JPS6217526Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は床パネル取付構造に関するものであ
る。

従来の床パネルの取付は、第１図に示すように
して行なつている。すなわち、柱間に架設したラ
チス梁１の内側面に連結プレート２を溶接固定
し、この連結プレート２に大引受金具３をボルト
止めして、その大引受金具３上に木製大引４を載
架固定し、その木製大引４上に床パネル５を載置
して釘６により固定する。このように、床パネル
６の取付に大引４を必要とするため、施工が繁雑
であるという問題を有していた。

したがつて、この考案の目的は、容易に施工で
きる床パネル取付構造を提供することである。

この考案は一実施例を第１図ないし第１１図を
用いて説明する。すなわち、この床パネル取付構
造は、第２図に示すように、方形コーナ位置に４
本の通柱７を立設し、隣接する通柱７，７間に４
本の外部ラチス梁８を同一高さに揃えて橋架する
とともに、相対向する一対の外部ラチス梁８，８
の中央位置間に内部ラチス梁９を橋架して、その
内部ラチス梁９の上面を外部ラチス梁８の上面よ
りも低位置に配する。なお、前記の方形とは、正
方形および長方形を含む意味である。また、外部
ラチス梁８，８の入隅内側面、および内部ラチス
梁９に平行な一対の外部ラチス梁８，８の対向内
側面に、それぞれパネル受金具（詳細は後述す
る）を、それらの上面を内部ラチス梁９の上面と
略同一高さに揃えて間隔を開けて設置し、これら
パネル受金具と内部ラチス梁９上に２枚の床パネ
ル１０，１０を並列状態で載架固定する。

各接合部の構造を詳説すると、つぎのとおりで
ある。まず、第２図の接合部Ａの構造は、第３図
に示すように、外部ラチス梁８の上弦材８ａと下
弦材８ｂ間に連結プレート１１を溶接するととも
に、内部ラチス梁９の端面にエンドプレート１２
を溶接し、そのエンドプレート１２を連結プレー
ト１１に対接して、ボルト１３、ナツト１４によ
り連結することにより、内部ラチス梁９を外部ラ
チス梁８へ取付ける。この場合、内部ラチス梁９
の上面９ａは、外部ラチス梁８の上面８ｃよりも
低位置に配する。

第２図の接合部Ｂの構造は、第４図および第５
図に示すとおりである。すなわち、外部ラチス梁
８は、それらの端面に溶接したエンドプレート１
５を柱７の隣接２側面へ、ボルト１６、ナツト１
７により固定する。この場合、ナツト１７は、柱
７の内側面に予め溶接固定する。また、上記外部
ラチス梁８の内側面端部には、ハツト形プレート
１８を介してパネル受金具１９を取付ける。この
ハツト形プレート１８は、その上下端部に嵌合ス
リツト１８ａを形成し、その嵌合スリツト１８ａ
に上弦材８ａと下弦材８ｂのフランジを差込ん
で、外部ラチス梁８へ取付ける。また、パネル受
金具１９は、縦片１９ａと横片１９ｂからなるＬ
形片をリブ１９ｃで補強するとともに、縦片１９
ａと横片１９ｂにボルト挿通穴１９ｄを穿孔した
もので、縦片１９ａをハツト形プレート１８の両
外鍔片１８ｂに対接して、ボルト２０、ナツト２
１により連結する。この場合、横片１９ｂの高さ
は、内部ラチス梁９（第３図）の上面９ａの高さ
と略同一に設定する。床パネル１０は、溝形鋼を
枠組形成したパネル外枠１０ａの下面コーナ部
を、パネル受金具１９の横片１９ｂ上に載架して
ボルト２２、ナツト２３により連結する。

第２図の接合部Ｃの構造は、第６図および第７
図に示すとおりである。すなわち、外部ラチス梁
８の内側面に連結プレート２４を溶接固定して、
この連結プレート２４にパネル受金具２５を固定
する。このパネル受金具２５も、縦片２５ａと横
片２５ｂからなるＬ形片をリブ２５ｃで補強する
とともに、縦片２５ａと横片２５ｂにボルト挿通
穴２５ｄを穿孔したもので、縦片２５ａを連結プ
レート２４に沿わせてボルト２６、ナツト２７に
より連結する。この場合、パネル受金具２５の横
片２５ｂの高さは第４図に示すパネル受金具１９
の横片１９ｂと同一高さに揃える。床パネル１０
は、パネル外枠１０ａをパネル受金具２５の横片
２５ｂ上に載架して、ボルト２８、ナツト２９に
より連結する。なお、第７図において、１０ｂは
溝形鋼で形成したパネル中枠である。

第２図の接合部Ｄの構造は、第８図に示すとお
りである。すなわち、パネル受金具３０を、外部
ラチス梁８に溶接した連結プレート３１へボルト
止めする。この場合、パネル受金具３０は、第７
図に示すパネル受金具２５と同一構造で、そのパ
ネル受金具２５と同様な方法で外部ラチス梁８へ
取付ける。このパネル受金具３０の横片３０ａ上
には、その右半分と左半分に、並列配置した２枚
の床パネル１０，１０の隣接コーナ部をそれぞれ
載架し、それぞれのパネル外枠１０ａ，１０ａの
コーナ部をボルト挿通穴３０ｂを介しボルト、ナ
ツトにより横片３０ａへ連結する。

第２図の接合部Ｅの構造は、第９図に示すとお
りである。すなわち、床パネル１０のパネル外枠
１０ａをスペーサ３２を介して内部ラチス梁９上
に直交載架し、フツクボルト３３のフツク部３３
ａを上弦材９ｂに引つ掛けるとともに、フツクボ
ルト３３のねじ部３３ｂをパネル外枠１０ａに貫
通させてナツト３４を締結することにより、床パ
ネル１０を内部ラチス梁９へ連結する。この場
合、スペーサ３２の上面高さは、第４図に示すパ
ネル受金具１９の横片１９ｂの上面高さと同一に
設定する。

第２図の接合部Ｆの構造は、第１０図および第
１１図に示すとおりである。すなわち、内部ラチ
ス梁９の上弦材９ｂと下弦材９ｃ（第３図）間に
連結プレート３５を溶接固定し、この連結プレー
ト３５にパネル受金具３６を取付ける。このパネ
ル受金具３６は、縦片３６ａと横片３６ｂからな
るＬ形片で、両片３６ａ，３６ｂにボルト挿通穴
（図示省略）を穿孔し、縦片３６ａを連結プレー
ト３５へ沿わせてボルト３７、ナツト３８により
連結する。この場合、横片３６ｂの高さを、第４
図に示すパネル受金具１９の横片１９ｂと同一高
さに設定する。床パネル１０は、そのパネル中枠
１０ｂをパネル受金具３６の横片３６ｂ上に直交
載架して、ボルト３９、ナツト４０により連結す
る。

このように、床パネル１０を、外部ラチス梁８
と内部ラチス梁９にそれぞれ連結した各パネル受
金具１９，２５，３６へ直接ボルト止めしたた
め、言い換えれば、従来使用していた大引（第１
図に示す大引４）を一切省略できるため、施工を
簡略化できる。また、床パネル１０として、金属
パネル枠をもつ大形床パネルを使用したため、パ
ネル枠１０ａ，１０ｂの剛性が従来の木製大引４
（第１図）に比べて極めて大きくなつて、階上と
階下の遮音性能も向上できる。

以上のように、この考案の床パネル取付構造
は、方形コーナ位置に配した４本の柱と、隣接す
る柱間に橋架した４本の外梁と、相対向する一対
の外梁の中央位置間に橋架して上面を外梁上面よ
りも低位置に配した内梁と、前記外梁の入隅内側
面と前記内梁に平行な一対の外梁の対向内側面に
この外梁の長手方向に間隔を開けて配置して上面
を前記内梁の上面と同一高さに揃えたパネル受金
具と、側面を突合せながら前記内梁に沿つて並列
配置してそれぞれの下面中央を内梁に載架固定す
るとともにそれぞれの下面四隅を前記パネル受金
具に載架固定した複数枚の床パネルとを備えてい
るため、容易に施工できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図はこの考案の
一実施例の平面図、第３図は第２図接合部Ａの垂
直断面図、第４図は接合部Ｂの垂直断面図、第５
図はその水平断面図、第６図は接合部Ｃの垂直断
面図、第７図はその平面図、第８図は接合部Ｄの
平面図、第９図は接合部Ｅの垂直断面図、第１０
図は接合部Ｆの垂直断面図、第１１図はその直角
方向からみた垂直断面図である。 ７……通柱、８……外部ラチス梁、９……内部
ラチス梁、１０……床パネル、１９，２５……パ
ネル受金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形コーナ位置に配した４本の柱と、隣接する
   柱間に橋架した４本の外梁と、相対向する一対の
   外梁の中央位置間に橋架して上面を外梁上面より
   も低位置に配した内梁と、前記外梁の入隅内側面
   と前記内梁に平行な一対の外梁の対向内側面にこ
   の外梁の長手方向に間隔を開けて配置して上面を
   前記内梁の上面と同一高さに揃えたパネル受金具
   と、側面を突合せながら前記内梁に沿つて並列配
   置してそれぞれの下面中央を内梁に載架固定する
   とともにそれぞれの下面四隅を前記パネル受金具
   に載架固定した複数枚の床パネルとを備えた床パ
   ネル取付構造。