JPWO2011081118A1 - 経口投与用医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(A)2−[4−[2−(ベンズイミダゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−[2,4−ビス(メチルチオ)−6−メチル−3−ピリジル]アセトアミド(化合物a)又はその酸付加塩、及び(B)クエン酸を含有する経口投与用固形医薬組成物に関する。本発明によれば、高コレステロール血症や動脈硬化症等の治療薬として有用な化合物aの溶出性が改善される。

Description

本発明は、溶出性が向上した経口投与用医薬組成物に関する。
2−[4−[2−(ベンズイミダゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−[2,4−ビス(メチルチオ)−6−メチル−3−ピリジル]アセトアミド(以下、化合物aという)又はその酸付加塩は、優れたアシルコエンザイム A コレステロール アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害作用、細胞内コレステロール輸送阻害作用を有し、高コレステロール血症、動脈硬化症及び急性心筋梗塞等の治療剤として有用であることが知られている(特許文献1〜2)。
WO1998/054153 WO2005/020996
高コレステロール血症や動脈硬化症等の患者は、高齢者であることが多く、またこれらの疾患の治療は長期間を要する。従って、これらの疾患の治療薬としては、長期間安定して投与可能な、経口投与用医薬組成物が望ましい。通常の経口投与用医薬組成物は、経口投与された後、胃等の上部消化管で速やかに組成物から薬効成分が溶出してはじめて吸収され、薬効が生じる。
しかしながら、前記化合物aは、弱酸性からアルカリ性での溶解性が低い(例えば、水に対する溶解性は0.05%(W/V))。従って、高齢者等に多いとされる無酸症患者の場合、胃内においては医薬組成物から化合物aの溶出性が十分でなく、薬物の有効性に差を与えることが懸念された。
従って本発明の課題は、消化管での溶出性を改善した化合物a含有経口投与用固形医薬組成物を提供することにある。
そこで本発明者は、化合物aを含有する固形組成物の溶出性の改善について種々検討した結果、種々の添加物の中でも酸性物質が化合物aの溶出性を改善することを見出し、さらに検討した結果、種々の酸性物質の中でもクエン酸に特に優れた化合物aの溶出性改善効果があることを見出した。また、さらに、これに崩壊剤を併用すると化合物aの溶出性が一段と向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)2−[4−[2−(ベンズイミダゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−[2,4−ビス(メチルチオ)−6−メチル−3−ピリジル]アセトアミド(化合物a)又はその酸付加塩、及び(B)クエン酸を含有する経口投与用固形医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、成分(A)中の化合物a1質量部に対して成分(B)が0.2質量部を超える量を含有する上記の組成物を提供するものである。
また、本発明は、成分(A)中の化合物aと成分(B)の含有質量比(A/B)が、10/3〜1/20である上記の組成物を提供するものである。
また、本発明は、さらに(C)崩壊剤を含有する上記の組成物を提供するものである。
また、本発明は、(C)崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選ばれるものである上記の組成物を提供するものである。
また、本発明は、(C)崩壊剤がクロスポビドン又はアルファー化デンプンである上記の組成物を提供するものである。
さらに本発明は、化合物a又はその酸付加塩及びクエン酸を含有する固形医薬組成物を経口投与することを特徴とする高コレステロール血症又は動脈硬化症等の治療方法を提供するものである。
本発明の固形医薬組成物は、消化管における化合物aの溶出性が良好であることから、経口投与により速やかで、かつ安定した高コレステロール血症及び動脈硬化症等に対する治療効果を奏する。
試験例1の溶出試験の結果を示す。 試験例3の溶出試験の結果を示す。 試験例5の溶出試験の結果を示す。 試験例7の溶出試験の結果を示す。
本発明の医薬組成物の有効成分である(A)化合物aは、前記特許文献1に記載のように、優れたACAT阻害作用、細胞内コレステロール輸送阻害作用を有し、高コレステロール血症、動脈硬化症等の治療薬として有用であることが知られている。化合物aの酸付加塩としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸の付加塩や酢酸、乳酸、コハク酸等の有機酸の付加塩が挙げられ、このうち塩酸塩が好ましい。また、化合物aは、水和物の形態であってもよい。更に、化合物aは、前記特許文献1に記載の製造方法により調製することが出来る。
本発明の医薬組成物中における化合物aの含有量は、治療効果の点から、10mg〜300mgが好ましく、さらに25mg〜200mgであるのが好ましい。使用する化合物aの粒子径は、特に限定されないが、溶出性、吸収性などの点から平均粒子径0.1〜200μm、さらに平均粒子径1〜150μmが好ましい。
本発明の医薬組成物は、(A)化合物aと(B)クエン酸とを含有する。クエン酸は、医薬組成物からの化合物aの溶出性を顕著に改善する作用を有する。クエン酸としては、無水クエン酸、クエン酸水和物のいずれを使用してもよいが、無水クエン酸を使用するのが好ましい。これらの市販品としては、例えば、日本薬局方無水クエン酸(微粉)、日本薬局方クエン酸水和物(小松屋株式会社製)、無水クエン酸(細粒)、クエン酸水和物(クエン酸(結晶))(細粒)(DSMニュートリションジャパン株式会社製)等が入手可能である。また、クエン酸の平均粒子径は、化合物aの溶出性改善効果の点から、1000μm以下、特に500μm以下が好ましい。
クエン酸の含有量は、化合物aの溶出性の点から、化合物a1質量部に対して0.2質量部を超える量であるのが好ましく、さらに0.3質量部以上であるのが好ましい。また、クエン酸の含有量の上限は特に限定されないが、固形組成物の製造上の点から、化合物a1質量部に対して20質量部以下とするのが好ましく、さらに5質量部以下とするのが好ましい。よって、医薬組成物中における成分(A)中の化合物aと(B)クエン酸の質量比(A/B)は、5/1〜1/20の範囲内とするのが好ましく、さらに10/3〜1/20の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは2/1〜1/5の範囲内である。
本発明の医薬組成物は、(A)化合物a及び(B)クエン酸に加えて、さらに(C)崩壊剤を含有させることにより、化合物aの溶出性が一段と顕著に改善する。このような崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。
このうち、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、及びカルボキシメチルスターチナトリウムが特に好ましい。
クロスポビドンは、N−ビニル−2−ピロリドンの架橋重合体である。クロスポビドンとしては、平均粒子径5〜100μmのものを用いるのが好ましい。クロスカルメロースナトリウムは、カルメロースナトリウムの架橋重合体である。アルファー化デンプンは、デンプンと水を加熱してアルファー化したものを急速に乾燥したものである。部分アルファー化デンプンは、トウモロコシデンプンを水と共に常圧下又は加圧下で加熱して、デンプン粒を部分的にアルファー化して乾燥したものである。カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウムともいう)は、デンプンのカルボキシメチルエーテルのナトリウム塩である。
これらの(C)崩壊剤のうち、化合物aの溶出性改善効果の点から、クロスポビドン、アルファー化デンプンを用いるのが特に好ましい。クロスポビドンの市販品としては、例えば、ポリプラスドンXL、ポリプラスドンXL−10、ポリプラスドンINF−10(アイエスピー・ジャパン株式会社製)、コリドンCL、コリドンCL−F、コリドンCL−SF、コリドンCL−M(BASFジャパン株式会社製)等が入手可能である。また、アルファー化デンプンの市販品としては、例えば、SWELSTAR PD−1(旭化成ケミカルズ株式会社製)、LYCATAB PGS(ロケットジャパン株式会社製)、アミコール(日澱化学株式会社製)等が入手可能である。
(C)崩壊剤の含有量は、成分a1質量部に対して0.1〜1質量部が好ましく、さらに0.2〜0.8質量部であるのが好ましい。
本発明の医薬組成物は、経口用固形組成物であり、具体的には、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、散剤、丸剤等が挙げられるが、このうち錠剤、顆粒剤及びカプセル剤が好ましく、錠剤が服用性の点から特に好ましい。
本発明の固形組成物は、化合物a、クエン酸及び崩壊剤の他に、賦形剤、結合剤、滑沢剤等を添加して、それぞれの形態とすることができる。賦形剤としては乳糖、コーンスターチ、結晶セルロース、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、炭酸カルシウム等が挙げられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
本発明の医薬組成物における賦形剤、結合剤及び滑沢剤の含有量は、化合物aの溶出性を考慮すると、化合物a1質量部に対して、賦形剤0.2〜4質量部、結合剤0.05〜1質量部、滑沢剤0.01〜0.08質量部とするのが好ましい。
本発明の固形医薬組成物の製造法は、特に限定されないが、例えば錠剤の場合には、前記の各成分を均一に混合し、汎用の湿式顆粒圧縮法もしくは直接粉末圧縮法などにより製造することができる。また、得られた錠剤は、さらにフィルムコーティング、糖衣、徐放性コーティング等を施すことができる。この場合、コーティング剤としては、例えば、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化チタン、タルク、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、ステアリン酸、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等が、糖衣剤としては、例えば、アラビアゴム、精製ゼラチン、ゼラチン、精製白糖、白糖、沈降炭酸カルシウム、タルク、リン酸二水素カルシウム水和物等が、徐放性コーティング剤としては、例えば、メタクリル酸コポリマーLD、エチルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、ヒプロメロース等が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、化合物aが水に対する溶解性が低いにもかかわらず、クエン酸の添加により組成物からの化合物aの溶出性が顕著に改善されている。この理由は、明らかではないが、化合物aが水と接触した場合に、クエン酸の配合によりミクロにおける化合物aの近傍のpHが低下することによるものと考えられる。しかし、後記実施例及び比較例の対比から明らかなように、単にpHを低下させるだけであれば、サリチル酸や無水フタル酸でも化合物aの溶出性は改善されるはずであるが、これらの有機酸では良好な溶出性の改善効果は得られないことから、pH以外の何らかの要素が関与しているものと考えられる。すなわち、本発明の効果は、化合物aとクエン酸との組み合せによる特有のものと考えられる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれらに制限されるものではない。
以下の実施例では、化合物aの1塩酸塩(以下、化合物a塩酸塩という)を用いて行なった。なお、化合物a塩酸塩は、前記特許文献1に記載された方法及び公知の方法を用いて合成した。
実施例1
53.65mgの化合物a塩酸塩(化合物aとしては50mg)と無水クエン酸50mgを乳鉢で粉砕・混合して試料1(103.65mg)を得た。
比較例1
53.65mgの化合物a塩酸塩を乳鉢で粉砕して試料2(53.65mg)を得た。
比較例2
53.65mgの化合物a塩酸塩とサリチル酸50mgを乳鉢で粉砕・混合して試料3(103.65mg)を得た。
比較例3
53.65mgの化合物a塩酸塩とソルビン酸50mgを乳鉢で粉砕・混合して試料4(103.65mg)を得た。
比較例4
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水フタル酸50mgを乳鉢で粉砕・混合して試料5(103.65mg)を得た。
比較例5
53.65mgの化合物a塩酸塩とホウ酸50mgを乳鉢で粉砕・混合して試料6(103.65mg)を得た。
試験例1 溶出試験
試料1〜6の溶出性について、日局一般試験法 溶出試験法第2法(パドル法)に従って確認した。
試料1〜6それぞれ103.65mg(試料2のみ53.65mg)を日本薬局方溶出試験第2液900mL中に投入し、温度37±0.5℃、パドル回転数50rpmの条件で試験し、5,10,15,30,45,60分後の化合物aの濃度を測定した。各時間に採取した試料溶液は細孔径0.45μmのPTFE製メンブランフィルター(東洋濾紙製DISMIC−25HP)にて濾過し、逆相系カラム(ノムラケミカル製:Develosil ODS−HG−5)を用いた高性能液体クロマトグラフ法により測定し溶出率を算出した。結果を表1及び図1に示す。
試験例2 pH値の測定
試料1〜6それぞれ103.65mg(試料2のみ53.65mg)をビーカに投入し、そこへ精製水50mLを加え、マグネティックスターラにて攪拌しながらガラス電極式水素イオン濃度計(東亜電波工業株式会社製:HM−50V)にて溶液のpHを測定した。更に精製水50mLを加えた後、同様にpHの測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2011081118
以上より、化合物aは単体ではほとんど溶出されず、また、クエン酸以外の有機酸またはホウ酸との配合においても溶出率の改善は見られなかったが、クエン酸との配合のみ判断の目安である30分後で溶出率40%を超えた数値となった。
実施例2
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸100mgを乳鉢で粉砕・混合して試料7(153.65mg)を得た。
実施例3
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸45mgを乳鉢で粉砕・混合して試料8(98.65mg)を得た。
実施例4
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸40mgを乳鉢で粉砕・混合して試料9(93.65mg)を得た。
実施例5
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸35mgを乳鉢で粉砕・混合して試料10(88.65mg)を得た。
実施例6
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸25mgを乳鉢で粉砕・混合して試料11(78.65mg)を得た。
実施例7
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸15mgを乳鉢で粉砕・混合して試料12(68.65mg)を得た。
比較例6
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸10mgを乳鉢で粉砕・混合して試料13(63.65mg)を得た。
比較例7
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸5mgを乳鉢で粉砕・混合して試料14(58.65mg)を得た。
比較例8
53.65mgの化合物a塩酸塩と無水クエン酸2mgを乳鉢で粉砕・混合して試料15(55.65mg)を得た。
試験例3 溶出試験
試料7〜15の溶出性について、試料7は153.65mg、試料8は98.65mg、試料9は93.65mg、試料10は88.65mg、試料11は78.65mg、試料12は68.65mg、試料13は63.65mg、試料14は58.65mg、試料15は55.65mgを日本薬局方溶出試験第2液900mL中に投入した以外は試験例1に記載の方法と同様に行って確認した。結果を表2及び図2に示す。
試験例4 pH値の測定
試料7〜15のpH値について、試験例2と同様な方法で測定した。なお、測定には試料7は153.65mg、試料8は98.65mg、試料9は93.65mg、試料10は88.65mg、試料11は78.65mg、試料12は68.65mg、試料13は63.65mg、試料14は58.65mg、試料15は55.65mgを用いた。結果を表2に示す。
Figure 2011081118
以上より、化合物aとクエン酸の配合において、クエン酸の配合量が増えるとともに化合物aの溶出率も向上した。また化合物aが50mgに対してクエン酸15mg以上を配合すると30分後で溶出率40%を超えた数値となった。
実施例8
化合物a塩酸塩 1.073kg、無水クエン酸(小松屋株式会社:日本薬局方無水クエン酸(微粉))1.0kg、乳糖水和物0.5kg、結晶セルロース1.5kgを流動層造粒乾燥機にて混合した。あらかじめヒドロキシプロピルセルロース0.3kgを精製水3kgに溶解させた結合液を上記混合物に流動層造粒乾燥機にて噴霧し、造粒、乾燥し、整粒し、顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム47gを加え混合し、ロータリー式打錠機にて圧縮成形し、1錠221mgの錠剤を得た。
実施例9
化合物a塩酸塩 1.073kg、無水クエン酸(小松屋株式会社:日本薬局方無水クエン酸(微粉))1.0kg、乳糖水和物0.5kg、結晶セルロース1.5kg、クロスポビドン(アイエスピー・ジャパン株式会社:ポリプラスドンXL)0.379kgを流動層造粒乾燥機にて混合した。あらかじめヒドロキシプロピルセルロース0.3kgを精製水3kgに溶解させた結合液を上記混合物に流動層造粒乾燥機にて噴霧し、造粒、乾燥し、整粒し、顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム48gを加え混合し、ロータリー式打錠機にて圧縮成形し、1錠240mgの錠剤を得た。
実施例10
化合物a塩酸塩 1.073kg、無水クエン酸(小松屋株式会社:日本薬局方無水クエン酸(微粉))0.8kg、乳糖水和物0.5kg、結晶セルロース1.5kg、クロスポビドン(アイエスピー・ジャパン株式会社:ポリプラスドンXL)0.379kgを流動層造粒乾燥機にて混合した。あらかじめヒドロキシプロピルセルロース0.3kgを精製水3kgに溶解させた結合液を上記混合物に流動層造粒乾燥機にて噴霧し、造粒、乾燥し、整粒し、顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム48gを加え混合し、ロータリー式打錠機にて圧縮成形し、1錠230mgの錠剤を得た。
比較例9
化合物a塩酸塩 1.073kg、乳糖水和物0.5kg、結晶セルロース1.5kgを流動層造粒乾燥機にて混合した。あらかじめヒドロキシプロピルセルロース0.3kgを精製水3kgに溶解させた結合液を上記混合物に流動層造粒乾燥機にて噴霧し、造粒、乾燥し、整粒し、顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム47gを加え混合し、ロータリー式打錠機にて圧縮成形し、1錠171mgの錠剤を得た。
比較例10
化合物a塩酸塩 1.073kg、乳糖水和物0.5kg、結晶セルロース1.5kg、クロスポビドン(アイエスピー・ジャパン株式会社:ポリプラスドンXL)0.379kgを流動層造粒乾燥機にて混合した。あらかじめヒドロキシプロピルセルロース0.3kgを精製水3kgに溶解させた結合液を上記混合物に流動層造粒乾燥機にて噴霧し、造粒、乾燥し、整粒し、顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム48gを加え混合し、ロータリー式打錠機にて圧縮成形し、1錠190mgの錠剤を得た。
試験例5 溶出試験
実施例8〜10及び比較例9、10の錠剤の溶出性について、それぞれ1錠を日本薬局方溶出試験第2液900mL中に投入した以外は試験例1に記載の方法と同様に行って確認した。結果を表3及び図3に示す。
試験例6 pH値の測定
実施例8〜10及び比較例9、10の錠剤のpH値について、試験例2と同様な方法で測定した。なお、測定には錠剤1錠を用いた。結果を表3に示す。
Figure 2011081118
表3及び図3から明らかなように、化合物aを製剤化(錠剤)しても、崩壊剤であるクロスポビドンがないと化合物aはほとんど溶出されず、クロスポビドンを加えると溶出率は向上したが、まだ溶出性は不十分であった。一方、クエン酸を配合するとクロスポビドンがなくても溶出性は向上し、さらにクエン酸とクロスポビドンを組み合わせると溶出性は顕著に向上することが判明した。
実施例11
化合物a塩酸塩 1.073kg、無水クエン酸(小松屋株式会社:日本薬局方無水クエン酸(微粉))1.0kg、乳糖水和物0.5kg、結晶セルロース1.5kg、アルファー化デンプン(旭化成ケミカルズ株式会社:SWELSTAR PD−1)0.379kgを流動層造粒乾燥機にて混合した。あらかじめヒドロキシプロピルセルロース0.3kgを精製水3kgに溶解させた結合液を上記混合物に流動層造粒乾燥機にて噴霧し、造粒、乾燥し、整粒し、顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム48gを加え混合し、ロータリー式打錠機にて圧縮成形し、1錠240mgの錠剤を得た。
比較例11
化合物a塩酸塩 1.073kg、乳糖水和物0.5kg、結晶セルロース1.5kg、アルファー化デンプン(旭化成ケミカルズ株式会社:SWELSTAR PD−1)0.379kgを流動層造粒乾燥機にて混合した。あらかじめヒドロキシプロピルセルロース0.3kgを精製水3kgに溶解させた結合液を上記混合物に流動層造粒乾燥機にて噴霧し、造粒、乾燥し、整粒し、顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム48gを加え混合し、ロータリー式打錠機にて圧縮成形し、1錠190mgの錠剤を得た。
試験例7 溶出試験
実施例11及び比較例11の錠剤の溶出性について、それぞれ1錠を日本薬局方溶出試験第2液900mL中に投入した以外は試験例1に記載の方法と同様に行って確認した。結果を表4及び図4に示す。
試験例8 pH値の測定
実施例11及び比較例11の錠剤のpH値について、試験例2と同様な方法で測定した。なお、測定には錠剤1錠を用いた。結果を表4に示す。
Figure 2011081118
表4及び図4から明らかなように、試験例5のクロスポビドンと同様、崩壊剤の一種であるアルファー化デンプンを配合することにより、化合物aの溶出性が一段と向上することが判明した。
以上より、化合物aにクエン酸を配合することで溶出性の課題は解消し、さらにクエン酸と崩壊剤、とりわけクロスポビドン又はアルファー化デンプンを組み合わせると化合物aの溶出性は顕著に向上し、満足する錠剤が得られた。

Claims (6)

  1. (A)2−[4−[2−(ベンズイミダゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−[2,4−ビス(メチルチオ)−6−メチル−3−ピリジル]アセトアミド(化合物a)又はその酸付加塩、及び(B)クエン酸を含有する経口投与用固形医薬組成物。
  2. 成分(A)中の化合物a1質量部に対して成分(B)が0.2質量部を超える量を含有する請求項1記載の組成物。
  3. 成分(A)中の化合物aと成分(B)の含有質量比(A/B)が、10/3〜1/20である請求項1記載の組成物。
  4. さらに(C)崩壊剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. (C)崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選ばれる成分である請求項4記載の組成物。
  6. (C)崩壊剤がクロスポビドン又はアルファー化デンプンである請求項4記載の組成物。
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