JPS633353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車の後部を覆う如く設けられ
るリヤカバー装置の改良に関するものである。

自動二輪車でスクータタイプ等のものは後車輪
を含む車体後部を覆うリヤカバーが設けられ、従
来ではリヤカバー全体をモノコツク式に成形し、
これに物入れを設けたものが提案されるが、これ
によると物入れとしては便利であるがリヤカバー
が全一体であるためエンジン等のパワーユニツト
や後輪のメンテナンスを行う場合カバー全体を取
り外すため不便である。

一方、リヤカバーを上部材、左右の部材と分け
たものがあり、この場合には物入れは設けられ
ず、左右の部材を外すことにより上記メンテナン
スの点では有利であるが、左右の部材を合成樹脂
等で成形した場合板状であるため板厚方向に振れ
易く、剛性の点で最良とはいい難い。

本考案はかかる従来の不都合を改善すべくなさ
れたもので、その目的とするところは、左右の部
材を車体側方へ着脱自在とし、これらのうち少な
くとも一側の部材には内側へ膨出する物入れを一
体に成形し、且つこの物入れ部を介してフレーム
側に結着支持する如くし、メンテナンス性を確保
しつつカバーの剛性アツプを企図し得る如くした
自動二輪車のリヤカバー装置を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図及び第２図は自動二輪車の左右の側面図
で、自動二輪車１は本実施例ではスクータタイプ
で、フレーム２の前端の図示しないヘツドチユー
ブを介して前輪４を支持するフロントフオーク３
を支持し、これ３は図示しないステアリングステ
ムを介して上端のハンドル５に連結され、フレー
ム２の前部はステツプ６ａ、ヘツドチユーブカバ
ー６ｂ、レツグシールド６ｃ等からなるフロント
カバー６で覆われ、前輪４上にはフロントフエン
ダ７が設けられている。

フレーム２の前部２ａの後端から後方に後輪９
を支持するエンジン、伝動ケース等からなるパワ
ーユニツト８が枢設延出され、フレームの後部２
ｂは上方に起立２ｃ且つ後方２ｄに延出され、起
立部２ｃと後方部２ｄの境界部には燃料タンク１
０が搭載され、この上にシート１１が付設支持さ
れる。

以上の自動二輪車１の後部をリヤカバー３０で
覆い、具体的にはフレーム後部２ｂの全体及び後
輪９の上部を覆う。

リヤカバー３０は燃料タンク１０の後方でフレ
ーム後方部２ｄ上を前後に覆う上カバー３１と、
起立部２ｃ及び上カバー３１の側部、そして後輪
９の上辺部両側を覆う側部カバー４１，５１とか
らなる。上カバー３１の前部には下方への凹部３
２を設け、これの底片３２ａでビス１２等により
フレーム後方部２ｄの中間部に結着する。側部カ
バー４１，５１の前端部は各内方に折曲４１ａ，
５１ａされ、各対向端を重ね合せてフレーム後部
の起立部２ｃ前面にビス１３で結着され、かくし
て起立部２ｃ及びこの上の燃料タンク１０前面は
覆われる。

側部カバー４１，５１の中間部乃至後部の側面
には各内方に凹出する物入れであるトランク４
２，５２を形成し、夫々は側面と面一に閉じ、各
外側に開くリツド４３，５３で開閉自在に閉じら
れ、かかるトランク４２，５２は側部カバー４
１，５１と全一体に成形され、側部カバー４１，
５１は合成樹脂や鋼板素材のプレス成形品で得
る。トランク４２，５２の奥の壁４２ａ，５２ａ
の内側にフレーム後方部２ｄの両側片２ｅ，２ｅ
を臨ませ、これに支持片１４，１５を垂下し、一
方の壁４２ａを外側からビス１６を介して一方の
支持片１４に結着する。他方の壁５２ａには横長
の車体製造番号確認用の小窓５２ｂを設け、裏側
の支持片１５の一部を窓５２ｂから看取し得る如
くし、ここに番号を表示し、窓５２ｂの前後の壁
５２ａの外側からビス１７を通し、支持片１５に
結着する。かくして側部カバー４１，５１はトラ
ンク部の内壁で車体フレーム側に結着支持される
こととなる。側部カバー４１，５１の上部４１
ｂ，５１ｂは上部カバー３１の側部迄延出し、図
の如く嵌入係合、凹突係合せしめる。

側部カバー４１，５１の後部は各内方に折曲し
て離間し、後端部４１ｃ，５１ｃ間にリヤライト
ユニツト１８等を支持するリヤプレート１９を架
設し、これの左右の部分をビス２０で後端部と結
着し、リヤプレート１９の下部はナンバープレー
トのブラケツトを兼ねる。

本実施例では側部カバー４１，５１を車体の幅
方向に広げて車体の左右両側にトランク部４２，
５２を設けたが、特にパワーユニツト８の上下動
との干渉を防ぐ必要があるパワーユニツト８側の
側部カバー４１にのみトランク部４２を設けても
よく、この場合他方の側部カバー５１は車体幅方
向に広げる必要はない。

以上実施例ではスクータタイプとしたが、自動
二輪車のタイプは任意である。

以上で明らかな如く本願考案によれば、左右両
側のカバー４１，５１とが別部材であるため、パ
ワーユニツトや後輪のメンテナンス時に必要に応
じて一方、或は双方を容易に取り外すことがで
き、カバー全体を外す必要がなく、メンテナンス
上極めて有利であるとともに、トランクを有する
ため物入れとして便利であり、自動二輪車の実用
性を更に高めることができる。更にはパワーユニ
ツトの上下の揺動との干渉を避けるため幅広に形
成されたパワーユニツト側の側部カバーには内側
への凹出トランク部が形成されているため剛性、
強度がアツプし、この側部カバーの振れを防止
し、且つ剛性の最も高い凹出部分でフレームに結
着支持させたため強固にフレームに取付を行うこ
とができると共に、物入れ用に強度が必要なトラ
ンク部を強固に支持することができる。

またトランク部は幅広に形成された側部カバー
に大きく設けることができると共に、このトラン
ク部とフレームとの結着部はトランク内部のため
隠れ、外観性を向上せしめ得る等多大の利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
及び第２図は自動二輪車の左右の側面図、第３図
はリヤカバーの拡大平面図、第４図は一側のリヤ
カバー等を取りはずして他側のリヤカバー等を車
体の内方から見た側面図、第５図は第４図５−５
線断面図、第６図及び第７図は第４図６−６線及
び７−７線断面図、第８図は第６図矢視８方向の
図、第９図は第８図９−９線断面図、第１０図は
リヤカバーの背面図、第１１図は第１０図の１１
−１１線断面図である。 尚図面中１は自動二輪車、９は後輪、３０はリ
ヤカバー、３１は上部材、４１，５１は左右の部
材、４２，５２は物入れ、２ｄはフレームであ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 後輪の一側から車体前方に向け配設されたパワ
   ーユニツトの前部から後輪の上側部を覆う左右別
   部材で形成された側部カバーを車体フレーム側方
   に着脱自在に配設した自動二輪車のリヤカバー装
   置において、 後輪の一側に位置するパワーユニツト側の側部
   カバーの下縁部をパワーユニツトが上下揺動時に
   干渉しないよう外側方に広げて形成し、 該側部カバーにおける後輪の側方でパワーユニ
   ツトの上方部位に車体内方に膨出する物入れを一
   体的に形成し、 該物入れの後輪と対面する奥壁の上部に車体フ
   レームとの取付部を設けるとともに、 該物入れの地面と対面する底壁を側部カバーの
   下縁部近傍で、且つ該下縁部に沿つて形成したこ
   と、 を特徴とする自動二輪車のリヤカバー装置。