本発明は、前記課題、つまり管むら(蛍光灯の配置による表示面の輝度むら)の抑制をする白色反射フィルムについて、鋭意検討し、白色フィルムの少なくとも片面に樹脂層を1層以上有し、その樹脂層を設けた面から測定した光沢度が特定の範囲にあるものを使用したところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の白色反射フィルムは、白色フィルムの少なくとも片面に樹脂層が設けられており、その樹脂層を設けた面から測定したJIS K 7105(1981年)に準じた光沢度が下記(i)、(ii)を同時に満たすことが必要である。
(i) 60度光沢度が25以上であること
(ii) 60度光沢度を20度光沢度で除した値が2.5以上であること
かかる樹脂層を設けた面から測定したJIS K 7105(1981年)に準じた光沢度が上記(i)、(ii)を同時に満たす場合に、入射角によって光沢度が変化・制御され、蛍光管と蛍光管の間で光が効率的に正面方向に反射されるため、直下型バックライトにおける管むらが抑制されているのではないかと推定される。
かかる樹脂層を設けないか、設けていてもその面から測定したJIS K 7105(1981年)に準じた光沢度が前記(i)、(ii)の少なくともいずれか1つを満たさない場合には、その白色反射フィルムをバックライトに組み込んでも、管むら抑制の効果が得られない。
さらに好ましくは、前記(i)の60度光沢度が30以上である。かかる値が30以上である場合、入射角による光沢度の変化が顕著に現れやすくなり、より大きな管むらの抑制効果が現れる。かかる値が25未満の場合、前記(ii)の60度光沢度を20度光沢度で除した値が2.5以上であっても、蛍光管と蛍光管の間で光が効率的に正面方向に反射されにくくなり、管むらの抑制効果が低下するため好ましくない。
前記(ii)の60度光沢度を20度光沢度で除した値は、好ましくは3以上であり、最も好ましくは4以上である。かかる値が4以上である場合、入射角による光沢度の変化・制御が大きくなりより管むらの抑制効果が現れるものと考えられる。かかる値が2.5未満の場合、光沢度の変化・制御が小さいため、蛍光管と蛍光管の間の光が正面方向へ反射される割合が減少し、管むらの抑制効果が低下するため好ましくない。
これは次のようなメカニズムによると考えられる。多くのバックライトにおいて、光源から発せられた光が、反射フィルムに対して法線方向より60度にて入射した光は、正反射した際、バックライトのランプ中間方向に反射されるため、反射フィルムの60度光沢度が高いほど、すなわち正反射光が多いほど、ランプ中間の輝度を高め、管むらを抑制する方向に作用する。一方、反射フィルムに対して20度にて入射した光は、正反射した場合、ランプに近い部分へと跳ね返されるため、できるだけ拡散して反射した方が、即ち20度光沢度が低い方が、管むらを抑制する効果を発現する。これら2つの効果がどちらも発現するに場合に、効率的に管むらを抑制し、60度光沢度と20度光沢度の比(60度光沢度を20度光沢度で除した値)が2.5以上の時、顕著な管むら抑制効果を発揮する。
尚、本発明の白色反射フィルムにおいて定義される樹脂層とは、高分子化合物を用いてなる層のことであり、その樹脂層の形態は白色フィルム上に設けた薄膜や、フィルム同士の貼り合わせによる複合層などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる樹脂層は粒子を含有し、その粒子のフィルム面に垂直方向の樹脂層断面における最大粒子径(以下、単に最大粒子径とも言う)が樹脂層の厚みよりも小さいことが好ましい。このような小粒径の粒子を含有すると、後述する理由により前記(i)、(ii)を満たしやすくなり、粒子を含有しない場合あるいは、樹脂層厚よりも大きな粒子を含有する場合よりも、より簡便に本発明の白色反射フィルムを得ることができ、さらにはより管むら抑制効果のある反射フィルムを得ることができる。
かかる粒子は、有機系あるいは無機系いずれの材料からなっていてもよく、あるいは両者の混合物でもよい。また、樹脂層中での分散性向上、安定性保持、生産性等の観点から、発明の効果を阻害しない範囲で表面処理をしていてもよい。
本発明に用いる粒子としては、有機系ではアクリル粒子、ポリエステル粒子、ポリオレフィン粒子、シリコーン粒子等が挙げられ、具体的にはケミスノー(登録商標)(綜研化学(株)製)、シリコーンレジンKRシリーズ他(信越化学工業(株)製)、テクポリマー(登録商標)(積水化成品工業(株)製)等を用いることができる。無機系の場合も、金属、塩、酸化物、水酸化物等いずれも用いることができ、例えば、クォートロン(登録商標)(扶桑化学工業(株)製)、ウイスカル(登録商標)(丸尾カルシウム(株)製)、カオリンクレー((株)イメリスミネラルズジャパン製)、サイロホービック(富士シリシア化学(株)製)等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる樹脂層中に含まれる粒子の含有率は特に限定されず、また用いる粒子の種類や形状、分散性、生産性等にも依存するが、粒子を含有する樹脂層全体に対して0.1重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.5重量%以上であるが、管むら抑制効果が良好な含有率を選択すればよい。
該粒子の含有率が0.1重量%より少ない場合は、管むら抑制効果が上がらない場合がある。また、上限は特に限定されるものではないが、75重量%を超えると生産性が劣ったり、樹脂層からの粒子の脱落が起こりやすくなったり、あるいは60度光沢度が25に満たない場合があるので、75重量%以下に制御するのが好ましい。
樹脂層分散性や生産性を考慮すると、有機系ではアクリル粒子、ポリエステル粒子、シリコーン粒子等が挙げられ、具体的にはケミスノー(登録商標)(綜研化学(株)製)、シリコーンレジンKRシリーズ他(信越化学工業(株)製)、テクポリマー(登録商標)(積水化成品工業(株)製)等を用いることができる。無機系の場合は、塩や酸化物が好んで用いられ、例えば、クォートロン(登録商標)(扶桑化学工業(株)製)、ウイスカル(登録商標)(丸尾カルシウム(株)製)、カオリンクレー((株)イメリスミネラルズジャパン製)、サイロホービック(富士シリシア化学(株)製)等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
用いる粒子の種類、粒径と含有量の好ましい組合せとしては、例えば、アクリル樹脂であれば、以下で定義する最大粒径が5μmのものを樹脂層に対し5〜12重量%添加したり、シリカ粒子であれば最大粒径2μmのものを樹脂層に対し1〜8重量%添加することが挙げられるが、勿論これ以外の粒子の種類や粒径、含有量でも(i)(ii)の光沢度の条件さえ満たせば管むらを抑制する効果は発現する。
また、本発明にかかる樹脂層の厚みは、粒子の種類等にも依存するが、0.05〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.8〜10μmである。
かかる樹脂層の厚みが0.05μm以上であると、紫外線吸収剤あるいは/及び光安定剤を添加した際に耐光性を付与しやすくなり、また、本発明の好ましい態様である、樹脂層厚よりも小さい最大粒子径を有する粒子を含有させることがより容易になる。逆に厚みが50μmを越えると、バックライト全体としての輝度が低下したりする場合があり、また経済性の面から好ましくない。
尚、ここでいう樹脂層の厚みとは、粒子を含有する樹脂層の総厚みのことで、粒子を含有する樹脂層を1層以上有する場合は、その樹脂層全体の厚み、つまり複数層の樹脂層全体の厚みより求めたものである。
本発明では樹脂層に粒子を含有し、その最大粒子径が樹脂層厚みよりも小さい粒子を用いることにより、樹脂層表面が平滑となりやすく、60度光沢度を25以上とすることが容易となる。一方で、20度光沢度は樹脂層内部での光の散乱具合の影響を受けやすいため、かかる粒径の粒子を用いることで、粒子と樹脂層の界面の表面積が大きくなり、より光を散乱させる効果を有し、20度光沢度を小さくすることができ、結果として60度光沢度/25度光沢度の比を2.5以上とすることが容易となる。
本発明において、かかる樹脂層に含有する粒子の形状は、樹脂面に平行な方向(フィルム面に平行な方向と同じ、以下同様。)から観察した粒子の平均投影面積Sと、樹脂面に垂直な方向(フィルム面に垂直な方向と同じ、以下同様。)から観察した粒子の平均投影面積Lとの比S/Lが1.0未満となるような非真球形状であることがさらに好ましい。ここでいう非真球形状とは、実質は真球形状以外の形状のことである。ここで、S/Lについては、樹脂層を形成する際の剪断力により、形状異方性を有する粒子については、S/Lが1.0未満となる傾向がある。
本発明において樹脂面に平行な方向から観察した粒子の平均投影面積Sと、樹脂面に垂直な方向から観察した粒子の平均投影面積Lとの比S/Lが1.0未満となるような非真球形状であると、輝度むら低減効果を発現するために、粒子の含有率を抑えたり、樹脂層をより薄くすることができ、生産性やコストの面から有利である。S/Lは好ましくは0.6以下であり、より好ましくは0.2以下である。S/Lの下限は特に規定するものではないが、実質的に作ることができる粒子を考えれば0.01以上が好ましい。このようにS/Lが1.0未満となるような非球形状としては、例えば、星状、葉状や円盤状のような扁平状、菱形状、直方状、針状、金平糖状、不定形状などが挙げられる。中でも、不定形状、扁平状、針状が好ましいが、粒子の成分や屈折率、製造方法に依存し一義的に限定することはできないため、特にこれらに限定されるものではないが、樹脂層中にかかる形状の粒子を含有すると、特別な加工を施さなくとも前記(i)、(ii)を満たすことが容易であり、かかる形状の粒子を含有しない場合よりも、管むら抑制効果が得られやすい。
なお、不定形状とは、粒子がそれぞれ一定の形に定まっていないもので、個々の粒子によりその形状が異なるものを言う。例えば、結晶を二次的に粉砕したようなものはこれに該当する。不定形状である粒子の例として、富士シリシア社製サイロホービック(登録商標)が挙げられる。また、扁平状とは、特定の2次元方向に広くそれに直交する方向の粒径が小さいものを言い、針状とは、特定の1次元方向に長く、それに直交する面の径が短いものを言う。
本発明における樹脂層内に含まれる粒子の最大粒子径は以下のようにして求める。本発明の熱可塑性樹脂フィルムを、日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にて樹脂面に垂直な方向に切断し、得られた熱可塑性樹脂フィルムの樹脂層断面を、トプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて観察する。観察倍率は、1視野内に樹脂層に含有された粒子が20〜100個見える倍率とする。この1視野内に存在する粒子部分のうち、最大径が大きいものから5箇所の最大径を測定し、同様の方法にて任意の5視野を観察し、合計25箇所の最大径の平均値を本発明における粒子のフィルム面に垂直方向の樹脂層断面における最大粒子径とする。
ただし、本発明における樹脂層に前述のS/Lが1.0未満となるような非真球形状の粒子を含有している場合は、同様に1視野内に20〜100個の粒子が見える状態で、その樹脂層厚み方向に計測した粒子部分の長さをその値が大きなものから5箇所測定し、同じように任意の5視野を観察する。このようにして求めた合計25カ所の樹脂層厚み方向の粒子部分の長さの平均値を、本発明における粒子の最大粒子径とする。また、樹脂層内に複数の種類の粒子を含有する場合は、それぞれの粒子について上記のように粒子の最大粒子径を求め、最も大きな値のものを本発明における粒子の最大粒子径とする。
ここで、「平均投影面積S」、「平均投影面積L」、「比S/L」は以下のようにして求める。先ず、本発明の白色反射フィルムを、日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にて樹脂面に垂直な方向に切断する。得られた白色反射フィルムの樹脂層断面を、トプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて観察する。観察倍率は、1視野内に樹脂層に含有された粒子が20〜100個見える倍率とする。この1視野内に存在する粒子部分のうち、投影面積が大きいものから5箇所の面積を測定する。同じようにして任意の5視野を観察し、合計25箇所の投影面積の平均値を平均投影面積Sとする。次いで、樹脂面に垂直な方向より樹脂面を同様に観察し、合計25箇所の投影面積の平均値を平均投影面積Lとする。求めた平均投影面積Sを平均投影面積Lで除してS/Lとする。
本発明においてかかる粒子が多孔質粒子であることがさらに好ましい形態である。ここでいう多孔質とは、粒子に細孔を有するものであり、細孔とは粒子に対し粒子内部へ向かって凹状に窪んだ部分のことである。例えば空洞形状であったり、針や曲線のように粒子内部や中心へ向かって窪んだ形状、またそれらが粒子を貫通した形状等が挙げられ、またその大きさや容積も大小様々でよく、特にこれらに限定されるものではない。このように細孔をもつ粒子を用いることで、特別な加工を施さなくとも前記(i)、(ii)を満たすことが容易であり、細孔を持たない粒子を含有する場合よりも、管むら抑制効果が得られやすい。本発明において粒子の細孔は、例えば次のような方法にて有無を判断することができる。
サンプルを、日本ミクトローム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にてフィルム平面に垂直な方向に切断し、得られたフィルム断面を、トプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて、1つの粒子が実質的に視野領域全体に亘って写し出されるように、例えば観察倍率2500〜10000倍にて、また、画像のコントラストを適宜調節して観察し、細孔の有無及び粒子の形状を確認することができる。
粒子が切断できない場合は、樹脂層を有機溶剤に浸漬して、樹脂層を剥離採取した後、スライドガラスに圧着・摺動することで粒子を樹脂層から脱落させ、充分量の粒子を採取した。次いで、得られた粒子を、トプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて、1つの粒子が実質的に視野領域全体に亘って写し出されるように、例えば観察倍率2500〜10000倍にて、また、画像のコントラストを適宜調節して観察し、細孔の有無及び粒子の形状を判断した。なお、細孔の有無の判断は、観察した画像にて、粒子中に斑点や斑模様が存在するか否かで判断し、斑点や斑模様が存在する場合を細孔有り、存在しない場合を細孔なしとした。
細孔を有する物質としては、富士シリシア社製のサイロスフェア(登録商標)やサイロホービック(登録商標)やなどが挙げられる。
本発明の白色反射フィルムは、バックライトとして使用すると、蛍光管などのランプから出る光、特に紫外線によって基材の白色フィルムや樹脂層に含有する化合物が劣化する場合がある(例えば黄変などの光学的劣化、あるいは低分子化する分解劣化など)。かかる問題に対応するため、基材の白色フィルム上に設ける樹脂層を形成する樹脂中に本発明の効果を阻害しない範囲内で、紫外線吸収剤、光安定剤のうち少なくともいずれか1種類を含有することが好ましい。これらのうち少なくとも1種類を樹脂層に含有させることによって、長期間使用しても輝度や色調の変化の少ない反射フィルムとすることができる。
本発明にかかる樹脂層として用いられる樹脂としては、特に限定されないが、有機成分を主体とする樹脂が好ましく、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上の共重合体もしくは混合物としたものを用いてもよい。中でもポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルもしくはメタクリル樹脂が耐熱性、添加物の分散性、生産性、光沢度の点から好ましく使用される。樹脂層の耐光性という点では、樹脂中においても、紫外線吸収剤、光安定化剤が含まれていることがさらに好ましい。
かかる紫外線吸収剤、光安定剤としては、無機系と有機系に大別されるが、含有する形態に関しては特に限定されるものではなく、かかる樹脂層を形成する樹脂と混合する等の方法でもよく、かかる樹脂層よりブリードアウトすることを防ぎたい場合は、例えば該樹脂層を形成する樹脂と共重合する等の方法でもよい。
かかる無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどが一般的に知られており、中でも酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類がブリードアウトせず、経済性、耐光性、紫外線吸収性、光触媒活性に優れるという点から好ましく用いられる。かかる紫外線吸収剤は、必要に応じて数種類併用する場合もある。中でも酸化亜鉛が経済性、紫外線吸収性、光触媒活性という点で最も好ましい。かかる酸化亜鉛としては、FINEX−25LP、FINEX−50LP(堺化学工業(株)製)などを使用することができる。
また、かかる有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどが挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、紫外線を吸収するのみであり、紫外線照射により発生する有機ラジカルを捕捉することができないため、このラジカルにより連鎖的に基材の白色フィルムが劣化することがある。これらのラジカル等を捕捉するために光安定化剤が好適に併用され、かかる光安定化剤としてはヒンダードアミン(HALS)系化合物が好ましく使用される。
ここで、かかる有機系紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤を固定させる共重合モノマーとしては、アクリル系、スチレン系などのビニル系モノマーが汎用性が高く、経済的にも好ましい。かかる共重合モノマーのなかでも、スチレン系ビニルモノマーは芳香族環を有しているため、黄変しやすいため、耐光性という点では、アクリル系ビニルモノマーとの共重合が最も好ましく使用される。
尚、前記ベンゾトリアゾールに反応性ビニルモノマーが置換されたものとして、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名:RUVA−93);大塚化学(株)製)を使用することができ、また、ヒンダードアミン系化合物に反応性ビニルモノマーが置換されたものとして、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(「アデカスタブLA−82」;(株)ADEKA製)を使用することができる。
本発明においては、かかる有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどの有機紫外線吸収剤を含有する樹脂、あるいはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系反応性モノマーを共重合した樹脂、さらにはこれらにヒンダードアミン(HALS)系反応性モノマーなどの光安定剤を含有及び/又は共重合した樹脂を、本発明の効果を阻害しない範囲内で使用することができる。
かかるベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系反応性モノマーを共重合した樹脂、さらにはこれらにヒンダードアミン(HALS)系反応性モノマーを共重合した樹脂などを含む有機紫外線吸収樹脂は薄層で紫外線吸収効果が高く、より好ましい。
これらの製造方法等については、特開2002−90515の〔0019〕〜〔0039〕に詳細に開示されている。中でもアクリルモノマーと紫外線吸収剤の共重合物を有効成分として含むハルスハイブリッド(登録商標)((株)日本触媒製)などを使用することができる。
また、本発明の加工時、つまり、本発明の白色反射フィルムを打ち抜き、成形してバックライト内に組み込む際などに帯電し、周囲に存在する帯電した塵や埃が付着するという問題が発生する場合がある。かかる問題に対応するため、基材の白色フィルムの上に設ける樹脂層を形成する樹脂中に本発明の効果を阻害しない範囲内で帯電防止剤を含有することが好ましい。
かかる帯電防止剤としては、有機系と無機系に大別されるが、含有する形態に関しては特に限定されるものではなく、かかる樹脂層を形成する樹脂と混合する等の方法でもよく、かかる樹脂層よりブリードアウトすることを防ぎたい場合は、例えば該樹脂層を形成する樹脂と共重合する等の方法でもよい。
かかる有機系の帯電防止剤としては、例えばカチオン性導電性の樹脂やアニオン性のものが挙げられる。また、かかる無機系の耐電防止剤としては、例えば、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(以下、ATOと略記する)、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウムなどを用いることができる。
さらに、塗工によりかかる樹脂層を設ける場合は、あらかじめATOと樹脂バインダーを分散加工した塗料を用いることもできる。これらの塗料としては帯電防止性の点から、例えば、やELCOM P−3501(ポリエステル樹脂バインダー、触媒化成工業(株)製)、ELCOM TO−1002ATC(アクリル樹脂バインダー、触媒化成工業(株)製)を使用することができる。
本発明にかかる基材の白色フィルム(本発明の白色反射フィルムは基材の白色フィルムと樹脂層を有する)は、可視光線反射率が高ければ高い方がよく、このためには内部に気泡を含有する白色フィルムが好ましく使用される。これらの白色フィルムとしては限定されるものではないが、多孔質の未延伸、あるいは二軸延伸ポリプロピレンフィルム、多孔質の未延伸あるいは延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが例として好ましく用いられる。これらの製造方法等については特開平8−262208の〔0034〕〜〔0057〕、特開2002−90515の〔0007〕〜〔0018〕、特開2002−138150の〔0008〕〜〔0034〕等に詳細に開示されている。中でも特開2002−90515の中に開示されている多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムや、耐熱性と反射率の点からポリエチレンナフタレートとの混合及び/又は共重合した多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが、前述の理由で本発明にかかる白色フィルムとして特に好ましい。
本発明にかかる基材の白色フィルムの構成は、使用する用途や要求する特性により適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、少なくとも1層以上の構成を有する単層及び/又は2層以上の複合フィルムが好ましく、その少なくとも1層以上に気泡、無機粒子、有機粒子のいずれか1種以上を含有していることが好ましい。
単層構成(=1層)の例としては、たとえば単層のA層のみの基材の白色フィルムであり、前記A層に気泡、無機粒子、有機粒子のいずれか1種以上を含有させた構成のものが挙げられる。また、2層構成の例としては、前記A層にB層を積層した、A層/B層の2層構成の基材の白色フィルムであり、これらA、B層少なくともどちらか1層中に、気泡、無機粒子、有機粒子のいずれか1種以上を含有させた構成のものが挙げられる。また、後述する3層構成の白色フィルムのどちらか一方の表層の端をカッターナイフ等でめくり、一方の表層全体を剥離した2層構成の白色フィルムを用いてもよい。さらに、3層構成の例としては、前記同様に、A層/B層/A層やA層/B層/C層の3層を積層してなる3層積層構造の基材の白色フィルムであり、各層の内少なくとも1層中に、気泡、無機粒子、有機粒子のいずれか1種以上を含有させた構成のものが挙げられる。3層構成の場合、生産性の観点からB層が気泡を含有する層であることが最も好ましい。
かかる基材の白色フィルムに含有する無機微粒子及び/又は有機粒子の数平均粒子径は、0.3〜2.0μmであるのが好ましい。かかる有機粒子として、高融点である架橋高分子成分を主体とする樹脂が好ましく、例えばポリエステル樹脂、ベンゾグアナミンのようなポリアミド系樹脂粒子、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂粒子、及びそれらの中空粒子などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上の共重合体もしくは混合物としたものを用いてもよい。白色フィルムの耐光性という点では、含有する球状粒子に紫外線吸収剤、光安定化剤が含まれていることが好ましい。また、かかる無機粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等を用いることができる。
次に、前記基材白色フィルムのうち3層構成白色フィルム(ポリエステルフィルム)の製造方法について説明するが、この例に限定されるものではない。
まず、非相溶ポリマーとしてポリメチルペンテンを、低比重化剤としてポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコール共重合物を、ポリエチレンテレフタレートに混入する。それを充分混合・乾燥させて270〜300℃の温度に加熱された押出機Bに供給する。BaSO4、CaCO3、TiO2などの無機物及び/又は有機物添加剤を含有するポリエチレンテレフタレートを常法により押出機Aに供給する。そして、Tダイ3層口金内で押出機Bのポリマーが内層(B層)に、押出機Aのポリマーが両表層(A層)に配置されるようにして、A層/B層/A層なる構成の3層に積層する。
この溶融積層シートを、ドラム表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気力にて密着冷却固化し、未延伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを80〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向に2.0〜5.0倍縦延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。続いて、この縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜140℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に横延伸する。この場合、延伸倍率は、縦、横それぞれ2.5〜4.5倍に延伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜16倍であることが好ましい。すなわち、この面積倍率が9倍未満であると、得られるフィルムの白さが不良となる。また、面積倍率が16倍を越えると、延伸時に破れを生じやすくなり、製膜性が不良となる傾向がある。こうして二軸延伸されたフィルムに平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で150〜230℃の熱固定を行い、均一に徐冷し、さらに、室温まで冷却した後、巻取機で巻き取り、本発明に係る基材熱可塑性樹脂フィルムを得る。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルムの例としては、まず、単層構成の白色フィルムとしては、ルミラー(登録商標)E20(東レ(株)製)、SY64、SY70(SKC製)、ホワイトレフスター(登録商標)WS−220(三井化学(株)製)などが挙げられ、2層構成の白色フィルムとしては、テトロン(登録商標)フィルムUXZ1、UXSP(帝人デュポンフィルム(株)製)、PLP230(三菱樹脂(株)製)などが挙げられ、3層構成の白色フィルムとしては、ルミラー(登録商標)E60L、E6SL、E6SR、E6SQ、E6Z、E80、E80A、E80B(東レ(株)製)、テトロン(登録商標)フィルムUX、UXH(帝人デュポンフィルム(株)製)などが挙げられる。また、これら以外の構成である白色シートの例として、Optilon ACR3000、ACR3020(デュポン(株)製)、MCPET(登録商標)(古河電機工業(株)製)が挙げられる。
本発明にかかる白色反射フィルム中(白色フィルム及び/あるいは樹脂層)には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機及び/又は無機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、蛍光増白剤に代表される発光材料、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の滑剤、帯電防止剤、核剤、染料、充填剤、分散剤及びカップリング剤などを用いることができる。
本発明の白色反射フィルムは、樹脂層を設けた面から測定した波長400〜700nmの波長における平均反射率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは87%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上であるのがよい。
この平均反射率が85%未満の場合には、適用する液晶ディスプレイによっては輝度が不足する場合がある。尚、両面に樹脂層を設けている場合には、いずれかの樹脂層から測定した平均反射率が85%以上であればよい。かかる波長400〜700nmの波長における平均反射率を85%以上にする方法としては、例えば、基材の白色フィルム内もしくは樹脂面の、光を反射する界面の絶対量を増やす方法がある。特に、前述した基材の白色フィルム内のボイド構造をより多く形成したり、ボイド構造を有する部分の厚みをより厚くする等の方法が挙げられる。
本発明において、樹脂層を設ける面は特に限定されるものではなく、A層/B層の2層構造、A層/B層/A層もしくはA層/B層/C層の3層構造である場合、どちら側に設けてもよい。
本発明においては、樹脂層を、白色フィルムの少なくとも片面に形成するにあたり、任意の方法で形成することができるが、例えば、樹脂を含有する塗液をグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート及びディッピングなどの各種塗布方法を用いて、基材の白色フィルム製造時に塗布(インラインコーティング)したり、結晶配向完了後の白色フィルム上に塗布(オフラインコーティング)するなど、塗布層を設ける方法で形成したり、別のフィルムやシートをラミネートなどにより貼り合わせる方法が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
このようにして得られる本発明の白色反射フィルムは、直下型液晶バックライトに組み込んだ際光学部材に特殊な加工を施すことなく用いても、管むらを効率的に抑制し、かつ高輝度な表示装置用のバックライトを提供することができる。さらに好ましい態様によれば、さらに輝度長時間使用しても輝度の低下の少ないものとすることができる。したがって、本発明の白色反射フィルムは液晶ディスプレイ用の直下型方式バックライトの反射板として好適に使用することができる。その他にも、エッジライト方式のバックライトのリフレクター、及びエッジライト型方式のバックライトの反射板、あるいは各種面光源や照明装置の反射板や、太陽電池モジュールの封止フィルムとしても好適に使用することができる。
測定方法及び評価方法を以下に示す。
(1)光沢度
本発明における白色反射フィルムの樹脂層を設けた面からの光沢度をJIS K 7105(1981年)に準じて、スガ試験機(株)製デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて測定した。その際、20度及び60度の各測定角について同社製二次標準面No.89W039を用いて校正を行った後、各反射フィルムについて任意の5点を測定しその平均値を該反射フィルムの該入射角における光沢度とした。
(2)粒子のフィルム面に垂直な方向の樹脂断面における最大粒子径
本発明における樹脂層内に含まれる粒子のフィルム面に垂直な方向の樹脂断面における最大粒子径は以下のようにして求めた。本発明の熱可塑性樹脂フィルムを、日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にて樹脂面に垂直な方向に切断する。得られた熱可塑性樹脂フィルムの樹脂層断面を、トプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて観察する。観察倍率は、1視野内に樹脂層に含有された粒子が20〜100個見える倍率とする。この1視野内に存在する粒子部分のうち、最大径が大きいものから5箇所の最大径を測定する。同様の方法にて任意の5視野を観察し、合計25箇所の最大径の平均値を本発明における粒子の最大粒子径とする。
ただし、本発明における樹脂層に前述のS/Lが1.0未満となるような非真球形状の粒子を含有している場合は、同様に1視野内に20〜100個の粒子が見える状態で、その樹脂層厚み方向に計測した粒子部分の長さをその値が大きなものから5箇所測定し、同じように任意の5視野を観察する。このようにして求めた合計25カ所の樹脂層厚み方向の粒子部分の長さの平均値を、本発明における粒子の最大粒子径とする。また、樹脂層内に複数の種類の粒子を含有する場合は、それぞれの粒子について上記のように粒子の最大粒子径を求め、最も大きな値のものを本発明における粒子の最大粒子径とする。
ここで、「平均投影面積S」、「平均投影面積L」、「比S/L」は以下のようにして求める。先ず、本発明の白色反射フィルムを、日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にて樹脂面に垂直な方向に切断する。得られた白色反射フィルムの樹脂層断面を、トプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて観察する。観察倍率は、1視野内に樹脂層に含有された粒子が20〜100個見える倍率とする。この1視野内に存在する粒子部分のうち、投影面積が大きいものから5箇所の面積を測定する。同じようにして任意の5視野を観察し、合計25箇所の投影面積の平均値を平均投影面積Sとする。次いで、樹脂面に垂直な方向より樹脂面を同様に観察し、合計25箇所の投影面積の平均値を平均投影面積Lとする。求めた平均投影面積Sを平均投影面積Lで除してS/Lとする。
(3)樹脂層の厚み
本発明における樹脂層の厚みは以下のようにして求めた。サンプルを、日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にてフィルム平面に垂直な方向に切断する。得られたフィルム断面をトプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32により画面に対し樹脂層が30%から70%の面積となる倍率にて観察し、基材の白色フィルム上に積層している粒子の含有した樹脂層の総厚みを各片面5箇所測定しその平均値を「樹脂層の厚み」とする。
(4)耐光性(黄色味変化量Δb値)
紫外線劣化促進試験機アイスーパーUVテスターSUV−W131(岩崎電気(株)製)を用い、下記条件で強制紫外線照射試験を行った後、b値を求めた。3サンプルについて促進試験を実施し、それぞれ試験前後のb値を測定し、その差の平均値を耐光性(黄色味変化量Δb値)とした。
「紫外線照射条件」
照度:100mW/cm2 、温度:60℃、相対湿度:50%RH、照射時間:48時間
耐光性評価結果を下記により判定し、A、B級であれば合格であり、A級が最も好ましい。
A級:黄色味変化量Δb値が5未満
B級:黄色味変化量Δb値が5以上15未満
C級:黄色味変化量Δb値が15以上。
(5)直下型バックライト装置の輝度、管むら
後述する直下型バックライトに本発明の白色反射フィルム及び後述の各光学部材を配置後に点灯させ、1時間経過後にコニカミノルタセンシング(株)製、2次元色彩輝度計CA−2000を用いて、図3に示すように直下型バックライト装置に対し正面方向、すなわち直下型バックライト装置に垂直方向より輝度及び管むらを測定した。輝度及び均斉度ともに、測定領域を長方形として直下型バックライト装置中央部分に、蛍光管に平行な方向に20cmを横、蛍光管に垂直な方向に隣接する蛍光管の中心間距離の7倍の距離を縦として、その縦横四方の縦に蛍光管が7本入る領域を測定し、各特性を求めた。
輝度は前記領域の平均輝度として評価した。管むらは、図4に示すように前記領域の縦方向(蛍光管に垂直な方向に隣接する蛍光管の中心間距離の7倍の距離)、すなわち蛍光管7本分の管むらのラインを、横方向(蛍光管に平行な方向に20cm)に10等分、すなわち2cm間隔で管むらのラインを10本分評価した。次いで管むらのライン1本分について、輝度の高い順から5点の平均値をLmax、輝度の低い順から5点の平均値をLmin、LmaxとLminの平均値をLaveとして下記の式(1)を用いて均斉度を計算し、管むらのライン10本分の均斉度の平均値を管むらとした。尚、その平均値が大きいほど管むらが強く、小さいほど管むらが弱いことを意味する。
管むらのライン1本分の均斉度=(Lmax−Lmin)/Lave − (1)
さらに、各実施例、比較例の均斉度の平均値について比較例1でのモデル1、2における均斉度の平均値からの相対値を百分率で求め、管むら評価結果とした。管むら評価結果は下記により判定し、A〜D級であれば合格であり、A級が最も好ましい。
A級:均斉度35%以下
B級:均斉度35%より大きく45%以下
C級:均斉度45%より大きく55%以下
D級:均斉度55%より大きく75%以下
E級:均斉度75%より大きい。
実施例、比較例にて使用した直下型バックライト装置の構成を以下に示す。
サイズ:32インチ(725mm×413mm、対角834mm)
蛍光管の直径:3mm
蛍光管の本数:19本
蛍光管の中心間距離L:20.4mm
蛍光管の中心と拡散板との距離H:6.5mm
蛍光管の中心と反射フィルムとの距離:3.0mm。
以下のような2種類の構成の光学部材を蛍光管に近い側から設置し、それぞれ輝度及び管むらの測定を行った。
モデル1:拡散版RM803(住友化学(株)製、厚み2mm)/拡散シートGM3((株)きもと製)2枚
モデル2:拡散版RM803(住友化学(株)製、厚み2mm)/マイクロレンズフィルムUTE II(MNTech Co., Ltd.製)2枚
尚、拡散シート及びマイクロレンズフィルムは凹凸面の反対面を蛍光管側に向けて設置した。
各実施例及び比較例に使用したバインダー樹脂、化合物を以下に示す。
(1)バインダー樹脂A : アクリル系樹脂(綜研化学(株)製 フォレットGS−1000 濃度30%溶液)
(2)バインダー樹脂B : ベンゾトリアゾール含有アクリル系共重合体樹脂((株)日本触媒製 ハルスハイブリッド(登録商標)UV−G720T 濃度40%溶液)
(3)粒子A : 真球状架橋アクリル粒子MBX−5(積水化成品工業(株)、体積平均粒子径5μm)
(4)粒子B : 真球状シリコーン粒子トスパール(日硝産業(株)、体積平均粒子径3μm)
(5)粒子C : 扁平状カオリンクレーPorarite102A((株)イメリスミネラルズジャパン製、平均の扁平面長径2μm、平均厚み0.5μm以下)
(6)粒子D : 針状炭酸カルシウム粒子ウイスカルA(丸尾カルシウム(株)製、平均繊維長25μm、平均繊維径0.8μm)
(7)粒子E : 多孔質不定形シリカサイロホービック100(富士シリシア化学(株)製、平均粒子径2.5μm)。
(実施例1)
バインダー樹脂B:1.0g
酢酸エチル:21.5g
を攪拌しながら添加して塗液を作った。
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#3を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、本発明の白色反射フィルムを得た。
(実施例2)
バインダー樹脂A:11.5g
酢酸エチル:13.1g
粒子A:0.4g
を攪拌しながら添加して塗液を作った。
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#12を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、白色反射フィルムを得た。
(実施例3)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:12.0g
粒子A:0.5g
を攪拌しながら添加して塗液を作った。
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#30を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、本発明の白色反射フィルムを得た。
(実施例4)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:12.4g
粒子B:0.6g
を攪拌しながら添加して塗液を作った。
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#14を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、本発明の白色反射フィルムを得た。
(実施例5)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:16.9g
粒子C:1.7g
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#12を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、本発明の白色反射フィルムを得た。
(実施例6)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:11.8g
粒子D:0.4g
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#18を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、本発明の白色反射フィルムを得た。
(実施例7)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:10.3g
粒子E:0.1g
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#18を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、本発明の白色反射フィルムを得た。
(実施例8)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:10.7g
粒子E:0.2g
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#18を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、本発明の白色反射フィルムを得た。
(比較例1)
白色反射フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の基材フィルムの片面に粒子を含む塗布層を設けた熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6QD、基材フィルム厚み188μm)を準備し、そのまま輝度むらの評価を行った。
(比較例2)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:15.6g
粒子A:1.4g
を攪拌しながら添加して塗液を作った。
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#12を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、白色反射フィルムを得た。
(比較例3)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:16.9g
粒子A:1.7g
を攪拌しながら添加して塗液を作った。
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#12を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、白色反射フィルムを得た。
(比較例4)
バインダー樹脂B:10.0g
酢酸エチル:14.5g
粒子A:1.1g
を攪拌しながら添加して塗液を作った。
基材の白色フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み188μm)を準備した。前記塗液を、この基材白色フィルムの片面に、メタバー#12を使用して塗布し、120℃で1分間加熱乾燥して、白色反射フィルムを得た。
実施例1〜8のいずれにおいても、管むらを抑制する効果が見られた。白色フィルムの樹脂層を設けた面から測定したJIS K 7105(1981年)に準じた光沢度について、60度光沢度が30以上あるいは「60度光沢度を20度光沢度で除した値」が4以上である白色反射フィルムは、さらに管むらを抑制する効果が見られ(実施例2〜8)、60度光沢度が30以上かつ「60度光沢度を20度光沢度で除した値」が4以上である白色反射フィルムは、特に管むらを抑制する効果が見られた(実施例7、8)。さらに、前記樹脂層中に平均粒子径が樹脂層の厚みよりも小さい粒子を含有する白色フィルムにも管むらを抑制する効果があり(実施例4〜8)、また、前記粒子が不定形、扁平形、針状である粒子である場合にも管むらを抑制する効果が見られた(実施例5〜8)。中でも、前記粒子が多孔質である場合に管むらをより抑制する効果が見られた(実施例7、8)。
また、該樹脂層中に紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤を含有し、十分な樹脂層の厚みがあるものは、管むらの抑制だけでなく耐光性も付与することができた(実施例3〜8)。
一方、かかる樹脂層を設けた面から測定したJIS K 7105(1981年)に準じた光沢度が「60度光沢度が25未満」あるいは/及び「『60度光沢度を20度光沢度で除した値』が2.5未満」の場合は、管むらを抑制する効果は見られなかった(比較例1〜4)。