JPS5939800B2 - 走行経路表示装置における定距離表示方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車等の移動体における現在位置、走行軌跡
、進行方向などの走行状態を表示させる走行経路表示装
置に係り、特に表示縮尺率に応じた効率の良い走行経路
表示を行なわせる走行経路表示装置における定距離表示
方式に関する。

第１図は本発明に係る走行経路表示装置の一構成例を示
すもので、自動車の走行距離に応じたパ、ルス信号を発
生する距離検出器１と、例えばヨー方向の角速度を検出
するレート式のジャイロスコープなどからなる自動車の
進行方向に応じてその方向または方向変化量に比例した
信号を出力する方向検出器２と、前記距離検出器１から
のパルスＪ 信号をカウントして自動車の走行距離を計
測するとともに方向検出器２の出力から自動車の進行方
向を判定し、両検出器１、２からの検出信号に応じて自
動車の単位走行距離ごとの２次元座標上の位置を演算に
よつて求め、かつ装置全体の集中制御を行なわせる信号
処理装置（ＣＰＵ），３と、その信号処理装置３によつ
て求められた刻々変化する２次元座標上の位置のデータ
を順次格納し、自動車の現在位置に対応する有限の連続
位置情報としてそれを保持する走行軌跡記憶装置（ＲＡ
Ｍ）４と、前記信号処理装置３からの出力に応じて自動
車の走行距離、現在位置までの一定区間における走行軌
跡および現在の進行方向などを刻々更新表示させるＣＲ
Ｔ表示装置、液晶表示装置などからなる表示装置５と、
信号処理装置３へ表示指令を送り、表示装置５において
表示される走行軌跡の方向変換、その表示位置の移動、
走行軌跡の部分拡大表示、表示縮尺率の選択などの表示
形態の設定変更および走行軌跡の検索を適宜行なわせる
ことのできる操作装置６とによつて構成されている。こ
のように構成された本発明に係る走行経路表示装置の動
作について、以下説明をする。

まず、自動車の走行に際して、予め操作装置６．により
ガイダンスに使用する道路地図に対応させた表示装置５
における出発点の設定およびその表示縮尺率の設定を適
宜行なわせる。

しかるのち、自動車の走行を開始させると、距離検出器
１から単位走行距離ごとに１パルス信号が信号処理装置
３へ送られ、そこでそのパルス数のカウントを行なうこ
とにより走行距離が計測されるとともに、方向検出器２
の出力が同じく信号処理装置３へ送られてそこで刻々に
おける自動車の進行方向が判定される。信号処理装置３
では、前述のように検知された自動車の走行距離および
方向の変化にもとづき、予め設定された縮尺率に応じて
Ｘ−Ｙ座標上における現在位置Ｘ，ｙを刻々と演算によ
つて求め、その演算結果が表示装置５へ逐次送られると
ともに走行軌跡記憶装置４へ送られて記憶保持される。
なお、その記憶内容は、常時読出されて表示装置４へ連
続的に送られる。同時に、信号処理装置３から表示装置
５へ現在位置における方向信号が逐次送られる。しかし
て、表示装置５には、第２図に示すように、方向性をも
つた現在位置Ｂの表示マークＭ１および出発点Ａからそ
の現在位置Ｂまでの走行軌跡表示マークＭ２が自動車の
走行状態に通従して模擬的になされることになる。，な
お、現在位置Ｂの表示マークＭ１は、例えば予め種々の
方向性をもつた多数の三角形状、矢印状などのマーク情
報を記憶させたＲＯＭを信号処理装置３内に設けておき
、方向検出信号をアドレスとして適宜方向性をもつたマ
ーク情報が呼出されて表示装置４へ送られ、そこで現在
位置とともに表示されるようになつている。また、走行
経路途中でチェックを行なうことができるように、操作
装置６からの操作指示により表示装置５に表示された走
行軌跡表示マークＭ２上に検索マークＭ３を任意に記す
ことができるようになつている。さらに、その表示装置
５には、第２図に示すように、信号処理装置３から送ら
れてくる信号に応じて、例えば現在位置Ｂに至るまでの
走行所要時間の表示Ｄ１（これは信号処理装置３内に走
行時のみ動作するタイマを組込んでおけばよい）、同じ
くそれまでの全走行距離の表示Ｄ２、または操作装置６
によつて設定された縮尺率の表示Ｄ３などの補助的表示
が適宜なされる。なお、表示装置５にはそれに表示され
る走行軌跡に限界があるため、その限界を越えるときに
は操作装置６により新たな出発点Ｎの設定を行なつて（
このとき走行軌跡記憶装置４の記憶内容がクリアされる
）走行を継続して行なわせることになる。特にこの際、
表示装置５の表示面にその限界を示す枠（図示せず）を
表示させておき、現在位置Ｂがその枠に達すると警報を
発して運転者にその旨を報知させるようにすることがで
きる。具体的には、信号処理装置３内に予めその表示限
界を示す枠に応じたＸ軸およびＹ軸方向における最大値
をそれぞれ設定しておき、算出された現在位置Ｘ，ｙの
値がその最大値に達したときに警報出力を別途設けられ
た警報器に与えるようにすればよい。この±うに、表示
装置５に表示された現在位置までの走行軌跡と地図上の
道路形状とを照合することにより、運転者は自車がどの
道路上を走行し、また現在位置がどこであるかの確認を
容易に行なうことができるようになる。このような走行
経路表示装置にあつては、自動車の走行軌跡を折れ線近
似で算出、表示させていくことになるが、その１ベクト
ルが短いほど実際の自動車の道程となる曲線に近くなつ
て位置精度が良くなる。

しかし、そのような１ベクトル分が短い位置のデータを
全て前記走行軌跡記憶装置４へ記憶させるにはそのメモ
リ容量が大きくなつてしまうという問題がある。本発明
はこのような点を考慮してなされたもので、１ベクトル
分が短い位置計算を行なわせて位置精度を高めるととも
に、実際に表示させる点はそれほど細かくする必要がな
いので一定距離ごとに算出された位置のデータを表示縮
尺率に応じて適宜間引いてメモリに記憶させるようにす
ることにより、メモリ容量の軽減化を図りながら設定さ
れた縮尺率にみあつた効率のよい移動体の走行軌跡表示
を行なわせることができるようにした走行軌跡表示装置
における定距離表示方式を提供するものである。

以下、添付図面を参照して本発明の一実施例について詳
述する。

前記距離検出器１および方向検出器２からの各検出信号
に応じて信号処理装置３により自動車の単位走行距離ご
との２次元座標上の位置を演算によつて求める際、第３
図に示すように、単位走行距離をｌ、現在位置を（Ｘｎ
＋１、Ｙｎ＋１）、その直前の位置を（Ｘｎ．ｙｎ）、
現在方位をθとすると、次式にしたがつて現在位置（Ｘ
Ｏ＋１、Ｙｎ＋１）が算出されることになる。

しかして、本発明による走行経路表示装置における定距
離表示方式では、信号処理装置３において、例えば自動
車の単位走行距離１を１．５７ｍに設定してその単位走
行距離１ごとに（１）式にもとづく演算をなして刻々変
化する自動車の現在位置を逐次求め、自動車の走行距離
が１０ｍを越えるごとにそのときの位置のデータを走行
軌跡記憶装置４へ送つて記憶させるようにしている。

すなわち、次表に示すように、自動車がその出発点０か
ら１０．９９ｍ走行したときの位置のデータＤ７、同じ
く２０．４１ｍ走行したときの位置のデータＤｌ２、・
・・・・・・・・のみをそれぞれ走行軌跡記憶装置４へ
記憶させ、表示装置５はその間引きされた位置のデータ
Ｄ７，Ｄｌ２、・・・・・・・・・にもとづいて単位ベ
クトルにより刻々変化する自動車の走行軌跡および現在
位置の表示を行なわせることになる。その際、本発明に
よる走行経路表示装置における定距離表示方式にあつて
は、走行軌跡記憶装置４において、縮尺率に応じた表示
装置５での走行経路表示の限界内における各位置のデー
タがそのメモリテーブルに古い情報を次々と消去させて
いくいわゆるエンドレス方式によつて新しい位置のデー
タを次々と記憶させていくようにしている。

さらに、その際、表示装置５における表示縮尺率を例え
ば１／１．２５万、１／２．５万、１／５万、１／１０
万、１／２０万、１／４０万のように倍倍となる基本縮
尺をとり、それぞれの縮尺率にみあつて各位置データを
メモリテーブルに格納させる機会を１回ごとに、２回に
１度、４回に１度、８回に１度、１６回に１度、３２回
に１度の割にそれぞれ各位置のデータを間引いて６つの
バンクに各自記憶させるようにしている。しかして、こ
のような位置データの記憶方式を採用することにより、
走行軌跡記憶装置４におけるメモリ容量が著しく軽減す
るとともに、表示装置５に表示される縮尺率に応じた最
適な自動車の走行軌跡および現在位置の表示を高精度に
行なわせることができるようになる。

なお、前記実施例では各表示縮尺率に応じてそれぞれ専
用のバンクを設けるようにしているが、その代わりに１
つのバンクを用いて信号処理装置３により設定された縮
尺率に応じて記憶された各位置データを適宜間引いて読
出し、その読出された位置のデータを表示装置５に送出
させるようにしてもよいことはいうまでもない。

また、微小な単位走行距離１ごとにそれぞれ求められた
位置のデータを間引く間隔は、操作装置６により設定さ
れた表示縮尺率に応じて信号処理装置３によつて適宜決
定されることになる。なお、本発明では、信号処理装置
３における自動車の２次元座標上の位置の計算は、例え
ば前述のように３２回に１度の割でその位置のデータを
間引いて走行軌跡記憶装置４に記憶させる際に前後の位
置関係が正しく表わせ、かつコンピュータ処理に適する
ようにできるだけ多くの有効桁数で行なわせるようにす
るとともに、その座標計算上で上位桁をあふれさせる計
算方式をとり、その計算結果のうちの上位数桁のみを走
行軌跡記憶装置４に位置のデータとして記憶させること
により、位置精度を高めながらもそのメモリ容量の軽減
化をより有効に図るような処理方式を採用している。

すなわち、座標計算上、自動車の走行位置が例えば２２
、２２ずつ増すものとすると、その座標値の動きが以下
のようになる。ここで、第６番目の計算値以後に生ずる
百の位にある桁あふれを無視して計算時の座標データと
して下４桁を用いるとともに、メモリテーブルに記憶さ
せる位置データとしてはそのうちの上位２桁を採用する
ようにしている。

また、上位数桁によつてメモリテーフルに順次記憶され
た座標点列により、自動車が前記基本縮尺率に対応した
定距離走るごとにその縮尺率に対応したバンクから所定
の位置のデータがとり出されて表示用のデータテーブル
に送られることになるが、その際、信号処理装置３によ
り現在位置から順に上位桁のあふれ分を補正し、また基
本縮尺率に応じた定数を掛けて座標位置の復元がなされ
る。

すなわち、メモリテーブルから読出されたデータにもと
づく座標位置の再生は、例えば第８番目の計算時を現在
位置とすると、以下のようにしてなされることになる。

なお、＊は２進法による引き算を表している。

しかして、このような処理方式によれば、下位の２桁ま
で積算を行なわせるようにしているために切捨て誤差が
小さくなり、それがそのまま表示装置５に表示される位
置精度に反映されることになる。特に、このような処理
方式を採るに際して、本発明による走行経路表示装置に
おける定距離表示方式では、表示装置５における表示限
界にきたとき、自動車が予め設定された縮尺率に対応し
た定距離走るごとに信号処理装置３によりそれまで表示
装置５に表示されている走行軌跡の全表示点列マークを
消去させ、処理装置３において、前回の現在位置のマー
ク表示位置から今回のマーク表示位置をその設定された
縮尺率から位置変換のための演算処理によつてわり出し
、その点から順に前述のように所定のバンクから各位置
のデータがとり出された表示用データテーブルの内容か
らそれに所定の縮尺率を掛けることによつて得られた表
示装置５の画面上の所定位置に点列を表示させることに
より自動車の定距離走行ごとの表示の書換えを行なわせ
るようにしている。

しかして、このような定距離表示方式によれば、予め設
定された縮尺率に応じて、自動車が定距離走行するごと
に効率の良い走行軌跡表示を高精度に行なわせることが
できることになる。

また、定距離走行ごとの表示書換え時に、現在位置の表
示マークを移す画面上の座標位置が前記表示限界枠外に
なつたときには前述のように警報が発せられ、さらにそ
れが表示限界枠上に位置するときにはその表示限界とな
つた点における方向のみ前回の値を用いて表示させるよ
うにしている。

以上、本発明による走行経路表示装置における定距離表
示方式にあつては、移動体の走行距離を検出する距離検
出器の出力と、その走行にともなう方向を検出する方向
検出器の出力とにもとづいて移動体の２次元座標上の位
置を演算によつて求め、その求められた刻々変化する位
置のデータを逐次記憶させながら移動体の連続的な走行
軌跡を予め設定された縮尺率に応じて画面上に表示させ
る走行軌跡表示装置において、移動体の微小な単位走行
距離ごとに走行距離を加算させながら位置を算出させる
とともに、その走行距離が予め設定されたある一定の値
を越えるごとにそのときの位置のデータを抽出させる手
段と、表示縮尺率として変倍となる複数の基本縮尺をと
り、それぞれの縮尺率にみあう割合で位置のデータを間
引き、その各間引かれた位置のデータを表示限界内でエ
ンドレス方式により専用のメモリテーブルにそれぞれ記
憶させる手段と、表示装置の表示限界にきたときに基本
縮尺に各対応する定距離走行ごとにそれまでの走行経路
表示を消去させ、前記メモリテーブルから読出された位
置のデータにもとづいて消去時における現在位置の表示
点から新たな現在位置の表示点を縮尺率に応じて決定さ
せる手段とを採るようにしたもので、メモリ容量の軽減
化を有効に図りつつ、予め設定された縮尺率に応じて移
動体が定距離走行するごとに効率の良い走行軌跡および
現在位置の表示を高精度に行なわせることができるとい
う優れた利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る走行経路表示装置の一構成例を示
すブロック図、第２図はその走行経路表示装置における
表示形態の一例を示す図、第３図はベクトル表示による
走行経路の一例を示す図である。 １・・・・・・距離検出器、２・・・・・・方向検出器
、３・・・・・・信号処理装置、４・・・・・・走行軌
跡記憶装置、５・・・・・・表示装置、６・・・・・・
操作装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移動体の走行距離を検出する距離検出器の出力と、
   その走行にともなう方向を検出する方向検出器の出力に
   もとづいて移動体の２次元座標上の位置を演算によつて
   求め、その求められた刻々変化する位置のデータを逐次
   記憶させながら移動体の連続的な走行軌跡を予め設定さ
   れた縮尺率に応じて表示装置の画面上に表示させる走行
   経路表示装置において、移動体の微小な単位走行距離ご
   とに走行距離を加算させながら位置を算出させるととも
   に、その走行距離が予め設定されたある一定の値を越え
   るごとにそのときの位置のデータを抽出させる手段と、
   表示縮尺率として変倍となる複数の基本縮尺をとり、そ
   れぞれの縮尺率にみあう割合で位置のデータを間引き、
   その各間引かれた位置のデータを表示限界内でエンドレ
   ス方式により専用のメモリテーブルにそれぞれ記憶させ
   る手段と、前記表示装置の表示限界にきたときに基本縮
   尺に各対応する定距離走行ごとにそれまでの走行経路表
   示を消去させ、前記メモリテーブルから読出された位置
   のデータにもとづいて消去時における現在位置の表示点
   から新たな現在位置の表示点を縮尺率に応じて決定させ
   る手段とを採るようにした走行経路表示装置における定
   距離表示方式。 ２ 定距離走行ごとの表示書換え時に、現在位置の表示
   マークを移す画面上の位置が表示限界を越えたときに警
   報を発する手段を採るようにしたことを特徴とする前記
   第１項の記載による走行経路表示装置における定距離表
   示方式。 ３ 定距離走行ごとの表示書換え時に、現在位置の表示
   マークを移す画面上の位置が表示限界となつた点におけ
   る方向のみ書き換えられる前のデータを用いて表示させ
   る手段を採るようにしたことを特徴とする前記第１項の
   記載による走行経路表示装置における定距離表示方式。