JPS609939B2 - 負圧式倍力装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として自動車の油圧式ブレーキ、クラッチ
等のマスタシリンダを負圧力を以て倍力作勤する負圧式
倍力装置、特にブースタシェルの内部をｔそれに前後往
復動自在に収容したブースタピストンと、このブースタ
ピストンの円板部後面に重合して円周ビードを該ブース
タピストンに結着すると共に外周ビードを前記ブースタ
シェルの周壁に結着したダイヤフラムとにより負圧源に
連なる前部の第１作動室と、入力部村に連動する制御弁
を介して前記第１作動室または大気に選択的に蓮通され
る後部の第２作動室とに区画し、前記ブースタシェルの
前、後両端壁間を、前記ブースタピストンの円板部及び
ダイヤフラムを貫通するタィロッドを介して連結し、前
記タィロッドもこ貫通される前記円板部の透孔にシール
手段を施した形式のものに関する。

かかる形式の倍力装置はト前記タィロッドの後端部を支
持壁となる車体に固着し、タィロッドの前端部にマスタ
シリンダを取付けて使用されるもので「その作動時には
、ブースタピストンからマスタシリンダに加わる前方へ
のスラスト荷重をタィロッドを介して支持壁に伝達する
ことができ、したがって、その荷重のブースタシェルへ
の負担を回避できるので、ブースタシェルには上記荷重
に耐える程高い剛性を与える必要がなく、これを薄肉鋼
板、合成樹脂等より成形して、その軽量化を達成し得る
利点を有する。

本発明は、上記倍力装置の一層の軽量化と生産性を図る
べく提案されたもので、ブースタピストンを中心ボス部
と円板部とに分割して、その円板部を薄肉で比較的剛性
の高い鋼板等により構成し得るようにするとともに「そ
の円板部を外径の異なるものと交換するのみで容量の異
なる各種倍力装置の要求するブースタピストンが容易に
得られるようにし、しかも、交換可能な円板部をダイヤ
フラムと共に、タイロツドと干渉することなく中心ボス
部に簡単確実に結合し得るような前記倍力装置を提供す
ることを目的とする。

以下、図面により本発明の一実施例について説明すると
、第１図においてＷは自動車のエンジンルームの後側壁
を構成する支持壁でトその前面に、ブレーキ用マスタシ
リンダＭを前端に結合した本発明の負圧式倍力装置Ｓが
取付けられる。

倍力装置Ｓのブースタシェルーは軸方向に分割された前
部シェルＩＡ及び後部シェルＩＢとより構成され、これ
らは薄肉鋼板または合成樹脂より成形されている。この
ブースタシヱル１内に前後往復勤自在に収容されたブー
スタピストン２は合成樹脂製の中心ボス部２ａと、この
外周に一体に突設したフランジ３の後面に当壌する鋼板
製の円板部２ｂとより分割構成され、この円板部２ｂの
後面にローリング型ダイヤフラム４が重合される。この
ダイヤフラム４はその内、外周部にビード４ａ，４ｂを
一体に有しており、その内周ビード４ａは、円板部２ｂ
の内周端に連結されると共に中心ボス部２ａの外周に緊
密に鞍合され「一方、外周ビード４ｂは前、後部シェル
ＩＡ，ＩＢの突合せ端部間に秋着される。また、中心ボ
ス部２ａの外周にはばね鋼板製の弾性係止環５が係止さ
れ、この係止環５と中心ボス部２ａのフランジ３との間
に円板部２ｂ及び内周ビード４ａが侠持される。上記ブ
ースタピストン２及びダイヤフラム４はフースタシェル
１内部を前部の第１作動室Ａと後部の第２作動室Ｂとに
区画し、第１作動室Ａは倉圧導入管６を介して負圧源た
る機関の吸気マニホールド（図示せず）内と常時達通し
、また第２作動室Ｂは、入力粁７の前、後動により操作
される図示しない制御弁により第１作動室Ａまたは大気
との運通を交互に切換えられるようになっている。

而して、第１作動室Ａが負圧を蓄えているとき、ブレー
キペダル８の操作により入力杵７を前進させて第２作動
室Ｂを大気に蓮適すれば、両作動室Ａ，Ｂ間に生じる気
圧差によりブースタピストン２に推力が与えられ、この
ブースタピストン２の前進により出力杵９を介してマス
タシリンダＭの作動ピストン２９を前方に駆動すること
ができる。前、後部シェルＩＡ？ 翼Ｂの各端壁〜ブー
スタピストン２の円板部２ｂ及びダイヤフラム４を、そ
れらの中心軸線を挟んでそれと平行に延びる２本のタィ
ロツド１１（第５図参照）が貫通する。

後部シェルＩＢの端壁内面には、タィロッド１１に貫通
される支筒１２が溶接され、これに、タイロッド１１外
周に一体に突設した段付フランジ１３が鉄入される。そ
の際「段付フランジー３、支筒１２及び後部シェルＩＢ
の端壁により画成される環状ハウジング１４に、後部シ
ェルＩＢのタィロッド貫通孔１５を封繊するシール部材
１６が豚装される。このシール部材１６と協働して段付
フランジー３の大蓬部を挟持する止環１７が支筒亀２の
内周壁に係止される。かくして、タイロッド１１は後部
シェルＩＢの端壁に固着される。前部シェルＩＡの端壁
の内側面には挟持板１８が重合され、これによりブース
タピストン２を後退方向に弾発する戻し‘まね１９の固
定端が支承される、この挟持板１８の両端には一対のボ
ス２０（図には一個のみ示す。）が一体に形成されてお
り、これらのボス２０１こ２本のタイ。ツド１１が貫通
して挟持板１８の回り止めをなしている。また「ボス２
０の内側端面には欠円状凹孔２１が設けられており、こ
れに対応するタィロッド１１上の欠円状フランジ２２が
鉄合してそのタィロッド１１の回り止めをなしている。
さらに、ボス２０の外側端面にはシールハウジング２３
が凹設されており、このハウジング２３に前部シェルＩ
Ａのタィロッド貫通孔２４を封繊するシール部材２５が
鉄着される。タィロツド１１はブースタシェルーの前後
に突出する両端部をボルト１１ａ，１１ｂに形成されて
おり、前部のボルト１１ａの基部に前部シェルＩＡの抜
け止め用サークリップ２６が係止される。

このボルト１１ａはマスタシリンダＭのシリンダ本体２
７後端に形成した取付フランジ２８を貫通してその先端
にナット３０を螺合され、これによりマスタシリンダＭ
は、タイロッド１１を介してブースタシェル１の前面に
取付けられると共に、挟持板１８と協働して前部シェル
ＩＡの端壁を挟持補強する。かくして、前、後部シェル
ＩＡ，ＩＢはタィ。ッド１１を介して一体に結合される
。また、後部のボルト１１ｂは支持壁Ｗを貫通してその
先端にナット３１を螺合され、これによりフースタシェ
ル１はタィロッド１１を介して支持壁Ｗに固着される。

タイロッド１１に貫通されるブースタピストン２の透孔
３２には次のようなシール手段が施される。

即ち、タイロッド１１は第１作動室Ａにおいて蛇腹状の
伸縮性ブーツ３３に囲総され「 このブーツ３３の前端
部３３ａがタィロッド１１外周に、またその後端部３３
ｂが上記透孔３２にそれぞれ緊密に鞍着される。

したがって、ブーツ３３はその伸縮性によりブースタピ
ストン２の前後動を妨げることなく透孔３２を封織する
ことができる。フースタピストン２の円板部２ｂとダイ
ヤフラム４との重合面は内周ビード４ａの部分を除いて
離間が可能であり、これらの重合面は、タィロツド１１
に貫通されるダイヤフラム４の透孔３４を介して第２作
動室Ｂと蓮適する。透孔３４はダイヤフラム４と一体の
環状ビード４ｃにより画成され、この環状ビード４ｃは
ブーツ３３の後端部３３ｂ後面に離間可能に密着する。
この密着状態を通常確実にしておくために、前記係止環
５の外周から一体に延長して形成した弾性押圧片５ａを
環状ピード４ｃの後面に圧接させる。この押圧片５ａは
、透孔３４と第２作動室Ｂ間の蓮通を許容する開□部と
して第６図のような円孔３５またはＵ字状切欠３５′を
持っている。前記円板部２ｂの透孔３２、ダイヤフラム
４の透孔３４及び押圧片５ａの閉口部３５，３５′をタ
イロッド１１と同心上に配置するために、フースタシェ
ル１の前部シェルＩＡと後部シヱルＩＢ、後部シェルＩ
Ｂとダイヤフラム４、ダイヤフラム４とブースタピスト
ン２の円板部２ｂ、その円板部２ｂと中心ボス部２ａ、
中心ポス部２ａと係止環５の各間に、対応同士の円周方
向相対位置を決定する凹凸係合部が次のように設けられ
る。

即ち、第３図に示すように前部シェルＩＡ及び後部シェ
ルＩＢの連接端部には、互いに係合する位置決め切欠３
６及び位置決め爪３７が設けられ、また第４図に示すよ
うに後部シェルＩＢ及びダイヤフラム４の外周ビード４
ｂの連接部には、互いに係合する位置決め切欠３８及び
位置決め突起３９が設けられ、また第１図に示すように
円板部２ｂ及びダイヤフラム４の重合面には、互いに係
合する位置決め凹部４０及び位置決め凸部４１が設けら
れる。また、第５図に示すように中心ボス部２ａのフラ
ンジ３外周に半円状位置決め切欠４２が設けられ、それ
に対応して円板部２ｂの、ブーツ後端部３３ｂを囲綾す
る部分に上記切欠４２に係合する位置決め環４３が鱗着
される。さらに第６図に示すように中心ボス部２ａ及び
係止環５の連接部には、互いに係合する位置決め溝４４
及び位置決め爪４５が設けられる。尚、４６は係止環５
を中心ポス部２ａの外周面に係止させる弾性係止爪であ
る。上記構成において、第１作動室Ａに高い負圧が蓄え
られたとき、その負圧による大なる吸引力が前部シェル
ＩＡの特に剛性の弱い端整に作用しても「その吸引力は
挟持板１８及びタィロッド１１を介して支持壁Ｗに伝達
して支承され、しかも、前部シェルＩＡの端壁は、挟持
板１８及びマスタシリンダＭの取付フランジ２８に侠持
され補強されているから、内方への変形を生じることは
ない。

また、球持板１８は、戻し‘まね１９の固定端を支承し
ているので、戻いまね１９の弾発力をもタィロッド１
１に伝達して前部シェルＩＡには負担させない。ブレー
キペダル８１こよる入力村７の前進操作によりブースタ
ピストン２が前進作動すれば、マスタシリンダＭの作動
ピストン２９を前方に押動して図示しない油圧室に油圧
を発生し、これにより車輪ブレーキを作動させる。

このとき、作動ピストン２９の前方押圧力は上記油圧を
介してマスタシリンダＭのシリンダ本体２７に前向きの
スラスト荷重として作用するが、この荷重は取付フラン
ジ２８及びタィロッド１１を介して支持壁Ｗに伝達して
支承される。したがってブースタシェル１には上記荷重
を負担させず、その荷重によるブ−スタシェル量の変形
が防止される。次に「負圧源に負圧が無くトしたがって
第１作動室Ａに負圧が蓄えられていない場合に〜入力好
７の前進操作によりブースタピストン２を前方へ押動す
れば「図示しない制御弁により第２作動室８は第１作動
室Ａとの蓮通を断たれて大気と連通されるので「第１作
動室Ａ内の空気は圧縮されて負圧導入管６から負圧源側
に排出されようとするがトその排出抵抗により該室Ｂの
圧力が一定値以上に増大したときもその圧力は「第２図
に示すように、ブースタピストソ２の円板部２ｂとダイ
ヤフラム４との重合面間に侵入して間隙ｇをつくり、更
に環状ビード４ｃを押圧片６ａの蝉性押圧力に抗してブ
ーツ３３の後端部３３ｂから離間させる。

その結果「第１作動室Ａ内の空気はト前記間隙ｇ及び透
孔３４を通して大気圧下の第２作動室Ｂに容易に排出さ
れるため「第１作動室Ａ内の空気の排出抵抗が殆んどな
く「フースタピストン２を軽′決にマニュアル作動する
ことができる。以上のように本発明によれば「ブースタ
ピストンを〜外周にフランジを突設した中心ボス部とも
前記フランジの後面に当援する円板とに分割したので、
その円板部を薄肉で比較的剛性の高い鋼板等を以て構成
することにより「フースタピストンの重量を軽減できて
倍力装置の一層の軽量化が促進される。のみならず、前
記円板部を外径の異なるものと交換すれば「容量の異な
る各種倍力装置の要求するブースタピストンが容易に得
られ、したがって比較的構造の複雑な中心ボス部は各種
倍力装置に共用されるから、倍力装置の容量の異なるも
のが多く要求される場合でも「それらの生産性が良好で
、廉価に提供することができる。また、前記中心ボス部
には「そのフランジと協働して前記円板部及びダイヤフ
ラムの内周ビードを挟持する係止環を係止し「 この係
止環にトタィロッド‘こ貫通されるダイヤフラムの透孔
周辺部を前記円板部に押圧する礎圧押圧片を一体に形成
したのでト単一の部品を以ても中心ボス部に対する円板
部及びダイヤフラムの固着と「前記ダイヤフラムの透孔
の封繊とを可能にし「構造が簡単である。こうにト前記
フランジと前記円板部ｔ前記円板部と前記ダイヤフラム
「前記中心ボス部と前記係止環の各間に対応同士の円周
方向相対位置を決定する凹凸係合部をそれぞれ設け、前
記タィロッドにそれぞれ貫通される円板部の透孔ｔダイ
ヤフラムの透孔及び礎性押圧片の閉口部をタィロッドと
略同０上に配置したのでも交換可能な円板部をダイヤフ
ラムと共に〜 タイロッドと干渉することなく中心ボス
部に簡単確実に結合することができ、組立が容易である
。

【図面の簡単な説明】

第富図は本発明の一実施例に基づく負圧式倍力装置の縦
断面図Ｌ第２図はその要部の作動説明図〜第３及び第４
図は第翼図のｍ失視及びＷ矢視図ｔ第５及び第６図は第
亀図のＶ−Ｙ線及びＷ−の線断面図である。 Ａ……第１作動室、Ｂ……第２作動室「 Ｓ……倍力装
置ｔ 宴・・…７ースタシェル「 ２……フースタピス
トント２ａ……中心ボス部も２ｂ……円板部も３……フ
ランジ、４州側ダイヤフラム「 ４ａ……内周ビード、
４ｂ……外周ビード、５……係止環「 Ｓａ……弾性押
圧片「 ６……負圧導入管「青側…入力杵、８竃……タ
イロッドも３２……円板部の透孔、３３……シール手段
としての伸縮性フーツも ８４……ダイヤフラムの透孔
、８５……閉口部としての円孔、３蚤′……開□部とし
ての功欠「 亀０３ ４１…・・・凹凸係合部としての
位置決め凹部及び位置決め凸部、４２，年３…・・。 凹凸係合部としての位置決め切欠及び位置決め環「 ４
４ 亀畳……凹凸係合部としての位置決め溝及び位置決
め爪。繁Ｔ図 第２図 第３図 第４図 第Ｓ図 第６図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ブースタシエルの内部を、それに前後往復動自在に
   収容したブースタピストンと、このブースタピストンの
   円板部後面に重合して円周ビードを該ブースタピストン
   の中心ボス部に結着すると共に外周ビードを前記ブース
   タシエルの周壁に結着したダイヤフラムとにより負圧源
   に連なる前部の第１作動室と、入力部材に連動する制御
   弁を介して前記第１作動室または大気に選択的に連通さ
   れる後部の第２作動室とに区画し、前記ブースタシエル
   の前、後両端壁間を、前記ブースタピストンの円板部及
   びダイヤフラムを貫通するタイロツドを介して連結し、
   前記タイロツドに貫通される前記円板部の透孔にシール
   手段を施した負圧式倍力装置において、前記ブースタピ
   ストンを、外周にフランジを突設した中心ボス部と、前
   記フランジの後面に当接する円板部とに分割し、前記中
   心ボス部の外周に、前記フランジと協動して前記円板部
   及び円周ビードを狭持する係止環を係止し、この係止環
   に、前記タイロツドに貫通される前記ダイヤフラムの透
   孔周辺部を前記円板部に押圧する弾性押圧片を一体に形
   成し、前記フランジと前記円板部、前記円板部と前記ダ
   イヤフラム、前記中心ボス部と前記係止環の各間に対応
   同士の円周方向相対位置を決定する凹凸係合部をそれぞ
   れ設け、前記タイロツドにそれぞれ貫通される前記円板
   部の透孔、ダイヤフラムの透孔及び弾性押圧片の開口部
   を前記タイロツドと略同心上に配置したことを特徴とす
   る、負圧式倍力装置。