する複合体(複合ゴム)を用いて、前述の混練を行ってもよい。更には、(A)成分については固体状態から溶解した状態とし、(B)成分は固体状態とする前の溶液の状態とし、これらを所定割合で混合して得られた混合液から重合体成分を凝固・分離した、(A)成分と(B)成分を含む複合体(複合ゴム)を用いて、前述の混練を行ってもよい。
2.架橋ゴム:
本発明の架橋ゴムの一実施形態は、同じく本発明の一実施形態であるゴム組成物を架橋することによって得られるものである。このため、本発明の架橋ゴムは、高モジュラス及び高強度であり、耐屈曲性及び耐熱性に優れるとともに、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持されるものである。
本発明の架橋ゴムは、例えば前述のゴム組成物を、130〜250℃の温度条件下、(A)成分及び(B)成分を架橋させることによって製造することができる。
3.成形品:
本発明の成形品の一実施形態は、同じく本発明の一実施形態である架橋ゴムからなるものである。このため、本発明の成形品は、高モジュラス及び高強度であり、耐屈曲性及び耐熱性に優れるとともに、良好な伸びを示し、かつ、高温条件下に晒された場合であっても良好な伸びが維持されるものである。
本発明の成形品は、例えば前述の架橋ゴムを金型成形、押出成形、射出成形等することにより製造することができる。なお、ゴム組成物からそのまま成形品とする場合には、ゴム組成物を、130〜250℃の温度条件下で金型成形、押出成形、射出成形等すればよい。
本発明の成形品は、その特性を生かし、ホース、チューブ、又はパッキン等として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[引張試験]:JIS K6251に準拠して、100%モジュラス(M100(MPa))、引張強さ(TB(MPa))、及び引張伸び(EB(%))を測定した。
[硬度]:JIS K6253に準拠してデュロメータA硬さ(硬度HA)を測定した。
[屈曲試験]:JIS K6260に準拠して屈曲試験(屈曲亀裂発生試験)を行った。具体的には、JIS K6260に準拠した試験片を作製し、この試験片を、23℃で往復運動毎分300回稼動する屈曲試験機で50×10回屈曲させる試験を行い、以下に示す基準に従って耐屈曲性を評価した。
○:亀裂無し
×:亀裂有り
[高温引張試験]:180℃、4分の条件で引張試験を実施し、引張伸び(EB(%))を測定した。
(EP(1)(油展エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム)の製造)
溶液重合法の一般的な製造により、溶媒としてヘキサン(188L/hr)を用いて、チーグラー触媒の有機アルミニウム化合物{(C1.5AlCl1.5}=0.18g/L−ヘキサン、及び可溶性バナジウム化合物(VOCl)=0.013g/L−ヘキサンの存在下で、エチレン1.7Nm/hr、プロピレン4.6L/hr、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)220ml/hrを40Lの重合反応容器に連続的にチャージし、反応温度29℃、反応時間0.2時間の条件でランダム共重合させた。このランダム共重合において、VOClを失活しない程度まで減少させるとともに、分子量調節剤である水素ガスの使用量を、モノマー混合物の量に対して、20ppm以下に調整することにより超高分子量のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムを得た。
得られたエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム(エチレン・α−オレフィン・エチリデンノルボルネン共重合体(EPR))は、135℃、デカリン溶媒中における極限粘度[η]が7.0dl/g、エチレンに由来する構造単位の含有量が67%、α−オレフィンに由来する構造単位の含有量が28.5%、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)に由来する構造単位の含有量が4.5%であった。EPRを製造した後、このEPRの濃度が4%となるようにEPRのヘキサン溶液を調製し、この溶液中に可塑化材料としてオイル(軟化剤、商品名「ダイアナプロセスPW90」、出光興産社製)を、EPR100部に対して100部添加して撹拌し、スチームストリッピングにより組成物を得た。得られた組成物を乾燥して、油展エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴム(EP(1))を得た。
(実施例1)
NBR(1)(低ブタジエンNBR、ブタジエン単位含量:52%、商品名「N215SL」、JSR社製)60部、EP(1)40部、活性亜鉛華(商品名「亜鉛華」、堺化学工業社製)5部、ステアリン酸(花王社製)1部、商品名「シースト116」(カーボンブラック、東海カーボン社製)55部、商品名「ミストロンベーパー」(タルク、日本ミストロン社製、珪酸マグネシウムの含有割合:95%)70部、商品名「フッコールフレックス2050N」(軟化剤、富士興産社製)50部、商品名「ノクラックRD」(老化防止剤、大内新興化学工業社製)1部、及び商品名「ノクラックMB」(老化防止剤、大内新興化学工業社製)2部を、スタート温度100℃でバンバリーミキサーによって混練することにより、混練物を得た。得られた混練物に、商品名「ノクセラーTRA」(加硫促進剤、大内新興化学工業社製)0.8部、商品名「ノクセラーTOT−N」(加硫促進剤、大内新興化学工業社製)4部、商品名「ノクセラーM−60」(加硫促進剤、大内新興化学工業社製)2部、商品名「ノクセラーEP60」(加硫促進剤、大内新興化学工業社製)4部、及び商品名「バルノックR」(架橋剤、大内新興化学工業社製)3部を添加し、混練温度50℃でロールによって混練することによりゴム組成物(未架橋ゴム)を得た。
得られた未架橋ゴムを170℃、10分間の成形条件で金型成形することによってシート状の架橋ゴム(成形品)を製造した。製造した成形品について引張試験を実施したところ、100%モジュラス(M100)が4.0MPa、引張強度(TB)が10.8MPa、引張伸び(EB)が430%であった。また、この成形品の硬度(デュロA)は73であり、屈曲試験の評価結果は「○」であった。更に、この成形品について引張試験を実施したところ、引張伸び(EB)が222%であった。
(実施例2〜7、比較例1〜5)
表1に示す配合処方とすること以外は実施例1と同様にして、ゴム組成物(未架橋ゴム)、及び架橋ゴム(シート状の成形品)を製造した。製造した成形品についての各種物性値の測定結果、及び評価結果を表1に示す。なお、表1の記載中、「シーストSO」及び「シーストS」は、いずれも東海カーボン社製のカーボンブラックの商品名であり、「バーゲスKE」は、バーゲスピグメント社製のシラン処理クレーの商品名であり、「ニプシールER」は、東ソー・シリカ社製の湿式シリカの商品名であり、「TSL8380」は、東芝シリコーン社製のシランカップリング剤(メルカプトシラン系)の商品名である。
Figure 2008239832
表1に示すように、実施例1〜7の成形品は、比較例1〜5の成形品に比して強度や伸びが同等又はそれ以上であるとともに、高モジュラスであることが明らかである。また、実施例1〜7の成形品は、比較例1〜5の成形品に比して耐屈曲性が良好であり、かつ、高温引張試験の結果が優れていることが明らかである。
本発明のゴム組成物又は架橋ゴムを用いて得られた成形品は、例えば車両用部材、より具体的にはホース、チューブ、又はパッキン等として好適である。

Claims (8)

  1. (A)共役ジエンに由来する構造単位を全構造単位中に30〜65質量%含有する、α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、
    (B)135℃、デカリン溶媒中における極限粘度が3.3dl/g以上である、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムと、
    (C)架橋剤と、
    (D1)タルク及び/又は(D2)シリカと、
    を含有するゴム組成物。
  2. 前記(C)架橋剤が、前記(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、前記(B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムとを、モノスルフィド結合によって架橋することが可能な架橋剤である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムが、アクリロニトリルブタジエンゴムである請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記(B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムが、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴムである請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 前記(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、前記(B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムの合計100質量部に対する、前記(D1)タルクの含有量が、5〜150質量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6. 前記(A)α,β−不飽和ニトリル共役ジエン系ゴムと、前記(B)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムの合計100質量部に対する、前記(D2)シリカの含有量が、5〜100質量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム組成物が架橋された架橋ゴム。
  8. 請求項7に記載の架橋ゴムからなる成形品。
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