JP7157553B2 - シュー用油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明はシュー用油脂組成物に関する。
従来、シューケースを製造する際に、シュー用油脂の選択によって、その容積や風味や食感が大きく異なることが知られている。
ここで、一般的なシューケースはキャベツのような割れの多いごつごつした外観が特徴であるところ、最近は割れの少ないシューケース、さらには表面が平滑なシューケースなどの特異的なシューケースも多く見られるようになってきている。
また、シューケースを得るためのシュー生地の配合は一般的に糖類を含まないが、最近はシューケースの風味を楽しむ目的で、あるいは老化耐性付与の目的で糖類を使用することも多々見られるようになっている。
このようなシューケースを得るためには、シュー生地の配合に糖類を添加することが一番簡単である。
しかし、糖類は基本的に澱粉の糊化を抑制するため、シュー生地に糖類を配合すると、シューの膨化が抑制され、体積が小さく、空洞のみられないシューケースとなってしまう。
この点を防止するため、シュー生地に糖類を添加する場合は、最初の糊化工程時に糖類を添加せず、糊化・混捏後に糖類を添加する方法が行われる。しかし、この方法であると、シュー生地粘度の調整が困難であり、さらには安定的に糖類含有シュー生地を製造するのが困難である。
そのため、糖類を多く含有する特定の澱粉を使用したフラワーペースト類を使用する方法(たとえば特許文献1参照)や、糖類を酸性水中油型乳化油脂組成物と併用して使用する方法(たとえば特許文献2参照)や、糖類を含有する水中油型乳化物(たとえば特許文献3参照)を使用する方法などが検討されている。
特開2015-073473号公報 特開2016-198062号公報 特開2012-210193号公報
しかし、これらは外相が水である組成物の水相中に糖類が含まれるため、シュー生地製造の糊化工程で投入するとシュー生地中に分散し、糊化を阻害してしまうため、基本的には糊化工程後に添加することでそれを防止することになる点では、糖類の直接添加とあまり差異はない。実際、これらの水中油型乳化物を、糊化工程で投入すると、やはり体積が小さくなってしまう。
このように、糖類を含有するシューケースを製造する際に、安定的に、平滑な表面、且つ良好な体積・内相であり、対老化性を有するシューケースを得ることのできるシューケースの製造方法が求められていた。
したがって、本発明の目的は、表面が平滑で、体積・内相とも良好で老化耐性も高いシューケースを安定的に製造することのできるシュー用油脂組成物を提供することである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、可溶性糖類を水中油型乳化物に入れるのではなく、油中水型乳化物の水相に含有させることで上記問題を解決可能であることを見出した。
本発明は、上記知見により得られたものであり、可溶性糖類を固形分として3~40質量%含有し、油脂を連続相とすることを特徴とするシュー用油脂組成物を提供するものである。
本発明のシュー用油脂組成物を使用すると、表面が平滑で、体積・内相とも良好で老化耐性も高いシューケースを安定的に製造することができる。
以下、本発明のシュー用油脂組成物について好ましい実施形態に基づき詳述する。
本発明のシュー用油脂組成物は可溶性糖類を固形分として3~40質量%、好ましくは5~40質量%、より好ましくは10~40質量%含有する。3質量%未満であると本発明の効果が見られず、40質量%を超えると、本発明によっても良好な体積のシューケースを得ることができない。
なお本発明で使用できる可溶性糖類としては特に限定されないが、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、蔗糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、黒糖、麦芽糖、乳糖、シクロデキストリン、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元澱粉糖化物、還元糖、ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、異性化液糖、ショ糖結合水飴、キャラメル、かえで糖、オリゴ糖、キシロース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、アラビノース、パラチノースオリゴ糖、アガロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ヘミセルロース、モラセス、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、カップリングシュガー、ラフィノース、ラクチュロース、テアンデオリゴ糖、ゲンチオリゴ糖等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
中でも本発明では穏やかな焼き色と、良好な風味且つ良好な浮きのシューケースが得られる点で、上白糖、グラニュー糖、粉糖、蔗糖、液糖、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、トレハロース、ガラクトオリゴ糖のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましく、とくに好ましくは、液糖、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴のうちの1種又は2種以上を使用する。本発明でいう可溶性とは、25℃の水に溶解することをいい、例えば、25℃の水100mlに5g以上溶解することが好ましい。
本発明のシュー用油脂組成物の油脂含量は、好ましくは30~80質量%、より好ましくは40~65質量%である。30質量%以上であることで、良好な浮きのシューケースを得やすく、80質量%以下であることで、本発明の効果を得るために必要な可溶性糖類を含有させることが容易となる。
なお本発明で使用できる食用油脂としては、特に限定されないが、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、この中の1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
中でも本発明では良好な風味且つ良好な内相と浮きのシューケースが得られる点で、パーム分別軟部油のエステル交換油脂を油相中の50質量%以上、より好ましくは80質量%以上使用することが好ましい。パーム分別軟部油のヨウ素価は通常52~75である。
本発明のシュー用油脂組成物は、蛋白質を、組成物基準で好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~8質量%含有する。1質量%以上であると保型性に優れ体積及び内相が良好なシューケースが得やすく、10質量%以下であることで、硬い食感となりにくく、また焦げを生じたりするおそれを低減できる。なお、上記蛋白質含有量には、下記のその他成分に含まれる蛋白質も含むものとする。
本発明のシュー用油脂組成物で使用する蛋白質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ホエイ蛋白質、カゼイン蛋白質、その他の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、オボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド等の卵蛋白質、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等の小麦蛋白質、その他の動物性蛋白質及び植物性蛋白質等が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて、一種又は二種以上の蛋白質の形で添加してもよく、あるいは一種又は二種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で添加してもよい。
本発明のシュー用油脂組成物においては、上記蛋白質のうち、風味が良好な食感のシューケースが得られることから、乳蛋白質を使用することが好ましい。
また、上記乳蛋白質として、乳蛋白質を含有する乳原料、例えば、生乳、牛乳、加糖練乳、加糖脱脂れん乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、バターゼラム、乳脂肪球被膜画分、バターミルク、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン(TMP)、脱脂粉乳、全粉乳、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、乳清蛋白質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイ蛋白濃縮物(WPC)、ホエイ蛋白単離物(WPI)、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、酸カゼイン、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等を使用することができる。
本発明のシュー用油脂組成物には、上記原料以外に、通常のシュー用油脂に使用される各種の食品素材や食品添加物を使用することができる。
たとえば、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー等の食品素材や食品添加物を含有させることができる。
上記の乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられる。
本発明のシュー用油脂組成物における乳化剤の含有量は、好ましくは0.02~2.5質量%、さらに好ましくは0.1~2質量%、最も好ましくは0.1~1質量%である。
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、低置換度カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、加工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のシュー用油脂組成物における上記増粘安定剤の好ましい含有量は、0~5質量%、より好ましくは0~2質量%である。
本発明のシュー用油脂組成物は、油脂を連続相とするものであれば、水分を含有しないショートニングタイプであっても、水分を含有する油中水型乳化型のマーガリンタイプのどちらのタイプでも良いが、蛋白質の分散性が良好な点及びシューケース製造時に扱いやすく、特に糊化工程において油脂の飛び跳ねを防止できる点から水相成分を含有することが好ましいため、マーガリンタイプであることが好ましい。なお、上記油中水型には、油中水型油型を含むものとする。また、マーガリンタイプの場合、上記効果が良好な点でその水分含量は5~45質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。
次に、本発明のシュー用油脂組成物の好ましい製造方法について説明する。
先ず、食用油脂、必要に応じその他の成分を含有する油相と、糖類を含有し、必要に応じその他成分を含有する水相を油中水型に混合乳化して予備乳化液を得る。なお、蛋白質や乳化剤は油相に添加してもよく、水相に添加してもよい。また、水相が少ない場合やショートニングの場合などは、糖類は油相に直接分散させてもよい。次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次に、上記予備乳化液を冷却し、結晶化させる。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは-0.5℃/分以上、さらに好ましくは-5℃/分以上とする。この際、徐冷却より、急速冷却の方が好ましい。
冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
また、本発明のシュー用油脂組成物を製造する際のいずれかの工程で、窒素、空気等を含気させてもよい。
次に、上述した本発明のシュー用油脂組成物を使用することを特徴とする本発明のシューケースについて述べる。
本発明のシューケースは、表面が平滑で、体積・内相とも良好で老化耐性も高いという特徴を有する。
本発明のシューケースの生地配合は、特に限定されるものではないが、好ましくは、小麦粉100質量部に対し、本発明のシュー用油脂組成物70~150質量部、特に100~140質量部、水100~250質量部、特に120~200質量部、全卵150~300質量部、特に200~280質量部から構成される。本発明のシューケースの生地配合において、本発明のシュー用油脂組成物の配合量が、小麦粉100質量部に対し70質量部未満であると、シューケースのボリュームが小さく、食感が硬く、また形状の不安定なシューケースになりやすい。また、上記シュー用油脂組成物の配合量が小麦粉100質量部に対し150質量部を越えると、シューケースが油性感の強いものとなりやすい。
なお、上記の水の量に、シュー用油脂組成物に含まれる水分量は含まれない。
また、上記シューケースの生地には、上記の成分に加えて、一般のシューケース製造に使用される重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム等の膨張剤を加えることができ、さらにその他必要に応じ、乳化剤、糖類、澱粉、無機塩、有機酸塩、ゲル化剤、乳製品、卵製品、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材全般、着香料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、pH調整剤等も適宜使用できる。
次に、本発明のシューケースの好ましい製造方法について述べる。
本発明のシューケースは、本発明のシュー用油脂組成物を使用する以外は、一般のシューケースの製造方法に準じて行えばよいが、本製造方法は、本発明のシュー用油脂組成物を小麦粉の糊化工程において使用することが、表面が平滑で、体積・内相とも良好で老化耐性も高いシューケースを、安定的に得やすい点で好ましい。そのため、以下のようにして製造することが好ましい。
本発明のシュー用油脂組成物を、水とともに加熱煮沸し、この中に小麦粉を添加して捏和し、一般のシューケースと同様にシューケースを形成するに適した糊化状態にした後、液卵をミキシングしながら数回に分けて加え、シュー生地を十分に乳化し、さらに液卵で硬さを調整し、膨張剤を添加、混合してシュー生地を得る。該液卵としては、膨張剤を溶解した液卵を使用してもよい。尚、必要に応じ、前述した乳化剤、糖類、澱粉、無機塩、有機酸塩、ゲル化剤、乳製品、卵製品、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材全般、着香料、調味料等の呈味成分、着色料、保存料、pH調整剤等を、加熱沸騰時あるいはシュー生地の乳化時に添加、混合する。
そして、得られたシュー生地を絞り袋等に充填し、天板等の上に絞り、オーブン等により焼成して、本発明のシューケースを得る。
また、シュー生地は、生地の状態で、あるいは絞って生地玉にした状態で冷凍することも可能である。シュー生地を冷凍する場合は、-30℃~-45℃の急速冷凍庫を使用し、急速冷凍を行うことが好ましい。
次に、実施例、比較例等を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例等は本発明を制限するものではない。
<シュー用油脂組成物の製造>
〔製造例1〕エステル交換油脂Aの製造
ヨウ素価55のパーム分別軟部油にナトリウムメチラートを触媒として非選択的エステル交換反応を行った。反応終了後(反応時間1hr)、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行い、パーム分別軟部油のエステル交換油脂Aを得た。
〔実施例1〕
エステル交換油脂A90質量%及びナタネ液状油10質量%からなる混合油脂58質量部に、グリセリンモノパルミチン酸エステル0.5質量部及び大豆レシチン0.5質量部を添加し、70℃まで加温して完全に溶解し、ここにカゼインナトリウム(蛋白質含有量90質量%)3質量部を添加混合し、油相とした。一方、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖固形分75質量%、水分25質量%)37質量部に、食塩1質量部を溶解し、水相とした。上記油相と上記水相を混合、乳化し、-30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、油中水型のマーガリンタイプのシュー用油脂組成物Aを得た。
得られたシュー用油脂組成物Aを用いて、下記<シューケースの配合及び製造法>にてシューケースAを製造した。
得られたシューケースAについて、下記の<外観評価方法><容積評価方法><内相評価方法>及び<老化耐性評価方法>に従って各評価を行ない、評価結果を表1に記した。
〔実施例2〕
実施例1で使用した、カゼインナトリウム3質量部を無添加に変更し、水相に水3質量部を配合した以外は、実施例1と同様の配合及び製法で、油中水型のマーガリンタイプのシュー用油脂組成物Bを得た。
得られたシュー用油脂組成物Bを用いて、下記<シューケースの配合及び製造法>にてシューケースBを製造した。
得られたシューケースBについて、下記の<外観評価方法><容積評価方法><内相評価方法>及び<老化耐性評価方法>に従って各評価を行ない、評価結果を表1に記した。
〔比較例1〕
エステル交換油脂A90質量%及びナタネ液状油10質量%からなる混合油脂85質量部に、グリセリンモノパルミチン酸エステル0.5質量部及び大豆レシチン0.5質量部を添加し、70℃まで加温して完全に溶解し、ここにカゼインナトリウム(蛋白質含有量90質量%)3質量部を添加混合し、油相とした。一方、水10質量部に、食塩1質量部を溶解し、水相とした。上記油相と上記水相を混合、乳化し、-30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、油中水型のマーガリンタイプのシュー用油脂組成物Cを得た。
得られたシュー用油脂組成物Cを用いて、下記<シューケースの配合及び製造法>にてシューケースCを製造した。
得られたシューケースCについて、下記の<外観評価方法><容積評価方法><内相評価方法>及び<老化耐性評価方法>に従って各評価を行ない、評価結果を表1に記した。
<シューケースの配合及び製造法>
実施例1~2で得られたシュー用油脂組成物A又はB100gと水150gとをミキサーボウルに計量し、ガスコンロにかけ、105℃になるまで加熱溶解した。これに小麦粉100gを一気に投入し、十分糊化・混合して糊化物を得た。ミキサーボウルをミキサーにセットし、中速2分ミキシングし、糊化物が55℃まで冷えたところで、全卵220gに重炭酸アンモニウム0.5gを溶解した卵液を、中速でミキシングしながら徐々に加え、均一なシュー生地とした。絞り袋にシュー生地を充填し、ベーキングシートを敷いた天板に20g絞り、上火190℃、下火210℃に設定した固定オーブンで25分(13分経過後は上火と下火の条件を入れ替え)焼成した。
なお、比較例1で得られたシュー用油脂組成物Cの場合は下記の方法でシュー生地及びシューケースを得た。
シュー用油脂組成物68g、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖(糖固形分75質量%、水分25質量%)37gと水145gとをミキサーボウルに計量し、ガスコンロにかけ、105℃になるまで加熱溶解した。これに小麦粉100gを一気に投入し、十分糊化・混合して糊化物を得た。ミキサーボウルをミキサーにセットし、中速2分ミキシングし、糊化物が55℃まで冷えたところで、全卵220gに重炭酸アンモニウム0.5gを溶解した卵液を、中速でミキシングしながら徐々に加え、均一なシュー生地とした。絞り袋にシュー生地を充填し、ベーキングシートを敷いた天板に20g絞り、上火190℃、下火210℃に設定した固定オーブンで25分(13分経過後は上火と下火の条件を入れ替え)焼成した。
<外観評価方法>
シューケースの形の均整を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。
・評価基準
◎ 表面が平滑で底上がりも無く、均整な形状であった。
○ 表面がやや割れが生じ、やや不均整な形状であった。
△ やや扁平な形状であった。
× 底上がりが激しく、扁平な形状であった。
××表面の割れが大きくキャベツのような外観であった。
<容積評価方法>
シューケースの比容積の測定を菜種置換法により算出し、以下の評価基準に従って評価した。
・評価基準
◎ 比容積12.0cm3/g以上
○ 比容積11.0cm3/g以上12.0cm3/g未満
△ 比容積10.0cm3/g以上11.0cm3/g未満
× 比容積10.0cm3/g未満
<内相評価方法>
シューケースの断面を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。
・評価基準
◎ 充分な大きさの部屋別れのない単一の空洞を有していた。
○ 充分な大きさではあるがやや部屋別れのある内相であった。
△ 空洞がやや小さく、また、部屋別れのある内相であった。
× 空洞が小さく、部屋別れのある内相であった。
××空洞が見られず、細かな内相であった。
<老化耐性評価方法>
シューケースを袋に入れ、25℃で2日保管した後に試食し、その食感について、以下の評価基準に従って評価した。
・評価基準
◎ ひきのないきわめて良好な食感である。
○ ひきが感じられず良好である。
△ ややひきが感じられ、不良である。
× 強いひきのある食感であり、不良である。
Figure 0007157553000001
上記表1からわかるように、本発明のシュー用油脂組成物を使用して得られたシューケースは、外観、容積、内相、老化耐性が良好であった。
これらの実施例に対して、糖類を含有しないシュー用油脂組成物を使用し、加熱時に糖類を別添して製造した比較例1のシューケースは、外観、容積、内相、老化耐性が不良であった。

Claims (6)

  1. 可溶性糖類を固形分として10~40質量%含有し、油脂を連続相とする、シュー用油脂組成物。
  2. 油脂含量が30~80質量%である、請求項1記載のシュー用油脂組成物。
  3. 蛋白質を1~10質量%含有する、請求項1又は2記載のシュー用油脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のシュー用油脂組成物を含有するシュー生地。
  5. 請求項4に記載のシュー生地を加熱処理したシューケース。
  6. 請求項1~3のいずれか一項に記載のシュー用油脂組成物を使用する、シューケースの製造方法。
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