JPS5925744Y2 - 自動二輪車のスイングア−ム支持機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車のスイングアーム支持機構に関する
もので、スイングアームピボット部のサイドクリアラン
スの調整を不要にすることを目的としている。

従来スイングアームピボット部のサイドクリアランスは
、カラー調整、もしくはシム調整、ボルトの締調整等の
手段により行っている。

このことを図面により説明すると、先ず一般的な自動二
輪車の左側面を示す第１図において、スイングアーム１
の前端ピボット部２はフレーム３に設けたブラケット４
に支持されている。

５はリヤークッション、６は後輪タイヤ、７は後輪側ス
プロケット、１０はフレーム３に装着したエンジン、１
１はエンジン側スプロケット、１２は両スプロケツ）
７．１１に掛は渡したチェーン、１３は前輪タイヤであ
る。

第１図のＩＩ −ＩＩ断面を示す第２図において、スイ
ングアーム１のピボット部２は筒軸１５とその内面両端
部に固定したブツシュ１６でできており、両ブツシュ１
６はピボット軸１７上に回動自在に支持されている。

１８はワッシャ、１９はシム（カラー）、２０はカラー
、２１はナツトである。

このような従来の支持機構において、フレーム（ブラケ
ット４）に対するスイングアーム１の横方向の移動状（
サイドクリアランス）を調整するには、シム１９の厚さ
又は枚数を調整したり、ナツト２１の締込量により左右
のブラケット４の間隔を変える等の手段で行われており
、シム、カラー調整等には多くの手間がかかり、整備性
が悪い。

又調整備不良によりサイドクリアランスが少な過ぎたり
、多過ぎると、こじれたり、運動がスムーズでなくなる
。

本考案はスイングアーム前端の左右のピボット部を片方
で完全にサイドクリアランスを調整し、反対側はサイド
方向にフリーにすることにより上記従来の問題を解決し
ようとするもので、第３図以下に実施例を示す。

第３図のスイングアーム２３は前端にクロスメンバ２４
を備え、クロスメンバ２４の両端に設けたねし穴２５に
はピボット軸を兼ねるボルト２６（第１ピボツト軸）が
螺合し、左側のボルト２６は球面軸受２７のインナ２７
ａをクロスメンバ２４に締着し、球面軸受２７のアウ
タ２７ ｂはフレーム側筒軸２８の内面２９に段部３０
まで嵌合し、サークリップ３１により横方向の位置が固
定されている。

右側のボルト２６（第２ピボツト軸）はボールベアリン
グ３３のインナ３３ ａをクロスメンバ２４に締着して
おり、ベアリング３３のアウタ３３ ｂはフレーム側筒
軸３４内において左右方向に適度なるしめじろをもち摺
動容易である。

このように第３図のスイングアーム支持機構においては
、クロスメンバ２４の左側のピボット部のサイドクリア
ランスは左側のフレーム側筒軸２８に対し完全に調整さ
れ、反対側は横方向にフリーで゛あるため、シムやカラ
ー等によるサイドクリアランスの調整が不要となり、整
備性は大幅に向上する。

又整備不良時のこじれ等がなくなり、スイングアーム２
３の運動がスムーズになる。

サイドクリアランスは具体的には球面軸受２７のアウタ
２７ｂとインナ２７ ａのサイドクリアランスとなり、
僅かな一定範囲内に保つことができる。

第４図はモノコック（プレス）フレームを採用した場合
にスイングアーム支持ブラケットとして２枚の内プレー
ト３６と２枚の外プレート３７を採用した場合の支持機
構を示しており、スイングアーム３８の左側の筒軸３９
の内面に段部４０まで球面軸受４１のアウター４１ ａ
を嵌合してサークリップ４２で左右方向の位置を固定し
、インナー４１ｂをボルト４３（第１ピボツト軸）上に
おいてカラー４４で挾み、ボルト４３をプレー） ３６
．３７の孔４５、４６に通してナツト４７により締付け
ている。

従って球面軸受４１の内外プレー） ３６．３７に対す
る左右位置は固定され、スイングアーム前端のピボット
筒軸４３９のフレームに対するサイドクリアランスも一
定に定まる。

右側の筒軸４８内にはニードル軸受４９のアウタレース
が固定され、このニードル軸受４９はフレーム側ボルト
５０（第２ピボット軸）上において左右方向に摺動自在
である。

従ってスイングアーム前端右側のピボット筒軸４８は左
右方向にクリアランスＣ１，Ｃ２だけフリーに移動可能
である。

第４図の支持機構も第３図のものと同様な作用効果を有
する。

本考案においてはスイングアームの左右前端部の一方を
左右方向の短い第１ピボツｌ−軸を介してフレームに対
し左右方向に移動不能に、又他方を第１ピボツト軸と同
心の短い第２ピボツト軸を介してフレームに対し左右方
向に移動可能に支承したので、サイドクリアランスの調
整を車体の一側のみで行うことができ、作業が極めて簡
単になる。

又ピボット軸を２分割したため、１本式のものに比べて
重量が軽減し、取り扱いも容易になる。

製造コストも低減する。

なお本考案を具体化する時サイドクリアランス調整側の
球面軸受２７．４１の代りにボールベアリングを採用し
てもよい。

又フリー側のボールベアリング３３の代りにニードル軸
受、ブツシュ等を採用することもでき、第４図のニード
ル軸受４９の代りにブツシュを採用してもよい。

又サイドクリアランスを決める側はチェーン側が望まし
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な自動二輪車の左側面略図、第２図は第
１図の■Ｉ−Ｉ■断面拡大図、第３図、第４図は本考案
によるスイングアーム支持機構の第２図に対応する図面
である。 ２３・・・・・・スイングアーム、２６・・・・・・ボ
ルト（第１、第２ピボツト軸）、２８・・・・・・ブラ
ケット （フレーム）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スイングアームの左右前端部の一方を左右方向の短い第
   １ピボツト軸を介してフレームに対し左右方向に移動不
   能に、又他方を第１ピボツト軸と同心の短い第２ピボツ
   ト軸を介してフレームに対し左右方向に移動可能に支承
   したことを特徴とする自動二輪車のスイングアーム支持
   機構。