JPWO2014034855A1 - 複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

樹脂とグラフェンライク炭素材料との密着性に優れた複合材料及びその製造方法を提供する。樹脂からなる基材と、前記基材表面の少なくとも一部を覆うように設けられたグラフェンライク炭素材料層とを備え、グラフェンライク炭素材料層は、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中のポリマーを熱分解することにより得られたグラフェンライク炭素材料により構成されている、複合材料。

Description

本発明は、樹脂と、グラフェンもしくは薄片化黒鉛のようなグラフェンライク炭素材料との複合材料に関し、より詳細には、樹脂からなる基材に対するグラフェンライク炭素材料の密着性が高められている複合材料及びその製造方法に関する。
従来、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンファイバーまたはカーボン粒子などの炭素材料が、樹脂への補強剤や充填剤として広く用いられている。また、近年、黒鉛を剥離して得られる、グラフェン積層数がより少ない薄片化黒鉛がより注目されている。
上記のような炭素材料と樹脂との複合材料として、例えば下記の特許文献1に示すように、エポキシ樹脂中に炭素繊維などの炭素材料を分散させてなる複合材料が知られている。
特開2003−277471号公報
しかしながら、従来の樹脂と炭素材料との複合材料では、樹脂と炭素材料との密着強度が充分でないという問題があった。例えば、特許文献1に記載のように樹脂中に炭素材料を分散させてなる複合材料では、添加されている炭素材料により物性の改善が図られているものの、炭素材料との密着強度は充分ではなかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、樹脂とグラフェンライク炭素材料との密着性に優れた複合材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る複合材料は、基材と、グラフェンライク炭素材料層とを備える。基材は、樹脂からなる。グラフェンライク炭素材料層は、基材表面の少なくとも一部を覆うように設けられている。グラフェンライク炭素材料層は、グラフェンライク炭素材料により構成されている。グラフェンライク炭素材料は、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中のポリマーを熱分解することにより得られる。
本発明に係る複合材料のある特定の局面では、グラフェンライク炭素材料は、ポリマーを含む。グラフェンライク炭素材料に含まれるポリマーの熱分解開始温度及び熱分解終了温度は、それぞれ、固定化前のポリマーの熱分解開始温度及び熱分解終了温度よりも高い。従って、グラフェンライク炭素材料の電気伝導性が高くなく、電気伝導度を抑えることが可能となる。
本発明に係る複合材料の他の特定の局面では、グラフェンライク炭素材料は、ポリマーを含まない。従って、グラフェンライク炭素材料の電気伝導性が高くなるので、導電性の高い複合材料を提供することが可能となる。
本発明に係る複合材料の他の特定の局面では、グラフェンライク炭素材料の一部が基材の表面から内部に入り込んでいる。従って、両者の密着性がより一層高められる。
本発明に係る複合材料の他の特定の局面では、前記樹脂からなる基材が、樹脂微粒子であり、前記樹脂微粒子の外表面を覆うように前記グラフェンライク炭素材料層が形成されている。この場合には、樹脂微粒子の外表面が、グラフェンライク炭素材料層で覆われており、かつグラフェンライク炭素材料の一部が樹脂微粒子表面に入り込んでいるため、樹脂微粒子とグラフェンライク炭素材料層との密着性が高められている。しかも、グラフェンライク炭素材料層表面に有する微粒子状の複合材料は、凝集し難い。従って、いわゆる自由流動性粉体(free flowing powder)として取り扱うことができる。
本発明に係る複合材料の他の特定の局面では、前記樹脂からなる基材がシート状基材であって、該シート状基材の少なくとも一方面に前記グラフェンライク炭素材料層が設けられている。この場合には、本発明に従って、炭素材料層のシート状基材との密着性に優れたシート状の複合材料を提供することができる。
本発明に係る複合材料では、好ましくは、グラフェンライク炭素材料がグラフェンまたは薄片化黒鉛からなる。グラフェンまたは薄片化黒鉛はアスペクト比が大きく、かつ、グラフェン積層数が少ないため、少量の添加で複合材料の物性を高めることができる。
本発明に係る複合材料の製造方法は、本発明に従って構成された複合材料の製造方法であって、樹脂からなる基材と、グラフェンライク炭素材料とを用意する工程と、前記樹脂からなる基材の表面の少なくとも一部に前記グラフェンライク炭素材料を接触させ、超臨界または亜臨界状態の流体を作用させつつ加熱する工程とを備える。そして、前記グラフェン炭素材料を用意する工程は、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の前記ポリマーを熱分解することにより行われる。
本発明に係る製造方法では、好ましくは、前記超臨界または亜臨界の流体として、超臨界または亜臨界状態のCOを用いる。COは、31.1℃程度の温度かつ7.52MPa程度の圧力下で超臨界状態となる。従って、HOなどに比べて、穏やかな条件で樹脂からなる基材の表面を膨潤させることができる。そのため、ガラス転移温度が低い樹脂を用いた場合においても、本発明の複合材料を確実に得ることができる。
本発明に係る複合材料では、樹脂からなる基材にグラフェンライク炭素が密着しているため、グラフェンライク炭素材料層と基材との密着性に優れた複合材料を得ることが可能となる。
また、本発明に係る製造方法によれば、超臨界または亜臨界状態の流体を樹脂に作用させつつ加熱することにより、樹脂からなる基材の表面にグラフェンライク炭素が密着するようにして、樹脂表面にグラフェンライク炭素材料層が形成される。よって、樹脂からなる基材に対して密着性に優れたグラフェンライク炭素材料層を有する本発明の複合材料を得ることができる。また、本発明の製造方法では、上記のようにして、グラフェンライク炭素材料層を基材表面に形成するため、基材の形状も特に限定されない。よって、樹脂微粒子のような微粒子状、シート状基材などの形状に限らず、複雑な形状の樹脂からなる基材の表面にも、本発明に従ってグラフェンライク炭素材料層を容易に形成することができる。
また、被分散体である炭素材料微粒子は凝集性が高く、均一に分散させ、付着させる事は容易ではなかったところ、発明の製造方法では、容易に炭素材料微粒子を基材表面に密着させることができる。
図1は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例1で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(50℃、27.6MPa)で6時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(200倍)である。 図2は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例1で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(50℃、27.6MPa)で6時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(4000倍)である。 図3は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例1で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(50℃、27.6MPa)で6時間作用させた後、乳鉢を用いて部分的に切断した微粒子の走査型電子顕微鏡写真(8000倍)である。 図4は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例1で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(45℃、27.6MPa)で5時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(600倍)である。 図5は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例1で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(45℃、27.6MPa)で5時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(8000倍)である。 図6は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例1で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(45℃、27.6MPa)で5時間作用させた後、乳鉢を用いて部分的に切断した微粒子の走査型電子顕微鏡写真(10000倍)である。 図7は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例2で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で12時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(250倍)である。 図8は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例2で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で12時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)である。 図9は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例2で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で12時間作用させた後、乳鉢を用いて部分的に切断した微粒子の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)である。 図10は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例2で得られた薄片化黒鉛0.002gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で4時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(500倍)である。 図11は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例2で得られた薄片化黒鉛0.002gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で4時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(4000倍)である。 図12は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例3で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で12時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(230倍)である。 図13は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例3で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で12時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(4000倍)である。 図14は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例3で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で12時間作用させた後、乳鉢を用いて部分的に切断した微粒子の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)である。 図15は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例3で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で4時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(600倍)である。 図16は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例3で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(55℃、27.6MPa)で4時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(2000倍)である。 図17は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例4で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(50℃、27.6MPa)で10時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(200倍)である。 図18は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例4で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(50℃、27.6MPa)で10時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(4000倍)である。 図19は、ポリスチレン微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番S−20)1gと実験例4で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合し、超臨界二酸化炭素(50℃、27.6MPa)で10時間作用させた後、乳鉢を用いて部分的に切断した微粒子の走査型電子顕微鏡写真(3000倍)である。 図20は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例4で得られた薄片化黒鉛0.002gを混合し、超臨界二酸化炭素(40℃、27.6MPa)で6時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(450倍)である。 図21は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例4で得られた薄片化黒鉛0.002gを混合し、超臨界二酸化炭素(40℃、27.6MPa)で6時間作用させた後の微粒子の走査型電子顕微鏡写真(4000倍)である。 図22は、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製の品番CS−10)1gと実験例4で得られた薄片化黒鉛0.002gを混合し、超臨界二酸化炭素(40℃、27.6MPa)で6時間作用させた後、乳鉢を用いて部分的に切断した微粒子の走査型電子顕微鏡写真(5000倍)である。 図23は、実験例1で得られた薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。 図24は、実験例2で得られた薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。 図25は、実験例3で得られた薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。 図26は、実験例4で得られた薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(樹脂からなる基材)
本発明に係る複合材料及びその製造方法では、樹脂からなる基材を用いる。基材を構成する樹脂については、超臨界または亜臨界状態の流体を作用させつつ加熱することにより、表面を柔らかくし得る適宜の樹脂を用いることができる。このような樹脂は、合成樹脂であってもよく、天然樹脂であってもよい。
上記樹脂としては、超臨界または亜臨界状態の流体が作用する温度において軟化する程度のガラス転移温度Tgを有するものが好ましい。後述するように、COが超臨界または亜臨界状態で作用させる流体として好適に用いられる。従って、樹脂としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、セルロースなどを好適に用いることができる。また、樹脂は、これらのポリマーを構成するモノマーの共重合体であってもよい。もっとも、本発明において用いる樹脂材料としては、PMMA以外、様々な(メタ)アクリル系樹脂、ポリプロピレン以外の様々なポリオレフィン等も用いることができる。
上記樹脂からなる基材の形状についても特に限定されない。基材は、樹脂微粒子であってもよい。すなわち、微粒子状基材であってもよい。なお、微粒子の直径は特に限定されないが、平均200μm以下の微粒子が好適に用いられ、これよりも大きい粒子状の樹脂からなる基材を用いてもよい。樹脂からなる基材が粒子状である場合、本発明に従って得られた複合材料では、後述するように、凝集が生じ難い。従って、自由流動性粉末(free flowing powder)として取り扱うことができる。
また、樹脂からなる基材は、シート状であってもよい。シート状基材の場合には、シート状基材の一面及び/または反対側の面の少なくとも一部に本発明に従って、グラフェンライク炭素材料層を形成することができる。
さらに、本発明で用いられる樹脂からなる基材は、粒子状やシート状である必要は必ずしもない。すなわち、グラフェンライク炭素材料を樹脂からなる基材表面の少なくとも一部に接触させ、その状態で超臨界または亜臨界状態の流体を作用させ得る限り、樹脂からなる基材の形状は複雑な立体的形状を有するものであってもよい。その場合においても、本発明に従って、表面にグラフェンライク炭素材料層を有する複雑な立体的形状を有する複合材料を得ることができる。
また、複雑な表面の基材の一部に、グラフェンライク炭素材料を選択的に形成することもできる。
(グラフェンライク炭素材料)
本発明において、上記グラフェンライク炭素材料層は、グラフェンライク炭素材料により構成されている。このグラフェンライク炭素材料層は、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中のポリマーを熱分解することにより得られるものである。従って、元の黒鉛または一次薄片化黒鉛よりもBETによる比表面積が大きい。
本発明における、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物とは、例えば、ポリマーが、グラフトまたは吸着により、黒鉛又は一次薄片化黒鉛に固定化されている組成物をいう。なお、他の方法により、固定化されていてもよい。
上記黒鉛は、複数のグラフェン層の積層体であり、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等を用いることができる。一般に、黒鉛では、グラフェン積層数は10万層〜100万層程度であり、BETによる比表面積は20m/g以下である。また、本明細書において、上記一次薄片化黒鉛とは、原料として用いられる薄片化黒鉛であって、グラフェンの積層数が1000層以下、BETによる比表面積が500m/g以下のものをいう。
上記ポリマーとしては、特に限定されないが、グリシジルメタクリレートのホモポリマー、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリブチラール、などのラジカル分解性ポリマーが好適に用いられる。これらのポリマーを用いることにより、後述する黒鉛または一次薄片化黒鉛の剥離を、より一層効果的に行うことができる。
本発明のグラフェンライク炭素材料は、このような黒鉛または一次薄片化黒鉛にポリマーが固定されている組成物中のポリマーを熱分解することにより得られる。上記熱分解により、黒鉛又は一次薄片化黒鉛が剥離され、本発明のグラフェンライク炭素材料層を得ることができる。
従って、このグラフェンライク炭素材料層におけるグラフェンの積層数は、元の黒鉛または薄片化黒鉛よりも少ない。より具体的には、本発明において、上記グラフェンライク炭素材料層を構成しているグラフェンライク炭素材料におけるグラフェンの積層数は10〜1000程度の範囲であり、BETによる比表面積で30m/g以上、300m/g以下の範囲内である。上記グラフェンライク炭素材料としては、特に限定されないが、薄片化黒鉛又はグラフェンであることが好ましい。上記グラフェン又は薄片化黒鉛はアスペクト比が大きく、かつ、グラフェン積層数が少ないため、少量の添加で、より一層複合材料の物性を高めることができる。
なお、上記薄片化黒鉛の積層体におけるグラフェンの積層数は数層〜200層程度である。また、薄片化黒鉛の比表面積は黒鉛よりもはるかに大きく、600m/g以上である。本発明において、上記薄片化黒鉛とは、黒鉛又は一次薄片化黒鉛を剥離することにより得られ、上記のようなグラフェン積層数のグラフェン積層体をいうものとする。
本発明のグラフェンライク炭素材料は、ポリマーを含んでいてもよい。この場合、グラフェンライク炭素材料に含まれるポリマーの熱分解開始温度及び熱分解終了温度は、それぞれ、固定化前のポリマーの熱分解開始温度及び熱分解終了温度よりも高い。ポリマーを含んでいる場合、グラフェンライク炭素材料の電気伝導性が高くなく、電気伝導度を抑えることが可能となる。
また、本発明におけるグラフェンライク炭素材料では、ポリマーを含まなくともよい。この場合、グラフェンライク炭素材料の電気伝導性が高くなるので、導電性の高い複合材料を提供することが可能となる。
このように、本発明のグラフェンライク炭素材料では、ポリマーを含んでいても、含まなくともよいが、基材との密着性を高めることができるため、ポリマーを含んでいることが好ましい。
本発明においては、上記グラフェンライク炭素材料層の厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。もっとも、樹脂微粒子からなる基材表面にグラフェンライク炭素材料層を設ける場合には、グラフェンライク炭素材料層の厚みは0.5nm〜500nm程度である。また、シート状基材の少なくとも一方面にグラフェンライク炭素材料層を設ける場合においても、0.5nm〜500nm程度の厚みとすればよい。
グラフェンライク炭素材料層の厚みが厚すぎると、樹脂物性の効果が発現しなくなることがある。逆に、グラフェンライク炭素材料層の厚みが薄くなりすぎると、グラフェンライク炭素材料層を設けたことによる物性改善効果が充分に得られないことがある。
本発明においては、上記グラフェンライク炭素材料層を構成しているグラフェンライク炭素の一部が、基材の表面に密着している。好ましくは、グラフェンライク炭素の一部が基材の表面から内部に向かって入り込んでいる。そのため、アンカー効果により、グラフェンライク炭素材料層と樹脂からなる基材との密着性が効果的に高められる。
グラフェンライク炭素の基材表面への密着性に優れた本発明の複合材料、より好ましくは、グラフェンライク炭素の一部が基材の表面に内部に入り込んでいる本発明の複合材料は、本発明の製造方法に従って得ることができる。
(製造方法)
本発明の製造方法では、先ず、樹脂からなる上記基材と、上記グラフェンライク炭素材料とを用意する。上記グラフェン炭素材料は、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の上記ポリマーを熱分解することにより準備することができる。
上記ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物は、例えば、上記ポリマーを、グラフトまたは吸着により、黒鉛又は一次薄片化黒鉛に固定化することにより得られる。
上記グラフトは、例えば、黒鉛または一次薄片化黒鉛の存在下でラジカル重合性モノマーを重合することにより行うことができる。より具体的には、上記ラジカル重合性モノマーを重合することにより、ポリマーを形成する段階で生成されるフリーラジカルが、ラジカルトラップ性を有する黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層の端部及び表面に吸着されることにより行われる。
上記ラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合性として一般に知られる官能基を有するモノマーである限り特に限定されず、適宜のラジカル重合性官能基を有するモノマーを用いることができる。上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−エチルアクリル酸メチル、α−ベンジルアクリル酸メチル、α−[2,2−ビス(カルボメトキシ)エチル]アクリル酸メチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジシクロヘキシル、α−メチレン−δ−バレロラクトン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレンからなるα−置換アクリル酸エステル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどのグリシジル基や水酸基を持つビニルモノマー;アリルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ基を有するビニルモノマー;メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;ユニケミカル社製、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH、ホスマーPPなどのリン酸基を有するモノマー;ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するモノマー;アルキル基やベンジル基などを有する(メタ)アクリレート系モノマーなどが挙げられる。上記ラジカル重合性モノマーは単独で用いてもよく、複数の種類のモノマーを組み合わせて用いてもよい。好ましくは、上記ラジカル重合性モノマーとしては、安価なスチレンモノマーを用いることができる。
上記吸着により、黒鉛又は薄片化黒鉛にポリマーを固定化させる方法としては、特に限定されないが、例えば、溶媒中において、黒鉛もしくは一次薄片化黒鉛とポリマーと混合し、さらに超音波処理を実施する方法が挙げられる。
また、本発明における、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の上記ポリマーの熱分解は、上記ポリマーの熱分解温度まで加熱することにより行われる。本発明において、上記ポリマーの熱分解温度とは、TGA測定依存の分解終点温度をいう。例えば、ポリマーがポリスチレンである場合には、上記ポリマーの熱分解温度は約350℃である。
そして、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層の端部及び表面に固定化されている上記ポリマー等が熱分解する際に、上記グラフェン層間に剥離力が生じる。従って、上記ポリマー等を熱分解することによって、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層間を剥離し、薄片化黒鉛を得ることができる。
また、この熱分解によっても、一部のポリマーは組成物中に残存している。そして、熱分解によって得られる薄片化黒鉛・樹脂複合材料における樹脂の熱分解開始温度及び熱分解終了温度は、それぞれ、複合化前の樹脂の熱分解開始温度及び熱分解終了温度よりも高くなる。
上記加熱方法としては、上記ポリマーの熱分解温度まで加熱できる方法であれば特に限定されず、適宜の方法及び装置により上記組成物を加熱することができる。また、上記加熱の際には、密閉することなく、すなわち常圧下で加熱してもよい。従って、安価にかつ容易に薄片化黒鉛を製造することができる。ポリマーを残存させるように熱分解させるには、加熱時間を調整することにより達成することができる。すなわち、加熱時間を短くすることにより残存樹脂量を多くすることができる。また、加熱温度を低めることによりポリマー樹脂量を増加させることもできる。
他方、上記ポリマーを確実に熱分解し、該ポリマーを焼き切って除去してもよい。よって、上記ポリマーを焼き切って除去するために、上記ポリマーの熱分解温度以上の温度まで加熱した後、上記温度をさらに一定時間維持してもよい。上記温度付近に維持する時間は、使用するラジカル重合性モノマーの種類及び量にもよるが、好ましくは0.5〜5時間の範囲である。
なお、上記熱分解の際、さらに熱分解性発泡剤を用いてもよい。上記熱分解性発泡剤としては、加熱により自発的に分解し、分解時にガスを発生する化合物である限り、特に限定されない。上記熱分解性発泡剤としては、例えば、分解時に窒素ガスを発生するアゾカルボン酸系、ジアゾアセトアミド系、アゾニトリル化合物系、ベンゼンスルホヒドラジン系またはニトロソ化合物系等の発泡剤や、分解時に一酸化炭素、二酸化炭素、メタンまたはアルデヒド等を発生する発泡剤などを用いることができる。上記熱分解性発泡剤は単独で用いてもよく、複数の種類の発泡剤を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、上記熱分解性発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)を用いることができる。
上記加熱の際、上記組成物が熱分解性発泡剤をさらに含む場合には、上記組成物を上記熱分解性発泡剤の熱分解温度まで加熱すると、上記熱分解性発泡剤が上記組成物中で熱分解する。一方、上記熱分解性発泡剤は、熱分解時にはガスを発生して発泡する。このとき、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛のグラフェン層間付近で上記熱分解性発泡剤が熱分解すると、上記グラフェン層間に上記熱分解により発生した上記ガスが入り込み、上記グラフェン層の間隔が広げられる。それによって、上記グラフェン層間に剥離力が生じるため、上記黒鉛または一次薄片化黒鉛をさらに剥離することができる。従って、上記熱分解性発泡剤を用いることによって、得られる薄片化黒鉛の比表面積をより一層大きくすることができる。
本発明の製造方法では、次に、樹脂からなる上記基材と、上記グラフェンライク炭素材料とを用意する。次に、樹脂からなる基材の表面の少なくとも一部に、上記グラフェンライク炭素材料を接触させ、その状態で、超臨界または亜臨界状態の流体を作用させつつ加熱する。超臨界または亜臨界状態の流体としては、CO、HO、などを用いることができる。
COは、31.1℃の温度及び7.52Mpa程度の気圧で超臨界状態となる。また、−56.6℃〜31.1℃及び0.528Mpa〜7.52MPa程度の気圧の範囲で亜臨界状態となる。超臨界または亜臨界状態の流体を作用させつつ加熱することにより、樹脂からなる基材表面が軟化する。従って、グラフェンライク炭素が軟化した基材表面と接触する。また、好ましくはグラフェンライク炭素の一部が基材表面に入り込む。そのため、加熱後冷却すれば、グラフェンライク炭素を基材表面と密着するようにして、基材表面の少なくとも一部を覆うようにグラフェンライク炭素材料層が形成される。すなわち、本発明の複合材料を得ることができる。
よって、上記樹脂からなる基材を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが、上記超臨界または亜臨界状態の流体を作用させつつ加熱する工程における温度雰囲気にあることが望ましい。より具体的には、樹脂のガラス転移温度Tgは、上記加熱温度−100℃〜+100℃の範囲にあることが望ましい。この範囲内にあれば、樹脂からなる基材表面にグラフェンライク炭素の一部を確実に入り込ませることができる。
上記樹脂からなる基材の表面にグラフェンライク炭素材料を接触させるにあたっては、上記の通り、基材の表面の少なくとも一部に接触させればよい。もっとも、基材の全表面にグラフェンライク炭素材料を接触させてもよい。
さらに、上記のように、基材表面の少なくとも一部にグラフェンライク炭素材料を接触させた状態で超臨界または亜臨界状態の流体を作用させつつ加熱するものであるため、基材表面の一部に選択的にグラフェンライク炭素材料を接触させ、基材表面の一部に選択的にグラフェンライク炭素材料層が設けられている複合材料も容易に得ることができる。加えて、前述したように、複雑な立体的な形状を有する基材を用いた場合においても、その表面に本発明に従ってグラフェンライク炭素材料層を容易にかつ確実に形成することができる。
(複合材料の物性)
本発明に係る複合材料では、上記のように、グラフェンライク炭素材料の基材表面への密着性が高められ、好ましくは、グラフェンライク炭素材料の一部が樹脂からなる基材表面に入り込むようにして、グラフェンライク炭素材料層が形成されている。従って、グラフェンライク炭素材料層と基材との密着性を効果的に高め得る。よって、熱履歴を伴う環境に晒されたとしても、グラフェンライク炭素材料層の基材からの剥離等が生じ難い。また、密着性に優れているため、炭素材料による機械的強度の改善等も効果的に図ることができる。
加えて、本願発明者の実験によれば、例えば、PMMAに上記グラフェンライク炭素材料層を本発明に従って形成してなる複合材料では、複合材料のガラス転移温度Tgも高められることがわかった。従って、耐熱性に優れた複合材料を提供することができる。このように、複合材料のTgが高められるのは、グラフェンライク炭素材料とPMMAの表面との密着性が高められるため、グラフェンライク炭素と樹脂との相互作用が強くなることによると考えられる。
なお、PMMAに限らず、他の樹脂を用いた場合においても、本発明に従ってグラフェンライク炭素材料層を形成することにより、複合材料のTgを元の樹脂のTgに比べて効果的に高めることができる。従って、耐熱性に優れた複合材料を提供することが可能となる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
[薄片化黒鉛の調製]
(実験例1)
膨張化黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)10gと、ポリプロピレングリコール(PPG、三洋化成社製、品番:サンニックスGP−3000、数平均分子量=3000)200gと熱分解性発泡剤として上記式(1)に示される構造を有するADCA(永和化成社製、商品名「AC#R−3K」、熱分解温度210℃)20gとを、溶剤としてのテトラヒドロフラン200gと混合し、原料組成物を用意した。次に、原料組成物に、超音波処理装置(本多電子社製)を用いて、100W、発振周波数28kHzで2時間超音波を照射した。この超音波処理により、ポリプロピレングリコールを膨張化黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリプロピレングリコールが膨張化黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
上記超音波照射後に、上記組成物を溶液流延法により成形し、乾燥温度80℃の温度で2時間維持し、次に110℃の温度で1時間維持、さらに150℃の温度で1時間維持し、さらに230℃の温度で2時間維持した。それによって、上記組成物中において上記ADCAを熱分解し、発泡させた。次に、400℃の温度で24時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリプロピレングリコールを熱分解し、薄片化黒鉛を得た。
図23は、得られた薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。
図23から明らかなように、熱分解後にポリマーであるポリプロピレングリコールが残存していることが分かる。
(実験例2)
膨張化黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」)10gと、熱分解性発泡剤として上記式(1)に示される構造を有するADCA(永和化成社製、商品名「AC#R−3K」、熱分解温度210℃)200mgと、ラジカル重合性モノマーとしてスチレンモノマー(和光純薬工業社製)200gとを混合し、混合物とした。次に、上記混合物に対し、超音波処理装置(本多電子社製)を用いて、100W、発振周波数28kHzで120分間超音波処理した。それによって、上記膨張化黒鉛が上記スチレンモノマー中に分散している組成物を得た。
次に、上記組成物を120℃の温度となるまで加熱し、1時間維持し、さらに150℃の温度で1時間維持した。それによって、上記組成物中のスチレンモノマーを重合させた。
続いて、上記組成物を230℃の温度となるまでさらに加熱し、230℃の温度で1時間維持した。それによって、上記組成物中において上記ADCAを熱分解し、発泡させた。
その後、上記組成物を430℃の温度となるまでさらに加熱し、430℃の温度で2時間維持した。それによって、上記組成物中のスチレンモノマーが重合したポリマーを熱分解し、上記黒鉛が剥離した薄片化黒鉛を得た。
図24は、得られた薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。
図24から明らかなように、熱分解後にポリマーであるポリスチレンが消失していることが分かる。
(実験例3)
膨張化黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)2gと、熱分解性発泡剤として上記式(1)に示される構造を有するADCA(永和化成社製、商品名「AC#R−3K」、熱分解温度210℃)4gと、ポリプロピレングリコールPPG、三洋化成社製、品番:サンニックスGP−3000、数平均分子量=3000)40gとを、溶剤としてのテトラヒドロフラン40gと混合し、原料組成物を用意した。次に、原料組成物に、超音波処理装置(本多電子社製)を用いて、100W、発振周波数28kHzで2時間超音波を照射した。この超音波処理により、ポリプロピレングリコールを膨張化黒鉛に吸着させた。このようにして、ポリプロピレングリコールが膨張化黒鉛に吸着されている組成物を用意した。
上記超音波照射後に、上記組成物を溶液流延法により成形し、乾燥温度80℃の温度で2時間維持し、次に110℃の温度で1時間維持、さらに150℃の温度で1時間維持し、さらに230℃の温度で2時間維持した。それによって、上記組成物中において上記ADCAを熱分解し、発泡させた。
次に、450℃の温度で3時間維持する加熱工程を実施した。それによって、上記ポリプロピレングリコールを熱分解し、薄片化黒鉛を得た。
図25は、得られた薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。
図25から明らかなように、熱分解後にポリマーであるポリプロピレングリコールが残存していることが分かる。
(実験例4)
膨張化黒鉛(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8」、BET比表面積=22m/g)3gと、熱分解性発泡剤として上記式(1)に示される構造を有するADCA(永和化成社製、商品名「AC#R−3K」、熱分解温度210℃)6gと、ラジカル重合性モノマーとして酢酸ビニルポリマー(SN−04T、デンカ社製)60gとテトラヒドロフラン120gを混合し、混合物とした。次に、上記混合物に対し、超音波処理装置(本多電子社製)を用いて、100W、発振周波数28kHzで120分間超音波処理した。それによって、上記膨張化黒鉛が上記酢酸ビニルポリマー中に分散している組成物を得た。
続いて、上記組成物を80℃2時間乾燥処理し、110℃の温度となるまでさらに加熱し、THF溶液を完全に乾燥した。さらに230℃の温度で2時間維持した。それによって、上記組成物中において上記ADCAを熱分解し、発泡させた。
その後、上記組成物を450℃の温度となるまでさらに加熱し、2時間維持した。それによって、上記組成物中の酢酸ビニルポリマーを熱分解し、上記黒鉛が剥離した薄片化黒鉛を得た。
図26は、得られた薄片化黒鉛のTG/DTA測定結果を示す図である。
図26から明らかなように、熱分解後にポリマーであるポリ酢酸ビニルが残存していることが分かる。
[複合材料の製造]
(実施例1)
樹脂からなる基材として、ポリスチレンからなる微粒子(積水化成品工業株式会社製、品番:S−20、平均粒子径:300μm、Tg:106℃)を用意した。このポリスチレンからなる微粒子1.0gと、実験例1で得られた薄片化黒鉛0.001gを圧力容器内に配置し、室温(23℃)及び10MPaの圧力で超臨界状態とされているCOを10mL加えた後、いったんCOを除去した(水分を除去し、乾燥させるため)。その後、再度室温(23℃)及び10MPaの圧力で超臨界状態とされているCOを10mL加えた。その後、温度を50℃まで上昇させ6時間かき混ぜながら加熱した。このときの圧力は約27.6MPaまで上昇した。しかる後、室温まで冷却し、複合材料を得た。得られた複合材料は粒子状であるその平均粒径は300μmであった。また、このようにして得られた複合材料としての粒子の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。
図1は、実施例1で得た複合材料としての粒子の200倍の電子顕微鏡写真を示し、図2はその表面を4000倍に拡大して示す電子顕微鏡写真である。
上記粒子を、乳鉢を用いて部分的に切断し、部分的に切断されている粒子を同じく走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。図3は、このようにして得られた8000倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真を示す。図1〜図3から明らかなように、得られた複合材料では、微粒子表面にグラフェンライク炭素材料が形成されており、特に図3の写真から、グラフェンライク炭素は基材粒子表面に集積していることがわかる。
(実施例2)
実験例1で得られた薄片化黒鉛0.001gと、ポリスチレン及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体からなる微粒子(積水化成品工業株式会社製、品番:CS−10、平均粒子径:100μm、Tg:98℃)1.0gを混合したこと、及び温度を45℃まで上昇させ5時間かき混ぜたこと以外は、実施例1と同様にして、複合材料を得た。なお、混合時の圧力は約27.6MPaまで上昇した。得られた複合材料としての粒子の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。
図4及び図5は、それぞれ、実施例2で得た複合材料としての粒子の600倍及び8000倍の走査型電子顕微鏡写真である。上記粒子を、乳鉢を用いて部分的に切断し、部分的に切断されている粒子を同じく走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。図6は、このようにして得られた10000倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真を示す。図4〜6の写真から、グラフェンライク炭素の一部が樹脂からなる元の基材粒子表面の内側に入り込んでいることがわかる。
(実施例3)
実施例1と同様の樹脂からなる基材1.0gと、実験例2で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合したこと、及び温度を55℃まで上昇させ12時間かき混ぜたこと以外は、実施例1と同様にして、複合材料を得た。なお、混合時の圧力は約27.6MPaまで上昇した。得られた複合材料としての粒子の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。
図7及び図8は、それぞれ、実施例3で得た複合材料としての粒子の250倍及び1000倍の走査型電子顕微鏡写真である。上記粒子を、乳鉢を用いて部分的に切断し、部分的に切断されている粒子を同じく走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。図9は、このようにして得られた1000倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真を示す。図7〜9の写真から、グラフェンライク炭素の一部が樹脂からなる元の基材粒子表面の内側に入り込んでいることがわかる。
(実施例4)
実施例2と同様の樹脂からなる基材1.0gと、実験例2で得られた薄片化黒鉛0.002gを混合したこと、及び温度を55℃まで上昇させ4時間かき混ぜたこと以外は、実施例2と同様にして、複合材料を得た。なお、混合時の圧力は約27.6MPaまで上昇した。得られた複合材料としての粒子の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。
図10及び図11は、それぞれ、実施例4で得た複合材料としての粒子の500倍及び4000倍の走査型電子顕微鏡写真である。図10〜11の写真から、グラフェンライク炭素の一部が樹脂からなる元の基材粒子表面の内側に入り込んでいることがわかる。
(実施例5)
実施例1と同様の樹脂からなる基材1.0gと、実験例3で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合したこと、及び温度を55℃まで上昇させ12時間かき混ぜたこと以外は、実施例1と同様にして、複合材料を得た。なお、混合時の圧力は約27.6MPaまで上昇した。得られた複合材料としての粒子の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。
図12及び図13は、それぞれ、実施例5で得た複合材料としての粒子の230倍及び4000倍の走査型電子顕微鏡写真である。上記粒子を、乳鉢を用いて部分的に切断し、部分的に切断されている粒子を同じく走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。図14は、このようにして得られた2000倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真を示す。図12〜14の写真から、グラフェンライク炭素の一部が樹脂からなる元の基材粒子表面の内側に入り込んでいることがわかる。
(実施例6)
実施例2と同様の樹脂からなる基材1.0gと、実験例3で得られた薄片化黒鉛0.002gを混合したこと、及び温度を55℃まで上昇させ4時間かき混ぜたこと以外は、実施例2と同様にして、複合材料を得た。なお、混合時の圧力は約27.6MPaまで上昇した。得られた複合材料としての粒子の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。
図15及び図16は、それぞれ、実施例6で得た複合材料としての粒子の600倍及び2000倍の走査型電子顕微鏡写真である。図15〜16の写真から、グラフェンライク炭素の一部が樹脂からなる元の基材粒子表面の内側に入り込んでいることがわかる。
(実施例7)
実施例1と同様の樹脂からなる基材1.0gと、実験例4で得られた薄片化黒鉛0.001gを混合したこと、及び温度を50℃まで上昇させ10時間かき混ぜたこと以外は、実施例1と同様にして、複合材料を得た。なお、混合時の圧力は約27.6MPaまで上昇した。得られた複合材料としての粒子の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。
図17及び図18は、それぞれ、実施例7で得た複合材料としての粒子の200倍及び4000倍の走査型電子顕微鏡写真である。上記粒子を、乳鉢を用いて部分的に切断し、部分的に切断されている粒子を同じく走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。図19は、このようにして得られた3000倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真を示す。図17〜19の写真から、グラフェンライク炭素の一部が樹脂からなる元の基材粒子表面の内側に入り込んでいることがわかる。
(実施例8)
実施例2と同様の樹脂からなる基材1.0gと、実験例4で得られた薄片化黒鉛0.002gを混合したこと、及び温度を40℃まで上昇させ6時間かき混ぜたこと以外は、実施例2と同様にして、複合材料を得た。なお、混合時の圧力は約27.6MPaまで上昇した。得られた複合材料としての粒子の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。
図20及び図21は、それぞれ、実施例8で得た複合材料としての粒子の450倍及び4000倍の走査型電子顕微鏡写真である。上記粒子を、乳鉢を用いて部分的に切断し、部分的に切断されている粒子を同じく走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JCM−5700)により観察した。図22は、このようにして得られた5000倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真を示す。図20〜22の写真から、グラフェンライク炭素の一部が樹脂からなる元の基材粒子表面の内側に入り込んでいることがわかる。

Claims (9)

  1. 樹脂からなる基材と、前記基材表面の少なくとも一部を覆うように設けられたグラフェンライク炭素材料層とを備え、
    前記グラフェンライク炭素材料層は、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の前記ポリマーを熱分解することにより得られたグラフェンライク炭素材料により構成されている、複合材料。
  2. 前記グラフェンライク炭素材料は、前記ポリマーを含み、
    前記グラフェンライク炭素材料に含まれる前記ポリマーの熱分解開始温度及び熱分解終了温度が、それぞれ、前記固定化前の前記ポリマーの熱分解開始温度及び熱分解終了温度よりも高い、請求項1に記載の複合材料。
  3. 前記グラフェンライク炭素材料は、前記ポリマーを含まない、請求項1に記載の複合材料。
  4. 前記グラフェンライク炭素材料の一部が前記基材の表面から内部に入り込んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合材料。
  5. 前記樹脂からなる基材が、樹脂微粒子であり、前記樹脂微粒子の外表面を覆うように前記グラフェンライク炭素材料層が形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材料。
  6. 前記樹脂からなる基材がシート状基材であって、該シート状基材の少なくとも一方面に前記グラフェンライク炭素材料層が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材料。
  7. 前記グラフェンライク炭素材料がグラフェンまたは薄片化黒鉛からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法であって、樹脂からなる基材と、グラフェンライク炭素材料とを用意する工程と、
    前記樹脂からなる基材の表面の少なくとも一部に前記グラフェンライク炭素材料を接触させ、超臨界または亜臨界状態の流体を作用させつつ加熱する工程とを備え、
    前記グラフェン炭素材料を用意する工程が、ポリマーが黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている組成物中の前記ポリマーを熱分解することにより行われる、複合材料の製造方法。
  9. 前記超臨界または亜臨界の流体として、超臨界または亜臨界状態のCOを用いる、請求項8に記載の複合材料の製造方法。
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