JPS6145014Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、小型電子機器の包装体に関し、詳
細には、真空成形された一対の包装容器を用いた
包装体に関する。

〔従来の技術〕

従来、真空成形された包装容器は、その構成上
の理由から、比較的軽量かつ小型の被梱包部材の
ために使用されていた。一例として示せば、腕時
計の包装体として使用されているブリスターパツ
ク構造は、腕時計が固定された台紙を、真空成形
された包装容器の溝にスライド嵌合して包装体を
形成する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このように、真空成形された包装容器を用いた
包装体は、包装容器の厚さが薄いため、小型化を
図ることが可能であり、且つ、価格を安価にする
ことができるが、小型電子機器のように比較的重
量があるものに対しては、十分な強度をもたせる
ことができず、専ら上述の如き、小型機器の包装
容器としてのみ使用されていた。

これは、真空成形された包装容器には、被梱包
部材を吊持ちさせる構造がなく、緩衝性に乏しか
つたためであり、この考案は、この点を解決しよ
うとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、この考案は、小型電子機器を一対の
包装容器で支持する小型電子機器の包装体におい
て、各包装容器は、嵌合部、この嵌合部の周辺側
辺部、嵌合部から外方に向かつて垂直に立脚され
た複数のリブ、および前記リブ間にあつて電子機
器を支持する方向に平行に設けられた屈折部とを
真空成形により一体的に形成したものである。

〔作用〕

すなわち、この考案は比較的重量のある小型電
子機器を真空成形により形成された包装容器で支
持するものでありながら、各包装容器に形成され
た補強用のリブと緩衝用の屈折部により小型電子
機器が吊持ち構造に支持されるため、十分な支持
強度と衝撃に対する緩衝効果が得られ、小型で安
価な小型電子機器の包装体を達成することができ
るものである。

〔実施例〕 以下、この考案の一実施例を図面とともに説明
する。

第１図は、本考案の小型電子機器の包装体を梱
包箱Ｂに収納する状態の斜視図、第２図は包装容
器２の詳細斜視図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線断
面図を示す。

被包装部材である中型卓上計算機Ａは、相対向
する一対の側端部に嵌合された一対の包装容器
２，２により支持される。この包装容器２，２は
真空成形により形成されたもので、各一端面が板
状の連結部材３により他端側が拡開可能な自由端
とされた状態に連結されている。

各包装容器２には、第２図に詳細に図示される
如く、中型電子式計算機Ａの側端に嵌合される嵌
合部１が、外周側辺部から陥没状に形成されてい
る。また、包装容器２には、中型電子式計算機を
支持する上下の側辺部に、嵌合部１から外方に向
かつて垂直に立脚され凹状の複数本の補強リブ
４，４、および補強リブ４−４間にあつて中型電
子式計算機Ａの支持方向に平行な複数本の屈折凹
部５，５が形成されている。また、前面および天
地面に溝形の屈折凹部６が形成してある。

上記屈折凹部５，５は第３図の如く断面波状と
されており、圧縮変形可能となつている。このた
め、上記各包装容器２，２の嵌合部１，１に計算
機Ａを嵌合した状態では、上記補強リブ４，４と
屈折凹部５，５の作用により計算機Ａが吊持ち状
に支持されるので、計算機Ａが可成り重い場合
（従来、真空成形法で作られる包装容器で支えら
れる一般的な被包装部材に比較して重い場合）で
もつぶれることのない十分な強度が確保された構
造となる。そして、計算機Ａに上記包装容器２，
２を嵌合した包装体は、梱包箱Ｂに収納されるこ
とにより、上述した吊持ち状支持構造を維持した
状態が固定され、さらに大きな荷重や衝撃に耐え
得るようになつて、緩衝効果が高められる。

なお、上記実施例では、屈折凹部５は波形であ
つたが、第４図に図示するような単純な倒立Ｕ字
型の凹部であつてもよく、あるいは、逆に屈折突
条であつてもよいことは勿論である。同様に補強
リブ４も突条であつてもよい。

〔考案の効果〕

以上の通り、この考案は、小型電子機器を一対
の包装容器で支持する小型電子機器の包装体にお
いて、各包装容器は、嵌合部、この嵌合部の周辺
側辺部、嵌合部から外方に向かつて垂直に立脚さ
れた複数のリブ、および前記リブ間にあつて電子
機器を支持する方向と平行に設けられた屈折部と
を真空成形により一体的に形成したものとしたた
め、電子機器が補強リブと屈折部により吊持ち状
構造に支持されることとなり、従来の真空成形品
では適用できなかつた重い重量の小型電子機器に
対しても適用できるようになり、小型で安価な包
装体を実現することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はすべてこの考案の実施例を示し、第１図
は本考案の包装体を梱包箱に収納する状態の斜視
図、第２図は包装容器の詳細斜視図、第３図は第
２図のＸ−Ｘ線断面図、第４図は屈折凹部の他の
実施例を示す。 Ａ……電子計算機、Ｂ……梱包箱、１……嵌合
部、２……真空成形された包装容器、３……連結
部材、４……補強リブ、５，６……屈折凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 小型電子機器の相対向する一側端に各包装容器
   に形成された嵌合部を嵌合して、該一対の包装容
   器により前記小型電子機器を支持する小型電子機
   器の包装体において、 前記包装容器は前記嵌合部、該嵌合部外周の側
   辺部、少なくとも相対向する前記一対の側辺部に
   設けられ前記嵌合部から外方に向かつて垂直方向
   に立脚された複数の補強リブ、および前記補強リ
   ブ間にあつて機器の支持方向に平行に設けられ前
   記小型電子機器を吊持ち状に支持する屈折部とが
   真空成形により一体的に形成されてなることを特
   徴とする小型電子機器の包装体。