JPS6333915Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、フオークリフトトラツクのフオーク間
隔を可変ならしめるフオーク移動装置に関し、そ
の目的とするところは、フオークを、フオーク外
側面の最大間隔が、フインガバーの巾と同一巾と
なるまで移動可能ならしめたフオーク移動装置を
提供せんとするものである。

この種フオーク移動装置は、第５図に示す如く
マスト１前面に昇降可能に装備されたフインガバ
ー２の左右端部前面にピン３を前方へ向けて突設
し、そのピン３にチエンホイール４が取り付けら
れている。このホイール４に無端状のチエン５を
周回させ、チエン５の適宜箇所を、前記フインガ
バー２に懸架された左右一対のフオーク６の背面
に連結し、一端がフインガバーに、他端が一方の
フオーク６に連結した移動用シリンダ７を作動さ
せることによつて一方のフオークを強制移動さ
せ、この移動をチエン５を介して他方のフオーク
に伝え、フオークの間隔を調整している。しかし
フオーク外側面の最大移動位置は、チエンホイー
ル４のピン３を越えてフインガバー２の側端に至
るまで移動させることはできなかつた。なぜなら
ば、周回するチエン５には、チエン５の伸びを調
整するための張力調整部材８が、チエン部材間或
はチエンとフオークとの連結部に介在されてお
り、この調整部材８をチエンホイール４と干渉さ
せることが該ホイール４の保護からできないから
である。

そこで、この調整部材８の巾を小さくすること
が考えられるが、巾を小さくするとチエンの伸び
調整範囲が規制されるとともに調整部材８とチエ
ン５との連結点に付加される引張力によつて調整
用のねじ山が破損し、耐久性が乏しくなるという
不具合が生じる。

またこの調整部材を省略し、フオークとチエン
との連結部をフオークの内側面に近い位置に取り
付ければフオーク外側面をチエンホイールのピン
３を越えてフインガバー側端に近ずけることがで
きるが、チエンの伸びによる調整は不可能とな
る。

本案は上記欠点に鑑み、チエンホイールをフイ
ンガバー側端より外方に設けることによつて上記
全ての欠点を一挙に解決せんとするものである。

以下本案実施例を図に基づき詳説すると、マス
ト１の前面に昇降可能に装備された上下一対のフ
インガバー２両側端部には、両部材を一体結合す
る為のサイドプレート１０が固着されている。

サイドプレート１０の上部位置には、後述する
チエンホイール１１の直径より大なる上下巾とチ
エンホイールの厚みより大なる左右巾よりなる長
方形の窓１０Ａが穿設されている。図中には保持
ブラケツトで、中央部に前記窓１０Ａとほぼ同形
状の窓１２Ａが穿設され、かつ一側面側には、そ
の窓１２Ａの両長縁と平行な軸受部１２Ｂが一対
離隔対向して外向きに突設しており、該ブラケツ
ト１２の他側面側を前記サイドプレート１０の外
側面に向け、かつ両部材１０，１２の窓１０Ａ，
１２Ａ位置が一致すべく配設し、両部材１０，１
２間にシム１９を介在させてボルト１８にて締着
することにより、ブラケツト１２はサイドプレー
ト１０に固着される。

前記チエンホイール１１は、保持ブラケツト１
２の軸受部１２Ａにて両持ち支持された軸１３に
よつて回転可能に保持されている。図中１５はチ
エンで、サイドプレート１０及び保持ブラケツト
１２の窓１０Ａ，１２Ａを通過し、フインガバー
２の両側端部より外方へ突設配置された前記一対
のチエンホイール１１を周回する無端状を成し、
無端状の1/2に相当する部分に位置するチエン部
材は、前記フインガバー２に左右摺動自在に懸架
した一対のフオーク６背面の前記サイドプレート
１０と干渉しない位置より突出する連結部材６Ａ
と連結している。図中１６は移動用シリンダであ
つて、基端は、一方（第１図において右方）のサ
イドプレート１０内側面に枢着されており、これ
より延在するピストンロツド端は、他方のフオー
ク６背面と連結している。

なお、本案実施例においては、フインガバー２
の巾Ｗは、車体から前方へ向けて延在した左右一
対のリーチレツグ１７の内側間隔Ｌよりも短かく
形成されている。

しかして移動用シリンダ１６のピストンロツド
を収縮作動させると、第１図において左方のフオ
ーク６がフインガバー２に沿つて中央部に向つて
摺動する。この時チエン１５の上側帯部分は矢印
Ａ方向に、下側帯部分は矢印Ｂ方向にそれぞれ移
動する為他方のフオーク６は一方のフオークの移
動方向と反対方向に移動し、両フオーク６は第１
図２点鎖線で示すようにフインガバー２の中央部
にてフオーク６の内側端面相互が接合する。

次にピストンロツドを伸長作動させると、一方
のフオーク６はこのロツドによつてフインガバー
２の一側端に向つて強制移動せしめられ、他方の
フオーク６はチエン１５によつてフインガバー２
の他側端に向つて移動せしめられる。この時両フ
オーク６の外側端面がフインガバー２の側端に到
達するまで移動させてもフオーク６とチエン１５
との連結部６Ａはサイドプレート１０及びチエン
ホイール１１と干渉しないのでフオーク外側端面
間隔Ｆはフインガバー巾Ｗと同一となり、フイン
ガバー巾を有効に使用できる。

次にチエン１５の伸びによる両チエンホイール
１１間の間隔調整について述べると、まずボルト
１８を緩め、保持ブラケツト１２とサイドプレー
ト１０との間に間隙を形成し、その間隙にシム１
９を挿入することによつてチエンホイール１１間
の間隔は容易に調整され、チエン１５に再び最適
なる張力が付与される。

なお、上記実施例においては、チエンホイール
間の間隔調整方式として保持ブラケツト１２とサ
イドプレート１０との間隔にシム１９を介在させ
るシム調整方式をとつているが、第４図に示す如
く、保持ブラケツト１２にロツクボルト挿通用の
ネジ穴１２ｃを穿設し、その穴１２ｃにロツクボ
ルト２０を螺合する調整方式にして、まずボルト
１８を緩め、ボルト１８に対する保持ブラケツト
１２の軸方向移動を許容した後、前記ロツクボル
ト２０を回転させることによつて前記リフトブラ
ケツト１２はサイドプレート１０に対して離隔・
接近移動し、両部材１２と１０との間隔が可変さ
れる。すなわち左右のチエンホイール間の間隔調
整が行なわれてチエン１５に再び最適なる張力が
付与されることから本案の間隔調整方式は、シム
による調整のみに限定されるものではない。

このように上下一対のフインガバー側端を連結
するサイドプレートの外側面に、チエンホイール
支持用の保持ブラケツトをシムを介して取り付け
たことによつて一方のフオークによる摺動力を他
方のフオークに伝達せしめるチエンを、チエン部
材間に張力調整部材を介在させない無端状にして
もシム調整によつて保持ブラケツトをサイドプレ
ートより離隔・近接させ得るため両チエンホイー
ル間の間隔が自由に調整でき、しかもチエンホイ
ールは、フインガバーの側端より外方に位置して
いる為チエンとフオークとの連結部をフオーク背
面内であれば任意の位置に形成しても連結部がフ
インガバー及びチエンホイールに干渉することは
なく、フオーク外側端面をフインガバー端面と一
致するまで移動させることができ、フインガバー
の巾全域を有効に使用できる。

またチエンホイールを支持する軸は、保持ブラ
ケツトによつて両持ち支持され、しかもチエンに
は張力調整部材が介在されていないので、チエン
移動時に生起する引張力は、前記保持ブラケツト
によつて全て受けられ、耐久性の良いフオーク移
動装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の正面図、第２図はその要部
拡大図、第３図は第２図イ矢視図、第４図は他の
実施例を示す要部拡大図、第５図は従来装置の正
面図である。 ２……フインガバー、１０……サイドプレー
ト、１２……保持ブラケツト、１０Ａ，１２Ａ…
…窓、１２Ｂ……軸受部、１３……軸、１５……
チエン、１６……移動用シリンダ、１９……シ
ム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マストに沿つて昇降可能に配設された上下一対
   のフインガバー前面に左右一対のフオークを左右
   摺動自在に懸架し、そのフオークの一方を移動用
   シリンダによつて強制的に左右摺動させることに
   よつてこの移動力を無端状のチエンを介して他方
   のフオークに伝達し、両フオークを接近・離隔可
   能ならしめたフオーク移動装置において、前記一
   対のフインガバー両側端部を連結する左右のサイ
   ドプレートそれぞれにチエン挿通用の窓を設ける
   とともにその窓とほぼ同形状の窓を有しかつその
   窓をはさんでチエンホイールの軸を両持ち支持す
   る軸受部が外向きに突設形成された左右の保持ブ
   ラケツトを、それぞれ該軸受部がフインガバーの
   側端部より外方に位置すべく前記サイドプレート
   の両外側端に、両部材の間隔を左右両側とも調整
   可能に締着したことを特徴とするフオークリフト
   トラツクのフオーク移動装置。