JPS6139211B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は簡易真空排気装置に関し、特にはガ
ラスもしくはプラスチツクス等の耐圧性容器に収
納された食料品等を保存するために容器内の空気
を真空排気する装置に関する。

（従来の技術） 食品等の保存のために、食品を収納した容器内
部の空気を排除して包装する真空包装は広く一般
的に行なわれているところである。

しかるに、例えば、一般家庭等において、野
菜、果物、魚介類、調理済食品等を保存する場
合、適当な容器にこれらを収納して常温保存また
は冷蔵もしくは冷凍保存するのが通常であるとこ
ろ、もし、このような場合において、容器内の空
気が排出され真空状態で保存されるならば、食料
品等の保存状態は格段と向上し、その味覚、風味
も維持することができる。

しかしながら、このような目的のために使用さ
れる簡易な真空排気装置は未だかつてなかつた。

（発明が解決しようとする問題点） この発明はこのような点を勘案考慮して提案さ
れたものであつて、極めて手軽に使用することが
できる簡易な真空排気装置を提供しようとするも
のである。

また、この発明は、一般家庭で幅広く使用され
ているガラスもしくはプラスチツク等の収納容器
をそのまま用いて行なう真空包装のための排気装
置を提供しようとするものである。

さらに、この発明は、真空包装―開封―真空包
装という連続、繰返し使用を可能とする真空排気
装置を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） この発明は、上記の目的を達成するために、食
品等の物体が収納された耐圧性容器内の空気を簡
易に排気する装置であつて、前記耐圧性容器の開
口部を密閉する蓋部材と、真空ポンプが装置され
た本体と、前記本体の真空ポンプと吸気ホースに
よつて連結された吸込ヘツドとからなり、前記蓋
部材は、略中央部に透孔を有する凹面部が形成さ
れた蓋体と、前記蓋体の凹面部に収容されること
ができかつそれ自体可撓性のある薄い上面シール
片と、前記蓋体の裏面に固定され容器開口端縁部
に密着する蓋パツキン部材とから構成されている
とともに、前記吸込ヘツドは、前記吸込ホースと
連通する吸気口および開閉自在な脱気口を有しか
つ下部に前記蓋体表面に密着するヘツドパツキン
を備えた吸入チヤンバーを有することを特徴とす
る。

（作用） この発明装置によれば、まず食品等の物体が収
納された耐圧性のある例えばガラス容器等の開口
縁部に蓋パツキン部材が当接するように蓋体をか
ぶせる。そして、蓋体の凹面部に上面シール片を
載せ、該凹面部を囲むように吸込ヘツドをセツト
する。次いで、本体の真空ポンプを作動し、吸込
ヘツドを蓋体にやや押えつけるように保持すれ
ば、容器内の空気は吸込チヤンバーの吸気口より
どんどん排気されて真空状態が作り出される。な
お、蓋体の凹面部に収容されて透孔を塞いでいる
上面シール片は、真空吸引に伴つて該凹面部にお
いて浮き上つた状態となつて該透孔を開く。

容器内の真空圧が適当な圧力に達した時に真空
ポンプが停止される。

そして、吸込ヘツドの脱気栓を緩めて該吸込ヘ
ツドの蓋体に対する吸着状態を解除する。このと
き、容器内の外気との間には気圧差が生じ、蓋体
の凹面部の上面シール片は、透孔に強く吸引さ
れ、その結果該透孔を密に閉塞シールする。

これによつて、真空包装が完了し、この状態で
容器内の食品等が保存される。

容器内の食品等を取り出す場合には、上面シー
ル片を指で剥してから蓋体を開く。物品取り出し
後の再包装は上と全く同様に行なわれる。

（実施例） 以下、添付の図面に従つてこの発明を詳細に説
明すると、第１図はこの発明装置の一実施例の真
空包装装置を一部透視的に見た全体斜視図、第２
図は真空吸引状態を示す要部の断面図、第３図は
真空包装された容器の蓋部材における上面シール
片を剥して開封する状態を示す斜視図である。

第１図に図示したように、この発明の簡易真空
排気包装装置は、食品等が収納された耐圧性容器
９の開口部８を密閉する蓋部材１０と、真空ポン
プ２１が装置された本体２０と、前記本体２０の
真空ポンプ２１と吸気ホース２２によつて連結さ
れた吸込ヘツド３０とから構成される。

ここにいう耐圧性容器とは、排気の際に例えば
袋状物のような極端な変形を生じないというほど
の意であつて、ガラスもしくはプラスチツクの箱
体からなる容器が一般的なものとして考えられて
いる。

蓋部材１０は、第１図および第２図の断面図か
ら理解されるように、上面シール片１１、蓋体１
２ならびに蓋パツキン部材１９より構成される。
上面シール片１１はゴムもしくはプラスチツクス
等の可撓性材料よりなり、直径約30mm、厚さ約２
mm程度の薄い小片である。

蓋体１２は、プラスチツクス成形品よりなり、
表面側中央部に前記上面シール片１１を収容する
凹面部１３が形成され、該凹面部１３の略中央部
には透孔１４が穿設される。

蓋パツキン部材１９は、ゴムもしくはプラスチ
ツクス等の弾性材料よりなり、例えば第２図のよ
うに、前記蓋体１２の外周から裏面へ断面Ｌ字状
に張設された鍔部１８に挟着されて、包装される
容器の開口縁部８ａに密着される。蓋パツキン部
材１９の厚みは、容器の開口縁部８ａの凹凸を吸
収するために、約２mm程度あることが望ましい。

本体２０には、従来公知の、例えば図示のよう
な往復式（ピストン式）真空ポンプ２１が装置さ
れ、スイツチ２６によつて作動される。第１図中
符号２１ａは真空ポンプ２１の吸気口部、２１ｂ
は同じく排気口部、２２は吸気ホース、２３は排
気ホースで、２４は本体裏面に設けられた排気
部、２５は真空ポンプのモータ部、２７は真空ポ
ンプの吸引圧を表示する表示部である。

吸込ヘツド３０は、第２図の断面図からよりよ
く理解されるように、前記蓋体１２上面に密着し
て容器９内の空気を吸引排気するための吸込チヤ
ンバー３１を有している。

すなわち、吸込チヤンバー３１は、前記吸気ホ
ース２２と連通する吸気口３２および開閉自在な
脱気口３３を有し、かつ下部には蓋体１２上面に
密着するヘツドパツキン３９が備えられている。
吸気口３２はチヤンバー３１内に突設した筒部３
２ａ内に設けられている。符号３２ｂはその切欠
部である。脱気口３３は筒部３３ａを経て脱気栓
３５のパツキン３６によつて常時密封されてい
る。脱気栓３５を回転して緩めることによつて該
パツキン３６と筒部３３ａ端縁との間にわずかな
間隙が形成され、脱気口３３を介して空気が入り
込み吸引チヤンバー３１内が脱気され、吸込ヘツ
ド３０の蓋体１２に対する吸着状態が解除され
る。

次に、この発明装置を作動順序とともにさらに
詳しく述べる。

第２図は、保存する食品を収納した例えばガラ
ス容器９について真空包装する状態を示したもの
であるが、図のように、まず容器開口縁部８ａに
蓋パツキン部材１９が当接するように蓋体１２を
載置する。そして、蓋体１２の凹面部１３に上面
シール部材１１を載せ、該凹面部１３を囲むよう
に吸込ヘツド３０をセツトする。

次いで、本体２０のスイツチ２６をオンにして
真空ポンプ２１を作動し、前記吸込ヘツド３０を
蓋体１２にやや押えつけるように保持すれば、容
器９内の空気は吸込チヤンバーの吸気口３２より
どんどん排気されて真空状態が作り出される。な
お、蓋体１２の凹面部１３に収容されて透孔１４
を塞いでいる上面シール片１１は、真空吸引に伴
つて図のように浮き上つた状態となつて該透孔１
４を開く。

容器９内の真空圧は、本体に設置されている表
示部２７に表示される吸引圧力により感知するこ
とができ、適当な圧力に達した時、自動または手
動によつて真空ポンプ２１が停止される。

そして、吸込ヘツド３１の脱気栓３５を回転し
て該吸込ヘツドの蓋体１２に対する吸着状態を解
除する。このとき、容器９内と外気との間には気
圧差が生じ、蓋体１２の凹面部１３の上面シール
片１１は、透孔１４に強く吸引され、その結果該
透孔１４を密に閉塞シールする。これで、真空包
装が完了し、この状態で容器内の食品等が保存さ
れる。

第３図は、この真空包装された容器の開封状態
を示す斜視図であるが、開封に際しては蓋体１２
における上面シール片１１を図に示すように剥す
ことによつてなされる。上面シール片１１は薄い
可撓性のある材質によつて構成されているもので
あるから人の指の力で簡単に剥すことが可能であ
る。必要ならば同図の上方に示す上面シール片の
ようにつまみ突起１１Ａを突設してもよい。

（効果） 以上説明したところから容易に理解されるよう
に、この発明の真空排気装置にあつては、包装―
開封―再包装という連続、繰り返し使用が可能で
例えば一時保存しておいた食品を取り出し、再度
真空保存しておくということが簡単に行え、特に
一般家庭等における調理保存用として便宜であ
る。

また、真空包装の容器としては、吸引による変
形を生じないものであればほとんどのものがその
まま使用でき、詰め替え等の煩雑さが無く、使い
勝手が極めてよい。

もちろん、包装された食品等は、真空状態で保
存されるので、その保存状態は格段と向上し、新
鮮な味覚、風味も長期に亘つて維持することがで
きる等、この発明の真空包装装置のもたらす利
点、長所は甚だ大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明装置の一実施例の真空包装装
置を一部透視的に見た全体斜視図、第２図は真空
吸引状態を示す要部の断面図、第３図は真空包装
された容器の開封状態を示す斜視図である。 １０……蓋部材、１１……上面シール片、１２
……蓋体、１３……凹面部、１４……透孔、１９
……蓋パツキン部材、２０……本体、２１……真
空ポンプ、２２……吸気ホース、３０……吸込ヘ
ツド、３１……吸込チヤンバー、３２……吸気
口、３３……脱気口、３９……ヘツドパツキン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 物体が収納された耐圧性容器内の空気を簡易
   に排気する装置であつて、前記耐圧性容器９の開
   口部を密閉する蓋部材１０と、真空ポンプ２１が
   装置された本体２０と、前記本体の真空ポンプと
   吸気ホース２２によつて連結された吸込ヘツド３
   ０とからなり 前記蓋部材１０は、略中央部に透孔１４を有す
   る凹面部１３が形成された蓋体１２と、前記蓋体
   の凹面部に収容されることができかつそれ自体可
   撓性のある薄い上面シール片１１と、前記蓋体の
   裏面に固定され容器開口端縁部に密着する蓋パツ
   キン部材１９とから構成されているとともに、 前記吸込ヘツド３０は、前記吸気ホース２２と
   連通する吸気口３２および開閉自在な脱気口３３
   を有しかつ下部に前記蓋体１２表面に密着するヘ
   ツドパツキン３９を備えた吸込チヤンバー３１を
   有することを特徴とする簡易真空排気装置。