JPS6044066B2 - 溶融金属を導通させる中空体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、貫通路を有して対象物体の中錐形の孔の中に
嵌合するに適する切頭円錐形状をなす溶融金属を導通さ
せる中空体に関している。

既知の此の種中空体は例えば鋳なべ、溶融金属用容器、
分配溝に於ける溶融金属流出路として通常は消耗性スリ
ーブとして使用される。

消耗型スリーブおよびこれが挿入固定される円錐形の孔
を持つ鋳なべの部分は通常耐火物例えば耐火煉瓦から作
られるが、高い寸法精度を得ることが困難であり、スリ
ーブの外面および孔の内面に特殊な相互嵌合係止部を設
けることは困難で且一つ加工費も高いので、通常は円錐
形の孔の中に中錐形の外面を持つスリーブ、すなわち中
空体を挿入して、その間にモルタルを充填して継ぎ目が
構成される。

なおスリーブおよび鋳なべを別々に位置決め支持して継
ぎ目に機械的の力が作用しないフようにしてもよく、モ
ルタルの材質を適当に選定してある程度の機械的の力を
伝達するようにすることもできる。モルタル継ぎ目が熱
膨張を許容できるようにしたものもある。

運転状態において中空体の貫通孔５を溶融金属が流れる
ので、中空体は熱膨張し、停止状態は収縮する。これに
対して円錐形の孔を構］３一成する対象物体の温度変化
は小さい。

継ぎ目に充填されたモルタルを運転状態の温度で固化し
ない材質のものとして相対的の熱変形を防止し、中空体
又は対象物体の破損を防止することができる。従来のモ
ルタル継ぎ目により中空体を対象物体の円錐形の孔に取
付ける場合、中空体を直接に孔に位置決めすることがで
きないという問題がある。通常、中空体および孔の壁の
一方又は双方に予めモルタルを塗布し、挿入時にはみ出
したモルタルを除去して継ぎ目を形成するが、塗布時に
比較的粘り強いモルタルを軸線方向および円周方向に均
等に塗布することが困難である。さらに、挿入時に中空
体を孔に関して所定の位置に位置決めすることが困難で
ある。中空体が消耗型スリーブであつて、これを交換す
るとき、交換作業は通常、対象物体が熱いときに行なわ
れるが、熱い対象物体と接触するモルタルは直ちに凝結
を開始するから、位置決めはさらに困難となり、所望の
量のモルタルを予め正確に中空体に塗布しておく必要が
ある。すなわち、過剰の量のモルタルが塗布されている
とその量が適切にはさみ出すことが阻害され、その量が
不足していると継ぎ目にモルタルの充填されない区域が
残るおそれがある。継ぎ目のモルタルが溶融金属に露出
する表面を持つ場合には、モルタルは溶融金属を封止す
る作一用も行う。継ぎ目がモルタルによつて十分に充填
されていないとすれば洩れの危険がある。なおモルタル
の充填度を検査することがほとんど下可能であることも
一つの問題である。本発明は、貫通路を有し対象物体の
円錐形の孔！の中に嵌合するに適する切頭円錐体形状を
なして溶融金属を導通させる中空体を対象物体の円錐形
の孔の中に嵌合せしめて固定する場合に生ずる前述問題
点を解決することを目的としており、本発明にれば、該
切頭円錐体には該切頭円錐体と同軸５な仮想包絡面によ
つて限界を与えられ、その創成面上に分布された複数の
***部が設けられ、仮想包絡面の母線が創成面の母線と
同様に切頭円錐体の軸線と交差するようになされた、中
空体が提供される。

４従つて本
発明による中空体は対象物体の円錐形の孔の中に嵌合せ
しめたとき、仮想包絡面によつて限界づけられる***部
の先端部の少くとも一部が円錐形の孔に直接係合するこ
とによつて中空体の積極的な位置決めを可能とし、且つ
モルタル填充のための十分な空間が中空体と対象物体と
の間に形成される。なお熱膨張などによつて対象物体と
中空体との間に応力が作用した場合には直接に接触する
中空体の***部の先端部又はこれと接触する孔の壁の一
方又は双方が応力のために損傷することがあつても全体
的な破壊は効果的に防止され、密閉性も有効に保持され
る。なおこの場合、“゜同様に交差する゛という用語フ
は同様の角度（同一の場合およびいくらかの角度差のあ
る場合を含む）をなしていることを意味する。

溶融金属流出口スリーブとして構成された、本発明の実
施例を示す図面を参照して、本発明の作ｊ用及び効果に
つき更に詳細に説明しよう。

第１図は滑り閉鎖部１１と共動的な動作位置にある、鋳
なべの流出口スリーブ１０として構成された中空体を示
している。滑り閉鎖部１１は簡単化された状態で図示さ
れ、底板１２と、矢１９の゛方向に可動な滑り板１３と
を含んでいる。高耐火材料より作られたスリーブ１０は
ほＳ゛切頭円錐体の形を有し、その創成面（第２図の直
線的母線３０によつて示されている）から突出する多数
の***部３１を有している。スリーブ１０はモルタル１
４により、孔煉瓦１８の円錐形の孔１５に連結される。
孔煉瓦１８は鋳なべ１７（一部のみを示す）の床煉瓦１
６に固定的に連結され、鋳なべ１７の一部として本発明
による対象物体を構成する。中空体すなわちスリーブ１
０は貫通孔２０を有し、孔２０は滑り閉鎖部の底板１２
の貫通孔と整合している。第１図に示す流出口スリーブ
１０の詳細を第２図を参照して説明する。第２図におい
て***部３１はスリーブ１０の円周に沿つて延びるリブ
をなしており、リブは母線３０の軸線方向全長に亘り均
等に間隔をおかれて分布されている。直線的母線３０に
よつて表わされる創成面はスリーブ１０の切頭円錐体形
状を限定するものである。創成面３０上に設けられた各
リブは断面で見てそれぞれ腹部３３と肩３４とを有する
階段の形を呈している。孔１５の壁面と創成面との半径
方向の距離３２は既知のスリーブにおける普通の継ぎ目
の幅と略々同等の値となつている。併し既知の継ぎ目と
異り、継ぎ目の容積の一部が***部３１によつて占めら
れている。***部３１の腹部３３と肩３４との間に限定
される稜すなわち突出端３５は仮想包絡面を限定し、こ
れは母線３６として示される。

本発明により、仮想包絡面の母線３６は創成面の母線３
０と同様に中空体１０の軸線と交差している。第２図に
おいて母線３６は軸線と角３７をなすものとして示され
、母線３０が軸線となす角は通常技術によれば円錐形の
孔１５の母線が軸線となす角３８にほＳ゛等しい。角３
７は角３８と同一であつてもよく、角３８よりもいくら
か大または小であつてもよい。スリーブ１０にモルタル
を塗布するとき、リブ３１はモルタルの量および分布に
ついての基準点となる。

従つて通常の塗布装置による塗布が容易となり、所定量
のモルタルが塗布されたことを稜３５によつて確認する
ことができる。スリーブ１０を孔１５内に挿入するとき
稜３５が孔１５の壁に直接に接触し、これによつてスリ
ーブ１０は確実に同軸位置に位置決めされる。

本発明による***部すなわちリブ３１はモルタルの付着
性を著しく改善する。円錐形の孔１５にスリーブ１０を
挿入するときスリーブ１０の表面から剥離し又は継ぎ目
の外部に押出されるモルタルの量を最小とすることがで
きる。リブ３１が存在することにより円錐形孔１５の壁
面に沿うモルタルの流動が妨げられる。従つてスリーブ
１０の挿入、固定を短時間で行うことが可能となり、こ
のことは孔１５が高温の場合またはモルタルが急速に固
化する性質の場合に有利である。リブ３１の稜３５が運
転状態で孔１５の内面に直接に接触するようにすれば溶
融金属に対して有効な密閉作用が得られる。

溶融金属によるモルタルの剥離、脱落、流出は有効に防
止され、従つて溶融金属の漏れの危険が回避される。母
線３６によつて示されているリブ３１の包絡面は、円錐
孔１５の壁面と平行であつてもよく或は第２図に示すよ
うに壁面と或る角度をなすものであつてもよい。

壁面と或る角度をなす場合に於いてはその角度３７を円
錐角３８より小とし、スリーブ１０の小径端に於ける間
隙幅３９を、その大径端の間隙幅４０より小とする。従
つて溶融金属流に最も近く位置する部分に最小の間隙幅
を持たせることができる。これにより、溶融金属流の継
ぎ目への進入、モルタルの脱落などが有効に防止される
。溶融金属流に最も近い位置すなわちスリーブ１０の小
径端においてはスリーブ１０の外面と孔１５の内面との
温度差が最小であるから孔１５を構成する煉瓦１８とス
リーブ１０とが略同等の熱膨張係数の材料から成るもの
と仮定すれば、多くの場合熱膨張を許容するためのモル
タルの存在は不要となる。

極端な場合として、最上方のリブ３１″（第２図）が取
付状態において孔１５の壁面の全周と接触するようにし
てもよい。このようにするとスリーブ１０を孔１５内に
挿入するときの中心決めおよび位置決めが容易である。
孔１５の角度３８と包絡線３６の角度３７とに差を設け
ることによつてスリーブ１０の貫通孔２０の下端と底板
１２の貫通孔２１（第１図）とを軸線方向で整合した位
置とすることができる。なお、スリーブ１０の軸線と孔
１５の軸線とは或る角度をなすことになるが、最上方の
リブ３「は孔１５の内周と接触してモルタルの流出を阻
止する。切頭円錐の創成面から突出するリブ３１の体積
は腹部３３を挿入方向に僅かに円錐形とし、稜３５を鈍
角にすることによつて増大させることができる。

この形状はスリーブ１０を型成形することを容易とする
。腹部３３と肩３４との間にまるみを設けることにより
割れの危険を少くすることができる。第３図にはスリー
ブ５１に設けたリブすなわち***部５０の変形例が示さ
れている。

リブ５０は円孤状の断面形を有する凹入部５３によつて
相互に隔てられ、そして包絡面の母線３６によつて定ま
る面５２を持つている。斜面５２は製作を容易ならしめ
、且つスリーブ５１の取付及び取扱い時のリブ５０の損
傷の危険を低減する。第４図には排出口スリーブすなわ
ち中空体６４の今一つの実施形態が示されている。

中空体６４は、断面で見て梯形の円周方向に延びる多数
の***部６０を具えている。併し第１図及び第２図と異
り、第４図の***部６０は母線３６の長さ方向に均等に
は分布されていない。小径端６５に近い***部６０相互
間の距離は、長さ方向中央部分および大径端６６附近の
相互間距離よりも小さくなつている。第５図は浸漬型直
接鋳造法に使用される排出口スリーブとして構成された
本発明による中空体７０の実施例を示す。

中空体７０の下端に鋳造物（図示しない）の上端の溶融
金属部分まで延びており従つて溶融金属内に浸漬されて
いる。中空体７０の切頭円錐形部分７４には第１図およ
び第２図のリブ３１と同様な断面形を有する***部７１
が設けられている。***部７１はねじ山状をなし、図に
おいて円錐形の右ねじを構成する。対象物体の円錐形の
孔内に挿入するとき中空体７０を左回転させながら挿入
する。挿入方向と反対方向へのモルタルの流動は阻止さ
れ、モルタルは良好に充填される。上述説明において本
発明の中空体は対象物体としての溶融金属容器等の孔の
中に挿入されるスリーブとなされたが、本発明はこれに
限定されるものでなく、このような排出口スリーブに挿
入される耐摩耗性のスリーブとしてもよい。

中空体を収容する対象物体内の孔の壁の母線と孔の軸線
とのなす角度３８と、中空体の***部の包絡面の母線と
その軸線とのなす角度３７とを同一とすれば、中空体を
孔に挿入した状態で孔の周壁と中空体のすべての***部
の突出端とが接触することになる。

中空体はその運転温度が対象物体よりも高いために著し
い熱膨張を受けると考えられるけれども、***部は小面
積の突出端によつて対象物体と接触しているのみであり
、大きい熱応力が中空体と対象物体との間に作用するこ
とがなく、甚だしい場合でも***部の先端部またはこれ
と接触する孔の内壁の小部分が破損するのみであり、中
空体または対象物体の全体としての割れ等．の破壊は生
じない。なお、中空体が消耗型スリーブの場合にはその
材質を適当に選定して***部の先端部のみが破損するよ
うにすることが望ましい。中空体と対象物体とが耐火材
料製の場合、円錐！形の孔の寸法および中空体の外形寸
法には通常の製作公差があるが本発明によれば挿入時に
中空体と対象物体との間に物理的接触が生ずるようにす
ることができ、従つて対象物体と中空体とを同軸に位置
決めすることができ、著しく有利である。

なお***部の先端部の包絡面の円錐形３７を円錐形孔の
角３８よりもいくらか小とすると挿入時に小径端側の隆
起部の先端のみが孔の壁に接触することになる。さらに
、対象物体と中空体との材質を適切に定めることによつ
て接触圧力が高いときに***部の先端部が破壊するよう
に定めれば円周方向位置決めのみでなく、軸線方向位置
決めも行なわせることができる。

また、第１図において中空体１０の孔２０と底板１２の
孔２１との同軸性が要求される場合もあり、この場合に
は孔１５と中空体１０との同軸性が無視されることにな
る。本発明による***部は中空体へのモルタルの付ｊ着
性を改善する。

前述実施例に示すように***部を円周方向に延びる環状
のリブ又はねじ山状に連続するリブとすると、モルタル
の比較的精密な量を全面に亘つて均等に塗布することが
できる。モルタルの量を少くすることが望ましい場合に
は隆・起部を例えばいぼ状に形成する。いぼ状の***部
は中空体の切頭円錐の創成面上に分布して配置された複
数の列に群分けされ、各列について均等に分布して配列
する。望ましい実施形態によれば、各いぼをピラミッド
状に形成し、相隣る列に関し”て円周方向へ互にずらし
て配置する。***部をいぼ状として構成する代りに、リ
ブ或はねじの形態の場合にはこれに、円周方向に分布さ
れた中断部を設け過剰のモルタルが組立時に中空体の挿
入方向と反対に流れることを許すようにしてもよい。

第６図は対象物体の孔へ挿入するに適した中空体にいぼ
状***部を設けた例を示す。

貫通孔８１を有する切頭円錐形の中空体８０は直線的母
線８２に対応する創成面を限定する。

創成面上には、貫通孔８１の小径端８３に隣接して円周
方向に延びる環状のリブ状の***部８４が形成される。
***部８４に隣接して円周方向に延びる環状の２列の隆
起部８５が設けられるが、各***部８５には軸線方向溝
８６が設けられている。***部８５に隣接して数列（図
ては３列）の円周方向列をなして配列された多数のいぼ
状の***部８７が設けられ、各***部８７は隣接する列
に関して円周方向にずらされている。中空体８０の大径
端にも円周方向に延びる環状のリブ状の***部８４が設
けられている。各***部８４，８５，８７は、母線８８
を以て示される仮想包絡面によつて限界づけられている
。

この場合も前述各実施例と同様に、母線８２と母線８８
との間の距離は、通常のモルタル継ぎ目の間隙に対応す
る数値既ち数？程度にされている。第６図の実施例に於
いては、中空体８０の小径端面８３が取付状態で溶融金
属に接しており、該小径端面８３に隣接する***部８４
は円周方向に連続して対象物体の孔の周壁と共働して密
閉部を構成し、継ぎ目への溶融金属の進入を有効に防止
することができ、継ぎ目内のモルタルが溶融金属によつ
て流れ出すことを防止する。

***部８５の軸線方向の溝８６は対象物体の孔へ中空体
８０を挿入するとき過剰のモルタルが大径端方向（図で
下方）に流れることを許す。ピラミッド状の***部８７
はモルタルを塗布するときにその接着性を改善し、かつ
その均等な分布を与えることを容易とする。第６図に示
された***部の配置及び形態は、中空体を対象物体の孔
に挿入固定するときのモルタルの塗布量を最小とし、従
つて挿入時にはみ出すモルタルの量を最小として、且つ
***部と孔の壁との直接接触による確実な位置決めを可
能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図は滑り閉鎖部と共動する鋳なべ用排出口スリーブ
の概略断面図で、排出口スリーブは本発明の中空体の実
施例として示す。 第２図は第１図の排出口スリーブの拡大図で、本発明に
おける対象物体として示す鋳なべの円錐形孔と共に、？
す図である。第３図は第２図の変形例を示す部分断面図
。第４図は別の変形例を示す部分断面図。第５図はらせ
ん状***部を持つ排出口スリーブを示す側面図。第６図
はいぼ状***部を持つ排出口スリーブの半断面側面図。
１０，５１，６４，７０，８０・・・・・・鋳なべ用排
出口スリーブ（中空体）、１８・・・・・・孔煉瓦（対
象物体）、１５・・・・・・円錐形の孔、１４・・・・
・・モルタル、２０・・・・・・貫通孔、３０，８２・
・・・・母線（創成面）、３６，８８・・・・・・母線
（仮想包絡面）、３１，３「，５０，６０，７１，８４
，８５，８７・・・・・***部（リブ）、３７，３８・
・・・・・角。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 貫通路を有し対象物体の円錐形の孔の中に嵌合する
   に適する切頭円錐体形状をなして溶融金属を導通させる
   中空体に於いて、前記切頭円錐体には該切頭円錐体と同
   軸な仮想包絡面によつて限界を与えられてその創成面上
   に分布された複数の***部が設けられ、前記包絡面の母
   線が前記創成面の母線と同様に切頭円錐体の軸線と交差
   することを特徴とする、溶融金属を導通させる中空体。 ２ ***部が軸線方向の寸法よりも大きい円周方向の寸
   法を有することを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の中空体。３ ***部が円周方向リブを構成しているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の中空体。 ４ ***部が螺旋形をなしていることを特徴とする特許
   請求の範囲第２項記載の中空体。 ５ ***部が階段状の断面を有することを特徴とする特
   許請求の範囲第２項記載の中空体。 ６ ***部が非均等に分布されていることを特徴とする
   特許請求の範囲第２項記載の中空体。 ７ ***部がいぼ状をなしていることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の中空体。 ８ 前記包絡面が直線的母線を有することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の中空体。 ９ 前記包絡面の母線と切頭円錐体の軸線との間の角が
   、切頭円錐体の軸線と前記創成面の母線との間の角より
   も大なることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   中空体。