JPS6311317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、過給機付機関のEGR装置に関する
ものである。

上記過給機とは、機関から排出される排気をも
つてタービンを回転させ、それに直結されている
コンプレツサを駆動して加圧吸気を機関に供給せ
んとするものである。そしてこの機関が高速回転
してタービンが勢い良く回動し、コンプレツサが
設定値以上に吸気を加圧すると、機関の許容最大
爆発圧力を越えてしまうことになりかねないこと
から、安全対策として、この様な状況下にて排気
ガスの一部をタービンに供給することなく放出す
る排気バイパス装置がしばしばこれに組み合せら
れる。

また前記EGR装置とは、排気ガスの一部を機
関の吸気系に還流（EGR）させて有害排気ガス
成分であるNOxの生成を抑制せんとするもので
ある。

このEGR装置を上記機関に組み合せる場合、
いくつかの問題点が生ずる。

それは、前記排気バイパス装置が働いた場合に
排圧よりブースト圧が高くなつてEGRが達成で
きなくなつてしまうと言う問題であり、また、デ
イーゼル機関ではその低速回転時に於ける排圧と
ブースト圧との差は殆んどない故、何等かの手段
を講じて排圧の上昇を図らねばEGRが成し得ず、
この場合単に排気系を閉塞させて該排圧を上げん
とすると排気ブレーキと同様な作用を誘発して出
力的に好ましかざる結果となつてしまうと言う問
題である。

そこで、本考案はこれらの問題点を解消するた
めになされたものであり、排気バイパス装置を取
付けた過給機付機関に於いてあらゆる条件下で確
実なEGRが成し得る様にすることを目的とした
ものである。

即ち本考案は、タービン及びコンプレツサから
なる過給機を設けた機関からそのタービン入口へ
の排気ダクトを２つのダクト部に分割独立させて
形成すると共に、その一方のダクト部に機関の吸
気ダクトと連通可能なEGRパイプにて連結する
ことにより構成し、更にそのEGRパイプを取付
けた一方のダクト部内の、そのEGRパイプ取付
部より下流側に、排気ガス圧力に応じて開閉する
絞り弁を配設することより成つている。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する
に、図に示す本考案の実施例におけるデイーゼル
機関の概略平面図では、機関１に装備された過給
機Ｔはタービン６及びコンプレツサ７を同軸上に
有しており、また機関１の気筒１−１，１−２，
１−３からの排気ガスＥを集合し導出する排気ダ
クト２ａと、気筒１−４，１−５，１−６からの
排気ガスＥを集合し導出する排気ダクト２ｂとを
分割独立させて形成するように、２つの排気ダク
ト２ａ，２ｂの間に仕切壁２ｃを設けて排気干渉
を防止している。

これら２つの排気ダクト２ａ，２ｂからタービ
ン６入口に導入された排気ガスＥによりタービン
６を駆動し、膨張した排気ガスＥはタービン出口
９より放出される。

また、タービン６の駆動により同軸上にあるコ
ンプレツサ７が回転し、エアクリーナ１１を経由
してコンプレツサ入口１０から導入された空気Ａ
を圧縮し、吸気ダクト３を経由して加圧した空気
Ａとして機関１の各気筒１−１，１−２，１−
３，１−４，１−５，１−６へ分配する様になつ
ている。

更にこの実施例では、上記２つの排気ダクト２
ａ，２ｂのうちの一方、即ち排気ダクト２ｂにタ
ービン６をバイパスしてタービン出口９に連通し
うる排気バイパス路８を設けると共に、その間に
制御弁１２を配設しており、吸気ダクト３におけ
るブースト圧が設定値以上となつた時、アクチユ
エータ１３が応動して、上記制御弁１２を開放
し、排気ガスＥをバイパスさせるようにした前記
安全対策としての排気バイパス装置Ｂが組み合せ
られている。

また、他方の排気ダクト２ａと吸気ダクト３と
の間に、EGRバルブ４を有するEGRパイプ５を
配設し、EGRを行なわせうるようにしている。

加えて、上記EGRパイプ５を配設した排気ダ
クト２ａ内の、そのEGRパイプ５の取付部より
下流側に絞り弁１４を配しており、その絞り弁１
４の上流側のダクト内の排圧に応動して作動する
アクチユエータ１５により該絞り弁１４を開閉す
るようにしてあり、排気ダクト２ａ内の排気ガス
Ｅの排圧が低い時には、アクチユエータ１５のス
プリング１５ａの力で絞り弁１４が閉じ、またそ
の排圧が大きくなるとダイヤフラム１５ｂがスプ
リング１５ａの力にうち勝つて絞り弁１４を開
き、排気ダクト２ａ内の排気ガスＥの排圧を一定
に保つことができる様になつている。

以上の如く構成した本考案機関にあつては、排
気バイパス装置Ｂを備えた排気ダクト２ｂと
EGRパイプ５が連接された排気ダクト２ａとは
互いに独立せしめられているから、吸気ダクト３
内のブースト圧が上昇して排気バイパス路８の制
御弁１２が開放されても、タービン出口９へ短絡
放出されるのはダクト２ｂ内の排気ガスのみであ
つて他方の排気ダクト２ａ内の排圧は降下しな
い。従つてこの状態にあつてもブースト圧より排
圧を高く保つてEGRを可能とする。また機関１
が低速回転していて十分なる排圧が発生していな
い状況にあつてはアクチユエータ１５が働いてダ
クト２ａ内の絞り弁１４を閉じ、適正に排圧を上
昇させEGRを可能とする。そしてこの場合、排
圧が上昇するのは一方のダクト２ａのみであつて
機関全体の排圧が上昇する訳でない故、出力性能
面に於けるマイナスは最少限にすることができる
のである。

この様に、本考案によれば機関の低速回転時や
排気バイパス装置の働いている状態でも確実に
EGRを成すことができ、その排気ガス中の窒素
酸化物の減少をはかる上で極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

本考案の一実施例を示す排気バイパス装置及び
EGR装置を設けた過給機付機関の概略平面図で
ある。 １……機関、２，２ａ，２ｂ……排気ダクト、
３……吸気ダクト、４……EGRバルブ、５……
EGRパイプ、６……コンプレツサ、７……ター
ビン、８……排気バイパス路、９……タービン出
口、１２……制御弁、１３……アクチユエータ、
１４……絞り弁、１５……アクチユエータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タービン及びコンプレツサからなる過給機を有
   する機関において、該機関からタービンの入口に
   連なる排気ダクトの一部あるいは全長にわたつて
   仕切を設けてこれを２つに分割独立させたダクト
   部を形成すると共に、その一方のダクト部に該機
   関の吸気ダクトと連通可能なEGRパイプを連結
   し、更に該パイプの取付部より下流の該ダクト部
   に、排気ガス圧力に応じて開閉する絞り弁を配設
   したことを特徴とする過給機付機関のEGR装置。