JPS631433B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車のフードロツク装置のボーデン
ケーブル連結構造に関する。

自動車のエンジンルーム内にはエンジンの他に
重要な保安部品が搭載されているため、フードロ
ツク装置は車室内側からの遠隔操作以外ではロツ
ク解除が行われないようにすることが必要であ
る。そこで一般には例えば第１図に示すようにエ
ンジンフードＦが前開きタイプのものにあつて
は、フード前端の裏面中央部にストライカ２を配
設する一方、車体Ｂ側の前記ストライカ２と対峙
する部位に該ストライカ２と係脱するフードロツ
ク装置１を配設し、そして、このフードロツク装
置１と図外の車室内インストルメントパネル近傍
に配したオープンレバーとの間をボーデンケーブ
ル３で連結して、オープンレバーの操作により該
ボーデンケーブル３を牽引してフードロツク装置
１のロツク解除を行うようになつている。

前記フードロツク装置１とボーデンケーブル３
との連結には通常第２，３図に示す如き構造が採
られている。図中４はフードロツク装置１のベー
スプレートで、該ベースプレート４にストライカ
２と係脱するラツチ５と、該ラツチ５と係脱する
ロツキングレバー６とをピン５ａ，６ａにより枢
着してある。これらラツチ５とロツキングプレー
ト６の下端部にはセツトスプリング７を張設して
ラツチ５に第２図反時計方向の回動力をおよびロ
ツキングレバー６に時計方向の回動力を付勢して
いる。そして、このベースプレート４は左右側壁
４ａから曲折成形した取付部４ｂ部分で車体側パ
ネル材、例えばラジエータコアサポートＲに取り
つけられたロツクブラケツト８にボルト・ナツト
９固定してある。ボーデンケーブル３は樹脂等の
可撓性材料からなるアウタチユーブ１０と、該ア
ウタチユーブ１０内に挿通したインナワイヤ１１
とからなり、前記アウタチユーブ１０の端末部に
は環状溝１３ａを形成した樹脂製のホルダ１３を
嵌着し、該環状溝１３ａを前記ベースプレート４
の一側壁４ａの下縁に開口１２ａする切欠部１２
に嵌合してホルダ１３を固定し、インナワイヤ１
１の端末をロツキングレバー６の下部自由端に連
結して取付けてある。

即ち、この従来の構造にあつてはベースプレー
ト４をロツクブラケツト８にボルト・ナツト９固
定した後に、ボーデンケーブル３を前述の要領で
連結するものである。

ところが、かかる従来の構造では、ボーデンケ
ーブル３のアウタチユーブ３端末部のホルダ１３
が嵌合する切欠部１２の開口１２ａをベースプレ
ート側壁４ａの下縁に設定してあるため、該ボー
デンケーブル３のフードロツク装置１との連結部
近傍に下向きに外力が作用すると、開口１２ａの
一側に抜止め用の突縁部１２ｂを設けてあつて
も、ホルダ１３が該突縁部１２ｂを乗り越えて開
口１２ａより抜け出てインナワイヤ１１がロツク
解除方向に牽引され、ロツキングレバー６を作動
してラツチ５との係合、即ち、ロツクが解除して
しまう問題があつた。

本発明はかかる従来の問題点に鑑み、ボーデン
ケーブルのフードロツク装置との連結部近傍に外
力が作用しても、アウタチユーブ端末部のベース
プレート切欠部からの離脱を阻止して不用意なロ
ツク解除を防止することのできるボーデンケーブ
ル連結構造を提供することを目的とするものであ
る。

前記目的を達成するため、本発明にあつてはボ
ーデンケーブルのアウタチユーブ端末部を嵌合固
定するベースプレート側壁の切欠部の開口を、該
ベースプレートを車体側パネル材に固定した状態
で該車体側パネル材により閉塞される部位に設定
して、前記アウタチユーブ端末部を切欠部に嵌合
してベースプレートを一旦車体側パネル材に固定
した後は、ボーデンケーブルの連結部近傍に外力
が作用してもアウタチユーブ端末部が切欠部の開
口より全く抜け出ることのないようにしてある。

以下、本発明の実施例を図面と共に前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

即ち、本発明にあつては第４図に示すように、
フードロツク装置１のベースプレート４の側壁４
ａに切欠部１２を形成して、この切欠部１２にボ
ーデンケーブル３のアウタチユーブ１０の端末部
に固定したホルダ１３をその外周の環状溝１３ａ
を嵌合して固定する一方、該アウタチユーブ１０
内に挿通したインナワイヤ１１の端末をラツチ５
と係脱するロツキングレバー６の下側自由端に連
結する構造にあつて、前記切欠部１２の開口１２
ａをベースプレート４を車体側パネル材、例えば
ロツクブラケツト８に取付けた状態で該ロツクブ
ラケツト８により閉塞される部位、つまり、ベー
スプレート４の取付部４ｂを曲折成形した前縁に
設定してある。

従つて、ボーデンケーブル３はベースプレート
４をロツクブラケツト８に固定する以前で、その
アウタチユーブ１０端末部のホルダ１３の環状溝
１３ａを前記開口１２ａより切欠部１２に挿し込
んで嵌合し、インナワイヤ１１端末をロツキング
レバー６に連結してサブアツセンブリしておき、
そして、このベースプレート４を取付部４ｂ部分
でロツクブラケツト８にボルト・ナツト９固定す
れば、前記開口１２ａはこのロツクブラケツト８
により閉塞されるため、ボーデンケーブル３のロ
ツク装置１との連結部近傍にあらゆる方向から外
力が作用しても、アウタチユーブ１０端末部のホ
ルダ１３が切欠部１２の開口１２ａより抜け出る
ことはない。また、前記開口１２ａは第５図に示
すようにアウタチユーブ１０端末部のホルダ１３
を嵌合、定置する切欠部１２の止端部１２ｃと上
下方向にオフセツトさせてボーデンケーブル３に
下向きに作用する外力によつて前記アウタチユー
ブ１０端末部のホルダ１３が開口１２ａ方向に簡
単にずれ動かないようにすればより効果的であ
る。なお、開口１２ａの設定位置が図示するよう
に側壁４ａの下端隅部となつてラジエータユアサ
ポート８面から稍々離間する時は、該ラジエータ
ユアサポート８の下縁を曲折して開口１２ａを閉
塞するようにすれば良い。

以上、エンジンフードＦが前開きタイプのもの
について詳述したが、エンジンフードＦが後開き
タイプのものにも同様に適用でき、この場合、切
欠部の開口をベースプレートが取付くカウルトツ
プによつて閉塞される部位に設定する。

なお、場合によつてフードロツク装置の他、車
室内側からボーデンケーブルを介して遠隔操作に
よりロツク解除されるトランクロツク装置にも適
用することが可能である。

以上のように本発明によれば、ボーデンケーブ
ルのフードロツク装置との連結部近傍に外力が作
用しても、該ボーデンケーブルのアウタチユーブ
端末がロツク装置のベースプレートに形成した切
欠部の開口より全く抜け出ることがなく、従つ
て、インナワイヤが車室内側からの遠隔操作以外
ではロツク解除方向に牽引されることはなく、従
つて、フードロツク装置が車外側から不当にロツ
ク解除されてエンジンルーム内の機能部品が盗難
にあつたり、悪戯されるのを確実に防止すること
ができるという実用上大なる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はフードロツク装置の取付状態を示す斜
視図、第２図はフードロツク装置とボーデンケー
ブルとの関係を示す正面図、第３図は従来の構造
を示す側面図、第４図は本発明の構造を示す側面
図、第５図は本発明の異なる例を示す側面図であ
る。 １……フードロツク装置、２……ストライカ、
３……ボーデンケーブル、４……ベースプレー
ト、４ａ……側壁、５……ラツチ、６……ロツキ
ングレバー、８……車体側パネル材（ロツクブラ
ケツト）、１０……アウタチユーブ、１１……イ
ンナワイヤ、１２……切欠部、１２ａ……開口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体側パネル材に固定したフードロツク装置
   のベースプレートの側壁に、その一側縁に開口す
   る切欠部を形成し、この切欠部にボーデンケーブ
   ルのアウタチユーブ端末を嵌合、固定すると共
   に、該アウタチユーブ内に挿通したインナワイヤ
   の端末をラツチと係脱するロツキングレバーに連
   結した構造であつて、前記ベースプレート側壁の
   切欠部の開口を、該ベースプレートを車体側パネ
   ル材に固定した状態で該車体側パネル材により閉
   塞される部位に設定したことを特徴とするフード
   ロツク装置のボーデンケーブル連結構造。