JPH0729226U - 極低降伏点鋼板を用いた制振壁 - Google Patents

極低降伏点鋼板を用いた制振壁

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JPH0729226U
JPH0729226U JP6523993U JP6523993U JPH0729226U JP H0729226 U JPH0729226 U JP H0729226U JP 6523993 U JP6523993 U JP 6523993U JP 6523993 U JP6523993 U JP 6523993U JP H0729226 U JPH0729226 U JP H0729226U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制振性能の優れた構造物用制振壁を、簡単な
手段によって容易に構築する。 【構成】 柱１および梁２により囲まれた構造物骨組空
間の周囲に普通鋼板からなる支持鋼板３を固定し、極低
降伏点鋼板４の周囲に普通鋼板からなる被支持鋼板５を
固着して、被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６を構成し、
その被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における被支持鋼
板５の側面を、前記支持鋼板３の側面に当接し、前記支
持鋼板３と前記被支持鋼板５とを、溶接または高力ボル
トにより結合する。

Description

【考案の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】
本考案は、建築物に用いられる極低降伏点鋼板を用いた制振壁に関するもので ある。
【０００２】
【従来の技術】
従来、極低降伏点鋼壁パネルを使用した制振架構用鋼板壁構造としては、特開 平５−１６３７７２号公報により公表されているものが知られている。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】
前記従来の制振架構用鋼板壁構造の場合は、梁長手方向に間隔をおいて配置し た多数本のスチフナーの上下両端部を、上部梁および下部梁に固定し、かつ上下 方向に延長する極低降伏点鋼壁パネルと、上下方向に延長する高張力鋼壁パネル とを、横方向に交互に並べて配置し、前記高張力鋼壁パネルの周囲を、スチフナ ーおよび上部梁ならびに下部梁に対し溶接等により固着し、極低降伏点鋼壁パネ ルの周囲を、枠形のスチフナーに対し高力ボルトにより固定しているので、構造 が複雑で構築コストが高くなるという欠点がある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前述の問題を有利に解決するために、本考案の極低降伏点鋼板を用いた制振壁 においては、柱１および梁２により囲まれた構造物骨組空間の周囲に普通鋼板か らなる支持鋼板３を固定し、極低降伏点鋼板４の周囲に普通鋼板からなる被支持 鋼板５を固着して、被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６を構成し、その被支持鋼板 付き極低降伏点鋼板６における被支持鋼板５の側面を、前記支持鋼板３の側面に 当接して溶接７により結合する。 また柱１および梁２により囲まれた構造物骨組空間における前記柱１および梁 ２に、多数のボルト挿通用透孔８を備えている普通鋼板からなる支持鋼板３を固 定し、極低降伏点鋼板４の周囲に、多数のボルト挿通用透孔９を備えている普通 鋼板からなる被支持鋼板５を固着して、被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６を構成 し、その被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における被支持鋼板５の側面を、前記 支持鋼板３の側面に当接し多数の高力ボルト１０により結合しても、前述の問題 を有利に解決することができる。
【０００５】
【実施例】
図１ないし図３は請求項１の考案の実施例を示すものであって、横方向に隣り 合う鋼製柱１と上下方向に隣り合う鋼製梁２とにより囲まれた構造物骨組空間の 周囲に、ＳＳ４１等の普通鋼板からなる４本の支持鋼板３が、同一垂直面上に位 置するように配置され、各支持鋼板３は前記柱１または梁２に溶接により固着さ れている。 ４角形の極低降伏点鋼板４の４辺に、その極低降伏点鋼板４と同一平面上に位 置するＳＳ４１等の普通鋼板からなる被支持鋼板５が溶接により固着されて、被 支持鋼板付き極低降伏点鋼板６が構成され、その被支持鋼板付き極低降伏点鋼板 ６の片面に、極低降伏点鋼板からなる補強用縦リブ１１および横リブ１２が溶接 により固着され、前記被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における縦リブ１１およ び横リブ１２を固着していない面の周囲の側面は、前記各支持鋼板３の側面に当 接され、各支持鋼板３における内側縁部と前記各被支持鋼板５とは隅肉溶接７に より固着されている。
【０００６】 請求項１の考案の実施例の場合は、極低降伏点鋼板４の周囲に普通鋼板からな る被支持鋼板５が溶接に固着され、かつ柱１および梁２により囲まれた構造物骨 組空間に固定されている普通鋼板からなる支持鋼板３に、被支持鋼板付き極低降 伏点鋼板６における普通鋼板からなる被支持鋼板５が固定されているので、支持 鋼板３および被支持鋼板５から極低降伏点鋼板４への応力伝達をスムーズに行な わせることができる。
【０００７】 図４ないし図６は請求項２の考案の実施例を示すものであって、横方向に隣り 合う鋼製柱１と上下方向に隣り合う鋼製梁２とにより囲まれた構造物骨組空間の 周囲に、ＳＳ４１等の普通鋼板からなる４本の支持鋼板３が、同一垂直面上に位 置するように配置され、各支持鋼板３は前記柱１または梁２に溶接により固着さ れている。 ４角形の極低降伏点鋼板４の４辺に、その極低降伏点鋼板４と同一平面上に位 置するＳＳ４１等の普通鋼板からなる被支持鋼板５が溶接により固着されて、被 支持鋼板付き極低降伏点鋼板６が構成され、その被支持鋼板付き極低降伏点鋼板 ６の片面に、極低降伏点鋼板からなる補強用縦リブ１１および横リブ１２が溶接 により固着され、前記被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における縦リブ１１およ び横リブ１２を固着していない面の周囲の側面は、前記各支持鋼板３の側面に当 接され、各支持鋼板３に多数のボルト挿通用透孔８が設けられると共に、各被支 持鋼板５に多数のボルト挿通用透孔９が設けられている。 前記支持鋼板３における多数のボルト挿通用透孔８と、前記被支持鋼板５にお ける多数のボルト挿通用透孔９とにわたって、高力ボルト１０が挿通され、各高 力ボルト１０により被支持鋼板５と支持鋼板３とが締付結合されている。
【０００８】 請求項２の考案の実施例の場合は、被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における 普通鋼板からなる被支持鋼板５と、普通鋼板からなる支持鋼板３とが、多数の高 力ボルト１０により締付け結合されているので、支持鋼板３から被支持鋼板５を 通って極低降伏点鋼板４への応力伝達をスムーズに行なわせることができる。
【０００９】 図７は本考案の制振壁１３の耐力と、普通鋼板を使用した制振壁１３の耐力と 極低降伏点鋼板を使用した制振壁１３の耐力とを示している。
【００１０】 図８は普通鋼板（ＳＳ４１）と極低降伏点鋼板（ＬＹＰ１００）との引張応力 度σ（kg／cm2)および伸び（％）を示している。
【００１１】 表１は普通鋼板（ＳＳ４１）と極低降伏点鋼板（ＬＹＰ１００）との降伏点， 引張強さ，降伏比および伸びとを比較した表である。
【表１】
【００１２】 本考案の実施例において用いる極低降伏点鋼板４とは、降伏点が、約１０００ kg／cm2 、その極低降伏点鋼板４の降伏比（降伏点／引張強さ）が０．５前後で あり、また伸び量が５０％以上という変形性能の優れた鋼板である。
【００１３】
【考案の効果】
本考案によれば、極低降伏点鋼板４の周囲に普通鋼板からなる被支持鋼板５が 固着されているので、その被支持鋼板５によって極低降伏点鋼板４の剛性を大き くすることができ、そのため被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６の支持鋼板３に対 する取付作業を容易に行なうことができ、かつ前記普通鋼板からなる被支持鋼板 ５によって、極低降伏点鋼板４の周囲を補強することができ、柱１および梁２に より囲まれた構造物骨組空間の周囲に普通鋼板からなる支持鋼板３を固定し、極 低降伏点鋼板４の周囲に普通鋼板からなる被支持鋼板５を固着して、被支持鋼板 付き極低降伏点鋼板６を構成し、その被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における 被支持鋼板５の側面を、前記支持鋼板３の側面に当接して溶接７により結合する か、あるいは構造物骨組空間に固定された支持鋼板３に、多数のボルト挿通用透 孔８を設け、かつ被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における被支持鋼板５に多数 のボルト挿通用透孔９を設け、前記被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における被 支持鋼板５の側面を、構造物骨組空間に固定された支持鋼板３の側面に当接して 、多数の高力ボルト１０により締付け結合するので、制振性能の優れた構造物用 制振壁を、簡単な手段によって容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１の考案の実施例に係る極低降伏点鋼板
を用いた制振壁を示す正面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。
【図３】図２の下側部分を拡大して示す側面図である。
【図４】請求項２の考案の実施例に係る極低降伏点鋼板
を用いた制振壁を示す正面図である。
【図５】図４のＢ−Ｂ線拡大断面図である。
【図６】図４の下側部分を拡大して示す側面図である。
【図７】本考案の実施例に係る制振壁と普通鋼板からな
る制振壁と極低降伏点鋼板からなる制振壁との耐力比較
図である。
【図８】普通鋼板と極低降伏点鋼板との引張応力度およ
び伸び比較図である。
【符号の説明】
１ 柱 ２ 梁 ３ 支持鋼板 ４ 極低降伏点鋼板 ５ 被支持鋼板 ６ 被支持鋼板付き極低降伏点鋼板 ７ 溶接 ８ ボルト挿通用透孔 ９ ボルト挿通用透孔 １０ 高力ボルト １１ 縦リブ １２ 横リブ １３ 制振壁

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】 柱１および梁２により囲まれた構造物骨
    組空間の周囲に普通鋼板からなる支持鋼板３を固定し、
    極低降伏点鋼板４の周囲に普通鋼板からなる被支持鋼板
    ５を固着して、被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６を構成
    し、その被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における被支
    持鋼板５の側面を、前記支持鋼板３の側面に当接して溶
    接７により結合した極低降伏点鋼板を用いた制振壁。
  2. 【請求項２】 柱１および梁２により囲まれた構造物骨
    組空間における前記柱１および梁２に、多数のボルト挿
    通用透孔８を備えている普通鋼板からなる支持鋼板３を
    固定し、極低降伏点鋼板４の周囲に、多数のボルト挿通
    用透孔９を備えている普通鋼板からなる被支持鋼板５を
    固着して、被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６を構成し、
    その被支持鋼板付き極低降伏点鋼板６における被支持鋼
    板５の側面を、前記支持鋼板３の側面に当接し多数の高
    力ボルト１０により結合した極低降伏点鋼板を用いた制
    振壁。
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JP2019094644A (ja) * 2017-11-21 2019-06-20 株式会社神戸製鋼所 橋脚およびその製造方法

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