JPS6320589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等の車両に用いられる車両用シ
ートのロツク装置に関する。

自動車等の車両用シートはリクライニング装置
を備えていて、シートバツクを着座者の好みに応
じて任意の傾動角に調整でき、また、該シートバ
ツクをシートクツシヨン上に前倒しして車室空間
を有効に利用し得るようにしてある。しかし、こ
のシートバツクを前倒ししただけでは十分な空間
を確保できず、従つて、シートクツシヨンも前方
に前倒しして広い空間が得られることが好まし
い。

本考案はかかる要望を満足でき、しかも、シー
トバツクの前倒しに連動してシートクツシヨンの
ロツクを自動的に解除して、該シートクツシヨン
を前倒しすることができ、操作性も頗る良好な車
両用シートのロツク装置を提供することを目的と
するものである。

前記目的を達成するため、本考案にあつてはリ
クライニング装置を備えたシートのシートクツシ
ヨンをフロアに対して前倒し自在に取付ける一
方、リクライニング装置にフロア側に固定したス
トライカと係脱するラツチと、シートバツクの前
倒れに連動して前記ラツチをストライカと離脱す
る方向に回動させるカム機構とからなるロツク装
置を付設してある。

以下、本考案の実施例を図面と共に詳述する。

第１図において、シートＳはそのシートクツシ
ヨンS.CとシートバツクS.Bとの連結部分にリク
ライニング装置Ｒを備えていると共にシートクツ
シヨンS.Cを前部フレームfaと後部フレームfbと
によりフロアＦ上に支持してある。前部フレーム
faはフロアＦにヒンジＨにより前後方向に回動自
在に取付けてある一方、後部フレームfbはシート
クツシヨンS.Cと非固定として、該シートクツシ
ヨンS.Cを前倒し可能としてある。

リクライニング装置Ｒは第２図に示すように、
シートクツシヨンS.C側部に固定した固定アーム
１、該固定アーム１に軸３により回動自在に取付
け、シートバツクS.B側部に固定した可動アーム
２および角度調整機構５を備えている。前記軸３
端と可動アーム２とに跨つてうず巻スプリング４
を弾装してあり、可動アーム２にシートバツクS.
Bの前倒れ方向の回動力を付勢してある。

角度調整機構５は、固定アーム１に固定したロ
アツース６、可動アーム２に前記ロアツース６と
係脱自在に装着したアツパーツース７、該アツパ
ーツース７を作動する操作レバー８、中間レバー
９とで大略構成してある。アツパーツース７はそ
の前後両側を可動アーム２に固定したガイド１０
で保持してあると共に、軸１１に取付けた前記中
間レバー９の下端側面に突設したピン１２を遊嵌
した斜状の弧状孔１３を有し、中間レバー９を第
２図反時計方向に回動することによつて引上げら
れ、ロアツース６との噛合を解除するようになつ
ている。中間レバー９はその上端と可動アーム２
との間に跨つて弾装したスプリング１４によつて
第２図時計方向の回動力を付勢してあり、常態に
あつてはアツパーツース７をロアツース６に噛合
させている。操作レバー８は可動アーム２の外面
側に突出した前記軸１１端に固定してあり、該操
作レバー８を第２図反時計方向に回動することで
中間レバー９、アツパーツース７が前記一連の噛
合解除方向の作動をする。

一方、固定アーム１はその下端に延設部１Ａを
設けてあると共に、該延設部１Ａ下縁に、フロア
Ｆ側、具体的には後部フレームfbの上端側部に突
設したストライカ２０が進入するスリツト２１を
形成してある。そして、この固定アーム１と可動
アーム２とに跨つて、前記ストライカ２０と係脱
するロツク装置２２を配設してある。このロツク
装置２２は固定アーム１に軸２４により回動自在
に取付け、前記ストライカ２０と係脱するラツチ
２３と、シートバツクS.Bの前倒しに連動して該
ラツチ２３をストライカ２０と離脱する方向、即
ち、ロツク解除方向に回動させるカム機構２５と
からなる。カム機構２５は可動アーム２の側面の
所定部位に設けたカム突起２６と、固定アーム１
に軸２８により回動自在に取付けたカムレバー２
７とからなり、シートバツクS.Bの前倒れにより
カム突起２６がカムレバー２７の上端に当設して
該カムレバー２７を回動し、ラツチ２３を該カム
レバー２７下端でロツク解除方向に回動するよう
になつている。また、前記ラツチ２３はその上端
と固定アーム１との間に跨つて弾装したスプリン
グ２９により時計方向の回動力を付勢してあり、
常態にあつてはストライカ２０に係合、即ち、ロ
ツクさせている。

以上の実施例構造によれば、操作レバー８を第
２図反時計方向に回動すると、中間レバー９によ
りアツパーツース７が引上げられ、ロアツース６
との噛合を解除する。この噛合解除により、シー
トバツクS.Bの傾動が自由となるから、適宜傾動
角のところで操作レバー８を元に戻すことによ
り、アツパーツース７が再びロアツース６に噛合
してシートバツクS.Bの傾動角を保持する。次
に、シートバツクS.Bを前述の要領によりアツパ
ーツース７とロアツース６との噛合を解除して前
倒しすると、ある所定角度でカム突起２６がカム
レバー２７の上端に係合し、それ以上の回動で該
カムレバー２７が第２図時計方向に回動する。こ
の結果、カムレバー２７の下端がラツチ２３の上
端を押動し、該ラツチ２３を同図時計方向に回動
し、ストライカ２０とのロツクを自動的に解除す
る。従つて、シートクツシヨンS.Cをシートバツ
クS.Bを前倒しした状態のまま、第１図鎖線で示
すようにヒンジＨを中心に前倒しして車室空間を
広げることができるのである。

以上のように本考案によれば、リクライニング
装置によるシートバツクの前倒しと連動してロツ
ク装置のストライカとラツチとの係合解除を行え
るため操作性が良い。しかも、リクライニング装
置によるシートバツクの角度調整時はロツク装置
のロツク解除は行われず、シートバツクが前倒し
された時にロツク解除作動する構造、つまり、可
動アームに設けられたカム突起がシートバツクの
前倒しによつてカムレバーに当接して回動するこ
とにより、該カムレバーがラツチを回転させてス
トライカとの係合を解除するため、シートバツク
の前倒れの場合にのみロツク解除が連動し、シー
トバツクの角度調整中にラツチとストライカの係
合が外れることがなく安全性も高い。また、シー
トクツシヨンの前倒しによつて、該シートクツシ
ヨンによりデツドスペースとなつていた部分を解
放して多くの荷物や長尺の荷物を積載することが
でき、また、前部シートの場合にあつてはシート
クツシヨンの前倒しによつて後部シート着座者の
足元まわりの空間が著しく広げられ、居住性を向
上できる等、その実用上の効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図Ａ，Ｂ，Ｃはリクライニング装置およびロツク
装置の作動態様を示す側面図である。 Ｓ…シート、S.C…シートクツシヨン、S.B…
シートバツク、Ｒ…リクライニング装置、Ｆ…フ
ロア、１…固定アーム、２…可動アーム、３…
軸、５…角度調整機構、６…ロアツース、７…ア
ツパーツース、２０…ストライカ、２１…スリツ
ト、２２…ロツク装置、２３…ラツチ、２５…カ
ム機構、２６…カム突起、２７…カムレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロアに対して前倒し自在に取り付けたシート
   クツシヨンに固定された固定アームと、シートバ
   ツクに固定されて前記固定アームに回動自在に軸
   支された可動アームと、前記固定アームと可動ア
   ームの何れか一方に固着されたロアツース、およ
   び他方に設けられて該ロアツースに操作レバーの
   操作により係脱自在なアツパーツースを有する角
   度調整機構とからなるリクライニング装置を備
   え、かつ、フロアにはストライカを設けてある一
   方、前記固定アームには、その下端に前記ストラ
   イカが係合するスリツトを設けてあると共に、該
   スリツトの上部近傍に前記ストライカに係合する
   方向に付勢されたラツチを回動自在に軸支してあ
   り、更に、このラツチ近傍には、前記可動アーム
   の下方に設けられたカム突起と、固定アームに軸
   支され、前記ロアツースとアツパーツースの係合
   が解除されて前記可動アームを前倒しした時に、
   前記カム突起と当接して前記ラツチを解除方向へ
   回転させるカムレバーとからなるカム機構を配設
   したことを特徴とする車両用シートのロツク装
   置。