JPWO2011115213A1 - ニッケルナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

ニッケルナノ粒子の製造方法は、COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルおよび1級アミンの混合物を加熱してニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る第一の工程と、錯化反応液をマイクロ波で加熱してニッケルナノ粒子スラリーを得る第二の工程とを有する。第一の工程において、105〜175℃の温度で15分以上加熱することが好ましい。第二の工程において、180℃以上の温度で加熱することが好ましい。

Description

本発明は、ニッケルナノ粒子の製造方法に関する。
ニッケルナノ粒子は、銀ナノ粒子等の貴金属ナノ粒子よりも安価で、貴金属ナノ粒子よりも化学的に安定であることから、例えば触媒、磁性材料、積層セラミックコンデンサにおける電極等への利用が期待されている。従来、ニッケルナノ粒子は、固相反応または液相反応によって得られていた。固相反応としては、塩化ニッケルの化学気相蒸着やギ酸ニッケル塩の熱分解等が知られている。液相反応としては、塩化ニッケル等のニッケル塩を水素化ホウ素ナトリウム等の強力な還元剤で直接還元する方法、NaOH存在下ヒドラジン等の還元剤を添加して前駆体[Ni(HNNH]SO・2HOを形成した後に熱分解する方法、塩化ニッケル等のニッケル塩や有機配位子を含有するニッケル錯体を溶媒とともに圧力容器に入れて水熱合成する方法等が知られている。
ニッケルナノ粒子を、上記した触媒、磁性材料、電極等の用途に好適に供するには、その粒径が例えば150nmを下回る程度に小さくかつ粒径が均一なものに制御する必要がある。
しかし、固相反応のうち化学気相蒸着による方法の場合、粒子がサブミクロンからミクロンオーダーに肥大化する。また、熱分解による方法の場合、反応温度が高いことから、粒子が凝集する。また、これらの固相反応による製造方法は、液相反応による製造方法に比べてニッケルナノ粒子の製造コストが高価になりがちである。
一方、液相反応のうち強力な還元剤を使用する方法の場合、即座にニッケルが還元されることから、所望の粒径の粒子を得るために反応を制御することが困難である。また、前駆体を経由させる方法の場合、前駆体がゲル状をなし、その後の還元反応が不均一となること、水熱合成の場合、反応温度が高いことから、いずれも凝集を避けることができない。
液相反応の技術に関して、ポリオール溶液に、還元剤、分散剤、およびニッケル塩を添加して混合溶液を製造する工程と、混合溶液を撹拌および加熱する工程と、混合溶液を反応させてニッケルナノ粒子を生成する工程と、を含むニッケルナノ粒子の製造方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この製造方法では、分散性が高度に優れたニッケルナノ粒子は必ずしも好適には得られない。また、ニッケルナノ粒子中に還元剤成分が不純物として残存すると、ニッケルナノ粒子の用途によっては製品品質に影響を及ぼすケースが考えられる。
また、ニッケル前駆物質、有機アミンおよび還元剤を混合した後、加熱することでニッケルナノ粒子を得る技術が開示されている(特許文献2)。しかしながら、この製造方法で、強力な還元剤を用いると、還元反応を制御することが難しく、分散性が高度に優れたニッケルナノ粒子は必ずしも好適には得られない。一方、還元力の弱い還元剤を用いると、酸化還元電位が負電位であるニッケル金属を還元するには高温に加熱する必要があり、それに伴った反応制御が求められる。
特開2009−024254号公報 特開2010−037647号公報
本発明の目的は、液相反応において簡易な方法で、得られるニッケルナノ粒子の粒径の大きさと分布および形状の適正化を図ることができるニッケルナノ粒子の製造方法を提供することである。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルおよび1級アミンを含む混合物を加熱してニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る第一の工程と、
前記錯化反応液をマイクロ波で加熱してニッケルナノ粒子スラリーを得る第二の工程と、
を有している。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記第一の工程において、105℃以上〜175℃以下の範囲内の温度で加熱することができる。
また、本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、第二の工程において、180℃以上の温度で加熱することができる。
また、本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記カルボン酸ニッケルのCOOH基を除く部分の炭素数が1〜8であってもよい。
また、本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記1級アミンが脂肪族アミンであってもよい。
また、本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記脂肪族アミンがオレイルアミン又はドデシルアミンであってもよい。
また、本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記第一の工程において、COOH基を除く部分の炭素数が1又は2の直鎖カルボン酸ニッケルを用いるとともに、前記第一の工程と前記第二の工程との間に、前記錯化反応液にパラジウム塩、銀塩、白金塩および金塩からなる群より選択される1または2以上の金属塩を添加する工程を含むことができる。この場合、前記金属塩を添加する工程において、前記カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル100質量部に対して、前記金属塩を金属換算で0.01質量部以上添加してもよい。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記第二の工程において、前記錯化反応液中に、価数が3以上の多価カルボン酸を存在させた状態で加熱を行うことができる。この場合、遅くとも前記第二の工程で加熱する前の、前記混合物を調製する段階、前記混合物の段階、又は、前記錯化反応液の段階、のいずれかにおいて、前記多価カルボン酸を配合することができる。この場合、前記多価カルボン酸が非環式カルボン酸であってもよい。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記多価カルボン酸を、前記カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル100質量部に対して3質量部以上の比率で使用することができる。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、遅くともマイクロ波を照射する前の、前記混合物を調製する段階、前記混合物の段階、又は前記錯化反応液の段階のいずれかにおいて、ニッケル以上の融点を持つ高融点金属の塩を配合した後、前記マイクロ波による加熱を行うことができる。この場合、前記第一の工程において、前記高融点金属の塩を、前記カルボン酸ニッケルおよび1級アミンとともに混合して前記混合物を調製することができる。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記高融点金属の塩がタングステン塩、モリブデン塩、バナジウム塩およびニオブ塩からなる群から選ばれる1つまたは2以上の混合物であってもよい。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記高融点金属の塩を、金属換算で、前記カルボン酸ニッケル中のニッケル100質量部に対して高融点金属として1〜30質量部の範囲内で配合することができる。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記第二の工程において得られた前記ニッケルナノ粒子スラリーに、ニッケル以上の融点を持つ高融点金属の塩を配合した後、マイクロ波による加熱を行い、前記ニッケルナノ粒子に前記高融点金属を複合化させる工程を、さらに有することができる。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記第二の工程において、マイクロ波照射による加熱温度を240℃以上にして、生成するニッケルナノ粒子の表面に存在する有機物を炭化させてもよい。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記第二の工程において得られたニッケルナノ粒子を240℃以上に再加熱して、該ニッケルナノ粒子の表面に存在する有機物を炭化させる工程をさらに有していてもよい。この場合、前記ニッケルナノ粒子を1級アミンの存在下で再加熱することが好ましい。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、前記COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルとともに、全カルボン酸ニッケルに対して5〜50モル%の範囲内の配合量でギ酸ニッケルを併用してもよい。
本発明に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、液相反応において簡易な方法で、得られるニッケルナノ粒子の粒径の大きさと分布および形状の適正化を図ることができる。
各酢酸ニッケル錯体の構造を示す図であり、(a)は二座配位、(b)は単座配位、(c)は外圏にカルボン酸イオンが存在した状態を、をそれぞれ示す。 実施例1−1で得られたニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−2で得られたニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−3で得られたニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−4で得られたニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−6で得られたニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−11で得られた炭化ニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−11で得られた炭化ニッケルナノ粒子のXRDを示す図である。 実施例1−12で得られた炭化ニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−12で得られた炭化ニッケルナノ粒子のXRDを示す図である。 参考例1−1で得られた炭化ニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 参考例1−1で得られた炭化ニッケルナノ粒子のXRDを示す図である。 実施例1−13で得られた炭化ニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−13で得られた炭化ニッケルナノ粒子のXRDを示す図である。 実施例1−14で得られた炭化ニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例1−14で得られた炭化ニッケルナノ粒子のXRDを示す図である。 実施例2−1で得られたニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例3−1で得られたニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例3−2で得られたニッケルナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例4−1で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例4−1で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子のXRDを示す図である。 実施例4−1で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子の熱膨張収縮の挙動を示す図である。 実施例4−1で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子におけるニッケル分布のTEM−EDSマッピング像を示す図である。 実施例4−1で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子におけるタングステン分布のTEM−EDSマッピング像を示す図である。 実施例4−2で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子のSEM写真を示す図である。 実施例4−2で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子のXRDを示す図である。 実施例4−2で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子の熱膨張収縮の挙動を示す図である。 実施例4−3で得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子のSEM写真を示す図である。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケル(カルボン酸ニッケル塩)および1級アミンを含有する混合物を加熱してニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る第一の工程と、該錯化反応液をマイクロ波で加熱してニッケルナノ粒子スラリーを得る第二の工程とを、有する。本実施の形態では、第一の工程において、105℃以上175℃以下の範囲内の温度で加熱を行うことができる。また、上記第二の工程において、マイクロ波を照射して、180℃以上、好ましくは200℃以上の温度で加熱することができる。
<第一の工程>
第一の工程では、カルボン酸ニッケルおよび1級アミンを含有する混合物を加熱して錯化反応液を得る。
(カルボン酸ニッケル)
COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケル(カルボン酸のニッケル塩)は、カルボン酸の種類を限定するものではなく、例えば、カルボキシ基が1つのモノカルボン酸であってもよく、また、カルボキシ基が2つ以上のカルボン酸であってもよい。また、非環式カルボン酸であってもよく、環式カルボン酸であってもよい。カルボン酸ニッケルのCOOH基を除く部分の炭素数が1より小さい場合(例えばギ酸ニッケル)は、粒子形状が不均一であり、逆に、炭素数が12を超えると、粒子形状が不均一となり好ましくない。カルボン酸ニッケルのCOOH基を除く部分の炭素数は、1〜8であることが好ましい。このようなカルボン酸ニッケルとして、酢酸ニッケルを用いることがより好ましい。カルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。なお、カルボン酸ニッケルに代えて、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル等の無機塩を用いることも考えられるが、無機塩の場合、解離(分解)が高温であるため、還元過程で高温での加熱が必要であり好ましくない。また、Ni(acac)(β−ジケトナト錯体)、ステアリン酸イオン等の有機配位子により構成されるニッケル塩を用いることも考えられるが、これらのニッケル塩を用いると、原料コストが高くなり好ましくない。
また、本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケル(カルボン酸ニッケル塩)とともに、それ以外のカルボン酸ニッケル(例えばギ酸ニッケル)を併用することが可能である。例えば、酢酸ニッケル(還元温度;250℃以上)に比べて還元温度の低いギ酸ニッケル(還元温度;190〜200℃)を併用することによって、還元温度の低温化を図ることができる。還元反応温度を低温化することにより、1級アミンの副反応(縮合反応)を抑制することができる。酢酸ニッケルとギ酸ニッケルを併用する場合、ギ酸ニッケルの配合割合は、全カルボン酸ニッケルに対し、例えば5〜50モル%の範囲内とすることが好ましい。この範囲内でギ酸ニッケルを併用することによって、カルボン酸ニッケルの還元反応を約200℃で進行させることができる。
(1級アミン)
1級アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成することができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)に対する還元能を効果的に発揮する。一方、2級アミンは立体障害が大きいため、ニッケル錯体の良好な形成を阻害するおそれがあり、3級アミンはニッケルイオンの還元能を有しないため、いずれも使用できない。
1級アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成できるものであれば、特に限定するものではなく、常温で固体又は液体のものが使用できる。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。常温で液体の1級アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の1級アミンであっても、100℃以上の加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
1級アミンは、分散剤としても機能し、ニッケル錯体を反応液中に良好に分散させることができるため、錯体形成後にニッケル錯体を加熱分解してニッケルナノ粒子を得る際の粒子同士の凝集を抑えることができる。1級アミンは、芳香族1級アミンであってもよいが、反応液におけるニッケル錯体形成の容易性の観点からは脂肪族1級アミンが好適である。脂肪族1級アミンは、例えばその炭素鎖の長さを調整することによって生成するナノ粒子の粒径を制御することができ、特に平均粒径が10〜150nmのニッケルナノ粒子を製造する場合において有利である。ニッケルナノ粒子の粒径を制御する観点から、脂肪族1級アミンは、その炭素数が6〜20程度のものから選択して用いることが好適である。炭素数が多いほど得られるナノ粒子の粒径が小さくなる。このようなアミンとして、例えばオクチルアミン、トリオクチルアミン、ジオクチルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ミリスチルアミン、ラウリルアミン等を挙げることができる。例えばオレイルアミンは、ナノ粒子生成過程に於ける温度条件下において液体状態として存在するため均一溶液での反応を効率的に進行できる。
1級アミンは、ニッケルナノ粒子の生成時に表面修飾剤として機能するため、1級アミンの除去後においても二次凝集を抑制できる。また、1級アミンは、還元反応後に、生成したニッケルナノ粒子の固体成分と溶剤又は未反応の1級アミン等を分離する洗浄工程における処理操作の容易性の観点からも好ましい。更に、1級アミンは、ニッケル錯体を還元してニッケルナノ粒子を得るときの反応制御の容易性の観点からは還元温度より沸点が高いものが好ましい。すなわち、脂肪族1級アミンは、沸点が180℃以上のものが好ましく、200℃以上のものがより好ましい。また、脂肪族1級アミンは、炭素数が9以上であることが好ましい。ここで、例えば炭素数が9である脂肪族アミンのC21N(ノニルアミン)の沸点は201℃である。1級アミンの量は、カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル1molに対して2mol以上用いることが好ましく、2.2mol以上用いることがより好ましく、4mol以上用いることが望ましい。1級アミンの量が2mol未満では、得られるニッケルナノ粒子の粒子径の制御が困難となり、粒子径がばらつきやすくなる。また、1級アミンの量の上限は特にはないが、例えば生産性の観点からは、カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル1molに対して20mol以下程度とすることが好ましい。
2価のニッケルイオンは配位子置換活性種として知られており、形成する錯体の配位子は温度、濃度によって容易に配位子交換により錯形成が変化する可能性がある。例えばカルボン酸ニッケルおよび1級アミンの混合物を加熱して錯化反応液を得る第二の工程において、用いるアミンの炭素鎖長等の立体障害を考慮すると、例えば、図1に示すようなカルボン酸イオン(RCOO、RCOO)が二座配位(a)または単座配位(b)のいずれかで配位する可能性があり、さらにアミンの濃度が大過剰の場合は外圏にカルボン酸イオンが存在する構造(c)をとる可能性がある。目的とする反応温度(還元温度)に置いて均一溶液とするには少なくともA、B、C、D、E、Fの配位子のうち少なくとも一箇所は1級アミンが配位している必要がある。その状態をとるには、1級アミンが過剰に反応溶液内に存在している必要があり、少なくともニッケルイオン1molに対し2mol以上存在していることが好ましく、2.2mol以上存在していることがより好ましく、4mol以上存在していることが望ましい。
(錯化反応液)
錯化反応液とは、カルボン酸ニッケルと1級アミンの反応によって生成する反応生成液(反応生成物)をいう。錯形成反応は室温においても進行させることができるが、反応を確実かつより効率的に行うために、100℃以上の温度で加熱を行う。この加熱は、カルボン酸ニッケルとして、例えば酢酸ニッケル4水和物のようなカルボン酸ニッケルの水和物を用いた場合に特に有利である。加熱温度は、好ましくは100℃を超える温度とし、より好ましくは105℃以上の温度とする。これにより、カルボン酸ニッケルに配位した配位水と1級アミンとの配位子置換反応が効率よく行われ、この錯体配位子としての水分子を解離させることができ、更にその水を系外に出すことができるので効率よく錯体を形成させることができる。例えば、酢酸ニッケル4水和物は、室温では2個の配位水と2座配位子である2個の酢酸イオン、外圏に2つの水分子が存在した錯体構造をとっているため、この2つの配位水と1級アミンの配位子置換により効率よく錯形成させるには、100℃より高い温度で加熱することでこの錯体配位子としての水分子を解離させることが好ましい。また、加熱温度は、後に続くニッケル錯体(又はニッケルイオン)のマイクロ波照射による加熱還元の過程と確実に分離し、前記の錯形成反応を完結させるという観点から、175℃以下が好ましく、105〜175℃の範囲内がより好ましく、125〜160℃の範囲内が望ましい。
加熱時間は、加熱温度や、各原料の含有量に応じて適宜決定することができるが、錯形成反応を確実に完結させるという観点から、15分以上とすることが好ましい。加熱時間の上限は特にないが、長時間加熱することは、エネルギー消費及び工程時間を節約する観点から無駄である。なお、この加熱の方法は、特に制限されず、例えばオイルバスなどの熱媒体による加熱であっても、マイクロ波照射による加熱であってもよい。
カルボン酸ニッケルと1級アミンとの錯形成反応は、カルボン酸ニッケルと1級アミンを混合して得られる溶液を加熱したときに、溶液の色の変化によって確認することができる。また、この錯形成反応は、例えば紫外・可視吸収スペクトル測定装置を用いて、300nm〜750nmの波長領域において観測される吸収スペクトルの極大吸収波長を測定し、原料の極大吸収波長(例えば酢酸ニッケル四水和物ではその極大吸収波長は710nmである。)に対する反応液のシフトを観測することによって確認することができる。
カルボン酸ニッケルと1級アミンとの錯形成が行われた後、得られる錯化反応液を、後で説明するように、マイクロ波照射によって加熱することにより、ニッケル錯体のニッケルイオンが還元され、ニッケルイオンに配位しているカルボン酸イオンが同時に分解し、最終的に酸化数が0価のニッケルを含有する金属ニッケルナノ粒子が生成する。一般にカルボン酸ニッケルは水を溶媒とする以外の条件では難溶性であり、マイクロ波照射による加熱還元反応の前段階として、カルボン酸ニッケルを含む溶液は均一反応溶液とする必要がある。これに対して、本実施の形態で使用される1級アミンは、使用温度条件で液体であり、かつそれがニッケルイオンに配位することで液化し、均一反応溶液を形成すると考えられる。
(有機溶媒)
均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、1級アミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。有機溶媒を用いる場合、有機溶媒をカルボン酸ニッケル及び1級アミンと同時に混合してもよいが、カルボン酸ニッケル及び1級アミンをまず混合し錯形成した後に有機溶媒を加えると、1級アミンが効率的にニッケルイオンに配位するので、より好ましい。使用できる有機溶媒としては、1級アミンとニッケルイオンとの錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4〜30のエーテル系有機溶媒、炭素数7〜30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒、炭素数8〜18のアルコール系有機溶媒等を使用することができる。また、マイクロ波照射による加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましく、より好ましくは200〜300℃の範囲内にあるものを選択することがよい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばテトラエチレングリコール、n−オクチルエーテル等が挙げられる。
<第二の工程>
本工程では、錯化反応液をマイクロ波で180℃以上、好ましくは200℃以上の温度で加熱することにより、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)を金属ニッケルに還元してニッケルナノ粒子を生成させる。加熱温度が180℃を下回るとニッケル錯体の還元反応が良好に行われないおそれがある。マイクロ波で錯化反応液を加熱することにより、マイクロ波が錯化反応液内に浸透するため、均一加熱が行われ、かつ、エネルギーを媒体に直接与えることができるため、急速加熱を行うことができる。これにより、錯化反応液全体を所望の均一な温度にすることができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)の還元、核生成、核成長各々の過程を溶液全体において同時に生じさせ、粒径分布の狭い単分散な粒子を短時間で容易に製造することができる。
マイクロ波照射による加熱温度は、得られるナノ粒子の形状のばらつきを抑制するという観点から、好ましくは200℃以上であり、220℃以上が最も好ましい。加熱温度の上限は特にないが、処理を能率的に行う観点からは例えば270℃以下程度とすることが好適である。加熱時間は特に限定されるものではなく、例えば2〜10分程度とすることができる。
ただし、高温での加熱処理によって炭化ニッケルナノ粒子を得る場合においては、マイクロ波照射による加熱温度を240〜320℃の範囲内とすることが好ましく、260〜320℃の範囲内とすることがより好ましい。また、炭化ニッケルナノ粒子を得る場合は、マイクロ波照射による加熱時間(反応時間)をより長くすることが好ましく、例えば20分間以上とすることが好ましく、20〜60分間程度とすることがより好ましい。炭化ニッケルナノ粒子は非磁性であるため、炭化していないニッケルナノ粒子(磁性)に比べて分散性を向上させることができる。例えば、ニッケルナノ粒子を積層セラミックコンデンサ用途の導電ペーストとして利用する場合、ニッケルナノ粒子の表面に有機物(脂肪族アミンのような1級アミン)が多く存在すると、他の分散剤を加える余地がなくなったり、又は分散剤の効果が低下したりする場合がある。高温での加熱処理によって、1級アミン(脂肪族アミン)を炭化させることが可能になり、ニッケルナノ粒子の表面を被覆する1級アミン(脂肪族アミン)を減少させることができる。さらに、高温でマイクロ波加熱処理を行うことによって、炭化ニッケルナノ粒子をワンポットで得ることができる。
なお、マイクロ波の使用波長は、特に限定するものではなく、例えば2.45GHzである。
均一な粒径を有したニッケルナノ粒子を生成させるには、第一の工程(ニッケル錯体の生成が行われる工程)でニッケル錯体を均一にかつ十分に生成させることと、第二の工程(マイクロ波照射によって加熱する工程)でニッケル錯体(又はニッケルイオン)の還元により生成するニッケル(0価)の核の同時発生・成長を行う必要がある。すなわち、第一の工程の加熱温度を上記の特定の範囲内で調整し、第二の工程の加熱温度よりも確実に低くしておくことで、粒径・形状の整った粒子が生成し易い。例えば、第一の工程で加熱温度が高すぎるとニッケル錯体の生成とニッケル(0価)への還元反応が同時に進行し、第二の工程での粒子形状の整った粒子の生成が困難となるおそれがある。また、第二の工程の加熱温度が低すぎるとニッケル(0価)への還元反応速度が遅くなり、核の発生が少なくなるため粒子が大きくなるだけでなく、ニッケルナノ粒子の収率の点からも好ましくはない。
マイクロ波照射によって加熱して得られるニッケルナノ粒子のスラリー(ナノ粒子スラリー)は、例えば、静置分離し、上澄み液を取り除いた後、適当な溶媒を用いて洗浄し、乾燥することで、ニッケルナノ粒子が得られる。
第二の工程においては、必要に応じ、錯化反応液に前述の有機溶媒や、例えばオクタノール(オクチルアルコール)等のアルコールや非極性溶媒等を加えてもよい。なお、前記したように、錯形成反応に使用する1級アミンを有機溶媒としてそのまま用いることが好ましい。
本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、上記工程以外に任意の工程を含むことができる。また、例えば後述するように表面修飾剤の添加、再加熱による炭化処理などの任意の処理を行うことができる。また、本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、ニッケルナノ粒子を生成させる第二の工程においてマイクロ波加熱による還元方法を採用するため、例えば特許文献1及び特許文献2のような多量の還元剤の使用は不要である。ただし、発明の効果を損なわない範囲で、錯形成反応液中に還元作用を有する物質が存在することを妨げるものではない。
(表面修飾剤の添加)
本実施の形態に係るニッケルナノ粒子の製造方法において、ニッケルナノ粒子の粒径を制御すること、且つ、ニッケルナノ粒子の分散性を向上させることを目的として表面修飾剤を添加することができる。例えばポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド等の高分子樹脂、ミリスチン酸、オレイン酸等の長鎖カルボン酸又はカルボン酸塩等を添加することができる。但し、得られるニッケルナノ粒子の表面修飾量が多いと、ニッケル電極用の導電性ペーストに用いる場合、ニッケルナノ粒子をペーストにして高温で焼成すると充填密度の減少を招き、層間剥離やクラックを生じる可能性があるため、得られるニッケルナノ粒子を洗浄した後の表面修飾量は可能な限り少ない方が好ましい。従って、表面修飾剤の添加量は、金属換算のニッケル100質量部に対して0.1以上100質量部以下の範囲内とすることが好ましい。表面修飾剤は、第一の工程におけるカルボン酸ニッケル及び1級アミンの混合物の段階で添加してもよく、第一の工程で得られる錯化反応液に添加してもよいが、好ましくは、添加タイミングは錯化反応後か、ニッケルナノ粒子の生成後がよい。
(再加熱による炭化処理)
本実施の形態に係るニッケルナノ粒子の製造方法は、得られたニッケルナノ粒子を1級アミン中に投入し、該1級アミンとともに、再加熱することにより、炭化ニッケルナノ粒子を得る工程を含むことができる。ここで、1級アミンとしては、上記と同様のものを用いることができる。再加熱の温度は、例えば240℃以上、好ましくは260〜320℃の範囲内の温度とすることができる。また、再加熱の時間は、例えば20分間以上とすることが好ましく、20〜60分間程度とすることがより好ましい。再加熱を行う場合の加熱方法は、特に制限されず、例えばマントルヒーターやオイルバスによる加熱であってもよいし、マイクロ波照射による加熱であってもよい。このようにして得られる炭化ニッケルナノ粒子は、非磁性であるため、ニッケルナノ粒子(磁性)に比べて分散性を向上させることができる。また、1級アミン(脂肪族アミン)の再加熱によって、ニッケルナノ粒子の表面を被覆する1級アミン(脂肪族アミン)を減少させることができる。例えば、ニッケルナノ粒子を積層セラミックコンデンサ用途の導電ペーストとして利用する場合、ニッケルナノ粒子の表面に有機物(脂肪族アミンのような1級アミン)が多く存在すると、他の分散剤を加える余地がなくなったり、又は分散剤の効果が低下したりする場合がある。高温での加熱処理によって、1級アミン(脂肪族アミン)を炭化させることが可能になり、ニッケルナノ粒子の表面を被覆する1級アミン(脂肪族アミン)を減少させることができる。
<ニッケルナノ粒子>
以上説明した本実施の形態に係るニッケルナノ粒子の製造方法により、平均粒径が例えば150nm以下、好ましくは10〜150nm程度でかつ均一であって、また、特に、分散性が高いニッケルナノ粒子を得ることができる。なお、本明細書において、平均粒径は、SEM(走査電子顕微鏡)により粉末の写真を撮影して、そのなかから無作為に200個を抽出したものの面積平均粒径である。
本実施の形態で得られるニッケルナノ粒子の形状は、例えば球状、擬球状、長球状、立方体様、切頭四面体様、双角錘状、正八面体様、正十面体様、正二十面体様等の種々の形状であってよいが、例えばニッケルナノ粒子を電子部品の電極に使用した場合の充填密度の向上という観点から、球状又は擬球状が好ましく、球状がより好ましい。ここで、ナノ粒子の形状は、走査電子顕微鏡(SEM)で観察することにより確認できる。このようなニッケルナノ粒子は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極材料をはじめ、電子部品の電極等の形成に利用できる。
以上のように、本実施の形態に係るニッケルナノ粒子の製造方法によれば、液相反応において、多量の還元剤を使用することなく、簡易な方法で、均一な粒径を有し、分散性に優れたニッケルナノ粒子を製造できる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係るニッケルナノ粒子の製造方法について説明する。ニッケルナノ粒子を、例えばインクジェット方式で吐出して用いる導電性ペーストに配合する場合、その粒径をさらに小さくすることが求められ、例えば粒径を50nm以下に制御することが好ましいと考えられる。本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、COOH基を除く部分の炭素数が1〜12(好ましくはCOOH基を除く部分の炭素数が1又は2)のカルボン酸ニッケルおよび1級アミンを含有する混合物を加熱してニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る第一の工程と、錯化反応液をマイクロ波で加熱してニッケルナノ粒子スラリーを得る第二の工程と、を有する。そして、第一の工程と第二の工程との間に、錯化反応液にパラジウム塩、銀塩、白金塩および金塩からなる群より選択される1または2以上の金属塩を添加する工程(金属塩添加工程)を有する。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と同じ構成については説明を省略する。
<第一の工程>
(カルボン酸ニッケル)
本実施の形態では、カルボン酸ニッケルとして、第1の実施の形態と同様のものを用いることができるが、COOH基を除く部分の炭素数が、1又は2の直鎖カルボン酸ニッケルを用いることが好ましい。具体的には、酢酸ニッケル又はプロピオン酸ニッケルを挙げることができる。これらのカルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。
(1級アミン)
本実施の形態における1級アミンは、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
(錯化反応液)
本実施の形態における錯化反応液は、カルボン酸ニッケルとしてCOOH基を除く部分の炭素数が1又は2の直鎖カルボン酸ニッケルを用いることが好ましい点以外は、第1の実施の形態と同様である。
<金属塩添加工程>
本工程では、錯化反応液に、パラジウム塩、銀塩、白金塩および金塩からなる群より選択される1または2以上の金属塩を添加する。金属塩の添加によって、次のニッケルナノ粒子生成工程でニッケルナノ粒子の生成起点となる核を多量に生じさせることが可能になり、目的とするニッケルナノ粒子の粒子径を小さくすることができる。金属塩は、いずれも塩の種類を特に限定するものではない。塩を構成する酸(酸基)として、例えば塩酸、硝酸、硫酸および酢酸を用いることは好適な実施の形態である。白金塩および金塩については、例えば塩化白金酸や塩化金酸を用いることも好適な実施の形態である。
錯化反応液に加える金属塩の量は特に限定するものでないが、カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル100質量部に対して金属塩を金属換算で0.01質量部以上加えると好適である。金属塩の量の上限は特にないが、例えば発明の効果とコストのバランス等を勘案して、カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル100質量部に対して、金属塩の添加量を金属換算で10質量部以下に設定することが好ましい。別の観点から、カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル100molに対して、金属塩を0.01mol以上10mol以下の範囲内で加えることが好ましい。
<第二の工程>
本工程では、金属塩が添加された錯化反応液をマイクロ波で加熱することにより、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)を金属ニッケルに還元してニッケルナノ粒子を生成させる。このとき、錯化反応液中に添加された金属塩により、ニッケルとの酸化還元電位の違いによって、先にパラジウム、銀、白金又は金の金属微粒子が多数生成する。そして、これらの金属微粒子を核として、その周囲に金属ニッケルが形成されることにより、50nm以下の粒径のニッケルナノ粒子の形成が容易になるものと考えられる。本実施の形態の第二の工程(ニッケルナノ粒子生成工程)は、金属塩が添加された錯化反応液を用いる点以外は、第1の実施の形態の第二の工程(ニッケルナノ粒子生成工程)と同様に実施できる。
<ニッケルナノ粒子>
以上説明した本実施の形態に係るニッケルナノ粒子の製造方法により、平均粒径が50nm以下、好ましくは10〜45nmの範囲内、より好ましくは、20〜40nmの範囲内のニッケルナノ粒子を得ることができる。このようなニッケルナノ粒子は、例えばインクジェット方式で吐出して用いる導電性ペーストや、高表面積の触媒、低融点を利用した金属バインダー、ブラックマトリックスなどの顔料等の用途に好適に用いることができる。また、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極をはじめ、電子部品の電極等の形成に利用できる。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態は、COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルおよび1級アミンを含有する混合物を加熱してニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る第一の工程と、錯化反応液をマイクロ波で加熱してニッケルナノ粒子スラリーを得る第二の工程と、を有する。そして、第二の工程において、錯化反応液中に、価数が3以上の多価カルボン酸を存在させた状態で加熱を行う。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と同じ構成については説明を省略する。
(多価カルボン酸)
本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法で使用する価数が3以上の多価カルボン酸について説明する。価数(1分子中のカルボキシ基の数)が3以上の多価カルボン酸(本明細書では、単に「多価カルボン酸」ということがある。)は、分散剤として機能する。多価カルボン酸は、錯化反応液を加熱してニッケルナノ粒子を得る際に凝集を防ぐことができ、また、得られるニッケルナノ粒子を所望の用途に用いる際にニッケルナノ粒子の凝集を防ぐことができる高い分散性を発現する。多価カルボン酸は、特に限定するものではなく、非環式カルボン酸であってもよく、環式カルボン酸であってもよい。これらのなかで、非環式カルボン酸を好適に用いることができる。多価カルボン酸の価数が2以下では良好な分散が得られないおそれがある。価数の上限は特にないが、多価になるにつれて分子量が高くなり、沸点が高くなるので、8以下が好ましい。
多価カルボン酸は、遅くとも第二の工程で加熱する前の、混合物を調製する段階、混合物の段階、又は、錯化反応液の段階、のいずれかにおいて配合することができる。多価カルボン酸は、カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル100質量部に対して3質量部以上の比率で配合することが好ましい。多価カルボン酸の比率が3質量部を下回ると配合の効果が十分に得られないおそれがある。一方、多価カルボン酸の比率の上限は特にないが、ニッケル100質量部に対して25質量部を越えると、配合の効果が頭打ちになり、コストの観点から好ましくない。
<第一の工程>
(カルボン酸ニッケル)
本実施の形態におけるカルボン酸ニッケルは、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
(1級アミン)
本実施の形態における1級アミンは、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
(錯化反応液)
本実施の形態における錯化反応液は、多価カルボン酸が添加されている場合がある点以外は、第1の実施の形態と同様である。すなわち、本実施の形態では、錯化反応液は、カルボン酸ニッケルおよび1級アミンとともに、多価カルボン酸を含有していてもよい。
<第二の工程>
本実施の形態における第二の工程は、多価カルボン酸が存在する状態で錯化反応液をマイクロ波により加熱する点以外は、第1の実施の形態と同様に実施できる。
<ニッケルナノ粒子>
以上説明した本実施の形態に係るニッケルナノ粒子の製造方法により、平均粒径が例えば10〜150nm程度でかつ均一であって、また、特に、分散性が高いニッケルナノ粒子を得ることができる。このようなニッケルナノ粒子は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極材料をはじめ、電子部品の電極等の形成に利用できる。
以上のように、本実施の形態に係るニッケルナノ粒子の製造方法によれば、液相反応において、多量の還元剤を使用することなく、簡易な方法で、均一な粒径を有し、分散性に優れたニッケルナノ粒子を製造できる。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、ニッケル以上の融点を持つ高融点金属(単に、「高融点金属」と記すことがある)を含有する金属複合ニッケルナノ粒子を製造する。本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルおよび1級アミンを含有する混合物を加熱してニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る第一の工程と、錯化反応液にマイクロ波を照射して加熱することにより、ニッケルナノ粒子を生成させる第二の工程とを備えている。そして、遅くともマイクロ波を照射する前の、混合物を調製する段階、混合物の段階、又は錯化反応液の段階のいずれかにおいて、高融点金属の塩(以下、「高融点金属塩」と記すことがある)を配合した後、マイクロ波による加熱を行い、高融点金属を複合化させたニッケルナノ粒子を得る。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と同じ構成については説明を省略する。
(高融点金属塩)
まず、本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法で使用する高融点金属塩について説明する。高融点金属とは、ニッケルの融点(1455℃)以上の融点を有する金属であり、例えばタングステン、モリブデン、バナジウム、ニオブ等の金属を挙げることができる。このような高融点金属の塩として、例えば、タングステン塩、モリブデン塩、バナジウム塩、ニオブ塩等を用いることができるが、そのなかでも、タングステン塩またはモリブデン塩を好適に用いることができ、さらにタングステン塩がより好適である。高融点金属塩としてハロゲン化物を用いることが好適であり、ハロゲン化物のなかでも塩化物を用いることがより好適である。これらの高融点金属塩はいずれか1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
高融点金属塩は、マイクロ波を照射する前に添加することができる。例えば、カルボン酸ニッケルおよび1級アミンとともに配合して混合物を形成してもよい。また、高融点金属塩を配合せずに調製した混合物に高融点金属塩を添加してもよい。あるいは、高融点金属塩を配合せずに調製した混合物を加熱して生成した錯化反応液に対して、例えばマイクロ波による加熱を行う直前に高融点金属塩を添加してもよい。高融点金属塩がタングステン塩の場合、タングステン塩の反応液中での溶解性及びニッケルとの複合化反応における反応性を向上させるという理由から、カルボン酸ニッケルおよび1級アミンとともに加えて混合物を形成することが好適である。このようにすることによってタングステン塩は1級アミンとのアミン錯体を容易に形成できると考えられる。高融点金属塩をカルボン酸ニッケルとともに用いることで、得られるニッケルナノ粒子が金属複合粒子となり、高融点金属塩を用いないときに比べて焼結温度を上昇させることができる。
金属複合ニッケルナノ粒子における高融点金属の含有量は、使用する高融点金属塩の量によって制御することができる。高融点金属塩は、金属換算で、カルボン酸ニッケル中に含まれるニッケル100質量部に対して、高融点金属として0.05〜30質量部、好ましくは1〜30質量部の比率で配合することが好適である。高融点金属塩の配合量が、金属換算で、カルボン酸ニッケル中のニッケル100質量部に対して0.05質量部以上であれば、ある程度の焼結温度向上に効果が認められることがあるが、1質量部を下回ると焼結温度を向上させる効果が十分に得られない場合がある。一方、高融点金属塩の配合量が、30質量部を超えるとコスト的に好ましくなく、また、金属複合ニッケルナノ粒子の粒径が顕著に不均一となることや、金属複合ニッケルナノ粒子の焼結時における熱膨張が大きくなることによって、例えば積層セラミックコンデンサに適用する場合に層間剥離やクラックを生じるおそれがある。
<第一の工程>
本実施の形態において、第一の工程では、以下のA〜Dのいずれかの方法により錯化反応液を調整できる。
A)高融点金属塩を、カルボン酸ニッケルおよび1級アミンとともに混合して混合物を調製し、加熱して錯化反応液を得る方法:
B)高融点金属塩を配合せずに、カルボン酸ニッケルおよび1級アミンを混合して混合物を調製し、加熱して錯化反応液を得る方法:
C)高融点金属塩を配合せずに、カルボン酸ニッケルおよび1級アミンを混合して混合物を調製し、この混合物に高融点金属塩を配合した後、加熱して錯化反応液を得る方法:
D)カルボン酸ニッケル及び1級アミンの混合物、並びに、高融点金属塩及び1級アミンの混合物を、それぞれ別々に調製して加熱し、得られるそれぞれの錯化反応液を混合する方法。
上記方法A〜Dの中でも、カルボン酸ニッケルと高融点金属の塩と1級アミンとの錯形成反応を、ワンポットで行うことが可能であり、ニッケルと高融点金属の錯体を高い収率で得ることができる方法Aが最も好ましい。上記方法Bの場合は、カルボン酸ニッケルおよび1級アミンによって錯化反応液を調製するため、後で錯化反応液に高融点金属塩の添加を行う必要がある。方法Cの場合は、加熱前の混合物に高融点金属塩の添加を行うものであり、高融点金属による錯体形成が可能な点で、方法Bより方法Cの方が好ましい。方法Dはニッケル錯体を含む錯化反応液と高融点金属錯体を含む錯化反応液を別々に調製する点で、錯体を高い収率で得ることができる。ここで、錯化反応液とは、カルボン酸ニッケル及び/又は高融点金属の塩と、1級アミンとの反応によって生成する反応生成液(反応生成物)をいう。
(カルボン酸ニッケル)
本実施の形態におけるカルボン酸ニッケルは、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
(1級アミン)
本実施の形態における1級アミンは、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。なお、高融点金属のイオンについても、第1の実施の形態で説明したニッケルイオンと類似の挙動をとり、1級アミンと錯体を形成するものと考えられる。このため、1級アミンは高融点金属のイオンに対しても過剰量存在することが好ましい。
<第二の工程>
本工程では、錯化反応液にマイクロ波を照射して200℃以上の温度で加熱することにより、前記高融点金属を含有する金属複合ニッケルナノ粒子を生成させる。なお、上記のとおり、本工程において、例えばマイクロ波で加熱する直前の錯化反応液に高融点金属塩を配合することもできる。
本実施の形態では、金属複合ニッケルナノ粒子の粒径の大きさと分布の適正化を図ることができるとともに、高融点金属を含有させることによって、特に、焼結温度が高い金属複合ニッケルナノ粒子を得ることができる。焼結温度が高い金属複合ニッケルナノ粒子は、積層セラミックコンデンサの内部電極の材料として好適に用いることができる。なお、「焼結温度」とは、ニッケルナノ粒子を加熱したとき、粒子の間に結合が生じて緻密な固体に変化するときの温度を意味し、融点以下の温度である。ここで、厳密な焼結温度を計測することは困難であるため、後記実施例では、ニッケルナノ粒子をプレス成型して得られる成型体を窒素ガス(水素ガス2%含有)の雰囲気下で熱機械分析装置(TMA)により測定されるナノ粒子の熱膨張収縮の挙動によって、焼結温度の向上を推測している。
<金属複合ニッケルナノ粒子>
本実施の形態で得られる金属複合ニッケルナノ粒子は、例えば、タングステン、モリブデン、バナジウム、ニオブ等の高融点金属を含有する金属複合ニッケルナノ粒子である。この金属複合ニッケルナノ粒子は、金属換算で、ニッケル100質量部に対し高融点金属を0.05〜30質量部、好ましくは1〜30質量部の範囲内で含有する。この金属複合ニッケルナノ粒子において、高融点金属の割合が過小であると、ナノ粒子の焼結温度を十分に上げることが困難となり、一方、高融点金属の割合が過大であると、ナノ粒子の粒径が顕著に不均一となる。そのため、特に大きな粒径を有する金属複合ニッケルナノ粒子が存在すると、例えば積層セラミックコンデンサに適用する場合に、セラミック誘電体層を突き破り内部電極同士が連結してショートの原因となるおそれがある。
金属複合ニッケルナノ粒子の平均粒径は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極をはじめとする電子部品の電極材料等の用途で使用する場合、好ましくは10nm〜150nmの範囲内、より好ましくは10nm〜120nmの範囲内である。
また、粒度分布がシャープであることは、より好ましい態様であるから、金属複合ニッケルナノ粒子のCV値(変動係数)は0.4以下、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下である。ここで、CV値は、相対的な散らばりを表す指標であり、この値が小さいほど粒度分布がシャープであることを意味する。なお、CV値は標準偏差を平均粒径で除することにより算出する。
以上説明したように、本実施の形態に係る金属複合ニッケルナノ粒子の製造方法により、平均粒径が好ましくは10〜150nm程度でかつ均一であって、また、特に焼結温度が従来のものよりも高いニッケルナノ粒子(金属複合ニッケルナノ粒子)を得ることができる。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、高融点金属を含有する金属複合ニッケルナノ粒子を製造する。本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルおよび1級アミンを含有する混合物を加熱してニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る第一の工程と、錯化反応液にマイクロ波を照射して加熱することにより、ニッケルナノ粒子を生成させる第二の工程とを備えている。そして、さらに、第二の工程のニッケルナノ粒子スラリーを得た後に、該ニッケルナノ粒子スラリーに高融点金属塩を配合し、マイクロ波を照射して加熱することにより、高融点金属を複合化させたニッケルナノ粒子を得る第三の工程を有する。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と同じ構成については説明を省略する。
<第一の工程>
(カルボン酸ニッケル)
本実施の形態では、カルボン酸ニッケルとして、第1の実施の形態と同様のものを用いることができるが、COOH基を除く部分の炭素数が、1又は2の直鎖カルボン酸ニッケルを用いることが好ましい。具体的には、酢酸ニッケル又はプロピオン酸ニッケルを挙げることができる。これらのカルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。
(1級アミン)
本実施の形態における1級アミンは、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
(錯化反応液)
本実施の形態における錯化反応液は、第1の実施の形態と同様である。
(有機溶媒)
均一溶媒での反応をより効率的に進行させるために、1級アミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。本実施の形態における有機溶媒は、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。
<第二の工程>
本実施の形態における第二の工程は、第1の実施の形態と同様に実施できる。
<第三の工程>
(高融点金属塩)
本実施の形態における高融点金属塩は、第4の実施の形態と同様のものを用いることができる。また、高融点金属塩は、例えば、ニッケルナノ粒子スラリーに直接配合してもよく、予め高融点金属塩と1級アミンを混合して混合物を調製し、該混合物をニッケルナノ粒子スラリーに配合してもよい。高融点金属塩の反応液中での溶解性及びニッケルとの複合化反応における反応性を向上させるという理由から、予め調整した高融点金属塩と1級アミンとの混合物をニッケルナノ粒子スラリーに配合することが好適である。さらに好ましくは、予め調整した高融点金属塩と1級アミンとの混合物を加熱して錯化反応液の状態にしてからニッケルナノ粒子スラリーに配合する。なお、この場合、高融点金属塩と1級アミンとの錯化反応液の調製は、第一の工程における錯化反応液の調製と同様の条件で実施することができる。高融点金属塩は、その後のマイクロ波照射による加熱によってニッケルナノ粒子の表面で還元されて、得られるニッケルナノ粒子が金属複合粒子となり、高融点金属塩を用いないときに比べて焼結温度を上昇させることができる。なお、マイクロ波照射による加熱は、第1の実施の形態と同様に実施することができる。
本実施の形態では、金属複合ニッケルナノ粒子の粒径の大きさと分布の適正化を図ることができるとともに、高融点金属を含有させることによって、特に、焼結温度が高い金属複合ニッケルナノ粒子を得ることができる。焼結温度が高い金属複合ニッケルナノ粒子は、積層セラミックコンデンサの内部電極の材料として好適に用いることができる。
<金属複合ニッケルナノ粒子>
本実施の形態で得られる金属複合ニッケルナノ粒子は、例えば、タングステン、モリブデン、バナジウム、ニオブ等の高融点金属を含有する金属複合ニッケルナノ粒子である。この金属複合ニッケルナノ粒子は、金属換算で、ニッケル100質量部に対し高融点金属を0.05〜30質量部、好ましくは1〜30質量部の範囲内で含有する。この金属複合ニッケルナノ粒子において、高融点金属の割合が過小であると、ナノ粒子の焼結温度を十分に上げることが困難となり、一方、高融点金属の割合が過大であると、ナノ粒子の粒径が顕著に不均一となる。そのため、特に大きな粒径を有する金属複合ニッケルナノ粒子が存在すると、例えば積層セラミックコンデンサに適用する場合に、セラミック誘電体層を突き破り内部電極同士が連結してショートの原因となるおそれがある。
金属複合ニッケルナノ粒子の平均粒径は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極をはじめとする電子部品の電極材料等の用途で使用する場合、好ましくは10nm〜150nmの範囲内、より好ましくは10nm〜120nmの範囲内である。
また、粒度分布がシャープであることは、より好ましい態様であるから、金属複合ニッケルナノ粒子のCV値(変動係数)は0.4以下、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下である。
以上説明したように、本実施の形態に係る金属複合ニッケルナノ粒子の製造方法により、平均粒径が好ましくは10〜150nm程度でかつ均一であって、また、特に焼結温度が従来のものよりも高いニッケルナノ粒子(金属複合ニッケルナノ粒子)を得ることができる。
本実施の形態における他の構成及び効果は、第1の実施の形態と同様である。
実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
ニッケルナノ粒子の粒径は、SEM(走査電子顕微鏡)によりニッケル粉末の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出してそれぞれの粒径を求め、その平均粒径と標準偏差を求めた。
CV値(変動係数)は(標準偏差)÷(平均粒径)によって算出した。尚、CV値が小さいほど、粒子径がより均一であることを示す。
(実施例1−1)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル四水和物20.02gを加え、窒素フロー下、130℃で20分加熱することによって酢酸ニッケルを溶解させて錯化反応液1を得た。次いで、その錯化反応液1にオレイルアミンをさらに98.4g加え、マイクロ波を用いて250℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー1を得た。
ニッケルナノ粒子スラリー1を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケルナノ粒子1を得た。
得られたニッケルナノ粒子1のSEM(Scanning Electron Microscope、走査電子顕微鏡)写真を図2に示した。図2より、平均粒径100nmの球形の均一な粒子が形成されていることがわかった。
(実施例1−2)
実施例1−1と同様にして、錯化反応液2を得た。次いで、その錯化反応液2にテトラエチレングリコール98.4gを加え、マイクロ波を用いて250℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー2を得た。
ニッケルナノ粒子スラリー2を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いて3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケルナノ粒子2を得た。
得られたニッケルナノ粒子2のSEM写真を図3に示した。図3より、平均粒径80nmの球状の均一な粒子が形成されていることがわかった。
(実施例1−3)
実施例1−1と同様にして、錯化反応液3を得た。次いで、その錯化反応液3に1−オクタノール98.4gを加え、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー3を得た。
ニッケルナノ粒子スラリー3を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケルナノ粒子3を得た。
得られたニッケルナノ粒子3のSEM写真を図4に示した。図4より、平均粒径51nmの擬似球状(以下、これを擬球という)の均一な粒子が形成されていることがわかった。
(実施例1−4)
実施例1−1における酢酸ニッケル四水和物20.02gを使用したことの代わりに、安息香酸ニッケル15.30gを使用したこと以外、実施例1−1と同様にして、錯化反応液4を得た。次いで、その錯化溶液4に1−オクタノール200gを加え、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー4を得た。
ニッケルナノ粒子スラリー4を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケルナノ粒子4を得た。
得られたニッケルナノ粒子4のSEM写真を図5に示した。図5より、平均粒径30nmの擬球形の均一な粒子が形成されていることがわかった。
ニッケル塩の種類を変えたほかは実施例1−3と同様の条件で調製した比較例1−1、1−2、1−3および1−4のニッケルナノ粒子の粒径等を、実施例1−1、1−3および1−4とともに表1に示す。カルボン酸ニッケル以外のニッケル塩を用いた比較例1−1、1−2は、異形のナノ粒子が得られ、比較例1−3ではニッケルイオンの還元が行われずナノ粒子が得られないことがわかった。
反応液の生成温度および反応液の生成温度到達後の保持時間を変えたほかは実施例1−1と同様の条件で調製したニッケルナノ粒子の粒径(単位:nm)およびCV値を表2に示す。表2中、得られたニッケルナノ粒子の収率が30%以下の場合を黒丸(●)で表示した。なお、平均粒径が記載された反応条件ではニッケルナノ粒子の収率は95%以上であった。好適な粒径及び粒径の均一性を得るためには、反応液の生成温度が105〜175℃の範囲が好ましいことがわかった。
ニッケルナノ粒子生成温度を変えたほかは実施例1−1と同様の条件で調製したニッケルナノ粒子の粒径等を表3に示す。温度が150℃ではニッケルナノ粒子が生成しないことがわかった。
実施例1−3において、マイクロ波に変えてオイルバスで加熱したときの粒径等を実施例1−3と合わせて表4に示す。オイルバスによる加熱では粒径の十分に小さいニッケルナノ粒子が得られないことがわかった。
(実施例1−5)
ドデシルアミン64.87gに酢酸ニッケル四水和物8.7gを加え、窒素フロー下、120℃で15分加熱することによって酢酸ニッケルを溶解させて錯化反応液5を得た。次いで、マイクロ波を用いて240℃で10分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー5を得た。
ニッケルナノ粒子スラリー5を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥することによって、平均粒径100nmの球形の均一なニッケルナノ粒子5を得た。
(実施例1−6)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル四水和物18.00g及びギ酸ニッケル二水和物1.47gを加え、窒素フロー下、130℃で20分加熱することによって酢酸ニッケルを溶解させて錯化反応液6を得た。なお、酢酸ニッケルとギ酸ニッケルの配合割合は、酢酸ニッケル:ギ酸ニッケル=9:1(モル比)とした。次いで、その錯化反応液6にオレイルアミンをさらに98.4g加え、マイクロ波を用いて200℃で20分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー6を得た。
ニッケルナノ粒子スラリー6を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケルナノ粒子6を得た。
得られたニッケルナノ粒子6のSEM写真を図6に示した。図6より、平均粒径60nmの擬球形の均一な粒子が形成されていることがわかった。
(実施例1−7)
ドデシルアミン55.6gに酢酸ニッケル四水和物6.71g及びギ酸ニッケル二水和物0.55gを加え、窒素フロー下、120℃で15分加熱することによって酢酸ニッケルを溶解させて錯化反応液7を得た。なお、酢酸ニッケルとギ酸ニッケルの配合割合は、酢酸ニッケル:ギ酸ニッケル=9:1(モル比)とした。次いで、マイクロ波を用いて200℃で30分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー7を得た。
ニッケルナノ粒子スラリー7を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して、1.76gのニッケルナノ粒子7(収率98.8%)を得た。
(実施例1−8)
実施例1−7における酢酸ニッケル四水和物6.71g及びギ酸ニッケル二水和物0.55gを使用したことの代わりに、酢酸ニッケル四水和物5.23g及びギ酸ニッケル二水和物1.66gを使用したこと以外、実施例1−7と同様の操作でニッケルナノ粒子8を得た。すなわち、実施例1−7と同様にして、錯化反応液8を得、次いで、その錯化反応液8をマイクロ波加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー8を得た後、トルエンとメタノールによる洗浄、及び乾燥を行い、1.75gのニッケルナノ粒子8(収率98.5%)を得た。なお、酢酸ニッケルとギ酸ニッケルの配合割合は、酢酸ニッケル:ギ酸ニッケル=7:3(モル比)とした。
(実施例1−9)
実施例1−7における酢酸ニッケル四水和物6.71g及びギ酸ニッケル二水和物0.55gを使用したことの代わりに、酢酸ニッケル四水和物7.09g及びギ酸ニッケル二水和物0.28gを使用したこと以外、実施例1−7と同様の操作でニッケルナノ粒子9を得た。すなわち、実施例1−7と同様にして、錯化反応液9を得、次いで、その錯化反応液9をマイクロ波加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー9を得た後、トルエンとメタノールによる洗浄、及び乾燥を行い、1.73gのニッケルナノ粒子9(収率97.6%)を得た。なお、酢酸ニッケルとギ酸ニッケルの配合割合は、酢酸ニッケル:ギ酸ニッケル=9.5:0.5(モル比)とした。
(実施例1−10)
実施例1−7におけるドデシルアミン55.6g、酢酸ニッケル四水和物6.71g及びギ酸ニッケル二水和物0.55gを使用したことの代わりに、ドデシルアミン81.6g、酢酸ニッケル四水和物5.47g及びギ酸ニッケル二水和物4.06gを使用したこと以外、実施例1−7と同様の操作でニッケルナノ粒子10を得た。すなわち、実施例1−7と同様にして、錯化反応液10を得、次いで、その錯化反応液10をマイクロ波加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー10を得た後、トルエンとメタノールによる洗浄、及び乾燥を行い、2.49gのニッケルナノ粒子10(収率95.2%)を得た。なお、酢酸ニッケルとギ酸ニッケルの配合割合は、酢酸ニッケル:ギ酸ニッケル=5:5(モル比)とした。
(実施例1−11)
実施例1−1と同様にして、錯化反応液11を得、次いで、その錯化反応液11をマイクロ波加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー11を得た後、トルエンとメタノールによる洗浄、及び乾燥を行い、平均粒径100nmの球形の均一なニッケルナノ粒子11を得た。
得られたニッケルナノ粒子11の4.0gをオレイルアミン40.0gに加え、窒素フロー下、マントルヒーターを用いて320℃で30分加熱することによって炭化ニッケルナノ粒子スラリー11を得た。
炭化ニッケルナノ粒子スラリー11を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して炭化ニッケルナノ粒子11を得た。
得られた炭化ニッケルナノ粒子11のSEM写真を図7に示した。図7より、平均粒径100nmの球形の均一な粒子が確認された。また、XRD(X-ray diffraction、粉末X線回折)を測定した結果を図8に示す。図8より、Niに由来するfcc(面心立方構造)でなく、NiCに由来するhcp(六方最密構造)のピークが確認された。また、炭化ニッケルナノ粒子11の組成は、元素分析装置を用いて確認した。この元素分析の結果、Ni;90.5%、C;7.3%、H;0.2%、O;1.4%(単位は質量%)であり、NiCに近い組成であった。
(実施例1−12)
オレイルアミン128.0gに酢酸ニッケル四水和物20.02gを加え、窒素フロー下、130℃で20分加熱することによって酢酸ニッケルを溶解させて錯化反応液12を得た。次いで、その錯化反応液12に硝酸銀0.058gを加え、オレイルアミンをさらに98.0g加え、マイクロ波を用いて250℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリー12を得た。
実施例1−1と同様にして、ニッケルナノ粒子スラリー12に対して、トルエンとメタノールによる洗浄、及び乾燥を行い、平均粒径20nmの球形の均一なニッケルナノ粒子12を得た。
得られたニッケルナノ粒子12の4.0gをオレイルアミン40.0gに加え、窒素フロー下、マントルヒーターを用いて320℃で30分加熱することによって炭化ニッケルナノ粒子スラリー12を得た。
炭化ニッケルナノ粒子スラリー12を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して炭化ニッケルナノ粒子12を得た。
得られた炭化ニッケルナノ粒子12のSEM写真を図9に示した。図9より、平均粒径20nmの球形の均一な粒子が確認された。また、XRD(X-ray diffraction、粉末X線回折)を測定した結果を図10に示す。図10より、Niに由来するfcc(面心立方構造)でなく、NiCに由来するhcp(六方最密構造)のピークが確認された。また、炭化ニッケルナノ粒子12の組成は、元素分析装置を用いて確認した。この元素分析の結果、Ni;88.0%、C;8.0%、H;0.2%、O;1.7%(単位は質量%)であり、NiCに近い組成であった。
(参考例1−1)
実施例1−1と同様にして、錯化反応液を得、次いで、その錯化反応液をマイクロ波加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリーを得た後、トルエンとメタノールによる洗浄、及び乾燥を行い、平均粒径100nmの球形の均一なニッケルナノ粒子を得た。
得られたニッケルナノ粒子の4.0gをテトラエチレングリコール40.0gに加え、窒素フロー下、マントルヒーターを用いて250℃で30分加熱することによって炭化ニッケルナノ粒子スラリーを得た。
炭化ニッケルナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して炭化ニッケルナノ粒子を得た。
得られた炭化ニッケルナノ粒子のSEM写真を図11に示した。図11より、平均粒径100nmの球形の均一な粒子が確認されたが、融着していることがわかった。また、XRD(X-ray diffraction、粉末X線回折)を測定した結果を図12に示す。図12より、Niに由来するfcc(面心立方構造)でなく、NiCに由来するhcp(六方最密構造)のピークが確認された。
(実施例1−13)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル四水和物20.02gを加え、窒素フロー下、130℃で20分加熱することによって酢酸ニッケルを溶解させて錯化反応液13を得た。次いで、その錯化反応液13にオレイルアミンをさらに98.4g加え、マイクロ波を用いて300℃で30分加熱することによって、炭化ニッケルナノ粒子スラリー13を得た。
炭化ニッケルナノ粒子スラリー13を静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンとメタノールを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥して炭化ニッケルナノ粒子13を得た。
得られた炭化ニッケルナノ粒子13のSEM写真を図13に示した。図13より、平均粒径100nmの球形の均一な粒子が確認された。また、XRD(X-ray diffraction、粉末X線回折)を測定した結果を図14に示す。図14より、Niに由来するfcc(面心立方構造)でなく、NiCに由来するhcp(六方最密構造)のピークが確認された。また、炭化ニッケルナノ粒子13の組成は、元素分析装置を用いて確認した。この元素分析の結果、Ni;91.3%、C;7.4%、H;0.2%、O;1.0%(単位は質量%)であり、NiCに近い組成であった。
(実施例1−14)
実施例1−13におけるマイクロ波を用いて300℃で30分加熱したことの代わりに、マイクロ波を用いて260℃で30分加熱したこと以外、実施例1−13と同様にして、炭化ニッケルナノ粒子スラリー14を得た後、炭化ニッケルナノ粒子14を得た。
得られた炭化ニッケルナノ粒子14のSEM写真を図15に示した。図15より、平均粒径80nmの球形の均一な粒子が確認された。また、XRD(X-ray diffraction、粉末X線回折)を測定した結果を図16に示す。図16より、Niに由来するfcc(面心立方構造)のピークと、NiCに由来するhcp(六方最密構造)のピークが混在することが確認された。また、炭化ニッケルナノ粒子14の組成は、元素分析装置を用いて確認した。この元素分析の結果、Ni;92.1%、C;3.7%、H;0.1%、O;1.4%(単位は質量%)であった。
以下の実施例2−1〜2−4及び参考例2−1〜2−2において、ニッケルナノ粒子の分散性は、トルエン溶媒とニッケルとの合計質量に対してニッケルが1質量%となるように、トルエン溶媒中にニッケルナノ粒子を投入した後、超音波で5分間分散させ、その溶液が目視にて、当初の黒色等の着色状態から全体溶液の体積に対して50%が透明になる時間で評価し、その時間が6時間以上ものを分散性良好とした。
(実施例2−1)
オレイルアミン128.8gに酢酸ニッケル二水和物14.8gを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって錯化反応液を得た。次に、錯化反応液に硝酸銀を0.069g(Ni100質量部に対してAgが1質量部)加え、さらに、1−オクタノールを98.2g加えた。その後、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリーを得た。ニッケルナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケルナノ粒子を得た。
得られたニッケルナノ粒子のSEM(Scanning Electron Microscope、走査電子顕微鏡)写真を図17に示した。平均粒径30nmの球形の均一な粒子が得られた。また、ニッケルナノ粒子の分散性は良好であった。
(実施例2−2〜2−4)
実施例2−1において、ニッケル塩および追加する金属塩の組み合わせの種類を変えるとともに、マイクロ波による加熱温度を190℃で5分間に変更した以外は、実施例2−1と同様の条件で製造して得た実施例2−2〜2−4のニッケルナノ粒子の粒径等の結果を表5に示す。表5から、ニッケル塩および追加する金属塩の組み合わせの種類を変えても良好な粒径のものができていることが確認された。なお、いずれの実施例についてもニッケルナノ粒子の分散性は良好であった。
参考例2−1
実施例2−4において、酢酸パラジウムを使用しなかったこと以外、実施例2−4と同様にして、平均粒径100nm(CV値;0.17)のニッケルナノ粒子を得た。
参考例2−2
実施例2−4において、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱したことの代わりに、オイルバスを用いて210℃で5分加熱したこと以外、実施例2−4と同様にして、平均粒径55nm(CV値;0.20)のニッケルナノ粒子を得た。この結果から、通常加熱を用いると、マイクロ波加熱よりも平均粒子径はやや大きくなり、粒度分布が広がるため好ましくないことがわかった。なお、実施例2−4で得られたニッケルナノ粒子のCV値は、0.12であった。
以下の実施例3−1〜3−5において、分散性は、トルエン溶媒とニッケルとの合計質量に対してニッケルが1質量%となるように、トルエン溶媒中にニッケルナノ粒子を投入した後、超音波で5分間分散させ、その溶液が透明になる時間で評価した。超音波分散後、6時間経過してもトルエン溶液が均一の黒色を呈する場合を分散性「良(○)」、2時間以上経過し6時間未満でトルエン溶液が黒色を呈しながらも若干に沈降が確認された場合を「可(△)」、2時間未満で、ニッケルナノ粒子の沈降が確認された場合を「不良(×)」と評価した。
(実施例3−1)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル四水和物20.02gを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって錯化反応液を得た。次いで、その錯化反応液に1−オクタノール98.0gと3〜5価のカルボン酸(CRODA社製、商品名KD−9)0.47gを加え、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリーを得た。
ニッケルナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケルナノ粒子を得た。得られたニッケルナノ粒子のSEM(Scanning Electron Microscope、走査電子顕微鏡)写真を図18に示した。図18から、平均粒径80nmの球形の均一なニッケルナノ粒子が形成されていることがわかった。また、ニッケルナノ粒子の分散性の評価試験では、6時間経過後も溶液が当初の黒色の状態から変化がなかったことから、ニッケルナノ粒子の分散性が良好であることが確認された。
(実施例3−2)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル四水和物20.02gを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって錯化反応液を得た。次いで、錯化反応液に5〜8価のカルボン酸(CRODA社製、商品名KD−4)0.47gと1−オクタノールを98.6g加え、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリーを得た。
ニッケルナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケルナノ粒子を得た。得られたニッケルナノ粒子のSEM(Scanning Electron Microscope、走査電子顕微鏡)写真を図19に示した。図19から、平均粒径50nmの球形の均一なニッケルナノ粒子が形成されていることがわかった。また、ニッケルナノ粒子の分散性の評価試験では、6時間経過後も溶液が当初の黒色の状態から変化がなかったことから、ニッケルナノ粒子の分散性が良好であることが確認された。
以上の結果をまとめて表6に示した。
(実施例3−3〜3−5)
多価カルボン酸の添加量を変えたほかは実施例3−1と同様の条件で調製したニッケルナノ粒子の粒径等を表7に示す(なお、実施例3−1の結果も再掲した)。表7より、カルボン酸の添加量は金属換算のニッケル100質量部に対して3質量部以上が良好な分散性を示すことがわかった。
以下の実施例4−1〜4−5において、ナノ粒子の熱膨張収縮の挙動は、熱機械分析装置(TMA)(リガク社製、商品名;Thermo plus EVO−TMA8310)を用いて確認した。
(実施例4−1)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル四水和物20.18gと塩化タングステン0.51gを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって錯化反応液を得た。次いで、その錯化反応液に1−オクタノールを98.4g加え、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによってニッケル/タングステン複合ナノ粒子スラリーを得た。
ニッケル/タングステン複合ナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル/タングステン複合ナノ粒子を得た。
得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子のSEM(Scanning Electron Microscope、走査電子顕微鏡)写真を図20に示した。図20より、平均粒径75nmの球形の均一な粒子が形成されていることがわかった。また、ニッケル/タングステン複合ナノ粒子のXRDの測定結果を図21に示した。図21よりニッケルのfcc(面心立方構造)の他にタングステンのfccに由来するピークを確認することができた。さらに、TMAによる測定結果を図22に示した。図22より、5%の熱収縮温度が約330℃であることが確認された。また、TEM―EDS透過型電子顕微鏡によるマッピング像の写真を図23A及び図23Bに示した。図23Aの写真はニッケルの分布を示し、図23Bの写真はタングステンの分布を示す。図23A及び図23Bよりニッケルの分布に対して均一にタングステンが分布していることが確認された。
(実施例4−2)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル四水和物20.18gと塩化タングステン1.03gを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって錯化反応液を得た。次いで、その錯化反応液に1−オクタノールを98.4g加え、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケル/タングステン複合ナノ粒子スラリーを得た。
得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル/タングステン複合ナノ粒子を得た。
得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子のSEM写真を図24に示した。図24より、平均粒径90nmの球形の均一な粒子が形成されていることが確認された。また、XRDの測定結果を図25に示した。図25より、ニッケルのfcc(面心立方構造)の他にタングステンのfccに由来するピークを確認することができた。さらに、TMAによる測定結果を図26に示した。図26より、5%の熱収縮温度が約430℃であることが確認された。
(実施例4−3)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル四水和物20.18gと塩化タングステン2.10gを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって錯化反応液を得た。次いで、その錯化反応液に1−オクタノールを98.4g加え、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケル/タングステン複合ナノ粒子スラリーを得た。
得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄し、その後60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル/タングステン複合ナノ粒子を得た。
得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子のSEM写真を図27に示した。図27より、平均粒径70nmの球形の均一な粒子が形成されていることが確認された。また、TMAによる測定結果より、5%の熱収縮温度が約680℃であることが確認された。
(実施例4−4)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル二水和物20.2gを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって錯化反応液を得た。次に、錯化反応液に塩化モリブデンを0.75g(ニッケルに対してモリブデンが5質量%)加え、さらに1−オクタノールを200.4g加えた。その後、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケル/モリブデン複合ナノ粒子スラリーを得た。
得られたニッケル/モリブデン複合ナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄し、その後60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル/モリブデン複合ナノ粒子を得た。得られたニッケル/モリブデン複合ナノ粒子は、平均粒径80nmの球形であった。
(実施例4−5)
オレイルアミン128.4gに酢酸ニッケル二水和物20.2gを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって錯化反応液を得た。次に、1−オクタノールを200.4g加えた。その後、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケルナノ粒子スラリーを得た。直後に、そのニッケルナノ粒子スラリーに、予め別の反応容器で調製しておいた高融点金属塩を含む錯化反応液を加えた後、マイクロ波を用いて210℃で5分加熱することによって、ニッケル/タングステン複合ナノ粒子スラリーを得た。なお、添加した高融点金属塩を含む錯化反応液は、予め別の反応容器で塩化タングステン0.51gにオレイルアミン20gを加え、窒素フロー下、マントルヒーターで、120℃で20分加熱することによって調製した。
得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、メタノールを用いて3回洗浄し、その後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してニッケル/タングステン複合ナノ粒子を得た。得られたニッケル/タングステン複合ナノ粒子は、平均粒径80nmの球形であった。
実施例4−1〜4−5の結果を表8に示す。表8より、仕込みW/Ni比が高くなるほど5%熱収縮開始温度が高くなることがわかった。

Claims (21)

  1. COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルおよび1級アミンを含む混合物を加熱してニッケル錯体を生成させた錯化反応液を得る第一の工程と、
    前記錯化反応液をマイクロ波で加熱してニッケルナノ粒子スラリーを得る第二の工程と、
    を有するニッケルナノ粒子の製造方法。
  2. 前記第一の工程において、105℃以上〜175℃以下の範囲内の温度で加熱する請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  3. 該第二の工程において、180℃以上の温度で加熱する請求項1又は2に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  4. 前記カルボン酸ニッケルのCOOH基を除く部分の炭素数が1〜8である請求項1から3のいずれか1項に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  5. 前記1級アミンが脂肪族アミンである請求項1から4のいずれか1項に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  6. 前記脂肪族アミンがオレイルアミン又はドデシルアミンである請求項5に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  7. 前記第一の工程において、COOH基を除く部分の炭素数が1又は2の直鎖カルボン酸ニッケルを用いるとともに、前記第一の工程と前記第二の工程との間に、前記錯化反応液にパラジウム塩、銀塩、白金塩および金塩からなる群より選択される1または2以上の金属塩を添加する工程を含む請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  8. 前記金属塩を添加する工程において、前記カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル100質量部に対して、前記金属塩を金属換算で0.01質量部以上添加する請求項7に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  9. 前記第二の工程において、前記錯化反応液中に、価数が3以上の多価カルボン酸を存在させた状態で加熱を行う請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  10. 遅くとも前記第二の工程で加熱する前の、前記混合物を調製する段階、前記混合物の段階、又は、前記錯化反応液の段階、のいずれかにおいて、前記多価カルボン酸を配合する請求項9に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  11. 前記多価カルボン酸が非環式カルボン酸である請求項10に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  12. 前記多価カルボン酸を、前記カルボン酸ニッケル中に含まれる金属換算のニッケル100質量部に対して3質量部以上の比率で使用する請求項9から11のいずれか1項に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  13. 遅くともマイクロ波を照射する前の、前記混合物を調製する段階、前記混合物の段階、又は前記錯化反応液の段階のいずれかにおいて、ニッケル以上の融点を持つ高融点金属の塩を配合した後、前記マイクロ波による加熱を行うことを特徴とする請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  14. 前記第一の工程において、前記高融点金属の塩を、前記カルボン酸ニッケルおよび1級アミンとともに混合して前記混合物を調製する請求項13記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  15. 前記高融点金属の塩がタングステン塩、モリブデン塩、バナジウム塩およびニオブ塩からなる群から選ばれる1つまたは2以上の混合物である請求項13又は14に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  16. 前記高融点金属の塩を、金属換算で、前記カルボン酸ニッケル中のニッケル100質量部に対して高融点金属として1〜30質量部の範囲内で配合することを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  17. 前記第二の工程において得られた前記ニッケルナノ粒子スラリーに、ニッケル以上の融点を持つ高融点金属の塩を配合した後、マイクロ波による加熱を行い、前記ニッケルナノ粒子に前記高融点金属を複合化させる工程を、さらに有する請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  18. 前記第二の工程において、マイクロ波照射による加熱温度を240℃以上にして、生成するニッケルナノ粒子の表面に存在する有機物を炭化させる請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  19. 前記第二の工程において得られたニッケルナノ粒子を240℃以上に再加熱して、該ニッケルナノ粒子の表面に存在する有機物を炭化させる工程をさらに有する請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  20. 前記ニッケルナノ粒子を1級アミンの存在下で再加熱する請求項19に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
  21. 前記COOH基を除く部分の炭素数が1〜12のカルボン酸ニッケルとともに、全カルボン酸ニッケルに対して5〜50モル%の範囲内の配合量でギ酸ニッケルを併用する請求項1に記載のニッケルナノ粒子の製造方法。
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