JPS6033263Y2 - 自動車用ドアロツクの施錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用ドアロックの施錠装置、特に、キー
シリンダとドアロックとの連結構造に関する。

従来の自動車用ドアロックの施錠装置は、第１図及び第
２図に示すように、キーシリンダ本体ａの内端に枢設さ
れ、かつキーシリンダ本体ａ内に設けたロータｂととも
に回動するようにしたキーレバーＣの遊端に、ロッドｄ
の一端を連結し、かつロッドｄの他端を、ドアロックｅ
の施解錠レバーｆの道端に連結し、キーｇによりロータ
ｂを回動させることによって、キーレバーＣ及びロッド
ｄを介して、施解錠レバーｆを第１図に実線で示す施錠
位置としたり、第１図に想像線で示す解錠位置とするよ
うにしたものが一般的である。

しかし、このような従来の構成では、施錠時に、キー穴
にドライバー等を差し込み、キーシリンダ本体ａととも
にその周囲のドアパネルｈを、第１図に想像線で示すよ
うに変形させ、キーレバーＣを上方に持ち上げてロッド
ｄを引き上げることにより、施解錠レバーｆを解錠位置
に移動させて開扉することが可能であり、この種の機構
についである程度の知識を有する者により、簡単に錠を
破られて盗難に合う恐れがある。

また、事故時等にドアパネルｈが変形し、ドアパネルｈ
がロッドｄに当接して、ロッドｄが上下動不能となり、
それにより開扉不能となって、車内からの脱出が不可能
となるという恐れもなる。

本考案は、このような盗難の恐れや事故時に、開扉不能
となるのを防止することを目的としてなされたもので、
キーシリンダとドアロックの施解錠レバーとを、中間を
撓ませたアウターケース内へ挿通したインナーケーブル
をもって連結したことを特徴とするものである。

以下本考案を、第３図及び第４図に示す実施例に基づい
て説明する。

１はドアパネルで、そのアウターパネルの適所には、ド
アの内外方向を向く円筒形のキーシリンダ本体２が、そ
の外端を外部に露出させて固着されている。

キーシリンダ本体２内には、ロータ３が設けられ、この
ロータ３は、キーシリンダ本体２の外端面に穿設された
キー穴（図示略）にキー４を差し込んで、回動させるこ
とができる。

キーシリンダ本体２の内端には、半径方向に突出するキ
ーレバー５が回動自在に設けられ、このキーレバー５は
、ロータ３の内端周縁に形成された弧状の切欠部６と、
それに対向してキーレバー５側に形成された突起７との
係合により、ロータ３を正逆回動させることによって、
第４図に実線で示す施錠位置と、同じく想像線で示す解
錠位置とに移動可能である。

キーレバー５の遊端下縁には、折曲片８が上方に巻き込
むように折曲形成され、この折曲片８には、ワイヤー等
によりなる可撓性を有するインナーケーブル９の上端に
固着されたピン１０が抱持されている。

インナーケーブル９は、下方に延びる可撓性のアウター
ケース１１内に挿通されている。

アウターケース１１の上端は、キーシリンダ本体２の内
端に固着されたＬ字状のブラケット１２に固着され、か
つ、アウターケース１１の中間は、側方に若干撓曲され
ている。

また、アウターケース１１の下端は、ドアの道端内面に
配設されたドアロック１３における基板１４の要所に形
成した突片１５に固着されている。

アウターケース１１の下端より突出するインナーケーブ
ル９の下端は、水平段状に折曲され、この水平段状折曲
部９ａは、施解錠レバー１６の遊端に係止されている。

“施解錠レバー１６１ま、軸１７をもって基板１
４に枢着され、第３図に実線で示す施錠位置にあるとき
は、ドアロック、１２を施錠状態とし、インサイドバン
ドルやアウトサイドバンドル（いずれも図示略）をいく
ら操作しても、開扉できないようにすることができ、か
つ第３図に想像線で示す解錠位置にあるときは、ドア６
ツク１３を解錠状態として、インサイドバンドル又はア
ウトサイドバンドルのいずれか一方を操作することによ
り、開扉することができるようにな・つている。

なお、ドアロック１３のその他の構成については、本考
案に直接関係しないため、その図示及び詳細な説明は省
略する。

かくして、キー穴にキー４を差し込み、ロータ３を正逆
回動させて、キーレバー５を施錠位置又は解錠位置とす
ると、インナーケーブル９をもってキーレバー５に連係
された施解錠レバー１６も、それに連動して施錠位置又
は解錠位置に位置し、ドアロック１３を施錠状態又は解
錠状態とすることができる。

本考案の装置は上述のような構成としであるので、施錠
時に、キー穴にドライバー等を差し込んで、キーシリン
ダ本体２及びドアパネル１を、従来例について説明した
ように変形させても、キーシリンダ本体２とキーレバー
５との相互関係は全く変化せず、単にアウターケース１
１の中間の撓み量が若干減少するだけであるので、施解
錠レバー１６を解錠位置とすることはできない。

また、事故時にドアパネル１が変形して内方に突出して
も、アウターケース１１がドアパネル１の変形部になら
って撓むだけで、その内部のインナーケーブル９の作動
は阻害されることはなく、正常に作動することができる
。

したがって、本考案によると、盗難を防止することがで
きるとともに、事故時に開扉不能となるようなこともな
く、実用上の便益が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の施錠装置を備えるドアの一例を示す縦
断面図、第２図は同じくキーシリンダ部分の右側面図、
第３図は、本考案の一実施例を示す要部の縦断面図、第
４図は、第３図のＸ−Ｘ線断面図である。 １・・・・・・ドアパネル、２・・・・・・キーシリン
ダ本体、３・・・・・・ロータ、５・・・・・・キーレ
バー、９・・・・・・インナーケーブル、１１・・・・
・・アウターケース、１２・・・・・・ブラケット、１
３・・・・・・ドアロック、１４・・・・・・基板、１
５・・・・・・突片、１６・・・・・・施解錠レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間を撓曲させた可撓性のアウターケースの一端をキー
   シリンダ本体に固着されたブラケットに、かつその他端
   をドアロックの基板にそれぞれ固定するとともに、前記
   アウターケース内に挿通させたインナーケーブルの前記
   アウターケースより突出する一端を、前記キーシリンダ
   本体に回動自在に支持されたキーレバーに、かつその他
   端をドアロックの施解錠レバーにそれぞれ止着したこと
   を特徴とする自動車用ドアロックの施錠装置。