JPH0539346Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、例えばカークーラー用蒸発器や産
業用ラジエータ、オイルクーラーとして使用され
るような積層型熱交換器、即ち冷媒通路を有する
複数枚の板状チユーブエレメントが、相互間にフ
インを包含する空気流通間隙を介して積層された
形式の熱交換器に関する。

従来の技術及び解決しようとする課題 この種積層型熱交換器として、チユーブエレメ
ントを、端部にタンク部を有するものに構成し、
かかるチユーブエレメントをタンク部相互を連通
した状態にして積層すると共に、チユーブエレメ
ント相互間及び最外側のチユーブエレメントの外
側にフインを介して積層したものが知られてい
る。このような積層型熱交換器では、最外側のフ
インを保護する為、このフインのさらに外側にサ
イドプレートが配設されるのが一般的である。か
かるサイドプレートは、両端部を内側つまりフイ
ン側に折曲されてフインを両端で包み込むような
形に設けられるのが通常であるが、従来は、第７
図に示すように、サイドプレート１０１をフイン
１０２上に単に被せるだけであつたため、組立て
工程でのセツテイング時やその後のろう付中にず
れることがあつた。なお第７図において、１０３
はサイドプレートの端部折曲部、１００はチユー
ブエレメント、１０４はタンク部を示す。

また、上記欠点をなくすため、第８図ａに示す
ように、サイドプレート１０１の折曲部１０３を
さらに外側に折曲してこの折曲片に孔１０５を設
ける一方、チユーブエレメント１００の対応位置
に突起１０６を設け、この突起１０６にサイドプ
レート１０１の孔１０５を嵌め込んだのち、同図
ｂに示すように、突起１０６を圧潰することで、
位置決め及び仮止めを行うことも実施されている
が、組立ての工数が増えて結果的にコストアツプ
になるものであつた。しかも突起の圧潰作業が面
倒でもあつた。

この考案は、係る欠点を解消する為になされた
ものであつて、簡易な構造でサイドプレートを位
置決めできるようにした積層型熱交換器の提供を
目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するためにこの考案は、第１図
〜第６図に示すように、端部にタンク部３，４を
有する複数個のチユーブエレメント１と、隣接チ
ユーブエレメント間及び最外側のチユーブエレメ
ント１Ａの外側に配置されたフイン２と、最外側
のフインの外側に配置されると共に、端部に内側
への折曲部２１を有するサイドプレート２０とを
備えた積層型熱交換器において、前記サイドプレ
ートの折曲部の幅方向両端に位置決め用突片２
３，２３が設けられる一方、最外側のチユーブエ
レメント１Ａの両側縁の対応位置に切欠き部１
２，１２が形成され、前記位置決め用突片２３を
チユーブエレメントの切欠き部１２に嵌め合わせ
状態にしてサイドプレート２０が取着されている
ことを特徴とするものである。

作 用 熱交換器の組立てに際しては、サイドプレート
２０の端部折曲部２１の位置決め用突片２３をチ
ユーブエレメント１Ａの対応切欠き部１２に差し
込んで嵌め合わせる。これにより、サイドプレー
ト２０の位置決め及び仮止めがなされる。

実施例 次に、この考案の構成をアルミニウムないしは
その合金からなるカークーラー用蒸発器に適用し
た実施例に基づいて説明する。

第２図に示すこの考案に係る蒸発器用熱交換器
の全体図において、１は垂直状態でかつ左右方向
に積層された複数枚の板状チユーブエレメント、
２はその隣接するチユーブエレメント１，１間に
介在してそれと交互に積層されかつ接合一体化さ
れたコルゲートフインである。

前記チユーブエレメント１は、第６図に示すよ
うに、一端に併設された膨出状の入口タンク部３
及び出口タンク部４を有し、さらに両タンク部に
連通する偏平管部５を有している。そして各タン
ク部には冷媒流入孔６と同流出孔７とが形成され
ており、各チユーブエレメント１は流入孔相互及
び流出孔相互を連通状態にしてタンク部３，４に
おいて相互に連結一体化されている。この板状チ
ユーブエレメント１は、同図に示すように、２枚
の皿状コアプレート１ａ，１ａをその周端接合面
１ｂにおいて対向状に重ね合わせ、ろう接一体化
することで形成されてなる。

前記コアプレート１ａはプレス加工により形成
されたもので、その材料として心材の表裏両面に
ろう材がクラツドだれたブレージングシートが用
いられている。かつ、コアプレート１ａの内面即
ち内側対向面には、入り口タンク部３から出口タ
ンク部４に至る冷媒通路を第６図矢印Ｒで示すご
とくＵターン形に形成するために、中央部縦方向
に中間の位置まで仕切壁１ｃが形成されると共
に、該通路を流れる冷媒を攪乱させて、伝熱効率
を向上するための多数のリブ１ｄが突出形成され
ている。

なお、最外側のチユーブエレメント１Ａ，１Ａ
については、第１図からわかるように、その外面
側コアプレート１a′としてタンク部のない平坦な
状態で、下部側に冷媒流入孔６あるいは同流出孔
のみが穿設されたものが用いられている。そし
て、冷媒流入孔または同流出孔に連通状態に設け
られた入口ヘツダー８、出口ヘツダー９を介して
冷媒入口管１０、同出口管１１が接続されてい
る。従つて、冷媒入口管１０から入口ヘツダー８
を介して流入した冷媒は、各々チユーブエレメン
ト１をＵターンしつつ出口ヘツダー９から冷媒出
口管１１へと流れるが、チユーブエレメント１を
流れる間に、チユーブエレメント間に形成された
コルゲートフイン２を含む空気流通間隙を流通す
る空気と熱交換を行うものとされている。

コルゲートフイン２はチユーブエレメント１の
幅と同程度の幅を有し、各チユーブエレメント
１，１間及び最外側のチユーブエレメント１Ａの
外側に配置されている。コルゲートフイン２はル
ーバーを切起こしたものが用いられている。

２０，２０は最外側のコルゲートフインの外側
に配置されたサイドプレートである。これらのサ
イドプレートも、ブレージングシートにより形成
されると共に、チユーブエレメントと同じ幅に形
成されている。各サイドプレートは第１図及び第
５図に示すように、長さ方向の両端が直角に折曲
されて折曲部２１，２２が形成されると共に、上
側の折曲部２２はさらに外側に直角に曲げられて
いる。一方下側の折曲部２１は幅方向の両側部に
位置決め用突片２３，２３が設けられると共に、
この突片内縁に連続して水平係止縁部２４，２４
が形成され、その他の中間部は凹状に穿たれてい
る。さらにまた、サイドプレート２０はその位置
決め用突片２３を除く折曲部２１の高さ即ち係止
縁部２４からプレート頂部２５の内面までの高さ
Ｈ（第５図に示す）がコルゲートフイン２の高さ
と同じか僅かに小さく設定されている。高さＨを
このように設定することで、仮組の際にサイドプ
レートの頂部２０内面が最外側のフインに当接な
いしは圧接し、フイン倒れを防止できる効果があ
る。

一方最外側のチユーブエレメント１Ａには、サ
イドプレート２０，２０における下側折曲部２１
の位置決め用突片２３，２３に対応する位置にお
いて、両側縁に切欠き部１２，１２が形成されて
いる。そしてサイドプレート２０は、それらの上
側折曲部２２を最外側のチユーブエレメント１Ａ
に当接されると共に、下側折曲部２１の位置決め
用突片２３，２３を第３図及び第４図に示すよう
に、チユーブエレメントの切欠き部１２，１２に
嵌め合わされた状態でチユーブエレメント及びフ
インに接合一体化されている。なお、この実施例
では、チユーブエレメントの製作効率上、チユー
ブエレメントの上部両側縁にも切欠き部１２′が
設けられると共に、最外側以外の全てのチユーブ
エレメントにも切欠き部１２，１２′が設けられ
ている。しかし切欠き部は少なくとも最外側のチ
ユーブエレメントの両側縁に１対あれば足りる。

上記構成の積層型熱交換器の製作は、チユーブ
エレメント１とコルゲートフイン２とを交互積層
状態に仮組すると共に、最外側のフインの外側に
サイドプレート２０を配置し、かつ出入口ヘツダ
ー９，８、冷媒出入口管１１，１０を所定配置に
仮組固定した後、一括ろう付を行つて各構成部材
をろう接一体化したものである。而して、サイド
プレート２０，２０のセツテイングに際しては、
下側の折曲部２１の位置決め用突片２３，２３を
最外側のチユーブエレメントの対応切欠き部１
２，１２に嵌め込んで係止縁部２４をチユーブエ
レメント１Ａ外面に係止させることにより、その
位置決め及び仮止めが行われる。しかも折曲部２
１の高さはフイン２の高さと同じか僅かに小さく
設定されているから、サイドプレート２０の頂部
２５内面が最外側のフインに当接ないしは圧接
し、これにより仮組時の該フインの倒れが防止さ
れる。

なお、上記の実施例においては、サイドプレー
ト２０の位置決め用突片２３は下側の折曲部２１
にのみ設けたが、上側の折曲部２２にも同様に設
け、チユーブエレメント１Ａの上部両側縁の切欠
き部１２′と嵌め合わせるものとしても良い。

考案の効果 この考案は上述のように、サイドプレートの折
曲部に位置決め用突片を、最外側のチユーブエレ
メントの対応位置に切欠き部をそれぞれ設けて、
突片を切欠き部に嵌め合わせるものであるから、
簡易な構成で、熱交換時のサイドプレートの位置
決め、仮止めを行うことができ、仮組工程及びそ
の後の接合工程においてサイドプレートの位置ず
れを防止できる。しかも位置決め用突片を嵌め合
わせるのみで良いから、サイドプレートのセツテ
イング時間も短縮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図はこの考案の一実施例を示すも
ので、第１図は最外側のチユーブエレメントとフ
インとサイドプレートとを分離して示す斜視図、
第２図は熱交換器の全体正面図、第３図はサイド
プレートの位置決め用突片をチユーブエレメント
の切欠き部に嵌め合わせた状態を示す要部断面
図、第４図は同じく嵌め合わせた状態での要部の
拡大正面図、第５図はサイドプレートの下面図、
第６図はチユーブエレメントを形成するコアプレ
ートを分離して示す斜視図、第７図は従来技術の
欠点を説明するための図で第４図に相当する図、
第８図は別の従来技術の欠点を説明するための図
で、ａ，ｂはそれぞれサイドプレート取着前後の
状態を示す第４図に相当する図である。 １……チユーブエレメント、２……フイン、３
……入口タンク部、４……出口タンク部、１２…
…切欠き部、２０……サイドプレート、２１……
折曲部、２３……位置決め用突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端部にタンク部３，４を有する複数個のチユー
   ブエレメント１と、隣接チユーブエレメント間及
   び最外側のチユーブエレメント１Ａの外側に配置
   されたフイン２と、最外側のフインの外側に配置
   されると共に、端部に内側への折曲部２１を有す
   るサイドプレート２０とを備えた積層型熱交換器
   において、前記サイドプレートの折曲部の幅方向
   両端に位置決め用突片２３，２３が設けられる一
   方、最外側のチユーブエレメント１Ａの両側縁の
   対応位置に切欠き部１２，１２が形成され、前記
   位置決め用突片２３をチユーブエレメントの切欠
   き部１２に嵌め合わせ状態にしてサイドプレート
   ２０が取着されていることを特徴とする積層型熱
   交換器。