JPWO2002080862A1 - 美容化粧品素材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、豆類煮汁又はこれを発酵若しくはプロテアーゼにより処理することによって得られる天然物由来の美容化粧品素材及びその製造方法に関する。本発明の美容化粧品素材の製造方法は、水系溶媒に豆類を加えて加熱し、次いで、得られた豆類煮汁について、分画精製したり、納豆菌を接種して発酵培養したり、又は大豆麹菌由来のプロテアーゼを作用させることを特徴とする。かかる方法により得られた美容化粧品素材は、SOD活性、細胞賦活活性、コラーゲン合成促進機能、抗菌性及びチロシナーゼ活性阻害作用に優れていることから、皮膚の脂質の過酸化を抑制して皮膚の老化を防止し、皮膚に対する優れた機能性を有する美容化粧品として好適に用いることができる。
Description
技術分野
本発明は、美容化粧品素材及びその製造方法に関し、更に詳しくは、大豆、黒豆、エンドウ豆、ソラマメ、小豆等の豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液を精密ろ過若しくは分画精製することにより、又は上記豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液を発酵若しくは酵素により処理することによって得られる天然物由来の美容化粧品素材及びその製造方法に関する。
背景技術
豆類は種実を利用する目的で栽培されるマメ科の植物で、古来より多種多様に利用されている。特に、直接調理して食用にする他、加工食品としての用途が広く、また、タンパク質、油脂資源として重要な地位を占めている。かかる豆類を加工食品原料として用いる場合、加工工程において豆類の煮汁及び蒸し汁(以下、この両者をまとめて単に「煮汁」という。)が大量に生じるが、かかる煮汁は、通常、そのまま環境中に放出しているのが現状である。
しかし、かかる煮汁は有機成分に富むことから腐敗し易く、悪臭と共に細菌類の繁殖の原因となる結果、大量に環境中に放出すると、水質汚濁の原因となる。一方で、かかる煮汁は加工工程において大量に生じることから、環境に負荷を与えることなく浄化処理することは、多額の投資と大掛かりな設備が必要となる。
かかる豆類煮汁廃液の利用方法として、例えば、豆類煮汁廃液に納豆菌を摂取して発酵することによる発酵食品製造方法(特開昭56−106565号)又は大豆煮汁有効利用(「醸協」第92巻第7号、1997)等が知られているが、これらは食品として利用するに止まる。そこで従来より、豆類煮汁廃液の排出量の抑制の観点から、食品分野だけでなく、さらに広くそれ以外の用途にもかかる煮汁を有効に利用することができる方法が求められている。一方、豆類自体については、例えば、機能性を付与した化粧品素材として、分子量1000以下の大豆ベプチドについて、その吸湿性・保湿性と化粧品への応用報告がなされているが(FRAGRANCE JOURNAL 1994−7)、これは豆類自体の利用方法に過ぎず、食品製造廃棄物である豆類の煮汁を利用しているものではなく、また、煮汁の利用方法については触れられていない。
また、近年、皮膚用化粧品としてプラセンタエキスを含有する化粧品が知られている(特開2000−16917号公報等)。プラセンタエキスはウシ、ブタ、ウマ等の家畜の胎盤由来のものやヒト胎盤由来の抽出液をいい、保湿作用のみならず、抗酸化作用、活性酸素除去作用を有し、皮膚の老化を防止する美容化粧品として用いられている。
しかし、かかるプラセンタエキスは上記のように化粧品素材として好適に用いることができる反面、脊椎動物の胎盤に由来するものであることから、大量に得られるものではなく、そのため、必然的に高価とならざるを得ないという問題がある。そこで従来より、プラセンタエキスよりも容易且つ大量に得ることができる原料から、かかるプラセンタエキスと同様の効果を奏する化粧品素材の開発が求められている。
発明の概要
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、大豆、黒豆、エンドウ豆、ソラマメ、小豆等の豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液を精密ろ過若しくは分画精製することにより、又は上記豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液を発酵若しくは酵素により処理することによって得られる天然物由来の美容化粧品素材及びその製造方法を提供することを目的とする。
スーパーオキシドジスムターゼ(以下、「SOD」という。)は、酸素分子の1電子還元で生成するスーパーオキシドラジカル(O2 −)の不均化反応を拡散律速に近い速さで触媒し、細胞内のO2 −濃度を低下させる酵素である。O2 −に代表される活性酸素種は、通常、生体内において活性化されたマクロファージなどの食細胞から産生され、殺菌作用や殺腫瘍作用を示す。しかし、これらの活性酸素種には選択毒性がなく、正常細胞にも作用できる結果、生体に対して種々の障害も引き起こすことが知られている。例えば、脂質の過酸化による膜の損傷、タンパク質の酸化修飾によるタンパク質の構造変化、DNAの切断等の結果、細胞に障害作用を示すことが明らかにされている。そこで、近年においては、この脂質の過酸化、特に皮膚の脂質の過酸化を抑制して皮膚の老化を防止することが美容化粧品分野において重要視されている。
本発明者らは以前、米糠類及び大豆類を含む培地に枯草菌を接種し、培養させ、ろ過して製造した発酵液に活性酸素を抑制する効果があることを発見し(特開平6−284872号公報)、また、特定領域のpHの米糠類、大豆類を含む培地に枯草菌を又は納豆菌を接種し、培養させ、ろ過して製造した発酵液に、血中アルコール濃度を減少させる効果を見出している(特開平3−272657号公報)。そこで、引き続き豆類とその生理的作用との関係について検討したところ、大豆等の豆類の抽出液、特に従来より廃棄処分されるだけであった豆類煮汁廃液に皮膚に対する機能性があることを見出し、また、当該豆類煮汁について所定の菌による発酵や酵素処理をすることにより、皮膚に対する機能性を更に向上させることができることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示される。
1.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液を精密ろ過及び/又は分画精製することを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
2.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液にバチルス属に属する微生物を接種して発酵培養することを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
3.上記バチルス属に属する微生物は納豆菌又は枯草菌である請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法。
4.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液に酵素を作用させることを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
5.上記酵素は大豆麹菌由来のプロテアーゼである請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法。
6.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液を精密ろ過及び/又は分画精製することにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
7.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液にバチルス属に属する微生物を接種して発酵培養することにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
8.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液に酵素を作用させることにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
本発明によれば、大豆、黒豆、エンドウ豆、ソラマメ、小豆等の豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液又はこれを発酵若しくはプロテアーゼ等の酵素により処理することによって、優れたSOD作用、細胞賦活効果、コラーゲン合成効果及びチロシナーゼ活性阻害作用等を有する植物性原料由来の美容化粧品素材を得ることができる。本発明の製造方法により得られた美容化粧品素材は、吸湿性、保水性を有するコラーゲンの代替素材、あるいはプラセンタエキスと同様の効果を奏するプラセンタ代替化粧品素材として好適に用いることができる。また、本発明によれば、原料として従来は廃棄処分されていた豆類煮汁廃液を有効に利用することができるので、豆類煮汁廃液の排出量を抑えて環境に与える影響を低減すると共に、廃液処理に要する経済的負担を軽減することができる。
更に、本発明の美容化粧品素材の製造方法において、分画工程中に濃縮液として得られる副製品は、栄養価が高く、有害物質を含まないことから、健康志向食品素材を始め種々の食品加工原料、飼料、ペットフード材料、園芸用有機肥料、微生物培養原料又は美容化粧品素材の素原料としての再利用ができる。以上より、本発明の美容化粧品素材の製造方法によれば、産業廃棄物として廃棄されるものは殆どないため、最終排水のBOD及びCODは工場排水基準の10ppm以下に達成することができ、未利用資源の有効利用と環境対策の両者に貢献することができる。
発明の開示
請求項1記載の美容化粧品素材の製造方法は、水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液を精密ろ過及び/又は分画精製することを特徴とする。かかる方法により得られる美容化粧品素材は、植物性原料である豆類を原料として、容易且つ大量に得られるものであり、本発明の美容化粧用素材の素原料ともなり得る。しかも、SOD活性に優れていることから、皮膚の脂質の過酸化を抑制して皮膚の老化を防止する美容化粧品となり得る。また、かかる方法により得られる美容化粧品素材は、細胞賦活活性及びコラーゲン合成促進機能を有すると共に、抗菌性に優れていることから、コラーゲンの代替素材、あるいはプラセンタエキスと同様の効果を奏するプラセンタ代替化粧品素材として好適に用いることができる。更に、かかる方法により得られる美容化粧品素材は、チロシナーゼ活性阻害作用に優れていることから、美白用の美容化粧品素材として好適に用いることができる。
本発明において、上記「豆類」は、一般に食用や飼料とされるマメ科の植物の種実であればその種類については特に限定はなく、例えば、大豆、黒大豆、落花生、小豆、ササゲ、インゲンマメ、ソラマメ、エンドウ豆、緑豆、コーヒー豆、カカオ豆、ゴマ種子、ヒマワリ種子等が挙げられ、その他に脱脂豆、脱脂種実、キナ粉、豆粉、豆カス及びこれらの加水分解物等を用いることもできる。また、上記「水系溶媒」としては、通常は水(熱水を含む)を用いるが、豆類抽出液の品質を維持できる限り、酢酸エチル、アルコール(エタノール等)等の親水性の有機溶媒や、これらの有機溶媒、特に親水性の有機溶媒と水又は熱水との混合溶媒等を用いることができる。また、豆類煮汁、特に豆類の加工における通常の加工工程で生じる豆類煮汁廃液や豆腐凝固工程等で副生する浸出液を用いてもよい。
請求項1記載の美容化粧品素材においては、上記水系溶媒に豆類を添加し、抽出を行うことにより豆類抽出液を得る。この場合、常温抽出でもよく、また、加熱抽出でもよい。特に、上記「豆類抽出液」として、加熱抽出した豆類煮汁、特に豆類の加工における通常の加工工程で生じる豆類煮汁廃液や豆腐凝固工程等で副生する浸出液を用いると、従来は廃棄処分されていた豆類煮汁廃液や浸出液の有効利用を図ることもできるので好ましい。上記「豆類抽出液」を得るための方法、条件については特に限定はない。例えば、上記「豆類」については、そのままの状態で用いる他、適度に粉砕して用いることができ、豆類抽出液の品質を維持できる限り、不純物除去等の前処理をしてもよい。更に、加熱抽出の場合、上記「豆類抽出液」を得る際の加熱温度及び加熱時間についても、十分に豆類の成分を抽出でき、その品質を維持できる範囲で種々の条件とすることができる。例えば、加熱温度としては、上記「水系溶媒」の温度が通常40〜100℃、好ましくは50〜80℃、更に好ましくは50〜70℃となるように加熱することができる。また、水系溶媒のpHは通常3〜7、好ましくは4〜6、更に好ましくは4〜5である。加熱温度及びpHをかかる範囲とすることにより、抽出を効率的に行うことができるので好ましい。また、上記「豆類抽出液」は、そのままの状態で用いる他、その品質を維持し、廃液処理に負担を要しない限り、目的物の抽出や廃液処理の効率を高める等の目的で、法的に許されている添加物を使用することもできる。
請求項1記載の美容化粧品素材においては、上記水系溶媒に豆類を添加し、抽出することによって豆類抽出液を得た後、該豆類抽出液について精密ろ過又は分画精製を行う。例えば、精密ろ過は、上記豆類抽出液についてろ布ろ過、プレスろ過又は遠心分離等により異物や不純物等の固形分を除去した後、通常0.1〜1.0μm、好ましくは0.3〜0.6μm、更に好ましくは0.3〜0.45μmのろ過膜を用いて行うことができる。この場合、ろ過膜の材質は特に限定はない。精密ろ過後、減圧濃縮又は膜濃縮等の濃縮操作を行い、適宜凍結乾燥あるいは加熱乾燥等による乾燥をすることにより美容化粧用素材を得ることができる。また、分画精製は、ゲルろ過法や限外ろ過法等の適宜な手段が採用される。この場合、分子量(以下「MW」と言う)1000〜10000、好ましくは3000〜10000、更に好ましくは3000〜8000、より好ましくは3000〜7000、特に好ましくは4000〜7000、最も好ましくは5000〜6000の範囲の分子篩を用いることが望ましい。かかる範囲の分子篩により分画精製を行うことにより、豆類アレルギーの低減が期待できるので好ましい。また、残る濃縮液も粗美容化粧品素材として利用ができると共に、化粧品以外の用途(例えば食品素材、飲料又は食品添加用素材、あるいは繊維加工用素材等)に用いることもできる。
尚、上記精密ろ過及び分画精製は、いずれか一方のみを行ってもよいが、両方とも行うこともできる。これにより、より活性を高めることも可能である。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法は、水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液にバチルス属に属する微生物を接種して発酵培養することを特徴とする。かかる方法により得られた美容化粧品素材は、強いSOD活性機能を有すると共に、細胞賦活作用及びコラーゲン合成作用を有することから、特に皮膚の老化予防、肌荒れ防止等を訴求した美容化粧品素材とすることができるので好ましい。また、かかる方法により得られる美容化粧品素材は、チロシナーゼ活性阻害作用に優れていることから、美白用の美容化粧品素材として好適に用いることができる。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法において用いられる上記「バチルス属に属する微生物」としては、菌学的にバチルス属に属するものであればよく、例えば、請求項3に示すように納豆菌や枯草菌が挙げられる。納豆菌や枯草菌等による発酵では、菌体外にプロテアーゼ等の各種の有用な酵素が産生されるため、分画操作に際して、同時に酵素の回収ができるので好ましい。通常は、市販されている一般的な納豆菌や枯草菌を用いられるが、その他、自然的又はニトロソグアニジン等の化学物質、X線、紫外線等による人為的変異手段により得られ、菌学的性質が変異した納豆菌や枯草菌の変異株であっても、以下に詳述する本発明の美容化粧品素材が有するSOD作用を有する機能性素材を産生する性質を失わない限り利用することができる。また、上記「納豆菌」あるいは「枯草菌」は、利用する培養液が大豆煮汁廃液であり、通常は自然条件下で排出するものであるという理由から、自然環境でより旺盛な繁殖力がある類縁菌が好ましい。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法において、上記「豆類抽出液」を得る方法は、上記請求項1記載の美容化粧品素材の製造方法の場合と同様の方法で得ることができる。この場合、上記「豆類抽出液」に上記「バチルス属に属する微生物」を接種し、発酵培養を行う前に、必要に応じて上記「豆類抽出液」について、原料自体あるいは豆類抽出液調整中に混入した豆類抽出液中の雑菌を死滅させるための殺菌処理を行うことができる。かかる殺菌処理は、除菌フィルター操作による処理の他、上記「豆類抽出液」について加熱処理(例えば、蒸す)ことにより行うことができる。加熱処理は通常、100〜130℃で1〜60分程度行うが、一般にバチルス属に属する菌の中で納豆菌等は繁殖力が旺盛であるから、培地を加熱殺菌する場合、高温高圧(121℃/15分)にて完全殺菌を必要とするものではなく、種菌の接種量を多くすることにより通常の蒸圧加熱殺菌でもよい。一方、排出直後の加熱処理されている豆類煮汁の場合は比較的雑菌が少ないため、再度加熱殺菌しないで納豆菌等が生育しやすい温度まで速やかに冷却した後で使用することもできる。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法では、必要に応じて上記殺菌処理を行った後、上記「豆類抽出液」に上記「バチルス属に属する微生物」を接種し、発酵培養を行う。この場合、通常は、上記「豆類抽出液」に直接上記「バチルス属に属する微生物」を接種して培養を行うが、その他、上記「バチルス属に属する微生物」が増殖できる培地に上記「豆類抽出液」及び上記「バチルス属に属する微生物」を接種して培養することもできる。この場合の培地としては、上記「バチルス属に属する微生物」が増殖できる限り、液体培地でも固形培地であってもかまわない。尚、上記のように、排出直後の加熱処理されている豆類煮汁の場合は比較的雑菌が少ないため、再度加熱殺菌しないで純粋培養した上記「バチルス属に属する微生物」(納豆菌その他類縁菌等)を接種し培養することも可能である。即ち、納豆製造工程における納豆菌の接種操作に類似の接種方法も採用できる。
また、請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法において、上記「バチルス属に属する微生物」を接種する方法としては、通常は、菌体又は菌体含有液を直接上記「豆類抽出液」又は上記培地に添加する方法が挙げられるが、その他、上記「バチルス属に属する微生物」を適当な担体に固定化したものを用いることもできる。かかる方法によれば、発酵終了後、微生物の再利用も可能であるので好ましい。かかる微生物の固定化方法としては、従来より行われている微生物を高分子マトリックス中に固定化する包括固定化法、微生物を固定化担体に直接化学結合する担体結合法、微生物相互間を架橋による不溶を行う架橋法等が挙げられる。この中で、微生物に対する影響が少ない包括固定化法が好適である。かかる包括固定化法としては、高分子ゲルの細かい格子の中に微生物を包み込む格子型法と、微生物を被覆するマイクロカプセル型法があり、この中で、格子型包括固定化法は微生物の活性化の維持及び固定化の容易さの観点から好ましい。
また、発酵培養の方法、条件については、発酵が行われる限り特に限定はなく、使用する菌の生育特性により、種々の条件とすることができる。通常、発酵培養は通気攪拌を行うことにより行われ、培養温度が40〜45℃程度である。また、培地のpHは特に限定はないが、通常4〜7、好ましくは5〜7、更に好ましくは6〜7である。培地のpHを調節する場合は、アルカリ剤として炭酸水素ナトリウム等を用いることができる。尚、培地原料にプロテアーゼを添加することもできる。この場合は、豆類中のペプチドを更に分解するので有用である。また、培養の際は、培養効率や目的物の収量を高めるために、上記「豆類抽出液」又は上記培地に各種栄養源(窒素源、炭素源、ミネラル、ビタミン類等)等の添加剤を添加することもできる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、乳糖及びデンプン等の1種又は2種以上を用いることができる。更に、培養時間は、菌自身の繁殖力にもより限定はされないが、通常24〜72時間、好ましくは48〜72時間である。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法では、発酵培養後、固形物及び菌体を除去するために、発酵培養液の粘性その他物性に応じて遠心分離又はフィルタープレス等を行うことができる。また、発酵培養液について、請求項1と同様の方法でプレスろ過、精密ろ過(0.45μm)及び凍結乾燥等の各工程を行ってもよい。更に、発酵培養液の高分子画分には、プロテアーゼ活性を有する酵素の他、各種の有用菌体外酵素を産生するため、分画操作によりこれらの有用菌体外酵素の回収もできる。特に、MW5000の限外ろ過で分画操作を行うと、静菌力やSOD活性を高め、低アレルゲン性を付与させることができ、また、酵素活性濃縮画分と抗菌活性を有する美容化粧品素材画分の分別回収が可能であるので好ましい。
請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法は、水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液に酵素を作用させることを特徴とする。請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法において、上記「豆類抽出液」を得る方法は、上記請求項1記載の美容化粧品素材の製造方法の場合と同様の方法で得ることができる。また、請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法の場合と同様に、上記「豆類抽出液」に酵素を作用させる前に、必要に応じて上記「豆類抽出液」について、原料自体あるいは豆類抽出液調整中に混入した豆類抽出液中の雑菌を死滅させるための殺菌処理を行うことができる。更に、請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法では、酵素を作用させた後、請求項1及び2の場合と同様に、精密ろ過又は限外ろ過工程を行うこともできる。
請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法において、上記「酵素」は、豆類抽出液中の美容化粧品素材として有用な低分子成分を含有する画分により適宜選択することができる。例えば、アミラーゼ、セルラーゼ又はペクチナーゼ等の処理では、複合多糖類の加水分解により、女性ホルモン(プラセンタ様ホルモン)に類似のイソフラボンや抗酸化作用のあるサポニン等の画分が得られる。また、プロテアーゼを用いると、苦味ペプチドを生成することが少ないことから、口紅等の唇周辺に付与する美容化粧品素材として好適に用いることができる。ここで、上記「プロテアーゼ」は、ペプチド結合の加水分解反応に対して触媒作用をする酵素であれば、その種類及び起源については特に限定はない。例えば、バチルス属に属する細菌由来のプロテアーゼや大豆麹菌由来のプロテアーゼ等を用いることができる。この中で、大豆麹菌由来のプロテアーゼは、アミノ酸まで加水分解する作用が強く、しかも中性〜弱酸性(pH6.0)のpH領域で活性があるため、自然な状態で煮汁から美容化粧品素材を抽出することができる。よって、上記酵素として大豆麹菌由来のプロテアーゼを用いると、紫外線に対して弱い皮膚を持つ人や、衣類など物理的皮膚刺激に対して過敏なアレルギー反応を持つ人を対象とした特殊用途の美容化粧品素材として、紫外線遮断作用、抗皮膚アレルギー作用を有する美容化粧品素材を得ることができる。尚、上記「酵素」は単独又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法において、豆類抽出液にプロテアーゼ等の上記酵素を作用させる場合、通常は、プロテアーゼ等の上記酵素又はプロテアーゼ等の上記酵素含有液を豆類煮汁に添加することにより行うが、その他、上記酵素を適当な担体に固定化したものを用いることもできる。かかる方法によれば、発酵終了後、微生物の再利用も可能であるので好ましい。かかるプロテアーゼ等の上記酵素の固定化方法としては、従来より行われている公知の方法である上記包括固定化法、担体結合法、架橋法等が挙げられる。そして、豆類抽出液にプロテアーゼ等の上記酵素を作用させた後、通常は短時間加熱して、酵素の活性を停止させる。
本発明の美容化粧品素材の製造方法では、分画精製、発酵又は酵素処理後、そのまま、あるいは必要に応じて凍結乾燥等の公知の乾燥方法を行うことにより、最終製品とすることができる。また、最終製品化の段階で必要に応じてpH調整を行ってもよい。更に、同様に、本発明の美容化粧品素材の製造方法において、途中の過程において、必要であれば、活性炭等による脱色や、ろ過助剤によるろ過、遠心分離、減圧濃縮、分子篩による濃縮等を行うこともできる。また、最終製品の安定性と安全性を確保する手段として、加熱殺菌、紫外線殺菌、法的に許されている殺菌剤やその他添加物を使用することもできる。
本発明の美容化粧品素材は、本発明の美容化粧品素材の製造方法により得られることを特徴とする。本発明の美容化粧品素材は、植物性原料であり、容易且つ大量に得られる豆類を原料として得られるものであることから、アレルゲン低減化を付与することができると共に、吸湿性、保水性を有するコラーゲンの代替素材、あるいはプラセンタエキスと同様の効果を奏するプラセンタ代替化粧品素材として用いることができる。また、本発明の美容化粧品素材は、SOD活性に優れていることから、皮膚の脂質の過酸化を抑制して皮膚の老化を防止する美容化粧品として好適に用いることができる。更に、本発明の美容化粧品素材は、チロシナーゼ活性阻害作用に優れていることから、美白用の美容化粧品素材として好適に用いることができる。尚、本発明の美容化粧品素材は、比較的分子量の大きいポリペプチドを含むものとすることができる。
本発明の美容化粧品素材の形態については特に限定はなく、水溶液若しくは原液等の液状の他、液状の美容化粧品素材を種々の方法で乾燥等することにより粉末化したり、あるいは吸液性粉末に含浸させることにより得られる粉末品、造粒した造粒品、増量剤等他の粉末成分を配合した錠剤、又はマイクロカプセル等とすることができる。また、本発明の美容化粧品の機能性素材は、その性質を維持できる限り、他の物質を添加することができる。例えば、製造における計量を容易にするために、水溶性に富んだコーンスターチ等を添加することができる。即ち、本発明の美容化粧品機能性素材には、当該美容化粧品素材だけで構成されるものだけでなく、当該美容化粧品素材を含有するものも含まれる。
尚、本発明においては、下記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、豆類煮汁の品質と廃液処理に負荷を要しない限り、食品衛生法に基づき使用可能な有機溶媒やpH調製剤等その他食品用添加物を用いてもよい。
発明を実施するための最良の形態
(1)美容化粧品素材の調製1
〔実施例1〕
原料として、通常の大豆煮豆加工食品の製造の際に得られる大豆煮汁廃液(大豆100%を100℃の熱水で約30分ボイルした後の廃液)を用いた。まず、該大豆煮汁廃液10リットルを篩別して不純物を除去し、次いで活性炭及びろ過助材(「パーライトNo.4180」 ダイカライオンオリエント株式会社製)を用いてフィルタープレスにより脱色ろ過を行った。その後、得られた透明ろ液について中空糸膜による2段階の限外ろ過を行い、それを凍結乾燥することにより、実施例1の美容化粧品素材(150g)を得た。以上の工程を図1に示す。
〔実施例2〕
原料として、上記実施例1の大豆煮汁廃液を用いた。まず、該大豆煮汁廃液6リットルを篩別して不純物を除去し、次いで120℃で15分間殺菌を行った。そして、殺菌後の大豆煮汁廃液を室温で放置して冷却後、市販納豆菌(高橋研究所製)を接種して37℃で18時間通気攪拌培養を行った。尚、培養時のpHは未調整である。その後、培養物を90℃で30分間加熱殺菌し、上記実施例1の活性炭及びろ過助材を用いてフィルタープレスを行い、脱色と除菌を行った。次いで、中空糸膜を用いて限外ろ過を行い、それを凍結乾燥することにより実施例2の美容化粧品素材(80g)を得た。以上の工程を図2に示す。
〔実施例3及び4〕
原料として、上記実施例1の大豆煮汁廃液を用いた。まず、該大豆煮汁廃液3.5リットルを篩別して不純物を除去した。そして、大豆麹菌由来の酵素として、Aspergillus orizaeの産生する中性プロテアーゼ(「プロテアーゼA」 天野製薬株式会社製)及びアルカリプロテアーゼ(「オリエンターゼ22BF」 阪急協栄物産株式会社製)を使用し、これを上記大豆煮汁廃液に添加して60℃で5時間反応させ、次いで、90℃で5分間加熱して酵素失活処理を行った。その後、実施例2と同様の方法によりフィルタープレスを行い、次いで、中空糸膜を用いて限外ろ過を行い、それを凍結乾燥することにより、実施例3(中性プロテアーゼ)及び実施例4(アルカリプロテアーゼ)の美容化粧品素材(80g)を得た。
尚、比較例1として、上記実施例1〜3において原料として用いた大豆煮汁廃液を用いた。また、比較例2として、大豆タンパクをアルカリプロテアーゼ処理したものを用いた。
(2)美容化粧品素材の機能性試験
上記実施例1〜4及び比較例1〜2について、以下に示す方法により、機能性試験を行った。
〔SOD活性〕
SOD活性は、測定キットとして和光純薬工業製「SODテストワコー」(体外診断用医薬品、承認番号(63AM)第0285号)を用いて、NBT還元法により測定した。結果は阻害率(%)で表示した。この測定結果を以下の表1に示す。
(3)美容化粧品素材の調製2
〔実施例5〕
原料として、通常の大豆煮豆加工食品の製造の際に得られる大豆煮汁廃液(皮付生大豆100%を約100℃の熱水で約30分ボイルした後の廃液)を用いた。まず、該大豆煮汁廃液10リットルを篩別して不純物を除去し、次いで活性炭及びろ過助材(和光純薬株式会社製「活性炭素」及び「けいそう土」)を用いてフィルタープレスによる脱色ろ過を行った。次いで、得られた透明ろ液について加熱滅菌(120℃/15分)した後、精密ろ過(膜厚0.45μm)を行った。そして、そのろ過液を糖度(brix)25程度まで減圧濃縮(65℃)した後、凍結乾燥することにより、実施例5の美容化粧品素材(53g)を得た。以上の工程を図3に示す。
〔実施例6〕
原料として、上記実施例5と同じ大豆煮汁廃液を用いた。まず、該大豆煮汁廃液10リットルを篩別して夾雑物を除去し、次いで120℃で15分関殺菌を行った。そして、殺菌後の大豆煮汁廃液を室温で放置して冷却後、市販納豆菌(高橋研究所製)を接種して37℃で約48時間通気攪拌培養を行った。その後、培養物を約10℃に冷却し、次いで実施例5と同様の方法でフィルタープレスによる脱色ろ過を行って脱色と除菌を行った。そして、ろ過液を加熱殺菌した後、精密ろ過(膜厚0.45μm)後、減圧濃縮し、凍結乾燥を行うことにより、実施例6の美容化粧品素材(133g)を得た。以上の工程を図4に示す。
〔実施例7〕
原料として、上記実施例5の大豆煮汁廃液を用いた。まず、該大豆煮汁廃液10リットルに、大豆麹菌由来の中性プロテアーゼ(「プロテアーゼA」 天野製薬株式会社製)を添加して40℃で20分間反応させた、次いで、90℃で5分間加熱して酵素失活処理を行った。そして、実施例5及び6と同様の方法でフィルタープレスによる脱色ろ過及び精密ろ過を行った後、MW5000の限外ろ過により分画処理し、透過液を減圧濃縮、凍結乾燥して実施例7の美容化粧品素材(128g)を得た。以上の工程を図5に示す。
尚、比較例3として、市販品の大豆加水分解ペプチド(MW約1000)、比較例4として、市販の化粧品用途のコラーゲン(MW4000〜5000)、比較例5として、市販の化粧品用途のシルクペプチド(MW500〜1500)を用いた。
(4)美容化粧品素材の機能性試験2
上記実施例5〜7及び比較例3〜5について、以下に示す方法により、機能性試験を行った。その結果を以下の表2に示す。
〔SOD活性〕
上記実施例1〜4及び比較例1〜2の場合と同じ方法により測定した。結果は阻害率(%)で示した。
〔細胞賦活効果及びコラーゲン合成効果の試験方法〕
ヒト皮膚線維芽細胞1000個を96穴プレートに接種し、5%FBS添加MEM培地で5日間培養後、無血清MEM培地に交換し、さらに1日間培養した。その後、表2に示す濃度となるように実施例5〜7の美容化粧品素材を0.5%血清添加MEM培地に添加して調製した試料添加溶液に交換し、5日間更に培養した。その後、同仁堂セルカウンティングキット8に基づきWST−8テトラゾリウム塩を発色基質とし、生細胞内の脱水素酵素により還元されて生成した水溶性ホルマザンを450nmで測定することにより、生細胞量を測定し、次いで、それぞれの相対値を求めることにより、賦活効果を評価した。コラーゲン量は上記細胞賦活効果の試験と同様のものを更に1ロット調製し、培養終了時に「コラーゲンステインキット」(コラーゲン技術研究会製)を用い、該キットに添付されたマニュアルに従って求めた。
〔抗菌性試験〕
上記実施例6の美容化粧品素材について、JIS規格(L−1902)に基づく抗菌性試験を行った。即ち、試験菌種として、接種菌濃度5.7×105個/mlである黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を用い、上記実施例6の美容化粧品素材を10%含有する検体をJIS規格のウール白布に浸漬した後の生菌数を測定することにより、抗菌力を評価した。そして、対照品(比較例6)としては、上記実施例6の美容化粧品素材を浸漬していない添付白布そのものを用いた。尚、ウールを添付白布に用いた理由は、ポリエステル布等の合成繊維に比べてウール等の天然繊維の方が菌の付着性が高いからである。その結果を以下の表3に示す。
〔チロシナーゼ活性阻害試験〕
本試験では、上記実施例5〜6及び比較例3〜5の美容化粧品素材を用いて、チロシンを基質として、メラニン生成経路の中間生成物であるドーパクロムの波長475nmにおける吸光度を測定することにより、チロシナーゼ活性阻害率(%)を測定した。即ち、本試験では、チロシナーゼとして、マッシュルームから得られたチロシナーゼ(シグマケミカル社製)を用い、これをMcIlvaine緩衝液(0.1Mクエン酸溶液と0.2Mリン酸水素二ナトリウム溶液にてpH6.8に調製した溶液)に溶解することにより、チロシナーゼ溶液(1200U/ml)を調製した。また、チロシンを上記McIlvaine緩衝液1300μlに溶解することにより、チロシン溶液(チロシン濃度:1.66mM)を調製した。
そして、上記チロシン溶液1300μlに、上記実施例5〜6及び比較例3〜5の各美容化粧品素材を溶解した1%試料溶液585μlを添加した。次いで、上記チロシナーゼ溶液を130μl添加し、37℃で10分間インキュベーションを行った。その後、停止溶液である1.0Mアジ化ナトリウムを65μl添加することにより、測定用の検体である反応液を調製した。尚、コントロールは、1%試料溶液の代わりに水を585μl添加する他は、上記と同じ手順で操作を行うことにより調製した。また、上記反応液及びコントロールのブランクは、上記手順において、上記チロシナーゼ溶液よりも先に上記停止溶液を加えることにより調製している。そして、上記反応液、コントロール溶液並びに上記反応液及びコントロールのブランクについて、波長475nmにおける吸光度を測定した。この吸光度に基づいて、以下の式により、実施例5〜6及び比較例3〜5の各美容化粧品素材のチロシナーゼ活性阻害率(%)を求めた。その結果を以下の表4に示す。
A=〔(d−a)−(b−c)〕×100/(d−a)
A:チロシナーゼ活性阻害率(%)
a:コントロールのブランクの吸光度 b:上記反応液の吸光度
c:上記反応液のブランクの吸光度 d:上記コントロールの吸光度
(5)実施例の効果
表1より、大豆煮汁について分画精製を行っている実施例1では、SOD活性が42.8%であった。また、大豆煮汁にアルカリプロテアーゼ処理をした実施例4では44.1%であり、中性プロテアーゼ処理した実施例3では51.1%と、実施例1よりも優れたSOD活性を示している。更に、大豆煮汁を納豆菌で培養することにより得られた実施例2では、SOD活性が55.7%と実施例1より著しく高く、優れたSOD作用を有するものであることが判る。これに対し、何らの処理も施していない大豆煮汁である比較例1は、SOD活性が30.4%と低い。また、豆類自体から得られた大豆タンパクをアルカリプロテアーゼで処理した比較例2では、SOD活性が41.4%と若干向上しているものの、依然として低い値に止まっている。これらの結果より、本発明の美容化粧品素材は、SOD活性に優れており、過酸化脂質の生成を抑えて皮膚の老化を防止し、張りのある肌を保つことができる性質を備えるものであることが判る。
また、表2より、大豆煮汁について分画精製を行っている実施例5、納豆菌で培養することにより得られた実施例6及び中性プロテアーゼ処理した実施例7では、いずれもSOD活性が34.0〜45.8%と高く、特に、実施例6では、SOD活性が45.8%と著しく高く、優れたSOD作用を有することが判る。これに対し、市販の大豆加水分解ペプチドである比較例3、市販の化粧品用途のコラーゲンである比較例4及び市販の化粧品用途のシルクペプチドである比較例5では、SOD活性が8.5〜30.5%と低いことが判る。
更に、表2より、コラーゲン合成量を比較すると、実施例5〜7は濃度が0.01%で1.24〜1.63、0.05%で1.16〜1.29であり、比較例3〜5は濃度が0.01%で1.45〜1.62、0.05%で1.10〜1.35である。よって、実施例5〜7は、比較例3〜5と同程度のコラーゲン合成効果を有することが判る。また、細胞賦活効果試験により生細胞量を比較すると、実施例5〜7は濃度が0.01%で1.39〜1.72、0.05%で1.40〜1.97と高い値を示しているのに対し、比較例3〜5は濃度が0.01%で1.08〜1.26、0.05%で1.20〜1.66と低い。よって、実施例5〜7は、比較例3〜5よりも優れた細胞賦活効果を有することが判る。
更に、表3より、抗菌性試験によれば、本発明の美容化粧品素材である実施例6の美容化粧品素材で処理しなかったコントロールでは、静菌活性値が−0.9で、かえって生菌数が増えており、静菌作用も認められなていない。これに対し、実施例6の美容化粧品素材で処理した場合、静菌活性値が0.8であり、静菌活性値の評価基準値(2.2)よりは低いが、生菌数の増加は防止していることから、静菌作用を奏するものであることが判る。
チロシンはチロシナーゼによって水酸化を受けてドーパになり、ドーパはさらにチロシナーゼによって酸化されてドーパキノンに変化する。ドーパキノンは自動酸化によりロイコドーパクロムを経てドーパクロムに酸化され、最終的にメラニンに到る。よって、チロシナーゼ活性を阻害することにより、メラニン合成を阻害して、美白効果が得られると推定されることから、チロシナーゼ活性阻害率は、メラニン生成抑制のin vitroでの指標となる。そして、表4より、比較例3〜5の各美容化粧品素材では、いずれもチロシナーゼ活性阻害作用が認められなかった。これに対し、実施例5及び6の美容化粧品素材では、チロシナーゼ活性阻害率が65%及び72%と、かなり高いチロシナーゼ活性阻害作用が認められており、美白効果を有する美容化粧品素材として有用であることが判る。
以上の結果より、本発明の製造方法により得られた美容化粧品素材は、その中の単一成分ではなく、含有する様々な成分による複合的な効果によって、優れたSOD活性、細胞賦活効果、コラーゲン合成効果、抗菌作用及びチロシナーゼ活性阻害作用を有することが判る。特に、納豆菌で培養することにより得られた実施例6は、生細胞量、コラーゲン量、SOD活性及びチロシナーゼ活性阻害作用がいずれも実施例5及び7よりも高いことから、特に優れたSOD活性、細胞賦活効果、コラーゲン合成効果、抗菌作用及びチロシナーゼ活性阻害作用を有することが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の美容化粧品素材の調製工程図である。
第2図は、実施例2の美容化粧品素材の調製工程図である。
第3図は、実施例5の美容化粧品素材の調製工程図である。
第4図は、実施例6の美容化粧品素材の調製工程図である。
第5図は、実施例7の美容化粧品素材の調製工程図である。
本発明は、美容化粧品素材及びその製造方法に関し、更に詳しくは、大豆、黒豆、エンドウ豆、ソラマメ、小豆等の豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液を精密ろ過若しくは分画精製することにより、又は上記豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液を発酵若しくは酵素により処理することによって得られる天然物由来の美容化粧品素材及びその製造方法に関する。
背景技術
豆類は種実を利用する目的で栽培されるマメ科の植物で、古来より多種多様に利用されている。特に、直接調理して食用にする他、加工食品としての用途が広く、また、タンパク質、油脂資源として重要な地位を占めている。かかる豆類を加工食品原料として用いる場合、加工工程において豆類の煮汁及び蒸し汁(以下、この両者をまとめて単に「煮汁」という。)が大量に生じるが、かかる煮汁は、通常、そのまま環境中に放出しているのが現状である。
しかし、かかる煮汁は有機成分に富むことから腐敗し易く、悪臭と共に細菌類の繁殖の原因となる結果、大量に環境中に放出すると、水質汚濁の原因となる。一方で、かかる煮汁は加工工程において大量に生じることから、環境に負荷を与えることなく浄化処理することは、多額の投資と大掛かりな設備が必要となる。
かかる豆類煮汁廃液の利用方法として、例えば、豆類煮汁廃液に納豆菌を摂取して発酵することによる発酵食品製造方法(特開昭56−106565号)又は大豆煮汁有効利用(「醸協」第92巻第7号、1997)等が知られているが、これらは食品として利用するに止まる。そこで従来より、豆類煮汁廃液の排出量の抑制の観点から、食品分野だけでなく、さらに広くそれ以外の用途にもかかる煮汁を有効に利用することができる方法が求められている。一方、豆類自体については、例えば、機能性を付与した化粧品素材として、分子量1000以下の大豆ベプチドについて、その吸湿性・保湿性と化粧品への応用報告がなされているが(FRAGRANCE JOURNAL 1994−7)、これは豆類自体の利用方法に過ぎず、食品製造廃棄物である豆類の煮汁を利用しているものではなく、また、煮汁の利用方法については触れられていない。
また、近年、皮膚用化粧品としてプラセンタエキスを含有する化粧品が知られている(特開2000−16917号公報等)。プラセンタエキスはウシ、ブタ、ウマ等の家畜の胎盤由来のものやヒト胎盤由来の抽出液をいい、保湿作用のみならず、抗酸化作用、活性酸素除去作用を有し、皮膚の老化を防止する美容化粧品として用いられている。
しかし、かかるプラセンタエキスは上記のように化粧品素材として好適に用いることができる反面、脊椎動物の胎盤に由来するものであることから、大量に得られるものではなく、そのため、必然的に高価とならざるを得ないという問題がある。そこで従来より、プラセンタエキスよりも容易且つ大量に得ることができる原料から、かかるプラセンタエキスと同様の効果を奏する化粧品素材の開発が求められている。
発明の概要
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、大豆、黒豆、エンドウ豆、ソラマメ、小豆等の豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液を精密ろ過若しくは分画精製することにより、又は上記豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液を発酵若しくは酵素により処理することによって得られる天然物由来の美容化粧品素材及びその製造方法を提供することを目的とする。
スーパーオキシドジスムターゼ(以下、「SOD」という。)は、酸素分子の1電子還元で生成するスーパーオキシドラジカル(O2 −)の不均化反応を拡散律速に近い速さで触媒し、細胞内のO2 −濃度を低下させる酵素である。O2 −に代表される活性酸素種は、通常、生体内において活性化されたマクロファージなどの食細胞から産生され、殺菌作用や殺腫瘍作用を示す。しかし、これらの活性酸素種には選択毒性がなく、正常細胞にも作用できる結果、生体に対して種々の障害も引き起こすことが知られている。例えば、脂質の過酸化による膜の損傷、タンパク質の酸化修飾によるタンパク質の構造変化、DNAの切断等の結果、細胞に障害作用を示すことが明らかにされている。そこで、近年においては、この脂質の過酸化、特に皮膚の脂質の過酸化を抑制して皮膚の老化を防止することが美容化粧品分野において重要視されている。
本発明者らは以前、米糠類及び大豆類を含む培地に枯草菌を接種し、培養させ、ろ過して製造した発酵液に活性酸素を抑制する効果があることを発見し(特開平6−284872号公報)、また、特定領域のpHの米糠類、大豆類を含む培地に枯草菌を又は納豆菌を接種し、培養させ、ろ過して製造した発酵液に、血中アルコール濃度を減少させる効果を見出している(特開平3−272657号公報)。そこで、引き続き豆類とその生理的作用との関係について検討したところ、大豆等の豆類の抽出液、特に従来より廃棄処分されるだけであった豆類煮汁廃液に皮膚に対する機能性があることを見出し、また、当該豆類煮汁について所定の菌による発酵や酵素処理をすることにより、皮膚に対する機能性を更に向上させることができることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示される。
1.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液を精密ろ過及び/又は分画精製することを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
2.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液にバチルス属に属する微生物を接種して発酵培養することを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
3.上記バチルス属に属する微生物は納豆菌又は枯草菌である請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法。
4.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液に酵素を作用させることを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
5.上記酵素は大豆麹菌由来のプロテアーゼである請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法。
6.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液を精密ろ過及び/又は分画精製することにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
7.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液にバチルス属に属する微生物を接種して発酵培養することにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
8.水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液に酵素を作用させることにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
本発明によれば、大豆、黒豆、エンドウ豆、ソラマメ、小豆等の豆類抽出液、特に豆類煮汁廃液又はこれを発酵若しくはプロテアーゼ等の酵素により処理することによって、優れたSOD作用、細胞賦活効果、コラーゲン合成効果及びチロシナーゼ活性阻害作用等を有する植物性原料由来の美容化粧品素材を得ることができる。本発明の製造方法により得られた美容化粧品素材は、吸湿性、保水性を有するコラーゲンの代替素材、あるいはプラセンタエキスと同様の効果を奏するプラセンタ代替化粧品素材として好適に用いることができる。また、本発明によれば、原料として従来は廃棄処分されていた豆類煮汁廃液を有効に利用することができるので、豆類煮汁廃液の排出量を抑えて環境に与える影響を低減すると共に、廃液処理に要する経済的負担を軽減することができる。
更に、本発明の美容化粧品素材の製造方法において、分画工程中に濃縮液として得られる副製品は、栄養価が高く、有害物質を含まないことから、健康志向食品素材を始め種々の食品加工原料、飼料、ペットフード材料、園芸用有機肥料、微生物培養原料又は美容化粧品素材の素原料としての再利用ができる。以上より、本発明の美容化粧品素材の製造方法によれば、産業廃棄物として廃棄されるものは殆どないため、最終排水のBOD及びCODは工場排水基準の10ppm以下に達成することができ、未利用資源の有効利用と環境対策の両者に貢献することができる。
発明の開示
請求項1記載の美容化粧品素材の製造方法は、水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液を精密ろ過及び/又は分画精製することを特徴とする。かかる方法により得られる美容化粧品素材は、植物性原料である豆類を原料として、容易且つ大量に得られるものであり、本発明の美容化粧用素材の素原料ともなり得る。しかも、SOD活性に優れていることから、皮膚の脂質の過酸化を抑制して皮膚の老化を防止する美容化粧品となり得る。また、かかる方法により得られる美容化粧品素材は、細胞賦活活性及びコラーゲン合成促進機能を有すると共に、抗菌性に優れていることから、コラーゲンの代替素材、あるいはプラセンタエキスと同様の効果を奏するプラセンタ代替化粧品素材として好適に用いることができる。更に、かかる方法により得られる美容化粧品素材は、チロシナーゼ活性阻害作用に優れていることから、美白用の美容化粧品素材として好適に用いることができる。
本発明において、上記「豆類」は、一般に食用や飼料とされるマメ科の植物の種実であればその種類については特に限定はなく、例えば、大豆、黒大豆、落花生、小豆、ササゲ、インゲンマメ、ソラマメ、エンドウ豆、緑豆、コーヒー豆、カカオ豆、ゴマ種子、ヒマワリ種子等が挙げられ、その他に脱脂豆、脱脂種実、キナ粉、豆粉、豆カス及びこれらの加水分解物等を用いることもできる。また、上記「水系溶媒」としては、通常は水(熱水を含む)を用いるが、豆類抽出液の品質を維持できる限り、酢酸エチル、アルコール(エタノール等)等の親水性の有機溶媒や、これらの有機溶媒、特に親水性の有機溶媒と水又は熱水との混合溶媒等を用いることができる。また、豆類煮汁、特に豆類の加工における通常の加工工程で生じる豆類煮汁廃液や豆腐凝固工程等で副生する浸出液を用いてもよい。
請求項1記載の美容化粧品素材においては、上記水系溶媒に豆類を添加し、抽出を行うことにより豆類抽出液を得る。この場合、常温抽出でもよく、また、加熱抽出でもよい。特に、上記「豆類抽出液」として、加熱抽出した豆類煮汁、特に豆類の加工における通常の加工工程で生じる豆類煮汁廃液や豆腐凝固工程等で副生する浸出液を用いると、従来は廃棄処分されていた豆類煮汁廃液や浸出液の有効利用を図ることもできるので好ましい。上記「豆類抽出液」を得るための方法、条件については特に限定はない。例えば、上記「豆類」については、そのままの状態で用いる他、適度に粉砕して用いることができ、豆類抽出液の品質を維持できる限り、不純物除去等の前処理をしてもよい。更に、加熱抽出の場合、上記「豆類抽出液」を得る際の加熱温度及び加熱時間についても、十分に豆類の成分を抽出でき、その品質を維持できる範囲で種々の条件とすることができる。例えば、加熱温度としては、上記「水系溶媒」の温度が通常40〜100℃、好ましくは50〜80℃、更に好ましくは50〜70℃となるように加熱することができる。また、水系溶媒のpHは通常3〜7、好ましくは4〜6、更に好ましくは4〜5である。加熱温度及びpHをかかる範囲とすることにより、抽出を効率的に行うことができるので好ましい。また、上記「豆類抽出液」は、そのままの状態で用いる他、その品質を維持し、廃液処理に負担を要しない限り、目的物の抽出や廃液処理の効率を高める等の目的で、法的に許されている添加物を使用することもできる。
請求項1記載の美容化粧品素材においては、上記水系溶媒に豆類を添加し、抽出することによって豆類抽出液を得た後、該豆類抽出液について精密ろ過又は分画精製を行う。例えば、精密ろ過は、上記豆類抽出液についてろ布ろ過、プレスろ過又は遠心分離等により異物や不純物等の固形分を除去した後、通常0.1〜1.0μm、好ましくは0.3〜0.6μm、更に好ましくは0.3〜0.45μmのろ過膜を用いて行うことができる。この場合、ろ過膜の材質は特に限定はない。精密ろ過後、減圧濃縮又は膜濃縮等の濃縮操作を行い、適宜凍結乾燥あるいは加熱乾燥等による乾燥をすることにより美容化粧用素材を得ることができる。また、分画精製は、ゲルろ過法や限外ろ過法等の適宜な手段が採用される。この場合、分子量(以下「MW」と言う)1000〜10000、好ましくは3000〜10000、更に好ましくは3000〜8000、より好ましくは3000〜7000、特に好ましくは4000〜7000、最も好ましくは5000〜6000の範囲の分子篩を用いることが望ましい。かかる範囲の分子篩により分画精製を行うことにより、豆類アレルギーの低減が期待できるので好ましい。また、残る濃縮液も粗美容化粧品素材として利用ができると共に、化粧品以外の用途(例えば食品素材、飲料又は食品添加用素材、あるいは繊維加工用素材等)に用いることもできる。
尚、上記精密ろ過及び分画精製は、いずれか一方のみを行ってもよいが、両方とも行うこともできる。これにより、より活性を高めることも可能である。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法は、水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液にバチルス属に属する微生物を接種して発酵培養することを特徴とする。かかる方法により得られた美容化粧品素材は、強いSOD活性機能を有すると共に、細胞賦活作用及びコラーゲン合成作用を有することから、特に皮膚の老化予防、肌荒れ防止等を訴求した美容化粧品素材とすることができるので好ましい。また、かかる方法により得られる美容化粧品素材は、チロシナーゼ活性阻害作用に優れていることから、美白用の美容化粧品素材として好適に用いることができる。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法において用いられる上記「バチルス属に属する微生物」としては、菌学的にバチルス属に属するものであればよく、例えば、請求項3に示すように納豆菌や枯草菌が挙げられる。納豆菌や枯草菌等による発酵では、菌体外にプロテアーゼ等の各種の有用な酵素が産生されるため、分画操作に際して、同時に酵素の回収ができるので好ましい。通常は、市販されている一般的な納豆菌や枯草菌を用いられるが、その他、自然的又はニトロソグアニジン等の化学物質、X線、紫外線等による人為的変異手段により得られ、菌学的性質が変異した納豆菌や枯草菌の変異株であっても、以下に詳述する本発明の美容化粧品素材が有するSOD作用を有する機能性素材を産生する性質を失わない限り利用することができる。また、上記「納豆菌」あるいは「枯草菌」は、利用する培養液が大豆煮汁廃液であり、通常は自然条件下で排出するものであるという理由から、自然環境でより旺盛な繁殖力がある類縁菌が好ましい。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法において、上記「豆類抽出液」を得る方法は、上記請求項1記載の美容化粧品素材の製造方法の場合と同様の方法で得ることができる。この場合、上記「豆類抽出液」に上記「バチルス属に属する微生物」を接種し、発酵培養を行う前に、必要に応じて上記「豆類抽出液」について、原料自体あるいは豆類抽出液調整中に混入した豆類抽出液中の雑菌を死滅させるための殺菌処理を行うことができる。かかる殺菌処理は、除菌フィルター操作による処理の他、上記「豆類抽出液」について加熱処理(例えば、蒸す)ことにより行うことができる。加熱処理は通常、100〜130℃で1〜60分程度行うが、一般にバチルス属に属する菌の中で納豆菌等は繁殖力が旺盛であるから、培地を加熱殺菌する場合、高温高圧(121℃/15分)にて完全殺菌を必要とするものではなく、種菌の接種量を多くすることにより通常の蒸圧加熱殺菌でもよい。一方、排出直後の加熱処理されている豆類煮汁の場合は比較的雑菌が少ないため、再度加熱殺菌しないで納豆菌等が生育しやすい温度まで速やかに冷却した後で使用することもできる。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法では、必要に応じて上記殺菌処理を行った後、上記「豆類抽出液」に上記「バチルス属に属する微生物」を接種し、発酵培養を行う。この場合、通常は、上記「豆類抽出液」に直接上記「バチルス属に属する微生物」を接種して培養を行うが、その他、上記「バチルス属に属する微生物」が増殖できる培地に上記「豆類抽出液」及び上記「バチルス属に属する微生物」を接種して培養することもできる。この場合の培地としては、上記「バチルス属に属する微生物」が増殖できる限り、液体培地でも固形培地であってもかまわない。尚、上記のように、排出直後の加熱処理されている豆類煮汁の場合は比較的雑菌が少ないため、再度加熱殺菌しないで純粋培養した上記「バチルス属に属する微生物」(納豆菌その他類縁菌等)を接種し培養することも可能である。即ち、納豆製造工程における納豆菌の接種操作に類似の接種方法も採用できる。
また、請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法において、上記「バチルス属に属する微生物」を接種する方法としては、通常は、菌体又は菌体含有液を直接上記「豆類抽出液」又は上記培地に添加する方法が挙げられるが、その他、上記「バチルス属に属する微生物」を適当な担体に固定化したものを用いることもできる。かかる方法によれば、発酵終了後、微生物の再利用も可能であるので好ましい。かかる微生物の固定化方法としては、従来より行われている微生物を高分子マトリックス中に固定化する包括固定化法、微生物を固定化担体に直接化学結合する担体結合法、微生物相互間を架橋による不溶を行う架橋法等が挙げられる。この中で、微生物に対する影響が少ない包括固定化法が好適である。かかる包括固定化法としては、高分子ゲルの細かい格子の中に微生物を包み込む格子型法と、微生物を被覆するマイクロカプセル型法があり、この中で、格子型包括固定化法は微生物の活性化の維持及び固定化の容易さの観点から好ましい。
また、発酵培養の方法、条件については、発酵が行われる限り特に限定はなく、使用する菌の生育特性により、種々の条件とすることができる。通常、発酵培養は通気攪拌を行うことにより行われ、培養温度が40〜45℃程度である。また、培地のpHは特に限定はないが、通常4〜7、好ましくは5〜7、更に好ましくは6〜7である。培地のpHを調節する場合は、アルカリ剤として炭酸水素ナトリウム等を用いることができる。尚、培地原料にプロテアーゼを添加することもできる。この場合は、豆類中のペプチドを更に分解するので有用である。また、培養の際は、培養効率や目的物の収量を高めるために、上記「豆類抽出液」又は上記培地に各種栄養源(窒素源、炭素源、ミネラル、ビタミン類等)等の添加剤を添加することもできる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、乳糖及びデンプン等の1種又は2種以上を用いることができる。更に、培養時間は、菌自身の繁殖力にもより限定はされないが、通常24〜72時間、好ましくは48〜72時間である。
請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法では、発酵培養後、固形物及び菌体を除去するために、発酵培養液の粘性その他物性に応じて遠心分離又はフィルタープレス等を行うことができる。また、発酵培養液について、請求項1と同様の方法でプレスろ過、精密ろ過(0.45μm)及び凍結乾燥等の各工程を行ってもよい。更に、発酵培養液の高分子画分には、プロテアーゼ活性を有する酵素の他、各種の有用菌体外酵素を産生するため、分画操作によりこれらの有用菌体外酵素の回収もできる。特に、MW5000の限外ろ過で分画操作を行うと、静菌力やSOD活性を高め、低アレルゲン性を付与させることができ、また、酵素活性濃縮画分と抗菌活性を有する美容化粧品素材画分の分別回収が可能であるので好ましい。
請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法は、水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液に酵素を作用させることを特徴とする。請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法において、上記「豆類抽出液」を得る方法は、上記請求項1記載の美容化粧品素材の製造方法の場合と同様の方法で得ることができる。また、請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法の場合と同様に、上記「豆類抽出液」に酵素を作用させる前に、必要に応じて上記「豆類抽出液」について、原料自体あるいは豆類抽出液調整中に混入した豆類抽出液中の雑菌を死滅させるための殺菌処理を行うことができる。更に、請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法では、酵素を作用させた後、請求項1及び2の場合と同様に、精密ろ過又は限外ろ過工程を行うこともできる。
請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法において、上記「酵素」は、豆類抽出液中の美容化粧品素材として有用な低分子成分を含有する画分により適宜選択することができる。例えば、アミラーゼ、セルラーゼ又はペクチナーゼ等の処理では、複合多糖類の加水分解により、女性ホルモン(プラセンタ様ホルモン)に類似のイソフラボンや抗酸化作用のあるサポニン等の画分が得られる。また、プロテアーゼを用いると、苦味ペプチドを生成することが少ないことから、口紅等の唇周辺に付与する美容化粧品素材として好適に用いることができる。ここで、上記「プロテアーゼ」は、ペプチド結合の加水分解反応に対して触媒作用をする酵素であれば、その種類及び起源については特に限定はない。例えば、バチルス属に属する細菌由来のプロテアーゼや大豆麹菌由来のプロテアーゼ等を用いることができる。この中で、大豆麹菌由来のプロテアーゼは、アミノ酸まで加水分解する作用が強く、しかも中性〜弱酸性(pH6.0)のpH領域で活性があるため、自然な状態で煮汁から美容化粧品素材を抽出することができる。よって、上記酵素として大豆麹菌由来のプロテアーゼを用いると、紫外線に対して弱い皮膚を持つ人や、衣類など物理的皮膚刺激に対して過敏なアレルギー反応を持つ人を対象とした特殊用途の美容化粧品素材として、紫外線遮断作用、抗皮膚アレルギー作用を有する美容化粧品素材を得ることができる。尚、上記「酵素」は単独又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法において、豆類抽出液にプロテアーゼ等の上記酵素を作用させる場合、通常は、プロテアーゼ等の上記酵素又はプロテアーゼ等の上記酵素含有液を豆類煮汁に添加することにより行うが、その他、上記酵素を適当な担体に固定化したものを用いることもできる。かかる方法によれば、発酵終了後、微生物の再利用も可能であるので好ましい。かかるプロテアーゼ等の上記酵素の固定化方法としては、従来より行われている公知の方法である上記包括固定化法、担体結合法、架橋法等が挙げられる。そして、豆類抽出液にプロテアーゼ等の上記酵素を作用させた後、通常は短時間加熱して、酵素の活性を停止させる。
本発明の美容化粧品素材の製造方法では、分画精製、発酵又は酵素処理後、そのまま、あるいは必要に応じて凍結乾燥等の公知の乾燥方法を行うことにより、最終製品とすることができる。また、最終製品化の段階で必要に応じてpH調整を行ってもよい。更に、同様に、本発明の美容化粧品素材の製造方法において、途中の過程において、必要であれば、活性炭等による脱色や、ろ過助剤によるろ過、遠心分離、減圧濃縮、分子篩による濃縮等を行うこともできる。また、最終製品の安定性と安全性を確保する手段として、加熱殺菌、紫外線殺菌、法的に許されている殺菌剤やその他添加物を使用することもできる。
本発明の美容化粧品素材は、本発明の美容化粧品素材の製造方法により得られることを特徴とする。本発明の美容化粧品素材は、植物性原料であり、容易且つ大量に得られる豆類を原料として得られるものであることから、アレルゲン低減化を付与することができると共に、吸湿性、保水性を有するコラーゲンの代替素材、あるいはプラセンタエキスと同様の効果を奏するプラセンタ代替化粧品素材として用いることができる。また、本発明の美容化粧品素材は、SOD活性に優れていることから、皮膚の脂質の過酸化を抑制して皮膚の老化を防止する美容化粧品として好適に用いることができる。更に、本発明の美容化粧品素材は、チロシナーゼ活性阻害作用に優れていることから、美白用の美容化粧品素材として好適に用いることができる。尚、本発明の美容化粧品素材は、比較的分子量の大きいポリペプチドを含むものとすることができる。
本発明の美容化粧品素材の形態については特に限定はなく、水溶液若しくは原液等の液状の他、液状の美容化粧品素材を種々の方法で乾燥等することにより粉末化したり、あるいは吸液性粉末に含浸させることにより得られる粉末品、造粒した造粒品、増量剤等他の粉末成分を配合した錠剤、又はマイクロカプセル等とすることができる。また、本発明の美容化粧品の機能性素材は、その性質を維持できる限り、他の物質を添加することができる。例えば、製造における計量を容易にするために、水溶性に富んだコーンスターチ等を添加することができる。即ち、本発明の美容化粧品機能性素材には、当該美容化粧品素材だけで構成されるものだけでなく、当該美容化粧品素材を含有するものも含まれる。
尚、本発明においては、下記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、豆類煮汁の品質と廃液処理に負荷を要しない限り、食品衛生法に基づき使用可能な有機溶媒やpH調製剤等その他食品用添加物を用いてもよい。
発明を実施するための最良の形態
(1)美容化粧品素材の調製1
〔実施例1〕
原料として、通常の大豆煮豆加工食品の製造の際に得られる大豆煮汁廃液(大豆100%を100℃の熱水で約30分ボイルした後の廃液)を用いた。まず、該大豆煮汁廃液10リットルを篩別して不純物を除去し、次いで活性炭及びろ過助材(「パーライトNo.4180」 ダイカライオンオリエント株式会社製)を用いてフィルタープレスにより脱色ろ過を行った。その後、得られた透明ろ液について中空糸膜による2段階の限外ろ過を行い、それを凍結乾燥することにより、実施例1の美容化粧品素材(150g)を得た。以上の工程を図1に示す。
〔実施例2〕
原料として、上記実施例1の大豆煮汁廃液を用いた。まず、該大豆煮汁廃液6リットルを篩別して不純物を除去し、次いで120℃で15分間殺菌を行った。そして、殺菌後の大豆煮汁廃液を室温で放置して冷却後、市販納豆菌(高橋研究所製)を接種して37℃で18時間通気攪拌培養を行った。尚、培養時のpHは未調整である。その後、培養物を90℃で30分間加熱殺菌し、上記実施例1の活性炭及びろ過助材を用いてフィルタープレスを行い、脱色と除菌を行った。次いで、中空糸膜を用いて限外ろ過を行い、それを凍結乾燥することにより実施例2の美容化粧品素材(80g)を得た。以上の工程を図2に示す。
〔実施例3及び4〕
原料として、上記実施例1の大豆煮汁廃液を用いた。まず、該大豆煮汁廃液3.5リットルを篩別して不純物を除去した。そして、大豆麹菌由来の酵素として、Aspergillus orizaeの産生する中性プロテアーゼ(「プロテアーゼA」 天野製薬株式会社製)及びアルカリプロテアーゼ(「オリエンターゼ22BF」 阪急協栄物産株式会社製)を使用し、これを上記大豆煮汁廃液に添加して60℃で5時間反応させ、次いで、90℃で5分間加熱して酵素失活処理を行った。その後、実施例2と同様の方法によりフィルタープレスを行い、次いで、中空糸膜を用いて限外ろ過を行い、それを凍結乾燥することにより、実施例3(中性プロテアーゼ)及び実施例4(アルカリプロテアーゼ)の美容化粧品素材(80g)を得た。
尚、比較例1として、上記実施例1〜3において原料として用いた大豆煮汁廃液を用いた。また、比較例2として、大豆タンパクをアルカリプロテアーゼ処理したものを用いた。
(2)美容化粧品素材の機能性試験
上記実施例1〜4及び比較例1〜2について、以下に示す方法により、機能性試験を行った。
〔SOD活性〕
SOD活性は、測定キットとして和光純薬工業製「SODテストワコー」(体外診断用医薬品、承認番号(63AM)第0285号)を用いて、NBT還元法により測定した。結果は阻害率(%)で表示した。この測定結果を以下の表1に示す。
(3)美容化粧品素材の調製2
〔実施例5〕
原料として、通常の大豆煮豆加工食品の製造の際に得られる大豆煮汁廃液(皮付生大豆100%を約100℃の熱水で約30分ボイルした後の廃液)を用いた。まず、該大豆煮汁廃液10リットルを篩別して不純物を除去し、次いで活性炭及びろ過助材(和光純薬株式会社製「活性炭素」及び「けいそう土」)を用いてフィルタープレスによる脱色ろ過を行った。次いで、得られた透明ろ液について加熱滅菌(120℃/15分)した後、精密ろ過(膜厚0.45μm)を行った。そして、そのろ過液を糖度(brix)25程度まで減圧濃縮(65℃)した後、凍結乾燥することにより、実施例5の美容化粧品素材(53g)を得た。以上の工程を図3に示す。
〔実施例6〕
原料として、上記実施例5と同じ大豆煮汁廃液を用いた。まず、該大豆煮汁廃液10リットルを篩別して夾雑物を除去し、次いで120℃で15分関殺菌を行った。そして、殺菌後の大豆煮汁廃液を室温で放置して冷却後、市販納豆菌(高橋研究所製)を接種して37℃で約48時間通気攪拌培養を行った。その後、培養物を約10℃に冷却し、次いで実施例5と同様の方法でフィルタープレスによる脱色ろ過を行って脱色と除菌を行った。そして、ろ過液を加熱殺菌した後、精密ろ過(膜厚0.45μm)後、減圧濃縮し、凍結乾燥を行うことにより、実施例6の美容化粧品素材(133g)を得た。以上の工程を図4に示す。
〔実施例7〕
原料として、上記実施例5の大豆煮汁廃液を用いた。まず、該大豆煮汁廃液10リットルに、大豆麹菌由来の中性プロテアーゼ(「プロテアーゼA」 天野製薬株式会社製)を添加して40℃で20分間反応させた、次いで、90℃で5分間加熱して酵素失活処理を行った。そして、実施例5及び6と同様の方法でフィルタープレスによる脱色ろ過及び精密ろ過を行った後、MW5000の限外ろ過により分画処理し、透過液を減圧濃縮、凍結乾燥して実施例7の美容化粧品素材(128g)を得た。以上の工程を図5に示す。
尚、比較例3として、市販品の大豆加水分解ペプチド(MW約1000)、比較例4として、市販の化粧品用途のコラーゲン(MW4000〜5000)、比較例5として、市販の化粧品用途のシルクペプチド(MW500〜1500)を用いた。
(4)美容化粧品素材の機能性試験2
上記実施例5〜7及び比較例3〜5について、以下に示す方法により、機能性試験を行った。その結果を以下の表2に示す。
〔SOD活性〕
上記実施例1〜4及び比較例1〜2の場合と同じ方法により測定した。結果は阻害率(%)で示した。
〔細胞賦活効果及びコラーゲン合成効果の試験方法〕
ヒト皮膚線維芽細胞1000個を96穴プレートに接種し、5%FBS添加MEM培地で5日間培養後、無血清MEM培地に交換し、さらに1日間培養した。その後、表2に示す濃度となるように実施例5〜7の美容化粧品素材を0.5%血清添加MEM培地に添加して調製した試料添加溶液に交換し、5日間更に培養した。その後、同仁堂セルカウンティングキット8に基づきWST−8テトラゾリウム塩を発色基質とし、生細胞内の脱水素酵素により還元されて生成した水溶性ホルマザンを450nmで測定することにより、生細胞量を測定し、次いで、それぞれの相対値を求めることにより、賦活効果を評価した。コラーゲン量は上記細胞賦活効果の試験と同様のものを更に1ロット調製し、培養終了時に「コラーゲンステインキット」(コラーゲン技術研究会製)を用い、該キットに添付されたマニュアルに従って求めた。
〔抗菌性試験〕
上記実施例6の美容化粧品素材について、JIS規格(L−1902)に基づく抗菌性試験を行った。即ち、試験菌種として、接種菌濃度5.7×105個/mlである黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を用い、上記実施例6の美容化粧品素材を10%含有する検体をJIS規格のウール白布に浸漬した後の生菌数を測定することにより、抗菌力を評価した。そして、対照品(比較例6)としては、上記実施例6の美容化粧品素材を浸漬していない添付白布そのものを用いた。尚、ウールを添付白布に用いた理由は、ポリエステル布等の合成繊維に比べてウール等の天然繊維の方が菌の付着性が高いからである。その結果を以下の表3に示す。
〔チロシナーゼ活性阻害試験〕
本試験では、上記実施例5〜6及び比較例3〜5の美容化粧品素材を用いて、チロシンを基質として、メラニン生成経路の中間生成物であるドーパクロムの波長475nmにおける吸光度を測定することにより、チロシナーゼ活性阻害率(%)を測定した。即ち、本試験では、チロシナーゼとして、マッシュルームから得られたチロシナーゼ(シグマケミカル社製)を用い、これをMcIlvaine緩衝液(0.1Mクエン酸溶液と0.2Mリン酸水素二ナトリウム溶液にてpH6.8に調製した溶液)に溶解することにより、チロシナーゼ溶液(1200U/ml)を調製した。また、チロシンを上記McIlvaine緩衝液1300μlに溶解することにより、チロシン溶液(チロシン濃度:1.66mM)を調製した。
そして、上記チロシン溶液1300μlに、上記実施例5〜6及び比較例3〜5の各美容化粧品素材を溶解した1%試料溶液585μlを添加した。次いで、上記チロシナーゼ溶液を130μl添加し、37℃で10分間インキュベーションを行った。その後、停止溶液である1.0Mアジ化ナトリウムを65μl添加することにより、測定用の検体である反応液を調製した。尚、コントロールは、1%試料溶液の代わりに水を585μl添加する他は、上記と同じ手順で操作を行うことにより調製した。また、上記反応液及びコントロールのブランクは、上記手順において、上記チロシナーゼ溶液よりも先に上記停止溶液を加えることにより調製している。そして、上記反応液、コントロール溶液並びに上記反応液及びコントロールのブランクについて、波長475nmにおける吸光度を測定した。この吸光度に基づいて、以下の式により、実施例5〜6及び比較例3〜5の各美容化粧品素材のチロシナーゼ活性阻害率(%)を求めた。その結果を以下の表4に示す。
A=〔(d−a)−(b−c)〕×100/(d−a)
A:チロシナーゼ活性阻害率(%)
a:コントロールのブランクの吸光度 b:上記反応液の吸光度
c:上記反応液のブランクの吸光度 d:上記コントロールの吸光度
(5)実施例の効果
表1より、大豆煮汁について分画精製を行っている実施例1では、SOD活性が42.8%であった。また、大豆煮汁にアルカリプロテアーゼ処理をした実施例4では44.1%であり、中性プロテアーゼ処理した実施例3では51.1%と、実施例1よりも優れたSOD活性を示している。更に、大豆煮汁を納豆菌で培養することにより得られた実施例2では、SOD活性が55.7%と実施例1より著しく高く、優れたSOD作用を有するものであることが判る。これに対し、何らの処理も施していない大豆煮汁である比較例1は、SOD活性が30.4%と低い。また、豆類自体から得られた大豆タンパクをアルカリプロテアーゼで処理した比較例2では、SOD活性が41.4%と若干向上しているものの、依然として低い値に止まっている。これらの結果より、本発明の美容化粧品素材は、SOD活性に優れており、過酸化脂質の生成を抑えて皮膚の老化を防止し、張りのある肌を保つことができる性質を備えるものであることが判る。
また、表2より、大豆煮汁について分画精製を行っている実施例5、納豆菌で培養することにより得られた実施例6及び中性プロテアーゼ処理した実施例7では、いずれもSOD活性が34.0〜45.8%と高く、特に、実施例6では、SOD活性が45.8%と著しく高く、優れたSOD作用を有することが判る。これに対し、市販の大豆加水分解ペプチドである比較例3、市販の化粧品用途のコラーゲンである比較例4及び市販の化粧品用途のシルクペプチドである比較例5では、SOD活性が8.5〜30.5%と低いことが判る。
更に、表2より、コラーゲン合成量を比較すると、実施例5〜7は濃度が0.01%で1.24〜1.63、0.05%で1.16〜1.29であり、比較例3〜5は濃度が0.01%で1.45〜1.62、0.05%で1.10〜1.35である。よって、実施例5〜7は、比較例3〜5と同程度のコラーゲン合成効果を有することが判る。また、細胞賦活効果試験により生細胞量を比較すると、実施例5〜7は濃度が0.01%で1.39〜1.72、0.05%で1.40〜1.97と高い値を示しているのに対し、比較例3〜5は濃度が0.01%で1.08〜1.26、0.05%で1.20〜1.66と低い。よって、実施例5〜7は、比較例3〜5よりも優れた細胞賦活効果を有することが判る。
更に、表3より、抗菌性試験によれば、本発明の美容化粧品素材である実施例6の美容化粧品素材で処理しなかったコントロールでは、静菌活性値が−0.9で、かえって生菌数が増えており、静菌作用も認められなていない。これに対し、実施例6の美容化粧品素材で処理した場合、静菌活性値が0.8であり、静菌活性値の評価基準値(2.2)よりは低いが、生菌数の増加は防止していることから、静菌作用を奏するものであることが判る。
チロシンはチロシナーゼによって水酸化を受けてドーパになり、ドーパはさらにチロシナーゼによって酸化されてドーパキノンに変化する。ドーパキノンは自動酸化によりロイコドーパクロムを経てドーパクロムに酸化され、最終的にメラニンに到る。よって、チロシナーゼ活性を阻害することにより、メラニン合成を阻害して、美白効果が得られると推定されることから、チロシナーゼ活性阻害率は、メラニン生成抑制のin vitroでの指標となる。そして、表4より、比較例3〜5の各美容化粧品素材では、いずれもチロシナーゼ活性阻害作用が認められなかった。これに対し、実施例5及び6の美容化粧品素材では、チロシナーゼ活性阻害率が65%及び72%と、かなり高いチロシナーゼ活性阻害作用が認められており、美白効果を有する美容化粧品素材として有用であることが判る。
以上の結果より、本発明の製造方法により得られた美容化粧品素材は、その中の単一成分ではなく、含有する様々な成分による複合的な効果によって、優れたSOD活性、細胞賦活効果、コラーゲン合成効果、抗菌作用及びチロシナーゼ活性阻害作用を有することが判る。特に、納豆菌で培養することにより得られた実施例6は、生細胞量、コラーゲン量、SOD活性及びチロシナーゼ活性阻害作用がいずれも実施例5及び7よりも高いことから、特に優れたSOD活性、細胞賦活効果、コラーゲン合成効果、抗菌作用及びチロシナーゼ活性阻害作用を有することが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の美容化粧品素材の調製工程図である。
第2図は、実施例2の美容化粧品素材の調製工程図である。
第3図は、実施例5の美容化粧品素材の調製工程図である。
第4図は、実施例6の美容化粧品素材の調製工程図である。
第5図は、実施例7の美容化粧品素材の調製工程図である。
Claims (8)
- 水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液を精密ろ過及び/又は分画精製することを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
- 水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液にバチルス属に属する微生物を接種して発酵培養することを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
- 上記バチルス属に属する微生物は納豆菌又は枯草菌である請求項2記載の美容化粧品素材の製造方法。
- 水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液に酵素を作用させることを特徴とする美容化粧品素材の製造方法。
- 上記酵素は大豆麹菌由来のプロテアーゼである請求項4記載の美容化粧品素材の製造方法。
- 水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液を精密ろ過及び/又は分画精製することにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
- 水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液にバチルス属に属する微生物を接種して発酵培養することにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
- 水系溶媒に豆類を加えて抽出し、次いで、得られた豆類抽出液に酵素を作用させることにより得られることを特徴とする美容化粧品素材。
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