JP4014071B2 - 交流発電機及びその巻線アッセンブリ並びに巻線アッセンブリの製造方法 - Google Patents
交流発電機及びその巻線アッセンブリ並びに巻線アッセンブリの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば乗用車、トラックに搭載される交流発電機およびその固定子巻線アッセンブリ並びに固定子巻線アッセンブリの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関により駆動される交流発電機の小型高出力化については、固定子の磁気回路内に納められる電気導体の占積率の向上および固定子巻線の渡り部、即ちコイルエンド部の整列化および高密度化が必要であり、例えば特開平11−164506号公報等に記載されているように、種々の改良が提案されている。
【0003】
図27および図28はそれぞれこの種従来の交流発電機の固定子巻線の要部をフロント側およびリヤ側から見た斜視図、図29は図27および図28に示された従来の交流発電機の固定子巻線に適用される導体セグメントの構成を示す斜視図である。
図27乃至図29において、固定子90は、固定子鉄心91と、固定子鉄心91に形成されたスロット91a内に配置された複数の電気導体により構成される固定子巻線92と、固定子鉄心91と電気導体との間を電気的に絶縁するインシュレータ93とにより構成される。
この従来例の固定子鉄心91では、回転子の磁極数に対応して2組の3相固定子巻線を収容するように、96本のスロット91aが等間隔に配置されている。そして、4本の電気導体が径方向に1列に配列されて各スロット91a内に収容されており、これらの電気導体が所定のパターンで接続されることにより、固定子巻線92が形成される。ここで、電気導体が収容されるスロット91a内の径方向の内周側から1番目、2番目、3番目および4番目の位置を、それぞれ1番地、2番地、3番地および4番地と呼ぶ。
【0004】
大セグメント95および小セグメント96は、銅等の短尺の導体を折り曲げ成形したもので、一対の直線部95a、96aをターン部95b、96bで連結してなる略U字状に成形されている。そして、小セグメント96が6スロット(1磁極ピッチ)離れた2つのスロット91a毎に、リヤ側から1本ずつ挿入されている。同様に、大セグメント95が6スロット(1磁極ピッチ)離れた2つのスロット91a毎に、リヤ側から1本ずつ挿入されている。そして、大セグメント95および小セグメント96のフロント側に延出する端部同士が接合されて固定子巻線92を構成している。
【0005】
具体的には、6スロット離れた各組のスロット91aにおいて、各小セグメント96が、リヤ側から、1つのスロット91a内の2番地と、他方のスロット91a内の3番地とに挿入され、各大セグメント95が、リヤ側から、1つのスロット91a内の1番地と、他方のスロット91a内の4番地とに挿入されている。そこで、各スロット91a内では、大セグメント65の直線部95aと小セグメント96の直線部96aとが径方向に1列に4本並んで配列されている。
そして、1つのスロット91a内の1番地からフロント側に延出した大セグメント95の端部95cと、そのスロット91aから時計回りに6スロット離れたスロット91a内の2番地からフロント側に延出した小導体セグメント96の端部96cとが接合される。さらに、1つのスロット91a内の4番地からフロント側に延出した大セグメント95の端部95cと、そのスロット91aから反時計回りに6スロット離れたスロット91a内の3番地からフロント側に延出した小導体セグメント96の端部96cとが接合される。これにより、周回当たり2ターンの重ね巻きである2つの巻線が形成される。この2つの巻線が直列に接続されて、4ターンの1相分の巻線が形成されている。
同様にして、大セグメント95および小セグメント96の挿入されるスロット位置を1スロットずつずらして、それぞれ4ターンの巻線が6相分形成されている。そして、これらの巻線は3相分ずつ交流結線されて、2組の3相交流巻線からなる固定子巻線62を構成している。
【0006】
このように構成された従来の固定子90においては、固定子鉄心91のリヤ側では、各大セグメント95のターン部95bが同じ組のスロット91aに挿入された小セグメント96のターン部96bの外周側を覆うように配置されいる。その結果、ターン部95b、96bが周方向に配列されて、リヤ側のコイルエンド群を構成している。
一方、固定子鉄心91のフロント側では、1つのスロット91a内の1番地からフロント側に延出した大セグメント95の端部95cと6スロット離れたスロット91a内の2番地からフロント側に延出した小セグメント96の端部96cとの接合部と、1つのスロット91a内の4番地からフロント側に延出した大セグメント95の端部95cと6スロット離れたスロット91a内の3番地からフロント側に延出した小セグメント96の端部96bとの接合部とが、径方向に並んで配列されている。その結果、端部95c、96c同士の接合部が径方向に2列となって周方向に配列されて、フロント側のコイルエンド群を構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の交流発電機の固定子巻線92は、以上のように、短尺の導体を折り曲げて略U字状に成形された大セグメント95および小セグメント96を固定子鉄心91のスロット91aにリヤ側から挿入し、フロント側に延出する端部同士を接合することにより構成されているので、多数の大セグメント95および小セグメント96を固定子鉄心91のスロット91aに挿入し、さらに端部同士をひとつひとつ接合しなければならず、作業性が悪く量産性が低下してしまうという課題があった。
さらに、大セグメント95cの端部95cと小セグメント96の端部96cとを接合するためには、治具により端部95c、96cの一部をクランプする必要があり、クランプ代だけ固定子鉄心91から余分に延出させねならず、固定子90の小型化が図れないという課題もあった。
【0008】
また、従来の固定子90においては、治具により端部95c、96cの一部をクランプして端部95c、96c同士を溶接しているので、コイルエンド高さが高くなるとともに、溶接時の温度上昇により大セグメント65および小セグメント66が軟化して、固定子としての剛性が低下してしまう。その結果、従来の固定子90を交流発電機に搭載した場合、コイルエンド部のコイルの漏れリアクタンスが増えて、出力が悪化し、また通風抵抗が増加して、風騒音が悪化し、さらに剛性が低下して、磁気騒音を増大させてしまうという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、量産性の向上および小型化が可能な交流発電機の巻線アッセンブリおよびその製造方法を得ることを目的とする。
さらには、コイルエンド高さを低くでき、かつ、コイルエンドにおける溶接箇所を削減でき、出力、風騒音および磁気騒音の悪化を抑制できる交流発電機を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る交流発電機は、軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる巻線を有する。上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、軸方向に2層となって、周方向に配列されている。所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第1層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第4層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されているものである。
【0013】
また、上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層および上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の両端部が接合されて1本の巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第3層および上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の両端部が接合されてもう1本の巻線を構成し、所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記一方の素線と、上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記他方の素線とが渡り結線されて上記2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側に延出する上記他方の素線と、上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側に延出する上記一方の素線とが上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成しているものである。
【0014】
また、上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の端部が上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の端部に接合され、かつ、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記他方の素線の端部が上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記一方の素線の端部に接合されて、2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第3層および上記他方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記他方の素線が上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成しているものである。
【0015】
また、軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる巻線を有する。上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、軸方向に2層となって、周方向に配列されている。所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第2層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第4層に収納され、一方のスロット内の上記第2層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第3層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されているものである。
【0016】
また、上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層および上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の両端部が接合されて1本の巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第2層および上記他方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の両端部が接合されてもう1本の巻線を構成し、所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記他方の素線と、上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記一方の素線とが渡り結線されて上記2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の一端面側に延出する上記一方の素線と、上記他方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の一端面側に延出する上記他方の素線とが上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成しているものである。
【0017】
また、軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる巻線を有する。上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に1列となって、周方向に配列されている。所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第1層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第3層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されているものである。
【0018】
また、この発明に係る交流発電機の巻線アッセンブリは、巻線は、連続線からなる1本の素線を、2n・pのピッチで配列された第1の直線部と、上記第1の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第2の直線部と、上記第2の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第2の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第3の直線部と、上記第3の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第3の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第4の直線部と、上記第1の直線部の一端と該第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第2の直線部の一端とを連結する第1のターン部と、上記第2の直線部の他端と該第2の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトしている上記第3の直線部の他端とを連結する第2のターン部と、上記第3の直線部の一端と該第3の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第4の直線部の一端とを連結する第3のターン部と、上記第4の直線部の他端と該第4の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第1の直線部の他端とを連結する第4のターン部とを有するパターンに折り曲げ成形され、上記巻線がpのピッチで2n本配列されて、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第2の直線部の一端部同士を連結する上記第1のターン部と上記第3および第4の直線部の一端部同士を連結する上記第3のターン部とが2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第3の直線部の他端部同士を連結する上記第2のターン部と上記第4および第1の直線部の他端部同士を連結する上記第4のターン部とが2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を備えたものである。
【0019】
また、この発明に係る交流発電機の巻線アッセンブリは、巻線は、連続線からなる1本の素線を、2n・pのピッチで配列された第1の直線部と、上記第1の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第2の直線部と、上記第2の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第2の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第3の直線部と、上記第3の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第3の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第4の直線部と、上記第1の直線部の一端と該第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第2の直線部の一端とを連結する第1のターン部と、上記第2の直線部の他端と該第2の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第3の直線部の他端とを連結する第2のターン部と、上記第3の直線部の一端と該第3の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトしている上記第4の直線部の一端とを連結する第3のターン部と、上記第4の直線部の他端と該第4の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第1の直線部の他端とを連結する第4のターン部とを有するパターンに折り曲げ成形され、上記巻線がpのピッチで2n本配列されて、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第2の直線部の一端部同士を連結する上記第1のターン部と上記第3および第4の直線部の一端部同士を連結する上記第3のターン部とが2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第3の直線部の他端部同士を連結する上記第2のターン部と上記第4および第1の直線部の他端部同士を連結する上記第4のターン部とが2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を備えたものである。
【0020】
また、この発明に係る交流発電機の巻線アッセンブリの製造方法は、直線状の素線を同一平面上にピッチpで平行に2n本配列する工程と、上記素線群を同一平面上で折り曲げることにより、長さl0の第1の直線部、この第1の直線部に長さl1の第1の傾斜部を介して連設され、該第1の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第2の直線部、この第2の直線部に長さl1の第2の傾斜部を介して連設され、該第2の直線部に対して上記素線の配列方向の他側にn・pだけシフトする長さl0の第3の直線部およびこの第3の直線部に長さl1の第3の傾斜部を介して連設され、該第3の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さlの第4の直線部からなる基本パターンを、長さl1より長い長さl2の第4の傾斜部により上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトさせて所定数繰り返す雷状パターンを形成する工程と、上記雷状パターンに形成された上記素線群を上記第1および第3の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第2の傾斜部により連結された上記第2および第3の直線部と、上記第4の傾斜部により連結された上記第1および第4の直線部とが、一面側と他面側とを交互に採るように螺旋状に巻回された扁平な筒状体を形成する工程と、上記第2の直線部と上記第3の直線部とが相対するように上記筒状体を上記第2および第4の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第3の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第4の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を形成する工程とを有するものである。
【0021】
また、この発明に係る交流発電機の巻線アッセンブリの製造方法は、直線状の素線を同一平面上にピッチpで平行に2n本配列する工程と、上記素線群を同一平面上で折り曲げることにより、長さl0の第1の直線部、この第1の直線部に長さl1の第1の傾斜部を介して連設され、該第1の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第2の直線部、この第2の直線部に長さl1の第2の傾斜部を介して連設され、該第2の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第3の直線部およびこの第3の直線部に長さl1の第3の傾斜部を介して連設され、該第3の直線部に対して上記素線の配列方向の他側にn・pだけシフトする長さlの第4の直線部からなる基本パターンを、長さl1より長い長さl2の第4の傾斜部により上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトさせて所定数繰り返す雷状パターンを形成する工程と、上記雷状パターンに形成された上記素線群を上記第1および第3の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第2の傾斜部により連結された上記第2および第3の直線部と、上記第4の傾斜部により連結された上記第1および第4の直線部とが、一面側と他面側とを交互に採るように螺旋状に巻回された扁平な筒状体を形成する工程と、上記第2の直線部と上記第3の直線部とが相対するように上記筒状体を上記第2および第4の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第3の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第4の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を形成する工程とを有するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る交流発電機の構成を示す断面図、図2および図3はそれぞれこの交流発電機の固定子をリヤ側およびフロント側から見た斜視図、図4はこの交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するリヤ側正面図、図5はこの交流発電機の回路図である。図6乃至図9はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する工程図、図10はこの発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子に適用される巻線アッセンブリを示す平面図である。図11および図12はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子の製造方法を説明する工程図である。なお、図2および図3において、渡り結線、中性点および口出し線は省略されている。
【0023】
図1において、車両用交流発電機は、ランドル型の回転子7がアルミニウム製のフロントブラケット1およびリヤブラケット2から構成されたケース3内にシャフト6を介して回転自在に装着され、固定子8が回転子7の外周側を覆うようにケース3の内壁面に固着されて構成されている。
シャフト6は、フロントブラケット1およびリヤブラケット2に回転可能に支持されている。このシャフト6の一端にはプーリ4が固着され、エンジンの回転トルクをベルト(図示せず)を介してシャフト6に伝達できるようになっている。
回転子7に電流を供給するスリップリング9がシャフト6の他端部に固着され、一対のブラシ10がこのスリップリング9に摺接するようにケース3内に配設されたブラシホルダ11に収納されている。固定子8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ18がブラシホルダ11に嵌着されたヒートシク17に接着されている。固定子8に電気的に接続され、固定子8で生じた交流を直流に整流する整流器12がケース3内に装着されている。
【0024】
回転子7は、電流を流して磁束を発生する回転子コイル13と、この回転子コイル13を覆うように設けられ、回転子コイル13で発生された磁束によって磁極が形成される一対のポールコア20、21とから構成される。一対のポールコア20、21は、鉄製で、それぞれ8つの爪形状の爪状磁極22、23が外周縁に周方向に等角ピッチで突設され、爪状磁極22、23をかみ合わせるように対向してシャフト6に固着されている。さらに、ファン5が回転子7の軸方向の両端に固着されている。
また、吸気孔1a、2aがフロントブラケット1およびリヤブラケット2の軸方向の端面に設けられ、排気孔1b、2bがフロントブラケット1およびリヤブラケット2の外周両肩部に固定子巻線16のフロント側およびリヤ側のコイルエンド群16f、16rの径方向外側に対向して設けられている。
【0025】
固定子8は、図2および図3に示されるように、軸方向に延びるスロット15aが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の積層鉄心から成る固定子鉄心15と、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16と、各スロット15a内に装着されて固定子巻線16と固定子鉄心15とを電気的に絶縁するインシュレータ19とを備えている。そして、固定子巻線16は、1本の素線30が、固定子鉄心15の端面側のスロット15a外で折り返されて、所定スロット数毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きされて巻装された複数の巻線から構成されている。さらに、素線30は、各スロット15a内にスロット深さ方向に1列に4本ずつ配列され、固定子鉄心15のフロント側のスロット15a外で折り返されて形成される素線30のターン部が径方向に2列に並んで周方向に配列されてフロント側のコイルエンド群16fを構成し、固定子鉄心15のリヤ側のスロット15a外で折り返されて形成される素線30のターン部が軸方向に2層に重なって周方向に配列されてリヤ側のコイルエンド群16rを構成している。
ここでは、固定子鉄心15には、回転子7の磁極数(16)に対応して、2組の3相交流巻線160を収容するように、96本のスロット15aが等間隔に形成されている。即ち、毎極毎相のスロット数が2である。また、素線30には、例えば絶縁被覆された長方形の断面を有する長尺の銅線材が用いられる。
【0026】
つぎに、1相分の固定子巻線161の巻線構造について図4を参照して具体的に説明する。なお、図4において、素線のリヤ側配線を実線で示し、素線のフロント側配線を点線で示し、素線の結線部を黒丸で示している。
1相分の固定子巻線161は、それぞれ1本の素線30からなる第1および第2巻線31、32から構成されている。
そして、第1巻線31は、1本の素線30が、(12m+1)番と(12m+7)番のスロット対において、(12m+1)番のスロット15aの1番地にリヤ側からフロント側に通され、ついで(12m+7)番のスロット15aの2番地にフロント側からリヤ側に通され、その後(12m+1)番のスロット15aの3番地にリヤ側からフロント側に通され、さらに(12m+7)番のスロット15aの4番地にフロント側からリヤ側に通されて、周回当たり2ターンの重ね巻きに構成されている。ここで、m=0,1,2・・・7である。
一方、第2巻線32は、1本の素線30が、(12m+7)番と{12(m+1)+1}番のスロット対において、(12m+7)番のスロット15aの1番地にリヤ側からフロント側に通され、ついで{12(m+1)+1}番のスロット15aの2番地にフロント側からリヤ側に通され、その後(12m+7)番のスロット15aの3番地にリヤ側からフロント側に通され、さらに{12(m+1)+1}番のスロット15aの4番地にフロント側からリヤ側に通されて、周回当たり2ターンの重ね巻きに構成されている。ここで、97番のスロットは1番のスロットに相当する。
これにより、第1および第2巻線31、32は、それぞれ、1本の素線30を6スロット毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きに巻装されてなる巻線を構成している。そして、各スロット15a内には、素線30が長方形断面の長手方向を径方向に揃えて径方向に1列に4本並んで配列されている。
【0027】
そして、固定子鉄心15のリヤ側において、スロット番号の43番の4番地と49番の1番地とを連結する第1巻線31のターン部を切断し、スロット番号の43番の3番地と49番の2番地とを連結する第2巻線32のターン部を切断する。ついで、スロット番号の43番の4番地から延出する第1巻線31の切断端31aと、スロット番号の49番の2番地から延出する第2巻線32の切断端32bとが例えばアーク溶接により渡り結線されて、第1および第2巻線31、32が直列に接続される。これにより、4ターンの1相分の固定子巻線161が形成される。
この時、スロット番号の43番の3番地から延出する第2巻線32の切断端32aと、スロット番号の49番の1番地から延出する第1巻線31の切断端31bとが、固定子巻線161の中性点(N)および口出し線(O)となる。
【0028】
このようにして、素線30が、挿入されるスロット15aを1スロットずつずらして固定子鉄心15に巻装され、さらに結線されて、6相分の固定子巻線161が形成されている。これにより、図2および図3に示されるように、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16を備えた固定子8が得られる。
そして、図5に示されるように、3相分の固定子巻線161を互いに電気角で120度の位相差をもつように星型結線されて2組の3相交流巻線160が構成されている。また、2組の3相交流巻線160は、互いに30度の位相差をもって固定子鉄心15に巻装されている。これらの2組の3相交流巻線160は、それぞれ整流器12に接続されている。各整流器12の直流出力は並列に接続されて合成される。
【0029】
このように構成された交流発電機では、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ10およびスリップリング9を介して回転子コイル13に供給され、磁束が発生される。この磁束により、一方のポールコア20の爪状磁極22がN極に着磁され、他方のポールコア21の爪状磁極23がS極に着磁される。一方、エンジンの回転トルクがベルトおよびプーリ4を介してシャフト6に伝達され、回転子7が回転される。そこで、固定子巻線16に回転磁界が与えられ、固定子巻線16に起電力が発生する。この交流の起電力が整流器12を通って直流に整流されるとともに、その大きさがレギュレータ18により調整され、バッテリに充電される。
【0030】
そして、リヤ側においては、ファン5の回転により、外気が整流器12のヒートシンクおよびレギュレータ18のヒートシンク17にそれぞれ対向して設けられた吸気孔2aを通じて吸い込まれ、シャフト6の軸に沿って流れて整流器12およびレギュレータ18を冷却し、その後ファン5により遠心方向に曲げられて固定子巻線16のリヤ側のコイルエンド群16rを冷却し、排気孔2bより外部に排出される。一方、フロント側においては、ファン5の回転により、外気が吸気孔1aから軸方向に吸い込まれ、その後ファン5により遠心方向に曲げられて固定子巻線16のフロント側のコイルエンド群16fを冷却し、排気孔1bより外部に排出される。
これにより、整流器12、レギュレータ18、固定子8および回転子7等に発生する熱が放熱され、それらの発熱部品の温度上昇が抑えられる。
【0031】
このように、この実施の形態1によれば、固定子巻線16を構成する各相の固定子巻線161がそれぞれ1本の素線30で形成された第1および第2巻線31、32を備えている。そして、第1および第2巻線31、32は、それぞれ1本の素線30が、6スロット離れて対をなし、かつ、12スロットピッチで配列された各組のスロット対に順次1ターンずつ巻かれて、周回当たり2ターンの重ね巻きに形成されており、さらに6スロット毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように形成されている。また、素線30は、各スロット15a内にスロット深さ方向に1列に4本ずつ配列されている。そして、6スロット離れたスロット15a内の異なる層を固定子鉄心15の端面側で連結する素線30のターン部がコイルエンドを構成している。
そこで、固定子鉄心15のフロント側においては、1番地(第1層)と2番地(第2層)とを連結するターン部と3番地(第3層)と4番地(第4層)とを連結するターン部とが、ほぼ同一形状に形成され、周方向に、かつ、径方向に互いに離間して、2列となって周方向に整然と配列されてコイルエンド群16fを形成している。一方、固定子鉄心15のリヤ側においては、1番地(第1層)と4番地(第4層)とを連結するターン部と2番地(第2層)と3番地(第3層)とを連結するターン部とが、軸方向に互いに離間して2層となって、かつ、周方向に互いに離間して、周方向に整然と配列されてコイルエンド群16rを形成している。
【0032】
このように構成された固定子8は、コイルエンドが素線30のターン部、即ち連続線により構成されているので、接合箇所が著しく削減され、治具によりU字状の大セグメント95および小セグメント96の端部95c、96cの一部をクランプして端部95c、96c同士を溶接してコイルエンドを構成している従来の固定子90に比べて、コイルエンド高さを低くできるとともに、溶接時の温度上昇に起因する素線30の軟化が少なく、固定子としての剛性の低下を抑えることができる。その結果、従来の固定子90を搭載した交流発電機に比べて、コイルエンド部のコイルの漏れリアクタンスが少なく、出力を向上でき、また通風抵抗が低減して、風騒音が改善され、さらに剛性の低下が少なく、磁気騒音を低減できる交流発電機が得られる。
【0033】
また、コイルエンド群16f、16rを周方向で略同一形状に形成でき、コイルエンド群16f、16rの内径側端面における周方向の凹凸が抑えられ、回転子7とコイルエンド群16f、16rとの間で発生する風騒音を低減させることができる。
また、コイルエンド群16f、16rの軸方向高さが低く、接合部も少ないので、ファン5により形成された冷却風とコイルエンド群16f、16rとの間の干渉音も小さくできる。
【0034】
ついで、固定子8の組立方法について図6乃至図12を参照しつつ具体的に説明する。
まず、12本の長尺の素線30を1スロットピッチ(p)で平行に配列し、同時に同一平面上で雷状に折り曲げ形成する。この雷状に折り曲げられた素線30群は、図6および図7に示されるように、それぞれスロット15aの溝長さと同等の長さ(l0)を有する第1乃至第4の直線部30a〜30dが、第1および第2の直線部30a、30b間を素線30の配列方向の一側に6スロット分(6p)ずらして第1の傾斜部30eにより連結され、第2および第3の直線部30b、30c間を素線30の配列方向の他側に6スロット分(6p)ずらして第2の傾斜部30fにより連結され、第3および第4の直線部30c、30d間を素線30の配列方向の一側に6スロット分(6p)ずらして第3の傾斜部30gにより連結されて形成された基本パターンを、隣り合う第4および第1の直線部30d、30a間を素線30の配列方向の一側に6スロット分(6p)ずらして第4の傾斜部30hにより連結するようにして所定数繰り返すように形成されている。この時、第1乃至第4の直線部30a〜30dのそれぞれの間隔はl1であり、隣り合う第1および第4の直線部30a、30dの間隔l2は間隔l1より大きく形成されている。
【0035】
ついで、図6および図7に矢印で示されるように、各第1および第3の傾斜部30e、30gをその中心部で同一方向に折り返し、第2の傾斜部30fにより連結された第2および第3の直線部30b、30cと第4の傾斜部30hにより連結された第4および第1の直線部30d、30aとが一面側と他面側とを交互に採るように螺旋状に巻かれた扁平な筒状体40を成形する。この筒状体40は、図8に示されるように、第2の傾斜部30fにより連結された第2および第3の直線部30b、30cが一面側に1スロットピッチで配列され、かつ、第4の傾斜部30hにより連結された第4および第1の直線部30d、30aが他面側に1スロットピッチで配列されて構成されている。
ついで、図8に示されるように、筒状体40の一端部において、6本の第3の直線部30cを中央部Aで切断し、さらに筒状体40の他端部において、6本の第2の直線部30bを中央部Bで切断し、他の素線30の端部とともに結線部を形成する端末処理を行う。
【0036】
その後、図8および図9に矢印で示されるように、第2の直線部30bと第3の直線部30cとが相対するように、筒状体40を1スロットピッチで配列された第2の傾斜部30fおよび第4の傾斜部30hの中央部で折り返し、図10に示される巻線アッセンブリ41を作製する。
この巻線アッセンブリ41では、第1乃至第4の直線部30a〜30dが素線30の幅方向に素線30の幅と同等のピッチwで4層に並んでピッチpで配列されており、その一側において、第1のターン部としての折り返された第1の傾斜部30eと、第3のターン部としての折り返された第3の傾斜部30gとが2列になって直線部の配列方向に1スロットピッチで配列されている。一方、その他側において、第2のターン部としての折り返された第2の傾斜部30fと、第4のターン部としての折り返された第4の傾斜部30hとが2層になって直線部の配列方向に1スロットピッチで配列されている。
ここで、口出し線および中性点のリード部が巻線アッセンブリ41の第4の傾斜部30hから外方に延出しているが、これらのリード部は素線30を雷状に折り曲げ成形する工程において特定の素線30を繰り出して形成される。
【0037】
また、台形形状のスロット42aが所定のピッチ(電気角で30度)で形成された磁性材料であるSPCC材を所定枚数積層し、その外周部をレーザ溶接して、図11に示されるように、直方体の積層鉄心42を作製する。
そして、図12の(a)に示されるように、インシュレータ19が積層鉄心42のスロット42aに装着され、巻線アッセンブリ41の第1乃至第4の直線部30a〜30dを各スロット42a内に重ねて押し入れる。これにより、図12の(b)に示されるように、巻線アッセンブリ41が積層鉄心42に装着される。この時、素線30の直線部は、インシュレータ19により積層鉄心42と絶縁されてスロット42a内に径方向に4本並んで収納されている。
ついで、積層鉄心42を丸め、その端面同士を当接させて溶接して、図12(c)に示されるように、円筒状の固定子鉄心15を得る。
そして、同一素線30の端部同士を結線して、6スロットピッチに配列された各スロット群に巻装された第1および第2巻線31、32がそれぞれ周回当たり2ターンの重ね巻きの巻線を形成する。ついで、先に説明したように、巻線アッセンブリ41の各リード部を切断し、渡り結線した後、中性点を結線して、2組の3相交流巻線160を得る。
これにより、2組の3相交流巻線160からなる固定子巻線16を固定子鉄心15に巻装してなる固定子8が得られる。
【0038】
このように、この実施の形態1によれば、12本の素線30を1スロットピッチで同一平面上に配列させ、図6および図7に示される雷状パターンに折り曲げ成形し、第1および第3の傾斜部30e、30gの中央部で同一方向に折り返して第2の傾斜部30fにより連結されている第2および第3の直線部30b、30cと第4の傾斜部30hにより連結されている第4および第1の直線部30d、30aとが螺旋状に巻回された筒状体40を形成し、ついで第2および第4の傾斜部30f、30hの中央部で折り返して巻線アッセンブリ41を形成しているので、6スロット数毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなる巻線アッセンブリを容易に製造することができる。
また、このように作製された巻線アッセンブリ41を用いているので、巻線アッセンブリ41を固定子鉄心15に巻装することで、6相分の固定子巻線161が固定子鉄心15に巻装されることになる。そこで、多数のセグメントを固定子鉄心のスロットに挿入し、さらに端部同士を一つ一つ接合するという煩雑な作業が不要となり、組立性および作業性が著しく向上され、量産性を高めることができる。さらに、固定子巻線のターン数を増やす場合には、複数の巻線アッセンブリ41を重ねて固定子鉄心15に巻装することで容易に対応できる。
また、コイルエンドが素線30のターン部で構成されるので、コイルエンド群16f、16rにおける接合カ所は著しく削減される。これにより、コイルエンドを固定子鉄心15の端面から余分に延出させる必要もなく、固定子8の小型化が図られる。さらに、接合による絶縁被膜の消失に伴う短絡事故の発生が抑えられるので、優れた絶縁性が得られるとともに、高歩留まりが得られる。さらには、接合による絶縁被膜の消失に伴う耐腐食性の低下を抑えることができる。
【0039】
ここで、本願との比較のために、本出願人が先に特願平2000−011704号に提案している巻線構造について説明する。
図13は特願平2000−011704号に記載された1相分の固定子巻線の結線状態を説明する平面図である。
図13において、1相分の固定子巻線80は、それぞれ1本の素線30からなる第1乃至第4巻線81〜84から構成されている。そして、第1巻線81は、1本の素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の1番地と2番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第2巻線82は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の2番地と1番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第3巻線83は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の3番地と4番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第4巻線84は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の4番地と3番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。
これにより、第1乃至第4巻線81〜84は、それぞれ、1本の素線30を6スロット毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装されてなる1ターンの巻線を構成している。
なお、図示していないが、素線30が巻装されるスロット15aを1つずつずらして6相分の固定子巻線80が形成されている。
【0040】
そして、固定子鉄心15の一端側において、スロット番号の67番の2番地から延出する第1巻線81の巻線端81bと、スロット番号の61番の3番地から延出する第3巻線83の巻線端83aとが渡り結線(隣接番地渡り結線C2-3)され、ついで、スロット番号の61番の2番地から延出する第2巻線82の巻線端82bと、スロット番号の55番の3番地から延出する第4巻線84の巻線端84aとが渡り結線(隣接番地渡り結線C2-3)され、さらに、スロット番号の61番の1番地から延出する第1巻線81の巻線端81aと、スロット番号の55番の1番地から延出する第2巻線82の巻線端82aとが渡り結線(同一番地渡り結線C1-1)される。これにより、第1乃至第4巻線81〜84が直列に接続されて、4ターンの1相分の固定子巻線80が形成される。
この時、スロット番号の67番の4番地から延出する第3巻線83の巻線端83bと、スロット番号の61番の4番地から延出する第4巻線84の巻線端84aとが、1相の固定子巻線80の口出し線(Oa)および中性点(Na)となる。
【0041】
この比較例としての固定子巻線80は、1本の素線30を6スロット数毎にスロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように波巻きに巻装された1ターンの第1乃至第4巻線81〜84から構成されているので、多数のセグメントを固定子鉄心のスロットに挿入し、さらに端部同士を一つ一つ接合するという煩雑な作業が不要となり、組立性および作業性が著しく向上され、量産性を高めることができる。
さらに、コイルエンドが素線30のターン部で構成されるので、コイルエンド群における接合カ所は著しく削減される。これにより、コイルエンドを固定子鉄心15の端面から余分に延出させる必要もなく、固定子の小型化が図られる。
【0042】
しかしながら、この固定子巻線80は、1本の素線30を波巻きに巻装してなる第1乃至第4巻線81〜84から構成されているので、第1乃至第4巻線81〜84を直列に接続するための渡り結線数が3箇所必要となってしまう。
一方、この実施の形態1による固定子巻線161は、1本の素線30を周回当たり2ターンの重ね巻きに巻装してなる第1および第2巻線31、32から構成されているので、第1および第2巻線31、32を直列に接続する渡り結線数が1箇所ですみ、比較例に比べて、結線作業性を向上させることができることがわかる。また、渡り結線数が削減され、結線部が簡素化されることで、コイルエンド群16rの周方向の凹凸に起因する風音が抑えられ、低騒音化が図られる。さらに、渡り結線数が削減され、結線部が簡素化されることで、コイルエンド群16rの通風抵抗が小さくなるので、その分風量が増大して、冷却効果が向上される。
【0043】
実施の形態2.
図14はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するフロント側正面図であり、図において、素線のフロント側配線を実線で示し、素線のリヤ側配線を点線で示し、素線の結線部を黒丸で示している。
1相分の固定子巻線161Aは、それぞれ1本の素線30からなる第1および第2巻線31、32から構成されている。
そして、第1巻線31は、1本の素線30が、(12m+1)番と(12m+7)番のスロット対において、(12m+1)番のスロット15aの1番地にフロント側からリヤ側に通され、ついで(12m+7)番のスロット15aの2番地にリヤ側からフロント側に通され、その後(12m+1)番のスロット15aの3番地にフロント側からリヤ側に通され、さらに(12m+7)番のスロット15aの4番地にリヤ側からフロント側に通されて、周回当たり2ターンの重ね巻きに構成されている。ここで、m=0,1,2・・・7である。
一方、第2巻線32は、1本の素線30が、(12m+7)番と{12(m+1)+1}番のスロット対において、(12m+7)番のスロット15aの1番地にフロント側からリヤ側に通され、ついで{12(m+1)+1}番のスロット15aの2番地にリヤ側からフロント側に通され、その後(12m+7)番のスロット15aの3番地にフロント側からリヤ側に通され、さらに{12(m+1)+1}番のスロット15aの4番地にリヤ側からフロント側に通されて、周回当たり2ターンの重ね巻きに構成されている。ここで、97番のスロットは1番のスロットに相当する。
これにより、第1および第2巻線31、32は、それぞれ、1本の素線30を6スロット毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きに巻装されてなる巻線を構成している。
ついで、1番のスロット15aの1番地からフロント側に延出する第1巻線31の巻線端と91番のスロット15aの3番地からフロント側に延出する第2巻線32の巻線端とを接合し、さらに1番のスロット15aの2番地からフロント側に延出する第2巻線32の巻線端と91番地のスロット15aの4番地からフロント側に延出する第1巻線31の巻線端とを接合して、第1および第2巻線31、32が直列に接続された4ターンの巻線が得られる。
【0044】
そして、固定子鉄心15のリヤ側において、スロット番号の43番の3番地と49番の4番地とを連結する第2巻線32のターン部を切断し、スロット番号の43番の3番地から延出する第2巻線32の切断端32aと、スロット番号の49番の4番地から延出する第2巻線32の切断端32bとを中性点(N)および口出し線(O)とする4ターンの1相分の固定子巻線161Aが形成される。
【0045】
このようにして、素線30が、挿入されるスロット15aを1スロットずつずらして固定子鉄心15に巻装され、さらに結線されて、6相分の固定子巻線161Aが形成されている。
これにより、図15および図16に示されるように、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16Aを備えた固定子8Aが得られる。なお、図15は固定子をリヤ側から見た斜視図、図16は固定子をフロント側から見た斜視図であり、各図において中性点および口出し線は省略されている。
【0046】
この実施の形態2による固定子巻線16Aを構成する各相の固定子巻き線161Aは、それぞれ1本の素線30が、6スロット離れて対をなし、かつ、12スロットピッチで配列された各組のスロット対に順次1ターンずつ巻かれて、周回当たり2ターンの重ね巻きに形成されており、さらに6スロット毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように形成された第1および第2巻線31、32から構成されている。また、素線30は、各スロット15a内にスロット深さ方向に1列に4本ずつ配列されている。そして、6スロット離れたスロット15a内の異なる層を固定子鉄心15の端面側で連結する素線30のターン部がコイルエンドを構成している。
従って、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0047】
この実施の形態2によれば、第1巻線31の巻線端の一端と第2巻線32の巻線端の他端とを接合し、さらに第2巻線32の巻線端の一端と第1巻線31の巻線端の他端とを接合することにより、第1および第2巻線31、32を直列に接続して4ターンに形成されている。そこで、上記実施の形態1において第1および第2巻線31、32間を渡り結線するために必要であった、第1および第2巻線31、32を固定子鉄心15に巻装した後の切断・接合工程が不要となる。即ち、第1および第2巻線31、32を固定子鉄心15に巻装した後、1相当たり第2巻線32のリヤ側に延出する部位の1箇所を切断し、その切断端を中性点および口出し線とすればよく、作業性が向上される。
また、素線30の折り返し部で構成されるターン部が径方向に2列となって周方向に配列されているコイルエンド群をリヤ側に配しているので、発熱部品である整流器12やレギュレータ18が実装されているリヤ側の通風路の通風抵抗が小さくなり、整流器12やレギュレータ18を効率的に冷却することができる。
【0048】
実施の形態3.
図17はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するリヤ側正面図、図18および図19はそれぞれこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機における固定子をリヤ側およびフロント側から見た斜視図である。なお、図17において、素線のリヤ側配線を実線で示し、素線のフロント側配線を点線で示し、素線の結線部を黒丸で示している。また、図18および図19において、中性点および口出し線は省略されている。
【0049】
図17において、1相分の固定子巻線161Bは、それぞれ1本の素線30からなる第1および第2巻線31、32から構成されている。
そして、第1巻線31は、1本の素線30が、(12m+1)番と(12m+7)番のスロット対において、(12m+1)番のスロット15aの4番地にリヤ側からフロント側に通され、ついで(12m+7)番のスロット15aの1番地にフロント側からリヤ側に通され、その後(12m+1)番のスロット15aの2番地にリヤ側からフロント側に通され、さらに(12m+7)番のスロット15aの3番地にフロント側からリヤ側に通されて、周回当たり2ターンの重ね巻きに構成されている。ここで、m=0,1,2・・・7である。
一方、第2巻線32は、1本の素線30が、(12m+7)番と{12(m+1)+1}番のスロット対において、(12m+7)番のスロット15aの4番地にリヤ側からフロント側に通され、ついで{12(m+1)+1}番のスロット15aの1番地にフロント側からリヤ側に通され、その後(12m+7)番のスロット15aの2番地にリヤ側からフロント側に通され、さらに{12(m+1)+1}番のスロット15aの3番地にフロント側からリヤ側に通されて、周回当たり2ターンの重ね巻きに構成されている。ここで、97番のスロットは1番のスロットに相当する。
そして、1番のスロット15aの1番地と91番のスロット15aの2番地とからリヤ側に延出する第2の巻線32の巻線端の両端を接合し、1番のスロット15aの4番地と91番のスロット15aの3番地とからリヤ側に延出する第1の巻線31の巻線端の両端を接合している。これにより、第1および第2巻線31、32は、それぞれ、1本の素線30を6スロット毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きに巻装されてなる巻線を構成している。
【0050】
そして、固定子鉄心15のリヤ側において、スロット番号の43番の3番地と49番の4番地とを連結する第1巻線31のターン部を切断し、スロット番号の43番の2番地と49番の1番地とを連結する第2巻線32のターン部を切断する。ついで、スロット番号の43番の3番地から延出する第1巻線31の切断端31aと、スロット番号の49番の1番地から延出する第2巻線32の切断端32bとが例えばアーク溶接により渡り結線されて、第1および第2巻線31、32が直列に接続される。これにより、4ターンの1相分の固定子巻線161Bが形成される。
この時、スロット番号の43番の2番地から延出する第2巻線32の切断端32aと、スロット番号の49番の4番地から延出する第1巻線31の切断端31bとが、固定子巻線161Bの中性点(N)および口出し線(O)となる。
【0051】
このようにして、素線30が、挿入されるスロット15aを1スロットずつずらして固定子鉄心15に巻装され、さらに結線されて、6相分の固定子巻線161Bが形成されている。これにより、図18および図19に示されるように、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16Bを備えた固定子8Bが得られる。
【0052】
この実施の形態3による固定子巻線16Bを構成する各相の固定子巻き線161Bは、それぞれ1本の素線30が、6スロット離れて対をなし、かつ、12スロットピッチで配列された各組のスロット対に順次1ターンずつ巻かれて、周回当たり2ターンの重ね巻きに形成されており、さらに6スロット毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように形成された第1および第2巻線31、32から構成されている。また、素線30は、各スロット15a内にスロット深さ方向に1列に4本ずつ配列されている。そして、6スロット離れたスロット15a内の異なる層を固定子鉄心15の端面側で連結する素線30のターン部がコイルエンドを構成している。
従って、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0053】
この実施の形態3によれば、素線30の折り返し部で構成されるターン部が径方向に2列となって周方向に配列されているコイルエンド群をリヤ側に配しているので、発熱部品である整流器12やレギュレータ18が実装されているリヤ側の通風路の通風抵抗が小さくなり、整流器12やレギュレータ18を効率的に冷却することができる。
【0054】
ついで、固定子8Bに適用される巻線アッセンブリの製造方法について図20乃至図23を参照しつつ具体的に説明する。
まず、12本の長尺の素線30を1スロットピッチ(p)で平行に配列し、同時に同一平面上で雷状に折り曲げ形成する。この雷状に折り曲げられた素線30群は、図20および図21に示されるように、それぞれスロット15aの溝長さと同等の長さ(l0)を有する第1乃至第4の直線部30a〜30dが、第1および第2の直線部30a、30b間を素線30の配列方向の一側に6スロット分(6p)ずらして第1の傾斜部30eにより連結され、第2および第3の直線部30b、30c間を素線30の配列方向の一側に6スロット分(6p)ずらして第2の傾斜部30fにより連結され、第3および第4の直線部30c、30d間を素線30の配列方向の他側に6スロット分(6p)ずらして第3の傾斜部30gにより連結されて形成された基本パターンを、隣り合う第4および第1の直線部30d、30a間を素線30の配列方向の一側に6スロット分(6p)ずらして第4の傾斜部30hにより連結するようにして所定数繰り返すように形成されている。この時、第1乃至第4の直線部30a〜30dのそれぞれの間隔はl1であり、隣り合う第1および第4の直線部30a、30dの間隔l2は間隔l1より大きく形成されている。
【0055】
ついで、図20および図21に矢印で示されるように、各第1および第3の傾斜部30e、30gをその中心部で同一方向に折り返し、第2の傾斜部30fにより連結された第2および第3の直線部30b、30cと第4の傾斜部30hにより連結された第4および第1の直線部30d、30aとが一面側と他面側とを交互に採るように螺旋状に巻かれた扁平な筒状体40Bを成形する。この筒状体40Bは、図22に示されるように、第2の傾斜部30fにより連結された第2および第3の直線部30b、30cが一面側に1スロットピッチで配列され、かつ、第4の傾斜部30hにより連結された第4および第1の直線部30d、30aが他面側に1スロットピッチで配列されて構成されている。
ついで、図22に示されるように、筒状体40Bの一端部において、6本の第3の直線部30dを中央部Aで切断し、さらに筒状体40Bの他端部において、6本の第2の直線部30cを中央部Bで切断し、他の素線30の端部とともに結線部を形成する端末処理を行う。
【0056】
その後、図22に矢印で示されるように、第2の直線部30bと第3の直線部30cとが相対するように、筒状体40Bを1スロットピッチで配列された第2の傾斜部30fおよび第4の傾斜部30hの中央部で折り返し、図23に示される巻線アッセンブリ41Bを作製する。
この巻線アッセンブリ41では、第1乃至第4の直線部30a〜30dが素線30の幅方向に素線30の幅と同等のピッチwで4層に並んでピッチpで配列されており、その一側において、第1のターン部としての折り返された第1の傾斜部30eと、第3のターン部としての折り返された第3の傾斜部30gとが2列になって直線部の配列方向に1スロットピッチで配列されている。一方、その他側において、第2のターン部としての折り返された第2の傾斜部30fと、第4のターン部としての折り返された第4の傾斜部30hとが2層になって直線部の配列方向に1スロットピッチで配列されている。
ここで、口出し線および中性点のリード部が巻線アッセンブリ41Bの第2および第3の傾斜部30e、30gから外方に延出しているが、これらのリード部は素線30を雷状に折り曲げ成形する工程において特定の素線30を繰り出して形成される。
【0057】
そして、図12の(a)に示されているように、インシュレータ19が積層鉄心42のスロット42aに装着され、巻線アッセンブリ41Bの第1乃至第4の直線部30a〜30dを各スロット42a内に重ねて押し入れる。これにより、図12の(b)に示されるように、巻線アッセンブリ41Bが積層鉄心42に装着される。
ついで、積層鉄心42を丸め、その端面同士を当接させて溶接して、図12(c)に示されるように、円筒状の固定子鉄心15を得る。
そして、同一素線30の端部同士を結線して、6スロットピッチに配列された各スロット群に巻装された第1および第2巻線31、32がそれぞれ周回当たり2ターンの重ね巻きの巻線を形成する。ついで、巻線アッセンブリ41Bの各リード部を切断し、渡り結線した後、中性点を結線して、2組の3相交流巻線を得る。
これにより、2組の3相交流巻線からなる固定子巻線16Bを固定子鉄心15に巻装してなる固定子8Bが得られる。
【0058】
このように、この実施の形態3によれば、12本の素線30を1スロットピッチで同一平面上に配列させ、図20および図21に示される雷状パターンに折り曲げ成形し、第1および第3の傾斜部30e、30gの中央部で同一方向に折り返して第2の傾斜部30fにより連結されている第2および第3の直線部30b、30cと第4の傾斜部30hにより連結されている第4および第1の直線部30d、30aとが螺旋状に巻回された筒状体40Bを形成し、ついで第2および第4の傾斜部30f、30hの中央部で折り返して巻線アッセンブリ41Bを形成しているので、6スロット数毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなる巻線アッセンブリを容易に製造することができる。
また、このように作製された巻線アッセンブリ41Bを用いているので、巻線アッセンブリ41Bを固定子鉄心15に巻装することで、6相分の固定子巻線161が固定子鉄心15に巻装されることになる。そこで、多数のセグメントを固定子鉄心のスロットに挿入し、さらに端部同士を一つ一つ接合するという煩雑な作業が不要となり、組立性および作業性が著しく向上され、量産性を高めることができる。さらに、固定子巻線のターン数を増やす場合には、複数の巻線アッセンブリ41を重ねて固定子鉄心15に巻装することで容易に対応できる。
また、コイルエンドが素線30のターン部で構成されるので、コイルエンド群16f、16rにおける接合カ所は著しく削減される。これにより、コイルエンドを固定子鉄心15の端面から余分に延出させる必要もなく、固定子8の小型化が図られる。さらに、接合による絶縁被膜の消失に伴う短絡事故の発生が抑えられるので、優れた絶縁性が得られるとともに、高歩留まりが得られる。さらには、接合による絶縁被膜の消失に伴う耐腐食性の低下を抑えることができる。
【0059】
実施の形態4.
図24および図25はそれぞれこの発明の実施の形態4に係る交流発電機における固定子をリヤ側およびフロント側から見た斜視図、図26はこの発明の実施の形態4に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する図である。なお、図24および図25において、中性点および口出し線が省略されている。
【0060】
この固定子8Cでは、図24および図25に示されるように、素線30が各スロット15a内にスロット深さ方向に4本並んで収納されている。
そして、6スロット離れて対をなす各組のスロット対において、一方のスロット15aの1番地に収納されている素線30が固定子鉄心15のフロント側のスロット外で折り返されて他方のスロット15aの2番地に収納され、一方のスロット15aの4番地に収納されている素線30が固定子鉄心15のフロント側のスロット外で折り返されて他方のスロット15aの3番地に収納されている。
また、6スロット離れて対をなす各組のスロット対において、一方のスロット15aの4番地に収納されている素線30が固定子鉄心15のリヤ側のスロット外で折り返されて他方のスロット15aの2番地に収納され、一方のスロット15aの3番地に収納されている素線30が固定子鉄心15のリヤ側のスロット外で折り返されて他方のスロット15aの1番地に収納されている。
【0061】
これにより、固定子巻線16Cは、それぞれ、1本の素線30を6スロット毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きに巻装されてなる複数の巻線から構成されている。そして、固定子鉄心15のフロント側のスロット外で折り返された素線30のターン部が径方向に2列となって周方向に配列されてフロント側のコイルエンド群16fを構成し、固定子鉄心15のリヤ側のスロット外で折り返された素線30のターン部が1列となって周方向に配列されてリヤ側のコイルエンド群16rを構成している。また、複数の巻線が一体に形成されている巻線アッセンブリ41Cは、図26に示されるように、第1乃至第2の直線部30a〜30dが螺旋状に巻回された筒状体40Cを第2および第4の傾斜部30f、30hの中央部で折り返して成形される。
なお、他の構成は上記各実施の形態と同様に構成されている。
【0062】
従って、この実施の形態4においても、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態4によれば、素線30のターン部が径方向に2列となって周方向に配列されてコイルエンド群16fを構成し、素線30のターン部が1列となって周方向に配列されてコイルエンド群16rを構成しているので、両コイルエンド群16f、16rの軸方向高さを低くできる。これにより、上記各実施の形態に比べて、コイルのこれリアクタンスがさらに少なくなり、出力を向上できるとともに、通風抵抗がさらに低減して、風騒音が改善される。
【0063】
なお、上記各実施の形態では、16極の磁極数に対して、固定子のスロット数を96スロットとしたが、12極の磁極数に対しては、3相で72個のスロット、20極の磁極数に対しては120のスロットを採用してもよい。また、毎極毎相1の場合は、16極の磁極数でスロット数48、12極の磁極数でスロット数36、20極の磁極数でスロット数60でも良い。
この場合、毎極毎相当たりのスロット数がxのy相巻線とすると、固定子巻線を構成する素線の本数は、2xyとなり、巻線アッセンブリを構成する第1乃至第4の直線部はそれぞれ2xypのピッチで配列され、第1の直線部と第2の直線部との配列方向におけるシフト量はxypとなる。
【0064】
また、上記各実施の形態では、4ターンのものについて説明しているが、更に低速出力が要求される場合は、8ターンとしても良い。この場合でも、2組の巻線アッセンブリ41(41B)を径方向に並べて固定子鉄心15に挿入するだけで対応できる。また、6ターンの場合には、巻線アッセンブリ41(41B)と比較例で示した巻線アッセンブリとを径方向に並べて固定子鉄心15に挿入するだけで対応できる。
【0065】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0066】
この発明によれば、軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる複数の巻線を有する。上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、軸方向に2層となって、周方向に配列されている。所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第1層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第4層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されている。これにより、渡り結線数が削減され、結線部が簡素化されるので、コイルエンドの軸方向高さを低くでき、かつ、コイルエンドにおける溶接箇所を削減でき、出力、風騒音および磁気騒音の悪化を抑制でき、冷却性も向上する交流発電機が得られる。
【0069】
また、上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層および上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の両端部が接合されて1本の巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第3層および上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の両端部が接合されてもう1本の巻線を構成し、所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記一方の素線と、上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記他方の素線とが渡り結線されて上記2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側に延出する上記他方の素線と、上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側に延出する上記一方の素線とが上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成しているので、1相の固定子巻線当たりの渡り結線数が1となり、結線作業性を向上できる。また、渡り結線部に起因するコイルエンド群の周方向における凹凸が少なくなり、風音の悪化を抑えることができるとともに、通風抵抗が小さくなり、冷却効果が向上される。
【0070】
また、上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の端部が上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の端部に接合され、かつ、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記他方の素線の端部が上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記一方の素線の端部に接合されて、2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第3層および上記他方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記他方の素線が上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成しているので、1相の固定子巻線の渡り結線がなく、結線作業性をさらに向上できる。また、渡り結線部に起因するコイルエンド群の周方向における凹凸がなくなり、風音の悪化をさらに抑えることができるとともに、通風抵抗が小さくなり、冷却効果がさらに向上される。
【0071】
また、軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる巻線を有する。上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、軸方向に2層となって、周方向に配列されている。所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第2層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第4層に収納され、一方のスロット内の上記第2層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第3層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されているので、簡易な構成で固定子巻線を実現できる。
【0072】
また、上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層および上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の両端部が接合されて1本の巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第2層および上記他方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の両端部が接合されてもう1本の巻線を構成し、所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記他方の素線と、上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記一方の素線とが渡り結線されて上記2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の一端面側に延出する上記一方の素線と、上記他方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の一端面側に延出する上記他方の素線とが上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成しているので、1相の固定子巻線当たりの渡り結線数が1となり、結線作業性を向上できる。また、渡り結線部に起因するコイルエンド群の周方向における凹凸が少なくなり、風音の悪化を抑えることができるとともに、通風抵抗が小さくなり、冷却効果が向上される。
【0073】
また、軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる巻線を有する。上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に1列となって、周方向に配列されている。所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第1層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第3層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されている。これにより、固定子鉄心の両端面側におけるコイルエンドの軸方向高さを低くでき、出力を向上できるとともに風騒音を低減できる。
【0074】
また、この発明によれば、巻線は、連続線からなる1本の素線を、2n・pのピッチで配列された第1の直線部と、上記第1の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第2の直線部と、上記第2の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第2の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第3の直線部と、上記第3の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第3の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第4の直線部と、上記第1の直線部の一端と該第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第2の直線部の一端とを連結する第1のターン部と、上記第2の直線部の他端と該第2の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトしている上記第3の直線部の他端とを連結する第2のターン部と、上記第3の直線部の一端と該第3の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第4の直線部の一端とを連結する第3のターン部と、上記第4の直線部の他端と該第4の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第1の直線部の他端とを連結する第4のターン部とを有するパターンに折り曲げ成形され、上記巻線がpのピッチで2n本配列されて、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第2の直線部の一端部同士を連結する上記第1のターン部と上記第3および第4の直線部の一端部同士を連結する上記第3のターン部とが2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第3の直線部の他端部同士を連結する上記第2のターン部と上記第4および第1の直線部の他端部同士を連結する上記第4のターン部とが2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を備えたので、量産性に優れ、小型化が可能な固定子巻線を実現できる巻線アッセンブリが得られる。
【0075】
また、この発明によれば、巻線は、連続線からなる1本の素線を、2n・pのピッチで配列された第1の直線部と、上記第1の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第2の直線部と、上記第2の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第2の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第3の直線部と、上記第3の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第3の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第4の直線部と、上記第1の直線部の一端と該第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第2の直線部の一端とを連結する第1のターン部と、上記第2の直線部の他端と該第2の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第3の直線部の他端とを連結する第2のターン部と、上記第3の直線部の一端と該第3の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトしている上記第4の直線部の一端とを連結する第3のターン部と、上記第4の直線部の他端と該第4の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第1の直線部の他端とを連結する第4のターン部とを有するパターンに折り曲げ成形され、上記巻線がpのピッチで2n本配列されて、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第2の直線部の一端部同士を連結する上記第1のターン部と上記第3および第4の直線部の一端部同士を連結する上記第3のターン部とが2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第3の直線部の他端部同士を連結する上記第2のターン部と上記第4および第1の直線部の他端部同士を連結する上記第4のターン部とが2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を備えたので、量産性に優れ、小型化が可能な固定子巻線を実現できる巻線アッセンブリが得られる。
【0076】
また、この発明によれば、直線状の素線を同一平面上にピッチpで平行に2n本配列する工程と、上記素線群を同一平面上で折り曲げることにより、長さl0の第1の直線部、この第1の直線部に長さl1の第1の傾斜部を介して連設され、該第1の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第2の直線部、この第2の直線部に長さl1の第2の傾斜部を介して連設され、該第2の直線部に対して上記素線の配列方向の他側にn・pだけシフトする長さl0の第3の直線部およびこの第3の直線部に長さl1の第3の傾斜部を介して連設され、該第3の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さlの第4の直線部からなる基本パターンを、長さl1より長い長さl2の第4の傾斜部により上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトさせて所定数繰り返す雷状パターンを形成する工程と、上記雷状パターンに形成された上記素線群を上記第1および第3の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第2の傾斜部により連結された上記第2および第3の直線部と、上記第4の傾斜部により連結された上記第1および第4の直線部とが、一面側と他面側とを交互に採るように螺旋状に巻回された扁平な筒状体を形成する工程と、上記第2の直線部と上記第3の直線部とが相対するように上記筒状体を上記第2および第4の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第3の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第4の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を形成する工程とを有するので、小型化が可能な固定子巻線を実現できる巻線アッセンブリを優れた量産性で製造することができる巻線アッセンブリの製造方法が得られる。
【0077】
また、この発明によれば、直線状の素線を同一平面上にピッチpで平行に2n本配列する工程と、上記素線群を同一平面上で折り曲げることにより、長さl0の第1の直線部、この第1の直線部に長さl1の第1の傾斜部を介して連設され、該第1の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第2の直線部、この第2の直線部に長さl1の第2の傾斜部を介して連設され、該第2の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第3の直線部およびこの第3の直線部に長さl1の第3の傾斜部を介して連設され、該第3の直線部に対して上記素線の配列方向の他側にn・pだけシフトする長さlの第4の直線部からなる基本パターンを、長さl1より長い長さl2の第4の傾斜部により上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトさせて所定数繰り返す雷状パターンを形成する工程と、上記雷状パターンに形成された上記素線群を上記第1および第3の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第2の傾斜部により連結された上記第2および第3の直線部と、上記第4の傾斜部により連結された上記第1および第4の直線部とが、一面側と他面側とを交互に採るように螺旋状に巻回された扁平な筒状体を形成する工程と、上記第2の直線部と上記第3の直線部とが相対するように上記筒状体を上記第2および第4の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第3の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第4の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を形成する工程とを有するので、小型化が可能な固定子巻線を実現できる巻線アッセンブリを優れた量産性で製造することができる巻線アッセンブリの製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る交流発電機の構成を示す断面図である。
【図2】 この交流発電機の固定子をリヤ側から見た斜視図である。
【図3】 この交流発電機の固定子をフロント側から見た斜視図である。
【図4】 この交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するリヤ側正面図である。
【図5】 この交流発電機の回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する工程図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する工程図である。
【図8】 この発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する工程図である。
【図9】 この発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する工程図である。
【図10】 この発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子に適用される巻線アッセンブリを示す平面図である。
【図11】 この発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子の製造方法を説明する工程図である。
【図12】 この発明の実施の形態1に係る交流発電機の固定子の製造方法を説明する工程図である。
【図13】 比較例の交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するリヤ側正面図である。
【図14】 この発明の実施の形態2に係る交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するフロント側正面図である。
【図15】 この交流発電機の固定子をリヤ側から見た斜視図である。
【図16】 この交流発電機の固定子をフロント側から見た斜視図である。
【図17】 この発明の実施の形態3に係る交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するリヤ側正面図である。
【図18】 この交流発電機の固定子をリヤ側から見た斜視図である。
【図19】 この交流発電機の固定子をフロント側から見た斜視図である。
【図20】 この発明の実施の形態3に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する工程図である。
【図21】 この発明の実施の形態3に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する工程図である。
【図22】 この発明の実施の形態3に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する工程図である。
【図23】 この発明の実施の形態3に係る交流発電機の固定子に適用される巻線アッセンブリを示す平面図である。
【図24】 この発明の実施の形態4に係る交流発電機の固定子をリヤ側から見た斜視図である。
【図25】 この発明の実施の形態4に係る交流発電機の固定子をフロント側から見た斜視図である。
【図26】 この発明の実施の形態4に係る交流発電機の固定子の製造方法における巻線アッセンブリの形成工程を説明する図である。
【図27】 従来の交流発電機の固定子巻線の要部をフロント側から見た斜視図である。
【図28】 従来の交流発電機の固定子巻線の要部をリヤ側から見た斜視図である。
【図29】 従来の交流発電機の固定子巻線に適用される導体セグメントの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フロントブラケット、2 リヤブラケット、7 回転子、8、8A、8B、8C 固定子、15 固定子鉄心、15a スロット、16、16A、16B、16C 固定子巻線、30 素線、30a 第1の直線部、30b 第2の直線部、30c 第3の直線部、30d 第4の直線部、30e 第1の傾斜部、30f 第2の傾斜部、30g 第3の傾斜部、30h 第4の傾斜部、31 第1巻線、32 第2巻線、40、40B、40C 筒状体、41、41B、41C 巻線アッセンブリ。
Claims (10)
- 軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、
上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる巻線を有し、
上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、軸方向に2層となって、周方向に配列され、
所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第1層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第4層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されていることを特徴とする交流発電機。 - 上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、
上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、
所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層および上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の両端部が接合されて1本の巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第3層および上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の両端部が接合されてもう1本の巻線を構成し、
所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記一方の素線と、上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記他方の素線とが渡り結線されて上記2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側に延出する上記他方の素線と、上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側に延出する上記一方の素線とが上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成していることを特徴とする請求項1記載の交流発電機。 - 上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、
上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、
所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の端部が上記他方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の端部に接合され、かつ、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記他方の素線の端部が上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する上記一方の素線の端部に接合されて、2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、
所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第3層および上記他方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記他方の素線が上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成していることを特徴とする請求項1記載の交流発電機。 - 軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、
上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる巻線を有し、
上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、軸方向に2層となって、周方向に配列され、
所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第2層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第4層に収納され、一方のスロット内の上記第2層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第3層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されていることを特徴とする交流発電機。 - 上記素線は、所定スロット数離れて配列されているスロット群よりなる各スロット組に2本ずつ巻装され、
上記各スロット組に巻装されている2本の上記素線は、
所定スロット数離れて対をなす一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第4層および上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する一方の素線の両端部が接合されて1本の巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第2層および上記他方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の他端面側のスロット外に延出する他方の素線の両端部が接合されてもう1本の巻線を構成し、
所定スロット数離れて対をなす他の一つの上記スロット対において、上記一方のスロット内の上記第3層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記他方の素線と、上記他方のスロット内の上記第1層から上記固定子鉄心の一端面側のスロット外に延出する上記一方の素線とが渡り結線されて上記2本の巻線が直列に接続された1相分の固定子巻線を構成し、上記一方のスロット内の上記第2層から上記固定子鉄心の一端面側に延出する上記一方の素線と、上記他方のスロット内の上記第4層から上記固定子鉄心の一端面側に延出する上記他方の素線とが上記1相分の固定子巻線の中性点および口出し線を構成していることを特徴とする請求項4記載の交流発電機。 - 軸方向に延びるスロットが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、上記固定子鉄心の内周側に配置され、回転周方向に沿ってNS極を形成する回転子とを備えた交流発電機において、
上記固定子巻線は、連続線からなる素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採り、かつ、周回当たり2ターンの重ね巻きとなるように巻装されてなる巻線を 有し、
上記巻線を構成する上記素線は、上記スロットのそれぞれに、スロット深さ方向に第1層、第2層、第3層および第4層を採るように4本並んで収納され、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に2列となって、周方向に配列され、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて形成される上記素線のターン部が、径方向に1列となって、周方向に配列され、
所定スロット数離れて対をなす各スロット対において、一方のスロット内の上記第1層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の一端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第3層に収納され、一方のスロット内の上記第4層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第2層に収納され、一方のスロット内の上記第3層に収納されている上記素線が、上記固定子鉄心の他端面側の上記スロット外で折り返されて、他方のスロット内の上記第1層に収納されていることを特徴とする交流発電機。 - 巻線は、連続線からなる1本の素線を、2n・pのピッチで配列された第1の直線部と、上記第1の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第2の直線部と、上記第2の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第2の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第3の直線部と、上記第3の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第3の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第4の直線部と、上記第1の直線部の一端と該第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第2の直線部の一端とを連結する第1のターン部と、上記第2の直線部の他端と該第2の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトしている上記第3の直線部の他端とを連結する第2のターン部と、上記第3の直線部の一端と該第3の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第4の直線部の一端とを連結する第3のターン部と、上記第4の直線部の他端と該第4の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第1の直線部の他端とを連結する第4のターン部とを有するパターンに折り曲げ成形され、
上記巻線がpのピッチで2n本配列されて、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第2の直線部の一端部同士を連結する上記第1のターン部と上記第3および第4の直線部の一端部同士を連結する上記第3のターン部とが2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第3の直線部の他端部同士を連結する上記第2のターン部と上記第4および第1の直線部の他端部同士を連結する上記第4のターン部とが2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を備えたことを特徴とする交流発電機の巻線アッセンブリ。 - 巻線は、連続線からなる1本の素線を、2n・pのピッチで配列された第1の直線部と、上記第1の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第2の直線部と、上記第2の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第2の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第3の直線部と、上記第3の直線部の幅方向の一側にw分シフトし、かつ、上記第3の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトして2n・pのピッチで配列された第4の直線部と、上記第1の直線部の一端と該第1の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第2の直線部の一端とを連結する第1のターン部と、上記第2の直線部の他端と該第2の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第3の直線部の他端とを連結する第2のターン部と、上記第3の直線部の一端と該第3の直線部の配列方向の後方にn・p分シフトしている上記第4の直線部の一端とを連結する第3のターン部と、上記第4の直線部の他端と該第4の直線部の配列方向の前方にn・p分シフトしている上記第1の直線部の他端とを連結する第4のターン部とを有するパターンに折り曲げ成形され、
上記巻線がpのピッチで2n本配列されて、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第2の直線部の一端部同士を連結する上記第1のターン部と上記第3および第4の直線部の一端部同士を連結する上記第3のターン部とが2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第3の直線部の他端部同士を連結する上記第2のターン部と上記第4および第1の直線部の他端部同士を連結する上記第4のターン部とが2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を備えたことを特徴とする交流発電機の巻線アッセンブリ。 - 直線状の素線を同一平面上にピッチpで平行に2n本配列する工程と、
上記素線群を同一平面上で折り曲げることにより、長さl0の第1の直線部、この第1の直線部に長さl1の第1の傾斜部を介して連設され、該第1の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第2の直線部、この第2の直線部に長さl1の第2の傾斜部を介して連設され、該第2の直線部に対して上記素線の配列方向の他側にn・pだけシフトする長さl0の第3の直線部およびこの第3の直線部に長さl1の第3の傾斜部を介して連設され、該第3の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さlの第4の直線部からなる基本パターンを、長さl1より長い長さl2の第4の傾斜部により上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトさせて所定数繰り返す雷状パターンを形成する工程と、
上記雷状パターンに形成された上記素線群を上記第1および第3の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第2の傾斜部により連結された上記第2および第3の直線部と、上記第4の傾斜部により連結された上記第1および第4の直線部とが、一面側と他面側とを交互に採るように螺旋状に巻回された扁平な筒状体を形成する工程と、
上記第2の直線部と上記第3の直線部とが相対するように上記筒状体を上記第2および第4の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第3の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第4の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を形成する工程
とを有することを特徴とする交流発電機の巻線アッセンブリの製造方法。 - 直線状の素線を同一平面上にピッチpで平行に2n本配列する工程と、
上記素線群を同一平面上で折り曲げることにより、長さl0の第1の直線部、この第1の直線部に長さl1の第1の傾斜部を介して連設され、該第1の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第2の直線部、この第2の直線部に長さl1の第2の傾斜部を介して連設され、該第2の直線部に対して上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトする長さl0の第3の直線部およびこの第3の直線部に長さl1の第3の傾斜部を介して連設され、該第3の直線部に対して上記素線の配列方向の他側にn・pだけシフトする長さlの第4の直線部からなる基本パターンを、長さl1より長い長さl2の第4の傾斜部により上記素線の配列方向の一側にn・pだけシフトさせて所定数繰り返す雷状パターンを形成する工程と、
上記雷状パターンに形成された上記素線群を上記第1および第3の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第2の傾斜部により連結された上記第2および第3の直線部と、上記第4の傾斜部により連結された上記第1および第4の直線部とが、一面側と他面側とを交互に採るように螺旋状に巻回された扁平な筒状体を形成する工程と、
上記第2の直線部と上記第3の直線部とが相対するように上記筒状体を上記第2および第4の傾斜部の中央部で同一方向に折り返すことにより、上記第1乃至第4の直線部が4層となってピッチpで平行に配列され、上記第1および第3の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2列となってピッチpで平行に配列され、かつ、上記第2および第4の傾斜部を折り返して形成される上記素線のターン部が2層となってピッチpで平行に配列された巻線群を形成する工程
とを有することを特徴とする交流発電機の巻線アッセンブリの製造方法。
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