JPS606380Y2 - ル−フトリムの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は自動車のルーフパネル内側面に装着されるルーフ
トリムの取付構造に関し、特にルーフトリム前後端末部
の取付構造に関する。

自動車のルーフパネル内側面、つまり車室内側面には通
常樹脂シートや編織布等からなるヘッドライニングをリ
ステイニングワイヤで吊設して車室内側のルーフ面を装
飾するようにしているが、近年このようなヘッドライニ
ングに替えてハードボードや例えば波形中芯に熱可塑性
樹脂被膜を介してライナーを貼合した段ボールを基材と
したルーフトリムが使用されつつあり、中でも段ボール
を基材としたものにあっては軽量で比較的加工性に富む
ことと、安価なことから特に注目されている。

ところで、このようなボード状のルーフトリムを取付け
る場合、基本的にはサンバイザーブラケットやバックミ
ラーブラケットおよびルームランフ等の機能部品と一体
にフロントルーフレールやルーフパネル中央部に設けら
れたレインフォース等に共締めし、そして周縁部を適宜
装飾部材で隠蔽するようにしている。

しかして、このルーフトリム周縁部の取付けに際し、通
常、左右両側の端末部はドアが取付く車体開口縁部に嵌
着するウェルトにより体裁良く簡単に隠蔽できるのであ
るが、前後端末部は車体ルーフの前後部の構造上特別に
ガーニッシュで隠蔽しなけれだならない。

これは第２図に例示するように、ルーフパネル１の前後
部にはフロントルーフレール２およびリヤルーフレール
３が配設され、そして、これらルーフパネル１とルーフ
レール２，３の接合フランジ部にウェザ−ストリップ４
を嵌着して、このウェザ−ストリップ４によりフロント
ウィンドガラス５あるいはリヤウィンドガラス６を支持
する構造が採られており、従って、このルーフ前後部に
はルーフトリム７′の前後端末部７’ａを隠蔽し得る機
能部品が存在しないため、図示のようにルーフトリム端
末部？’ａとウェザ−ストリップ４の取付基部に跨って
ガーニッシュ８をあてがい、ビス９によりルーフレール
２，３に共締めする構造が採られるのである。

しかし、このようにガーニッシュ８によりウェザ−スト
リップ４の取付基部からルーフトリム端末部？’ａに亘
って隠蔽するようにした場合、該ガーニッシュ８を比較
的幅広にする必要があり、たとえ、該ガーニッシュ８を
ルーフトリム７′と同系色に採色を施したとしても連続
感がなく、車室内観を損ねてしまう憾があった。

本案はかかる従来の実状に鑑み、ルーフトリムとして軽
量でかつ安価な段ボール製ルーフトリムを採用するに当
り、その前後端末部を単層ボード状に圧潰して該トリム
端末部に対応する車体ルーフレールとウェザ−ストリッ
プ基部との間でしっかりと挟着保持することにより、組
付作業性と車室内観を向上すると共にガーニッシュを廃
止して作業性のよい安価な取付構造を得るものである。

以下本案の実施例を図面と共に前記従来の構成と同一部
分につき同一符号を付して説明する。

第３図において、７はボード状のルーフトリムで、該ル
ーフトリム７は段ボール基材１０と、該段ボール基材１
０の一側面に表皮材１４を一体に熱成形して構成してい
る。

段ボール基材は波形成形された中芯１１と、その両側に
貼合されたライナー１２とからなっており、これら中芯
１１とライナー１２との貼合はポリエチレンフィルム等
からなるホットメルトシート１３により接着することに
よって行なわれている。

つまり、この段ボール基材１０は所定の熱プレス装置（
図示省略）により車体ルーフパネル１の車室内面形状に
合わせて加熱、加圧して熱成形することにより、前記ホ
ットメルトシート１３が溶融し、離型後、該ホットメル
トシート１３が固化することにより所定形状を保持する
ものであり、また、表皮材１４は段ボール基材１０に前
述と同様のホットメルトシート１５を介して重合し、段
ボール基材１０の熱成形と同時に、ホットメルトシート
１５の溶融、固化により段ボール基材１０に貼装するか
或いは表皮材１４を段ボール基材１０の熱成形後に貼装
するものである。

そして、このルーフトリム７の前後端末部７ａは一般部
よりも強力に加圧されて単層ボード状に、つまり、段ボ
ール基材１０の波形中芯１１をほぼ完全に押潰して該波
形中芯１１と両側ライナー１２とをホットメルトシート
１３を介して密着させて剛性を高めであると共に、先端
７ｂを上方に曲折成形しである。

一方、これらルーフトリム７の前後端末部７ａに対応す
るウェザ−ストリップ４の取付基部とフロント、リヤル
ーフレール２，３との間には前記ルーフトリム７の曲折
先端７ｂの厚み幅より幾分狭幅の溝２０を形成しである
。

この溝２０は例えば図示のようにウェザ−ストリップ４
の取付基部を切欠して形成する他、ルーフレール２，３
側を凹設して形成するようにしてもよい。

そして、この溝２０内にルーフトリム７の曲折先端７ｂ
を差込んで、ウェザ−ストリップ４の弾性ににより該曲
折先端７ｂをルーフトリム４の取付基部とルーフレール
２，３間に挟着保持させている。

このように本実施例によれば、ルーフトリム前後端末部
７ａの取付けに際し、従来の如きガーニッシュ８を不要
とし、単にトリム先端７ｂをウェザ−ストリップ４の取
付基部とルーフレール２゜３間の溝２０に差込むだけで
よいから取付作業性を著しく改善できると共に、車室内
観を一段と向上できるのである。

しかも、ルーフトリム７として軽量で比較的加工性に富
み、かつ資材的に安価な段ボール基材１０を使用し、そ
して、前述のようにガーニッシュ８を不要として部品点
数を削減しているので大幅なコストダウンを実現できる
のである。

また、ルーフトリム前後端末部７ａは単層ボード状に圧
潰して剛性を高めであるので段ボール特有のペコッキが
なく溝２０内への挿入性が良好となるばかりでなくしわ
の発生も防止できて外観上非常に有利となる。

しかも該トリム先端７ｂを曲折して保形し、この先端７
ｂを前記溝２０内にしっかりと挟着しであるので車体振
動等によって該端末が抜出ることがなく、ルーフトリム
前後端末部の取付けを確実に行えるのである。

なお、ルーフトリムとして通常のハードボード使用のも
のにも本案を適用できることは云うまでもない。

以上要するに、本案によれば段ボール製ルーフトリムの
前後端末部の取付けに際して、端末を単層ボード状に圧
潰して剛性を高め、該端末をウェザ−ストリップ基部と
車体ルーフレール間の溝に挿入するようにしであるため
、作業性をスムースにかつ容易に行えると共に、ルーフ
トリム前後端末に段ボール特有のペコッキがなく確実に
取付けることができ、しかもしわの発生を伴うこともな
い。

また、特に従来一般に行われているように敢えて隠蔽用
の幅広なガーニッシュを使用しなくても済み、しかもト
リム先端はウエザーストリップと車体ルーフレールの継
目部分に延在して該部分の溝内に格納されて、該端末が
完全に隠れることになり、のって車室内観を著しく向上
できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の外観図、第２図は第１図の■範囲部に
おける従来の取付構造を示す説明図、第３図は本案取付
構造を示す第２図と同様の図である。 １・・・・・・ルーフパネル、２・・・・・・フロント
ルーフレール（車体ルーフレール）、３・・・・・・リ
ヤルーフレール（車体ルーフレール）、４・・・・・・
ウェザ−ストリップ、５・・・・・・フロントウィンド
ガラス、６・ｍａｍｍａリヤウィンドガラス、７・・・
・・・ルーフトリム、７ａ・・・・・・ルーフトリムの
前後端末部、１０・・・・・・段ボール基材、２０・・
・・・・溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフパネルの車室内側面に段ボール基材に表皮材を一
   体底形してなるルーフトリムを装置した構成において、
   車体前後部のウィンドガラスを支持しているウェザ−ス
   トリップの車室内側の基部と、車体ルーフレールとの間
   に溝部を形威し、該溝部内にルーフトリムの前後端末部
   を単層ボード状に圧潰して格納しウェザ−ストリップと
   ルーフレールとで該端末部を挟着してなるルーフトリム
   の取付構造。