JP2710951B2 - ターボ過給機付エンジンの排気系構造 - Google Patents

ターボ過給機付エンジンの排気系構造

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JP2710951B2 JP63130841A JP13084188A JP2710951B2 JP 2710951 B2 JP2710951 B2 JP 2710951B2 JP 63130841 A JP63130841 A JP 63130841A JP 13084188 A JP13084188 A JP 13084188A JP 2710951 B2 JP2710951 B2 JP 2710951B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エンジンの全運転域で作動する第1ターボ
過給機と、エンジンの特定運転域で作動する第2ターボ
過給機とを備えたターボ過給機付エンジンの制御装置に
関するものである。
〔従来の技術〕
従来、例えば特開昭62−10422号公報もしくは実開昭6
0−178329号公報に示されるように、多気筒エンジンに
複数のターボ過給機を装備し、例えば2つのターボ過給
機を装備して、、エンジン運転状態に応じ、一方のター
ボ過給機のみを作動させる状態と両方のターボ過給機を
ともに作動させる状態とに切替えるようにしたターボ過
給機付エンジンは知られている。
すなわち、この種のターボ過給機付エンジンでは、各
気筒の排気通路を2つのグループに分けて、各グループ
の排気通路を第1,第2の各ターボ過給機のタービンにそ
れぞれ接続するとともに、タービン上流で各グループの
排気通路を連通する連通路と第2ターボ過給機のタービ
ンに通じる排気通路を開閉する排気遮断弁とを設ける等
により、吸気および排気の流量が比較的少ない低速域で
は各気筒からの排気を第1ターボ過給機のタービンに集
中的に供給し、上記流量が多い高速域では両ターボ過給
機のタービンに排気を分散供給するようにしている。こ
のような構造によると、低速域での過給効率および応答
性を高めるとともに、高速域での過給量を確保すること
ができる。
また、例えば特開昭59−145329号公報に示すように、
上記第1ターボ過給機のみが作動する運転状態から第1,
第2ターボ過給機の両方が作動する運転状態に移行する
際に、予回転手段によって上記第2ターボ過給機を予め
回転させることにより、上記運転状態の切換時に切換シ
ョックが発生するのを防止するとともに、この第2ター
ボ過給機の吸気系にリリーフ弁を設け、上記予回転動作
中にリリーフ弁を開作動させることにより、吸気系にお
ける不要な圧力上昇を防止するように構成されたターボ
過給機付エンジンの制御装置が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記装置のように第2ターボ過給機の予回転動作中に
リリーフ弁を開動作させるだけでは、第2ターボ過給機
が作動されていた状態からの減速時等においてはリリー
フ弁が閉じられてからも第2ターボ過給機が慣性で回転
しているという状態が生じる場合があり、この場合に吸
気遮断弁の上流部の圧力が上昇するのを防止することが
できないという問題がある。
また、上記構成の過給機付エンジンの制御装置におい
て、第1ターボ過給機は常時作動状態に維持されるてい
るのに対し、第2ターボ過給機は高負荷高回転時等の特
定運転域でのみ作動され、長期間に亘り不使用状態に維
持されることがある。このため、上記第2ターボ過給機
の吸気系に設けられたリリーフ弁が長期間に亘り不使用
状態に維持されることにより、このリリーフ弁が閉固着
され易く、上記予回転時および減速時等に正常に作動さ
せることができず、エンジンに悪影響を及ぼす虞があ
る。
なお、上記のように第2ターボ過給機の予回転時にリ
リーフ弁を開作動させるように構成された過給機付エン
ジンの制御装置において、リリーフ弁の閉固着を防止す
るために上記予回転が頻繁に行われるように制御状態を
設定することも考えられるが、このように構成した場合
には、リリーフ弁を開閉駆動する回数が多くなってリリ
ーフ弁の耐久性が損なわれるという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑み、吸気系における不要な圧
力上昇を確実に防止し、かつ、第2ターボ過給機の吸気
系に設けられたリリーフ弁が閉固着されるのを効果的に
防止しつつ、その耐久性が損なわれるのを抑制すること
がターボ過給機付エンジンの制御装置を提供するもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1に係る発明は、エンジンの全運転域で作動す
る第1ターボ過給機と、エンジンの特定運転域で作動す
る第2ターボ過給機と、このエンジンの特定運転域で第
2ターボ過給機を作動させるように第2ターボ過給機の
吸気系および排気系を制御する吸気遮断弁および排気遮
断弁とを備えたターボ過給機付エンジンの制御装置にお
いて、上記第2ターボ過給機と吸気遮断弁との間の圧力
をリリーフするリリーフ弁を設けるとともに、エンジン
が上記特定運転域に移行する前に第2ターボ過給機を予
め回転させる予回転手段と、この予回転手段によって第
2ターボ過給機を予回転させる前の領域で上記リリーフ
弁を開放状態とし、かつ、第2ターボ過給機の予回転領
域を越える前にリリーフ弁を閉止する制御手段とを設け
たものである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のエンジンから
排出された排気の一部を第2ターボ過給機に供給するこ
とにより、第2ターボ過給機を予め回転させるように構
成された予回転手段を設けたものである。
〔作用〕
上記請求項1記載の発明によると、予回転手段により
第2ターボ過給機が予回転される前の段階で、リリーフ
弁が開放されて第2ターボ過給機と吸気遮断弁との間の
圧力がリリーフ状態に維持されるとともに、エンジンが
所定の運転状態となった時点で上記第2ターボ過給機が
予回転された後、予回転領域を越える前の段階で閉止状
態に移行する。そして、予回転領域を越えると第2ター
ボ過給機が移動状態に移行することになる。
また、上記請求項2記載の発明によると、予回転前の
状態から予回転領域へ移行するとき、リリーフ弁が開放
されて第2ターボ過給機と吸気遮断弁との間の圧力がリ
リーフ状態に維持された状態において、排気漏らし弁等
からなる予回転手段によって排気の一部が第2ターボ過
給機に供給されることにより、この第2ターボ過給機が
予回転状態に移行することになる。
〔実施例〕
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図面は本
発明を3気筒ロータリピストンエンジンに適用した場合
の実施例を示し、第1図はその全体概略図である。この
図において、1は比較的大型の第1ターボ過給機、2は
第1ターボ過給機1よりも小型の第2ターボ過給機であ
り、これらはそれぞれ、排気ガスにより駆動されるター
ビン1a,2aと、このタービン1a,2aに連動して回転するこ
とにより吸気を過給するコンプレッサ1b,2bとを備えて
いる。
これらターボ過給機1,2の各タービン1a,2aが組込まれ
るエンジンEnの排気系は、各気筒の排気ポートに連通す
る気筒別の排気通路3,4,5を異なる数に区分することに
より構成された第1,第2排気系6,7を備え、つまり3気
筒ロータリピストンエンジンにあっては、1番,2番気筒
に対応する2つの排気通路3,4が属する第1排気系6と
3番気筒に対応する1つの排気通路5が属する第2排気
系7とを備えている。そして、第1排気系6の2つの排
気通路3,4は集合されて、その集合部が上記第1ターボ
過給機1のタービン1aに接続され、また第2排気系7の
排気通路5は上記第2ターボ過給機2のタービン2aに接
続されている。なお、上記第1ターボ過給機1と第2タ
ーボ過給機2との大きさの比率は、第1排気系6と第2
排気系7の排気量の比率に対応する程度に設定されてい
る。
上記各タービン1a,2aより上流側において第1排気系
6の排気通路3,4の集合部と第2排気系7の排気通路5
との間には両者を連通する連通路8が設けられている。
また、この連通路8より下流で第2ターボ過給機2のタ
ービン2aより上流の排気通路5中には、ダイヤフラム装
置等のアクチュエータ10により開閉作動される排気遮断
弁9が設けられている。さらに、第2ターボ過給機2の
タービン2aに対し、排気遮断弁9が開かれる前に排気の
一部をタービン2aに送って予回転させるようにするた
め、例えば上記連通路8とタービン2aの入口側との間に
排気遮断弁9をバイパスする排気漏らし通路11が設けら
れ、この排気漏らし通路11に、アクチュエータ13により
開閉作動される排気漏らし弁12が設けられている。
各タービン1a,2aより下流側では、各タービン1a,2aの
出口側に通じる通路14a,14bが集合されて、第1,第2排
気系6,7に共通の下流側排気通路14が形成されている。
また、各タービン1a,2aより上流側の部分と下流側の部
分との間には、各タービン1a,2aをバイパスするウエス
トゲート通路15が設けられ、このウエストゲート通路15
には、過給圧等に応じて働くアクチュエータ17により開
閉作動されるウエストゲートバルブ16が介設されてい
る。上記ウエストゲート通路15は、例えば図示のように
上記連通路8の途中と下流側排気通路14との間に設けら
れる。あるいは、各ターボ過給機1,2の入口側部分と出
口側部分との間にそれぞれウエストゲート通路を設けて
おいてもよい。
一方、エンジンEnの吸気系は、第1ターボ過給機1の
コンプレッサ1bが配置された第1吸気通路21と、第2タ
ーボ過給機2のコンプレッサ2bが配置された第2吸気通
路22とを備えている。上記第1吸気通路21と第2吸気通
路22とは、上流側吸気通路20から互いに分岐し、それぞ
れコンプレッサ1b,2bを経て、コンプレッサ1b,2bの下流
で合流している。この合流部より下流の吸気通路23には
インタクーラ24、スロットル弁25等が配設され、さらに
その下流側に図外の吸気マニホールドが接続されて、エ
ンジンEnの各気筒に吸気が供給されるようになってい
る。
上記第2吸気通路22には、第1吸気通路21との合流箇
所の近傍において第2吸気通路22を遮断する吸気遮断弁
26が設けられており、この吸気遮断弁26はアクチュエー
タ27により開閉作動される。さらに第2吸気通路22に
は、吸気遮断弁26より上流でコンプレッサ2bの下流とコ
ンプレッサ2bの上流とを連通する吸気リリーフ通路28が
設けられ、この吸気リリーフ通路28には、アクチュエー
タ30により開閉作動されるリリーフ弁29が設けられてい
る。
上記排気遮断弁9、排気漏らし弁12、ウエストゲート
バルブ16、吸気遮断弁26およびリリーフ弁29の各アクチ
ュエータ10,13,17,27,30に対する駆動、制御系統は次の
ようになっている。
排気遮断弁9のアクチュエータ10は、コントロールユ
ニット45からの信号に応じて作動する三方電磁弁31を介
し、スロットル弁25下流の吸気通路23等の負圧源からチ
ェックバルブ32を通して負圧を導く負圧通路33と、大気
側とに対して選択的に連通される。そして、連通状態の
切替わりに応じて上記アクチュエータ10が作動すること
により、排気遮断弁9が閉状態と開状態とに切替えられ
る。
排気漏らし弁12のアクチュエータ13は、コントロール
ユニット45からの信号に応じて作動する三方電磁弁34を
介し、大気側と、第1ターボ過給機1のコンプレッサ1b
の下流の第1吸気通路21から過給圧を導く過給圧通路35
とに対して選択的に連通される。そして、連通状態の切
替わりに応じた上記アクチュエータ13の作動により、排
気漏らし弁12が閉状態と開状態とに切替えられる。この
場合、アクチュエータ13が過給圧通路35に連通する状態
となれば比較的低い過給圧でも排気漏らし弁12が開作動
されるように、アクチュエータ13のスプリング荷重等が
設定されている。
ウエストゲートバルブ16のアクチュエータ17は上記過
給圧通路35に直接接続されている。そして、上記アクチ
ュエータに導入される過給圧が所定の許容最高過給圧と
なったときにウエストゲートバルブ16が開作動するよう
に、上記アクチュエータ17のスプリング荷重等が設定さ
れている。
吸気遮断弁26のアクチュエータ27は、コントロールユ
ニット45からの信号に応じて作動する三方電磁弁36を介
し、負圧通路37と、圧力応動式の切替弁39に通じる通路
38とに対して選択的に連通される。上記切替式39は、コ
ンプレッサ1bより下流の第1吸気通路21内の圧力とコン
プレッサ2bより下流の第2吸気通路22内の圧力とを受
け、両者の差圧が所定値以上のときは通路38を大気側に
対して遮断するが、上記差圧が所定値より小さくなった
ときは通路38を大気側に連通するようになっている。
そして、上記アクチュエータ27が負圧通路37に連通し
ているときはアクチュエータ27に導入される負圧により
吸気遮断弁26が閉じられ、またアクチュエータ27が通路
38に連通したときにもこの通路38が上記切替弁39で遮断
されているときはアクチュエータ27に負圧が封じこめら
て吸気遮断弁26が閉状態に保たれ、アクチュエータ27が
通路38に連通するとともに通路38が大気側に連通したと
きにのみ吸気遮断弁26が開作動されるようになってい
る。
リリーフ弁29のアクチュエータ30は、コントロールユ
ニット45からの信号に応じて作動する三方電磁弁40を介
し、大気側と、チェックバルブ41を通して負圧を導く負
圧通路42とに対して選択的に連通される。そして、連通
状態の切替わりに応じて上記アクチュエータ30が作動す
ることにより、リリーフ弁29が開状態と閉状態とに切替
えられる。
このような駆動、制御系統により作動される各弁9,1
2,16,26,29の作動特性は、第2図のように設定されてい
る。すなわち、上記排気遮断弁9の作動はコントロール
ユニット45により吸気流量の検出信号46およびエンジン
回転数の検出信号47に応じて制御され、所定の吸気流量
および所定のエンジン回転数をもって線Aで示すように
設定された排気遮断弁開ラインを境として、このライン
Aより低流量低回転側の領域で閉じられ、ラインAより
高流量高回転側の領域で開かれる。
また、排気漏らし弁12は、排気漏らし弁開ラインBを
境に閉状態と開状態とに切替えられることにより、エン
ジンEnの運転状態が上記排気遮断弁開ラインAを越えた
特定運転状態に移行する前に、第2ターボ過給機2を予
め回転させる予回転手段を構成している。
すなわち、排気漏らし弁開ラインBは、排気遮断弁9
が開かれるよりある程度前に、排気漏らし弁12が開かれ
るように設定され、エンジンEnの運転状態が上記排気遮
断弁開ラインAを越えた特定運転状態に移行する前に、
第2ターボ過給機2が予回転されるようになっている。
このようにして上記排気遮断弁9が開かれる前に、排気
の一部が第2ターボ過給機2のタービン2aに送られてこ
の第2ターボ過給機が予回転されることにより、上記排
気遮断弁9が開かれたときの第2ターボ過給機2の作動
の応答性が高められることになる。
リリーフ弁29は、排気遮断弁開ラインAよりも多少低
流量低回転側に設定されたリリーフ弁閉ラインCを境と
して、これより低流量低回転側の領域で開かれ、高流量
高回転側の領域で閉じられるようになっている。このよ
うにしているのは、第2ターボ過給機2の予回転中や減
速時に第2ターボ過給機2が慣性で回転しているような
場合には第2吸気通路22内の圧力が過度に上昇すること
を避けるようにリリーフする必要がある一方、第2ター
ボ過給機2からの過給を行なうときにはリリーフを停止
する必要があり、また、排気遮断弁9が開かれたときに
リリーフされていると第2排気系7側の排圧変動による
ダイリューションガスのばらつき等が生じ易くなるから
である。
また、吸気遮断弁26は、排気遮断弁9が開かれて第2
ターボ過給機2が作動状態となった後に、第1吸気通路
21内の圧力と第2吸気通路22内の圧力との差圧が所定値
以下となった時点(破線D)で開かれる。つまり、コン
トロールユニット45でエンジン回転数に応じて三方電磁
弁38が制御されることにより、第2ターボ過給機2が作
動されることのない低回転域では不必要に吸気遮断弁26
が開くことのないようにアクチュエータ27が負圧通路37
に連通される一方、少なくとも排気遮断弁9が開状態と
される領域を含む高回転側の領域でアクチュエータ27が
通路38に連通され、かつ、この状態で第2ターボ過給機
2の作動により第2吸気通路22内の圧力が上昇して上記
差圧が小さくなったときに吸気遮断弁26が開かれる。上
記差圧が所定値以下になるまで吸気遮断弁26が開かれな
いようにしているのは、第2吸気通路22への吸気の逆流
防止のためである。
なお、ウエストゲートバルブ9は許容最高過給圧に達
する状態(破線E)に開かれる。
以上のような構造のターボ過給機付エンジンによる
と、第2図中の排気遮断弁開ラインAより低流量低回転
側の領域では排気遮断弁9が閉じられ、3番気筒の排気
ガスが排気通路5から連通路8を経て第1排気系6側に
送られる。従って、エンジンEnの全気筒の排気ガスが第
1ターボ過給機1のタービン1aに送られて第1ターボ過
給機1のみが駆動され、第1吸気通路21に配置されたコ
ンプレッサ1bにより吸気が過給される。この場合、第1
ターボ過給機1は比較的大型であるため、第1ターボ過
給機1のみが作動される領域(排気遮断弁9が閉じられ
る領域)を予め広く設定しておいて、通常運転域ではほ
とんど第1ターボ過給機1のみで要求過給量を賄るよう
にすることができ、第2ターボ過給機2の作動、停止の
切替え頻度を少なくすることができる。また、この第1
ターボ過給機1は比較的大型ではあるものの、全運転域
にわたって1つのターボ過給機だけで過給を行なう場合
よりは小型となるので、低速域での過給効率、応答性を
高めることができる。
一方、加速等によって高流量高回転側に運転状態が移
行すると、まず第2図中の排気漏らし弁開ラインBを越
えたときに排気漏らし弁12が開かれて第2ターボ過給機
2のタービン2aが予回転されてから、排気遮断弁開ライ
ンAを越えたときに排気遮断弁9が開かれ、さらに第2
ターボ過給機2の作動により第2吸気通路22内の圧力が
上昇して第1吸気通路21内の圧力との差圧が充分小さく
なったとき、吸気遮断弁26が開かれる。この状態では、
1番気筒と2番気筒の排気ガスが排気通路3,4から第1
ターボ過給機1のタービン1aに送られるとともに3番気
筒の排気ガスが排気通路5から第2ターボ過給機2のタ
ービン2aに送られて、両ターボ過給機1,2がそれぞれ作
動され、各コンプレッサ1b,2bによって与えられる過給
気がエンジンEnに供給される。こうして高流量高回転側
の領域での過給作用が高められる。
この場合、とくに、比較的大型の第1ターボ過給機1
のタービン1aには第1排気系6の2つの排気通路3,4か
ら排気ガスが送られ、小型の第2ターボ過給機のタービ
ン2aには第2排気系7の1つの排気通路5から排気ガス
を送られるようになっていることにより、各ターボ過給
機1,2の大きさの比率に対応した割合いでエンジンの排
気ガスが各タービン1a,2aに分配される。このため、各
ターボ過給機1,2にバランス良く排気エネルギーが作用
し、各ターボ過給機1,2の過給効率が高められるととも
に、各気筒毎の排圧のばらつきも小さくされる。
また、エンジンEnが上記排気遮断弁開ラインAを越え
た高流量高負荷の運転状態となる前、つまり上記第2タ
ーボ過給機2を作動させる特定運転域に移行する前に、
第2ターボ過給機2を予回転させる上記排気漏らし弁12
からなる予回転手段を設けることにより、上記第2ター
ボ過給機2の作動応答性を高めるように構成されたエン
ジンEnの制御装置において、上記予回転手段によって第
2ターボ過給機を予回転させる前の領域で上記第2吸気
通路22に設けたリリーフ弁29をコントロールユニット45
からなる制御手段によって開放状態となるように構成し
たため、第2ターボ過給機2の予回転中や減速時に、第
2吸気通路22内の圧力が過度に上昇するのを効果的に防
止することができるとともに、上記リリーフ弁29が長期
間に亘って非作動状態に維持されることに起因した閉固
着の発生を防止することができる。
すなわち、図2に示すリリーフ弁開ラインCを境とし
て、これより低流量低負荷側の領域でリリーフ弁29が開
かれ、高流量高負荷側の領域でリリーフ弁29が閉じられ
るように制御することにより、上記排気漏らし弁開ライ
ンBを越えた予回転領域に至る前の段階から、上記リリ
ーフ弁29が開放に維持されるように構成したため、第2
ターボ過給機2の予回転中や減速時に第2ターボ過給機
2が慣性で回転しているような場合に、第2吸気通路22
内の圧力が過度に上昇することを避けるように吸気をリ
リーフすることができるとともに、上記第2ターボ過給
機2の予回転が長期間に亘って行われない場合において
も、上記リリーフ弁29が閉固着状態となることを効果的
に防止することができる。
しかも、第2ターボ過給機2の予回転時にリリーフ弁
29を開作動させるように構成されたものにおいて、上記
予回転が頻繁に行われるように制御状態を設定する等の
手段を講じることなく、上記リリーフ弁29の閉固着を防
止することができるため、上記リリーフ弁29が開閉駆動
される回数を少なくしてその耐久性が損なわれることを
効果的に防止することができる。
そして、上記のようにリリーフ弁開ラインCを排気遮
断弁開ラインAよりもエンジンEnの低流量低負荷側に設
定することにより、第2ターボ過給機2が予回転領域を
越える前に、上記制御手段によってリリーフ弁29を閉止
するように構成したため、第2ターボ過給機2からの過
給を行なうときには、吸気のリリーフを確実に停止する
ことにより、過給効率を効果的に向上させることができ
るとともに、排気遮断弁9が開かれたときに上記リリー
フが行われていることに起因した第2排気系7側の排圧
変動を防止して、ダイリューションガスのばらつき等が
生じ易くなることを効果的に防止することができる。
また、上記実施例では、エンジンEnから排出された排
気の一部を第2ターボ過給機2に供給することにより、
この第2ターボ過給機2を予回転させる排気漏らし弁12
からなる予回転手段を設けため、第1ターボ過給機1の
タービン1aを駆動した排気を第2ターボ過給機2のター
ビン2aに供給する排気通路および排気切換弁等を設置す
ることなく、簡単な構成で上記第2ターボ過給機2を予
回転させることができる。
なお、第1図では排気系および吸気系の構造を概略的
に示したが、排気系の各部の具体的構造については第3
図乃至第8図に数例を示す。
第3図乃至第5図はエンジンEnと各ターボ過給機1,2
との間の各排気通路3,4,5および連通路8等を構成する
排気マニホールド部分の具体構造の一例を示している。
これらの図に示す排気マニホールド50は、エンジンEn側
の各気筒に対応する位置にエンジンEnへの連結部(フラ
ンジ部)51,52,53を備え、これらの連結部51,52,53に各
排気通路3,4,5の排気入口部分3a,4a,5aが開口してい
る。1番,2番気筒に対応する位置の連結部51,52に連な
る管状部分により構成された第1排気系の2つの排気通
路3,4は下流端側で集合され、その集合部分54に、第1
ターボ過給機1(この図では示されていない)に対する
連結部55が設けられている。
3番気筒に対応する位置の連結部53には、第2排気系
の排気通路5を構成する中空状部分56が連なり、中空状
部分56の排気入口部5a近傍からは連通路8を構成する管
状部分が第1排気系側に延び、この連通路8の先端が上
記排気通路3,4の集合部分55に連なっている。また、上
記中空状部分56の先端側には第2ターボ過給機2(この
図では示されていない)に対する連結部57が設けられ、
この連結部57に、排気通路5の排気出口部分5bと排気漏
らし通路11とが、上記中空部分56の内部に連通するよう
に形成されており、上記排気出口部分5bに排気遮断弁9
が取付けられ、排気漏らし通路11に排気漏らし弁12が取
付けられている。
上記排気通路3,4および連通路8は、できるだけ第1
ターボ過給機1のタービン16に近い下流側で集結される
ことにより、排気干渉を避けて排気圧力波が有効にター
ビンに作用するようにしている。また、上記連通路8
は、第1図にも示すように、第1ターボ過給機1に向け
て傾斜した方向に形成されることにより、排気遮断弁9
が閉じられたときに、3番気筒の排気がスムーズに排気
通路5から連通路8を通って第1ターボ過給機1側に送
られるようにしている。また、第2ターボ過給機側の端
部においては、排気遮断弁9が開かれたときに3番気筒
の排気がスムーズに第2ターボ過給機側に流れるように
排気出口部分5が配置されるとともに、このように排気
が第2ターボ過給機に供給される状態にあるときに、連
通路8側に逃げる排気を第2ターボ過給機側に回収する
ため、上記漏らし通路11は排気通路5の排気出口部分5b
よりは連通路8寄りで、かつ排気出口部分5bに近い位置
に設けられている。
第6図および第7図は排気マニホールド部分の具体構
造の別の例を示している。これらの図に示す排気マニホ
ールド60も、エンジンEnへの連結部61,62,63に各排気通
路3,4,5の排気入口部分3a,4a,5aが開口し、連結部61,62
に連なる第1排気系の排気通路3,4の下流側集合部分64
に第1ターボ過給機(図示省略)に対する連結部65が設
けられるとともに、連結部63と第2ターボ過給機(図示
省略)に対する連結部67との間に第2排気系の排気通路
5を構成する中空状部分が設けられ、この部分と上記集
合部分64付近との間に連通路8が形成されている。そし
て、第2ターボ過給機に対する連結部67に排気通路5の
排気出口部分5bと排気漏らし通路11が開口し、排気出口
部分5bおよび排気漏らし通路11に排気遮断弁9および排
気漏らし弁12が設けられている。
ただしこの例では、上記排気遮断弁9が、上記排気出
口部分5bを開放する位置に回動したときに、排気入口部
分5aから連通路8に排気が多少漏れることは許容しつつ
ほぼ連通路8を閉鎖する状態(第6図に二点鎖線で示す
状態)となるように設けられている。また排気漏らし通
路11は、排気通路5とは別に連通路8の途中に連通する
ように設けられている。
この構造によると、上記排気遮断弁9が排気通路5を
開く状態となったとき、排気入口部分5aから連通路8へ
の排気の流出が上記排気遮断弁9により抑制され、3番
気筒の排気を第2ターボ過給機2のタービン2aに導く作
用が高められる。この場合に、排気入口部分5aから連通
路8へ多少排気が漏れることを許容するようにしている
のは、気筒毎の排圧を調整するためである。
第8図は各ターボ過給機1,2とこれらに対する下流側
排気通路の配置の一例を示している。この図に示す例で
は、第1ターボ過給機1のタービン1aの排気出口側部分
と第2ターボ過給機2のタービン2aの排気出口側部分と
が比較的接近した位置にあって、互いにほぼ対向するよ
うに配置されており、その間に、各タービン1a,2aに通
じる通路14a、14bを集合させた下流側排気通路14が接続
されている。そして上記下流側排気通路14は、第1ター
ボ過給機1のタービン1aからの排気流出方向側に傾いた
方向に延びるように形成されている。このようにすれ
ば、排気系をコンパクトな構造としつつ、排気通路がタ
ービン1aからの排気流出方向と直角に屈曲する構造とし
た場合と比べ、常時使用される第1ターボ過給機1のタ
ービン1aを通る排気の流通抵抗を軽減し、この第1ター
ボ過給機1の効率を高めることができる。
〔発明の効果〕
以上のように請求項1に係る発明は、第2ターボ過給
機と吸気遮断弁との間の圧力をリリーフするリリーフ弁
を設けるとともに、予回転手段によって第2ターボ過給
機を予回転させる前の領域で上記リリーフ弁を開放状態
とする制御手段を設けたため、上記第2ターボ過給機の
予回転中や減速時に、吸気通路内の圧力が過度に上昇す
るのを効果的に防止することができるとともに、上記リ
リーフ弁が長期間に亘って非作動状態に維持されること
に起因した閉固着の発生を防止できるという利点があ
る。
しかも、第2ターボ過給機の予回転時にリリーフ弁を
開作動させるように構成されたものにおいて、上記予回
転が頻繁に行われるように制御状態を設定する等の手段
を講じることなく、上記リリーフ弁の閉固着を防止する
ことができるため、上記リリーフ弁29が開閉駆動される
回数を少なくしてその耐久性が損なわれることを効果的
に防止することができる。
さらに、第2ターボ過給機が予回転領域を越える前
に、制御手段によってリリーフ弁を閉止するように構成
したため、第2ターボ過給機からの過給を行なうとき
に、吸気のリリーフを確実に停止することにより、過給
効率を効果的に向上させることができるとともに、排気
遮断弁が開かれたときに上記リリーフが行われているこ
とに起因した第2排気系側の排圧変動を防止して、ダイ
リューションガスのばらつき等が生じ易くなることを効
果的に防止することができる。
また、請求項2に係る発明は、上記構成の装置におい
て、エンジンから排出された排気の一部を第2ターボ過
給機に供給することにより、この第2ターボ過給機を予
回転させる予回転手段を設けたため、上記効果に加え、
簡単な構成で上記第2ターボ過給機を予回転させること
ができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すターボ過給機付エンジ
ンの制御装置の概略図、第2図は上記エンジンの排気系
および吸気系の配設される各弁の作動特性を示す特性
図、第3図は排気マニホールド部分の具体構造の一例を
示す一部断面正面図、第4図は同底面図、第5図は第3
図のIII−III線に沿った断面図、第6図は排気マニホー
ルド部分の具体構造の別の例を示す部分断面図、第7図
はこの排気マニホールドの第2ターボ過給機に対する連
結部を第2ターボ過給機側から見た図、第8図第8図は
排気系の具体構造の他の例を示す部分断面図である。 En……エンジン、1……第1ターボ過給機、2……第2
ターボ過給機、3,4,5……各気筒の排気通路、9……排
気遮断弁、12……排気漏らし弁(予回転手段)、29……
吸気遮断弁、45……コントロールユニット(制御手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝川 三喜男 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−166716(JP,A) 特開 昭59−145327(JP,A) 実開 昭63−60023(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの全運転域で作動する第1ターボ
    過給機と、エンジンの特定運転域で作動する第2ターボ
    過給機と、このエンジンの特定運転域で第2ターボ過給
    機を作動させるように第2ターボ過給機の吸気系および
    排気系を制御する吸気遮断弁および排気遮断弁とを備え
    たターボ過給機付エンジンの制御装置において、上記第
    2ターボ過給機と吸気遮断弁との間の圧力をリリーフす
    るリリーフ弁を設けるとともに、エンジンが上記特定運
    転域に移行する前に第2ターボ過給機を予め回転させる
    予回転手段と、この予回転手段によって第2ターボ過給
    機を予回転させる前の領域で上記リリーフ弁を開放状態
    とし、かつ、第2ターボ過給機の予回転領域を越える前
    にリリーフ弁を閉止する制御手段とを設けたことを特徴
    とするターボ過給機付エンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】エンジンから排出された排気の一部を第2
    ターボ過給機に供給することにより、第2ターボ過給機
    を予め回転させるように構成された予回転手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のターボ過給機付エンジ
    ンの制御装置。
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