JPS6027776Y2 - 過給機付エンジンの二次空気供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、排気ターボ過給機を備えたエンジンの二次空
気供給装置に関するものである。

（従来の技術） 従来より、エンジンの排気通路に介装されたタービンに
より吸気通路に介装されたブロアを駆動して吸気過給す
る排気ターボ過給機を備えて、エンジンの出力の向上を
図るようにすることは知られている（例えば特開昭５５
−７２６２７号公報参照）。

また、従来、排気ガスの脈動を利用し、排気脈動の正圧
で閉じ負圧で開くリードバルブ等の逆止弁を、一端が大
気に開放された二次空気供給通路に介設し、該二次空気
供給通路の他端を触媒装置等の排気ガス浄化装置を介設
した排気通路に開口して、二次空気の供給により浄化性
能の向上を図るようにした二次空気供給装置も知らてい
る）例えば実開昭５３−８３９１５号公報参照）。

ところで、上記のような逆止弁式の二次空気供給装置を
上記排気ターボ過給機付エンジンに適用する場合、二次
空気供給通路をタービン下流の排気通路に開口すると、
該タービン下流の排気通路では排気脈動が弱められるた
め、リードバルブ等の逆止弁が十分に開作動せず、二次
空気の供給が十分に行われないことになる。

一方、上記二次空気供給通路をタービン上流の排気通路
に開口すると、該タービン上流の排気通路では排圧が全
体として高くなるため、排気脈動の負圧部分が実質的に
なくなり、二次空気の供給が行えなくなるといった問題
があった。

そのため、このような排気ターボ過給機付エンジンにお
ける逆止弁式の二次空気供給装置として、従来、特開昭
５５−９３９１９号公報に開示されるように、逆止弁を
備えた二次空気供給通路を、タービンにおける羽根車の
排出側外周部に臨む部位に開口させることにより、ター
ビンの羽根裏側に生じる断続的な負圧を拾って逆止弁を
開作動させ、二次空気を吸引するようにしたものが提案
されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかるに、上記提案のものでは、タービンの羽根裏側に
生じる断続的な負圧を利用するものであるので、タービ
ンの羽根が多数設けられている関係上、タービンが高速
回転すると、単位時間当りの負圧と正圧との繰返しが多
くなり、その結果、逆止弁の開閉作動が追従できなくな
り、二次空気の吸引がなされなくなる恐れがある。

また、エンジンのアイドリング時のような低回転時には
、タービンはほとんど回転しないため、負圧の発生がほ
とんどなくなり、二次空気がほとんど吸引されないとい
う問題もある。

本考案はかかる点に鑑み、上記のような排気ターボ過給
機付エンジンにおいてはタービンの出口直下流であって
該タービンの軸延長線上近傍は常に負圧が発生すること
に着目腰この部位の排気通路に、逆止弁を介して大気に
連通ずる二次空気供給通路を開口させることにより、上
記負圧作用により逆止弁を開作動させて、二次空気の供
給をエンジンの低速から高速に亘る全運転域で十分に行
い得るようにした過給機付エンジンの二次空気供給通路
を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本考案の解決手段は、排気
通路に介装されたタービンにより吸気通路に介装された
ブロアを駆動して吸気過給する排気ターボ過給機を備え
る一方、上記排気通路に逆止弁を介して大気に連通ずる
二次空気供給通路を開口してなる過給機付エンジンの二
次空気供給装置において、上記二次空気供給通路を上記
タービンの出口直下流であって該タービンの軸延長線上
近傍に開口させる構成としたものである。

（作 用） 上記の構成により、本考案では、タービンの回転時には
タービンの出口直下流に生じる旋回流によってタービン
の軸延長線上近傍に常に負圧が発生するので、この負圧
作用により逆止弁が開作動して二次空気が吸引されるこ
とになる。

しかも、タービンの高回転時（エンジンの高速時）には
大きな負圧が発生して逆止弁を大きく開き、多量の二次
空気が吸引される。

また、タービンがほとんど回転しないエンジンの低速時
には、タービンの羽根が旋回流を生じさせるような形状
であることから、該タービンの羽根の間を流通する排気
ガスが旋回流となってタービン下流に流れ、この旋回流
によりタービンの軸延長線上近傍には高速時の負圧圧よ
りは小さい負圧が発生するので、この負圧作用により逆
止弁が開いて二次空気が吸引されることになる。

よって、エンジンの低速から高速に亘る全運転域で二次
空気を吸引することが可能となる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

図面において、１はエンジン、２は吸気通路、３は排気
通路、４は排気通路３に介装されたタービン５と吸気通
路２に介装されたタービン５により駆動されるブロア６
とからなる吸気過給を行う排気ターボ過給機、７はター
ビン５下流の排気通路３に介設された触媒装置である。

一方、８は一端がエアクリーナ９又は大気に連通されて
二次空気を排気通路３に供給する二次空気供給通路であ
って、該二次空気供給通路８の途中にはリードバルブで
構成された逆止弁１０が介設されているとともに、該二
次空気供給通路８の他端８ａは上記タービン５の出口直
下流であって該タービン５の軸延長線上近傍の排気通路
３に開口されており、排気通路３からの排気ガスが二次
空気供給通路８を介して逆流するのを防止するとともに
、上記タービン５の出口直下流であって該タービン５の
軸延長線上近傍に発生する負圧により逆止弁１０を開作
動せしめて二次空気を排気通路３に吸引供給するように
構成されている。

尚、１１は吸気通路２のブロア６下流に設けたスロット
ル弁、１２は吸気通路２のブロア６上流に配設したエア
フロメー、１３はスロットル弁１１下流の吸気通路２に
設けられ、上記エアフロメータ１２の出力に応じた燃料
を吸気通路２に噴射する燃料噴射弁である。

したがって、上記実施例においては、一端が逆止弁１０
を介して大気に連通ずる二次空気供給通路８の他端８ａ
を、排気ターボ過給機４のタービン５の出口直下流であ
って該タービン５の軸延長線上近傍の排気通路３に開口
したことにより、上記タービン５の回転時、タービン５
の出口直下流で生じる旋回流によってこの旋回中心線近
傍、すなわちタービン５の軸延長線上近傍には常に負圧
が発生し、タービン５の高回転時には大きな負圧が発生
するので、この負圧が二次空気供給通路８に作用して、
逆止弁１０を開作動させることになり、二次空気供給通
路８から排気通路３に二次空気を十分に吸引供給し、タ
ービン高回転時には多量の二次空気を吸引することがで
き、触媒装置７等の排気ガス浄化性能の向上を図ること
ができる。

また、タービン５がほとんど回転しないエンジン１の低
速時にも、旋回流を生じさせるような形状をしたタービ
ン５の羽根の間を排気ガスが流通するため、この排気ガ
スは旋回流となってタービン５下流に流れ、この旋回流
によりタービン５の軸延長線上近傍には高速時の負圧よ
りは小さい負圧が発生するので、この負圧作用により逆
止弁１０を開いて二次空気を吸引することができる。

よって、エンジンの低速から高速に亘る全運転域で二次
空気の供給を行うことができる。

しかも、上記実施例では、エアポンプ等を要さずに、二
次空気供給通路８に逆止弁１０を設けるのみで二次空気
の供給を行うことができるので、構造の簡略化を図るこ
とができるとともにコストダウン化を図ることができる
。

（考案の効果） 以上の如く、本考案によれば、排気ターボ過給機を備え
る一方、排気通路に逆止弁を介して大気に連通ずる二次
空気供給通路を開口してなる過給機付エンジンの二次空
気供給通路において、上記二次空気供給通路をタービン
の出口直下流であって該タービンの軸延長線上近傍に開
口したことにより、排気ターボ過給機に対し簡単な構造
でもって二次空気の供給をエンジンの低速から高速に亘
る全運転域で十分に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を例示する全体概略構成図である
。 １・・・・・・エンジン、２・・・・・・吸気通路、３
・・・・・・排気通路、４・・・・・・排気ターボ過給
機、５・・・・・・タービン、６・・・・・・フロア、
７・・・・・・触媒装置、８・・・・・・二次空気供給
通路、１０・・・・・・逆止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排気通路に介装されたタービンにより吸気通路に介装さ
   れたブロアを駆動して吸気過給する排気ターボ過給機を
   備える一方、上記排気通路に逆止弁を介して大気に連通
   ずる二次空気供給通路を開口してなる過給機付エンジン
   の二次空気供給装置において、上記二次空気供給通路を
   上記タービンの出口直下流であって該タービンの軸延長
   線上近傍に開口させたことを特徴とする過給機付エンジ
   ンの二次空気供給装置。