JPH0545336B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えばカークーラーの蒸発器とし
て使用されるような積層型熱交換器、特に熱交換
媒体通路を形成する複数枚の板状チユーブエレメ
ントが相互間にアウターフインを包含する空気流
通間〓を介して上下に積層された横式または縦式
の積層型熱交換器の製造方法に関する。

従来の技術 従来良く知られている積層型の熱交換器は、一
般的に、熱交換媒体通路を形成するようにプレス
加工されたアルミニウム等の金属製の１対の成形
プレートの合掌状接合物からなるチユーブエレメ
ントと、コルゲートフインからなるアウターフイ
ンとを交互に積層して熱交換コア部を形成し、そ
の両端ないしは一端に熱交換媒体を貯溜分配する
タンク部を形成したものであり、負荷の変動に追
従しやすいこと、容積に対して比較的優れた性能
を有すること等の利点を有していることから、特
に設置スペース上の制約の大きいカークーラー用
エバポレータとして好適使用されている。

而して、従来、この種の積層型熱交換器のコア
部の製造は、チユーブエレメントを構成する各１
対づつの成形プレートと、隣接するチユーブエレ
メント間に設置されるアウターフインと、更に上
記チユーブエレメントの内部空間の蒸発室ないし
熱交換媒体通中に設置されるインナーフインと
を、それぞればらばらの分離状態に作製し、然る
のち、組立に際してそれらを所定の順序に積重ね
てセツトし、炉中ろう付け等により一括接合する
ことによつて行われている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の上記のような製造方法に
よるときは、もともと積層型熱交換器はその構成
部品点数が極めて多いため、組立前の段階におい
ても部品管理が大変厄介であるのみならず、組立
に際しても多数個の部品を個々に取扱つて組立て
なければならないため多くの時間と労力を要し、
ひいては生産性が悪く、コスト高につくというよ
うな問題点があつた。

問題点を解決するための手段 この発明は、上記のような問題点に鑑み、構成
部品の複数個をまとまりある一体物として製作し
て、実質的な部品点数の減少をはかることによ
り、部品管理を容易にし、かつ組立作業の簡易
化、能率化をはかるようにしたものである。

即ち、この発明は、１対の成形プレートを合掌
状態に重ねて周縁部を接合した扁平状チユーブエ
レメントと、アウターフインとを交互に積層して
所要段数の熱交換コア部が形成される積層型熱交
換器の製造方法において、チユーブエレメントを
構成する少なくとも１対の成形プレートを、その
成形に際し、相互間にインナーフインプレートを
介在し、かつ三者相互の側縁どおしを１つ以上の
連結片を介して連結した一連の並置展開状態に成
形するものとし、コア部の組立に際し、上記連結
片を折曲げて両成形プレートを相互間に前記イン
ナーフインプレートを介して重ね合わせることに
より、各単位チユーブエレメントの組立てを行う
ことを特徴とする、積層型熱交換器の製造方法を
要旨とする。

連結片を介して一連に形成すべき部品数は、対
をなして１つの単位チユーブエレメントを構成す
る１対の成形プレートと、その間に介在される１
つのインナーフインプレートとの三部材を最小の
１単位とし、熱交換器全体のチユーブエレメント
数に対応する全成形プレートとインナーフインプ
レートとの全数を最大とするが、成形作業性、成
形品の取扱管理上の便宜性等により、実際上は１
つまたは２つのチユーブエレメントを構成する１
対ないし２対の成形プレートと、１ないし２つの
インナーフインプレートとを一体物として成形す
るのが好適である。

実施例 実施例 １ 第３図にこの発明の適用によつて製造される積
層型熱交換器の代表的な１例を示す。同図におい
て、１は水平状態でかつ上下方向に多段に配置さ
れた複数枚の板状チユーブエレメント、２はその
隣接するチユーブエレメント１，１間に介在して
それと交互に積層されかつ接合一体化されたアウ
ターフイン、３は上下のエンドプレート、４，５
は熱交換媒体の入口ヘツダー及び出口ヘツダーで
ある。

上記チユーブエレメント１は、第４図に示され
るようにそれぞれ各１対のづつのアルミニウム板
等の金属板による成形プレート１１，１１と、そ
れらの間に挾着される１つのインナーフインプレ
ート６との合掌状接合体よりなるもので、内部の
扁平管状の熱交換媒体通炉７内に上記フインプレ
ート６のフイン部６ａが位置されると共に、両端
部には第５図に示すように上記通路７に連通する
タンク部８が形成されている。９はタンク部の頂
壁に穿された連通孔、１０はインナーフインプレ
ート６の対応部分に穿たれた連通孔で、これらの
連通孔９，１０により隣接するチユーブエレメン
ト１，１のタンク部８，８相互が接合状態におい
て連通されている。インナーフインプレート６は
成形プレート１１と大きさ及び外周形状を同じく
するもので、周縁部が成形プレート１１の周縁の
接合部１２と合一的にろう付け等により気密接合
されると共に、この接合部に囲まれた内側の熱交
換媒体通路７内に位置するフイン部６ａは熱交換
効率の増大のために多数の突出部６ａが形成され
たものとなされている。この突出部６ｂは上向き
に突出する断面コ字状のものと、下向きに突出す
る断面コ字状のものとが中間プレート６の幅方向
においては連続して交互配置となるように、また
長さ方向においては所定距離を隔てて交互配置と
なるように形成されている。そしていずれの突出
部６ｂを中間プレート６の幅方向の両側部が矩形
孔にて開口し、かつ突出高さはチユーブエレメン
ト１の完成状態においてその頂面がそれぞれ上下
の成形プレート１１にほぼ当接する程度となるよ
うに設定されている。

上記のような積層型熱交換器の製造に際し、こ
の発明においては、先ず単一のチユーブエレメン
ト１を構成する１対の成形プレート１１，１１
と、これらの間に挾まれる１枚のインナーフイン
プレート６とを、第２図に示すように相互の側縁
どおしを細帯状の連結片１３を介して連結した一
連の並置展開状態に成形する。この第２図に示す
ような一体成形物は、プレス加工により、個々の
成形プレート１１及びインナーフインプレート６
の成形操作と同時に、隣接する成形プレートとフ
インプレートとの相互間に所要長の連結片１３を
残存せしめることにより一挙に製作するものであ
る。而して、連結片１３は、熱交換器の組立てに
際して折曲げられるものであることにより、所定
の折曲げ予定部位に折曲げを行ない易くするため
の切欠きまたはＶ字状折曲部等を形成しておくこ
とが好ましい。

そして熱交換器の組立に際しては、上記の如く
して成形した１対の成形プレート１１，１１とイ
ンナーフインプレート６とを含む一体成形物を第
１図に示すように折曲げ加工を行なつて所定のチ
ユーブエレメント組立物に構成する。即ち、上記
連結片１３を順次折曲げることにより、互いに対
をなす成形プレート１１，１１どおしの間にイン
ナーフインプレート６を介在させて、三者を合掌
状態に重ね合わせ、単一のチユーブエレメント１
部分を形成する。

そして、上記によつて得られるチユーブエレメ
ント１組立物の複数個を、相互間にコルゲートフ
インからなるアウターフイン２を介いて相互に所
定段数積層し、熱交換器の全体としての仮組状態
の組立物を得、そしてこれを従来の常法に従つて
ろう付け処理し、所期する積層型熱交換器とす
る。なお、この接合を完了したのちにおいて、連
結片１３はこれをそのまま残存せしめるものとし
ても良いし、必要に応じて一部または全部を切除
するものとしても良い。

実施例 ２ この実施例は第４図及び第５図に示すもので、
連結片がコア部から外部に可及的突出しないよう
に配慮したものである。

即ち、チユーブエレメントの両端のタンク部１
８が中間の熱交換媒体通路を構成する扁平管部よ
り狭幅状態となるように、成形プレート２１及び
インナーフインプレート１６の両端部側縁に略Ｌ
字状の湾入部１４，１５の形成したものとし、連
結片２３をこの湾入部１４，１５の側縁から連設
して、１対の成形プレート２１，２１とそれらの
中間のインナーフインプレート１６とを一連に連
結せしめたものである。

その他は前記実施例１の場合と同様であり、相
当部分及び相当部材を同一の符号で示して説明を
省略する。

発明の効果 この発明は上述のように、１対の成形プレート
を合掌状態に重ねて周縁部を接合した扁平状チユ
ーブエレメントと、アウターフインとを交互に積
層して所要段数の熱交換コア部が形成される積層
型熱交換器の製造方法において、チユーブエレメ
ントを構成する少なくとも１対の成形プレート
を、その成形に際し、相互間にインナーフインプ
レートを介在し、かつ三者相互の側縁どおしを１
つ以上の連結片を介して連結した一連の展開連結
状態に成形するものとし、コア部の組立に際し、
上記連結片を折曲げて両成形プレートを相互間に
前記インナーフインプレートを介して重ね合わせ
ることにより、各単位チユーブエレメントの組立
てを行うものとしたことにより、先ず、従来のよ
うに各成形プレートを個々に分離状態に作製する
場合に較べ、少なくとも単一のチユーブエレメン
トを構成すべき１対の成形プレートとインナーフ
インプレートとを一体物として取扱いうるので、
熱交換器の組立てに要する各独立の部品点数を大
幅に減少することができる。従つて、部品管理が
容易になる。また、組立てに際しても従来のよう
に１つづつの独立した成形プレートをインナーフ
インを介して重ね合わせて各チユーブエレメント
単位の組立てを行う場合に較べ、連結片を折曲げ
ることによつて自動的に内部にインナーフインを
備えたチユーブエレメントの正確な組立物を得る
ことができ、この組立物を単位部品としてアウタ
ーフインと相互に積層することにより、熱交換器
全体の組立物を得ることができるので、全体とし
ての組立に要する手間を軽減し、その時間を短縮
しうる。従つて、生産性を向上でき、従来より一
段と製造コストの低減を果しうる。更にはまた、
この発明による熱交換器では、チユーブエレメン
トの２枚の成形プレートの周縁接合部間にインナ
ーフインプレートの周縁部が介在し、これが内部
のインナーフイン部に連続しているので、インナ
ーフインプレートがチユーブエレメントの補強作
用を果し、ひいては熱交換器の耐圧力の向上に寄
与しうるというような効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの発明の第１実施例を
示すもので、第１図は熱交換器コア部の組立時の
状態を示す斜視図、第２図は１対の成形プレート
とインナーフインプレートとの連結された一体成
形物の平面図、第３図は組立後の熱交換器の正面
図、第４図は第３図−線の断面図、第５図は
熱交換器コア部におけるタンク部の断面図であ
る。第６図及び第７図は第２の実施例を示すもの
で、それぞれ第２図および第１図相当の平面図と
斜視図である。 １……チユーブエレメント、２……アウターフ
イン、６，１６……インナーフインプレート、６
ａ……フイン部、８……タンク部、１１，２１…
…成形プレート、１３，２３……連結片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ １対の成形プレートを合掌状態に重ねて周縁
   部を接合した扁平状チユーブエレメントと、アウ
   ターフインとを交互に積層して所要段数の熱交換
   コア部が形成される積層型熱交換器の製造方法に
   おいて、 チユーブエレメントを構成する少なくとも１対
   の成形プレートを、その成形に際し、相互間にイ
   ンナーフインプレートを介在し、かつ三者相互の
   側縁どおしを１つ以上の連結片を介して連結した
   一連の並置展開状態に成形するものとし、コア部
   の組立に際し、上記連結片を折曲げて両成形プレ
   ートを相互間に前記インナーフインプレートを介
   して重ね合わせることにより、各単位チユーブエ
   レメントの組立てを行うことを特徴とする積層型
   熱交換器の製造方法。 ２ チユーブエレメントの両端のタンク部が他の
   部分より狭幅状態となるように、成形プレート及
   びインナーフインプレートの両端部側縁に湾入部
   を形成し、上記湾入部内の側縁に前記連結片を設
   けて隣接する成形プレートとインナーフインプレ
   ートの相互を連結するものとなすことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の積層型熱交換器の
   製造方法。