JPS6361086B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はストリツプ層間に紙が挿入されたコイ
ルを圧延機の入側においてハンドリングするため
の装置に係り、特に鉄鋼プラントの圧延機および
精整ラインの省力化等に好適な圧延機の入側設備
に関する。

〔従来の技術とその課題〕

ストリツプ表面の損傷防止のため、層間に紙を
挿入したコイルを形成することはよく知られてい
る。このコイルは外周面を金属バンドで結束して
ストツクされ、連続焼鈍酸洗等の際、圧延機入側
で巻出し処理される。

このような場合、従来では、圧延機の入側外部
においてコイルの外周を結束したバンドが切断
し、その後コイルを巻出し機に挿入していたが、
この場合には、ストリツプの先端が跳ね出すなど
の危険があつた。また、コイルの巻きがゆるみ、
これによつてストリツプの層間に擦傷が発生する
などの欠点もあつた。なお、ライン外でバンドの
切断と切断バンドの処理をした後、巻出し機にコ
イルを挿入し、ストリツプの巻出し及び紙の巻取
りを行つていたので、能率が悪いという不利もあ
つた。

また特開昭51−81768号公報のペーパー自動巻
取装置や特開昭50−10761号公報のペーパー巻取
巻出装置も知られているが、これらの装置はバン
ド処理について全く考慮されておらず、しかも前
者にあつては紙巻取装置がストリツプ巻出し方向
側にあるため操作が煩雑になるなどの問題があつ
た。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ストリツプ層間に紙が挿入され
かつ最外周側をバンドにより結束されたコイルの
バンド切断処理作業と紙巻取り作業及びストリツ
プ巻出し作業を合理的に安全にかつ能率よく行い
得る圧延機の入側設備を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本発明は、ストリツ
プ層間に紙が挿入され、最外周側をバンドにより
結束されているコイルを巻出し機によつて巻出す
圧延機の入側設備において、前記コイル巻出し機
の反ストリツプ巻出し方向側に、バンド処理装置
と紙巻取り機とを、同一台車に搭載して、ライン
内に交互に進退可能に設け、さらに前記コイル巻
出し機に装着されたコイルの外周面に当接し、該
コイル外周をコイル軸芯方向に押し付ける手段を
設けた構成としたものである。また本発明は、バ
ンド処理装置は、バンドを切断して貯蔵する貯蔵
部を内蔵したものであること、紙巻取り機は、反
ストリツプ巻出し方向側に紙巻取り機、紙コイル
払い出し装置およびスプール供給装置を有し、か
つその巻出し機と紙巻取り機との間に紙送り出し
装置を有すること、紙送り出し装置は、折りたた
み可能な構成を有すること、を夫々望ましい構成
とするものである。

〔作用〕

コイルの外周を結束しているバンドは、コイル
がコイル巻出し機に装着され、かつ、該コイル外
周がスナバローラーによつて該コイルの軸芯方向
に押し付けられた状態で切断されるので、バンド
が切断されても、ストリツプの先端が跳ね出した
り、コイルの巻きがゆるんだりすることがない。
また、バンド処理装置によるバンド処理後、バン
ド処理装置がラインから後退すると共に同一動作
で紙巻取り機がラインに進入し、コイルからのス
トリツプの巻き出しに合わせて、紙の巻きとりが
行なわれる。バンド処理装置と紙巻取り機は、同
一台車上に設置され、両者のラインへの進退は、
台車の移動によつて行なわれるから、台車の位置
をバンド処理位置と紙巻取り位置の２位置に制御
するだけで、両者のラインへの進退が行なわれ
る。

〔実施例〕 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

図において、１は処理すべきコイル、２は処理
前のコイル１を貯蔵するためのスキツドである。
３はコイルカーで、コイル１を巻出し機４に順次
供給するためのものである。コイル１の外周を結
束したバンド５は巻出し機４に装着後バンド処理
装置６によつて切断するようにしている。バンド
処理装置６は紙巻取り機７を塔載した台車８を有
し、この紙巻取り機７は所定位置で払い出しガイ
ド９に接続可能とされ、この払い出しガイド９に
連続するスプール供給装置１０に紙コイル払い出
し装置１１が連続して設けられている。この紙コ
イル払い出し装置１１には、後述する巻取つた紙
コイル１２を収納するものである。

なお、１３は台車８を駆動するためのシリンダ
ー、１４は台車８をガイドするレールである。ま
た、１５は切断バンドの払い出し用バケツトで、
スプール供給装置１０と所定距離、離間した配置
で設けている。なお、１６は紙巻取りの初期に紙
を反コイル巻出し方向側にガイドするための紙送
りコンベアで、バンド処理装置と交互に進退可能
として選択使用可能に設けたものである。なお、
この紙送りコンベア１６とバンド処理装置６の作
用については後に詳述する。

また、１７はストリツプ１９の巻出し用オープ
ナーで、このオープナー１７に続いてフイーダー
１８を連続させ、圧延機３４側にストリツプ１９
を供給するようにしてある。

また、２０はストリツプ層間に巻かれた紙、２
１は紙を巻取るためのスプールで、このスプール
２１は前述した紙巻取り機７に交換使用可能に一
対装着され、かつ紙巻取り後は払い出しガイド９
に巻き出し、紙コイル１２と共に払い出すように
してある。そして、供給シリンダー３５を有する
スプール供給装置１０から新たなスプール２１が
紙巻取り機７に供給し得るようにしてある。

なお、２３は巻出し機４に装着したコイル１の
外周面に当接し、該コイル１外周を該コイルの軸
芯方向に押し付ける手段であるスナバローラー
で、コイル軸心に向つて所定の押圧力を付与す
る。また、２５は切断したバンドを貯蔵するため
のホツパーで、このホツパー２５はシリンダー２
６によつて開閉するようにしている。また、２７
は台車８内に設けた貯蔵部を示す。

更に、２８は、紙送りコンベア１６を起伏動作
するシリンダー、２９は同コンベア１６を折りた
たみ動作する別のシリンダーを示す。

なお、３０，３１，３２はそれぞれスプール２
１の周囲に配置して設けたエアーノズルで、紙２
０のスプール２１に巻付ける方向に空気を吹き付
けるようになつている。

次に、作用を説明する。

まず、バンド処理について第１図および第３図
を元に説明する。

スキツド２の上に待機しているコイル１を、コ
イルカー３によつて巻出し機４の方向（Ａ方向）
に搬送し、このコイル１を巻出し機４のドラムに
装着すると共に、その外周をスナバローラー２３
によつて押し付ける。この後コイルカー３は次の
コイル供給位置まで後退する。次に、バンド処理
装置６のカツター６Ａがコイル１側に前進し、コ
イル１の外周に結束されているバンド５を切断す
る。そして、巻出し機４の回転によつて、バンド
５はバンド処理装置６内を第３図の矢印Ｂ方向に
搬送され、カツター６Ｂにより貯蔵部２７内に切
断されて収納される。全バンド切断後は、バンド
処理装置６が台車８と共に第１図のＣ方向に移動
し、切断バンド２２をバケツト１５に払い出す。
この場合、台車８、バケツト１５、シリンダー２
６等は一定の関連動作をする専用装置によつて動
作規制されている。

このようなバンド処理装置の構造によると、コ
イル１を巻出し機４に装着後、スナバローラー２
３でそのコイル１を保持した状態でバンドの切断
および払い出しが行なえるので、バンドの切断で
コイルの巻きがゆるんだり、ストリツプの先端が
跳ね出したりすることがなく、また、切断バンド
が巻出し機４やコイルカー３の周囲に落下した
り、飛びはねたりすることがなく、安全に作業す
ることができると共に、切断バンドはバンド処理
装置６およびバケツト１５により自動的にかつ集
中管理した状態で処理できるので省力化および能
率化が図れる。

ところで、台車８がバケツト１５方向に移動し
た場合は、第２図に示すように、同時にその台車
に設けた紙巻取り機７がコイル巻出し４のコイル
１に合致する配置となる。そして、後述するスト
リツプおよび紙の巻出し操作を行なうようにして
ある。そして、そのストリツプおよび紙の巻出し
終了後は再び台車８が第２図のＤ方向に移動して
次のコイルのバンド切断作業を行なうようになつ
ている。

従つて、バンド処理装置６と、紙巻取り機７と
を同一の台車８に搭載して交互に使用できるよう
にしたことにより、機器の据付面積を少なくし
て、しかも操作の容易な合理的な配置とすること
ができる。

次に第２図、第４図および第５図を参照して紙
およびストリツプの巻出し作用を説明する。台車
８が第２図に示すバンド払い出し位置に移動した
状態において、紙巻取り機７は前述の如くコイル
１に合致した配置とされる。そこで、シリンダー
２８，２９が作動し、紙巻出し機４のコンベア１
６は、第４図に示すように、コイル１のほぼ真下
に横長状態で配置される。これと同時にストリツ
プ巻出し用のオープナー１７がその動作用シリン
ダーにより先端をコイル上部に向けて起立状態と
なり、巻出し機４の回転により、ストリツプ１９
の先端がフイーダー１８に噛み込まれて圧延機３
４の方向（矢印Ｅ方向）に搬送される。一方、ス
トリツプ層間に巻かれている紙２０は、自重によ
つてコンベア１６上に達した後、そのコンベア１
６の回転により、紙巻取り機７の方向（矢印Ｆ方
向）に送られる。そして、保持ローラー３３と共
に回転するスプール２１に、エアーノズル３０，
３１，３２の空気力によつて巻き付き、ストリツ
プ１９の巻出しと共に同時的にそのスプール２１
に巻取られる。

そして、コイル１の巻出し終了後、即ち紙２０
の全巻出し用の状態においては、第２図の矢印Ｄ
方向に台車８が移動して、紙巻取り機７の払い出
しガイド９に対応する配置となる。（第１図の状
態）そこで、紙巻取り機７の回転により、巻取ら
れた紙コイル１２は払い出しガイド９を介して紙
コイル払い出し装置１１に矢印Ｇ方向に沿つて貯
えられる。

そして、スプールと共に紙コイル１２を放出し
た紙巻取り機７には、スプール供給装置１０から
供給される新たなスプール２１を装着され（矢印
Ｈ方向）、しかる後矢印Ｃ方向に移動する台車に
より再び第２図に示す紙巻取り位置へと復帰する
ものである。なお、紙コイル１２の払い出し装置
が行なわれている間に、新たなコイルの巻出し機
４への装着および装着した新たなコイル１をバン
ド処理（第１図および第３図参照）を行なつてい
る。このように各一方の動作を行なう間に他方の
処理が行なわれ順次能率よくバンド処理および紙
巻取り処理が行なわれるものである。

このような構成によると、紙巻取り機７とバン
ド処理装置６とが台車８に搭載され、同一ライン
内で交互に出し入れされてそれぞれの処理を行な
うので、極めて能率的な操作が行なえるという効
果が奏せられる。しかも、これらの各装置の統合
した設備によりコンパクト化が図れしかもこのよ
うな能率向上によつても擦傷が起こるなどの懸念
もない。従つて、能率化および省力化が図れ、し
かも同時に処理の安全性も図れるものとなる。

なお、前記実施例の如く紙送り出し装置として
のコンベア１６を折りたたみ可能な構成とすれ
ば、装置のコンパクト化が更に能率よく図れるも
のとなる。

〔発明の効果〕

以上説明したことから明らかなように、本発明
によれば、コイル巻出し機の反ストリツプ巻出し
方向側に、バンド処理装置と紙巻取り機とを、同
一台車に搭載して、ライン内に交互に進退可能に
設け、かつ前記コイル巻出し機に装着されたコイ
ルの外周面に当接し、該コイル外周を該コイルの
軸芯方向に押し付ける手段を設けたので、バンド
の切断時にコイルの巻きがゆるんだり、ストリツ
プの先端が跳ね出したりすることがなく、ストリ
ツプ層間に紙が挿入されかつ最外周側をバンドに
より結束されたコイルのバンド切断処理作業と紙
巻取り作業及びストリツプ巻出し作業を合理的に
安全にかつ能率良く行うことができる。また、バ
ンド処理装置と紙巻取り機とを、同一台車に搭載
して交互に使用できるようにしたので、機器の据
付面積を少なくして、しかも操作の容易な合理的
な配置とすることができる。

また、バンド処理装置と紙巻取り機とをライン
内に交互に進退可能に設けたことにより、一方が
ライン内で作動する間に他方がライン外で払出し
等の処理を行うように選定することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
バンド処理位置を示す平面図、第２図は紙巻出し
位置を示す平面図、第３図は第１図の−線断
面図、第４図は第２図の−線断面図、第５図
は第１図の−線断面図である。 １……コイル、２……スキツド、３……コイル
カー、４……巻出し機、５……バンド、６……バ
ンド処理装置、７……紙巻取り機、８……台車、
９……払い出しガイド、１０……スプール供給装
置、１１……紙コイル払い出し装置、１２……紙
コイル、１３……シリンダー、１４……レール、
１５……バケツト、１６……コンベア、１７……
オープナー、１８……フイーダー、１９……スト
リツプ、２０……紙、２１……スプール、２２…
…切断バンド、２３……コイル外周に当接し、コ
イル外周を該コイル軸芯方向に押し付ける手段
（スナバローラー）、２４……バンド支えローラ
ー、２５……ホツパー、２６……シリンダー、２
７……切断バンドの貯蔵部、２８……シリンダ
ー、２９……シリンダー、３０，３１，３２……
エアーノズル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ストリツプ層間に紙が挿入され、最外周側を
   バンドにより結束されているコイルを巻出し機に
   よつて巻出す圧延機の入側設備において、前記コ
   イル巻出し機の反ストリツプ巻出し方向側にバン
   ド処理装置と紙巻取り機とを、同一台車に搭載し
   てライン内に交互に進退可能に設けたことと、前
   記コイル巻出し機に装着されたコイルの外周面に
   当接し、該コイル外周を該コイルの軸芯方向に押
   し付ける手段を設けたことと、を特徴とする圧延
   機の入側設備。 ２ バンド処理装置は、バンドを切断して貯蔵す
   る貯蔵部を内蔵したものであることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載の圧延機の入側設
   備。 ３ 紙巻取り機は、反ストリツプ巻出し方向側
   に、紙巻取り機、紙コイル払い出し装置およびス
   プール供給装置を有し、かつその巻出し機と紙巻
   取り機との間に紙送り出し装置を有することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の圧延機の
   入側設備。 ４ 紙送り出し装置は、折りたたみ可能な構成を
   有することを特徴とする特許請求の範囲第３項に
   記載の圧延機の入側設備。