JPWO2009037974A1 - 熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体 - Google Patents

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祐介 早田
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Abstract

本発明は、特定の繰り返し単位を特定量有し、粘度数が30〜71であるポリカーボネート共重合体〔(A)成分〕95〜5質量%とポリエステル樹脂〔(B)成分〕5〜95質量%とからなる組合せを含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、及びそれからなる流動性、耐薬品性、耐衝撃性及び難燃性が向上した成形体である。

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体に関する。より詳しくは、特定の繰り返し構成単位を有するポリカーボネート共重合体とポリエステル樹脂とを含む熱可塑性樹脂組成物であり、光学部材分野、OA機器分野、情報・通信機器分野、電気・電子機器分野及び自動車分野に利用可能な熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体に関する。
ポリカーボネートは耐熱性、耐衝撃性に優れるため、自動車、電器電子分野で多く利用されている。その中で、自動車、電器電子分野では、製品の軽量化から薄肉化が進み、ポリカーボネートの流動性を向上させるため、ABS樹脂やAS樹脂とブレンドすることが主流となっている。また、ABS樹脂をブレンドすることで、流動性だけでなく、耐衝撃性、耐薬品性の向上が可能となる。一方、ポリカーボネートとポリエステルをアロイ化することで、耐薬品性の向上が可能となる。
近年では、植物由来成分を配合することによって、製品中の植物比率を向上させ、環境に配慮したプラスチック製品の開発が進んでいる。植物由来プラスチックは、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリエステルと他のポリエステルとの共重合体が主流であり、ポリカーボネートに添加することで耐薬品性を向上させることが可能である。脂肪族ポリエステルの中でも、耐熱性、耐久性の面から、ポリ乳酸をブレンドした樹脂組成物の開発が進んでいる。
さらに、ポリカーボネートにポリ乳酸をアロイ化し、安定剤を配合することで、流動性、耐加水分解性を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術により、ポリ乳酸の優れた流動性を生かし、かつポリ乳酸を安定化することで、アロイ材の成形性を向上することが可能である。しかし、ポリ乳酸の配合比率を増加させることで、流動性の向上が可能であるが、ポリカーボネートの配合比率を増加させると流動性が低下し成形性が低下する問題がある。また、ポリ乳酸の安定化により、ポリ乳酸の架橋、ポリマー鎖の延長等が起こり、流動性が低下することが懸念される。
一方、脂肪族ポリカーボネートとポリ乳酸をアロイ化することで、ポリ乳酸の引張り特性を改善し、靭性を付与する技術が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。この技術では、脂肪族ポリカーボネートとして特にポリプロピレンカーボネートをポリ乳酸とアロイ化することで、透明性を低下させること無く機械物性を改良することが可能である。しかし、脂肪族ポリカーボネートを用いると耐熱性が低下し、実用性が満足されないことが懸念される。
特開2007−56246号公報 特開2007−131756号公報 特開2007−131757号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、流動性、耐薬品性、耐衝撃性及び難燃性が向上した熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、特定の繰り返し構成単位を有するポリカーボネート共重合体とポリエステル樹脂とを所定の割合で用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
1.下記一般式(I)及び(II)で表される繰り返し単位を有し、下記一般式(II)で表わされる繰り返し単位の含有量が1〜30質量%であり、粘度数が30〜71であるポリカーボネート共重合体〔(A)成分〕95〜5質量%とポリエステル樹脂〔(B)成分〕5〜95質量%とからなる組合せを含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、
Figure 2009037974
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−CO−結合又は下記式(III−1)もしくは下記式(III−2)で表される基を示す。
Figure 2009037974
3及びR4は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。a〜dは、それぞれ0〜4の整数であり、nは2〜450の整数である。また、複数のR1及びR2、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、複数のR3及びR4は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。]
2.(B)成分が、ポリ乳酸、乳酸類とその他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート−テレフタレート共重合体、及びポリブチレンサクシネートから選ばれる少なくとも一種である上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物、
3.(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、さらにゴム状弾性体〔(C)成分〕50質量部以下を含有する上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物、
4.(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、さらに塩素原子及び臭素原子のいずれも含有しない難燃剤〔(D)成分〕100質量部以下を含有する上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物、
5.(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、さらに塩素原子及び臭素原子のいずれも含有しない難燃剤〔(D)成分〕100質量部以下を含有する上記3に記載の熱可塑性樹脂組成物、
6.上記1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体、
7.OA機器、情報・通信機器、又は電気・電子機器の筐体として用いられる上記6に記載の成形体、
8.自動車内装部品、自動車外装部品として用いられる上記6に記載の成形体、
を提供するものである。
本発明によれば、耐薬品性、耐衝撃性及び難燃性に優れ、かつ高流動性である、ポリカーボネート共重合体とポリエステル樹脂とを含む熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
本発明組成物の耐薬品性を評価するための試験片取り付け治具の斜視図である。
符号の説明
a:1/4楕円治具の底辺長さ
b:1/4楕円治具の高さ
X:クラック発生箇所までの距離
[ポリカーボネート共重合体〔(A)成分〕]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特定の繰り返し構成単位を有する、ポリカーボネート共重合体〔(A)成分〕を含む組成物である。
本発明における(A)成分は、フェノール変性ジオール共重合ポリカーボネートであり、界面重合法と呼ばれる慣用の製造方法により製造することができる。すなわち、二価フェノール、フェノール変性ジオール及びホスゲン等のカーボネート前駆体を反応させる方法により製造することができる。具体的には、例えば、塩化メチレン等の不活性溶媒中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在下、さらに必要により触媒や分岐剤を添加し、二価フェノール、フェノール変性ジオール及びホスゲン等のカーボネート前駆体を反応させる。
(A)成分は、後述する二価フェノールとフェノール変性ジオールとを界面重合法によって共重合させることにより得ることができ、下記一般式(I)及び(II)で表わされる繰り返し単位を有する。
Figure 2009037974
(式中、R1〜R4、X、Y、a〜d及びnについては後述する。)
二価フェノールとしては、下記一般式(Ia)で表わされる化合物を挙げることができる。
Figure 2009037974
一般式(Ia)において、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示し、アルキル基は直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよい。アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。a及びbは、それぞれR1及びR2の置換数を示し、0〜4の整数である。なお、R1が複数ある場合、互いに同一でも異なっていてもよく、R2が複数ある場合、互いに同一でも異なっていてもよい。
Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチリレン基、ヘキシレン基等)、炭素数2〜8のアルキリデン基(例えば、エチリデン基、イソプロピリデン基等)、炭素数5〜15のシクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等)、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基(例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基等)、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−CO−結合又は下記式(III−1)もしくは下記式(III−2)で表わされる結合を示す。
Figure 2009037974
上記一般式(Ia)で表される二価フェノールとしては、様々なものがあるが、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称:ビスフェノールA]が好適である。ビスフェノールA以外のビスフェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4'−ジヒドロキシフェニルエーテル、及び4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、及び4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、及び4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、及び4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4'−ジヒドロキシジフェニル等のジヒドロキシジフェニル類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のジヒドロキシジアリールフルオレン類;1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、及び1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等のジヒドロキシジアリールアダマンタン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、及び1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタエン等が挙げられる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
分子量調節剤としては通常、ポリカーボネート樹脂の重合に用いられるものであれば、各種のものを用いることができる。具体的には、一価フェノールとして、例えば、フェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、o−n−ヘキシルフェノール、m−n−ヘキシルフェノール、p−n−ヘキシルフェノール、p−t−オクチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−n−ノニルフェノール、m−ノニルフェノール、p−n−ノニルフェノール、o−クミルフェノール、m−クミルフェノール、p−クミルフェノール、o−ナフチルフェノール、m−ナフチルフェノール、p−ナフチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジクミルフェノール、3,5−ジクミルフェノール、p−クレゾール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、平均炭素数12〜35の直鎖状又は分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位又はパラ位に有するモノアルキルフェノール、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、及び4−(1−アダマンチル)フェノール等が挙げられる。これらの一価フェノールのなかでは、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、及びp−フェニルフェノールが好ましく用いられる。
触媒としては、相間移動触媒、例えば、三級アミン又はその塩、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩等を好ましく用いることができる。三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、及びジメチルアニリン等が挙げられる。また、三級アミン塩としては、例えば、これらの三級アミンの塩酸塩、臭素酸塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩としては、例えば、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、及びテトラブチルアンモニウムブロミド等が、四級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウムクロリド、及びテトラブチルホスホニウムブロミド等が挙げられる。これらの触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記触媒の中では、三級アミンが好ましく、特にトリエチルアミンが好適である。
不活性有機溶剤としては、各種のものがある。例えば、ジクロロメタン(塩化メチレン)、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、及びクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、トルエン、及びアセトフェノン等が挙げられる。これらの有機溶剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中では、特に塩化メチレンが好適である。
分岐剤として、例えば、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−〔α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α',α'−ビス(4"−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール;フロログルシン、トリメリト酸、及びイサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を3つ以上有する化合物等を用いることもできる。
(A)ポリカーボネート共重合体の製造に用いるフェノール変性ジオールは、下記一般式(IIa)で表わされる化合物である。
Figure 2009037974
一般式(IIa)において、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。R3が複数ある場合、互いに同一でも異なっていてもよく、R4が複数ある場合、互いに同一でも異なっていてもよい。Yは、炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、及びイソペンチレン基等のアルキレン基;エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、及びイソペンチリデン基等のアルキリデン基が挙げられる。c及びdは0〜4の整数であり、nは2〜450の整数である。nは、好ましくは2〜200の整数であり、より好ましくは6〜70である。
上記一般式(IIa)で表されるフェノール変性ジオールは、例えば、ヒドロキシ安息香酸又はそのアルキルエステル、酸塩化物とポリエーテルジオールから誘導される化合物である。このフェノール変性ジオールは、特開昭62−79222号公報、特開昭60−79072号公報、特開2002−173465号公報等で提案されている方法により合成がすることができるが、これらの方法により得られるフェノール変性ジオールに対し適宜精製を加えることが望ましい。精製方法としては、例えば、反応後段で系内を減圧にし、過剰の原料(例えば、パラヒドロキシ安息香酸)を留去する方法、フェノール変性ジオールを水又はアルカリ水溶液(例えば、炭酸水素ナトリウム水溶液)等で洗浄する方法等が望ましい。
ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルとしては、ヒドロキシ安息香酸メチルエステル、ヒドロキシ安息香酸エチルエステル等が代表例である。ポリエーテルジオールは、HO−(Y−O)n−Hで表され、炭素数2〜15の直鎖状又は分岐状のオキシアルキレン基からなる繰返し単位を有するものである。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。入手性及び疎水性の観点からポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。ポリエーテルジオールのオキシアルキレン基の繰返し数nは2〜450、好ましくは2〜200である。nが2以上であると、フェノール変性ジオールを共重合する際の効率が高く、nが450以下であると、(A)ポリカーボネート共重合体の耐熱性の低下が小さいという利点がある。
酸塩化物としては、ヒドロキシ安息香酸とホスゲンから得られるものが代表例である。より具体的には、特許2652707号公報等に記載の方法により得ることができる。ヒドロキシ安息香酸又はそのアルキルエステルはパラ体、メタ体、オルト体のいずれでも良いが、共重合反応の面からはパラ体が好ましい。オルト体は水酸基に対する立体障害のため共重合の反応性に劣るおそれがある。
(A)成分の製造工程において、フェノール変性ジオールは、その変質等を防ぐため、可能な限り塩化メチレン溶液として用いるのが好ましい。塩化メチレン溶液として用いることができない場合、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液として用いることができる。
(A)成分において、フェノール変性ジオールの共重合量を増やせば流動性は改善されるが耐熱性が低下する。従って、フェノール変性ジオールの共重合量は所望の流動性と耐熱性のバランスにより選択することが好ましい。フェノール変性ジオール共重合量が多すぎると、特開昭62−79222号公報に示されているように、エラストマー状となり、一般のポリカーボネート樹脂と同様の用途への適用ができなくなるおそれがある。100℃以上の耐熱性を保持するには、(A)成分中に含まれるフェノール変性ジオール残基の量は、1〜30質量%であり、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。
本発明において(A)成分は、粘度数が30〜71[Mv(粘度平均分子量)=10,000〜28,100に相当]であり、好ましくは37〜62(Mv=13,100〜24,100に相当)である。粘度数が30〜71の範囲であると機械物性が良好であり、フェノール変性ジオール(コモノマー)の共重合効果が良好に発揮される。また、高流動性を発現させようとすると多量のコモノマーが必要となるが、粘度数が71以下であると、コモノマーの使用量に対して耐熱性が大きく低下することがない。なお、粘度数は、ISO 1628−4(1999)に準拠して測定した値である。
[ポリエステル樹脂〔(B)成分〕]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂〔(B)成分〕を含む組成物であり、該ポリエステル樹脂としては、脂肪族ポリエステル樹脂及び芳香族ポリエステル樹脂のいずれも用いることができる。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、環境負荷の低減の観点から、ポリ乳酸、乳酸類とその他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポチブチレンアジペート−テレフタレート共重合体、及びポリブチレンサクシネートから選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
ポリ乳酸は、通常ラクタイドと呼ばれる乳酸の環状二量体から開環重合により合成され、その製造方法は、米国特許第1,995,970号明細書、米国特許第2,362,511号明細書、米国特許第2,683,136号明細書等に開示されている。
また、乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸の共重合体は、通常ラクタイドとヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体から開環重合により合成され、その製造方法は、米国特許第3,635,956号明細書、米国特許第3,797,499号明細書等に開示されている。
開環重合によらず、直接脱水重縮合により乳酸系樹脂を製造する場合には、乳酸類と必要に応じて、他のヒドロキシカルボン酸を、好ましくは有機溶媒、特に、フェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ましくは、共沸により留出した溶媒から水を除き、実質的に無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によって重合することにより、本発明に適した重合度の乳酸系樹脂が得られる。
原料の乳酸類としては、L−及びD−乳酸、又はその混合物、乳酸の二量体であるラクタイドのいずれも使用することができる。
また、乳酸類と併用できる他のヒドロキシカルボン酸類としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等があり、さらにヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えば、グリコール酸の二量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを使用することもできる。
乳酸系樹脂の製造に際し、適当な分子量調節剤、分岐剤、その他の改質剤等を配合することもできる。
また、乳酸類及び共重合体成分としてのヒドロキシカルボン酸類は、いずれも単独又は二種以上を使用することができ、さらに得られた乳酸系樹脂を二種以上混合して使用してもよい。
本発明で用いる(B)成分の脂肪族ポリエステルは、分子量の大きいものが熱的物性及び機械的物性の面から好ましく、重量平均分子量3万以上のものが好ましい。また、脂肪族ポリエステルとしては、耐久性、剛性及び生物的分解性の面から、ポリ乳酸が好ましい。
本発明で用いる(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸又はその反応性誘導体と、ジオール又はそのエステル誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合体又は共重合体である。
上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、4,4'−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4'−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4'−p−ターフェニレンジカルボン酸、及び2,5−ピリジンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸が好適に用いられる。これらのうち、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
芳香族ジカルボン酸は、二種以上を混合して使用してもよい。また、少量であれば芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を一種以上混合使用することも可能である。
また、上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、及びトリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール等、2,2−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の芳香環を含有するジオール等及びそれらの混合物等が挙げられる。さらに少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を一種以上共重合してもよい。
また、(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂は、少量の分岐剤を導入することにより分岐させることができる。分岐剤の種類に制限はないがトリメシン酸、トリメリチン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトール等が挙げられる。
具体的な芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4'−ジカルボキシレート等の他、ポリエチレンイソフタレート−テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート−イソフタレート等のような共重合ポリエステルが挙げられる。
これらのうち、機械的性質等のバランスがとれたポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート及びこれらの混合物が好ましく使用でき、特に、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの混合使用が、衝撃強度と疲労強度と耐薬品性のバランスを極めて良好に図れる点で好ましい。ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの使用比(質量比)は、ポリエチレンテレフタレート:ポリブチレンテレフタレートが40:60〜95:5の範囲であることが好ましく、特に、50:50〜90:10の範囲であることが好ましい。
また、得られた芳香族ポリエステル樹脂の末端基構造は特に限定されるものではなく、末端基における水酸基とカルボキシル基の割合がほぼ同量の場合以外に、一方の割合が多い場合であってもよい。また、かかる末端基に対して反応性を有する化合物を反応させる等により、それらの末端基が封止されているものであってもよい。
かかる芳香族ポリエステル樹脂の製造方法については、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重縮合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分と上記ジオール成分とを重合させ、副生する水又は低級アルコールを系外に排出することにより行われる。例えば、ゲルマニウム系重合触媒としては、ゲルマニウムの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、フェノラート等が例示でき、さらに具体的には、酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、及びテトラメトキシゲルマニウム等が例示できる。
また、従来公知の重縮合の前段階であるエステル交換反応において使用される、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等の化合物を併用することができ、エステル交換反応終了後にリン酸又は亜リン酸の化合物等により、かかる触媒を失活させて重縮合することも可能である。
芳香族ポリエステル樹脂の分子量については特に制限されないが、o−クロロフェノールを溶媒として25℃で測定した固有粘度が0.4〜1.2dl/g、好ましくは0.65〜1.15dl/gである。
本発明における(B)成分として、上記の脂肪族ポリエステル樹脂及び芳香族ポリエステル樹脂の中から選ばれる一種以上を用いることができるが、これらの中で脂肪族ポリエステル樹脂が好ましく、特にポリ乳酸、乳酸類とその他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポチブチレンアジペート−テレフタレート共重合体、及びポリブチレンサクシネートが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(A)成分と(B)成分の混合割合は、樹脂の流動性、耐薬品性及び耐衝撃性の観点から、(A)成分と(B)成分の合計量基準で、(A)成分が95〜5質量%、好ましくは80〜40質量%、より好ましくは60〜50質量%であり、また(B)成分が5〜95質量%、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは40〜50質量%である。
(B)成分の混合割合が、5質量%より少ないと耐薬品性及び流動性が不十分であり、95質量%より多いと耐熱性及び耐衝撃性が低下する。
[ゴム状弾性体〔(C)成分〕]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ゴム状弾性体〔(C)成分〕を配合することができる。
本発明において(C)成分は、耐衝撃性の向上のために配合するもので、耐衝撃性向上及び脂肪酸ポリエステル、特にポリ乳酸の分散性の観点から、コア・シェルタイプのグラフトゴム弾性体が好適に用いられる。
また、グラフトゴム状弾性体は、脂肪酸ポリエステル、特にポリ乳酸ドメイン中に選択的に分散させるために、ポリ乳酸と親和性の高いアクリル構造をシェルに有するものが好ましい。
ゴム状弾性体の平均粒径としては、通常100〜500nm、好ましくは200〜400nmである。ゴム状弾性体の平均粒径が上記範囲内にあると、分散性に優れ、耐衝撃性への向上効果が大きい。
コア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体は、コア(芯)と、シェル(殻)から構成される2層構造を有している。本発明において、コア部分は軟質なゴム状態であって、表面のシェル部分は硬質な樹脂状態であり、コア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体自体が、粉末状(粒子状態)であるものが好適に用いられる。
このコア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体は、(A)成分のポリカーボネート共重合体及び(B)成分のポリエステル樹脂の混合系と溶融ブレンドした後も、その粒子状態は、大部分が元の形態を保つことができ、さらに(A)成分と、(B)成分として用いたポリ乳酸との界面又はポリ乳酸のドメイン中に均一に分散し、ポリ乳酸ドメインの形状が安定化するため、真珠光沢、ジェッティングの発生等の外観不良が生じない。
コア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体としては、例えば、アクリル酸アルキル、メタアクリル酸アルキル、ジメチルシロキサン等を主体とする単量体から得られる1種又は2種以上のグラフトゴム状重合体の存在下に、スチレン等のビニル系単量体の1種又は2種以上を重合させて得られるものが好適に用いられる。
これらアクリル酸アルキル及びメタアクリル酸アルキルとしては、炭素数1〜10のアルキル基を有するもの、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−オクチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸−n−オクチル等が好ましく、特に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチルが好ましい。
これらアクリル酸アルキルを主体とする単量体を用いて得られるグラフトゴム状重合体としては、アクリル酸アルキル70重量%以上と、これと共重合可能なビニル系単量体、例えば、メタアクリル酸メチル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等を30重量%以下の割合で反応させて得られる共重合体が好適に用いられる。
さらに、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能性化合物により架橋化させたものであってもよい。
また、グラフトゴム弾性体としては、上記グラフトゴム状重合体の存在下に、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル等を共重合させて得られるものを用いることができる。
さらに、上記単量体と共に他のビニル系単量体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物等を共重合させて得られたものであってもよい。
このようなグラフトゴム状弾性体としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の各種方法によって得られたものが用いられるが、それらの中でも、乳化重合法によって得られたものが特に好適に用いられる
さらに、コア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体として、アクリル酸−n−ブチル重合体60〜80質量%に、スチレンとメタクリル酸メチルとを20〜40質量%の割合でグラフト共重合させたMAS樹脂弾性体を用いることができる。
また、ポリシロキサンゴム成分5〜95質量%とポリ(メタ)アクリレートゴム成分5〜95質量%とが分離できないように相互に絡み合った構造を有する平均粒子径0.01〜1μm程度の複合ゴムに、少なくとも1種のビニル系単量体をグラフト共重合させて得られる複合ゴム系グラフト共重合体を用いることもできる。
これら種々の形態を有するコア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体は、市販品としては、パラロイドEXL2603〔ロームアンドハース社製〕;メタブレンW450A、メタブレンW529、メタブレンS2001、メタブレンC223、及びメタブレンS2200〔三菱レイヨン株式会社製〕等がある。
なお、本発明においては、ポリアミド・ポリエーテルブロック共重合体等のゴム状弾性体は、コアシェル構造を有しないため、耐衝撃性に及ぼす形状因子が大きく、好ましくない。
(C)成分のゴム状弾性体の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、より好ましくは1〜50質量部、さらに好ましくは1〜20質量部であり、より一層好ましくは1〜5質量部である。配合量が、50質量部以下であると、ポリ乳酸の流動性向上効果に影響を与えず、耐衝撃性を向上することができる。
[難燃剤(D)成分〕]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、塩素原子及び臭素原子のいずれも含有しない難燃剤〔(D)成分〕を配合することができる。
塩素原子や臭素原子を含む難燃剤の多くは毒性面において問題があり、本発明において用いられる(D)成分の難燃剤としては、塩素原子及び臭素原子のいずれも含有しない有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、及びリン酸エステル化合物等が挙げられる。
有機アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、各種のものがあるが、少なくとも一つの炭素原子を有する有機酸又は有機酸エステルのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩である。有機酸又は有機酸エステルは、有機スルホン酸、有機カルボン酸等である。
一方、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム等であり、またアルカリ土類金属は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等である。中でも、ナトリウム、カリウム、セシウムの塩が好ましく用いられる。
上記有機アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の中では、例えば、有機スルホン酸の場合、下記一般式で表わされるペルフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好ましく用いられる。
(Cp2p+1SO3)q
(式中、pは1〜10の整数を示し、Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属、又はマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属を示し、qはMの原子価を示す。)
上記一般式において、ペルフルオロアルカンスルホン酸としては、例えば、ペルフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロエタンスルホン酸、ペルフルオロプロパンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロペンタンスルホン酸、ペルフルオロヘキサンスルホン酸、ペルフルオロヘプタンスルホン酸、及びペルフルオロオクタンスルホン酸等を挙げることができる。特に、これらのカリウム塩が好ましく用いられる。
その他、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸;ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホン酸;ナフタレントリスルホン酸、ポリスチレレンスルホン酸等の有機スルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
また、有機カルボン酸としては、例えば、ペルフルオロギ酸、ペルフルオロメタンカルボン酸、ペルフルオロエタンカルボン酸、ペルフルオロプロパンカルボン酸、ペルフルオロブタンカルボン酸、ペルフルオロペンタンカルボン酸、ペルフルオロヘキサンカルボン酸、ペルフルオロヘプタンカルボン酸、及びペルフルオロオクタンカルボン酸等を挙げることができ、これら有機カルボン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が用いられる。アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、前記と同じである。
リン酸エステル化合物としては、例えば、下記の一般式(IV)で表わされるリン酸エステル化合物である。
Figure 2009037974
(式中、R5〜R8は、それぞれ独立して、水素原子又は有機基を示し、Zは2価以上の有機基を示し、sは0又は1であり、tは1以上の整数であり、rは0以上の整数を示す。)
なお、上記一般式(IV)中の有機基とは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等であり、置換されていてもいなくてもよい。置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基等がある。
さらに、これらの置換基を組み合わせた基であるアリールアルコキシアルキル基等、又はこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子等により結合して組み合わせたアリールスルホニルアリール基等を置換基としたもの等である。
また、2価以上の有機基Zとしては、上記した有機基から、炭素原子に結合している水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基を意味する。
例えば、アルキレン基、(置換)フェニレン基、多核フェノール類であるビスフェノール類から誘導されるものである。好ましいものとしては、ビスフェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、及びジヒドロキシナフタレン等を挙げることができる。
リン酸エステル化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー又はこれらの混合物であってもよい。具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート又はこれらの置換体、縮合物等を挙げることができる。これらの中でも、一般式(IV)で示す、rが1以上のリン酸エステル化合物が主成分であるものや、フェニル基の一部がアルキル基等で置換されたものが、成形品の耐熱性等の点で好ましい場合がある。
ここで、市販のハロゲン非含有リン酸エステル化合物としては、例えば、大八化学工業株式会社製の、TPP〔トリフェニルホスフェート〕、TXP〔トリキシレニルホスフェート〕、CR−733S〔レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)〕、PX−200〔1,3−フェニレン−テスラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル〕、PX−201〔1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル〕、PX−202〔4,4'−ビフェニレン−テスラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル〕、CR−741〔ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェ−ト)〕等を挙げることができる。
本発明における(D)成分の難燃剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
(D)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、より好ましくは1〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部であり、より一層好ましくは10〜35質量部である。
[熱可塑性樹脂組成物]
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、上記(A)成分〜(D)成分以外に、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜含有させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記(A)成分のポリカーボネート共重合体及び(B)成分のポリエステル樹脂、必要に応じて用いられる、(C)成分のゴム状弾性体、(D)成分の難燃剤及び各種の添加剤の所定量を配合し、溶融混練することにより得ることができる。このときの配合及び溶融混練は、通常用いられる機器、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー(商品名)、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等を用いて行うことができる。溶融混練における加熱温度は、通常240〜280℃が適当である。
[熱可塑性樹脂組成物を用いた成形体]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、公知の成形方法、例えば、中空成形法、射出成形法、押出成形法、真空成形法、圧空成形法、熱曲げ成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、回転成形法等を適用することにより、耐薬品性及び耐熱性に優れた成形体とすることができる。
特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、OA機器、情報・通信機器、自動車部品、建築部材や家庭電化機器等の分野に広く用いられる。
本発明はまた、前述した本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体をも提供する。この成形体は、例えば、OA機器、情報・通信機器、及び電気・電子機器等の筐体、自動車内装材料、自動車外装材料として好適に使用される。
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[熱可塑性樹脂組成物の物性測定法及び評価法]
(1)流動性(スパイラルフロー長さ、SFL)(cm)
成形温度260℃、金型温度80℃、肉厚2mm、幅10mm、射出圧力125MPaで、スパイラルフロー長さ(SFL)を測定した。数値が大きいほど流動性が良好であることを示す。
(2)耐薬品性(%)
耐薬品性評価法(1/4楕円による限界歪み)に準拠した。図1(斜視図)に示す、1/4楕円の面に試料片(肉厚=3mm)を固定し、試料片にガソリン(ゼアス、出光興産株式会社製)を塗布し、48時間保持した。クラックが発生する最小長さ(X)を読み取り、下記の数式〔1〕より限界歪み(%)を求めた。なお、下記数式〔1〕において、tは試験片肉厚である。限界歪み(%)が大きいほど、耐薬品性が高いことを示す。
Figure 2009037974
(3)IZOD衝撃強度(kJ/m2
射出成形機で作製した肉厚3.2mm(1/8インチ)の試験片を用いて、ASTM規格D−256に準拠し、測定温度23℃にて衝撃強度を測定した。
(4)難燃性
UL規格94に従って作製した肉厚1.5mm(1/16インチ)の試験片を用いて水平燃焼試験又は垂直燃焼試験を行った。試験の結果に基づいて、UL−94の燃焼性区分(水平燃焼性試験:HB、垂直燃焼性試験:難燃性の高い順にV−0、V−1、V−2)に評価し、これら燃焼区分に該当しないものを規格外とした。
[実施例1〜17及び比較例1〜9]
表1及び表2に示したポリカーボネート原料をそれぞれ乾燥した後、表1及び表2に示した(A)成分〜(D)成分の各所定量を、タンブラーを用いて均一にブレンドした後、径35mmのベント付き二軸押出成形機(東芝機械株式会社製、機種名:TEM35)に供給し、温度240℃で混練し、ペレット化した。
得られたペレットを80℃で5時間乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度240℃、金型温度40℃で射出成形し、所望の試験片を得た。この試験片を用いて上記(1)〜(4)の測定を行い、結果を表1及び表2に示した。
表1及び表2において、用いた(A)成分〜(D)成分は以下の通りである。
(A)成分
A−1:ポリカーボネート共重合体、特開2005−247947号公報の製造例1及び実施例4に準拠して製造(PTMG、Mn:1,000)(粘度数:39.6)
A−2:ポリカーボネート共重合体、特開2005−247947号公報の製造例1及び実施例7に準拠して製造(PTMG、Mn:2,900)(粘度数:41.5)
A−3:芳香族ポリカーボネート(出光興産株式会社製、FN1500)(Mv:14,500)
(B)成分
B−1:ポリ乳酸(三井化学株式会社製、レイシアH−100)
B−2:ポリブチレンアジペート−テレフタレート共重合体(BASF社製、エコフレックス)
B−3:ポリブチレンテレフタレート(東レ株式会社製、トレコンN1300)
B−4:ポリブチレンサクシネート(三菱化学株式会社製、GSPla、AZ81T)
B−5:ポリエチレンテレフタレート(三菱レイヨン株式会社製、ダイヤナイトPA200)
(C)成分
C−1:メチルメタクリエート・グリシジルメタクリレート・ブチルアクリレート・ジメチルシロキサン共重合物(三菱レイヨン株式会社製、メタブレンS2200)
C−2:メチル・メタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合物(ロームアンドハース社製、パラロイドEXL2603)
(D)成分
D−1:リン系難燃剤、1,3−フェニレン−テスラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル(大八化学工業株式会社製、PX−200)
D−2:シリコーン共重合ポリカーボネート、特開2002−12755号公報の製造例4に準拠して製造(Mv:17,000、ポリジメチルシロキサン含有量:4質量%)
Figure 2009037974
Figure 2009037974
表1及び表2より以下のことが判明した。
〈1〉実施例1〜17
実施例1〜17より、流動性、耐薬品性に優れた高流動性ポリカーボネート−ポリエステル樹脂組成物である熱可塑性樹脂組成物が得られたことがわかる。このことから、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来のポリカーボネート−ポリエステル樹脂組成物よりも成形性が向上し、薄肉成形に有用である。
〈2〉比較例1及び9
比較例1及び9より、(B)ポリエステル樹脂の配合量が本発明で規定した範囲外であると、耐薬品性、難燃性が低下することがわかる。
〈3〉比較例2〜8
比較例2〜8より、本発明で作製した(A)ポリカーボネート共重合体を配合しないことにより、流動性が低く、薄肉での成形に適さないことがわかり、また(B)ポリエステル樹脂の分散性が低下するため、耐薬品性、難燃性が低下することがわかる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、流動性、耐薬品性、耐衝撃性及び難燃性が向上したものである。そして、ポリエステル樹脂としてポリ乳酸等を用いることによって、さらには塩素原子や臭素原子を含有しない難燃剤を用いることによって、環境負担の少ない熱可塑性樹脂組成物とすることができる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、流動性に優れているため薄肉による成形が可能であり、OA機器、情報・通信機器、自動車部品、建築部材、家庭電化機器等の電機・電子機器分野等に広く用いることができ、さらにOA機器、情報・通信機器、及び電気・電子機器等の筐体の製造に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)及び(II)で表される繰り返し単位を有し、下記一般式(II)で表わされる繰り返し単位の含有量が1〜30質量%であり、粘度数が30〜71であるポリカーボネート共重合体〔(A)成分〕95〜5質量%とポリエステル樹脂〔(B)成分〕5〜95質量%とからなる組合せを含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2009037974
    [式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−CO−結合又は下記式(III−1)もしくは下記式(III−2)で表される基を示す。
    Figure 2009037974
    3及びR4は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。a〜dは、それぞれ0〜4の整数であり、nは2〜450の整数である。また、複数のR1及びR2は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、複数のR3及びR4は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。]
  2. (B)成分が、ポリ乳酸、乳酸類とその他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート−テレフタレート共重合体、及びポリブチレンサクシネートから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. (A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、さらにゴム状弾性体〔(C)成分〕50質量部以下を含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. (A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、さらに塩素原子及び臭素原子のいずれも含有しない難燃剤〔(D)成分〕100質量部以下を含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. (A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、さらに塩素原子及び臭素原子のいずれも含有しない難燃剤〔(D)成分〕100質量部以下を含む請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
  7. OA機器、情報・通信機器、又は電気・電子機器の筐体として用いられる請求項6に記載の成形体。
  8. 自動車内装部品、自動車外装部品として用いられる請求項6に記載の成形体。
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