JPWO2007010781A1 - 高圧放電ランプの点灯方法、点灯装置、光源装置及び投射型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、上記高圧水銀ランプ(以下、単に、「ランプ」という。)は、石英ガラスからなるバルブ内に、一対のタングステン製電極が所定間隔で対向配置されると共に、バルブ内に、水銀、アルゴン等の希ガス、臭素等のハロゲンが封入されてなる。
そして、ランプの点灯維持を続け、点灯時間がさらに経過して、ランプ電圧がさらに低下すると、ランプ電圧が、定電流制御と定電力制御との切換え基準である電圧値V1を下回り、これまでの定電力制御から定電流制御に切換って制御される場合が発生する。
これらの課題を解決する技術としては、例えば、突起の形成によりランプ電圧が低下すると、点灯周波数を切換えてランプ電圧の低下分を補正する技術が開示されている(特許文献1)。さらには、ランプ電圧が、定電流制御から定電力制御への切換えポイントである電圧値V1を下回ったときに、ランプの点灯周波数を下げてランプ電圧を上げるように制御する技術が開示されている(特許文献2)。
ここで、簡単にDMD(Digital Micromirror Device:登録商標)を用いたDLP(登録商標)方式の投射型画像表示装置について説明する。
投射型画像表示装置は、ランプユニット901、カラーホイール902、DMD(登録商標)903、投射レンズ904等を備えるDLP(登録商標)方式の装置である。
カラーホイール902は、基本的に赤(R)、緑(G)、青(B)から構成され、所定の一定回転数(例えば、60Hzビデオ映像用の場合、1秒間に120回転)で回転し、ランプユニット901によって照射されることにより、赤、緑、青の単色光をDMD(登録商標)903へと出射する。
一方、光源として用いるランプを交流で点灯を維持させる場合、点灯波形の極性反転時に照度変化が生じ、この変化がスクリーン上でちらつきとなる。このちらつきを無くすために、DLP(登録商標)方式の表示装置では、カラーホイール902の色変化のタイミングと、点灯波形の極性反転のタイミングを同期させている。つまり、カラーホイール902の回転数が一定に固定されているため、点灯周波数を固定した点灯方法が必要されるのである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ランプの点灯周波数を変化させることなく、光出力の低下の抑制及びランプの短命化を防ぐ点灯方法を提供することを目的とする。
また、前記所定条件を満たすときとは、前記高圧放電ランプの点灯を開始し、その点灯を維持した時間が5分を越えたときであることを特徴としている。
一方、上記目的を達成するために、本発明の高圧放電ランプの点灯装置は、高圧放電ランプを点灯開始させた後、ランプ電圧が予め設定された切換え電圧未満においては定電流制御を行い、ランプ電圧が前記切換え電圧以上になると定電力制御に切換えて前記高圧放電ランプの点灯を維持させる点灯装置において、前記高圧放電ランプの点灯を開始させた後、予め設定された所定条件が満たされているか否かを判定する判定手段と、前記所定条件が満たされていない場合に前記切換え電圧をV1に設定し、前記所定条件が満たされている場合に前記切換え電圧をV2(V2<V1)に設定する切換え電圧設定手段とを備えることを特徴としている。
一方、上記目的を達成するために、本発明の投射型画像表示装置は、上記光源装置を備えることを特徴とし、さらに、前記投射型画像表示装置は、マイクロミラー表示素子を使用したデジタル画像投影方式を採用している特徴としている。
3 高圧水銀ランプ
3 カラーホイール
50 点灯装置
58 電流検出部
59 電圧検出部
60 電力制御設定部
61 タイマー
63 制御部
100 前面投射型画像表示装置
150 背面投射型画像表示装置
<第1の実施の形態>
本実施の形態では、ランプユニットに組み込まれているランプと、このランプの点灯方法及び点灯装置について説明する。
1.ランプユニットの構造
図1は、本実施の形態に係るランプユニットの斜視図である。
ランプユニット1は、同図に示すように、高圧水銀ランプ(以下、単に「ランプ」という。)3と、反射鏡5とを備え、反射鏡5の内部にランプ3が組み込まれている。
1−1.ランプの構成
ランプ3は、図2に示すように、内部に放電空間13を有する放電容器23と、前記放電空間13の内部で先端(後述する電極部)同士が対向する状態で両封止部17,19に封着されている電極構成体25a,25bとからなる。
電極構成体25a,25bは、電極部27a,27b、金属箔29a,29b及び外部リード線33a,33bがこの順で接続(例えば、溶接により固着されている)されてなる。ここで、電極構成体の25a、25bの先端部が電極部27a,27b(本発明の「電極」に相当する。)となる。
電極部27a,27bは、放電空間13において、略一直線上に対向するように配設されており、電極軸35a,35bと、この電極軸35a,35bの先端に設けられた電極コイル37a,37bとからなる。なお、電極部は、電極軸と電極コイルとが異なる材料で構成されていても良いし、同じ材料で構成されていても良い。
1−2.反射鏡の構成
反射鏡5は、図1及び図2に示すように、凹面状の反射面7bが形成された本体部材7を有し、この本体部材7の開口7aには前面ガラス9が設けられている。なお、本体部材7と前面ガラス9との固着は、例えば、シリコーン系の接着剤を用いて行われる。
2.ランプの点灯方法
次に、上記高圧水銀ランプ3の点灯方法について説明する。
本発明に係る点灯方法は、先ず、点灯開始から所定条件が満たされるまでは、図3の実線で示す第1の制御特性に従ってランプ電圧等を制御し、所定条件が満たされた後は、図3の破線で示す第2の制御特性に従ってランプ電圧等を制御する。
第1の制御特性は、図3の実線から分かるように、ランプ電圧が第1の電圧値V1未満においては、ランプ電圧が第1の電圧値V1のときにランプ電力がちょうど電力値W1となるように定電流制御(以下、「第1の定電流制御」という。)を行い、また、ランプ電圧が第1の電圧値V1以上においては、ランプ電力が電力値W1となる定電力制御(図中の「定電力制御区間1」であり、「第1の定電力制御」という。)を行う。
ここで、図3において、ランプ電圧が第1の電圧値V1で、ランプ電力が電力値W1のポイントは、背景技術の欄でも説明したように、第1の定電流制御と第1の定電力制御とを切換える切換えポイントであり、この第1の電圧値V1が切換え電圧の値に相当する。
第2の制御特性は、図3の破線から分かるように、ランプ電圧が第2の電圧値V2未満においては、ランプ電力がちょうど電力値W1となるような定電流制御(以下、「第2の定電流制御」といい、第1の定電流制御と区別する。)を行い、また、ランプ電圧が第2の電圧値V2以上においては、ランプ電力が電力値W1となる定電力制御(図中の「定電力制御区間2」であり、以下、「第2の定電力制御」といい、第1の定電力制御と区別する。)を行う。
ここで、図3において、ランプ電圧が第2の電圧値V2で、ランプ電力が電力値W1のポイントは、第2の定電流制御と第2の定電力制御とを切換える切換えポイントであり、この第2の電圧値V2が切換え電圧の値に相当する。
3.点灯装置
3−1.構成
図4は、上記ランプ3を点灯させるための点灯装置を示すブロック図である。同図に示すように本点灯装置50は、DC電源回路52と電子安定器51とからなる。
電子安定器51は、DC/DCコンバータ54、DC/ACインバータ55、高圧パルス発生回路56、制御回路57とを備える。
DC/DCコンバータ54は、DC電源回路52から供給された直流電圧を、後述の制御回路57からの電力設定信号に従って所定電圧の直流電圧に変換し、DC/ACインバータ55に供給する。
制御回路57は、図4に示すように、電流検出部58、電圧検出部59、電力制御設定部60、タイマー61、駆動部62、制御部63等からなる。
電力制御設定部60は、点灯開始から所定条件が満たされるまで、上述した第1の制御特性に従ってランプ3の点灯を維持するように制御するための、第1の制御特性に対応した電圧−電力テーブル(第1のテーブル)と、所定条件が満たされた後に、上述した第2の制御特性に従ってランプ3の点灯を維持するように制御するための、第2の制御特性に対応した電圧−電力テーブル(第2のテーブル)とを備える。
制御部63は、電流検出部58で検出されたランプ電流値と、電圧検出部59で検出されたランプ電圧値とに基づいて定電力制御したり、第1のテーブル、第2のテーブルに基づいたランプ電力等になるように設定された電力設定信号をDC/DCコンバータ54に出力したりする他、所定条件の成立状態によって、第1のテーブルと第2のテーブルとを切換えてランプに印加する電力等を制御している。
図5は、第1の実施の形態に係るランプの点灯制御の内容を示すフローチャートである。
制御回路57は、まず、ステップS1で、ランプ3の点灯開始時(点灯経過時間が所定時間を超えていない)においてランプ3を第1の制御特性で点灯維持すべく第1のテーブルに設定し、当該第1のテーブルに基づいて定電流制御処理(第1の定電流制御を行う。)をする(ステップS1)。
これにより、ランプ点灯開始から点灯経過時間が所定時間を経過するまでは、ランプ電圧が第1の電圧値V1未満のときは第1の定電流制御を行い、ランプ電圧が第1の電圧値V1以上になる(このときランプ電力は電力値W1となる)と、ランプ電力が電力値W1となる第1の定電力制御を行うことができる。
4.実施例
4−1.ランプ
ここでのランプ3は、例えば、投射型の画像表示装置等に用いられるものとして説明する。このランプ3は、点光源に近付けるため、両者の間隔(電極間距離)は、0.5mm〜2.0mmの範囲に設定されている。所謂「ショートアーク」タイプのランプである。
図6は、DC/DCコンバータの回路図である。
DC/DCコンバータ54は、例えば、インダクタL0、スイッチング素子Q0、ダイオードD0、平滑コンデンサC0を備える、いわゆる、公知の降圧チョッパである。なお、スイッチング素子Q0は、例えば、N型電界効果トランジスタが用いられる。
4−3.制御部
図7は、制御部の実施例に係るブロック図であり、図8は、定電力制御処理のフローチャートである。
この制御部63での定電力制御処理は、図8に示すように、ステップS11において、電流検出部58、電圧検出部59が検出したランプ電流及びランプ電圧を取得し、乗算器63aにおいてランプ電圧とランプ電流とを乗算して電力を算出する(ステップS12)。
5.比較試験
次に、本発明に係る点灯方法で点灯させた場合と、従来の点灯方法で点灯させた場合とについてランプ寿命特性の比較試験を行った。なお、発明に係る点灯方法を「発明方法」とし、従来の点灯方法を「従来方法」として以下説明する。
試験内容は、ランプを点灯・消灯とを繰り返す点灯試験であり、点灯は2.5時間行われ、消灯は0.5時間行われる。また、点灯を維持している累計の点灯時間を、「累積点灯時間」として、1点灯毎の点灯時間である点灯経過時間と区別する。
まず、ランプ電圧は、点灯を開始して1時間後には、発明方法のランプ及び従来方法のランプとも初期値から低下し始め、累積点灯時間が経過するにつれ、さらに徐々に低下している。そして、累積点灯時間が20時間後には、従来品では、定電力制御が行われる第1の電圧値75Vを下回り、定格電力の300(W)がランプ3に印加されなくなった。
更に、累積点灯時間が長くなると、従来方法のランプ3において、中心照度が大幅に低下し、黒化現象が進行し、40時間後には、従来方法のランプ3が不点になった。それに対し、発明方法のランプ3では、20時間後には従来方法と同様に、ランプ電圧の大幅な低下があったが、切換え電圧を、第1の定電力制御が行われる第1の電圧値V1である75Vから、第2の電圧値V2である50Vに変更していることで、ランプ3には定格電力の300(W)が印加され、中心照度の大幅な低下、黒化現象が引き起こされず、1500時間まで点灯が維持できている。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、ランプユニットと、当該ランプユニットに装着されているランプを点灯させる点灯装置とについて説明した。
図10は、第2の実施の形態に係る前面投射型画像表示装置の全体図であり、内部の様子が分かるように一部を切り欠いている。
前面投射型画像表示装置(以下、「プロジェクタ」とする。)100は、1チップのDMD(登録商標)を使用したDLP(登録商標)方式の装置である。
このプロジェクタ100は、従来の技術の欄で説明したように、カラーホイールの回転と、ランプの点灯周波数とを同期させている。一方、当該プロジェクタ100に搭載されているランプの点灯装置は、ランプの点灯経過時間が所定時間を超えると、ランプの点灯周波数を換えず、第1の制御特性から第2の制御特性に切換えて、ランプを点灯させる。
<変形例>
以上、本発明を各実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例をさらに実施することができる。
1−1.定電流制御
第1の制御特性について、第1の実施の形態では、ランプ電圧が切換え電圧に達する(切換え電圧未満である)まで、ランプ電流が4Aで固定された第1の定電流制御をしている(制限電流値(傾き)で電力が立ち上がっている)。つまり、ランプ電圧を切換え電圧に向けて増加(変化)させると、これに伴い、一定の傾きでランプ電力も増加する制御を行っている。
図11は、変形例1における第1の制御特性を示す図である。
なお、図11は、ランプに高圧パルスを印加して絶縁破壊させた後に供給されるランプ電圧(V)とランプ電力(W)の特性を示し、第1の実施の形態で説明した比較例で使用した定格電力300Wタイプのランプを点灯させる場合を例にして以下説明する。
なお、第1の定電流制御から第1の定電力制御に切換える基準となる切換え電圧は第1の実施の形態と同じである。
1−2.第1の電圧値V1
第1の電圧値V1は、第1の定電流制御と第1の定電力制御とを切換える切換えポイントである。この第1の電圧値V1は、ランプの種類(例えば、定格電力300Wタイプや150Wタイプ等で複数ある。)で決まる。
従って、本発明に係る「第1の電圧値V1」は、各ランプの設計時(点灯実験等による検証後)に、当該ランプ特有の特性としてそれぞれ設定される値であるが、設計面から換言すると、当該第1の電圧値V1は、ランプの点灯を開始し、所望の照度となるときのランプ電圧値であるとも言える。
2−1.第2の制御特性
第1の実施の形態では、所定条件が満たされた(点灯開始からの点灯経過時間が5分以上なったとき)後は、第1の制御特性における切換え電圧を下げ(第1の電圧値V1から第2の電圧値V2に下げている)て、ランプ電圧が、前記値の下げた切換え電圧以上のときに、ランプ電力が、第1の定電力制御の定電力値(電力値W1である)と同じ電力値を維持する第2の定電力制御を行い、ランプ電圧が前記値の下げた切換え電圧(この電圧値は第2の電圧値V2である)未満になった場合(例えば、スローリークである。)、ランプ電圧の低下に伴ってランプ電圧が直線的に低下する第2の定電流制御をしている。
2−1.第2の電圧値V2
第2の電圧値V2は、第1の電圧値V1より低い値に設定される。この理由は、上記5.比較試験の項目で説明したように、ランプの点灯中にランプ電圧が低下した時でもそのまま定電力制御して、ランプ温度の低下を防ぐためである。
第1の実施の形態及び変形例1で説明した点灯方法(制御特性)は、ランプが300Wタイプであり、また、点灯開始から所定条件が満たされるまでは、第1の定電流制御から第1の定電力制御に切換る切換え電圧の値として第1の電圧値V1である75Vを、所定条件として点灯経過時間を採用し、成立条件として点灯経過時間が5分以上であるか否かを採用している。
また、第1及び第2の定電力制御は、第1のテーブル及び第2のテーブルに従って制御しており、実際のランプ電力は変動する。本発明では、定電力制御における電力値の変動は、規定値に対して±5%以内を想定している。
第1の実施の形態における所定条件は、タイマーを設定して点灯開始後の経過時間で切換えていた。つまり、所定条件が点灯経過時間であり、当該点灯経過時間が所定時間(例えば、5分)を経過したときに条件が満たされたとしている(所定時間の5分は、厳密にはランプの品種等によって変わるものであるが、市販されているランプに広く適用できる時間である。)。
4−1.ランプの照度
所定条件がランプの照度である場合、ランプの照度を検出するセンサー等を設け、当該センサー等によりランプの照度を直接的に検出し、この検出値と、ランプの品種毎に予め実験により求められた安定状態の照度値とを対比して、これが一致すれば所定条件が満たされたとしても良い。
具体的に説明すると、ランプの累積点灯時間が100時間のときの「安定状態の照度値」を100とした場合、ランプの累積点灯時間が500時間のときの「安定状態の照度値」を95と、ランプの累積点灯時間が1000時間のときの「安定状態の照度値」を90とそれぞれ設定するようにすれば良い。
さらには、ランプの品種毎に、ランプを点灯開始させてから、その照度が安定状態になるまでの時間を実験により求めておき、ランプの点灯を開始させた後、その時間が経過すれば、ランプの照度が安定状態になった判定しても良い。
所定条件がランプの温度である場合、例えば、ランプの放電容器の発光部の外面における任意の箇所の温度を測定するセンサー等を設け、当該センサー等によりランプの温度直接測定し、この測定値と、ランプの品種毎に予め実験により求められた安定状態の温度とを対比して、これが一致すれば所定条件が満たされたとしても良い。
さらに、ランプの品種毎に、ランプを点灯開始させてから、その温度が安定状態になるまでの時間を実験により求めておき、ランプの点灯を開始させた後、その時間が経過すれば、ランプの温度が安定状態になったと判定しても良い。
所定条件が高圧放電ランプのランプ電圧である場合、ランプ電圧をモニターし、そのランプ電圧の値と、ランプの品種毎に予め設定されたランプ電圧の値とを対比して、これが一致すれば所定条件が満たされたとして良い。
また、ランプ電圧を複数回或いは所定間隔毎に検出し、電圧の変化量が略零になったとき、つまり、ある検出値が前回の検出値に対してほぼ同じになったとき、ランプ電圧が安定状態になったと判定して、所定条件が満たされたとしても良い。
5.点灯条件を切換えについて
第1の実施の形態及び変形例1では、第1の制御特性から第2の制御特性への切換えにおいて、各制御特性内での切換え電圧の値を、第1の電圧値V1から第2の電圧値V2へと、2値の切換えで行っているが、3値以上で段階的に切換えるようにしても良い。この場合、例えば、このようにすると、例えば、2値の切換え制御で希に発生する、幅の広い照度変動を抑制することができる。
ランプを備える画像表示装置として、前面投射型の画像表示装置について説明したが、例えば、背面投射型の画像表示装置でも実施できる。
図12は背面投射型画像表示装置の全体斜視図である。
本実施の形態でのプロジェクタは、上述したように、前面投影型について説明したが、図12に示す背面投射型のプロジェクタのような、前面投射型以外のタイプでも良い。
なお、本発明の点灯方法は、点灯周波数を変更しないため、DLP(登録商標)方式のプロジェクタにおいて特に有効であるが、DLP(登録商標)方式でないプロジェクタにも当然適用できる。
第1の実施の形態では、ランプの点灯開始してから、ランプ電圧が切換え電圧以上になった後に、所定条件が満たされる場合を想定している(図5のフローチャート参照)。しかしながら、ランプが寿命末期に近づいた場合、第1の制御特性の定電流制御中に、所定条件が満たされるようなことがある。これを考慮して、ランプの点灯を開始して際のランプ電圧が切換え電圧に達しない状態でも、第1の制御特性から第2の制御特性に切換るようにしても良い。
本発明の点灯方法及び点灯装置でのランプの消灯方法は、
(1)電源スイッチがOFFされるなどによって点灯終了する
(2)AC電源をOFFする(停電も含む)ことによって点灯終了する。
のどちらかでランプが消灯する。そして、次に再点灯する場合、図5のフローチャートで示すように、第1のテーブル(第1の制御特性)に従ってランプを点灯開始し点灯を維持する。
本発明の点灯装置は、調光機能を有してもよい。図4の電力制御設定器60に調光モードの電力制御信号を設定しておけば、調光モードに対しても、本発明の点灯方法、点灯装置を適用することができる。
10.ランプについて
上記実施の形態等では、ランプについて特に説明しなかったが、ランプ3は、ショートアークタイプであり、例えば、以下の構成を有する。
また、ハロゲンガスには、例えば、臭素、沃素などのハロゲン物質が用いられ、当該ハロゲン物質は、1×10−7μmol/mm3 〜1×10−2μmol/mm3の範囲で封入されている。
上記の構成のランプを用いて、従来の点灯方法で点灯させると、背景技術の欄で説明したように、電極の先端に突起が形成されやすく、本発明に係る点灯方法は、前記ランプを用いる場合に特に有効となる。また、前記突起が形成されるようなランプであれば、高圧水銀ランプ以外の高圧放電ランプ、例えば、メタルハライドランプにも本発明は適用できる。
第1の実施の形態での点灯方法及び変形例1での点灯方法を組み合わせて用いても良い。例えば、点灯初期からの累積点灯時間が1000時間までは、第1の実施の形態での制御特性を用い、1000時間以降は、変形例1の第1の制御特性を用いるようにしても良い。なお、累積点灯時間は、アワーメーターを用いることで実施できる。
例えば、上記高圧水銀ランプ(以下、単に、「ランプ」という。)は、石英ガラスからなるバルブ内に、一対のタングステン製電極が所定間隔で対向配置されると共に、バルブ内に、水銀、アルゴン等の希ガス、臭素等のハロゲンが封入されてなる。
そして、ランプの点灯維持を続け、点灯時間がさらに経過して、ランプ電圧がさらに低下すると、ランプ電圧が、定電流制御と定電力制御との切換え基準である電圧値V1を下回り、これまでの定電力制御から定電流制御に切換って制御される場合が発生する。
これらの課題を解決する技術としては、例えば、突起の形成によりランプ電圧が低下すると、点灯周波数を切換えてランプ電圧の低下分を補正する技術が開示されている(特許文献1)。さらには、ランプ電圧が、定電流制御から定電力制御への切換えポイントである電圧値V1を下回ったときに、ランプの点灯周波数を下げてランプ電圧を上げるように制御する技術が開示されている(特許文献2)。
ここで、簡単にDMD(Digital Micromirror Device:登録商標)を用いたDLP(登録商標)方式の投射型画像表示装置について説明する。
投射型画像表示装置は、ランプユニット901、カラーホイール902、DMD(登録商標)903、投射レンズ904等を備えるDLP(登録商標)方式の装置である。
カラーホイール902は、基本的に赤(R)、緑(G)、青(B)から構成され、所定の一定回転数(例えば、60Hzビデオ映像用の場合、1秒間に120回転)で回転し、ランプユニット901によって照射されることにより、赤、緑、青の単色光をDMD(登録商標)903へと出射する。
一方、光源として用いるランプを交流で点灯を維持させる場合、点灯波形の極性反転時に照度変化が生じ、この変化がスクリーン上でちらつきとなる。このちらつきを無くすために、DLP(登録商標)方式の表示装置では、カラーホイール902の色変化のタイミングと、点灯波形の極性反転のタイミングを同期させている。つまり、カラーホイール902の回転数が一定に固定されているため、点灯周波数を固定した点灯方法が必要されるのである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ランプの点灯周波数を変化させることなく、光出力の低下の抑制及びランプの短命化を防ぐ点灯方法を提供することを目的とする。
また、前記所定条件を満たすときとは、前記高圧放電ランプの点灯を開始し、その点灯を維持した時間が5分を越えたときであることを特徴としている。
一方、上記目的を達成するために、本発明の高圧放電ランプの点灯装置は、高圧放電ランプを点灯開始させた後、ランプ電圧が予め設定された切換え電圧未満においては定電流制御を行い、ランプ電圧が前記切換え電圧以上になると定電力制御に切換えて前記高圧放電ランプの点灯を維持させる点灯装置において、前記高圧放電ランプの点灯を開始させた後、予め設定された所定条件が満たされているか否かを判定する判定手段と、前記所定条件が満たされていない場合に前記切換え電圧をV1に設定し、前記所定条件が満たされている場合に前記切換え電圧をV2(V2<V1)に設定する切換え電圧設定手段とを備えることを特徴としている。
一方、上記目的を達成するために、本発明の投射型画像表示装置は、上記光源装置を備えることを特徴とし、さらに、前記投射型画像表示装置は、マイクロミラー表示素子を使用したデジタル画像投影方式を採用している特徴としている。
<第1の実施の形態>
本実施の形態では、ランプユニットに組み込まれているランプと、このランプの点灯方法及び点灯装置について説明する。
1.ランプユニットの構造
図1は、本実施の形態に係るランプユニットの斜視図である。
ランプユニット1は、同図に示すように、高圧水銀ランプ(以下、単に「ランプ」という。)3と、反射鏡5とを備え、反射鏡5の内部にランプ3が組み込まれている。
1−1.ランプの構成
ランプ3は、図2に示すように、内部に放電空間13を有する放電容器23と、前記放電空間13の内部で先端(後述する電極部)同士が対向する状態で両封止部17,19に封着されている電極構成体25a,25bとからなる。
電極構成体25a,25bは、電極部27a,27b、金属箔29a,29b及び外部リード線33a,33bがこの順で接続(例えば、溶接により固着されている)されてなる。ここで、電極構成体の25a、25bの先端部が電極部27a,27b(本発明の「電極」に相当する。)となる。
電極部27a,27bは、放電空間13において、略一直線上に対向するように配設されており、電極軸35a,35bと、この電極軸35a,35bの先端に設けられた電極コイル37a,37bとからなる。なお、電極部は、電極軸と電極コイルとが異なる材料で構成されていても良いし、同じ材料で構成されていても良い。
1−2.反射鏡の構成
反射鏡5は、図1及び図2に示すように、凹面状の反射面7bが形成された本体部材7を有し、この本体部材7の開口7aには前面ガラス9が設けられている。なお、本体部材7と前面ガラス9との固着は、例えば、シリコーン系の接着剤を用いて行われる。
2.ランプの点灯方法
次に、上記高圧水銀ランプ3の点灯方法について説明する。
本発明に係る点灯方法は、先ず、点灯開始から所定条件が満たされるまでは、図3の実線で示す第1の制御特性に従ってランプ電圧等を制御し、所定条件が満たされた後は、図3の破線で示す第2の制御特性に従ってランプ電圧等を制御する。
第1の制御特性は、図3の実線から分かるように、ランプ電圧が第1の電圧値V1未満においては、ランプ電圧が第1の電圧値V1のときにランプ電力がちょうど電力値W1となるように定電流制御(以下、「第1の定電流制御」という。)を行い、また、ランプ電圧が第1の電圧値V1以上においては、ランプ電力が電力値W1となる定電力制御(図中の「定電力制御区間1」であり、「第1の定電力制御」という。)を行う。
ここで、図3において、ランプ電圧が第1の電圧値V1で、ランプ電力が電力値W1のポイントは、背景技術の欄でも説明したように、第1の定電流制御と第1の定電力制御とを切換える切換えポイントであり、この第1の電圧値V1が切換え電圧の値に相当する。
第2の制御特性は、図3の破線から分かるように、ランプ電圧が第2の電圧値V2未満においては、ランプ電力がちょうど電力値W1となるような定電流制御(以下、「第2の定電流制御」といい、第1の定電流制御と区別する。)を行い、また、ランプ電圧が第2の電圧値V2以上においては、ランプ電力が電力値W1となる定電力制御(図中の「定電力制御区間2」であり、以下、「第2の定電力制御」といい、第1の定電力制御と区別する。)を行う。
ここで、図3において、ランプ電圧が第2の電圧値V2で、ランプ電力が電力値W1のポイントは、第2の定電流制御と第2の定電力制御とを切換える切換えポイントであり、この第2の電圧値V2が切換え電圧の値に相当する。
3.点灯装置
3−1.構成
図4は、上記ランプ3を点灯させるための点灯装置を示すブロック図である。同図に示すように本点灯装置50は、DC電源回路52と電子安定器51とからなる。
電子安定器51は、DC/DCコンバータ54、DC/ACインバータ55、高圧パルス発生回路56、制御回路57とを備える。
DC/DCコンバータ54は、DC電源回路52から供給された直流電圧を、後述の制御回路57からの電力設定信号に従って所定電圧の直流電圧に変換し、DC/ACインバータ55に供給する。
制御回路57は、図4に示すように、電流検出部58、電圧検出部59、電力制御設定部60、タイマー61、駆動部62、制御部63等からなる。
電力制御設定部60は、点灯開始から所定条件が満たされるまで、上述した第1の制御特性に従ってランプ3の点灯を維持するように制御するための、第1の制御特性に対応した電圧−電力テーブル(第1のテーブル)と、所定条件が満たされた後に、上述した第2の制御特性に従ってランプ3の点灯を維持するように制御するための、第2の制御特性に対応した電圧−電力テーブル(第2のテーブル)とを備える。
制御部63は、電流検出部58で検出されたランプ電流値と、電圧検出部59で検出されたランプ電圧値とに基づいて定電力制御したり、第1のテーブル、第2のテーブルに基づいたランプ電力等になるように設定された電力設定信号をDC/DCコンバータ54に出力したりする他、所定条件の成立状態によって、第1のテーブルと第2のテーブルとを切換えてランプに印加する電力等を制御している。
図5は、第1の実施の形態に係るランプの点灯制御の内容を示すフローチャートである。
制御回路57は、まず、ステップS1で、ランプ3の点灯開始時(点灯経過時間が所定時間を超えていない)においてランプ3を第1の制御特性で点灯維持すべく第1のテーブルに設定し、当該第1のテーブルに基づいて定電流制御処理(第1の定電流制御を行う。)をする(ステップS1)。
これにより、ランプ点灯開始から点灯経過時間が所定時間を経過するまでは、ランプ電圧が第1の電圧値V1未満のときは第1の定電流制御を行い、ランプ電圧が第1の電圧値V1以上になる(このときランプ電力は電力値W1となる)と、ランプ電力が電力値W1となる第1の定電力制御を行うことができる。
4.実施例
4−1.ランプ
ここでのランプ3は、例えば、投射型の画像表示装置等に用いられるものとして説明する。このランプ3は、点光源に近付けるため、両者の間隔(電極間距離)は、0.5mm〜2.0mmの範囲に設定されている。所謂「ショートアーク」タイプのランプである。
図6は、DC/DCコンバータの回路図である。
DC/DCコンバータ54は、例えば、インダクタL0、スイッチング素子Q0、ダイオードD0、平滑コンデンサC0を備える、いわゆる、公知の降圧チョッパである。なお、スイッチング素子Q0は、例えば、N型電界効果トランジスタが用いられる。
4−3.制御部
図7は、制御部の実施例に係るブロック図であり、図8は、定電力制御処理のフローチャートである。
この制御部63での定電力制御処理は、図8に示すように、ステップS11において、電流検出部58、電圧検出部59が検出したランプ電流及びランプ電圧を取得し、乗算器63aにおいてランプ電圧とランプ電流とを乗算して電力を算出する(ステップS12)。
5.比較試験
次に、本発明に係る点灯方法で点灯させた場合と、従来の点灯方法で点灯させた場合とについてランプ寿命特性の比較試験を行った。なお、発明に係る点灯方法を「発明方法」とし、従来の点灯方法を「従来方法」として以下説明する。
試験内容は、ランプを点灯・消灯とを繰り返す点灯試験であり、点灯は2.5時間行われ、消灯は0.5時間行われる。また、点灯を維持している累計の点灯時間を、「累積点灯時間」として、1点灯毎の点灯時間である点灯経過時間と区別する。
まず、ランプ電圧は、点灯を開始して1時間後には、発明方法のランプ及び従来方法のランプとも初期値から低下し始め、累積点灯時間が経過するにつれ、さらに徐々に低下している。そして、累積点灯時間が20時間後には、従来品では、定電力制御が行われる第1の電圧値75Vを下回り、定格電力の300(W)がランプ3に印加されなくなった。
更に、累積点灯時間が長くなると、従来方法のランプ3において、中心照度が大幅に低下し、黒化現象が進行し、40時間後には、従来方法のランプ3が不点になった。それに対し、発明方法のランプ3では、20時間後には従来方法と同様に、ランプ電圧の大幅な低下があったが、切換え電圧を、第1の定電力制御が行われる第1の電圧値V1である75Vから、第2の電圧値V2である50Vに変更していることで、ランプ3には定格電力の300(W)が印加され、中心照度の大幅な低下、黒化現象が引き起こされず、1500時間まで点灯が維持できている。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、ランプユニットと、当該ランプユニットに装着されているランプを点灯させる点灯装置とについて説明した。
図10は、第2の実施の形態に係る前面投射型画像表示装置の全体図であり、内部の様子が分かるように一部を切り欠いている。
前面投射型画像表示装置(以下、「プロジェクタ」とする。)100は、1チップのDMD(登録商標)を使用したDLP(登録商標)方式の装置である。
このプロジェクタ100は、従来の技術の欄で説明したように、カラーホイールの回転と、ランプの点灯周波数とを同期させている。一方、当該プロジェクタ100に搭載されているランプの点灯装置は、ランプの点灯経過時間が所定時間を超えると、ランプの点灯周波数を換えず、第1の制御特性から第2の制御特性に切換えて、ランプを点灯させる。
<変形例>
以上、本発明を各実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例をさらに実施することができる。
1−1.定電流制御
第1の制御特性について、第1の実施の形態では、ランプ電圧が切換え電圧に達する(切換え電圧未満である)まで、ランプ電流が4Aで固定された第1の定電流制御をしている(制限電流値(傾き)で電力が立ち上がっている)。つまり、ランプ電圧を切換え電圧に向けて増加(変化)させると、これに伴い、一定の傾きでランプ電力も増加する制御を行っている。
図11は、変形例1における第1の制御特性を示す図である。
なお、図11は、ランプに高圧パルスを印加して絶縁破壊させた後に供給されるランプ電圧(V)とランプ電力(W)の特性を示し、第1の実施の形態で説明した比較例で使用した定格電力300Wタイプのランプを点灯させる場合を例にして以下説明する。
なお、第1の定電流制御から第1の定電力制御に切換える基準となる切換え電圧は第1の実施の形態と同じである。
1−2.第1の電圧値V1
第1の電圧値V1は、第1の定電流制御と第1の定電力制御とを切換える切換えポイントである。この第1の電圧値V1は、ランプの種類(例えば、定格電力300Wタイプや150Wタイプ等で複数ある。)で決まる。
従って、本発明に係る「第1の電圧値V1」は、各ランプの設計時(点灯実験等による検証後)に、当該ランプ特有の特性としてそれぞれ設定される値であるが、設計面から換言すると、当該第1の電圧値V1は、ランプの点灯を開始し、所望の照度となるときのランプ電圧値であるとも言える。
2−1.第2の制御特性
第1の実施の形態では、所定条件が満たされた(点灯開始からの点灯経過時間が5分以上なったとき)後は、第1の制御特性における切換え電圧を下げ(第1の電圧値V1から第2の電圧値V2に下げている)て、ランプ電圧が、前記値の下げた切換え電圧以上のときに、ランプ電力が、第1の定電力制御の定電力値(電力値W1である)と同じ電力値を維持する第2の定電力制御を行い、ランプ電圧が前記値の下げた切換え電圧(この電圧値は第2の電圧値V2である)未満になった場合(例えば、スローリークである。)、ランプ電圧の低下に伴ってランプ電圧が直線的に低下する第2の定電流制御をしている。
2−1.第2の電圧値V2
第2の電圧値V2は、第1の電圧値V1より低い値に設定される。この理由は、上記5.比較試験の項目で説明したように、ランプの点灯中にランプ電圧が低下した時でもそのまま定電力制御して、ランプ温度の低下を防ぐためである。
第1の実施の形態及び変形例1で説明した点灯方法(制御特性)は、ランプが300Wタイプであり、また、点灯開始から所定条件が満たされるまでは、第1の定電流制御から第1の定電力制御に切換る切換え電圧の値として第1の電圧値V1である75Vを、所定条件として点灯経過時間を採用し、成立条件として点灯経過時間が5分以上であるか否かを採用している。
また、第1及び第2の定電力制御は、第1のテーブル及び第2のテーブルに従って制御しており、実際のランプ電力は変動する。本発明では、定電力制御における電力値の変動は、規定値に対して±5%以内を想定している。
第1の実施の形態における所定条件は、タイマーを設定して点灯開始後の経過時間で切換えていた。つまり、所定条件が点灯経過時間であり、当該点灯経過時間が所定時間(例えば、5分)を経過したときに条件が満たされたとしている(所定時間の5分は、厳密にはランプの品種等によって変わるものであるが、市販されているランプに広く適用できる時間である。)。
4−1.ランプの照度
所定条件がランプの照度である場合、ランプの照度を検出するセンサー等を設け、当該センサー等によりランプの照度を直接的に検出し、この検出値と、ランプの品種毎に予め実験により求められた安定状態の照度値とを対比して、これが一致すれば所定条件が満たされたとしても良い。
具体的に説明すると、ランプの累積点灯時間が100時間のときの「安定状態の照度値」を100とした場合、ランプの累積点灯時間が500時間のときの「安定状態の照度値」を95と、ランプの累積点灯時間が1000時間のときの「安定状態の照度値」を90とそれぞれ設定するようにすれば良い。
さらには、ランプの品種毎に、ランプを点灯開始させてから、その照度が安定状態になるまでの時間を実験により求めておき、ランプの点灯を開始させた後、その時間が経過すれば、ランプの照度が安定状態になった判定しても良い。
所定条件がランプの温度である場合、例えば、ランプの放電容器の発光部の外面における任意の箇所の温度を測定するセンサー等を設け、当該センサー等によりランプの温度直接測定し、この測定値と、ランプの品種毎に予め実験により求められた安定状態の温度とを対比して、これが一致すれば所定条件が満たされたとしても良い。
さらに、ランプの品種毎に、ランプを点灯開始させてから、その温度が安定状態になるまでの時間を実験により求めておき、ランプの点灯を開始させた後、その時間が経過すれば、ランプの温度が安定状態になったと判定しても良い。
所定条件が高圧放電ランプのランプ電圧である場合、ランプ電圧をモニターし、そのランプ電圧の値と、ランプの品種毎に予め設定されたランプ電圧の値とを対比して、これが一致すれば所定条件が満たされたとして良い。
また、ランプ電圧を複数回或いは所定間隔毎に検出し、電圧の変化量が略零になったとき、つまり、ある検出値が前回の検出値に対してほぼ同じになったとき、ランプ電圧が安定状態になったと判定して、所定条件が満たされたとしても良い。
5.点灯条件を切換えについて
第1の実施の形態及び変形例1では、第1の制御特性から第2の制御特性への切換えにおいて、各制御特性内での切換え電圧の値を、第1の電圧値V1から第2の電圧値V2へと、2値の切換えで行っているが、3値以上で段階的に切換えるようにしても良い。この場合、例えば、このようにすると、例えば、2値の切換え制御で希に発生する、幅の広い照度変動を抑制することができる。
ランプを備える画像表示装置として、前面投射型の画像表示装置について説明したが、例えば、背面投射型の画像表示装置でも実施できる。
図12は背面投射型画像表示装置の全体斜視図である。
本実施の形態でのプロジェクタは、上述したように、前面投影型について説明したが、図12に示す背面投射型のプロジェクタのような、前面投射型以外のタイプでも良い。
なお、本発明の点灯方法は、点灯周波数を変更しないため、DLP(登録商標)方式のプロジェクタにおいて特に有効であるが、DLP(登録商標)方式でないプロジェクタにも当然適用できる。
第1の実施の形態では、ランプの点灯開始してから、ランプ電圧が切換え電圧以上になった後に、所定条件が満たされる場合を想定している(図5のフローチャート参照)。しかしながら、ランプが寿命末期に近づいた場合、第1の制御特性の定電流制御中に、所定条件が満たされるようなことがある。これを考慮して、ランプの点灯を開始して際のランプ電圧が切換え電圧に達しない状態でも、第1の制御特性から第2の制御特性に切換るようにしても良い。
本発明の点灯方法及び点灯装置でのランプの消灯方法は、
(1)電源スイッチがOFFされるなどによって点灯終了する
(2)AC電源をOFFする(停電も含む)ことによって点灯終了する。
のどちらかでランプが消灯する。そして、次に再点灯する場合、図5のフローチャートで示すように、第1のテーブル(第1の制御特性)に従ってランプを点灯開始し点灯を維持する。
本発明の点灯装置は、調光機能を有してもよい。図4の電力制御設定器60に調光モードの電力制御信号を設定しておけば、調光モードに対しても、本発明の点灯方法、点灯装置を適用することができる。
10.ランプについて
上記実施の形態等では、ランプについて特に説明しなかったが、ランプ3は、ショートアークタイプであり、例えば、以下の構成を有する。
また、ハロゲンガスには、例えば、臭素、沃素などのハロゲン物質が用いられ、当該ハロゲン物質は、1×10−7μmol/mm3〜1×10−2μmol/mm3の範囲で封入されている。
上記の構成のランプを用いて、従来の点灯方法で点灯させると、背景技術の欄で説明したように、電極の先端に突起が形成されやすく、本発明に係る点灯方法は、前記ランプを用いる場合に特に有効となる。また、前記突起が形成されるようなランプであれば、高圧水銀ランプ以外の高圧放電ランプ、例えば、メタルハライドランプにも本発明は適用できる。
第1の実施の形態での点灯方法及び変形例1での点灯方法を組み合わせて用いても良い。例えば、点灯初期からの累積点灯時間が1000時間までは、第1の実施の形態での制御特性を用い、1000時間以降は、変形例1の第1の制御特性を用いるようにしても良い。なお、累積点灯時間は、アワーメーターを用いることで実施できる。
3 高圧水銀ランプ
3 カラーホイール
50 点灯装置
58 電流検出部
59 電圧検出部
60 電力制御設定部
61 タイマー
63 制御部
100 前面投射型画像表示装置
150 背面投射型画像表示装置
Claims (7)
- 高圧放電ランプを点灯開始させた後、ランプ電圧が予め設定された切換え電圧未満においては定電流制御を行い、ランプ電圧が前記切換え電圧以上になると定電力制御に切換えて前記高圧放電ランプの点灯を維持させる点灯方法において、
前記高圧放電ランプの点灯を開始させた後、予め設定された所定条件が満たされていない場合前記切換え電圧は第1の電圧値V1に設定され、前記所定条件が満たされている場合前記切換え電圧は第2の電圧値V2(V2<V1)に設定されることを特徴とする高圧放電ランプの点灯方法。 - 前記所定条件を満たすときとは、前記高圧放電ランプの照度、温度又はランプ電圧が安定状態となったときであることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
- 前記所定条件を満たすときとは、前記高圧放電ランプの点灯を開始し、その点灯を維持した時間が5分を越えたときであることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
- 高圧放電ランプを点灯開始させた後、ランプ電圧が予め設定された切換え電圧未満においては定電流制御を行い、ランプ電圧が前記切換え電圧以上になると定電力制御に切換えて前記高圧放電ランプの点灯を維持させる点灯装置において、
前記高圧放電ランプの点灯を開始させた後、予め設定された所定条件が満たされているか否かを判定する判定手段と、
前記所定条件が満たされていない場合に前記切換え電圧を第1の電圧値V1に設定し、前記所定条件が満たされている場合に前記切換え電圧を第2の電圧値V2(V2<V1)に設定する切換え電圧設定手段と
を備えることを特徴とする高圧放電ランプの点灯装置。 - 高圧放電ランプと、当該高圧放電ランプを点灯させる点灯装置とを備える光源装置であって、
前記点灯装置は、請求項4に記載の点灯装置であることを特徴とする光源装置。 - 請求項5の光源装置を備えることを特徴とする投射型画像表示装置。
- 前記投射型画像表示装置は、マイクロミラー表示素子を使用したデジタル画像投影方式を採用している特徴とする請求項6に記載の投射型画像表示装置。
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