JPS6137449Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランスフアマシンなどに用いる反転
ヘツド型多軸加工機に関する。

従来このような反転ヘツドにおいては、全スピ
ンドルが１本の入力軸に連動連結されているた
め、一方のワークを加工している時は他方のワー
ク加工用スピンドルも空転していることになり、
スピンドル駆動動力の浪費を招くのみならず、２
種類のワークを夫々加工する場合は、加工し得る
ワークの種類や形状が限定され過ぎたり、同一ワ
ークにドリル加工とタツプ加工を順次施す場合に
スピンドル回転速度を変え難かつたり、或いは又
タツプ加工すべき２種類のワークに対しては、フ
イードユニツトによるタツプ送り速度が一定する
ため、加工し得るねじの種類が限定されたりする
欠点があつた。

本考案はこの問題に対処するもので、ワークに
対し進退自在なドライブユニツトに反転ヘツドを
上下反転自在に取付けた多軸加工機において、ド
ライブユニツトの進退方向と平行な回転軸線を持
つ反転ヘツドを、その略下半部がワークに対向す
るように構成して、該反転ヘツドの上半部と下半
部とに夫々反転ヘツド回転軸線と平行な一組のワ
ーク加工用スピンドルを、これが下端位置に回動
した時にワークを加工し得るように取付け、互い
に回転自在な内外の軸よりなる同心二重軸を反転
ヘツド回転軸線上に配設して、その一方の軸に反
転ヘツド上半部の一組のワーク加工用スピンドル
を、又他方の軸に反転ヘツト下半部の一組のワー
ク加工用スピンドルを夫々連動連結し、且つ該同
心二重軸の各軸を夫々ドライブユニツト上の各別
のモータに連動連結して、何れか一組のワーク加
工用スピンドルが下端位置に回動してワークを加
工する際に、該ワーク加工用スピンドルが連動連
結された方のモータだけを駆動する装置を設けた
ことを特徴とする。

以下本考案の一実施例を図について説明する。
１はトランスフアマシンのベツド、２は該ベツド
１上を紙面に直角な方向にトランスフア装置で送
られるパレツト、３はベツド１上に取付けたフイ
ードユニツト、４は該フイードユニツト３により
図の左右方向に移動させられるドライブユニツ
ト、５は反転ヘツドを示し、ドライブユニツト４
のボデイ６には筒状の外軸７と内軸８よりなる同
心二重軸が前後の軸受９を介して回動自在に取付
けられ、該筒状外軸７の先端部には軸受１０を介
して反転ヘツド５のボス部５ａが回動自在に支承
される。

図示のものはボス部５ａの外周に刻設したウオ
ーム歯車１１に、ボデイ６の環状フランジ部分６
ａ内に取付けたウオーム１２を噛合わせて、該ウ
オームを外部より回転させることにより反転ヘツ
ド５を回転させるようにしているが、ヘツド反転
機構はこれに限定されるものではなく、ラツクピ
ニオン機構など任意の機構を採用し得る。又図示
してはいないが、反転ヘツド５とボデイ６の間に
は、反転ヘツド５を加工位置にクランプするクラ
ンプ装置を適宜取付けることは従来同様である。
尚反転ヘツド５の回転を円滑にし、且つ加工時に
おける該反転ヘツドの固定精度を維持させるた
め、環状フランジ部分６ａに反転ヘツド背面外周
部を適宜スラスト軸受を介し当接支持させておく
のがよい。

１３は反転ヘツド５の下半部内に回動のみ自在
に取付けたワークＷ加工用の３個のスピンドル
で、該各スピンドル１３の基部に夫々固着された
歯車１４が外軸７の先端に固着した歯車１５に噛
合い、又反転ヘツド５の上半部内に回動のみ自在
に取付けたワークW′加工用の３個のスピンドル
１６は、その基部に夫々固着された歯車１７が内
軸８の先端に固着した歯車１８に噛合う。図中Ｔ
は各スピンドル１３，１６の先端に着脱自在に取
付けられたタツプやドリル等の加工工具を示す。

図示のスピンドル１３，１６は説明の簡略化上
夫々同心二重軸を中心とする各別の円周上に配設
しているが、各スピンドルに固着した歯車と歯車
１５或いは１８との間を夫々複数の伝動歯車で連
動連結するようにすれば、同心二重軸７，８より
２組のスピンドルへの伝動系が互いに干渉しない
範囲内でスピンドル位置を任意に設定できる。従
つてワークW′加工用スピンドルとワークＷ加工
用スピンドルの取付範囲を夫々反転ヘツド５の上
半部と下半部に限定することも必ずしも必要条件
ではなく、例えばワークＷをその加工用スピンド
ルで加工する際に、ワークW′加工用スピンドル
先端の加工工具がワークＷと干渉しなければワー
クW′加工用スピンドルを反転ヘツドの下半部に
設けることができる。

１９，２０はボデイ６上に夫々取付けた第１、
第２のモータで、第１モータ１９の出力軸は巻掛
伝動装置２１等を介して外軸７に連動連結され、
第２モータ２０の出力軸は巻掛伝動装置２２など
を介して内軸８に連動連結される。尚２３は筒状
外軸７内に内軸８を回動自在に支持させる軸受を
示す。

本考案は上記構成を備え、ベツド１上にワーク
Ｗを取付けたパレツト２が流れてきた時は、反転
ヘツド５を図示の位置に固定して、第１モータ１
９により外軸７を介してスピンドル１３を駆動
し、フイードユニツト３によりドライブユニツト
４に送りをかけて該スピンドル先端の加工工具Ｔ
によりワークＷを加工し、又ベツド１上にワーク
W′を取付けたパレツト２が流れてきた時は、ウ
オーム１２を自動操作して反転ヘツド５を図示の
位置より180度反転して、第２モータ２０により
内軸８を介してスピンドル１６を駆動し、同様に
該スピンドル先端の加工工具によりワークW′を
加工するものである。

本考案においては、ドライブユニツトの進退方
向と平行な回転軸線を持つ反転ヘツドを、その略
下半部がワークに対向するように構成して、該反
転ヘツドの上半部と下半部とに夫々反転ヘツド回
転軸線と平行な一組のワーク加工用スピンドルを
取付けることにより、下端位置に回動した一組の
ワーク加工用スピンドルでワークを加工する際
に、他組のワーク加工用スピンドルに取付けた加
工工具がワークと干渉しないようにすると共に、
下端位置に回動した該ワーク加工用スピンドルだ
けがモータで駆動されるように構成したから、反
転ヘツドを回転するだけで異なるワークの加工或
いは同一ワークの異種加工が可能となるのみなら
ず、不使用側のワーク加工用スピンドルの駆動動
力を節減することができ、しかも各ワーク加工用
スピンドルの駆動モータ等を反転ヘツドに取付け
ないように構成したから、反転ヘツドの大型化や
その重量増大に基づく剛性低下を防止して、充分
なワーク加工精度を保持させることができ、トラ
ンスフアマシンなどに用いる反転ヘツド型多軸加
工機としてその効果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断側面図、第２図及び第３図は夫々
反転ヘツドのＸ矢視図及びＹ−Ｙ断面図である。 １……ベツド、２……パレツト、３……フイー
ドユニツト、４……ドライブユニツト、５……反
転ヘツド、６……ボデイ、７……筒状外軸、８…
…内軸、１３，１６……ワーク加工用スピンド
ル、１９……第１モータ、２０……第２モータ、
Ｗ，W′……ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークに対し進退自在なドライブユニツトに反
   転ヘツドを上下反転自在に取付けた多軸加工機に
   おいて、ドライブユニツトの進退方向と平行な回
   転軸線を持つ反転ヘツドを、その略下半部がワー
   クに対向するように構成して、該反転ヘツドの上
   半部と下半部とに夫々反転ヘツド回転軸線と平行
   な一組のワーク加工用スピンドルを、これが下端
   位置に回動した時にワークを加工し得るように取
   付け、互いに回転自在な内外の軸よりなる同心二
   重軸を反転ヘツド回転軸線上に配設して、その一
   方の軸に反転ヘツド上半部の一組のワーク加工用
   スピンドルを、又他方の軸に反転ヘツド下半部の
   一組のワーク加工用スピンドルを夫々連動連結
   し、且つ該同心二重軸の各軸を夫々ドライブユニ
   ツト上の各別のモータに連動連結して、何れか一
   組のワーク加工用スピンドルが下端位置に回動し
   てワークを加工する際に、該ワーク加工用スピン
   ドルが連動連結された方のモータだけを駆動する
   装置を設けたことを特徴とする反転ヘツド型多軸
   加工機。