JP5313932B2 - 高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法に関する。
近年、プロジェクタは、会議等でのプレゼンテーションにパーソナルコンピュータとともに多く利用されている。また、一般家庭においてもホームシアターの用途としてプロジェクタが利用されている。
このようなプロジェクタは、光源からの射出光を利用し、画像情報に応じて処理された光学像を拡大投射するものであって、その光源として点光源により近く、高輝度で高演色な高圧放電ランプ、特に高圧水銀ランプが広く使用されている。
高圧水銀ランプは、内部に発光物質として水銀が例えば200[mg/cm]以上封入され、かつタングステン製の一対の電極が互いに略対向するように配置された発光管を備えている。また、この発光管内には水銀の他に、いわゆるハロゲンサイクル作用を利用し、点灯中、電極の構成材料であるタングステンが飛散して発光管の内面に付着して黒化するのを防止するべく、ハロゲン物質も封入されている。
ハロゲンサイクル作用によって発光管の内面が黒化するのを防止することができる一方で、電極から飛散したタングステンが再び電極に戻って付着し、その堆積物として突起部が形成されることが知られている。この突起部が、電極間におけるアークの輝点となるので、突起部が各電極の先端部に適正に形成された場合には、安定したアークが得られ、いわゆるアークの輝点移動によるフリッカの発生を防止することができる。
かかる突起部を各電極の先端部において適正に形成しかつ維持するために、突起部の形状の変化に伴う電極間距離の増減を検知して、高圧水銀ランプに供給する交流電流の周波数を、50Hz未満または750Hz以上の第1の周波数と、50Hz以上700Hz以下の第2の周波数とに切り替える制御手段を備えた高圧放電ランプ装置が提案されている(例えば特許文献1等)。この特許文献1に記載された高圧放電ランプ装置は、突起部が減退して電極間距離が増加したときには、第2の周波数の交流電流で突起部を成長させ、逆に、突起部が成長して電極間距離が減少したときには、第1の周波数の交流電流で、各電極の先端部の温度を上昇させ、突起部を蒸発させるものである。
このように特許文献1に記載の高圧放電ランプ装置が、突起部の形状の変化後にその形状を修復させる構成であるのに対し、突起部の形状が変化する前から、高圧放電ランプに供給する交流電流の周波数を、2つ以上の異なる値で繰り返し変調させる構成とした高圧放電ランプ装置も提案されている(例えば特許文献2等)。この特許文献2に記載された高圧放電ランプ装置は、少なくとも1つの値における周波数の交流電流で突起部を成長させ、残りの値における周波数の交流電流で突起部を蒸発させることができ、この突起部の成長と蒸発とを交互に繰り返すことで、当該突起部の形状を維持するものである。
特開2001−312997号公報 特許第3851343号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、上記従来の高圧放電ランプ装置において、一対の電極の先端部に形成された突起部が異常に成長して、当該電極間の距離が減少し過ぎる場合があることが分かった。例えば、上記特許文献1に記載の高圧放電ランプ装置では、突起部が成長して、その形状が変化した後に、突起部を蒸発させるための交流電流の周波数に切り替えるため、突起部が蒸発し始めるまでの間に、突起部が異常に成長することがあった。また、上記特許文献2に記載の高圧放電ランプ装置においても、高圧放電ランプの個体差による特性のバラツキから、ごく一部の高圧放電ランプ装置では、突起部の適正な形状を維持することができず、突起部が異常に成長することがあった。このようにして突起部が異常に成長して一対の電極間の距離が減少し過ぎた場合、ランプ電圧が過度に低下し、そのため、高圧放電ランプに定格電力を供給できず、高圧放電ランプの照度が低下するという問題があった。さらに、高圧放電ランプの発光管内部の温度が低下して、ハロゲンサイクルが適正に動作しなくなり、発光管の黒化に繋がるという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高圧放電ランプにおける一対の電極の先端部の突起部を適正に形成、維持して、ランプ電圧の過度な低下を抑制することができる高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法を提供することを目的としている。
本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置は、内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されてなる一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して交流電流を供給して点灯させるものであって、前記高圧放電ランプに供給する交流電流の周波数を、第1の値と、この第1の値より高い第2の値と、前記第1の値以下の第3の値とに切り替える周波数切替回路と、この周波数切替回路を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記第3の値の交流電流を供給するA期間を、所定の時間間隔で繰り返すとともに、前記所定の時間間隔の間に、前記第1の値の交流電流を供給するB期間と、前記第2の値の交流電流を供給するC期間とを交互に繰り返し、前記A期間の長さを、前記B期間よりも長く、かつ前記第3の値の交流電流の5.5周期以上50周期以下の所定の周期とするように、前記周波数切替回路を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る高圧放電ランプ装置は、内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されてなる一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプと、この高圧放電ランプを点灯させる前記高圧放電ランプ点灯装置と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るプロジェクタは、前記高圧放電ランプ装置を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る高圧放電ランプの点灯方法は、内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されてなる一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して交流電流を供給して点灯させる方法であって、前記交流電流の周波数を、第1の値と、この第1の値より高い第2の値と、前記第1の値以下の第3の値とに切り替えるに際し、前記周波数を、前記第3の値に所定の時間間隔で切り替えて、前記第3の値の交流電流を供給するA期間を前記所定の時間間隔で繰り返すとともに、前記所定の時間間隔の間に、前記第1の値と、前記第2の値とを交互に切り替えて、前記第1の値の交流電流を供給するB期間と、前記第2の値の交流電流を供給するC期間とを交互に繰り返し、前記A期間の長さを、前記B期間よりも長く、かつ前記第3の値の交流電流の5.5周期以上50周期以下の所定の周期とすることを特徴とする。
上記構成の高圧放電ランプ点灯装置は、高圧放電ランプに供給する交流電流の周波数を、第1の値と、この第1の値より高い第2の値と、前記第1の値以下の第3の値とに切り替える周波数切替回路と、この周波数切替回路を制御する制御回路とを備えている。これら第1〜第3の値の各周波数の交流電流は、周波数が互いに異なるので、それぞれは、一対の電極の先端部に形成された突起部を成長または減退させる作用を有する。そして、第1の値の交流電流を供給するB期間と、第2の値の交流電流を供給するC期間とを交互に繰り返すことにより、突起部の成長作用と減退作用の両方を混合した作用が得られ、突起部を適正に形成、維持することができる。また、第3の値の交流電流を、前記B期間よりも長く、かつ5.5周期以上50周期以下の所定の周期で供給するA期間を、所定の時間間隔で繰り返すことにより、突起部の成長と減退の作用バランスが、成長過多となるような状態を効果的に避けることができ、突起部を適正に形成、維持することができる。
なお、ここでの「突起部を適正に形成、維持する」とは、突起部を具体的な特定の形状に形成し、かつその特定の形状を維持することのみを示すものではなく、一対の電極間の距離の過剰な減少を抑制するとともに、アークジャンプの発生を十分に抑制することができればよく、突起部の形状を特に限定するものではない。
また、上記構成の高圧放電ランプの点灯方法は、上記高圧放電ランプ点灯装置と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、高圧放電ランプにおける一対の電極の先端部の突起部を適正に形成、維持して、ランプ電圧の過度な低下を抑制することができる高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法を提供することが可能となる。
第1の実施形態に係る高圧放電ランプ装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る高圧水銀ランプの発光管の一部切欠断面図である。 第1の実施形態に係る高圧水銀ランプの電極の構成を示す図である。 第1の実施形態に係るランプユニットの構成を示す一部切欠斜視図である。 第1の実施形態に係る高圧放電ランプ点灯装置の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る高圧水銀ランプの定常点灯状態における交流電流の波形の一例を示す図である。 電極の先端部における突起部の形状を説明するための模式図である。 点灯試験における電圧推移の結果を示す表である。 第1の実施形態に係るプロジェクタとしてフロントプロジェクタの構成を示す一部切欠斜視図である。 図9のフロントプロジェクタの構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るフロントプロジェクタの構成を示すブロック図である。 カラーホイールを示す模式図であって、(a)は、各セグメントの中心角が均等なカラーホイールであり、(b)は、各セグメントの中心角が不均等なカラーホイールである。 第2の実施形態に係るフロントプロジェクタの交流電流の波形の一例を示す図である。 第2の実施形態に係るフロントプロジェクタの交流電流の波形の一例を示す図である。 第2の実施形態に係るフロントプロジェクタの交流電流の波形の一例を示す図である。 第2の実施形態に係るフロントプロジェクタの交流電流の波形の一例を示す図である。 第2の実施形態に係るフロントプロジェクタの交流電流の波形および同期信号の一例を示す図である。 第2の実施形態に係るフロントプロジェクタの交流電流の波形および同期信号の一例を示す図である。 第1および第2の実施形態に係るプロジェクタとしてリアプロジェクタの構成を示す斜視図である。
本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
<構成>
図1は、本発明の第1の実施形態である高圧放電ランプ装置1のブロック図を示す。
図1に示すように、高圧放電ランプ装置1は、外部の交流電源(AC100[V])に接続されるDC電源回路2から高圧放電ランプ点灯装置3(電子安定器)を介して高圧放電ランプ、例えば高圧水銀ランプ4に接続された構成からなる。
DC電源回路2は、例えば整流回路(図示せず)を有しており、家庭用の交流電圧(100[V])から一定の直流電圧を生成し、高圧放電ランプ点灯装置3に供給する。
高圧放電ランプ点灯装置3は、主にDC/DCコンバータ5、DC/ACインバータ6、高電圧発生部7、ランプ電流検出部8、ランプ電圧検出部9、制御回路10から構成されている。
DC/DCコンバータ5は、制御回路10からのPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を受けて所定の大きさの直流電流をDC/ACインバータ6に供給する。すなわち、安定点灯時(定常点灯状態)において高圧水銀ランプ4の光出力を一定に保つべくランプ電力を一定にする制御(定電力制御)を行う必要があるが、制御回路10はそのためにランプ電流検出部8で検出したランプ電流、およびランプ電圧検出部9で検出したランプ電圧にそれぞれ基づいてマイコン11によってランプ電力を演算し、それを一定にするようなPWM制御信号をPWM制御回路12からDC/DCコンバータ5に送る。DC/DCコンバータ5は、それを受けてDC電源回路2からの直流電圧を所定の大きさの直流電流に変換する。ただし、制御回路10は、ランプの始動動作後からランプが立ち上がるまでのランプ電圧が低い状態、言い換えればランプ電流が高い状態においては定電流制御するようにPWM制御信号をDC/DCコンバータ5に送る。
ここで、「定常点灯状態」とは、高圧放電ランプに一定の電力が供給されることにより、高圧放電ランプ内のガス圧がその電力に応じた圧力に安定している状態を言うものとする。また、始動動作後の「定電流制御」とは、電流値を一定にする制御だけを指すのではなく、ランプが立ち上がるまでのランプ電圧が低い状態においてランプに過電流が流れるのを防ぐために電流に制限をかけた制御全般を示す。したがって、電流値が一定でない場合も含む。ただし、ランプが立ち上がった後に行う定電力制御も定電流制御の一つと解される場合があるが、ここでは定電力制御を定電流制御の一つとして含めない。
DC/ACインバータ6は、高圧水銀ランプ4に供給される略矩形波の交流電流を生成するとともに、交流電流の周波数を所定の値に切り替える周波数切替回路として機能する。具体的には、DC/ACインバータ6が、DC/DCコンバータ5から出力された直流電流を、制御回路10からの制御信号に基づいて決定される特定の周波数の略矩形波の交流電流に変換している。
ここで、「略矩形波」の交流電流とは、完全な矩形波をなす電流はもちろんのこと、極性反転直後のオーバーシュートやアンダーシュート等によって若干の歪を有する矩形波も含むものとする。また、アークジャンプを抑制する点灯方法として、従来から矩形波の半周期毎の極性反転前にパルス電流を重畳したり、矩形波の半周期毎において時間とともに電流値が増大するように傾斜をつけたり、矩形波の半周期毎の極性反転直前または直後に高周波が1周期付加され、かつ付加した波形の後半の半周期のランプ電流のみに、付加する直前の電流値より高くする交流波形が知られている。ここでは、このような基本となる矩形波に何らかの成分を重畳して変形したものも「略矩形波」に含まれるものとする。
高電圧発生部7は、例えばトランス(図示せず)を有しており、高圧水銀ランプ4の電極19間での絶縁破壊を促し、高圧水銀ランプ4を始動させるべく高電圧を発生させて高圧水銀ランプ4に印加する。
ランプ電流検出部8は、DC/DCコンバータ5とDC/ACインバータ6とを結ぶ配線に流れる電流(ランプ電流に相当する)を検出し、ランプ電流の大きさを示す信号を出力する。
ランプ電圧検出部9は、DC/DCコンバータ5の出力電圧(ランプ電圧に相当する)を検出し、ランプ電圧のレベルを示す信号を出力する。
制御回路10は、マイコン11、PWM制御回路12、点灯判別回路13、タイマー14を備える。マイコン11は、ランプ電流検出部8の出力信号、ランプ電圧検出部9の出力信号、タイマー14の出力信号を受けて、DC/DCコンバータ5およびDC/ACインバータ6を制御する。このうち、DC/ACインバータ6を制御する信号には、交流電流を生成する際の周波数を制御する周波数制御信号が含まれている。つまり、制御回路10は、この周波数制御信号に基づいて周波数の異なる交流電流を生成するようにDC/ACインバータ6に制御信号を送っている。したがって、マイコン11の設定プログラムを適宜変えることにより所望とする種々の周波数の交流電流を得ることができる。
PWM制御回路12は、マイコン11からのPWM制御信号を受けて、DC/DCコンバータ5をPWM制御する。点灯判別回路13は、ランプの点灯を検知する。タイマー14はランプの点灯が検知されたときカウントをスタートする。制御回路10の動作については後に詳述する。
次に、一例として定格電力180[W]の高圧水銀ランプ4の概略構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、高圧水銀ランプ4の発光管は、その容囲器の構成材料が例えば石英ガラスからなり、管中央部の略回転楕円体形状の発光部16と、この両側からそれぞれ外方向に延在するように連接された略円柱体形状の封止部17とを有する。
発光部16の内部(放電空間18)には、発光物質である水銀(Hg)と、始動補助用の希ガスとして例えばアルゴンガス(Ar)、クリプトンガス(Kr)、あるいはキセノンガス(Xe)またはそれら2種以上の混合ガスと、ハロゲンサイクル作用のためのヨウ素(I)あるいは臭素(Br)、またはそれらの混合物とがそれぞれ所定量封入されている。一例として、水銀の封入量は150[mg/cm]以上390[mg/cm]の範囲内で、アルゴンガスの封入量(25℃)は0.01[MPa]以上1[MPa]以下の範囲内で、臭素の封入量は1×10−10[mol/cm]以上1×10−4[mol/cm]の範囲内で、好ましくは1×10−9[mol/cm]以上1×10−5[mol/cm]の範囲内でそれぞれ設定されている。
また、発光部16内には、一対のタングステン(W)製の電極19の一端部側がそれぞれ互いに略対向するように配置されている。一例として、この一対の電極19間となる電極間距離L(図2参照)は、0.5[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内で設定される。
電極19は、図3に示すように、電極棒20とその一端部に取り付けられた電極コイル21とからなる。特に電極19の先端部22(一端部)は、電極棒20の一部と電極コイル21の一部とがそれぞれ一体的に溶融されて例えば略半球状、略球状または略円錐状等の形状に加工されている。また、この電極19の先端部22には、点灯中のハロゲンサイクル作用によって、電極19の構成材料であるタングステンが蒸発した後、ハロゲンによって再び電極19、特にその先端部22の頂点部に戻って堆積し、その堆積物からなる突起部23が機械的加工を行うことなく自己形成される。ここで示す突起部23は製造工程の点灯工程中に形成させたもので、製品完成時には既に形成された状態にある。前記電極間距離Lは、具体的にはこれら突起部23間の距離を示す。
なお、電極19の先端部を例えば略半球状、略球状または略円錐状等の形状に形成するに当たり、電極棒20の一部と電極コイル21の一部とをそれぞれ溶融させて形成する以外に、予め略半球状、略球状または略円錐状に削り出したもの、またはそのような形状で焼結したもの電極棒20の先端部に取り付けてもよい。
図2に戻り、電極19の他端部は、封止部17に気密に封着されたモリブデン製の金属箔24を介して外部リード線25の一端部に接続されている。外部リード線25の他端部は封止部17の端面から外部に突出し、図示していない電力供給線または口金等に接続される。
そして、このような高圧水銀ランプ4は、図4に示すように、反射鏡26内に組み込まれてランプユニット27を構成する。
すなわち、ランプユニット27は、図4に示すように、上記した高圧水銀ランプ4と、内面が凹面の反射面28を有する基体がガラスまたは金属からなる反射鏡26とを備えており、この反射鏡26内に高圧水銀ランプ4がその長手方向の中心軸Xと反射鏡26の光軸Yとが略一致し、反射鏡26による集光効率が高まるように組み込まれ、高圧水銀ランプ4からの射出光が反射面28により反射されるように構成されている。
高圧水銀ランプ4には、発光管の一方の封止部17に、電源接続用端子29が付設された円筒形の口金30が装着されている。一方の封止部17から外部に導出した外部リード線25が電源接続用端子29に接続されている。他方の外部リード線25には電力供給線31が接続されている。
そして、この高圧水銀ランプ4は、口金30が反射鏡26のネック部32内に挿入され、かつ接着剤33を介して固着されている。このとき、電力供給線31は、反射鏡26に設けられた貫通孔34に挿通される。
なお、反射面28は、例えば回転楕円体面や回転放物体面からなり、多層干渉膜等が蒸着されている。
<動作>
次に、本実施形態に係る高圧放電ランプ点灯装置3の動作例について図1、図2および図5のフローチャートを参照して説明する。図5は、高圧放電ランプ点灯装置3における交流電流の変調制御を示すフローチャートである。ただし、図5のフローチャートにおいて後述する始動動作は省略している。
(1)まず、高圧水銀ランプ4を放電開始させるための点灯スイッチ(図示せず)がオンされると、制御回路10は、高電圧発生部7に例えば3[kV]、100[kHz]の高周波の高電圧を発生させる。発生された高周波の高電圧は高圧水銀ランプ4に印加される。
(2)高圧水銀ランプ4における電極19間において絶縁破壊が起こると電極19間に高周波のアーク放電電流が通電し始める。すなわち、高圧水銀ランプ4は放電を開始する。放電開始後も一定期間、高周波の電圧が高圧水銀ランプ4に印加され続ける。
その後、さらに放電を安定させるべく電極19のウォームアップ期間として、例えば2[秒]間、10[kHz]以上500[kHz]以下の範囲内から選択される高周波の定電流制御が行われる。このウォームアップ期間の2[秒]を経過すると、いわゆる始動動作が完了する。
なお、上記始動動作において、高圧水銀ランプ4を放電開始させるための高電圧発生部7からの出力は高周波の高電圧に限定されるものでなく、これに代えて公知の間欠発振型の高電圧パルスを用いてもよい。また、放電開始後のアーク放電を安定させる方法についても当該高周波動作に限るものでなく、これに代えて公知の直流動作または20[Hz]未満の低周波電流による定電流制御の動作を用いてもよい。
(3)始動動作後、略矩形波の交流電流による定電流制御(例えば3[A]一定)の点灯に移行する。
(4)制御回路10は、水銀の蒸発に伴ってランプ電圧が上昇して所定の電圧(例えば60[V])に到達するまで定電流制御で高圧水銀ランプ4を点灯させる。その一方で、制御回路10は、ランプ電流検出部8の出力信号に基づき点灯開始したか否かを判別する。そして、図5に示すように点灯開始すれば、制御回路10は、タイマー14のカウントを開始させ(S11)、DC/ACインバータ6に制御信号dを入力する(S12)。制御信号dは、高圧水銀ランプ4に供給する交流電流の周波数を、所定の値、例えば135[Hz]に特定するための信号である。DC/ACインバータ6は、制御信号dから周波数を特定し、交流電流の極性反転動作を実行する。
(5)タイマー14の設定時間は、60[秒]以上300[秒]以下の範囲内から選択されており、本実施形態では100[秒]が選択されている。制御回路10は、点灯開始から100[秒]を経過するまで、DC/ACインバータ6への制御信号dの入力を維持する(S13:NO)。点灯開始から100[秒]を経過すれば、高圧水銀ランプ4が定常点灯状態にあり、制御回路10は、略矩形波の交流電流の変調制御を実行する(S13:YES)。
(6)制御回路10は、点灯開始から100[秒]を経過すれば、所定時間E(所定の時間間隔)の計測を開始する(S14)。
(7)次に、制御回路10は、DC/ACインバータ6に制御信号bを入力する(S15)。制御信号bは、B期間における交流電流の周波数を第1の値に特定するための信号である。これにより、制御信号bにより特定される第1の値の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(8)制御回路10は、B期間が経過するまでDC/ACインバータ6への制御信号bの入力を維持し(S16:NO)、B期間を経過すれば(S16:YES)、制御信号bから制御信号cに切り替える(S17)。制御信号cは、C期間における交流電流の周波数を第2の値に特定するための信号である。これにより制御信号cにより特定される第2の値の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(9)制御回路10は、C期間が経過するまでDC/ACインバータ6への制御信号cの入力を維持し(S18:NO)、C期間が経過すれば(S18:YES)、所定時間Eの経過を確認する(S19)。
(10)このとき、所定時間Eが経過していない場合(S19:NO)、制御回路10は、制御信号cから制御信号bに切り替え(S15)、前記(7)に戻って、S15以降の動作を続ける。
(11)所定時間Eが経過している場合(S19:YES)、所定時間Eの計測をリセットし(S20)、制御回路10は、制御信号cから制御信号aに切り替える(S21)。制御信号aは、A期間における交流電流の周波数を第3の値に特定するための信号である。これにより制御信号aにより特定される第3の値の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(12)制御回路10は、A期間が経過するまでDC/ACインバータ6への制御信号aの入力を維持し(S22:NO)、A期間が経過すれば(S22:YES)、制御回路10は、制御信号aから制御信号cに切り替える(S23)。これにより制御信号cにより特定される第2の値の交流電流がDC/ACインバータ6から出力され、高圧水銀ランプ4に供給される。
(13)制御回路10は、C期間が経過するまでDC/ACインバータ6への制御信号cの入力を維持し(S24:NO)、C期間が経過すれば(S24:YES)、制御信号cから制御信号bに切り替え(S15)、前記(7)に戻って、S15以降の動作を続ける。
(14)制御回路10は、以降、点灯スイッチがオフされるまで、S15〜S24の一連のステップを繰り返す。
上記動作によれば、第3の値の交流電流を供給するA期間を、所定時間Eの間隔で繰り返すとともに、この所定時間Eの間において、第1の値の交流電流を供給するB期間と、第2の値の交流電流を供給するC期間とを交互に繰り返す制御が実現される。さらに詳しく説明すると、所定時間Eの間において、A期間の後はC期間に切り替えられ、その後、B期間と、C期間とが交互に繰り返されて、最後はC期間となるように制御が行われる。
このような第1〜第3の値、A〜C期間および所定時間Eは、次のように設定される。
第1の値は、20[Hz]以上200[Hz]以下の範囲から選択され、B期間の長さは、0.5周期以上10周期以下の範囲から選択された周期に設定される。
第2の値は、300[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲から選択され、C期間の長さは、2周期以上200周期以下の範囲から選択された周期に設定される。
第3の値は、第1の値以下であって15[Hz]以上150[Hz]以下の範囲から選択される。この場合、第3の値を第1の値よりも低い設定とすることがより好ましい。A期間の長さは、前記B期間よりも長く、かつ5.5周期以上50周期以下の範囲から選択された周期に設定される。このA期間が、所定時間Eの間隔で繰り返すように設定される。そして、所定時間Eは、A期間の開始時点から、次のA期間の開始時点までの時間であって、1[秒]以上300[秒]以下の範囲から選択される。
なお、これら第1〜第3の値、A〜C期間および所定時間Eは、高圧水銀ランプ4の仕様、例えば定格ランプ電力、ランプ電流、ランプ電圧などに合わせて設定されるのが好ましい。
また、これら第1〜第3の値、A〜C期間および所定時間Eを前述の設定範囲とした理由については後述する。
<交流電流の波形例>
図6には、上記動作により得られる定常点灯状態における略矩形波の交流電流の波形の一例が示されている。
図6に示す波形の交流電流では、第1〜第3の値、A〜C期間および所定時間Eが、次のように設定されている。
第1の値が65[Hz]であり、B期間の長さが0.5周期である。
第2の値が340[Hz]であり、C期間の長さが10周期である。
第3の値が55[Hz]であり、A期間の長さが6.5周期である。そして、A期間を繰り返す所定時間Eが、約30[秒]に設定されている。
また、図6に示すA期間(図6の上段)と次のA期間(図6の下段)との間には、B期間およびC期間が交互に複数回繰り返され、各A期間の前後には、それぞれC期間が設けられている。なお、図6では、A期間と次のA期間との間が一部省略されている。
さらに、所定時間Eの間において、各B期間における交流電流の位相が、当該B期間が現れる順に交互に逆位相となるように制御されている。具体的に説明すると、B期間の長さは0.5周期の奇数倍であり、C期間の長さは0.5周期の遇数倍であるので、B期間から、C期間、B期間へと繰り返された後のB期間における交流電流の位相が、その前のB期間における交流電流の位相に対して逆位相となる。C期間における交流電流は、B期間における交流電流の位相に連動しているので、B期間における交流電流の位相と同様、当該C期間が現れる順に、その交流電流の位相が交互に逆位相となる。
また、A期間における交流電流の位相が、当該A期間が現れる順に交互に逆位相となるように制御されている。具体的には、A期間の長さは、B期間の長さと同様に、0.5周期の奇数倍であり、本実施形態において、所定時間Eの間に、B期間を偶数回繰り返す設定としている。これらにより、次のA期間における交流電流の位相が、その前のA期間における交流電流の位相に対して逆位相となる。
このように、0.5周期の奇数倍となる長さのA期間およびB期間における交流電流の位相を、それぞれ交互に逆位相となるように制御することによって、一対の電極19における正極、負極の発生頻度のバランスを保つことができる。すなわち、各電極19の突起部23における成長および減退のバランスを図ることができるので、当該突起部23を適正に形成、維持することができる。
以上の構成の高圧放電ランプ装置1において、第1の値の交流電流を高圧水銀ランプ4に供給することにより、電極19の突起部23の成長を促進させることができる。具体的には、突起部23が太径化するように成長させる(図7(a)参照)。この場合、当該太径化に伴い突起部23の高さhが高くなり、電極間距離Lが減少する方向に突起部23が成長する。なお、図7(a)および(b)では、突起部23の成長および減退を分かりやすくするため、突起部23の形状を誇張して示している。
一方、第2の値の交流電流を高圧水銀ランプ4に供給することにより、電極19の突起部23を減退させることができる。具体的には、突起部23が細径化するように減退させる(図7(b)参照)。この場合、突起部23が減退して、突起部23の高さhが低くなり、電極間距離Lが増加する方向に突起部23が減退する。したがって、B期間とC期間とを交互に繰り返すことにより、突起部23の成長作用と減退作用の両方を混合した作用が得られ、突起部23を適正に形成、維持することができる。
また、第3の値の交流電流を高圧水銀ランプ4に供給することにより、電極19の先端部22の温度を一時的に上昇させ、その結果として、突起部23の成長と減退のバランスが、成長過多となるような状態を効果的に避けることができ、突起部23を適正に形成、維持することができる。
<試験結果>
図8は、点灯試験における電圧推移の結果を示す表であり、本実施形態に係る高圧放電ランプ装置1と、当該高圧放電ランプ装置1とはA期間の長さを示す設定周期が異なる3つの高圧放電ランプ装置との試験結果を示している。なお、当該試験に用いた各高圧放電ランプ装置において、共通する構成要素については、簡単のため同一の符号を用いて説明する。
各高圧放電ランプ装置の高圧水銀ランプ4は、定格電力180[W]、定格電流3[A]である。また、高圧水銀ランプ4に供給する交流電流の周波数の切り替えが、第1の値を65[Hz]、B期間の長さを0.5周期、第2の値を340[Hz]、C期間の長さを10周期、第3の値を55[Hz]、およびA期間の長さを所定の周期に、かつ所定時間Eを約30[秒]で、制御されている。すなわち、A期間の長さ以外は、図6に示す交流電流の波形の一例と同じ構成とされている。
そして、試験−1は、A期間の長さが0.0周期であって、交流電流の周波数を、第1の値と第2の値とだけで交互に切り替えた場合における電圧推移を示している。試験−2は、A期間の長さを0.5周期以上5.5周期未満の範囲から選択した4.0周期に設定した場合における電圧推移を示している。試験−3は、A期間の長さを、前記B期間よりも長く、かつ5.5周期以上50周期以下の範囲から選択した6.5周期に設定しており、図6に示す波形の交流電流を供給した場合における電圧推移を示している。試験−4は、A期間の長さを50周期超の周期から選択した60.0周期に設定した場合における電圧推移を示している。また、各試験−1〜試験−4の試験開始時におけるランプ電圧は、いずれも75[V]である。
なお、ハロゲンサイクルは、高圧水銀ランプ4における累積点灯時間の初期段階(例えば100時間以内)で活発に作用することから、当該初期段階において突起部23が異常成長する可能性が高いとされている。したがって、図8に示す試験結果においては、累積点灯100時間後のランプ電圧を比較対象としている。
図8に示すように、累積点灯時間100時間後では、試験−1のランプ電圧が53[V]であり、試験−2のランプ電圧が57[V]であり、試験開始時の75[V]と比べて、試験−1および試験−2のランプ電圧が過度に低下していることが分かる。このようにランプ電圧が過度に低下して60[V]以下となった場合には、高圧水銀ランプ4に定格電力を供給できなくなる。このため、高圧水銀ランプ4の照度が低下するとともに、高圧水銀ランプ4の発光管内部の温度が低下して、ハロゲンサイクルが適正に動作しなくなり、発光管の黒化に繋がってしまう。
一方、試験−3のランプ電圧は、累積点灯時間100時間後で62[V]あり、試験開始時に比べると電圧の低下はしているものの、試験−1および試験−2のランプ電圧と比べて、その電圧低下が抑制されていることが分かる。また、試験−4のランプ電圧は、累積点灯時間100時間後で76[V]と、試験開始時に比べると若干電圧が上昇している。また、試験−4では、累積点灯時間2000時間後におけるランプ電圧が、135[V]と過度に上昇していることが分かる。このランプ電圧の過度の上昇は、A期間の長さが50周期を超える設定にしたことにより、突起部23の蒸発および減退が過剰に進行し、電極間距離Lが過剰に増加したことに起因するものである。この電極間距離Lの増加は、すなわちアーク長の増加となって、反射鏡26による集光効率が低下するため、高圧水銀ランプ4の照度が低下する。
なお、試験−2において、A期間の長さに0.5周期以上5.5周期未満の範囲で4.0周期以外の周期を選択したとしても、図8に示す試験−2の結果と同様に、ランプ電圧が低下して60[V]以下となることが確認されている。また、試験−4において、50周期を超える、かつ60.0周期以外の周期を選択したとしても、図8に示す試験−4の結果と同様に、累積点灯時間2000時間に近づくに従ってランプ電圧が過度に上昇することが確認されている。
このように、本実施形態に係る高圧放電ランプ点灯装置3は、A期間の長さを前記B期間よりも長くかつ5.5周期以上50周期以下の所定の周期とすることにより、電極19の先端部22の温度を一時的に上昇させて、突起部23の成長と減退のバランスが、成長過多となるような状態を効果的に避けることができる。これにより、電極間距離Lの過剰な減少を抑制し、ランプ電圧の過度な低下を抑制することができる。
<各周波数の値、各期間および所定時間Eの設定範囲>
次に、第1〜第3の値、A〜C期間および所定時間Eにおける設定範囲について説明する。
高圧水銀ランプ4に供給する交流電流において、第1の値が20[Hz]未満であれば、直流点灯的要素が強まり電極19の先端部22の陽極加熱が起こるために、先端部22の温度が必要以上に高くなり、突起部23の成長作用が損なわれ、突起部23が変形または蒸発減退する場合が起こり得る。一方、第1の値が200[Hz]を超えれば、直流点灯的要素が弱まりすぎて電極19の先端部22の温度が十分に高くならず、よって突起部23の成長作用が損なわれ、突起部23が変形または減退する場合が起こり得る。また、第1の値が20[Hz]以上200[Hz]以下の範囲であったとしても、B期間の長さが10周期を超えれば、直流点灯的要素により先端部22の温度が必要以上に高くなり、突起部23が変形または蒸発減退する場合があり、B期間の長さが0.5周期未満であれば、電極19の先端部22の温度が十分に高くならず、突起部23が変形または減退する場合がある。これらにより、突起部23の成長を促進させるために、第1の値を20[Hz]以上200[Hz]以下の範囲に、かつB期間の長さを0.5周期以上10周期以下の範囲の周期に設定している。
第2の値が1000[Hz]を超えれば、高周波点灯的要素が強まり蒸発したタングステンのイオンが電極19の突起部23に戻る作用が弱まり過ぎて、突起部23を細径化させる作用が強まり、タングステンのイオンが電極19の先端部22以外の部位に堆積するようになり先端部22の全体形状を変形させ減退させてしまう場合が起こり得る。一方、第2の値が300[Hz]未満であれば、高周波点灯的要素が弱まりすぎて電極19の突起部23を細径化させる作用が得られなくなり、突起部23の成長が過剰になり、電極間距離Lが過剰に減少してしまう場合が起こり得る。ここでの、第2の値は、1つの周波数の値を意味する場合と、210[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲から選択される複数種類の周波数における平均値(以下、平均周波数ともいう)を意味する場合がある。第2の値に平均周波数を用いる場合には、当該複数種類の周波数を、C期間の間、0.5周期毎に所定の順序で繰り返す構成とする。また、ここでの「平均周波数」とは、0.5周期毎の周波数の値を、C期間の全てにおいて合算し、得られた総和を、C期間に繰り返される0.5周期の数で除することにより求められた値のことをいう。
前記複数種類の0.5周期の周波数の中に210[Hz]未満の周波数があれば、たとえ0.5周期でもそれが断続的に発生することで第1の値の作用すなわち突起部23の成長作用が現れるため、細径化させる作用が得られなくなる。また、第2の値が300[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲であったとしても、C期間の長さが200周期を超えれば、高周波点灯的要素により、突起部23を細径化させる作用が強まり、先端部22を減退させてしまう場合があり、C期間の長さが2周期未満であれば、突起部23を細径化させる作用が得られなくなり、突起部23の成長が過剰になる場合がある。これらより、突起部23を細径化させて減退させるために、第2の値を300[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲内とし、C期間の長さを2周期以上200周期以内の所定の周期に設定している。
第3の値が15[Hz]未満であれば、電極19の先端部22の温度の瞬間的な上昇が過剰となり、突起部23のみならず電極19の全体形状を変形または蒸発減退する場合が起こり得る。一方、第3の値が150[Hz]を超えれば、電極19の先端部22の温度を一時的に上昇させることができなくなり、突起部23を蒸発減退させることができない場合が起こり得る。これらより、突起部23を蒸発させて減退させるために、第3の値を15[Hz]以上150[Hz]以下の範囲内に設定している。
また、A期間を繰り返す所定時間Eが1[秒]未満であれば、電極19の先端部22の温度を一時的に上昇させる頻度が過剰となり、突起部23のみならず電極19の先端部22全体において変形または蒸発減退する場合が起こり得る。一方、所定時間Eが300[秒]を超えれば、電極19の先端部22の温度を一時的に上昇させる頻度も少なく、突起部23を蒸発減退させる効果が得られない場合が起こり得る。これらより、所定時間Eを1[秒]以上300[秒]以下の範囲内に設定している。
上記の設定において、第1〜第3の値、A〜C期間の長さおよび所定時間Eを、個別に調整することも、または互いに調整し合うこともできるので、高圧放電ランプの仕様に合わせて、これらの設定を行うことにより、より効果的に、突起部23を適正に形成、維持することができる。
なお、A〜C期間の長さは、それぞれ0.5周期の倍数であって、例えば0.3周期または0.7周期等を設定することはない。
本実施形態において、所定時間Eは、A期間の開始時点から次のA期間の開始時点までの時間であるので、所定時間Eの計測開始後(S14)から最初のA期間の開始(S21)までは、当該所定時間EにA期間の時間が含まれず、A期間の時間分余計にB期間およびC期間が多く繰り返されるが、その影響は小さく、当該多く繰り返されたB期間およびC期間によって突起部23が異常に成長することはない。もっとも、計測開始後(S14)から最初のA期間の開始(S21)までの時間を、本実施形態と異なる構成、例えば、所定時間EよりもA期間の時間分短縮させた時間に設定することもできる。
<プロジェクタ>
次に、高圧放電ランプ装置1を用いたプロジェクタについて説明する。
図9に、高圧放電ランプ装置1が用いられたプロジェクタの一例として、フロントプロジェクタ35の概略構成を示す。フロントプロジェクタ35は、その前方に設置したスクリーン(図示せず)に向けて画像を投影するタイプのプロジェクタである。なお、フロントプロジェクタ35には、画像表示デバイスとして、後述する3枚の透過型の液晶パネルが用いられている。
フロントプロジェクタ35は、筐体36に収納された、光源であるランプユニット27、光学ユニット37、制御ユニット38、投射レンズ39、冷却ファンユニット40、および電源ユニット41等から構成されている。電源ユニット41は、上記したDC電源回路2と高圧放電ランプ点灯装置3を含み、商用電源から供給される電力を、制御ユニット38やランプユニット27や冷却ファンユニット40に適した電力に変換してそれぞれ供給する。なお、図9では、フロントプロジェクタ35の構成を見易くするため、筐体36の天板が取り除かれた状態で示されている。
図10は、画像表示デバイスとして3枚の透過型の液晶パネルを用いたフロントプロジェクタ35の具体的な構成例が示されている。
図10に示すように、光学ユニット37は、ダイクロイックミラーを含むミラー群65と3原色R,G,Bに対応した3枚の透過型の液晶パネル66R、66G、66Bとプリズム70を有する。ランプユニット27から出た光は、ミラー群65を通ることでR、G、Bの3色の光に分離され、それぞれの液晶パネル66R、66G、66Bに透過される。液晶パネル66R、66G、66Bは、R,G,Bに対応させるそれぞれの映像信号に従った画像が表示されるよう制御ユニット38によって駆動される。液晶パネルを透過したR、G、Bの3色の映像の光はプリズム70で合成され、投射レンズ39を介してスクリーン(図示せず)に表示される。
上記では、画像表示デバイスとして3枚の透過型の液晶パネルを用いた場合について例示したが、本発明はこれに限るものではなく、Lcos(Liquid Crystal On Silicon) などの3枚の反射型の液晶パネル、または3枚のDMD(Digital Micromirror Device)を用いたDLP(米テキサス・インスツルメンツ社商標:Digital Light Processing)の画像表示デバイスを用いる投射装置であっても同様に適用することが可能である。
(第2の実施形態)
プロジェクタの画像表示方式には、上記した、3原色R,G,Bに対応した3枚の画像表示デバイスを用いて3原色の画像を同時合成して投射する方式と、1枚のみの画像表示デバイスを用いて原色となる各色の画像を時系列に投射する方式とがある。
次に、画像表示デバイスとして1枚のDMDを用いたDLP方式(以下、単板DLP方式)のフロントプロジェクタにおける本発明の適用について説明する。
<構成>
図11に、単板DLP方式のフロントプロジェクタの具体的な構成例を示す。
図11に示す単板DLP方式のフロントプロジェクタ55は、上記第1の実施形態に係るフロントプロジェクタ35が、3枚の透過型の液晶パネル66R、66G、66Bを有する光学ユニット37を備えているのに対して、1枚のDMDパネルを有する光学ユニットを備えている点が異なっている。なお、図10に示すフロントプロジェクタ35と同じ構成要素については、簡単のため、同じ符号で示し、その説明を省略する。
フロントプロジェクタ55の備える光学ユニット56は、光路上に設けられた2つのレンズ57,58と、この2つのレンズ57,58の間に配置されたカラーホイール50と、光路上でのレンズ58を挟んでカラーホイール50とは反対側に配置された画像表示デバイスである1枚のDMDパネル59を有する。カラーホイール50は、例えば図12(a)に示すように、3原色のR,G,Bの3つのフィルタに白色のWフィルタを加えた計4つのセグメントが円周上に均等な角度で分割配置されている。そして、このカラーホイール50が、ビデオ入力信号(図11参照)の周波数の整数倍で高速回転する。なお、本実施形態において、ビデオ入力信号の周波数は60[Hz]である。
<動作>
フロントプロジェクタ55は、ランプユニット27からの光を、レンズ57を介して高速で回転するカラーホイール50を透過させることによって、R,G,B,Wの4色の光を時分割で、DMDパネル59に照射させることができる。また、DMDパネル59は各色に対応したそれぞれの映像信号に従って内蔵のマイクロミラーが反射するよう制御ユニット38によって制御されている。そして、DMDパネル59で反射されたR、G、B、Wの4色の画像の光が、投射レンズ39を介してスクリーン(図示せず)に表示される。各色の画像は時系列に高速で切り替わるため、人間の目には、混合された色としてかつ目的とする投射画像として感知される。
このような単板DLP方式のフロントプロジェクタ55では、光源とするランプが交流点灯型の場合、画像品質の観点からランプユニット27に印加する交流電流の極性反転動作のタイミングをカラーホイール50の回転周期に同期させるのが一般的である。具体的には、ランプからの出射光が、カラーホイール50の色の各セグメントの境界である境界線50a(図12(a)参照)毎に、または複数の境界線50aを透過するタイミング毎に極性反転動作を行う方法がある。これは交流電流の極性反転時にランプの出射光が一瞬落ち込むためにその影響を最小限にすることを目的としている。出射光の落ち込みは、極性反転時に電流値が一旦ゼロまで低下して再び逆極性で立ち上がり、その変化に若干の時間を要するために生じる。従って実際の動作においては、高圧放電ランプ4が始動し、アーク放電が安定したことをランプの電気特性、または始動後の経過時間で検知して、その後高圧放電ランプ点灯装置3が同期信号待ちの状態になり、制御ユニット38から送出された同期信号に高圧放電ランプ点灯装置3が反応して交流電流の極性反転動作を行う。このようにして、交流電流の極性反転動作とカラーホイールの回転周期とのタイミングの一致が図られている。
<交流電流の波形例>
《波形例1》
図13に、各色のセグメントが均等な角度で分割配置されたカラーホイール50を用いた構成において本発明を適用した交流電流の波形例を示す。カラーホイール50におけるB,G,R,Wの各セグメントの角度は全て90度である(図12(a)参照)。このカラーホイール50はビデオ入力信号周波数の3倍の180[Hz]に対応した回転数10800[r.p.m]で回転しており、光源に第1の実施形態と同じ定格電力180[W]の高圧水銀ランプ4を用いている。第1〜第3の値、A〜C期間および所定時間Eは次のように設定されている。
第1の値が45[Hz]であり、B期間の長さが0.5周期であり、その間、カラーホイールは2回転する。
第2の値が360[Hz]であり、C期間の長さが16周期であり、その間、カラーホイールは8回転する。
第3の値が45[Hz]であり、A期間の長さが6.5周期であり、その間、カラーホイールは26回転する。
A期間を繰り返す所定時間Eが、約30[秒]に設定されている。
そして、上記第1の実施形態と同じく、A期間と次のA期間との間には、B期間およびC期間が交互に複数回繰り返され、各A期間の前後には、それぞれC期間が設けられている。また、所定時間Eの間において、各B期間における交流電流の位相が、当該B期間が現れる順に交互に逆位相となるように制御されている。さらに、A期間における交流電流の位相が、当該A期間が現れる順に交互に逆位相となるように制御されている。
このようにすることで、単板DLP方式のフロントプロジェクタ55においても、上記第1の実施形態と同じく各電極19の突起部23における成長および減退のバランスを図ることができるので、当該突起部23を適正に形成、維持することができる。
《波形例2》
投射画像の色再現性を高めるものとして、4色のセグメントの角度を不均等に配置したカラーホイールを用いた構成が知られている。図12(b)に、Rセグメントの角度を大きくし、Wセグメントの角度を小さくしたカラーホイール51を示す。このカラーホイール51を用いた場合には、カラーホイール51を透過して得られる各色の光のうち、R色の光の発生時間が最も長く、W色の光の発生時間が最も短い。このようにR色の光の発生時間を長くして、ランプユニット27から出た光において本来含有比率の少ないR色の利用比率が増加することで投射画像の色再現性を高めることができる。
図14に、各色のセグメントが不均等な角度で分割配置されたカラーホイール51を用いた構成において本発明を適用した交流電流の波形例を示す。ここで、カラーホイール51におけるB,G,R,Wの各セグメントの角度はBセグメントで85度、Gセグメントで95度、Rセグメントで120度、Wセグメントで60度である。カラーホイール51はビデオ入力信号周波数の3倍の180[Hz]に対応した回転数10800[r.p.m]で回転しており、光源には上記第1の実施形態と同じ定格電力180[W]の高圧水銀ランプ4を用いている。
図14に示す波形例と、図13に示す波形例とは、第1および第3の値と、A〜C期間と、所定時間Eとが、同じ設定とされているが、使用するカラーホイールが異なることに加え、C期間に供給される交流電流の周波数の構成が異なっている。
具体的には、図13に示す波形例では、C期間に供給される交流電流が、360[Hz]と1つの周波数で固定されているのに対して、図14に示す波形例では、C期間が、270[Hz]、341[Hz]、381[Hz]、540[Hz]の4種類の0.5周期の周波数で構成されている。したがって、図14に示す波形例における第2の値は、これら4種類の0.5周期の周波数による平均値となる。具体的には、図14に示す波形例のC期間では、Bセグメントに対する381[Hz]の0.5周期と、Gセグメントに対する341[Hz]の0.5周期と、Rセグメントに対する270[Hz]の0.5周期と、Wセグメントに対する540[Hz]の0.5周期である。これらを1サイクルとして、当該サイクルが順次繰り返されている。210[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲から選択された、これら4つの周波数で構成されるC期間の平均周波数は383[Hz]であり、この383[Hz]が第2の値である。なお、上記1サイクルが、カラーホイール51の1回転に対応している。
このような図14に示す波形例は、図13に示す波形例と比べて、R色の発生時間が長くなるので、R色の利用比率が高くなり、投射画像の色再現性を高めることができる。
C期間の平均周波数が300[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲に含まれている限り、本発明の効果を得ることができる。
《波形例3》
また、投射画像の色再現性をさらに高めるものとして、上記と同じく4色のセグメントの回転角度を不均等に配置したカラーホイールを用いることに加えて、色のセグメント毎に透過するランプの光量を変化させる方法が知られている。例えば、Rセグメントを通る光量を増加しWセグメントを通る光量を減少させるようにランプユニット27の出射光量を制御することで、R色の利用比率がさらに増加するので投射画像の色再現性をさらに高めることができる。ランプユニット27の出射光量の制御は、高圧放電ランプ点灯装置3において、その内部のマイコン11が電流の増減の制御を行うことで実現することができる。
図15に、各セグメントが不均等な角度で分割配置されたカラーホイール51を用いた構成と、上記の出射光量制御すなわち電流増減の動作方法を組み合わせる場合において、本発明を適用した交流電流の波形例を示す。
図15に示す波形例と、図14に示す波形例とは、第1〜第3の値、A〜C期間、所定時間Eおよびカラーホイールが同じ設定である。一方、図14に示す波形例では、電流値が各セグメント間で一定となる構成であるのに対して、図15に示す波形例では、カラーホイールの各セグメントを透過する光量を変化させるため、各セグメント間で電流値が異なる構成とされている。
具体的には、図15に示す波形例において、各セグメントに対する電流増減は、図14に示す波形例での電流値を100%とした場合に、BおよびGセグメントで±0%(100%の電流)、Rセグメントで+10%(110%の電流)、Wセグメントで−10%(90%の電流)である。
なお、電流増減の動作方法を組み合わせる場合においては、図15に示すように、A期間、B期間およびC期間において、極性反転の直前に最も電流増加させる色のセグメント(本実施形態ではRセグメント)が来るように、交流電流の極性反転動作とカラーホイール51の回転周期とのタイミングを設定するのが好ましい。そうすることで、電流減少したセグメント(本実施形態ではWセグメント)の期間に生じやすい高圧水銀ランプ4のアークの不安定性を効果的に解消することができる。
《波形例4》
図15に示す波形例では、Rセグメントの電流増加が、あるC期間では、一対の電極19のうち一方の電極のみに偏り、次のC期間では他方の電極19のみに偏っている。C期間が何度も繰り返されるような時間間隔で見た場合には、一対の電極19における電流増加は、両電極に交互に印加されることになるので、各電極19における突起部23の成長および減退のバランスが取られている。しかしながら、C期間を長く設定した場合には、電流増加が一方の電極に印加される期間が長くなるので、当該C期間の間に、電極の突起部23における成長および減退のバランスが崩れる場合がある。
図16には、このようなC期間中のRセグメントの電流増加が一方の電極に偏らないようにするための交流電流の波形例が示されている。
図16に示す波形例と、図15に示す波形例とは、C期間の交流電流における極性反転動作の設定と、周波数の構成と、その平均値である第2の値が異なる。なお、第1および第3の値、AおよびB期間、ならびに所定時間Eは、図15に示す交流電流の波形例と同じ設定とされている。
先ず、極性反転動作の設定の違いについて説明すると、図15に示す波形例では、C期間の交流電流が、カラーホイール51の各セグメントが切り替わるごとに極性反転される構成とされている。一方、図16に示す波形例では、C期間の交流電流が、カラーホイール51のWセグメントからBセグメントに切り替わるタイミングに限り、当該タイミングで「極性反転する」(図16のt2)、「極性反転しない」(図16のt1)が、交互に繰り返される設定である。その他の点については、図15に示す波形例における交流電流の極性反転動作と同じ設定である。こうすることでC期間を長く設定した場合でも、電極の突起部23における成長および減退のバランスが崩れることがない。
次に、交流電流の周波数の構成と、その平均値である第2の値の違いとについて説明すると、図16に示す波形例では、C期間の交流電流が、223[Hz]、270[Hz]、341[Hz]、381[Hz]、540[Hz]の5種類の0.5周期の周波数で構成され、223[Hz]の0.5周期の周波数が含まれている点が、図15に示す波形例と異なっている。具体的には、図16に示す波形例のC期間では、540[Hz]の0.5周期と、381[Hz]の0.5周期と、341[Hz]の0.5周期と、270[Hz]の0.5周期とを1サイクル目として、次に、223[Hz]の0.5周期と、341[Hz]の0.5周期と、270[Hz]の0.5周期とを2サイクル目として当該サイクルが順次繰り返されている。なお、これら各サイクルが、カラーホイール51の1回転に対応している。210[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲から選択された、これら5つの周波数の0.5周期で構成されるC期間の平均周波数は338[Hz]であり、この338[Hz]が第2の値である。C期間の平均周波数が300[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲に含まれている限り、本発明の効果を得ることができる。
なお本実施形態では、各セグメントが不均等な角度で分割配置されたカラーホイール51を用いた構成に電流増減の動作方法を組み合わせる場合を示したが、回転角度が均等なカラーホイール50を用いた構成に電流増減の動作方法を組み合わせても色再現性能の向上、もしくは所望の色再現性能への改善を図ることができる。
また、本実施形態では、色再現性の向上を狙いR色の利用比率を増加するためのカラーホイールの構成ならびに電流増減の方法を示したが、R色のみに限るものではなく他の色の利用比率を増加する場合であっても本発明の適用は同様に可能である。まプロジェクタの性能目的によっては色再現性の向上に加えてスクリーン照度の向上を目的にカラーホイールの構成ならびに電流増減の方法を工夫する場合もあり、そのような場合であっても本発明の適用は同様に可能である。また、カラーホイールのセグメントについて、上記4色に黄色のYフィルタあるいはシアン色のCフィルタを加えた5色または6色セグメント、あるいは3原色のRフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタに、Yフィルタ、Cフィルタ、さらにマゼンタ色のMフィルタを加えた6色セグメントにも本発明の適用は同様に可能である。
<同期方式の具体例>
次に、制御ユニット38から送出される同期信号と、その同期信号に反応して高圧放電ランプ点灯装置3が交流電流の極性反転動作をおこなう同期方式の具体例について説明する。この同期方式として、カラーホイールの1回転毎に同期信号を発生させる第1の同期方式と、カラーホイールの各色セグメントの切り替わり毎に同期信号を発生させる第2の同期方式とがある。以下の具体例では、各セグメントの回転角度が不均等なカラーホイール51、およびセグメント毎に電流増減をする方法を組み合わせた構成を有するプロジェクタを用いている。また、第1〜第3の値、A〜C期間、ならびに所定時間Eは、図15に示す交流電流の波形例と同じ設定のものを用いている。
《第1の同期方式》
まず、第1の同期方式について、図17を用いて説明する。図17には、制御ユニット38により、カラーホイール51のWセグメントの開始のタイミングにあわせて発生された同期信号が示されている。また、説明し易くするため、図17において、同期信号のうち、交流電流の供給におけるB期間を開始するタイミングの同期信号をSY1、C期間を開始するタイミングの同期信号をSY2、およびA期間を開始するタイミングの同期信号をSY3で示している。
第1の同期方式において、高圧放電ランプ点灯装置3は、図17に示す同期信号SY1に反応して内部のマイコン11のプログラムにより、B期間を開始する極性反転動作をおこなう。B期間の間はプログラムに従った電流増減動作をおこなう。本実施形態において、B期間の長さは0.5周期分であるので、この間は極性反転動作がない。カラーホイール51の回転速度と各セグメントの回転角度によって決まる各セグメントにおける光の透過時間があらかじめプログラムされ、電流増減のタイミングは、各セグメントの切り替わりタイミングと一致するように設定されている。次に、高圧放電ランプ点灯装置3は、同期信号SY2に反応してC期間を開始する。C期間の間はプログラムに従った一連の電流増減動作と極性反転動作をおこなう。従ってC期間での極性反転動作は同期信号に反応したものではない。その後、高圧放電ランプ点灯装置3は、再び同期信号SY1に反応してB期間を開始し、上記動作を順次繰り返す。B期間とC期間とをプログラムによって決められた所定回数繰り返した後、同期信号SY3に反応してA期間を開始する。そして、高圧放電ランプ点灯装置3は、再度同期信号SY2に反応してC期間を開始し、上記と同様にB期間とC期間とを繰り返す。また、B期間とC期間とをプログラムによって決められた所定回数繰り返した後、A期間を開始する。以降、これら一連の動作を繰り返す。
なお、本実施形態における第1の同期方式では、同期信号が、制御ユニット38によりWセグメントの開始にあわせて発生される構成を示したが、同期信号が、Wセグメントでなくとも他の色のセグメントの開始にあわせて発生される構成でも構わない。この場合は、高圧放電ランプ点灯装置3におけるマイコン11のプログラムを構成しなおすことで上記と同様の動作を実現できる。
また、本実施形態における第1の同期方式においては、A期間、B期間およびC期間の間では、同期信号に拠らずにあらかじめプログラムされた内容に従って、一連の動作として、電流増減および極性反転が行われているが、各期間の間であっても、毎回の同期信号に反応して電流増減および極性反転の動作が開始しても構わない。この場合においても、マイコン11のプログラムを構成しなおすことで上記と同様の動作を実現できる。なお、図15に示す波形例に限らず、図13、および図14に示す波形例、または、これらと異なる電流増減動作および極性反転動作の交流電流の波形であっても、マイコン11にあらかじめ設定することにより、目的の波形を実現することは可能である。
《第2の同期方式》
次に、第2の同期方式について説明する。図18には、制御ユニット38により、カラーホイール51の各セグメントの開始のタイミングにあわせて発生された同期信号が示されている。また、図18において、図17と同様に、同期信号のうち、交流電流の供給におけるB期間を開始するタイミングの同期信号をSY4、C期間を開始するタイミングの同期信号をSY5、およびA期間を開始するタイミングの同期信号をSY6で示している。
第2の同期方式において、高圧放電ランプ点灯装置3は、図18に示す全ての同期信号に反応して内部のマイコン11のプログラムによってあらかじめ決められた電流増減および極性反転の動作をおこなう。 ここで、高圧放電ランプ点灯装置3は、全ての同期信号に反応して内部のマイコン11のプログラムによってあらかじめ決められた電流増減および極性反転の動作をおこなうものとしたが、上述したカラーホイール51の1回転毎に同期信号が発生する方式の例と同様に、同期信号の一部に対して高圧放電ランプ点灯装置3が反応しない場合があっても構わない。その場合は本実施形態と同様に同期信号がなくともカラーホイール51の回転速度と各セグメントの回転角度によって決まる各セグメントにおける光の透過時間があらかじめプログラムしておくことにより、交流電流の電流増減および極性反転動作のタイミングと、カラーホイール51の各セグメントの切り替わりタイミングを一致するように設定することができる。
以上のように、同期方式の具体例では、カラーホイールの1回転毎に同期信号を発生させる第1の同期方式と、カラーホイールの各セグメントの切り替わり毎に同期信号を発生させる第2の同期方式の2つの方式について示した。なお、本実施形態における同期方式において、カラーホイールの構成、セグメント毎の電流増減の方法、および交流電流の波形を、上記構成に限定するものではない。
上記2つの同期方式のうち、どちらの方式を採用するかは、プロジェクタの仕様および用途に応じて選択すればよいが、第1の同期方式は、第2の同期方式と比べて、以下に述べる利点を有している。1点目の利点は、第1の同期方式は、カラーホイールの1回転毎に同期信号を発生させればよく、カラーホイールの各セグメントの切り替わりにあわせて同期信号を発生させる第2の同期方式と比べて、構成が簡単であるので、使用する部品点数が少なくて製造コストが安くなるということである。
2点目の利点は、近年、単板DLPタイプ特有のカラーブレーキング現象(各色が時系列に切り替わる構造のために生じる、スクリーン上に虹のようなノイズが見えてしまう現象)を軽減するために、カラーホイールの回転数が高速化し、同期信号の発生間隔が狭まる傾向に対するものである。具体的には、カラーホイールの高速回転化に対応するため、制御ユニットにおける同期信号送出回路ならびに高圧放電ランプ点灯装置における同期信号受信回路が信号の送受信精度を上げるには、簡単な構成からなる第1の同期方式の方が、容易かつ低コストで実現できる利点を有している。また、色再現性向上のためにカラーホイールに用いる色の数を増やして、その結果セグメントの数が増加する傾向もあり、カラーホイールのセグメントの数に拠らない第1の同期方式の方が、第2の同期方式と比べて、より製造し易く、低コストとなる。
3点目の利点は、同期信号の送受信回路が複雑になれば、そこで部品の劣化や異常また外乱等によって引き起こされる誤作動の確率が上がるために、高圧放電ランプ点灯装置の交流電流の極性反転動作ならびに電流増減動作に異常をきたす確率が上がるが、第1の同期方式では、第2の同期方式と比べて、当該送受信回路の構成が簡単な分、上記電流増減動作の異常の発生を抑えることができることである。
<リアプロジェクタ>
上記第1および第2の実施形態である高圧放電ランプ装置1は、図19に示す投射型画像表示装置の一例であるリアプロジェクタ42の光源としても用いることができる。リアプロジェクタ42は、ランプユニット27、光学ユニット、投射レンズ、ミラーおよび高圧放電ランプ点灯装置(いずれも図示せず)等が筐体43内に収納された構成を有している。投射レンズから投射されミラーで反射された画像が、透過式スクリーン44の裏側から投影されて画像表示される。
以上、本発明に係る高圧放電ランプ点灯装置、それを用いた高圧放電ランプ装置、その高圧放電ランプ装置を用いたプロジェクタ、および高圧放電ランプの点灯方法について、実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られない。
例えば、以下のような変形例が考えられる。
<変形例>
(1)上記実施形態では、所定時間Eの間において、B期間とC期間とを交互に繰り返して、交流電流の周波数を2つの値に交互に切り替える構成が示されているが、当該周波数の交互の切り替えを、例えば第4の値や第5の値などを加えて、3つ以上の値で交互に切り替える構成としてもよい。もっとも、この場合には、C期間の長さが0.5周期の奇数倍であってもよい。B期間における交流電流の位相が、その前のB期間における交流電流の位相に対して逆位相となる限り、C期間、第4の値の交流電流を供給する期間および第5の値の交流電流を供給する期間における各期間の長さ(各期間の長さとなる周期の設定)を互いに調整することができる。
(2)上記実施形態では、各A期間の前後にC期間を設けるように制御する構成が示されているが、これに限らず、各A期間の前後のうち少なくとも一方をB期間とするように制御する構成としても良い。
(3)上記各実施形態では、高圧水銀ランプとして定格電力180[W]の高圧水銀ランプ4を用いた場合について説明したが、これに限らず定格電力が例えば80[W]以上1000[W]以下の範囲内の高圧水銀ランプを用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。その場合、定電流制御時のランプ電流の値は3[A]に限定されるものではなく、高圧水銀ランプの設計の応じて種々に決定される。また定電力制御に移行するときのランプ電圧は上記したように60[V]ではなく、その種々の定電流制御時のランプ電流と定電力の値に応じて決定される。
(4)上記各実施形態では、高圧放電ランプとして具体的に高圧水銀ランプ4を用いた場合について説明したが、これに限らず公知のショートアーク型のメタルハライドランプ等を用いた場合でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
(5)近時、この種の高圧放電ランプ装置1には、使用する空間の大きさ等に応じて段階的にランプ電力を切り替える調光機能が付与されているものがある。つまり、通常モードではランプ電力を定格電力(例えば180[W])に一定にして定電力制御を行うが、調光モードではランプ電力を切り替えて例えば100[W]に一定にして定電力制御を行うというものである。各実施形態にかかる高圧放電ランプ装置1がこのように調光機能を有する場合、上記した「定電力」とは通常モードに設定されているときはその通常モードの定電力を、調光モードに設定されているときはその調光モードの定電力をそれぞれ示す。
本発明は、プロジェクタ等に広く利用することができる。
1 高圧放電ランプ装置
2 DC電源回路
3 高圧放電ランプ点灯装置
4 高圧水銀ランプ
5 DC/DCコンバータ
6 DC/ACインバータ
7 高電圧発生部
8 ランプ電流検出部
9 ランプ電圧検出部
10 制御回路
11 マイコン
12 PWM制御回路
13 点灯判別回路
14 タイマー
16 発光部
18 放電空間
19 電極
20 電極棒
21 電極コイル
22 先端部
23 突起部
26 反射鏡
27 ランプユニット
28 反射面
35 フロントプロジェクタ
42 リアプロジェクタ
50 カラーホイール
50a 境界線
51 カラーホイール
55 フロントプロジェクタ
56 光学ユニット
57,58 レンズ
59 DMDパネル
65 ミラー群
66 液晶パネル
70 プリズム
E 所定時間(所定の時間間隔)
L 電極間距離

Claims (17)

  1. 内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されてなる一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して交流電流を供給して点灯させる高圧放電ランプ点灯装置であって、
    前記高圧放電ランプに供給する交流電流の周波数を、第1の値と、この第1の値より高い第2の値と、前記第1の値以下の第3の値とに切り替える周波数切替回路と、この周波数切替回路を制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、
    前記第3の値の交流電流を供給するA期間を、所定の時間間隔で繰り返すとともに、
    前記所定の時間間隔の間に、前記第1の値の交流電流を供給するB期間と、前記第2の値の交流電流を供給するC期間とを交互に複数回繰り返し、
    前記A期間の長さを、前記B期間よりも長く、かつ前記第3の値の交流電流の5.5周期以上50周期以下の所定の周期とするように、前記周波数切替回路を制御する
    ことを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
  2. 前記制御回路は、前記所定の時間間隔の間において、
    前記A期間の後を前記C期間とし、その後、前記B期間と、前記C期間とを交互に繰り返し、最後を前記C期間とするように、前記周波数切替回路を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  3. 前記第1の値が、20[Hz]以上200[Hz]以下の範囲である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  4. 前記B期間の長さが、前記第1の値の交流電流の0.5周期以上10周期以下の所定の周期である
    ことを特徴とする請求項3に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  5. 前記第2の値が、300[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  6. 前記第2の値が、210[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲から選択される複数の0.5周期の周波数の平均値であり、かつその平均値が、300[Hz]以上1000[Hz]以下の範囲である請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  7. 前記C期間の長さが、前記第2の値の交流電流の2周期以上200周期以下の所定の周期である
    ことを特徴とする請求項5に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  8. 前記第3の値が、15[Hz]以上150[Hz]以下の範囲である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  9. 前記A期間を繰り返す前記所定の時間間隔が、1[秒]以上300[秒]以下の範囲である
    ことを特徴とする請求項8に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  10. 前記制御回路が、前記所定の時間間隔の間に前記B期間を複数回繰り返すとともに、この複数の前記B期間における交流電流の位相を、前記B期間が現れる順に交互に逆位相となるように、前記周波数切替回路を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  11. 前記制御回路が、前記A期間における交流電流の位相を、前記A期間が現れる順に交互に逆位相となるように、前記周波数切替回路を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  12. 内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されてなる一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプと、
    この高圧放電ランプを点灯させる請求項1に記載された高圧放電ランプ点灯装置と、
    を備えたことを特徴とする高圧放電ランプ装置。
  13. 請求項12に記載された高圧放電ランプ装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
  14. 内部に、ハロゲン物質が封入され、かつ先端部に突起部が形成されてなる一対の電極が対向配置されている発光管を有する高圧放電ランプに対して交流電流を供給して点灯させる高圧放電ランプの点灯方法であって、
    前記交流電流の周波数を、第1の値と、この第1の値より高い第2の値と、前記第1の値以下の第3の値とに切り替えるに際し、
    前記周波数を、前記第3の値に所定の時間間隔で切り替えて、前記第3の値の交流電流を供給するA期間を前記所定の時間間隔で繰り返すとともに、
    前記所定の時間間隔の間に、前記第1の値と、前記第2の値とを交互に切り替えて、前記第1の値の交流電流を供給するB期間と、前記第2の値の交流電流を供給するC期間とを交互に複数回繰り返し、
    前記A期間の長さを、前記B期間よりも長く、かつ前記第3の値の交流電流の5.5周期以上50周期以下の所定の周期とする
    ことを特徴とする高圧放電ランプの点灯方法。
  15. 前記所定の時間間隔の間において、
    前記A期間の後を前記C期間とし、その後、前記B期間と、前記C期間とを交互に繰り返し、最後を前記C期間とする
    ことを特徴とする請求項14に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
  16. 前記所定の時間間隔の間において、前記B期間を複数回繰り返し、さらにこの複数の前記B期間における交流電流の位相を、前記B期間が現れる順に交互に逆位相とする
    ことを特徴とする請求項14に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
  17. 前記A期間における交流電流の位相を、前記A期間が現れる順に交互に逆位相とする
    ことを特徴とする請求項14に記載の高圧放電ランプの点灯方法。
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