JPS63194543A - 車両用交流発電機の固定子及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は交流発電機に係り、特に自動車等に搭載される
に適した、小形化・高出力化の可能な車両用交流発電機
の固定子及びその製造方法に係る。

〔従来の技術〕

この種の車両用交流発電機の固定子では、従来、例えば
特開昭５５−７９６６０号公報等により知られるように
、中実円断面の電線をその断面形状を保ったまま固定子
スロット内に充填し、その後固定子鉄心の歯部先端に設
けた突起部を折り曲げて半開口部を形成している。

また、例えば特開昭５９−１２２３１号公報によれば、
やはり中実円断面電線を発電機固定子のスロット内に充
填後、このスロット内での巻線の占有面積率（以下、単
に占積率という）を向上すべく、この巻線をスロット深
さ方向に加圧し、歯部先端を両側に広げて半開口とする
ものが知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述の従来技術では、しかしながら、中実円断面電線を
そのままスロット内に充填するのでは巻線間に必然的に
生じる空間により上記の占積率を向上することができず
、これでは発電機の出力の向上が図れない。１また、ス
ロット内に巻線を充填後にこれを押圧するものでは、ス
ロット内で巻線同士が交差したりして巻線の整列状態が
確保できず、これでは上記巻線の押圧の際に巻線表面の
絶縁被膜に傷を付け１巻線の短絡を生じ易い。そのため
、この様な方法では量産における不良率が増大し、その
生産性が低下してしまう。

また、特に大形回転電機等においては丸線に換え平角線
を用いるものも広く知られているが、しかし、かかる平
角線を本発明が係る小形発電機等にそのまま採用するこ
とは以下の様な不利益を生じる。すなわち、巻線をスロ
ットに充填する前に巻線を所定の形状に形成するが、巻
線機により大量の巻線を短時間で形成するには、エンド
コイル部分の湾曲、ねじれ等を考慮すると、平角線を用
いることは丸線に比較して作業性に劣り、量産化に不適
である。

そこで、本発明の目的は、上記従来技術に鑑み、巻線の
占積率を大幅に向上して出力の増大を図ることができる
とともに、組立の際の巻線被膜への傷害がなく生産性の
優れた車両用交流発電機の固定子の構造及びその生産方
向を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記の本発明の目的は、複数のスロットを有する固定子
鉄心と上記スロット内に充填された巻線を有し、上記巻
線は少なくともその外径が円形の断面を有する電線より
成り、かつ上記スロット内に充填される部分は略角形状
断面を有する様に加圧成形されていることを特徴とする
車両用交流発電機の固定子によって達成される。

〔作用〕

上記本発明によれば、固定子スロット内に充填される巻
線のうち、上記スロット内に充填される部分は略角形状
の断面を有する様に加圧形成されることからスロット内
の占積率が大幅に向上するとともに、上記巻線は少なく
ともその外径が円形断面を有する巻線を素材とすること
から巻線の形成における不利益をも同時に解決すること
ができる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例である車両用交流発電機の固定
子及びその製造方法について説明する。

第１図において、車両用交流発電機の筒状固定子（電機
子）１の一部断面が示されている。この固定子１は、複
数の鋼板を所定形状に打ち抜き、これを積層して形成し
て成り、固定子鉄心２は、外周側の背高鉄心部６２円周
方向に向って延長する歯状鉄心７を有し、上記歯状鉄心
７の間に複数個のスロット３を形成している。本実施例
になる車両用交流発電機の固定子においては、固定子１
の内周面上に１２個のスロットを形成しているが、上記
第１図においてはその内の３個のみが示されている。ま
た、上記歯状鉄心７の先端部には磁束収集部５である突
起がその両端に形成され、もって、磁束を収集する働き
をするとともに、以下に説明する巻線の飛び出しを防止
するための、いわゆる半閉スロットを形成している。

上記固定子１のスロット３内には、その断面が略長方形
の固定子（電機子）巻線４が、この例では６本の巻線か
ら成る固定子巻線がそう入されている。この巻線は、従
来の車間用交流発電機と同様、三相出力が得られるよう
に巻装されていることは当然である。また、上記固定子
鉄心２と上記固定子巻線４との間には、例えばノーメッ
クス等の耐熱性の高い絶縁シート８が設けられており。

これによって上記鉄心２と巻線４との間の電気的絶縁を
確保している。

第２図は、第１図に示す発電機固定子１を下側から見た
図である。この図からも明らかなように。

上記固定子鉄心２のスロット３内に収納された固定子巻
線４は、スロットそう入部においては偏平（長方形断面
）に加工され、その他の部分、すなわちコイル端部４ａ
においては円形断面の状態を保っている１以上からも明
らかなように、略長方形状の断面を有するスロット３内
に、やはり略長方形状の断面を有する巻線をそう人する
ことから。

いわゆる固定子スロット内の巻線の占積率が向上される
ことは明らかである。また、図中において。

第１図と同一の参照番号が付されたものはそれと同一の
部分を示している。

次に上記固定子巻線４の形成方法を説明する。

゛まず、第３図に示すように、断面円形の中実電線素材
をほぼ長方形状に複数回（例えば６回）巻いて固定子巻
線４を形成する。ただし、図に示されていた例では、こ
の長方形状に巻いて形成した固定子巻線４のコイル端部
４ａは円弧状に形成されており、後に説明する固定子鉄
心スロット内にそう人する際、コイル端部４ａの処理に
便利になっている。また、断面円形の電線素材を使用す
ることから、いわゆる角線を使用して上記の巻線を形成
するのに比較し、電線のねじれ等を配慮する必要もなく
、作業性に優れ、特に大量生産過程に適することは明ら
かである。

このようにして形成されて固定子巻線４は１次に第３図
に示されるような加圧成形器により、そのスロットそう
入部が偏平に成形される。すなわち、第３図の様に形成
された巻線４のスロットそう入部（すなわちコイル端部
４ａを除いた部分）が、バネ１０で摺動自在に支持され
てスライダー！１１及びストッパー１２の間にそう入さ
れ、その後、例えば油圧等で上下するプッシャー１３に
より矢印で示す方向に加圧される。この加圧の結果、上
記固定子巻線４は、第５図に示すように、コイル端部４
ａを除く部分、すなわちスロットそう入部のコイル断面
がほぼ角形状（例えば長方形状）に成形される。上記の
実施例では１巻線を一旦巻線した後１重ね合せて同時に
抑圧成形しているが、しかしながら、この他１例えば巻
線前に所定の個所のみを抑圧成形した後、これを巻線し
て形成してもよい。

次に、上記の様にして形成された固定子巻線４は、第６
図に示す固定子鉄心２の歯状鉄心７の間ら形成されたス
ロット３内に、絶縁シート等を介してそう人固定される
。この第６図にも示される様に、固定子鉄心２の歯状鉄
心７は先端部には、その軸方向に貫通した略楕円形状の
貫通孔１０が設けられており、後に説明するように、そ
の歯状鉄心の先端表面を押圧することにより上記の磁束
収集部となる突起を形成し、もって上記巻線がスロット
３から抜は出ないようにする。このことからも明らかな
ように、上記の様な固定子鉄心２を使用する場合、固定
子鉄心２のスロット３の先端部には未だ磁束収集部とな
る突起部が形成されておらず、それ故、第５図の様に略
角形状に形成された巻＠４であっても容易にスロット３
内にそう人することができ、特に大量生産過程における
組立性が著しく向上されることは明らかである。

次に、上記固定子の磁束収集部となる突起を形成する方
法を示す、第７図（ａ）には、上記の方法によりスロッ
ト３内に絶縁シート８を介して６本の固定子巻線４がそ
う入された状態が示されている。その後、第７図（ｂ）
に示されるように、上記固定子鉄心２の歯状鉄心７の先
端面に、図中矢印Ｆにより示す方向に、適当な加圧手段
（例えば、抑圧機やローラー等）により加圧する＝加圧
の結果、図中に実線にて示されるように、上記歯状鉄心
７の先端部に形成されていた貫通孔１０は押し潰され、
同時に貫通孔両側の鉄心部が外側に押し出され、もって
図示するような略円弧状の理想的形状を有する°磁束収
集部５が得られる。

以上述べた実施例においては、上記固定子巻線を形成す
るための電線素材を、その断面が円形の中実巻線、いわ
ゆる丸線とした場合について説明した。しかしながら、
本発明によれば、上記の丸線に代え、例えば第８図（ａ
）に示すような中空導線４０を使用することも可能であ
る。この中空導線４０は、図示のように、円環状の断面
を有し、これを押圧すれば、第８図（ｂ）に示す如く、
略長方形の断面を有する導線となる。このような中空導
線４０を使用した場合、上記第４図に示した加圧成形工
程において、既述の中実丸線に比較し、成形加工に必要
な押圧力が減少し、かつ角形状への変形も容易かつ確実
となることは明らかである。

また、このような中空導線４０を使用する場合において
もそのスロットそう入部のみを偏平に形成することは同
様である。さらに、上記中空導線を使用する場合、中実
導体に比較し、その加工工程における押圧力を減少でき
ることから、加圧の際の巻線の絶縁被膜に傷が付きにく
く、極めて不良率の低いものとすることができる。

以上説明した固定子１を組み込んだ車両用交流発電機の
断面図が第９図に示されている。そして、第１０図には
、このように発電機に組み込まれた本発明になる固定子
による出力特性が、従来のものに比較して示されている
。すなわち、本発明の構成により、固定子のスロット内
における導体巻線の占有率、占積率を約８０％まで向上
することが可能となり、このことにより、第１０図の特
性図にも示すように、同一体格の従来の車両用交流発電
機（出力特性を波線に示す）の出力に比較して、はぼ全
部の発電機回転数において高出力化が可能となった。特
に、定格回転数である５０００ｒｐｍにおいては、図中
に実線に示すように、約２５％程度出力を増加すること
が確認できた。

〔発明の効果〕

以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、占
積率の高い車両用交流発電機の固定子を得ることが可能
となり、もって小形化、高出力化の可能な車両用交流発
電機を得ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる車両用交流発電機の固定の一部断
面図、第２図は上記第１図の固定子を下面図、第３ない
し第６図は本発明になる固定子巻線の形成方法を説明す
るための図、第７図（ａ）及び（ｂ）は第１図に示す磁
束収集部の形成方法を説明するための図、第８図は導体
巻線素材の他の実施例を示す断面図、第９図は本発明に
なる固定子を組み込んだ車両用交流発電機の断面図、そ
して第１０図は本発明になる固定子を組み込んだ車両用
交流発電機の出力特性を示す特性図である。 １・・・固定子、２・・・固定子鉄心、３・・・スロッ
ト、４・・・固定子巻線、４ａ・・・コイル端部、５・
・・磁束収集部 褌 第１　口 Ｎ。 ′　　　　　　　　　　＃２図 萎３図 第４図 第５昭 篤乙区 茶７０ （レノ ＃ｅ口 Ｃｂ） 第ｑ１２）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、その周面付近に複数のスロットを有する固定子鉄心
   と、上記固定子鉄心のスロット内に絶縁物を介して固定
   子巻線をそう入して成る車両用交流発電機の固定子にお
   いて、上記固定子鉄心に形成されるスロットは略四角形
   の断面形状を有し、かつ上記固定子巻線は、上記スロッ
   トそう入部が略四角形に断面形状を有するとともに、そ
   の他の部分においては少なくともその外径が円形の断面
   形状を有することを特徴とする車両用交流発電機の固定
   子。 ２、特許請求の範囲第１項において、上記固定子巻線の
   上記スロットそう入部以外部分は中空の断面形状を有す
   ることを特徴とする車両用交流発電機の固定子。 ３、その周面付近に複数のスロットを有する固定子鉄心
   と、上記固定子鉄心のスロット内に絶縁物を介して固定
   子巻線をそう入して成る車両用交流発電機の固定子の製
   造方法において、少なくともその外径が円形の断面形状
   を有する巻線素材を所定の巻線形状に巻いて上記固定子
   巻線を形成後、上記固定子巻線の上記スロットそう入部
   を押圧変形して略四角形の断面形状にすることを特徴と
   する車両用交流発電機の固定子の製造方法。 ４、特許請求の範囲第３項において、上記固定子巻線を
   中空断面形状を有する巻線素材により形成することを特
   徴とする車両用交流発電機の固定子の製造方法。