JPWO2004062384A1 - O/w型乳化物及びこれを用いた食品の製造法 - Google Patents

O/w型乳化物及びこれを用いた食品の製造法 Download PDF

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Abstract

本発明は、比較的平易な方法により乳味・コク味と物性、口融けの良さと耐熱保形性・離水耐性といった、相反する機能を両立させた起泡性クリームを得ることを目的とする。本発明者らは起泡性クリームに添加して用いることにより乳味、コク味がアップし、かつ口融けの良さと耐熱保形性、離水耐性を両立させた起泡性クリームを得ることが可能な起泡性クリーム用O/W型乳化物(本文中ではこれを「低水分乳化物」と称す)を開発するに至った。

Description

本発明は、水性組成物と混合してまたは単独で、起泡や改質させることの出来るO/W型乳化物及び起泡済油脂組成物の製造法に関するものである。
生クリームは、乳味、コク味といった呈味性の点で優れているが、起泡性油脂組成物(以下単に起泡性クリームということがある)としては組成や物性といった品質上の振れが大きく、不安定で作業性が悪く、コストも低廉でなかった。その欠点を克服する為、植物性油脂を使用して物性の安定した起泡性クリームを製造するようになったが、乳脂肪からくる乳味・コク味が少なくなるため、風味が弱くなりがちであった。そしてこの弱くなった風味を乳固形分等で補おうとして固形分を増量すると増粘し、起泡性クリームがボテ易いという問題がある。また上記物性の安定した起泡性クリームはその目的に応じ、ある特定の機能を特化させたタイプのものが検討され、その機能のなかでも、口融けの良さと耐熱(常温ないし若干の加温状態における)保形性・耐熱(前記に同じ)離水安定性は相反する性能であり両立させるには限界があった。すなわち口融けを重視した商品設計を行うと耐熱保形性・耐熱離水安定性が犠牲になり、逆に耐熱保形性・耐熱離水安定性を重視した商品設計を行うと口融けを犠牲にせざるを得なかった。
起泡性クリームのこれら相反する機能の両立には様々な手法が検討されてきており、生クリームと植物性クリームを混ぜて使用することがしばしば行われる(参考文献:野口洋介 著「牛乳・乳製品の知識」株式会社幸書房発行、1998年1月30日、p.64−67)が、これはそれぞれの欠点を補い合うことはできるが、コク味・風味も物性も、そしてコストも、生クリームと植物性クリームの中間程度に留まっていた。
また、上記以外に、テンパリング処理を施したテンパリング型チョコレートを20〜35℃で混合することで高温保型性と口融けと風味を両立させた油中水乳化型クリームが提案(特開平9−019266号公報)されている。しかし、この場合は油中水型であるうえ、テンパリング型チョコレートのテンパリング処理が必要である。他にもチョコレートと水性組成物とを重合度2〜15のポリグリセリンと炭素原子数が主として20〜26の脂肪酸残基からなる親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルの存在下で油中水型に乳化することで、安定した乳化状態を保ち、風味、口融けが良い含水チョコレート類の技術(特開平9−140332号公報)が考案されている。この場合も油中水型の乳化物であり、乳化剤の添加が必要である。
水中油型でということになると、単糖類および/または単糖類の糖アルコール、二糖類および/または二糖類の糖アルコール、三糖以上の鎖長を有するオリゴ糖および/またはオリゴ糖の糖アルコールの割合を特定範囲に規制すること、もしくはソルビトールまたはマルトースの含有量が、糖および/または糖アルコールの全量中の特定範囲に規制し、またその糖および/または糖アルコール量を固形分として水相中に特定量含ませることで保型性・離水耐性・組織の安定性に優れ、良好な食感を維持できる起泡性水中油型乳化物及びホイップドクリームが考案(特開平10−179070号公報)されている。しかし、糖や糖アルコールの量に制限があり、その機能も乳味感やコク味の付与等に関してはカバーされていない。
ほかにも所定の量にカゼイネートと卵黄油、無脂乳固形分を含む水中油型乳化物と、乳脂含有乳化物を混合する事によって、安定剤を不使用の良好な風味とコク味、キメとみずみずしい食感を有する水中油型乳化物が考案(特開平11−056281号公報)されている。
この技術にしてもカゼイネートと卵黄油といったものが必要な上、耐熱保形性、離水耐性といった点についてはカバーされていない。
他にも様々な手法が検討されてきたが、比較的平易な方法により乳味・コク味と物性、口融けの良さと耐熱保形性・離水耐性といった、相反する機能を両立させた起泡性クリームを得ることは困難であった。
本発明は、起泡性クリーム用O/W型乳化物を水性組成物に加えることで乳味、コク味といった呈味性がアップ、または損なうことなく、かつ固形分量を加えても増粘やボテの問題の少ない、さらに好適には油脂の選択により口融けの良さと耐熱保形性、離水耐性を両立させた起泡性クリームを得ること、さらには、単独でも起泡性を有する起泡性クリーム用O/W型乳化物を得ることである。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
即ち、
(1)油分が10〜50重量%、水分が10〜50重量%、無脂固形分が10〜70重量%であることを特徴とするO/W型乳化物。
(2)全無脂固形分に対する無脂乳固形分または無脂カカオ固形分の割合が5〜50重量%である(1)記載のO/W型乳化物。
(3)油分中の油脂がハードバターまたはSUS(S:飽和脂肪酸、U:トランス体を含まない不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドを含むことを特徴とする(1)記載のO/W型乳化物。
(4)水性組成物添加用である(1)記載のO/W型乳化物。
(5)水性組成物が乳製品である(4)記載のO/W型乳化物
(6)水性組成物が起泡性油脂組成物である(4)記載のO/W型乳化物。
(7)起泡させて使用することを特徴とする(1)記載のO/W型乳化物。
(8)水性組成物に(1)記載のO/W型乳化物を添加することを特徴とする、希釈されたO/W型乳化物の製造法。
(9)水性組成物が乳製品である(8)記載の希釈されたO/W型乳化物の製造法。
(10)水性組成物が起泡性油脂組成物である(8)記載の希釈されたO/W型乳化物の製造法。
(11)水性組成物に(1)記載のO/W型乳化物を添加して、起泡させることを特徴とする、起泡済油脂組成物の製造法。
(12)(1)記載のO/W型乳化物を起泡させて使用することを特徴とする起泡済油脂組成物の製造法である。
以下、本発明について詳細に説明するが、上記「O/W型乳化物」を、起泡性油脂組成物や起泡済油脂組成物等と混同が生じないよう、「低水分乳化物」ということがある。また前述のように起泡性油脂組成物を単に起泡性クリームということがある。
本発明の低水分乳化物は、起泡性油脂組成物に比べて低水分(50%以下)の乳化物であることによって、起泡性クリームの起泡性を阻害することが少なく、起泡性クリーム中の固形分を高めるように作用しても、増粘やボテの難点を緩和できる。
ただし低水分乳化物の油分が10%未満であると低水分乳化物を添加した起泡性クリームのホイップ性を低下させ、ホイップ後のクリームの保形性が弱くなり、50%を超えると低水分乳化物の乳化が不安定になり、安定的生産に支障をきたす。好ましくは15%以上、40%以下が望ましい。
本発明の低水分乳化物中の油脂については特に制限はなく、低水分であることと相俟って、油脂の種類に関係なく呈味性アップ効果を得ることができる。
ただし、さらに口融けの良さと耐熱保形性、離水耐性をより強く付与するためには、油分中の油脂がハードバターであることが望ましい。
ハードバターの一般的性質は常温より昇温すると体温付近の温度帯にいたるまでに比較的急激に固体脂含有率を低下させる油脂でチョコレート類製造に用いられる油脂である。
また、さらに起泡する機能をより強く付与するためには、油分中の油脂がSUS(S:飽和脂肪酸、U:トランス体を含まない不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドを含んでいるのがより好ましい。上記SUS(最適にはSOS;Oはオレイン酸)の好適な含有量は、その量が増えるにつれ、上記口融けの良さと耐熱保形性、離水耐性、起泡性へ付与される機能も向上するため、好ましくは油分中45%以上、更に好ましくは70%以上含有していることが望ましい。
上記SUSで表されるトリグリセリドを多く含む油脂としては、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、パーム油及びこれらの分別油等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。また、グリセリドの1,3位を選択的なエステル交換を行い必要な場合には中融点画分を分取することによってSUSで表されるトリグリセリドを多く含む油脂を製造し用いることもできる。
本発明の低水分乳化物の水分が10%未満であると低水分乳化物が増粘して、安定的生産に支障をきたす。50%を超えると、低水分乳化物の乳化が不安定になり安定的生産に支障をきたし、また低水分乳化物を添加してホイップした後の起泡性クリームの作業性、耐熱保形性、離水耐性が弱くなる。10−40%の範囲において最適に用いることができる。
低水分乳化物に含有される水分の由来は特に規定はなく、乳固形分を含む乳製品由来の水分であってもよいし、乳固形分を水に溶解もしくは分散させた場合には溶媒もしくは分散媒の水分でも良い。このほか果汁、ジャム、各種フルーツ類、餡類、チーズ類、ナッツ類、天然蜂蜜、コーヒー、紅茶などの含水食品を一種または二種以上を併用して使用する事もできる。ただ、前述のコク味や耐熱保形性等といった呈味機能を発現させるには問題がないのだが、外観的な問題としては低水分乳化物を起泡性クリームと混合した時に外観的同質感を損なうような含水食品の使用はあまり好ましくない。
また、低水分乳化物の無脂固形分が10%以下であると、起泡性クリームへの乳味、コク味付与効果を発揮しがたく、70重量%以上であると低水分乳化物の粘度が上がり、安定的生産に支障をきたす。最適には低水分乳化物の無脂固形分が20−60%の範囲で用いることができる。
上記無脂固形分としては、無脂乳固形分、無脂カカオ固形分、糖類が挙げられる。無脂乳固形分は起泡性クリームへの乳味感、コク味を付与し、無脂カカオ固形分はチョコレート風味やコク味を付与する。
上記無脂乳固形分や無脂カカオ固形分の含有量は、全無脂固形分中、5〜50重量%を占めるのがよい。
上記無脂乳固形分としては、生クリーム、牛乳、濃縮乳、脱脂乳、加糖練乳、無糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルク、バターミルクパウダー、ホエー、ホエーパウダー、カゼイン、カゼインナトリウム、ラクトアルブミン等に含まれる乳由来の無脂固形分が例示でき、単独又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記無脂カカオ固形分とは、カカオ豆由来の固形分のうちココアバターを除いた部分であり、無脂カカオ分源としては、カカオマス、ココアパウダー及びこれらを原料とする各種チョコレート、並びにその他の加工品が例示できる。
上記糖類としては特に限定されないが、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、糖アルコール等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
さらに、本発明の低水分乳化物は、好ましくは安定剤を含み、その安定剤には起泡性油脂組成物製造用の公知の原料を用いることができ、リン酸塩(ヘキサメタリン酸、第2リン酸、第1リン酸)、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉、化工澱粉、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等の安定剤が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記安定剤の含有量は、本発明の低水分乳化物中、好ましくは0〜2.0重量%、さらに好ましくは0.01〜1.0重量%である。
また低水分乳化物には乳化剤を用いることができる。乳化剤の種類は油脂、水分、無脂固形分を安定に保つものであれば特に限定されないが、例えばレシチン、フォスファチジルコリンなどのリン脂質、モノグリセリドやジグリセリドといったグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルなどの有機酸部分グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられ、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。ただし乳化剤のHLBは概して、1〜10、さらに好ましくは2〜7がよく、乳化剤の含有量は、本発明の低水分乳化物中、0.01〜2重量%、さらに好ましくは0.5〜1重量%である。
低水分乳化物にはその他必要により着香料、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等を含有させても良い。以上に示された、低水分乳化物の油分、水分、無脂固形分の配合量の関係は、公知の起泡性クリームに比べて低水分であり、練乳に比べて高油分であるが、その調製法の主なものを次ぎに例示する。
すなわち本発明の低水分乳化物の調製法の第一は、上記無脂固形分と上記油脂の一部または全部から一旦チョコレートの製造法に準じた製法によりチョコレート乃至チョコレート様食品の粉末またはそれらの溶融した生地を得、次いで上記無脂固形分や油脂を含んでもよい水性組成物を加えて乳化する方法が挙げられる。チョコレート様食品の製造に際しては通常のチョコレートの製造法を大きく逸脱しない限り特に制限はなく、ロールにより微細化の後、コンチングを行うことができる。
あるいは別の調製方法として、上記無脂固形分と上記油脂それぞれを、水性組成物とを混合した後、30〜70℃に加温する、あるいはどちらか一方または両方を30〜70℃に加温しておいてから混合し、手で攪拌するような緩やかな攪拌方式、あるいは強力な剪断力を加えることのできる高速攪拌方式、例えばホモミキサー等のいずれの方式でも製造することができる。乳化は場合によっては均質化(5〜150kg/cm2)処理を行ってもよい。
上記乳化処理した低水分乳化物は冷却して製造される。乳化工程あるいは均質化処理の前後で殺菌または滅菌してもよいが、従来のUHT処理を行うクリーム製造ラインでは製造可能な粘度幅が狭く、粘度が上がる要因となりうるので、低温殺菌が推奨される。
また、解乳化しやすくボテ現象の起こりやすいSUS型トリグリセリドを配合しても上記の工程に準じて製造するときは、調製が可能である。
次に、本発明の低水分乳化物添加する対象である水性組成物について説明する。
上記のようにして得られた低水分乳化物は、水性組成物添加用、とりわけ起泡性油脂組成物(起泡性クリーム)改質用として好適に使用でき、起泡済油脂組成物を製造することができる。
本発明でいうところの水性組成物は生クリームや植物性クリームの各種市販製品といった起泡性油脂組成物にかぎらず、牛乳や濃縮乳、チーズ類といった起泡力をもたない乳製品、さらには豆乳、ナッツ類ペーストなどのようなO/W型乳化物、さらには乳化物ですらないジャム、各種フルーツ類、餡類、天然蜂蜜、コーヒー、紅茶などの含水食品そして水を一種または二種以上を併用して使用する事もでき、特に限定はされず、その製造法は周知慣用の技術や、公知の技術を採用できる。
本来起泡力をもたない乳製品やO/W型乳化物、さらには含水食品そして水などは、低水分乳化物を混合のみの状態ではコク味を付与することが出来、攪拌により起泡させることも可能である。
コク味や乳味に乏しい起泡性油脂組成物に加える場合はコク味や乳味が向上し、口融けは良いが耐熱保形性、離水耐性が弱い、あるいはその逆の物性の起泡性油脂組成物に加えると、その長所を損なうことなく、短所の機能を補うことができる。
ただし、上記、低水分乳化物中の油脂についての部分でも記載したが、口融けの良さと耐熱保形性、離水耐性をより強く付与するためには、油分中の油脂がハードバターであることが、さらに、起泡する機能をより強く付与するためには、油分中の油脂がSUSで表されるトリグリセリドを含んでいるのがより好ましい。
本発明の低水分乳化物の、起泡済クリーム中の含有量は、5重量%以上、さらに好ましくは10〜50重量%が適当であり、含有量が少ないと起泡性クリームを改質する効果に乏しい。
起泡性クリームに低水分乳化物を添加するタイミングはホイップの前、途中、のいずれでもよいがホイップ後であるよりは、ホイップ前や途中に加える方がよい。
また、低水分乳化物は単独でも起泡が可能である。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
全脂粉乳、砂糖、植物性油脂としてはテンパータイプハードバター(製品名「メラノNEWSS−5」不二製油株式会社製)レシチンを表1に従い配合、チョコレート製造の定法に従いホワイトチョコレート様食品を製造し、次いで30℃に加温した3倍濃縮乳タイプ食品(製品名「プロベスト400F」、不二製油株式会社製)、水、乳化剤(製品名「リョートーシュガーエステルS−570」、三菱化学フーズ株式会社製。HLB5)に、上記操作にて得られたチョコレート様食品を粉砕したものと麦芽糖(製品名「サンマルトシロ」株式会社林原製)を表1の配合量に従って加え混合した。
この混合物を、加温しながらホモミキサー(「T.K.ホモディスパー」特殊機化工業株式会社製)3000rpmにて攪拌を行い、65℃30分保持後、冷却して油分25.6重量%、無脂固形分51.1重量%(無脂乳固形は16.5%)、水分23.3重量%の低水分乳化物を得た。
このようにして得た低水分乳化物と、市販起泡性クリーム(製品名「ライトトッピングSV」、不二製油株式会社製)を20:80の割合で混合し、縦型ミキサー(「ホバートミキサーN−50」 ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
上記の起泡性リームは機能を重視した局面で一般的に用いられるタイプで、植物性油脂主体で構成されており、乳味、コク味はやや劣るものの作業性が良い。以下、「起泡性クリーム(機能重視タイプ)」と称することがある。
比較例1
低水分乳化物は加えず、上記起泡性クリーム(機能性重視タイプ)のみ100重量%を縦型ミキサーにて起泡させた。
比較例2
上記植物性油脂からなる起泡性クリーム(機能性重視タイプ):生クリーム(製品名「ハイフレッシュNM」、不二製油製)を50:50の割合で混合し、縦型ミキサーを使用して起泡させた。
比較例3
生クリーム100重量%を縦型ミキサーにて起泡させた。
Figure 2004062384
このようにして得られた各該起泡済組成物の製造について下記のような評価方法にて、作業性、耐熱保形性、耐熱離水耐性、乳味、コク味、口融けの評価を行い、結果を表2に示した。
Figure 2004062384
Figure 2004062384
※ 評価方法
・作業性:ホイップしている時のナッペ、絞りのできる状態が持続する長さ、さらにホイップ終了後にナッペ、絞りのできるような柔らかい状態を保持している長さ。
・耐熱保形性:起泡済みクリームを絞り袋で造花したものを20℃の恒温槽中で20時間放置した場合の保形性の程度。
・耐熱離水耐性:起泡済みクリームを絞り袋で造花したものを20℃の恒温槽中で20時間放置した場合の離水の程度。
・乳味:起泡済みクリームを口に含んだときの乳味やコク味の感じやすさ。
・口融け:起泡済みクリームを口に含んだときの融け易さ。
評価は1〜5の5段階評価とし、作業性・耐熱保形性・耐熱離水耐性・乳味・コク味については5:良〜1:悪で2以下は商品価値なしとする。
各起泡済クリームの製造コストは、比較例3が最も高く、次いで比較例2のものが、実施例1や比較例1の製品に比べて高かった。
表2の実施例1と比較例1からわかるように、作業性を重視した起泡性クリームは本来、乳味・コク味の弱いものであるが、本例の低水分乳化物を添加することで乳味、コク味を付与し、さらには保形性も向上した。
また、比較例2のように起泡性クリームと生クリームを混合して用いることで、作業性向上させ、生クリームの風味をある程度維持し、保形性も良好なものとすることが可能であるが、本発明の低水分乳化物を使用することで同等以上の効果が得られ、さらにコストメリットがある起泡済みクリームを得ることができた。
脱脂粉乳、砂糖、植物性油脂としてはココアバター、レシチンを表3に従い配合、定法に従いチョコレート様食品を製造し、次いで30℃に加温した水、還元水飴(製品名:「アマミール」東和化成工業株式会社製)、乳化剤(製品名「リョートーシュガーエステルS−570」、三菱化学フーズ株式会社製)に、上記操作にて得られたチョコレート様食品とココアバター(製品名:ココアバター、不二製油株式会社製)を粉砕したものを表3の配合量に従って加え混合した。
上記混合物を、加温しながらホモミキサー(「T.K.ホモディスパー」特殊機化工業株式会社製)3000rpmにて攪拌を行い、65℃30分保持後、冷却して油分45.0重量%、無脂固形分46.2重量%(無脂乳固形8.4%)、水分18.8重量%の低水分乳化物を得た。
このようにして得た低水分乳化物と、植物性油脂からなる起泡性クリーム(商品名「Mホイップ400」、不二製油株式会社製)を30:70の割合で混合し、縦型ミキサー(「ホバートミキサーN−50」ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
上記の起泡性クリームは風味を重視した局面で用いられるタイプで、保形性・離水耐性がやや劣るものの乳味、コク味は良い。以下、「起泡性クリーム(風味重視タイプ)」と称することがある。
比較例4
低水分乳化物は加えず、上記起泡性クリーム(風味重視タイプ)のみ100重量%を、縦型ミキサーを使用して起泡させた。
比較例5
低水分乳化物は加えず、起泡性クリーム(商品名「Mホイップ1200」、不二製油株式会社製)のみ100重量%を、縦型ミキサーを使用して起泡させた。
上記の起泡性クリームは保形性を重視した局面で用いられるタイプで、乳味・コク味の点でやや劣るものの保形性は良い。以下、「起泡性クリーム(保形性重視タイプ)」と称することがある。
Figure 2004062384
Figure 2004062384
このようにして得られた各該起泡済クリームについて実施例1と同様な評価方法にて、製造過程の作業性、製品の耐熱保形性、耐熱離水耐性、乳味、コク味、口融け、コストの評価を行い、結果を表4に示した。
Figure 2004062384
Figure 2004062384
各起泡済クリームの製造コストは、比較例5の製品が実施例2や比較例4の製品に比べて高かった。
表4の実施例2と比較例4からわかるように、乳味やコク味といった風味を重視した起泡性クリームは本来、保形性・離水耐性の弱いものであるが、本発明の低水分乳化物を使用することで、風味は風味重視タイプの起泡性クリームと同等以上の、そして保形性は保形性重視タイプの起泡性クリームと同等の機能を有し、かつ、口融けの良い起泡性クリームを得ることができた。
油脂、無脂固形分からチョコレート様食品を製造する過程を経ずに、低水分乳化物を得る例を示す。
全脂粉乳、砂糖、植物性油脂としてはテンパータイプハードバター(製品名「メラノNEWSS−7」不二製油株式会社製)を表5に従い配合、30℃に加温した水、果糖ブドウ糖液糖(製品名:「ハイフラクトM75」、日本コーンスターチ株式会社製)、3倍濃縮乳タイプ食品(製品名:「プロベスト400F」、不二製油株式会社製)、乳化剤(製品名:「リョートーシュガーエステルS−570」、三菱化学フーズ株式会社製)に、全脂粉乳(よつ葉乳業株式会社製)、砂糖、植物性油脂(ハードバター製品名:「メラノNEWSS−7」、不二製油株式会社製。SUS含量79.2%)を混合する。
上記混合物を、加温しながらホモミキサー(「T.K.ホモディスパー」特殊機化工業株式会社製)3000rpmにて攪拌を行い、65℃30分保持後、冷却して油分35.7重量%、無脂固形分45.5重量%(無脂乳固形10.3%)、水分18.8重量%の低水分乳化物を得た。このようにして得た低水分乳化物と、起泡性クリーム(製品名「Mホイップ950」、不二製油株式会社製)を20:80の割合で混合し、縦型ミキサー(「ホバートミキサーN−50」ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
上記の起泡性クリームは口融けを重視した局面で用いられるタイプで、植物性油脂主体で構成されており、保形性・離水耐性はやや劣るものの、冷感のある口融けを有する。以下、「起泡性クリーム(口融け重視タイプ)」と称する。
比較例6
チョコレート様食品は加えず、上記起泡性クリーム(口融け重視タイプ)のみ100重量%を、縦型ミキサーを使用して起泡させた。
比較例7
チョコレート様食品は加えず、比較例5で使用した起泡性クリーム(製品名「Mホイップ370」不二製油株式会社製)のみ100重量%を縦型ミキサーにて起泡させた。
上記の起泡性クリームは耐熱保形性、耐熱離水耐性を重視した局面で用いられるタイプで、乳味・コク味の点でやや劣るものの耐熱保形性、耐熱離水耐性は良い。以下、起泡性クリーム(耐熱離水耐性重視タイプ)と称する。
Figure 2004062384
このようにして得られた各該起泡性クリームについて実施例1と同様な評価方法にて、作業性、耐熱保形性、耐熱離水耐性、乳味、コク味、口融け、コストの評価を行い、結果を表6に示した。
Figure 2004062384
各起泡済クリームの製造コストは、比較例7の製品が実施例3や比較例6の製品に比べて高かった。
表6の実施例3と比較例6からわかるように、口融けを重視した起泡性クリームは本来、保形性・離水耐性の弱いものであるが、本発明の低水分乳化物を使用することで、口融けは口融け重視タイプの起泡性クリームと同等の、そして保形性・離水耐性は保形性重視タイプの起泡性クリームと同等の機能を有し、かつ、乳味・コク味といった風味の良い起泡性クリームを得ることができた。
全脂粉乳、砂糖を表7に従い配合、定法に従いチョコレート様食品を製造する。使用する油脂は硬化によりトランス体を多く含む(炭素数18、二重結合数1の脂肪酸のうちでトランス体が85%以上)植物性油脂(製品名「メラノH1000S」、不二製油製ハードバター)をもちいる。
次いで30℃に加温した水、3倍濃縮乳(製品名「プロベスト400F」、不二製油株式会社製)、還元水飴(製品名:「アマミール」東和化成工業株式会社製)、乳化剤に、上記操作にて得られたチョコレート様食品を粉砕したものを表1の配合量に従って加え混合する。
上記混合物を、加温しながらホモミキサー(「T.K.ホモディスパー」特殊機化工業株式会社製)3000rpmにて攪拌を行い、65℃30分保持後、冷却して油分27.7重量%、固形分48.0重量%(無脂乳固形11.0%)、水分24.3重量%の低水分乳化物を得た。
このようにして得た低水分乳化物と、植物性油脂からなる起泡性クリーム(製品名「レジェール20」不二製油製)を80:20の割合で混合し、縦型ミキサー(「ホバートミキサーN−50」ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
上記の起泡性クリームは一般的なコンパウンドタイプ(植物性油脂を加えたクリームのこと)の起泡性クリームで、乳脂肪20%を含み、作業性、保形性ともに平均的で、乳味、コク味はやや劣るものの、口融けは比較的良い。以下、「起泡性クリーム(中乳脂コンパウンドタイプ)」と称する。
実施例4中のチョコレート様食品で使用した植物性油脂をSUSを多く含むタイプのもの(製品名:「メラノNEWSS7」、不二製油株式会社製)に置き換えた以外、同じ操作でチョコレート様食品を作製し、同じ操作で起泡させた製品を得た。
実施例4中のチョコレート様食品で使用した植物性油脂を、SUSを比較的多く含むが融点が実施例5で使用したものよりやや低いタイプのもの(製品名:「メルバ26」、不二製油株式会社製)に置き換えた以外、同じ操作でチョコレート様食品を作製し、同じ操作で起泡させた製品を得た。
比較例8
低水分乳化物は加えず、植物性油脂からなる起泡性クリーム(製品名:「レジェール20」不二製油株式会社製)のみ100重量%を縦型ミキサーにて起泡させた。
Figure 2004062384
Figure 2004062384
このようにして得られた各該起泡性クリームについて実施例1と同様な評価方法にて、作業性、耐熱保形性、耐熱離水耐性、乳味、コク味、口融けの評価を行い、結果を表8に示した。
Figure 2004062384
Figure 2004062384
表8からわかるように、チョコレート用食品でSUSを多く含む植物性油脂を使用した実施例5、トランス体を多く含む植物性油脂を使用した実施例4、SUSを比較的多く含むが融点は実施例5で使用したものよりやや低い植物性油脂を使用した実施例6は起泡性クリーム(中乳脂コンパウンドタイプ)単独で用いた比較例8より、耐熱保形性耐熱・離水耐性・乳味・コク味・口融けはすべて同等以上である。
カカオマス、ココアパウダー、ココアバター、砂糖、レシチン、バニリンを表9に従い配合、表9の配合にて、定法に従いチョコレートを製造する。次いで30℃に加温した生クリーム(製品名:ハイフレッシュNM、不二製油株式会社製)、水、加糖ブドウ糖液糖(製品名:ハイフラクトM−75、日本コーンスターチ株式会社)、乳化剤(製品名:リョートーシュガーエステルS−570、三菱化学フーズ株式会社製)に、上記操作にて得られたチョコレートを粉砕したものと麦芽糖(製品名:サンマルトシロ、株式会社林原製)を表9の配合量に従って加え混合する。
上記混合物を、加温しながらホモミキサー(T.K.ホモディスパー 特殊機化工業株式会社製)3000rpmにて攪拌を行い、65℃30分保持後、冷却して油分重量22.1%、固形分50.4重量%、水分27.5重量%の低水分乳化物を得た。
植物性油脂からなる起泡性クリーム(製品名:レジェール20 不二製油株式会社製)を50:50の割合で混合し、縦型ミキサー(ホバートミキサーN−50 ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
比較例9
チョコレートクリーム用起泡性クリーム(製品名:ガナッシュトッピングダーベル 不二製油株式会社製)100重量%を縦型ミキサーを使用して起泡させた。
チョコレートクリーム用起包性クリームは、カカオ固形分を添加して作られた起包性クリームで、ホイップするだけでチョコレートクリームが出来るクリームである。
Figure 2004062384
Figure 2004062384
このようにして得られた各該起泡性クリームについて下記のような評価方法にて、作業性、耐熱保形性、耐熱離水耐性、乳味、チョコレート感、コク味、口融けの評価を行い、結果を表10に示した。
※ 評価方法
・チョコレート感:ホイップ後に食べた時の、チョコレート風味の強さ
Figure 2004062384
Figure 2004062384
表10の実施例7と比較例9からわかるように、無脂固形分量に制限がありカカオ分を高配合できない起包性クリームと比較して、チョコレート高配合の低水分乳化物を起泡性クリームに混合して起泡させることで、乳味、コク味、口融けともに良く、チョコレート感豊かな美味しいチョコレートクリームを得ることができた。
全脂粉乳、砂糖、植物性油脂としてはテンパータイプハードバター(製品名「メラノNEWSS−5」不二製油株式会社製)、レシチンを表11に従い配合、チョコレート製造の定法に従いホワイトチョコレート様食品を製造し、次いで30℃に加温した生クリーム(製品名:ハイフレッシュNM、不二製油株式会社製)、3倍濃縮乳タイプ食品(製品名「プロベスト400F」、不二製油株式会社製)、水、乳化剤(製品名「リョートーシュガーエステルS−570」、三菱化学フーズ株式会社製。HLB5)に、上記操作にて得られたチョコレート様食品を粉砕したものを表11の配合量に従って加え混合した。
この混合物を、加温しながらホモミキサー(「T.K.ホモディスパー」特殊機化工業株式会社製)3000rpmにて攪拌を行い、65℃30分保持後、冷却して乳化物を得た。
このようにして得た乳化物と、水を90:10の割合で混合し、縦型ミキサー(「ホバートミキサーN−50」ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
実施例8で得た乳化物と、苺ピューレ(タカ食品)を60:40の割合で混合し、縦型ミキサー(「ホバートミキサーN−50」ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
実施例8で得た乳化物と、牛乳を70:30の割合で混合し、縦型ミキサー(「ホバートミキサーN−50」ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
Figure 2004062384
Figure 2004062384
このようにして得られた実施例8の起泡済油脂組成物は、非常に軽くてみずみずしい、口溶けの良い泡状の食品であった。また、実施例9の起泡済油脂組成物は、苺の風味の強い、みずみずしい泡状の食品となり、実施例10の起泡済油脂組成物は、牛乳の風味が生きた軽い食感の食品となった。いずれも、従来の起泡性クリームを起泡させた場合よりも食感、口溶けともに異なる新しい起泡物であった。
なお、実施例9で用いた苺ピューレ、実施例10で用いた牛乳は単独では起泡力をほとんど持たなかった。
全脂粉乳、植物性油脂としてはココアバター、レシチンを表1に従い配合、バニリンを表11に従い配合、定法に従いホワイトチョコレートを製造する。次いで30℃に加温した3倍濃縮乳(製品名プロベスト400F、不二製油株式会社製)、水、還元水飴(製品名:アマミール 東和化成工業株式会社製)、乳化剤(製品名:リョートーシュガーエステルS−570、三菱化学フーズ株式会社製)に、上記操作にて得られたチョコレートを粉砕したものと植物性油脂(製品名:パームエース10、不二製油株式会社製)を表11の配合量に従って加え混合する。
上記混合物を、加温しながらホモミキサー(T.K.ホモディスパー 特殊機化工業株式会社製)3000rpmにて攪拌を行い、65℃30分保持後、冷却して油分30.3重量%、無脂固形分44.1重量%(無脂乳固形分12.5重量%)、水分25.6重量%の低水分乳化物を得た。
植物性油脂からなるソフトクリームミックス(製品名:ソフトミックスバニラ800 不二製油株式会社製)と上記低水分乳化物を80:20の割合で混合し、ソフトクリームフリーザー(ソフトクリームフリーザーSSF−M153PN サンヨー電気株式会社製)を使用してソフトクリーム得た。
比較例9
低水分乳化物は加えず、上記ソフトクリームミックス100重量%を、ソフトクリームフリーザーを使用してソフトクリームを得た。
Figure 2004062384
このようにして得られたソフトクリームについて、乳味、コク味、口融けの評価を行い、結果を表13に示した。
Figure 2004062384
Figure 2004062384
表12の実施例11と比較例10からわかるように、低水分乳化物を混合することによって、コストはやや上昇するものの、乳味、コク味、口融けともに著しく向上し、商品価値の高いソフトクリームを得ることができた。
全脂粉乳、砂糖、植物性油脂としてはテンパータイプハードバター(製品名「メラノNEWSS−5」不二製油株式会社製)、レシチンを表14に従い配合、チョコレート製造の定法に従いホワイトチョコレート様食品を製造し、次いで30℃に加温した生クリーム(製品名:ハイフレッシュNM、不二製油株式会社製)、3倍濃縮乳タイプ食品(製品名「プロベスト400F」、不二製油株式会社製)、水、乳化剤(製品名「リョートーシュガーエステルS−570」、三菱化学フーズ株式会社製。HLB5)に、上記操作にて得られたチョコレート様食品を粉砕したものを表14の配合量に従って加え混合した。
この混合物を、加温しながらホモミキサー(「T.K.ホモディスパー」特殊機化工業株式会社製)3000rpmにて攪拌を行い、65℃30分保持後、冷却して乳化物を得た。
このようにして得た乳化物を縦型ミキサー(「ホバートミキサーN−50」 ホバートジャパン株式会社製)を使用して起泡させた。
Figure 2004062384
このようにして得られた実施例12の起泡済油脂組成物は、非常に軽くてみずみずしい、口溶けの良い泡状の食品であった。

Claims (12)

  1. 油分が10〜50重量%、水分が10〜50重量%、無脂固形分が10〜70重量%であることを特徴とするO/W型乳化物。
  2. 全無脂固形分に対する無脂乳固形分または無脂カカオ固形分の割合が5〜50重量%である請求項1記載のO/W型乳化物。
  3. 油分中の油脂がハードバターまたはSUS(S:飽和脂肪酸、U:トランス体を含まない不飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドを含むことを特徴とする請求項1記載のO/W型乳化物。
  4. 水性組成物添加用である請求項1記載のO/W型乳化物。
  5. 水性組成物が乳製品である請求項4記載のO/W型乳化物。
  6. 水性組成物が起泡性油脂組成物である請求項4記載のO/W型乳化物。
  7. 起泡させて使用することを特徴とする請求項1記載のO/W型乳化物。
  8. 水性組成物に請求項1記載のO/W型乳化物を添加することを特徴とする、希釈されたO/W型乳化物の製造法。
  9. 水性組成物が乳製品である請求項8記載の希釈されたO/W型乳化物の製造法。
  10. 水性組成物が起泡性油脂組成物である請求項8記載の希釈されたO/W型乳化物の製造法。
  11. 水性組成物に請求項1記載のO/W型乳化物を添加して、起泡させることを特徴とする、起泡済油脂組成物の製造法。
  12. 請求項1記載のO/W型乳化物を起泡させることを特徴とする起泡済油脂組成物の製造法。
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