JPS5935465Y2 - 籾乾燥機における排出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は揺動作用と振動作用のみによって通風乾燥胴よ
り繰出された乾燥籾を破砕粒を生じさせることなく軽快
に昇降機側へ排出移送させると共に排出装置全体の設置
高さを極力低くして同一高さの乾燥機であっても大容量
の籾を収容できるようにした籾乾燥機における排出装置
に関する。

角筒状の乾燥機本体内の上段に調質槽を、中段に熱風噴
気枠と熱風排気枠とを該枠間に籾流路が竪長方向に設け
られるよう縦設すると共に、該籾流路の末端位置には繰
出しロールを回転自在に軸架せしめた通風乾燥胴を、又
下段には中央の搬出樋に向は傾斜した左右一対の固定流
穀板からなる取出槽とを順次立体的に重設した籾乾燥機
は今迄に良く知られている。

ところで上述のような籾乾燥機にあっては、繰出しロー
ルにより繰出された乾燥籾は傾斜状を呈する固定流穀板
に沿って緩かやに中央の搬出樋に流下された後、搬出樋
内に軸架された搬出スクリューで昇降機側へ搬出される
ようになっているので、固定流穀板の傾斜角度を流下で
きる範囲以下とすることができないため、取出槽全体の
設置高さをより低くすることができず、その結果、大容
量の籾を収容しようとすれば必然的に乾燥機の背丈が高
くなる許りか、搬出スクリューによって乾燥籾が破砕さ
れる欠点があった。

本考案は前記に鑑み、通風乾燥胴より繰出された乾燥籾
を中央に配設した揺動搬送樋の揺動作用と該揺動搬送樋
の揺動作用に準じて上下振動される左右一対の可動傾斜
板とにより破砕粒を発生させず円滑に昇降機側へ排出さ
せると共に、排出装置全体の設置高さを極力低くして同
一高さの乾燥機であってもより多くの籾を収容して乾燥
作業を能率的に遂行させることができる籾乾燥機におけ
る排出装置を提供しようとしたものであって、以下に本
考案装置の構成を添附図面に示された好適な一実施例に
ついて説明する。

図面において、１は多数の籾を所定含水率に乾燥させる
ことができる乾燥機であって、該乾燥機１は、乾燥機本
体２内の上段に調質槽３を、中段に熱風噴気枠５と熱風
排気枠６とを該枠５，６間に籾流路７が竪長に形成せら
れるよう縦設すると共に、籾流路７の末端位置には繰出
しロール８を回転自在に軸架して構成した通風乾燥胴４
を、又下段には繰出しロール８から繰出された乾燥籾を
乾燥機本体２の一側に付設された昇降機１０低部の供給
側１１へ排出させる排出装置９とを順次立体的に重設し
て構成する。

通風乾燥胴４の下部に設置された排出装置９は、乾燥機
本体２内の底部中央位置に移送末端側が昇降機１０の供
給側１１にのぞむ如く複数本の揺動杆１２・・・・・・
を介して支架された横長状の揺動搬送樋１３と、揺動搬
送樋１３の上方左右位置に、基端側をそれぞれ乾燥機本
体２の側壁に枢着され、自由端側は揺動搬送樋１３の両
側上方位置に遊架された複数のローラー１５・・・・・
・上に搭載されるよう揺動搬送樋１３に向は傾斜状に配
設した左右一対の可動傾斜板１４，１４とからなり立っ
ており、然かも揺動搬送樋１３は揺動装置１６によって
昇降機１０側へ向は揺動されている。

１７は熱風噴気枠５内に設けた熱気発生装置であり、１
８は通風乾燥胴４と排出装置９との間の乾燥機本体２の
側壁に開口装着した吸引排風装置である。

次に本考案の作用について説明する。

今、昇降機１０を始動して籾を揚送すれば、該籾は昇降
機１０の上部より乾燥機本体２内へ投入され、籾流路７
および調質槽３内に充填される。

このようにして所定量の籾が充填されたら、その供給を
停止し、昇降機１０、繰出しロール８および揺動装置１
６を運転すると同時に熱気発生装置１７ならびに吸引排
風装置１８を始動させる。

さすれば熱気発生装置１７によって起或された熱気は吸
引排風装置１８の負圧作用で熱風噴気枠５内に吸入され
る外気と混合して適温の乾燥熱風となり熱風噴気枠５よ
り負圧作用で籾流路７を通過し熱風排気枠６に出た後吸
引排風装置１８により機外へ集中排風される。

従って繰出しロール８の回転に応じ、籾流路７中を順次
流下する籾はその流下過程において熱風を浴びて幾分乾
燥されながら下段の排出装置９上へ落下する。

ところで上記排出装置９は中央に位置された揺動搬送樋
１３が先ず揺動装置１６によって昇降機１０の供給側１
１へ向は往復揺動されると共に、揺動搬送樋１３の揺動
に順して左右一対の可動傾斜板１４，１４が基端枢支部
を軸として上下往復振動されているので繰出しロール８
によって繰出された乾燥籾は左右一対の可動傾斜板１４
、１４上に落下された後、振動作用で中央の揺動搬送樋
１３内に集落し、次いで揺動作用によって順次昇降機１
０の供給側１１に移送排出される作用を営む。

その結果、左右一対の可動傾斜板１４．１４の傾斜角度
は極端に小さくても滞留現象を起させず、揺動搬送樋１
３に集落させることができるため、排出装置９全体の設
置高さを極力低くすることができる許りか、排出過程に
おける破砕粒の発生を皆無らむしめることができる。

昇降機１０内へ排出された乾燥籾は再び昇降機１０によ
り調質槽３に返送され、再度の乾燥作用を受けることに
なる。

従って、上述の如き循環作業を複数回に亘り行えば、籾
は所定含水率に乾燥されるものである。

要するに本考案は前記の如く構成したので１、乾燥機本
体２内に配設された通風乾燥胴４より繰出された乾燥籾
を基端枢支部を軸として上下振動する左右一対の可動傾
斜板１４，１４により速かに中央の揺動搬送樋１３内へ
集落させた後、昇降機１０の供給側１１に向は揺動する
揺動搬送樋１３で破砕粒を発生させることなく的確に排
出移送させることができる許りか、その排出移送作業を
揺動作用と振動作用とで行うことにより排出装置９全体
の設置高さを極端に低くして同じ高さの乾燥機１であっ
ても籾の収容量を多くして能率的な乾燥作業を達成させ
ることができると共に、左右一対の可動傾斜板１４．１
４の振動作用は揺動搬送樋１３の揺動に準じて行われる
ので振動装置をわざわざ設ける必要を無くしてより廉価
な乾燥機を提供できる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すものであって、第１
図は全体の斜視図、第２図は縦断正面図、第３図は要部
を破断した側面図、第４図は一部を切欠した要部の横断
平面図である。 ２・・・・・・乾燥機本体、４・・・・・・通風乾燥胴
、９・・・・・・排出装置、１０・・・・・・昇降機、
１１・・・・・・昇降機の供給側、１３・・・・・・揺
動搬送樋、１４．１４・・・・・・左右一対の可動傾斜
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 角筒状の乾燥機本体内に通風乾燥胴を配設し、上記通風
   乾燥胴の下部中央には移送末端側を乾燥機本体の一側に
   付設した昇降機の供給側へのぞませた揺動搬送樋を揺動
   自在に配設し、上記揺動搬送樋の上方左右位置には基端
   側をそれぞれ乾燥機本体の側壁に枢着し、自由端側は揺
   動搬送樋の両側上方位置に搭載されるよう揺動搬送樋に
   向は傾斜した左右一対の可動傾斜板を配設したことを特
   徴とする籾乾燥機における排出装置。