JPS6038121Y2 - 積層型蒸発器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車用冷房装置等に用いられる積層型の
蒸発器において、特に入口バイブ及び出口バイブの取付
構造の改善に関するものである。

一般に積層型蒸発器は、両側のタンクとこれらを結ぶ通
路とが成形プレートを２枚接合して構成され、この２枚
接合された成形プレートとコルゲート状のフィンとが交
互に複数段積層され、隣り合うタンクが連通されてタン
ク群を構成し、一方のタンク群のタンクに接続された入
口バイブから入いった冷媒が一方のタンク群から前記通
路を通って他のタンク群に導びかれ、この他方のタンク
群のタンクに接続された出口バイブから出て行くように
構成されている。

しかしながら、従来の積層型蒸発器においては、入口及
び出口バイブが最端のタンクに積層方向と平行に外部へ
突出して接続され、反接続端側か内側に折曲されている
ので、該入口及び出口バイブの突出部分がデッドスペー
スとなり、狭い場所に設置することが困難であった。

また、上記入口及び出口バイブは、タンクの薄肉部分と
直角に接続されるため一体ろう付が不可能であり、成形
プレート、フィン等を炉中ろう付した後にアルゴンアー
ク溶接等により接続され、そのため製造費が高くなると
いう欠点があった。

そこで、この考案においては、上記の問題点乃至欠点を
解消するため、入口及び出口バイブを成形プレート間に
挾んだ形でタンクに接合して、デッドスペースをなくす
と共に、一体ろう付が可能となる積層型蒸発器を提供し
ようとするものである。

以下、この考案の実施例を図面により説明する。

第１図乃至第３図において、この考案の一実施例が示さ
れ、成形プレート１は、両側のタンク部ｌａ、ｌａとこ
れらタンク部１ａ、ｌａを連結する通路部１ｂとがプレ
ス加工等により形成され、該成形プレート１が互の凹部
を向き合うようにして２枚接合されて、両側のタンク２
，２とこれらタンク２，２を結ぶ通路３とが構成されて
いる。

そして、上記２枚接合された成形プレート１，１と、コ
ルゲート状のフィン４とが交互に複数段積層されており
、その両側にエンドプレート５，５が配されている。

隣り合うタンク２は、成形プレート１に形成された孔６
を介して互に連通され、左右にそれぞれタンク群７，７
が構成されている。

最も上端にある２枚の成形プレート１，１は、他の成形
プレート１と若干その構成が異なり、両側のタンク部１
ａ、ｌａの長手方向端部にそれぞれ半円形状の接合部８
，８が形成され、該接合部８．８に円筒状の入口バイブ
９と出口バイブ１０が挾まれる形で固着されてタン５り
２に接続されている。

したがって、入口及び出口バイブ９，１０が積層型蒸発
器の比較的薄い側であるタンク２の長手方向に突出され
ているので、比較的厚い側の積層方向への突出がなくな
っている。

上記のように構成された積層型蒸発器の製造方法の一例
について述べると、まず成形プレート１．１、フィン４
を交互に積層し、両側にエンドプレート５，５を配し、
その両側からジグで固定し、上端の成形プレート１，１
の接合部８，８に入口バイブ９、出口バイブ１０を挿入
し、これを炉内にてろう付することによって完了する。

即ち、予じめ成形プレート１の両面に塗布、あるいはク
ラッドされたろう材が炉内において成形プレー）１．１
と入口及び出ロバイブ９，１０間で溶け、これにより入
口及び出口バイブ９，１０が成形プレート１，１の接合
部８，８に固着されるのである。

第４図、第５図において、この考案の他の実施例が示さ
れ、前記実施例においては、円筒状の入口及び出口バイ
ブ９，１０をそのまま成形プレート１，１間に挾むよう
に構成したが、この実施例においては、入口及び出口バ
イブ９，１０に多角形状の固定部１１を形成し、主に成
形プレート１．１との間のろう付性の向上を図ったもの
である。

即ち、入口及び出口バイブ９，１０のタンク側には、例
えば六角形状の固定部１１が形成されていると共に、成
形プレート１，１には同じく六角形状の接合部８’、８
’が形成され、この接合部８’、 ８’に挾まれる形で
前記入口及び出口バイブ９．１０の固定部１１が固着さ
れている。

したがって、この実施例においても前記実施例と同様の
作用効果を奏し、さらに前記実施例と比較して、成形プ
レート１，１と入口及び出口バイブ９，１０との間のク
リアランスがより均一化でき、ろう材がより流れやすく
なって接合が確実となり、入口及び出口バイブ９，１０
の挿入時のセツティングが楽になる等の効果を奏する。

尚、上記の２つの実施例においては、タンク群７．７の
上端のタンク２，２に入口及び出口バイブ９，１０を接
続したが、タンク群７，７の中間のタンク２，２に接続
してもよい。

以上述べたように、この考案によれば、タンク部の長手
方向端部に接続部を形成腰該接続部間に挟む形でタンク
と連絡する入口バイブ及び出口バイブを固着したので、
入口バイブ及び出口バイブがタンクの長手方向、即ち、
空気の流れ方向のみに突出するようになり、ケースに収
納されるこの種の蒸発器においては、この空気の流れ方
向にはスペース的に余裕があり、余裕のないケースとの
間には突出する部分がないので、ケースをも含めたクリ
ーニングユニット全体を小型化することができ、自動車
等の狭い場所にも設置することができる。

また、ケースとの間にはシール部材が介在されるが、上
述したように空気の流れ方向以外には突出する部分がな
いので、このシール部材を介在するのも容易にすること
ができる。

さらに、上記入口バイブ及び出口バイブは、接続部に一
体ろう付けされているので、成形プレート、フィン等と
共に一度のろう付けで製造することができ、コストダウ
ンに貢献することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の一実施例を示し、第１図
は積層型蒸発器の正面図、第２図は要部を示す斜視図、
第３図は成形プレートと入口バイブを示す分解斜視図で
あり、第４図、第５図はこの考案の他の実施例を示し、
第４図は要部の正面図、第５図は入口又は出口バイブを
示す斜視図である。 １・・・・・・成形プレート、２・・・・・・タンク、
３・・・・・・通路、８，８′・・・・・・接合部、９
・・・・・・入口バイブ、１０・・・・・・出口バイブ
、１１・・・・・・固定部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 両側のタンク２と該タンク２を結ぶ通路３とを構成
   する成形プレート１，１と、フルゲート状のフィン３と
   を交互に多数段積層した積層型蒸発器において、前記タ
   ンク２を構成する成形プレート１，１のタンク部１ａ、
   ｌａの長手方向端部に接続部８，８を形威し、該接続部
   ８゜８間に挟む形で前記タンク２と連絡する入口バイブ
   ９及び出口バイブ１０の一端を前記成形プレート１及び
   フィン３と一体ろう付けし、該入口バイブ９及び出口バ
   イブ１０の他端を空気の流れ方向に突出したことを特徴
   とする積層型蒸発器。 ２ 人口バイブ９及び出口バイブ１０は多角形状の固定
   部１１を有腰該固定部１１が同じく多角形状に形成され
   た成形プレート１，１のタンク部１ａ、ｌａの接続部８
   ’、８’に挟まれたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の積層型蒸発器。