JPWO2003034103A1 - 光制御シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
板状粒子(マイカなど)の板面がシート面に沿って配向した複数の透明樹脂シートを積層し、互いに融着させた後、積層方向に対して交差する方向にスライスすることにより、透明樹脂2中に板状粒子3が配向して分散した光制御シート1を得る。前記板状粒子は、透明性性板状粒子や反射性板状粒子で構成されている。前記微粒子の板面はシート面に対して傾斜しており、板状粒子3の板面とシート1面との角度θは45〜90°程度である。得られた光制御シートは、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱する機能や、表示面又は導光板に対して光源が偏在していても、角度−輝度特性を改善できる機能を有する。
Description
技術分野
本発明は、液晶表示装置などの表示装置光学系において、輝度や、角度−輝度特性を改善できるとともに、種々の角度範囲の入射光を選択的に散乱でき、装飾用としても有用な光制御シートおよびその製造方法に関する。
また、本発明は、液晶表示装置などの表示装置の表示面を、管状光源により背面から照明するバックライトユニット(片側光源ランプ型バックライトユニット)において、角度−輝度特性を改善できる光制御シートおよびその製造方法に関する。
背景技術
従来、液晶表示装置において輝度や角度輝度特性、輝度の均一性などを改善するために光拡散シートが用いられている。例えば、バックライトの導光板から出射された光を光拡散シートによって拡散し、表示素子の視野角特性に適合した角度輝度特性を与え、バックライトの効率化を図っている。これに対して、近年、表示品位の上昇、低消費電力化などに伴って、さらなる輝度の向上や輝度を維持する角度範囲の向上が要求されている。このような特性を発現するためには、特定の角度範囲の光のみを選択的に拡散するといった入射光角度選択性や、入射方向と散乱強度の極大方向をずらすといった軸ずらし散乱もしくは、入射方向に対する非対称散乱などの高度な光制御機能を有するシートが不可欠になってきている。ところが、通常の光散乱シートは、透明樹脂シートの表面をマット状に加工したり、透明樹脂シート内部に散乱性微粒子を分散させたりして製造されており、上記のような光制御機能を有していない。
特許第2691543号明細書には、重合性モノマー又はオリゴマーを硬化させ、屈折率の異なる層が折り重なるように配列した構造のシートが提案されている。このような構造のシートにより、入射光角度の選択性を向上できる。しかし、このようなシートは、ホログラフィー技術を応用した光硬化によって製造されるため、干渉色が現れたり、製造コストが著しく高くなる。
特開2000−171619号公報には、フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、散乱因子により屈折率の濃淡模様が形成され、前記屈折率の異なる部分がフィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布した異方性光散乱フィルムが開示されている。このシートは、入射角度の選択性を向上できるとともに、軸ずらし散乱効果などが得られる。このような光制御シートは、特開2000−214311号公報に記載されているように、反射型液晶表示装置に用いると明るく高精細な表示を実現できる。また、散乱因子の形状、厚みを不規則にすることにより、干渉色の発生を抑制できる。しかし、この散乱因子の形状・厚みの不規則性に起因して、散乱光の指向性が低下したり、入射光角度の選択性が低下する。すなわち、本来、入射光が散乱せずに透過すべき角度範囲において、散乱性が依然として発現する。さらには、このシートもホログラフィー技術を利用して製造するため、製造コストが著しく高くなる。
一方、特開2000−338311号公報には、シート内で、楕円状の小片である屈折率の異なる部分がその長軸と短軸の方向を揃えて分散し、かつ屈折率差による濃淡として形成された構造の光散乱シートが提案されている。しかし、このような構造では、入射角度選択性は極めて乏しく、実質的に等方性散乱を期待できない。また、前記構造を現実に実現することは困難であり、ホログラフィー技術をもってしても容易ではない。
また、液晶表示装置では、表示品位の向上のみならず、薄型および軽量化、低消費電力化が要求されている。液晶表示面を背面から照明するバックライトユニットにおいても、正面輝度の改良及び薄型化と、低消費電力化とを両立させることが不可欠である。バックライトユニットには、例えば、冷陰極管で構成された管状光源を導光板の片側に配置した片側光源ランプ型と、管状光源を導光版の両側に配置した両側光源ランプ型の2種類があるが、軽量化および低消費電力化を達成するためには片側光源ランプ型が有利である。このような片側光源ランプ型のバックライトユニットに対して、表示面に対して斜め方向に最大輝度を付与するため、光源ランプからの光を導光するための片側光源ランプ型バックライトの導光板と、この導光板からの出射光を正面方向に変角するためのプリズムシートとで構成されたバックライトユニットが提案されている。しかし、このような構成では、光源ランプが導光板の片側だけに配置されているため、光源ランプの管方向に垂直な面内において、パネルに対する正面方向の角度を0°とし、かつ光源ランプを配置している側を負(−)、他方を正(+)として出射角度座標を規定すると、例えば、出射角度−20〜−30°の範囲で輝度の低下が見られるという欠陥がある。そのため、高い表示品位を得ることができない。
特開2000−348515号公報には、導光板とプリズムシートとの間に光拡散シートを配置したバックライトユニットが提案されている。しかし、このような装置でも、正面輝度の低下が著しく、前記課題の根本的解決には至っていない。
なお、上記の管状光源のみならず、一般に、光源ランプが表示面に対して片側のみに偏在すると、原理的に、角度−輝度特性が正面方向に対して非対称になる場合が多く、表示品位を損ねる要因になっている。
従って、本発明の目的は、特定の角度範囲の入射光を選択的に、かつ干渉色の現れない均一な白色散乱光として散乱する光制御シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できる非対称性散乱機能を有する光制御シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、表示面又は導光板に対して光源が偏在していても、角度−輝度特性を改善できる光制御シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、片側に管状光源を備えたバックライトユニットにおいて、導光板からの出射光の角度−輝度特性における非対称性を低減でき、表示面の正面輝度を向上できる光制御シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、ホログラフィー技術を用いることなく、光制御シートを簡便かつ安価に製造できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、液晶表示装置の表示面の正面輝度特性を改善できるバックライトユニットを提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、所定のアスペクト比を有する板状粒子を透明樹脂に分散し、押出し成形、プレス成形などによりシート成形すると、粒子の板面がシート面方向に沿って一様に配向すること、このような配向機構を利用して、前記粒子(特に透明性板状粒子)の配向方向を制御すると、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱するとともに、干渉色を生じることなく均一に白色散乱させることができ、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できることを見いだし、本発明を完成した。また、前記板状粒子を反射性板状粒子で構成し、この反射性板状粒子の配向を制御することにより、導光板からの出射光の角度−輝度特性における非対称性を低減できることを見出した。
すなわち、本発明の光制御シート(又は光散乱シート)は、透明樹脂中に板状粒子が配向して分散しており、粒子の板面がシート面に対して直交又は所定の角度で傾斜しているシートであって、前記板状粒子が透明性板状粒子及び反射性板状粒子から選択された少なくとも一種で構成されている。なお、前記粒子は、通常、シート中で一様に配向している。前記粒子の板面とシート面との角度(又は板面の法線とシート面法線との角度)は、通常、45〜90°(例えば、70〜90°)程度である。
前記板状粒子が透明性板状粒子である場合、前記板状粒子の板面とシート面との角度は70〜90°や45〜90°程度であってもよい。例えば、前記角度が70〜90°であるとき、シート面に対して正面方向からの入射光を選択的に散乱又は指向可能であり、前記角度が45〜75°であるとき、シート面に対して斜め方向からの入射光を選択的に散乱可能である。このような光制御シートにおいて、前記透明性板状粒子は、板面の平均直径が5〜200μm程度、前記粒子の平均厚みに対する前記平均直径の比が5〜1000(特に40〜100)程度であってもよい。さらに、透明樹脂と透明性板状粒子との屈折率差は、通常、0.01〜0.2程度であり、シート厚みは、50〜2000μm程度である。前記透明樹脂が連続相を構成し、透明性板状粒子が分散相を構成する光制御シートにおいて、透明樹脂の連続相は、セルロースエステル類、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などから選択でき、透明性板状粒子の分散相は、雲母類、タルク、モンモリロナイト類などから選択してもよい。前記シートは、さらに可塑剤1〜100重量部を含有していてもよい。
板状粒子が反射性板状粒子である場合、反射性板状粒子が金属又は金属酸化物(例えば、酸化チタンなど)で被覆された粒子であってもよい。前記反射性板状粒子は、板面の平均直径が5〜1000μm程度であってもよく、シートの厚みは50〜1000μm程度であってもよい。前記透明樹脂が連続相を構成し、反射性板状粒子が分散相を構成する光制御シートにおいて、透明樹脂の連続相は、セルロースエステル類、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などから選択でき、反射性板状粒子の分散相は、雲母類、タルク、モンモリロナイト類などから選択してもよい。このような光制御シートは、表示面に対して光源が偏在した位置に配設され、かつ表示装置のバックライトユニットの構成部材として有用である。前記光制御シートは、通常、光源(特に管状又は点状光源)からの光により被照明体(表示ユニットなど)を照明するためのシートであって、前記光源からの光を導光板の側部(非対称位置、特に一方の側部)から入射させ、前記導光板の前面から出射させて被照明体を裏面から照明するためのバックライト用シートとして有用である。
なお、板状粒子の含有量は、透明樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部程度であってもよい。
本発明は、板状粒子が所定の方向に配向して分散した透明樹脂シートの製造方法であって、前記板状粒子の板面がシート面に沿って配向した複数の透明樹脂シートを積層し、互いに融着させた後、積層方向に対して交差する方向にスライスし、前記光制御シートを製造する方法も包含する。
本発明の光制御シートは、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱でき、かつホログラムを利用したシートと異なり干渉色を一切生じることなく均一な白色散乱が得られる。さらに、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できる非対称性散乱機能を有している。
前記光制御シートは、表示ユニットを背面から照明するためのバックライトユニット又は液晶表示ユニットと組み合わせて用いるのに有用である。前記バックライトユニットは、例えば、側部からの入射光を前面から出射させるための導光板と、この導光板の側部に配設された光源と、前記導光板の出射面と前記表示ユニットとの間に配設された前記光制御シートとを備えている。
このような光制御シートは、ホログラフィー技術を用いることなく、実現可能である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の光制御シートは、透明樹脂の連続相と、この透明樹脂中に所定方向に配向して分散した板状粒子の分散相とで構成され、前記板状粒子は、透明性板状粒子及び反射性板状粒子から選択された少なくとも一種で構成されている。
[透明樹脂]
本発明の光制御シートの連続相は、透明性や成形性、耐衝撃性などの点から透明樹脂で構成されている。透明樹脂には、セルロース誘導体、オレフィン系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂が含まれる。なお、透明樹脂は、熱可塑性樹脂である場合が多いが、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂など)であってもよい。
セルロース誘導体としては、セルロースエステル類(セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースフタレートなど)、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類(アルキルセルロース、ベンジルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シアノエチルセルロースなど)が挙げられる。好ましいセルロース誘導体は、セルロースエステル類(特に、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど)である。
オレフィン系樹脂には、例えば、C2−6オレフィンの単独又は共重合体(エチレン−プロピレン共重合体などのエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)など)、C2−6オレフィンと共重合性単量体との共重合体(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。好ましいオレフィン系樹脂には、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのプロピレン含量が90モル%以上のポリプロピレン系樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)などが含まれ、結晶性オレフィン系樹脂であってもよい。
ハロゲン含有樹脂としては、ハロゲン化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル又はフッ素含有単量体の単独又は共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などの塩化ビニル又はフッ素含有単量体と共重合性単量体との共重合体など)、ハロゲン化ビニリデン系樹脂(ポリ塩化ビニリデン系共重合体、ポリビニリデンフルオライド、又は塩化ビニル又はフッ素含有ビニリデン単量体と他の単量体との共重合体)などが挙げられる。
ビニルアルコール系樹脂の誘導体には、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが含まれる。ビニルエステル系樹脂としては、ビニルエステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニルなど)、ビニルエステル系単量体と共重合性単量体との共重合体(酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)などが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル系樹脂には、ポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体などが含まれる。
スチレン系樹脂には、スチレン系単量体の単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体など)、スチレン系単量体と共重合性単量体との共重合体(スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など)、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂には、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを用いた芳香族ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレートなどのホモポリエステル、アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50モル%以上、好ましくは75〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%)として含むコポリエステルなど)、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリエステル、ポリアリレート系樹脂、液晶性ポリエステルなどが含まれる。ポリエステル系樹脂は、結晶性ポリエステル系樹脂、例えば、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレートホモポリエステル、アルキレンアリレート単位の含有量が80モル%以上のコポリエステル、液晶性芳香族ポリエステルなどであってもよい。さらに、ポリエステル系樹脂は、非晶性ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンアリレートにおいて、ジオール成分(C2−4アルキレングリコール)及び/又は芳香族ジカルボン酸成分(テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸)の一部(例えば、10〜80モル%、好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜75モル%程度)として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの(ポリ)オキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、フタル酸、イソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸など)から選択された少なくとも一種を用いたコポリエステルなどであってもよい。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、キシリレンジアミンアジペート(MXD−6)などの芳香族ポリアミドなどが挙げられる。ポリアミド系樹脂は、ホモポリアミドに限らずコポリアミドであってもよい。
ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれる。
ポリエーテル系樹脂としては、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシメチレン(ポリアセタールホモ又はコポリマーなど)、ポリエーテルエーテルケトンなどが例示でき、ポリスルホン系樹脂としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどが例示できる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマーなどが例示できる。
連続相を構成する樹脂としては、通常、透明性および熱安定性の高い樹脂が使用される。連続相を構成する好ましい成分には、セルロース誘導体(特にセルロースエステル類)、オレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂など)、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが含まれる。また、前記連続相を構成する樹脂は結晶性又は非晶性であってもよい。
なお、連続相を構成する樹脂は、融点又はガラス転移温度が130〜280℃程度、好ましくは140〜270℃程度、さらに好ましくは150〜260℃程度の樹脂であってもよい。
[板状粒子]
光制御シートの粒子は板状の形態を有している。「板状」の形状とは、上下面が互いに平行な平面を有しており、上下(又は厚み)方向に比べて沿面方向の長さが長い形状を意味する。従って、例えば、前記粒子は、面方向から見ると不定形を有しており、横方向から見ると横長の台形又は針状の形状を有している。
板状粒子は、透明性板状粒子及び反射性板状粒子から選択された少なくとも一種で構成されている。
(透明性板状粒子)
透明性板状粒子としては、例えば、ガラスなどの非晶性無機物質、アルミナ、水酸化アルミニウム、雲母類(白雲母、金雲母、合成雲母などのマイカ類)、タルク、モンモリロナイト類、クレイ類(カオリンクレイ、ろう石クレイなど)などの板状無機結晶、架橋アクリル系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、架橋ポリスルホン系樹脂などの樹脂片をはじめとするポリマーなどが挙げられる。これらの板状粒子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい板状粒子は、雲母類、タルク、モンモリロナイト類などである。なお、板状粒子は、透明性の高い微粒子であるのが好ましいものの、光散乱特性を損なわない限り、着色した板状粒子、例えば、グラファイト(天然又は合成黒鉛)などを含んでいてもよい。好ましい板状粒子は、例えば、雲母類、タルク、モンモリロナイト類などである。
なお、板状粒子の形状は、特に制限されず、無定形板状、多角板状(三角板状、四角板状、六角板状など)、楕円板状、円板状などであってもよい。板状粒子としては、楕円板状、特に円板状などの形態で使用する場合が多い。
透明性板状粒子において、板面の平均直径は、5〜200μm、好ましくは7〜200μm、さらに好ましくは10〜150μm(特に20〜100μm)程度である。平均直径が小さすぎると、入射光を散乱させることなく透過すべき入射角度範囲においても散乱が生じ、入射角度の選択性が得られず、大きすぎると、外観を損なう。
透明性板状粒子のアスペクト比(=板状粒子における板面の平均直径/粒子における平均厚み)は、5〜1000、好ましくは10〜500(例えば、20〜500)、さらに好ましくは30〜100(特に40〜100)程度である。粒子のアスペクト比が小さすぎたり、楕円状などの球に近い形状であると、配向性が低下したり、入射角度選択性散乱機能や非対称散乱機能などの光制御機能が損なわれる。
板状粒子を透明性板状粒子で構成する場合、透明性板状粒子と透明樹脂との平均屈折率差は、0.001以上(例えば、0.01〜0.2程度)、好ましくは0.01〜0.15程度、さらに好ましくは0.05〜0.15程度である。
(反射性板状粒子)
反射性板状粒子は、板状粒子自体が光反射性を有する粒子(例えば、表面処理されていてもよいアルミニウムなど)であってもよく、板状粒子に光反射性を付与した粒子であってもよい。反射性板状粒子は、通常、前記透明性板状粒子の項で例示した板状粒子と、この板状粒子を被覆し、かつ光反射性を付与するための成分(特に金属及び金属酸化物から選択された少なくとも一種)とで構成されている。
前記金属及び金属酸化物としては、例えば、金属光沢を示す種々の成分、例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物などが例示できる。
金属又は金属酸化物の被覆量は、例えば、板状粒子100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜50重量部(例えば、5〜50重量部)、さらに好ましくは5〜30重量部程度であってもよい。
反射性板状粒子において、板面の平均直径は、例えば、5〜1000μm(例えば、5〜500μm)、好ましくは10〜500μm(例えば、10〜300μm)、さらに好ましくは20〜300μm(例えば、20〜200μm)程度である。平均直径が小さすぎると、反射性のみならず散乱性が発現し、出射光の指向性が低下し高い表示品位が得られず、大きすぎると、外観を損ねる。
反射性板状粒子のアスペクト比(=板状粒子における板面の平均直径/粒子における平均厚み)は、5〜10000、好ましくは10〜5000、さらに好ましくは10〜3000程度である。粒子のアスペクト比が小さすぎたり、楕円などの球に近い形状であると、配向性が低下したり、高い表示品位を得ることができず、アスペクト比が大きすぎると外観を損ねる。
板状粒子の割合は、通常、高い光制御性を実現できる範囲で選択でき、例えば、透明樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.2〜50重量部程度である。
本発明では、透明性板状粒子と反射性板状粒子を組み合わせて用いてもよいが、通常、いずれかの板状粒子が使用される。透明板状粒子を用いると、入射光の選択性を向上することができ、例えば、特定の角度範囲の入射光を選択的に、かつ干渉色の現れない均一な白色散乱光として散乱できたり、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できる。反射性板状粒子を用いると、表示面又は導光板に対して光源が偏在していても、角度−輝度特性を改善できるため、例えば、管状光源を備えた片側光源ランプ型バックライトユニットに適している。
透明性板状粒子の割合は、所望する光散乱特性に応じて選択でき、例えば、透明樹脂100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部(例えば、1〜10重量部)程度である。
反射性板状粒子の割合は、所望する光制御性に応じて選択でき、例えば、透明樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部(例えば、0.1〜20重量部)、さらに好ましくは0.2〜10重量部(例えば、0.2〜5重量部)程度である。
[添加成分]
前記樹脂成分は、必要に応じて、変性(例えば、ゴム変性)又は可塑化(例えば、軟質塩化ビニル系樹脂などのように可塑剤の添加による可塑化、又は軟質性分の重合による可塑化)されていてもよく、透明樹脂には種々の成分を添加してもよい。特に、板状粒子として透明性板状粒子を用いた場合に有効である。例えば、成形性や機械強度などを向上するため、可塑剤を添加してもよい。例えば、セルロースエステル類の成形性や可撓性を向上させるため、フタル酸エステル系可塑剤[DEP(ジエチルフタレート)、DBP(ジブチルフタレート)、DOP(ジオクチルフタレート)、ジ2−エチルヘキシルフタレートなどのジC1−12アルキルフタレートなど]、脂肪族多価カルボン酸エステル[アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどのC6−12アルカンカルボン酸C2−12アルキルエステルなど]、リン酸エステル系可塑剤[TPP(リン酸トリフェニル)、リン酸トリブチルなど]、多価アルコールのカルボン酸エステル[エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、トリアセチンなどの多価アルコール酢酸エステルなど]などが例示できる。これらの可塑剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
透明樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量は、透明樹脂の種類に応じて、例えば、1〜100重量部、好ましくは5〜75重量部程度の範囲から選択できる。
本発明の光制御シートは、光散乱性を補助的に制御又は増加させるため、透明性板状粒子に加えて、非板状粒子(例えば、球状、楕円状、無定形状などの粒子)を含んでいてもよい。このような非板状粒子としては、無機粒子(例えば、炭酸カルシウム、酸化チタンなど)、有機粒子(架橋メタクリル酸メチル系重合体、架橋ポリスチレンなど)などが例示できる。非板状粒子の含有量は、通常、板状粒子よりも少量であり、例えば、透明樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度であってもよい。
また、光制御シートは、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤など)、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、分散剤などを含んでいてもよい。
[シートの構造]
図1は本発明の光制御シートの断面構造を示す模式図である。図1に示されるように、光制御シート1は、透明樹脂2と、この透明樹脂中に分散した板状粒子3とで構成されており、前記板状粒子はシート(又は透明樹脂マトリックス)中で一様に配向している。そして、板状粒子3の板面はシート1面に対して直交又は所定の角度θで傾斜している。前記粒子3の板面とシート1面との角度(板面の法線とシート面の法線との角度)θは、光散乱機能に応じて、例えば、45〜90°(好ましくは60〜90°、さらに好ましくは70〜90°)程度の範囲から選択できる。
このような光制御シートは、入射光に対する様々な優れた特性を有している。
例えば、透明性板状粒子を用いた光制御シートは、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱する入射角度選択性散乱機能や、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向させる機能(非対称性散乱機能)を有している。この光制御シートにおいて、前記角度θは、70〜90°(例えば、75〜90°)、特に80〜90°(例えば、85〜90°)や70〜89°(例えば、75〜89°)程度であってもよく、45〜75°(例えば、45〜70°)程度であってもよい。
前記光制御シートの機能と前記角度θとの関係を例示すると、例えば、正面方向(シート面に対して垂線方向)からの入射光に対して特定の光散乱機能を有効に発現させる場合、前記角度θは、通常、70〜90°(好ましくは75〜90°)程度の範囲から選択される。より具体的には、例えば、正面近辺の角度範囲(例えば、正面方向に対して±30°の範囲)の入射光だけを選択的に散乱(正面入射選択性散乱)させる場合や、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向又は集光させる機能(非対称性散乱機能)を付与し、正面方向に指向して散乱させる場合には、前記角度θは、例えば、80〜90°(好ましくは85〜90°)程度である。また、正面方向から入射する光を特定方向にシフト(例えば、5〜30°、特に10〜30°の範囲でシフト)させて散乱(軸ずらし散乱)させる場合、前記角度θは、例えば、70〜89°(好ましくは75〜89°)程度である。
さらに、特定の斜め入射光(例えば、正面方向に対して10〜80°、特に20〜80°の角度)に対して選択的に散乱させる場合(斜め入射選択性散乱)には、前記角度θは、例えば、45〜75°(好ましくは45〜70°)程度である。
反射性板状粒子を用いた光制御シートは、入射光の一部を入射方向とは逆方向へ反射(もしくは変角)させる機能を有している。そのため、バックライトユニットに装着すると、前記光制御シートは、導光板からの出射光の角度−輝度特性における非対称性を低減でき、表示品位を高める機能を有する。
光制御シートにおける板状粒子の配列形態は特に制限されない。例えば、板状粒子の重心の位置は、透明樹脂シート中でランダムに配置していてもよく、規則的に又は不規則的に分散していてもよい。
本発明の光制御シートの厚みは、例えば、10〜3000μm、好ましくは30〜2000μm程度の範囲から選択できる。
透明性板状粒子を用いた光制御シートの厚みは、高い入射角度選択性などを実現するため、例えば、50〜2000μm、好ましくは80〜1000μm、さらに好ましくは100〜800μm程度である。
反射性板状粒子を用いた光制御シートの厚みは、高い光制御性を実現するために、例えば、50〜1000μm、好ましくは50〜800μm、さらに好ましくは70〜500μm(例えば、70〜300μm)程度である。
[光制御シートの製造方法]
本発明の光制御シートの製造方法は特に限定されず種々の方法で製造できるが、本発明は、従来の光制御シートと異なり、ホログラフィー技術を利用することなく製造可能であることが大きな利点である。このような製造方法の一例として、例えば、板状粒子の板面がシート面に沿って配向して分散した複数の透明樹脂シート(原反シート)を積層し、互いに融着させた後、積層方向に対して交差する方向に所定の厚みでスライス又は切断する方法が挙げられる。なお、複数の原反シートの積層体の積層面は、スライス面に対して直交していてもよく、傾斜していてもよい。
図2は本発明の製造方法を説明するための概略工程図である。この例では、透明樹脂と板状粒子とで構成された複数の原反シート11を、積層面を水平面に対して略鉛直方向に向けて積層して積層体12を形成し、前記板状粒子の配向を実質的に維持しつつ、この積層体12を加熱融着して一体化した積層融着体13を形成し、この積層融着体の積層面に対して直交する方向に所定の厚みでスライスし、光制御シート14を調製している。
このような方法では、板状粒子の板面がシート面に対して略90°の角度で配向した光制御シート14を得ることができる。
図3は本発明の他の製造方法を説明するための積層体の概略図である。この例では、積層体22において、複数の原反シートを角度θaで傾斜させて積層している。すなわち、複数の原反シートの積層体において、側面を角度θaで傾斜させており、積層体の両側面の傾斜角度及び板状粒子の配向状態を維持しながら加熱してブロック状積層融着体を調製している。
このようにブロック状積層体の側面を傾斜させて積層融着体を調製すると、積層融着体をその上端面又は下端面方向にスライスすることにより、シート面に対して板状粒子の配向角度の異なる光制御シートを容易に製造できる。また、積層融着体の側面の傾斜角度によりシート面に対して板状粒子の配向角度を容易にコントロールできる。
なお、原反シートは、押出成形などのシート成形方法において、折り畳み、押出ラミネートなどを利用して連続的又は間欠的に順次積層してもよい。このような方法では積層とともに積層融着体を得ることができる。
スライス又は切断方向は原反シートの積層面に対して交差する方向であればよく、通常、積層面(原反シートの面)方向をX軸方向、積層方向をY軸方向、積層方向と直交又は交差する厚み方向をZ軸方向とするとき、積層融着体のX−Y面を中心として15°(好ましくは10°)程度の角度範囲の面(特に実質的にX−Y面)に沿ってスライスする場合が多い。
なお、前記原反シートは、剪断力の作用により板状粒子がシート成形に伴ってシートの面方向に配向することを利用して、種々の方法により作製可能である。例えば、透明樹脂と板状粒子とを溶融混練し、シート状に押出し成形することにより原反シートを作製できる。また、透明樹脂と板状粒子とを混練し、その溶融物を加熱下又は非加熱下で圧プレスすることによっても原反シートを成形できる。さらに、他の方法、例えば、カレンダー加工、射出成形法、溶媒を含むドープを流延して成形するキャスト法などによっても原反シートを成形できる。このようなシート成形において、射出、押出しや圧プレスに伴う剪断力により、板状粒子の面がシート面に沿うように配向する。
本発明のシートは、入射光に対する様々な優れた特性を有するため、面光源装置や液晶表示装置などの各種光学用途に利用できる。
特に、透明性板状粒子を用いたシートは、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱する機能(入射角度選択性散乱機能)や、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できる非対称性散乱機能を有しており、光制御シートを透過した透過光に前記光散乱機能を付与するのに有用である。そのため、このような光制御シートは、光散乱機能が要求される種々の用途、例えば、液晶表示装置(反射型又は透過型液晶表示装置)などの表示装置において、液晶パネル(表示面)の前面、液晶パネルと光源との間などに配設する光散乱シートとして利用できる。
また、反射性板状粒子を用いたシートは、光源(特に管状光源)が導光板や表示面に対して偏在していても、入射光の一部を、入射方向に対する反対方向へ反射させて変角し、導光板の出射面や表示面での角度−輝度特性における非対称性を改善でき、正面輝度を向上できる。そのため、このような光制御シートは、角度−輝度特性を対称化するためのバックライトユニットや液晶表示装置(透過型液晶表示装置)などの表示装置において、導光板の出射面から液晶表示ユニット又は液晶パネルなどの表示ユニットとの間などに配設する光機能シートとして利用できる。
[バックライトユニット]
本発明の光制御シート(特に反射性板状粒子を用いたシート)は、光源(特に管状光源や点状光源)からの光により被照明体を照明するためのシート、特に表示面又は導光板に対して光源が偏在した部位に配設されたバックライトユニットと組み合わせて使用するシートとして有用である。前記バックライトユニットでは、光源ランプが表示面又は導光板の片側に偏在したバックライトであれば、バックライトユニットの構造は特に制限されない。なお、管状光源としては、冷陰極管などが例示でき、点状光源としては、LED(発光ダイオード)などが例示できる。
図4はバックライトユニットを示す概略断面図である。この例では、バックライトユニットは、一方の側部に入射面31aを有するとともに前面に出射面31bを有する断面くさび状の導光板31と、この導光板の一方の側部(入射面側)に配設された管状光源(冷陰極管など)32と、前記導光板31の出射面31b側に配設され、断面三角形状のプリズム列を有するプリズムシート33とを備えており、前記管状光源32の側部には管状光源を囲む反射枠34aが配設され、導光板31の裏面には反射板34bが配設されている。
このようなバックライトユニットでは、管状光源32からの光を導光板31の側部31aから入射させ、前記導光板31の出射面(前面)31bから出射させ、前記導光板31の出射面31bのフロント側に配設された被照明体としての表示ユニット(液晶表示ユニットなど,図示せず)を背面から照明できる。しかし、管状光源32が導光板31の一方の側部に位置するため、導光板31の出射面31b及び表示ユニットの表示面の正面方向に対して、対称な角度−輝度特性が損なわれる。
そこで、図4に示す例では、前記導光板31の出射面31bに、透明粘着層36を介して、前記光制御シート35を積層している。この例では、光制御シート35の反射性板状粒子の板面は、シート面に対してほぼ直交する方向に配向しているか、又は管状光源32から遠ざかるにつれて、反射性板状粒子の板面は出射面31b側よりも表示ユニット側が傾倒(図中、右斜め上方向に傾斜)している(又は表示ユニット側よりも出射面31b側が管状光源32側にシフトして傾斜している)。このようなバックライトユニットでは、導光板31の出射面31bからの光の一部を前記反射性板状粒子で反射できるため、導光板31の出射面31b及び表示ユニットの表示面の正面方向に対して、角度−輝度特性を対称化できるとともに特定の角度での輝度の落ち込みを抑制でき、表示ユニットを均一に照明できる。そのため、表示ユニットの正面輝度特性を改善し、表示品質を向上できる。
特に、前記バックライトユニットは、表示ユニットとしての液晶表示ユニットと組み合わせて用いるのが有利である。そのため、本発明では、前記液晶表示ユニットとバックライトユニットとを備えた液晶表示装置も開示する。
なお、バックライトユニットにおいて、プリズムシートは必ずしも必要ではなく、プリズムシートを用いる場合、単一又は複数のプリズムシートを用いてもよい。複数のプリズムシートは、プリズム列を交差させて配設してもよい。さらに、プリズムシートは、プリズム列を表示ユニット側及び/又は導光板側に向けて配設してもよい。さらには、必要であれば、光拡散板又は光拡散シートを前記導光板と表示ユニットとの間の光路に配設してもよい。
光制御シートはバックライトユニットの適所に装着でき、装着部位は特に制限されない。例えば、前記の例において、光制御シートは、プリズムシートの前面に配設又は装着してもよく、プリズムシートと導光板との間に挟持させてもよく、光拡散板と積層してもよい。なお、反射によるロスを低減するため、光制御シートは他の部材と透明粘着層を介して密着させてもよい。
産業上の利用可能性
本発明では、透明性板状粒子が特定の構造で分散しているため、特定の角度範囲の入射光を選択的に、かつ干渉色の現れない均一な白色散乱光として散乱できる。また、入射光角度の選択性を向上でき、散乱光に指向性を付与できる。
また、透明樹脂の連続相に反射性板状粒子が配向して分散しているので、表示面又は導光板に対して光源が偏在していても、角度−輝度特性を改善できる。特に、片側に光源(管状又は点状光源)を備えたバックライトユニットにおいても、導光板からの出射光の角度−輝度特性における非対称性を低減でき、表示面の正面輝度を向上できる。そのため、このような本発明の光制御シートは、液晶表示装置の表示面の正面輝度特性を改善するためのバックライトユニットの構成部材として有用である。
さらには、ホログラフィー技術を用いることなく、光制御シートを簡便かつ安価に製造できる。
実施例
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
<原反シートの作製>
セルロースアセテートフレーク(ダイセル化学工業(株)製 酢化度53%)100重量部に対し、ジエチルフタレート50重量部、安定剤(旭電化(株)製「フォスファイトPEP36」と、ダイセル化学工業(株)製,エポキシ化大豆油,「ダイマックS−300K」と、日本油脂(株)製,酸化防止剤,「アンチオックスL」とを、4:4:2(重量比)の割合で混合した混合物)1重量部をブレンドし、透明樹脂シートの原反フレークを作製した。この原反フレークに、透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM10B」,板面の平均直径12μm、厚み0.2μm)3重量部を添加し、235℃で加熱、混練後、冷水中で固化させペレット状に裁断した。このペレットを90℃で2時間乾燥後、180℃で加熱、混練後に幅10cm、厚み0.5mmのシート状に押出し、原反シートを成形した。この原反シートの断面写真を観察したところ、シート面に沿って板状粒子が配向し、分散していた。以下、座標系として、原反シートの押出方向をX軸方向とする。
<ブロック組みおよびスライス>
この原反シートをX軸方向に長さ30cm幅に裁断して短冊状とし、図2に示すように、短冊状原反シート11を400枚垂直方向に積層し、積層体12の両側部から圧力を加えながら180℃に加熱して、前記積層体の原反シートを融着し、積層融着体(ブロック)13を作製した。なお、座標系として、このブロック13の積層方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とする。得られたブロツクの大きさは、それぞれX軸方向30cm、Y軸方向20cm、Z軸方向10cmであった。このブロック13を、Z軸方向を厚み方向として、X軸方向(X−Y面)に沿って厚み0.7mmにスライスし、長さ30cm、幅20cmの光制御シート14を得た。なお、原反シートおよびブロック、光制御シートの製造工程を示す模式図および座標系を図2に示す。
得られた光制御シート14のY−Z面に沿った断面図(顕微鏡写真)を図5に示す。シート中でマイカ微粒子は一様に、板面がY軸方向を向いて配向しており、マイカ微粒子の板面とシート面との角度は実質的に90°であった。
この光制御シート14を図6に示すように、X軸が回転軸になるように光散乱測定装置(村上色彩工学研究所製,「変角光度計」)に取り付け、正面から直線白色光源21を入射し、X軸を回転軸として受光部22を変角し、散乱角−散乱強度を測定した。
続いて、X軸を軸に入射光源の入射方向を正面から時計方向に10°ずらし、同様にして、入射角=10°における角度−散乱強度を測定した。同様に、X軸を軸に入射光源の入射角を正面からそれぞれ20°、30°ずらし、同様にして、入射角=20°又は30°における散乱角−散乱強度を測定した。
測定結果を図7に示す。図中、散乱角=0°はシート面に対する法線方向を示す。この図から明らかなように、入射角の変化に対しても非対称散乱によって、常に、散乱角=0°の方向へ散乱光を指向させている。すなわち、集光作用を有していることがわかる。
実施例2
実施例1で調製した原反シートを、X軸方向に長さ30cm幅に裁断し、短冊状原反シートを調製した。図3に示すように、短冊状原反シートを、垂線からの角度θa=10°で上端を横方向に傾けて400枚積層し、積層体の両側部から圧を加えながら180℃に加熱して、積層体の原反シートを融着し、両側部が角度10°で傾斜したブロックを作製した。このブロックを、Z軸方向が厚み方向となるよう、X軸方向(X−Y面)に沿って厚み0.6mmにスライスし光制御シートを得た。
この光制御シートのY−Z面に沿った断面図(顕微鏡写真)を図8に示す。この図に示すように、シート中でマイカ微粒子は一様に、板面とシート面との角度80°で配向していた。
実施例3
ブロックの側面の傾斜角度θaを15°とする以外、実施例2と同様にして厚み0.8mmの光制御シートを得た。この光制御シートのY−Z面に沿った断面を観察したところ、シート中でマイカ微粒子は一様に、板面の法線とシート面法線との角度75°で配向していた。
実施例4
ブロックの側面の傾斜角度θaを20°とする以外、実施例2と同様にして厚み0.6mmの光制御シートを得た。この光制御シートのY−Z面に沿った断面を観察したところ、シート中でマイカ微粒子は一様に、板面の法線とシート面法線との角度70°で配向していた。
実施例1〜4で得られた光制御シートについて、それぞれ図6に示す光散乱測定装置を用いて、正面入射光源に対する散乱角−散乱強度を測定した。その結果を図9に示す。実施例3〜4の光制御シートにおいて板状粒子の傾斜配向により、正面入射においても非対称散乱機能が発現し、集光作用があることがわかる。
実施例4で得られた光制御シートを、X軸が回転軸になるように図6に示す光散乱測定装置に取り付け、X軸を軸に入射角が−30°、−10°、10°、30°となるように入射光源をずらし、そのそれぞれの入射角において散乱角−散乱強度を測定した。その結果を図10に示す。
図10から明らかなように、角度0°以下の入射角では散乱を起こさないか、もしくは起こしても非常に弱いが、角度0°以上の入射角での入射光は強く散乱しており、入射角に対する選択的な散乱が認められる。
実施例5
透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM10B」,板面の平均直径12μm、厚み0.2μm)3重量部に、アジピン酸n−ブチル17重量部及びジエチルフタレート17重量部、安定剤(旭電化(株)製「AO60」と、ダイセル化学工業(株)製「セロキ」とを6:4(重量比)の割合で混合した混合物)1重量部を含浸させた後、セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル(株)製「482−20」)66重量部に混合し、160℃にて加熱、混練後、冷水中で固化させペレット状に裁断した。このペレットを60℃で2時間乾燥後、160℃で加熱、混練後に幅10cm、厚み0.5mmのシート状に押出し、原反シートを成形した。この原反シートを用いて、実施例1と同様にして、マイカの微粒子の板面とシート面との角度が90°で、厚み0.33mmの光制御シートを得た。
実施例6
実施例5と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が90°で、厚み0.55mmの光制御用シートを得た。
実施例5及び6で得られた光制御シートを図6に示すように、X軸が回転軸となるように光散乱測定装置に取り付け、受光部22は0°に固定することにより、散乱せずに直進する透過光強度(直進透過強度)を測定した。さらに、光制御シート14を回転して入射光源の入射方向を変えることにより、−60°〜60°の範囲の入射角に対する直進透過強度の関係を測定した。その結果を図11に示す。なお、図11では直進透過強度は直進透過率(直進透過強度を透明シートの直進透過強度で規格化した値)で表している。
図11から明らかなように、本発明の光制御シートは、入射角によって散乱の強度(直進透過率)が変化する入射角度選択性を有している。さらに、いずれの光制御シートも、入射角=0°付近で強く散乱し、直進透過率が低くなっている。すなわち、本発明の光制御シートは、板状粒子の板面に沿って光が入射したときに強く散乱することが認められる。
実施例7
実施例5と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が90°で、厚み0.4mmの光制御用シートを得た。
実施例8
透明性板状粒子として透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM−9WAB」,板面の平均直径12μm、厚み0.35μm)を用いる以外は実施例5と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が90°で、厚み0.65mmの光制御用シートを得た。
実施例7及び8で得られた光制御シートを図6に示すように、X軸が回転軸となるように光散乱測定装置に取り付け、正面から直線白色光源21を入射し、X軸を回転軸として受光部22を変角し、散乱角−散乱強度を測定した。その結果を図12に示す。
図12から明らかなように、板状粒子の厚みが薄い方が(アスペクト比が大きい方が)、広角(例えば、30°以上)における散乱強度のすその拡がりが抑制され、正面方向に光が指向することが認められる。
実施例9
透明性板状粒子として透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM−05B」,板面の平均直径5.5μm、厚み約0.2μm)を用いる以外は実施例3と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が75°で、厚み0.6mmの光制御用シートを得た。
実施例10
透明性板状粒子として透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM−20B」,板面の平均直径20μm、厚み約0.3μm)を用いる以外は実施例3と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が75°で、厚み0.78mmの光制御用シートを得た。
実施例9及び10で得られた光制御シートを、それぞれX軸が回転軸になるように図6に示す光散乱測定装置に取り付け、X軸を軸に入射角が−30°、−10°、10°、30°となるように入射光源をずらし、それぞれの入射角において散乱角−散乱強度を測定した。実施例9で得られた光制御シートの結果を図13に、実施例10で得られた光制御シートの結果を図14に示す。
図13及び図14から明らかなように、図10と同様に、入射角に対する選択的な散乱及び非対称散乱が認められる。
実施例11
<原反シートの作製>
セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル(株)製「307E−09」)100重量部に、板面の平均直径が20μmの酸化チタン被覆合成マイカ微粒子(日本光研(株)製「SB−100」)0.7重量部を添加し、200℃にて加熱、混練後、冷水中で固化させペレット状に切断した。このペレットを90℃にて2時間乾燥後、180℃にて加熱、混練後に幅10cm、厚み0.2mmのシート状に押出し、原反シートを成形した。この原反シートの断面写真を観察したところ、シート面に沿って板状微粒子が配向し、分散していることを確認できた。以下、座標系として、原反シートの押出方向をX軸とする。
<ブロック組みおよびスライス>
この原反シートをX軸方向に長さ30cm幅に裁断して短冊状とし、図2に示すように、短冊状原反シート11を400枚ほぼ垂直方向に積層し、積層体12の両側部及び上部から圧力を加えながら160℃に加熱して、前記積層体の原反シートを融着し、積層融着体(ブロック)13を作製した。なお、座標系として、このブロック13の積層方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とする。得られたブロツクの大きさは、それぞれX軸方向30cm、Y軸方向20cm、Z軸方向10cmであった。このブロック13を、Z軸方向を厚み方向として、X軸方向(X−Y面)に沿って厚み0.1mmにスライスし、長さ30cm、幅20cmの光制御シート14を得た。なお、原反シートおよびブロック、光制御シートの製造工程を示す模式図および座標系を図2に示す。
得られた光制御シート14のY−Z面に沿った断面図(顕微鏡写真)を図15に示す。シート中で板状粒子は一様に、板面がY軸方向を向いて配向しており、マイカ微粒子の板面とシート面との角度は実質的に85°であった。
この光制御シート14を、図16に示すように、X軸が回転軸になるように光散乱測定装置(村上色彩工学研究所製,「変角光度計」)に取り付け、平行白色光源21を用い、シート面に対する法線から−60°の入射角で直線白色光を入射し、X軸を回転軸として受光部22を角度θsで変角し、角度−散乱強度を測定した。
測定結果を図17に示す。図中、散乱角度=0°はシート面に対する法線方向を示す。この図から明らかなように、前記光制御シートは、入射光の一部を、入射方向とは反対方向へ変角させている。
実施例12
図4に示すくさび導光板の上に、実施例11の光制御シートを、透明粘着層を介して貼り付けることにより、バックライトユニットA(片側光源ランプ型バックライト)を作製した。さらに、光制御シートの上にプリズムシート(三菱レイヨン(株)製、63°品)を装着することにより、バックライトユニットB(片側光源ランプ型バックライト)を作製した。
バックライトユニットAにおいて、くさび型導光板を経て光制御シートを透過した出射光について、管状光源ランプの軸に対して垂直な面内における角度−相対輝度特性を、輝度計(ミノルタ(株)製「CS−1000」)を用いて測定した。また、バックライトユニットBのプリズムシートからの出射光についても、上記と同様にして、角度−相対輝度特性を測定した。その結果を、最大輝度を100として図18に示す。
比較例1
図4に示すバックライトユニットにおいて、くさび導光板に光制御シートを貼り付けることなく、バックライトユニットCを作製した。また、図4に示すバックライトユニットにおいて、導光板に直接プリズムシート(三菱レイヨン(株)製、63°品)を装着することにより、バックライトユニットDを作製した。これらのバックライトユニットにおいて、導光板を透過した出射光、およびプリズムシートからの出射光について、実施例12と同様にして角度−相対輝度特性を測定した。その結果を図19に示す。
図19から明らかなように、光制御シートを装着しないと、角度−20〜−30°付近の輝度に落ち込みが見られる。この輝度の落ち込みは表示パネル上に暗線となって確認されるため表示品位を低下させる。これに対して、図18からわかるように、光制御シートを装着すると、くさび型導光板を経て光制御シートを透過した出射光において非対称性が緩和できる。さらに、プリズムシートを透過した出射光においても、図18からわかるように、角度−30°付近の輝度の落ち込みがなくなり、角度−輝度特性の対称性を向上できるため、表示品位を大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の光制御シートの断面構造を示す模式図である。
図2は本発明の製造方法を説明するための概略工程図である。
図3は本発明の他の製造方法を説明するための積層融着体の概略断面図である。
図4はバックライトユニットを示す概略断面図である。
図5は実施例1で得られた光制御シートの断面を示す顕微鏡写真である。
図6は実施例1〜10での入射角度−散乱強度特性を測定するための装置を示す概略図である。
図7は実施例1で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図8は実施例2で得られた光制御シートの断面を示す顕微鏡写真である。
図9は実施例1〜4で得られた光制御シートの正面入射光源に対する散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図10は実施例4で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図11は実施例5及び6で得られた光制御シートの入射角度−直進透過強度を示すグラフである。
図12は実施例7及び8で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図13は実施例9で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図14は実施例10で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図15は実施例11で得られた光制御シートの断面を示す顕微鏡写真である。
図16は実施例11、実施例12及び比較例1での角度−散乱強度特性を測定するための装置を示す概略図である。
図17は実施例11で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図18は実施例12で作製したバックライトユニットA,Bにおける角度−相対輝度特性を示すグラフである。
図19は比較例1で作製したバックライトユニットC,Dにおける角度−相対輝度特性を示すグラフである。
本発明は、液晶表示装置などの表示装置光学系において、輝度や、角度−輝度特性を改善できるとともに、種々の角度範囲の入射光を選択的に散乱でき、装飾用としても有用な光制御シートおよびその製造方法に関する。
また、本発明は、液晶表示装置などの表示装置の表示面を、管状光源により背面から照明するバックライトユニット(片側光源ランプ型バックライトユニット)において、角度−輝度特性を改善できる光制御シートおよびその製造方法に関する。
背景技術
従来、液晶表示装置において輝度や角度輝度特性、輝度の均一性などを改善するために光拡散シートが用いられている。例えば、バックライトの導光板から出射された光を光拡散シートによって拡散し、表示素子の視野角特性に適合した角度輝度特性を与え、バックライトの効率化を図っている。これに対して、近年、表示品位の上昇、低消費電力化などに伴って、さらなる輝度の向上や輝度を維持する角度範囲の向上が要求されている。このような特性を発現するためには、特定の角度範囲の光のみを選択的に拡散するといった入射光角度選択性や、入射方向と散乱強度の極大方向をずらすといった軸ずらし散乱もしくは、入射方向に対する非対称散乱などの高度な光制御機能を有するシートが不可欠になってきている。ところが、通常の光散乱シートは、透明樹脂シートの表面をマット状に加工したり、透明樹脂シート内部に散乱性微粒子を分散させたりして製造されており、上記のような光制御機能を有していない。
特許第2691543号明細書には、重合性モノマー又はオリゴマーを硬化させ、屈折率の異なる層が折り重なるように配列した構造のシートが提案されている。このような構造のシートにより、入射光角度の選択性を向上できる。しかし、このようなシートは、ホログラフィー技術を応用した光硬化によって製造されるため、干渉色が現れたり、製造コストが著しく高くなる。
特開2000−171619号公報には、フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、散乱因子により屈折率の濃淡模様が形成され、前記屈折率の異なる部分がフィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布した異方性光散乱フィルムが開示されている。このシートは、入射角度の選択性を向上できるとともに、軸ずらし散乱効果などが得られる。このような光制御シートは、特開2000−214311号公報に記載されているように、反射型液晶表示装置に用いると明るく高精細な表示を実現できる。また、散乱因子の形状、厚みを不規則にすることにより、干渉色の発生を抑制できる。しかし、この散乱因子の形状・厚みの不規則性に起因して、散乱光の指向性が低下したり、入射光角度の選択性が低下する。すなわち、本来、入射光が散乱せずに透過すべき角度範囲において、散乱性が依然として発現する。さらには、このシートもホログラフィー技術を利用して製造するため、製造コストが著しく高くなる。
一方、特開2000−338311号公報には、シート内で、楕円状の小片である屈折率の異なる部分がその長軸と短軸の方向を揃えて分散し、かつ屈折率差による濃淡として形成された構造の光散乱シートが提案されている。しかし、このような構造では、入射角度選択性は極めて乏しく、実質的に等方性散乱を期待できない。また、前記構造を現実に実現することは困難であり、ホログラフィー技術をもってしても容易ではない。
また、液晶表示装置では、表示品位の向上のみならず、薄型および軽量化、低消費電力化が要求されている。液晶表示面を背面から照明するバックライトユニットにおいても、正面輝度の改良及び薄型化と、低消費電力化とを両立させることが不可欠である。バックライトユニットには、例えば、冷陰極管で構成された管状光源を導光板の片側に配置した片側光源ランプ型と、管状光源を導光版の両側に配置した両側光源ランプ型の2種類があるが、軽量化および低消費電力化を達成するためには片側光源ランプ型が有利である。このような片側光源ランプ型のバックライトユニットに対して、表示面に対して斜め方向に最大輝度を付与するため、光源ランプからの光を導光するための片側光源ランプ型バックライトの導光板と、この導光板からの出射光を正面方向に変角するためのプリズムシートとで構成されたバックライトユニットが提案されている。しかし、このような構成では、光源ランプが導光板の片側だけに配置されているため、光源ランプの管方向に垂直な面内において、パネルに対する正面方向の角度を0°とし、かつ光源ランプを配置している側を負(−)、他方を正(+)として出射角度座標を規定すると、例えば、出射角度−20〜−30°の範囲で輝度の低下が見られるという欠陥がある。そのため、高い表示品位を得ることができない。
特開2000−348515号公報には、導光板とプリズムシートとの間に光拡散シートを配置したバックライトユニットが提案されている。しかし、このような装置でも、正面輝度の低下が著しく、前記課題の根本的解決には至っていない。
なお、上記の管状光源のみならず、一般に、光源ランプが表示面に対して片側のみに偏在すると、原理的に、角度−輝度特性が正面方向に対して非対称になる場合が多く、表示品位を損ねる要因になっている。
従って、本発明の目的は、特定の角度範囲の入射光を選択的に、かつ干渉色の現れない均一な白色散乱光として散乱する光制御シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できる非対称性散乱機能を有する光制御シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、表示面又は導光板に対して光源が偏在していても、角度−輝度特性を改善できる光制御シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、片側に管状光源を備えたバックライトユニットにおいて、導光板からの出射光の角度−輝度特性における非対称性を低減でき、表示面の正面輝度を向上できる光制御シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、ホログラフィー技術を用いることなく、光制御シートを簡便かつ安価に製造できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、液晶表示装置の表示面の正面輝度特性を改善できるバックライトユニットを提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、所定のアスペクト比を有する板状粒子を透明樹脂に分散し、押出し成形、プレス成形などによりシート成形すると、粒子の板面がシート面方向に沿って一様に配向すること、このような配向機構を利用して、前記粒子(特に透明性板状粒子)の配向方向を制御すると、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱するとともに、干渉色を生じることなく均一に白色散乱させることができ、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できることを見いだし、本発明を完成した。また、前記板状粒子を反射性板状粒子で構成し、この反射性板状粒子の配向を制御することにより、導光板からの出射光の角度−輝度特性における非対称性を低減できることを見出した。
すなわち、本発明の光制御シート(又は光散乱シート)は、透明樹脂中に板状粒子が配向して分散しており、粒子の板面がシート面に対して直交又は所定の角度で傾斜しているシートであって、前記板状粒子が透明性板状粒子及び反射性板状粒子から選択された少なくとも一種で構成されている。なお、前記粒子は、通常、シート中で一様に配向している。前記粒子の板面とシート面との角度(又は板面の法線とシート面法線との角度)は、通常、45〜90°(例えば、70〜90°)程度である。
前記板状粒子が透明性板状粒子である場合、前記板状粒子の板面とシート面との角度は70〜90°や45〜90°程度であってもよい。例えば、前記角度が70〜90°であるとき、シート面に対して正面方向からの入射光を選択的に散乱又は指向可能であり、前記角度が45〜75°であるとき、シート面に対して斜め方向からの入射光を選択的に散乱可能である。このような光制御シートにおいて、前記透明性板状粒子は、板面の平均直径が5〜200μm程度、前記粒子の平均厚みに対する前記平均直径の比が5〜1000(特に40〜100)程度であってもよい。さらに、透明樹脂と透明性板状粒子との屈折率差は、通常、0.01〜0.2程度であり、シート厚みは、50〜2000μm程度である。前記透明樹脂が連続相を構成し、透明性板状粒子が分散相を構成する光制御シートにおいて、透明樹脂の連続相は、セルロースエステル類、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などから選択でき、透明性板状粒子の分散相は、雲母類、タルク、モンモリロナイト類などから選択してもよい。前記シートは、さらに可塑剤1〜100重量部を含有していてもよい。
板状粒子が反射性板状粒子である場合、反射性板状粒子が金属又は金属酸化物(例えば、酸化チタンなど)で被覆された粒子であってもよい。前記反射性板状粒子は、板面の平均直径が5〜1000μm程度であってもよく、シートの厚みは50〜1000μm程度であってもよい。前記透明樹脂が連続相を構成し、反射性板状粒子が分散相を構成する光制御シートにおいて、透明樹脂の連続相は、セルロースエステル類、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などから選択でき、反射性板状粒子の分散相は、雲母類、タルク、モンモリロナイト類などから選択してもよい。このような光制御シートは、表示面に対して光源が偏在した位置に配設され、かつ表示装置のバックライトユニットの構成部材として有用である。前記光制御シートは、通常、光源(特に管状又は点状光源)からの光により被照明体(表示ユニットなど)を照明するためのシートであって、前記光源からの光を導光板の側部(非対称位置、特に一方の側部)から入射させ、前記導光板の前面から出射させて被照明体を裏面から照明するためのバックライト用シートとして有用である。
なお、板状粒子の含有量は、透明樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部程度であってもよい。
本発明は、板状粒子が所定の方向に配向して分散した透明樹脂シートの製造方法であって、前記板状粒子の板面がシート面に沿って配向した複数の透明樹脂シートを積層し、互いに融着させた後、積層方向に対して交差する方向にスライスし、前記光制御シートを製造する方法も包含する。
本発明の光制御シートは、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱でき、かつホログラムを利用したシートと異なり干渉色を一切生じることなく均一な白色散乱が得られる。さらに、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できる非対称性散乱機能を有している。
前記光制御シートは、表示ユニットを背面から照明するためのバックライトユニット又は液晶表示ユニットと組み合わせて用いるのに有用である。前記バックライトユニットは、例えば、側部からの入射光を前面から出射させるための導光板と、この導光板の側部に配設された光源と、前記導光板の出射面と前記表示ユニットとの間に配設された前記光制御シートとを備えている。
このような光制御シートは、ホログラフィー技術を用いることなく、実現可能である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の光制御シートは、透明樹脂の連続相と、この透明樹脂中に所定方向に配向して分散した板状粒子の分散相とで構成され、前記板状粒子は、透明性板状粒子及び反射性板状粒子から選択された少なくとも一種で構成されている。
[透明樹脂]
本発明の光制御シートの連続相は、透明性や成形性、耐衝撃性などの点から透明樹脂で構成されている。透明樹脂には、セルロース誘導体、オレフィン系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂が含まれる。なお、透明樹脂は、熱可塑性樹脂である場合が多いが、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂など)であってもよい。
セルロース誘導体としては、セルロースエステル類(セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースフタレートなど)、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類(アルキルセルロース、ベンジルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シアノエチルセルロースなど)が挙げられる。好ましいセルロース誘導体は、セルロースエステル類(特に、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど)である。
オレフィン系樹脂には、例えば、C2−6オレフィンの単独又は共重合体(エチレン−プロピレン共重合体などのエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)など)、C2−6オレフィンと共重合性単量体との共重合体(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。好ましいオレフィン系樹脂には、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのプロピレン含量が90モル%以上のポリプロピレン系樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)などが含まれ、結晶性オレフィン系樹脂であってもよい。
ハロゲン含有樹脂としては、ハロゲン化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル又はフッ素含有単量体の単独又は共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などの塩化ビニル又はフッ素含有単量体と共重合性単量体との共重合体など)、ハロゲン化ビニリデン系樹脂(ポリ塩化ビニリデン系共重合体、ポリビニリデンフルオライド、又は塩化ビニル又はフッ素含有ビニリデン単量体と他の単量体との共重合体)などが挙げられる。
ビニルアルコール系樹脂の誘導体には、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが含まれる。ビニルエステル系樹脂としては、ビニルエステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニルなど)、ビニルエステル系単量体と共重合性単量体との共重合体(酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)などが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル系樹脂には、ポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体などが含まれる。
スチレン系樹脂には、スチレン系単量体の単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体など)、スチレン系単量体と共重合性単量体との共重合体(スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など)、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂には、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを用いた芳香族ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレートなどのホモポリエステル、アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50モル%以上、好ましくは75〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%)として含むコポリエステルなど)、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリエステル、ポリアリレート系樹脂、液晶性ポリエステルなどが含まれる。ポリエステル系樹脂は、結晶性ポリエステル系樹脂、例えば、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレートホモポリエステル、アルキレンアリレート単位の含有量が80モル%以上のコポリエステル、液晶性芳香族ポリエステルなどであってもよい。さらに、ポリエステル系樹脂は、非晶性ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンアリレートにおいて、ジオール成分(C2−4アルキレングリコール)及び/又は芳香族ジカルボン酸成分(テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸)の一部(例えば、10〜80モル%、好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜75モル%程度)として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの(ポリ)オキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、フタル酸、イソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸など)から選択された少なくとも一種を用いたコポリエステルなどであってもよい。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、キシリレンジアミンアジペート(MXD−6)などの芳香族ポリアミドなどが挙げられる。ポリアミド系樹脂は、ホモポリアミドに限らずコポリアミドであってもよい。
ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれる。
ポリエーテル系樹脂としては、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシメチレン(ポリアセタールホモ又はコポリマーなど)、ポリエーテルエーテルケトンなどが例示でき、ポリスルホン系樹脂としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどが例示できる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系エラストマーなどが例示できる。
連続相を構成する樹脂としては、通常、透明性および熱安定性の高い樹脂が使用される。連続相を構成する好ましい成分には、セルロース誘導体(特にセルロースエステル類)、オレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂など)、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが含まれる。また、前記連続相を構成する樹脂は結晶性又は非晶性であってもよい。
なお、連続相を構成する樹脂は、融点又はガラス転移温度が130〜280℃程度、好ましくは140〜270℃程度、さらに好ましくは150〜260℃程度の樹脂であってもよい。
[板状粒子]
光制御シートの粒子は板状の形態を有している。「板状」の形状とは、上下面が互いに平行な平面を有しており、上下(又は厚み)方向に比べて沿面方向の長さが長い形状を意味する。従って、例えば、前記粒子は、面方向から見ると不定形を有しており、横方向から見ると横長の台形又は針状の形状を有している。
板状粒子は、透明性板状粒子及び反射性板状粒子から選択された少なくとも一種で構成されている。
(透明性板状粒子)
透明性板状粒子としては、例えば、ガラスなどの非晶性無機物質、アルミナ、水酸化アルミニウム、雲母類(白雲母、金雲母、合成雲母などのマイカ類)、タルク、モンモリロナイト類、クレイ類(カオリンクレイ、ろう石クレイなど)などの板状無機結晶、架橋アクリル系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、架橋ポリスルホン系樹脂などの樹脂片をはじめとするポリマーなどが挙げられる。これらの板状粒子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい板状粒子は、雲母類、タルク、モンモリロナイト類などである。なお、板状粒子は、透明性の高い微粒子であるのが好ましいものの、光散乱特性を損なわない限り、着色した板状粒子、例えば、グラファイト(天然又は合成黒鉛)などを含んでいてもよい。好ましい板状粒子は、例えば、雲母類、タルク、モンモリロナイト類などである。
なお、板状粒子の形状は、特に制限されず、無定形板状、多角板状(三角板状、四角板状、六角板状など)、楕円板状、円板状などであってもよい。板状粒子としては、楕円板状、特に円板状などの形態で使用する場合が多い。
透明性板状粒子において、板面の平均直径は、5〜200μm、好ましくは7〜200μm、さらに好ましくは10〜150μm(特に20〜100μm)程度である。平均直径が小さすぎると、入射光を散乱させることなく透過すべき入射角度範囲においても散乱が生じ、入射角度の選択性が得られず、大きすぎると、外観を損なう。
透明性板状粒子のアスペクト比(=板状粒子における板面の平均直径/粒子における平均厚み)は、5〜1000、好ましくは10〜500(例えば、20〜500)、さらに好ましくは30〜100(特に40〜100)程度である。粒子のアスペクト比が小さすぎたり、楕円状などの球に近い形状であると、配向性が低下したり、入射角度選択性散乱機能や非対称散乱機能などの光制御機能が損なわれる。
板状粒子を透明性板状粒子で構成する場合、透明性板状粒子と透明樹脂との平均屈折率差は、0.001以上(例えば、0.01〜0.2程度)、好ましくは0.01〜0.15程度、さらに好ましくは0.05〜0.15程度である。
(反射性板状粒子)
反射性板状粒子は、板状粒子自体が光反射性を有する粒子(例えば、表面処理されていてもよいアルミニウムなど)であってもよく、板状粒子に光反射性を付与した粒子であってもよい。反射性板状粒子は、通常、前記透明性板状粒子の項で例示した板状粒子と、この板状粒子を被覆し、かつ光反射性を付与するための成分(特に金属及び金属酸化物から選択された少なくとも一種)とで構成されている。
前記金属及び金属酸化物としては、例えば、金属光沢を示す種々の成分、例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの金属、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物などが例示できる。
金属又は金属酸化物の被覆量は、例えば、板状粒子100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜50重量部(例えば、5〜50重量部)、さらに好ましくは5〜30重量部程度であってもよい。
反射性板状粒子において、板面の平均直径は、例えば、5〜1000μm(例えば、5〜500μm)、好ましくは10〜500μm(例えば、10〜300μm)、さらに好ましくは20〜300μm(例えば、20〜200μm)程度である。平均直径が小さすぎると、反射性のみならず散乱性が発現し、出射光の指向性が低下し高い表示品位が得られず、大きすぎると、外観を損ねる。
反射性板状粒子のアスペクト比(=板状粒子における板面の平均直径/粒子における平均厚み)は、5〜10000、好ましくは10〜5000、さらに好ましくは10〜3000程度である。粒子のアスペクト比が小さすぎたり、楕円などの球に近い形状であると、配向性が低下したり、高い表示品位を得ることができず、アスペクト比が大きすぎると外観を損ねる。
板状粒子の割合は、通常、高い光制御性を実現できる範囲で選択でき、例えば、透明樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.2〜50重量部程度である。
本発明では、透明性板状粒子と反射性板状粒子を組み合わせて用いてもよいが、通常、いずれかの板状粒子が使用される。透明板状粒子を用いると、入射光の選択性を向上することができ、例えば、特定の角度範囲の入射光を選択的に、かつ干渉色の現れない均一な白色散乱光として散乱できたり、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できる。反射性板状粒子を用いると、表示面又は導光板に対して光源が偏在していても、角度−輝度特性を改善できるため、例えば、管状光源を備えた片側光源ランプ型バックライトユニットに適している。
透明性板状粒子の割合は、所望する光散乱特性に応じて選択でき、例えば、透明樹脂100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部(例えば、1〜10重量部)程度である。
反射性板状粒子の割合は、所望する光制御性に応じて選択でき、例えば、透明樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部(例えば、0.1〜20重量部)、さらに好ましくは0.2〜10重量部(例えば、0.2〜5重量部)程度である。
[添加成分]
前記樹脂成分は、必要に応じて、変性(例えば、ゴム変性)又は可塑化(例えば、軟質塩化ビニル系樹脂などのように可塑剤の添加による可塑化、又は軟質性分の重合による可塑化)されていてもよく、透明樹脂には種々の成分を添加してもよい。特に、板状粒子として透明性板状粒子を用いた場合に有効である。例えば、成形性や機械強度などを向上するため、可塑剤を添加してもよい。例えば、セルロースエステル類の成形性や可撓性を向上させるため、フタル酸エステル系可塑剤[DEP(ジエチルフタレート)、DBP(ジブチルフタレート)、DOP(ジオクチルフタレート)、ジ2−エチルヘキシルフタレートなどのジC1−12アルキルフタレートなど]、脂肪族多価カルボン酸エステル[アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどのC6−12アルカンカルボン酸C2−12アルキルエステルなど]、リン酸エステル系可塑剤[TPP(リン酸トリフェニル)、リン酸トリブチルなど]、多価アルコールのカルボン酸エステル[エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、トリアセチンなどの多価アルコール酢酸エステルなど]などが例示できる。これらの可塑剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
透明樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量は、透明樹脂の種類に応じて、例えば、1〜100重量部、好ましくは5〜75重量部程度の範囲から選択できる。
本発明の光制御シートは、光散乱性を補助的に制御又は増加させるため、透明性板状粒子に加えて、非板状粒子(例えば、球状、楕円状、無定形状などの粒子)を含んでいてもよい。このような非板状粒子としては、無機粒子(例えば、炭酸カルシウム、酸化チタンなど)、有機粒子(架橋メタクリル酸メチル系重合体、架橋ポリスチレンなど)などが例示できる。非板状粒子の含有量は、通常、板状粒子よりも少量であり、例えば、透明樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度であってもよい。
また、光制御シートは、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤など)、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、分散剤などを含んでいてもよい。
[シートの構造]
図1は本発明の光制御シートの断面構造を示す模式図である。図1に示されるように、光制御シート1は、透明樹脂2と、この透明樹脂中に分散した板状粒子3とで構成されており、前記板状粒子はシート(又は透明樹脂マトリックス)中で一様に配向している。そして、板状粒子3の板面はシート1面に対して直交又は所定の角度θで傾斜している。前記粒子3の板面とシート1面との角度(板面の法線とシート面の法線との角度)θは、光散乱機能に応じて、例えば、45〜90°(好ましくは60〜90°、さらに好ましくは70〜90°)程度の範囲から選択できる。
このような光制御シートは、入射光に対する様々な優れた特性を有している。
例えば、透明性板状粒子を用いた光制御シートは、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱する入射角度選択性散乱機能や、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向させる機能(非対称性散乱機能)を有している。この光制御シートにおいて、前記角度θは、70〜90°(例えば、75〜90°)、特に80〜90°(例えば、85〜90°)や70〜89°(例えば、75〜89°)程度であってもよく、45〜75°(例えば、45〜70°)程度であってもよい。
前記光制御シートの機能と前記角度θとの関係を例示すると、例えば、正面方向(シート面に対して垂線方向)からの入射光に対して特定の光散乱機能を有効に発現させる場合、前記角度θは、通常、70〜90°(好ましくは75〜90°)程度の範囲から選択される。より具体的には、例えば、正面近辺の角度範囲(例えば、正面方向に対して±30°の範囲)の入射光だけを選択的に散乱(正面入射選択性散乱)させる場合や、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向又は集光させる機能(非対称性散乱機能)を付与し、正面方向に指向して散乱させる場合には、前記角度θは、例えば、80〜90°(好ましくは85〜90°)程度である。また、正面方向から入射する光を特定方向にシフト(例えば、5〜30°、特に10〜30°の範囲でシフト)させて散乱(軸ずらし散乱)させる場合、前記角度θは、例えば、70〜89°(好ましくは75〜89°)程度である。
さらに、特定の斜め入射光(例えば、正面方向に対して10〜80°、特に20〜80°の角度)に対して選択的に散乱させる場合(斜め入射選択性散乱)には、前記角度θは、例えば、45〜75°(好ましくは45〜70°)程度である。
反射性板状粒子を用いた光制御シートは、入射光の一部を入射方向とは逆方向へ反射(もしくは変角)させる機能を有している。そのため、バックライトユニットに装着すると、前記光制御シートは、導光板からの出射光の角度−輝度特性における非対称性を低減でき、表示品位を高める機能を有する。
光制御シートにおける板状粒子の配列形態は特に制限されない。例えば、板状粒子の重心の位置は、透明樹脂シート中でランダムに配置していてもよく、規則的に又は不規則的に分散していてもよい。
本発明の光制御シートの厚みは、例えば、10〜3000μm、好ましくは30〜2000μm程度の範囲から選択できる。
透明性板状粒子を用いた光制御シートの厚みは、高い入射角度選択性などを実現するため、例えば、50〜2000μm、好ましくは80〜1000μm、さらに好ましくは100〜800μm程度である。
反射性板状粒子を用いた光制御シートの厚みは、高い光制御性を実現するために、例えば、50〜1000μm、好ましくは50〜800μm、さらに好ましくは70〜500μm(例えば、70〜300μm)程度である。
[光制御シートの製造方法]
本発明の光制御シートの製造方法は特に限定されず種々の方法で製造できるが、本発明は、従来の光制御シートと異なり、ホログラフィー技術を利用することなく製造可能であることが大きな利点である。このような製造方法の一例として、例えば、板状粒子の板面がシート面に沿って配向して分散した複数の透明樹脂シート(原反シート)を積層し、互いに融着させた後、積層方向に対して交差する方向に所定の厚みでスライス又は切断する方法が挙げられる。なお、複数の原反シートの積層体の積層面は、スライス面に対して直交していてもよく、傾斜していてもよい。
図2は本発明の製造方法を説明するための概略工程図である。この例では、透明樹脂と板状粒子とで構成された複数の原反シート11を、積層面を水平面に対して略鉛直方向に向けて積層して積層体12を形成し、前記板状粒子の配向を実質的に維持しつつ、この積層体12を加熱融着して一体化した積層融着体13を形成し、この積層融着体の積層面に対して直交する方向に所定の厚みでスライスし、光制御シート14を調製している。
このような方法では、板状粒子の板面がシート面に対して略90°の角度で配向した光制御シート14を得ることができる。
図3は本発明の他の製造方法を説明するための積層体の概略図である。この例では、積層体22において、複数の原反シートを角度θaで傾斜させて積層している。すなわち、複数の原反シートの積層体において、側面を角度θaで傾斜させており、積層体の両側面の傾斜角度及び板状粒子の配向状態を維持しながら加熱してブロック状積層融着体を調製している。
このようにブロック状積層体の側面を傾斜させて積層融着体を調製すると、積層融着体をその上端面又は下端面方向にスライスすることにより、シート面に対して板状粒子の配向角度の異なる光制御シートを容易に製造できる。また、積層融着体の側面の傾斜角度によりシート面に対して板状粒子の配向角度を容易にコントロールできる。
なお、原反シートは、押出成形などのシート成形方法において、折り畳み、押出ラミネートなどを利用して連続的又は間欠的に順次積層してもよい。このような方法では積層とともに積層融着体を得ることができる。
スライス又は切断方向は原反シートの積層面に対して交差する方向であればよく、通常、積層面(原反シートの面)方向をX軸方向、積層方向をY軸方向、積層方向と直交又は交差する厚み方向をZ軸方向とするとき、積層融着体のX−Y面を中心として15°(好ましくは10°)程度の角度範囲の面(特に実質的にX−Y面)に沿ってスライスする場合が多い。
なお、前記原反シートは、剪断力の作用により板状粒子がシート成形に伴ってシートの面方向に配向することを利用して、種々の方法により作製可能である。例えば、透明樹脂と板状粒子とを溶融混練し、シート状に押出し成形することにより原反シートを作製できる。また、透明樹脂と板状粒子とを混練し、その溶融物を加熱下又は非加熱下で圧プレスすることによっても原反シートを成形できる。さらに、他の方法、例えば、カレンダー加工、射出成形法、溶媒を含むドープを流延して成形するキャスト法などによっても原反シートを成形できる。このようなシート成形において、射出、押出しや圧プレスに伴う剪断力により、板状粒子の面がシート面に沿うように配向する。
本発明のシートは、入射光に対する様々な優れた特性を有するため、面光源装置や液晶表示装置などの各種光学用途に利用できる。
特に、透明性板状粒子を用いたシートは、特定の角度範囲の入射光を選択的に散乱する機能(入射角度選択性散乱機能)や、入射方向が変わっても特定の方向に散乱光を指向できる非対称性散乱機能を有しており、光制御シートを透過した透過光に前記光散乱機能を付与するのに有用である。そのため、このような光制御シートは、光散乱機能が要求される種々の用途、例えば、液晶表示装置(反射型又は透過型液晶表示装置)などの表示装置において、液晶パネル(表示面)の前面、液晶パネルと光源との間などに配設する光散乱シートとして利用できる。
また、反射性板状粒子を用いたシートは、光源(特に管状光源)が導光板や表示面に対して偏在していても、入射光の一部を、入射方向に対する反対方向へ反射させて変角し、導光板の出射面や表示面での角度−輝度特性における非対称性を改善でき、正面輝度を向上できる。そのため、このような光制御シートは、角度−輝度特性を対称化するためのバックライトユニットや液晶表示装置(透過型液晶表示装置)などの表示装置において、導光板の出射面から液晶表示ユニット又は液晶パネルなどの表示ユニットとの間などに配設する光機能シートとして利用できる。
[バックライトユニット]
本発明の光制御シート(特に反射性板状粒子を用いたシート)は、光源(特に管状光源や点状光源)からの光により被照明体を照明するためのシート、特に表示面又は導光板に対して光源が偏在した部位に配設されたバックライトユニットと組み合わせて使用するシートとして有用である。前記バックライトユニットでは、光源ランプが表示面又は導光板の片側に偏在したバックライトであれば、バックライトユニットの構造は特に制限されない。なお、管状光源としては、冷陰極管などが例示でき、点状光源としては、LED(発光ダイオード)などが例示できる。
図4はバックライトユニットを示す概略断面図である。この例では、バックライトユニットは、一方の側部に入射面31aを有するとともに前面に出射面31bを有する断面くさび状の導光板31と、この導光板の一方の側部(入射面側)に配設された管状光源(冷陰極管など)32と、前記導光板31の出射面31b側に配設され、断面三角形状のプリズム列を有するプリズムシート33とを備えており、前記管状光源32の側部には管状光源を囲む反射枠34aが配設され、導光板31の裏面には反射板34bが配設されている。
このようなバックライトユニットでは、管状光源32からの光を導光板31の側部31aから入射させ、前記導光板31の出射面(前面)31bから出射させ、前記導光板31の出射面31bのフロント側に配設された被照明体としての表示ユニット(液晶表示ユニットなど,図示せず)を背面から照明できる。しかし、管状光源32が導光板31の一方の側部に位置するため、導光板31の出射面31b及び表示ユニットの表示面の正面方向に対して、対称な角度−輝度特性が損なわれる。
そこで、図4に示す例では、前記導光板31の出射面31bに、透明粘着層36を介して、前記光制御シート35を積層している。この例では、光制御シート35の反射性板状粒子の板面は、シート面に対してほぼ直交する方向に配向しているか、又は管状光源32から遠ざかるにつれて、反射性板状粒子の板面は出射面31b側よりも表示ユニット側が傾倒(図中、右斜め上方向に傾斜)している(又は表示ユニット側よりも出射面31b側が管状光源32側にシフトして傾斜している)。このようなバックライトユニットでは、導光板31の出射面31bからの光の一部を前記反射性板状粒子で反射できるため、導光板31の出射面31b及び表示ユニットの表示面の正面方向に対して、角度−輝度特性を対称化できるとともに特定の角度での輝度の落ち込みを抑制でき、表示ユニットを均一に照明できる。そのため、表示ユニットの正面輝度特性を改善し、表示品質を向上できる。
特に、前記バックライトユニットは、表示ユニットとしての液晶表示ユニットと組み合わせて用いるのが有利である。そのため、本発明では、前記液晶表示ユニットとバックライトユニットとを備えた液晶表示装置も開示する。
なお、バックライトユニットにおいて、プリズムシートは必ずしも必要ではなく、プリズムシートを用いる場合、単一又は複数のプリズムシートを用いてもよい。複数のプリズムシートは、プリズム列を交差させて配設してもよい。さらに、プリズムシートは、プリズム列を表示ユニット側及び/又は導光板側に向けて配設してもよい。さらには、必要であれば、光拡散板又は光拡散シートを前記導光板と表示ユニットとの間の光路に配設してもよい。
光制御シートはバックライトユニットの適所に装着でき、装着部位は特に制限されない。例えば、前記の例において、光制御シートは、プリズムシートの前面に配設又は装着してもよく、プリズムシートと導光板との間に挟持させてもよく、光拡散板と積層してもよい。なお、反射によるロスを低減するため、光制御シートは他の部材と透明粘着層を介して密着させてもよい。
産業上の利用可能性
本発明では、透明性板状粒子が特定の構造で分散しているため、特定の角度範囲の入射光を選択的に、かつ干渉色の現れない均一な白色散乱光として散乱できる。また、入射光角度の選択性を向上でき、散乱光に指向性を付与できる。
また、透明樹脂の連続相に反射性板状粒子が配向して分散しているので、表示面又は導光板に対して光源が偏在していても、角度−輝度特性を改善できる。特に、片側に光源(管状又は点状光源)を備えたバックライトユニットにおいても、導光板からの出射光の角度−輝度特性における非対称性を低減でき、表示面の正面輝度を向上できる。そのため、このような本発明の光制御シートは、液晶表示装置の表示面の正面輝度特性を改善するためのバックライトユニットの構成部材として有用である。
さらには、ホログラフィー技術を用いることなく、光制御シートを簡便かつ安価に製造できる。
実施例
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
<原反シートの作製>
セルロースアセテートフレーク(ダイセル化学工業(株)製 酢化度53%)100重量部に対し、ジエチルフタレート50重量部、安定剤(旭電化(株)製「フォスファイトPEP36」と、ダイセル化学工業(株)製,エポキシ化大豆油,「ダイマックS−300K」と、日本油脂(株)製,酸化防止剤,「アンチオックスL」とを、4:4:2(重量比)の割合で混合した混合物)1重量部をブレンドし、透明樹脂シートの原反フレークを作製した。この原反フレークに、透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM10B」,板面の平均直径12μm、厚み0.2μm)3重量部を添加し、235℃で加熱、混練後、冷水中で固化させペレット状に裁断した。このペレットを90℃で2時間乾燥後、180℃で加熱、混練後に幅10cm、厚み0.5mmのシート状に押出し、原反シートを成形した。この原反シートの断面写真を観察したところ、シート面に沿って板状粒子が配向し、分散していた。以下、座標系として、原反シートの押出方向をX軸方向とする。
<ブロック組みおよびスライス>
この原反シートをX軸方向に長さ30cm幅に裁断して短冊状とし、図2に示すように、短冊状原反シート11を400枚垂直方向に積層し、積層体12の両側部から圧力を加えながら180℃に加熱して、前記積層体の原反シートを融着し、積層融着体(ブロック)13を作製した。なお、座標系として、このブロック13の積層方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とする。得られたブロツクの大きさは、それぞれX軸方向30cm、Y軸方向20cm、Z軸方向10cmであった。このブロック13を、Z軸方向を厚み方向として、X軸方向(X−Y面)に沿って厚み0.7mmにスライスし、長さ30cm、幅20cmの光制御シート14を得た。なお、原反シートおよびブロック、光制御シートの製造工程を示す模式図および座標系を図2に示す。
得られた光制御シート14のY−Z面に沿った断面図(顕微鏡写真)を図5に示す。シート中でマイカ微粒子は一様に、板面がY軸方向を向いて配向しており、マイカ微粒子の板面とシート面との角度は実質的に90°であった。
この光制御シート14を図6に示すように、X軸が回転軸になるように光散乱測定装置(村上色彩工学研究所製,「変角光度計」)に取り付け、正面から直線白色光源21を入射し、X軸を回転軸として受光部22を変角し、散乱角−散乱強度を測定した。
続いて、X軸を軸に入射光源の入射方向を正面から時計方向に10°ずらし、同様にして、入射角=10°における角度−散乱強度を測定した。同様に、X軸を軸に入射光源の入射角を正面からそれぞれ20°、30°ずらし、同様にして、入射角=20°又は30°における散乱角−散乱強度を測定した。
測定結果を図7に示す。図中、散乱角=0°はシート面に対する法線方向を示す。この図から明らかなように、入射角の変化に対しても非対称散乱によって、常に、散乱角=0°の方向へ散乱光を指向させている。すなわち、集光作用を有していることがわかる。
実施例2
実施例1で調製した原反シートを、X軸方向に長さ30cm幅に裁断し、短冊状原反シートを調製した。図3に示すように、短冊状原反シートを、垂線からの角度θa=10°で上端を横方向に傾けて400枚積層し、積層体の両側部から圧を加えながら180℃に加熱して、積層体の原反シートを融着し、両側部が角度10°で傾斜したブロックを作製した。このブロックを、Z軸方向が厚み方向となるよう、X軸方向(X−Y面)に沿って厚み0.6mmにスライスし光制御シートを得た。
この光制御シートのY−Z面に沿った断面図(顕微鏡写真)を図8に示す。この図に示すように、シート中でマイカ微粒子は一様に、板面とシート面との角度80°で配向していた。
実施例3
ブロックの側面の傾斜角度θaを15°とする以外、実施例2と同様にして厚み0.8mmの光制御シートを得た。この光制御シートのY−Z面に沿った断面を観察したところ、シート中でマイカ微粒子は一様に、板面の法線とシート面法線との角度75°で配向していた。
実施例4
ブロックの側面の傾斜角度θaを20°とする以外、実施例2と同様にして厚み0.6mmの光制御シートを得た。この光制御シートのY−Z面に沿った断面を観察したところ、シート中でマイカ微粒子は一様に、板面の法線とシート面法線との角度70°で配向していた。
実施例1〜4で得られた光制御シートについて、それぞれ図6に示す光散乱測定装置を用いて、正面入射光源に対する散乱角−散乱強度を測定した。その結果を図9に示す。実施例3〜4の光制御シートにおいて板状粒子の傾斜配向により、正面入射においても非対称散乱機能が発現し、集光作用があることがわかる。
実施例4で得られた光制御シートを、X軸が回転軸になるように図6に示す光散乱測定装置に取り付け、X軸を軸に入射角が−30°、−10°、10°、30°となるように入射光源をずらし、そのそれぞれの入射角において散乱角−散乱強度を測定した。その結果を図10に示す。
図10から明らかなように、角度0°以下の入射角では散乱を起こさないか、もしくは起こしても非常に弱いが、角度0°以上の入射角での入射光は強く散乱しており、入射角に対する選択的な散乱が認められる。
実施例5
透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM10B」,板面の平均直径12μm、厚み0.2μm)3重量部に、アジピン酸n−ブチル17重量部及びジエチルフタレート17重量部、安定剤(旭電化(株)製「AO60」と、ダイセル化学工業(株)製「セロキ」とを6:4(重量比)の割合で混合した混合物)1重量部を含浸させた後、セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル(株)製「482−20」)66重量部に混合し、160℃にて加熱、混練後、冷水中で固化させペレット状に裁断した。このペレットを60℃で2時間乾燥後、160℃で加熱、混練後に幅10cm、厚み0.5mmのシート状に押出し、原反シートを成形した。この原反シートを用いて、実施例1と同様にして、マイカの微粒子の板面とシート面との角度が90°で、厚み0.33mmの光制御シートを得た。
実施例6
実施例5と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が90°で、厚み0.55mmの光制御用シートを得た。
実施例5及び6で得られた光制御シートを図6に示すように、X軸が回転軸となるように光散乱測定装置に取り付け、受光部22は0°に固定することにより、散乱せずに直進する透過光強度(直進透過強度)を測定した。さらに、光制御シート14を回転して入射光源の入射方向を変えることにより、−60°〜60°の範囲の入射角に対する直進透過強度の関係を測定した。その結果を図11に示す。なお、図11では直進透過強度は直進透過率(直進透過強度を透明シートの直進透過強度で規格化した値)で表している。
図11から明らかなように、本発明の光制御シートは、入射角によって散乱の強度(直進透過率)が変化する入射角度選択性を有している。さらに、いずれの光制御シートも、入射角=0°付近で強く散乱し、直進透過率が低くなっている。すなわち、本発明の光制御シートは、板状粒子の板面に沿って光が入射したときに強く散乱することが認められる。
実施例7
実施例5と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が90°で、厚み0.4mmの光制御用シートを得た。
実施例8
透明性板状粒子として透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM−9WAB」,板面の平均直径12μm、厚み0.35μm)を用いる以外は実施例5と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が90°で、厚み0.65mmの光制御用シートを得た。
実施例7及び8で得られた光制御シートを図6に示すように、X軸が回転軸となるように光散乱測定装置に取り付け、正面から直線白色光源21を入射し、X軸を回転軸として受光部22を変角し、散乱角−散乱強度を測定した。その結果を図12に示す。
図12から明らかなように、板状粒子の厚みが薄い方が(アスペクト比が大きい方が)、広角(例えば、30°以上)における散乱強度のすその拡がりが抑制され、正面方向に光が指向することが認められる。
実施例9
透明性板状粒子として透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM−05B」,板面の平均直径5.5μm、厚み約0.2μm)を用いる以外は実施例3と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が75°で、厚み0.6mmの光制御用シートを得た。
実施例10
透明性板状粒子として透明マイカ微粒子(トピー工業(株)製「PDM−20B」,板面の平均直径20μm、厚み約0.3μm)を用いる以外は実施例3と同様にして、マイカ粒子の板面とシート面との角度が75°で、厚み0.78mmの光制御用シートを得た。
実施例9及び10で得られた光制御シートを、それぞれX軸が回転軸になるように図6に示す光散乱測定装置に取り付け、X軸を軸に入射角が−30°、−10°、10°、30°となるように入射光源をずらし、それぞれの入射角において散乱角−散乱強度を測定した。実施例9で得られた光制御シートの結果を図13に、実施例10で得られた光制御シートの結果を図14に示す。
図13及び図14から明らかなように、図10と同様に、入射角に対する選択的な散乱及び非対称散乱が認められる。
実施例11
<原反シートの作製>
セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル(株)製「307E−09」)100重量部に、板面の平均直径が20μmの酸化チタン被覆合成マイカ微粒子(日本光研(株)製「SB−100」)0.7重量部を添加し、200℃にて加熱、混練後、冷水中で固化させペレット状に切断した。このペレットを90℃にて2時間乾燥後、180℃にて加熱、混練後に幅10cm、厚み0.2mmのシート状に押出し、原反シートを成形した。この原反シートの断面写真を観察したところ、シート面に沿って板状微粒子が配向し、分散していることを確認できた。以下、座標系として、原反シートの押出方向をX軸とする。
<ブロック組みおよびスライス>
この原反シートをX軸方向に長さ30cm幅に裁断して短冊状とし、図2に示すように、短冊状原反シート11を400枚ほぼ垂直方向に積層し、積層体12の両側部及び上部から圧力を加えながら160℃に加熱して、前記積層体の原反シートを融着し、積層融着体(ブロック)13を作製した。なお、座標系として、このブロック13の積層方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とする。得られたブロツクの大きさは、それぞれX軸方向30cm、Y軸方向20cm、Z軸方向10cmであった。このブロック13を、Z軸方向を厚み方向として、X軸方向(X−Y面)に沿って厚み0.1mmにスライスし、長さ30cm、幅20cmの光制御シート14を得た。なお、原反シートおよびブロック、光制御シートの製造工程を示す模式図および座標系を図2に示す。
得られた光制御シート14のY−Z面に沿った断面図(顕微鏡写真)を図15に示す。シート中で板状粒子は一様に、板面がY軸方向を向いて配向しており、マイカ微粒子の板面とシート面との角度は実質的に85°であった。
この光制御シート14を、図16に示すように、X軸が回転軸になるように光散乱測定装置(村上色彩工学研究所製,「変角光度計」)に取り付け、平行白色光源21を用い、シート面に対する法線から−60°の入射角で直線白色光を入射し、X軸を回転軸として受光部22を角度θsで変角し、角度−散乱強度を測定した。
測定結果を図17に示す。図中、散乱角度=0°はシート面に対する法線方向を示す。この図から明らかなように、前記光制御シートは、入射光の一部を、入射方向とは反対方向へ変角させている。
実施例12
図4に示すくさび導光板の上に、実施例11の光制御シートを、透明粘着層を介して貼り付けることにより、バックライトユニットA(片側光源ランプ型バックライト)を作製した。さらに、光制御シートの上にプリズムシート(三菱レイヨン(株)製、63°品)を装着することにより、バックライトユニットB(片側光源ランプ型バックライト)を作製した。
バックライトユニットAにおいて、くさび型導光板を経て光制御シートを透過した出射光について、管状光源ランプの軸に対して垂直な面内における角度−相対輝度特性を、輝度計(ミノルタ(株)製「CS−1000」)を用いて測定した。また、バックライトユニットBのプリズムシートからの出射光についても、上記と同様にして、角度−相対輝度特性を測定した。その結果を、最大輝度を100として図18に示す。
比較例1
図4に示すバックライトユニットにおいて、くさび導光板に光制御シートを貼り付けることなく、バックライトユニットCを作製した。また、図4に示すバックライトユニットにおいて、導光板に直接プリズムシート(三菱レイヨン(株)製、63°品)を装着することにより、バックライトユニットDを作製した。これらのバックライトユニットにおいて、導光板を透過した出射光、およびプリズムシートからの出射光について、実施例12と同様にして角度−相対輝度特性を測定した。その結果を図19に示す。
図19から明らかなように、光制御シートを装着しないと、角度−20〜−30°付近の輝度に落ち込みが見られる。この輝度の落ち込みは表示パネル上に暗線となって確認されるため表示品位を低下させる。これに対して、図18からわかるように、光制御シートを装着すると、くさび型導光板を経て光制御シートを透過した出射光において非対称性が緩和できる。さらに、プリズムシートを透過した出射光においても、図18からわかるように、角度−30°付近の輝度の落ち込みがなくなり、角度−輝度特性の対称性を向上できるため、表示品位を大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の光制御シートの断面構造を示す模式図である。
図2は本発明の製造方法を説明するための概略工程図である。
図3は本発明の他の製造方法を説明するための積層融着体の概略断面図である。
図4はバックライトユニットを示す概略断面図である。
図5は実施例1で得られた光制御シートの断面を示す顕微鏡写真である。
図6は実施例1〜10での入射角度−散乱強度特性を測定するための装置を示す概略図である。
図7は実施例1で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図8は実施例2で得られた光制御シートの断面を示す顕微鏡写真である。
図9は実施例1〜4で得られた光制御シートの正面入射光源に対する散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図10は実施例4で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図11は実施例5及び6で得られた光制御シートの入射角度−直進透過強度を示すグラフである。
図12は実施例7及び8で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図13は実施例9で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図14は実施例10で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図15は実施例11で得られた光制御シートの断面を示す顕微鏡写真である。
図16は実施例11、実施例12及び比較例1での角度−散乱強度特性を測定するための装置を示す概略図である。
図17は実施例11で得られた光制御シートの散乱角−散乱強度特性を示すグラフである。
図18は実施例12で作製したバックライトユニットA,Bにおける角度−相対輝度特性を示すグラフである。
図19は比較例1で作製したバックライトユニットC,Dにおける角度−相対輝度特性を示すグラフである。
Claims (18)
- 透明樹脂中に板状粒子が配向して分散したシートであって、前記微粒子の板面がシート面に対して直交又は傾斜している光制御シートであって、前記板状粒子が透明性板状粒子及び反射性板状粒子から選択された少なくとも一種で構成されている光制御シート。
- 板状粒子の板面とシート面との角度が45〜90°である請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が透明性板状粒子であって、透明性板状粒子の板面の平均直径が5〜200μmで、かつ前記粒子の平均厚みに対する前記平均直径の比が5〜1000である請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が透明性板状粒子であって、透明性板状粒子の板面の平均直径が5〜200μmで、かつ前記粒子の平均厚みに対する前記平均直径の比が40〜100である請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が透明性板状粒子であって、透明樹脂と透明性板状粒子との屈折率差が0.01〜0.2で、かつシート厚みが50〜2000μmである請求項1記載の光制御シート。
- セルロースエステル類、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂から選択された透明樹脂の連続相と、雲母類、タルク、モンモリロナイト類から選択された少なくとも一種の透明性板状粒子の分散相とで構成されており、板状粒子の板面とシート面との角度45〜90°で、板状粒子が配向している請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が透明性板状粒子であって、板状粒子の板面とシート面との角度が70〜90°又は45〜75°である請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が透明性板状粒子であって、板状粒子の板面とシート面との角度が70〜90°であり、シート面に対して正面方向からの入射光を選択的に散乱又は指向可能な請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が透明性板状粒子であって、板状粒子の板面とシート面との角度が45〜75°であり、シート面に対して斜め方向からの入射光を選択的に散乱可能な請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が透明性板状粒子であって、さらに可塑剤1〜100重量部を含有する請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が反射性板状粒子であって、反射性板状粒子が金属又は金属酸化物で被覆された粒子である請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が反射性板状粒子であって、反射性粒子の表面が酸化チタンで被覆されている請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が反射性板状粒子であって、反射性板状粒子の板面の平均直径が5〜1000μmであり、シートの厚みが50〜1000μmである請求項1記載の光制御シート。
- セルロースエステル類、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂から選択された透明樹脂の連続相と、雲母類、タルク、モンモリロナイト類から選択され、かつ反射性を有する少なくとも一種の反射性板状粒子の分散相とで構成されており、板状粒子の板面とシート面との角度45〜90°で、板状粒子が配向している請求項1記載の光制御シート。
- 透明樹脂100重量部に対して板状粒子0.1〜50重量部を含む請求項1記載の光制御シート。
- 光源により被照明体を照明するためのシートであって、前記光源からの光を導光板の側部から入射させ、前記導光板の前面から出射させて被照明体を裏面から照明するためのバックライト用シートである請求項1記載の光制御シート。
- 板状粒子が所定の方向に配向して分散した透明樹脂シートの製造方法であって、前記板状粒子の板面がシート面に沿って配向した複数の透明樹脂シートを積層し、互いに融着させた後、積層方向に対して交差する方向にスライスし、請求項1記載の光制御シートを製造する方法。
- 表示ユニットを背面から照明するためのバックライトユニットであって、側部からの入射光を前面から出射させるための導光板と、この導光板の側部に配設された光源と、前記導光板の出射面と前記表示ユニットとの間に配設された請求項1記載の光制御シートとを備えているバックライトユニット。
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