JPS6321116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はカーボン面状発熱体のごときに使用さ
れる電気的な安全装置に関する。

（従来技術及びその問題点） 両側縁部に沿つて電源供給用電極帯A.Aを備え
たカーボン面状発熱体Ｂは、従来その温度制御と
して、第１図に示すようにサーモスタツトＣ…
や、サーモヒユーズＤ…を、上記電極帯A.Aへの
電源供給線E.Eに接続して面状発熱体Ｂの面に対
して均等になるように配置するか、あるいは第２
図に示すようにサーモセンサーワイヤーＦを面状
発熱体Ｂの面に蛇行配置してコントローラにて制
御するものであつた。

しかしそれら従来の温度制御方法は、いづれの
場合においても、局部の過熱に対して完全なもの
でなく焦損事故に至らしめる危険を有している。
また、この種面状発熱体は一方の電極帯Ａから他
方への電極帯Ａにカーボン面ｂ全面に恒つて電気
が流れることから、このカーボン面ｂに亀裂アが
入つたり、電極帯Ａが切断イされたようなときに
は、シヨートによるアーク発生が線ヒーターに比
較して大きく、またそれら亀裂端部ウ，ウ及び電
極帯の切断側部エには電流集中による過熱を生じ
て発火に至らしめる危険を有している。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記のような事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、局部過熱、発熱
面の亀裂、あるいは電極帯の切断といつたいずれ
の場合にも生じる可能性のある発火に至る危険に
対して、電源を遮断することにより危険を未然に
防止する面状発熱体の安全装置を提供するもので
ある。

以下本考案を第３図ないし第５図に示す実施例
にもとづいて説明する。図において１はカーボン
面状発熱体であつて、これは例えば布にカーボン
液を塗布して、両側縁部に沿つて電源供給用電極
帯２，２を織り込んで設け、表裏面に塩化ビニー
ルシートのごとき電気絶縁シート３，３を貼着し
て構成されている。

このようにして構成されたカーボン面状発熱体
１には、その電気絶縁シート３，３の外面にカー
ボンを混練したポリ塩化ビニルクロライド等より
なる導電性フイルム４が貼合されており、この導
電性フイルム４の中央部にはアルミ箔、銅箔より
成る導電帯５を貼着し、この導電帯５からリード
線６が引出されてリレーコイル８に接続され、リ
レーコイル８はリレースイツチ７に連動してお
り、他端はダイオード９，９を介して電源リード
線１０，１０の各極に接続されている。上記リレ
ースイツチ７は上記電源リード線１０，１０の上
記カーボン面状発熱体１の電源供給用電極帯２，
２間に設置されている。なお１１はコンデンサー
で、１３は誤作動防止用のダイオードである。１
４はダイオード、１５は抵抗である。尚導電性フ
イルム４はカーボン面状発熱体１の両面に貼り合
せても良い。

（作用） 以上のように構成された安全装置は、万一面状
発熱体１の局部に、こもり熱の大きい座ぶとんや
折り畳まれた毛布等がおかれて、サーモスタツト
や、サーモスイツチあるいはセンサーワイヤーが
働くことなく過熱されたようなときに、その電気
絶縁シート３，３が炭化状態となつたときに導電
性フイルム４に面状発熱体１からの漏洩電流を受
けてこの電流が導電帯５、リレーコイル８に通
じ、スイツチ７が動作してこれを開路し面状発熱
体１への電源供給を遮断して発火に至しめること
なく事故を未然に防止する。

また、面状発熱体１に亀裂が出来たときや、電
極帯２，２が切断されてシヨート状態となつてア
ークを発生したときにも、それらが導電性フイル
ム４に電流を通じることとなり、上記同様にリレ
ースイツチ７が作動して面状発熱体１への電源供
給を遮断して発火事故を未然に防止するものであ
る。

（効果） 以上のように本考案によれば面状発熱体が、こ
もり熱により局部過熱したときや、電極帯が切断
されてシヨート状態となつたとき、あるいは、発
熱面に亀裂が生じてシヨート状態となつたとき
に、その漏洩電流を感知して発熱体への電源を遮
断するようにしたものであるから、過熱およびシ
ヨート状態のアークによる焦損事故を未然に防止
することができ、安全に使用できるものである。

なお、上記実施例では面状発熱体の絶縁シート
の上にカーボンを混練したポリ塩化ビニルクロラ
イド等よりなる導電性フイルムを設置したので折
り曲げやフイツト性が良く強度も優れ使用勝手が
良い。

又シヨートによる火花或は異常加熱によつて導
電性フイルムが溶け融着することから漏洩電流の
通電が確実になりリレースイツチの動作が完ぺき
に行われる。

さらに、第２図のようにサーモセンサーワイヤ
ーＦを設けた構成のものにあつては、第６図のよ
うにそのコントローラ１２へのリード線間にリレ
ースイツチ７を設けてコントローラ１２への信号
を遮断あるいはシヨートさせることによつてコン
トローラのセンサーワイヤー断線警報回路を動作
することにより面状発熱体への電源を遮断させ、
これによつても本考案の目的を達成し得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図および第２図は従来面状発熱体の
制御方法を説明するための斜視図、第３図ないし
第６図は本考案の一実施例を示すもので第３図は
本考案に係る安全装置を施した面状発熱体の斜視
図、第４図は同断面図、第５図は電気回路図で、
第６図は他実施例に係る回路図である。 １……カーボン面状発熱体、２……電源供給用
電極帯、３……電気絶縁シート、４……導電性フ
イルム、７……リレースイツチ、８……リレーコ
イル、９……ダイオード、Ｆ……サーモセンサー
ワイヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側縁部に沿つて電源供給用電極帯を備え、表
   裏面を絶縁シートによつて電気絶縁された面状発
   熱体の上記絶縁シートの外面にカーボンを混練し
   たポリ塩化ビニルクロライド等よりなる導電性フ
   イルムを貼着し、この導電性フイルムの中央に銅
   箔或はアルミ箔などよりなる導電帯を貼着して上
   記面状発熱体への電源供給入路あるいは温度感知
   線へのリード線に設けたリレースイツチのコイル
   の一端を接続し、コイルの他端を電源供給入路の
   各極にダイオードを介して接続した面状発熱体の
   安全装置。