JPH1150388A - 易離解性防湿紙 - Google Patents

易離解性防湿紙

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JPH1150388A
JPH1150388A JP9207487A JP20748797A JPH1150388A JP H1150388 A JPH1150388 A JP H1150388A JP 9207487 A JP9207487 A JP 9207487A JP 20748797 A JP20748797 A JP 20748797A JP H1150388 A JPH1150388 A JP H1150388A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 40℃で相対湿度100%の湿度条件下や結
露した状態でも防湿性が優れ、しかも離解性を有する防
湿性紙を提供する。 【解決手段】 紙支持体の少なくとも片面にフィロケイ
酸塩化合物とスチレン−ブタジエン系共重合体ラテック
スを含む防湿塗料から形成された防湿層を有する防湿紙
であって、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス
中にアルカリ金属イオンが固形分に対して0.05〜1
重量%、アンモニウムイオンが0.1〜2%含まれる易
離解性防湿紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古紙として再利用
でき、相対湿度100%の高湿度条件下や結露した状態
において充分な防湿性を有する防湿紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、工業用や産業用製品の包装には、
内容物の吸湿や吸水を防止するため、耐湿性及び耐水性
が優れたポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィン系の高分子化合物を紙支持体にラミネートしたポ
リオレフィンラミネート紙(以下ポリラミ紙と称す)が
使われてきた。ポリラミ紙は、例えば紙製品の巻き取り
用包装、アート紙やコート紙などの平判用包装、電子写
真複写用紙やインクジェット用紙などの小判断裁紙堆積
体用の包装、セメントや樹脂などの重袋用などに使用さ
れている。しかしポリラミ紙は被膜層が強固なため離解
性に劣る。即ち、古紙として利用すると、再生紙の製造
工程で被膜そのものが大きなシート状に残存したり、細
片化したものがシリンダードライヤーなどに融着すると
いった問題が発生する。そのためポリラミ紙は古紙とし
て利用できず、使用後は、ほとんどの場合焼却処分して
いるのが現状である。
【0003】一方、易離解性のある防湿紙を製造する方
法としては、例えば特公昭55−22597号公報、特
開昭59−66598号公報などが知られている。これ
らは合成ゴムラテックスにワックスエマルジョンを配合
してなる水性エマルジョンを紙表面に塗工したものであ
る。このような易離解性防湿紙は防湿・防水性は十分で
あり離解可能であるが、防湿層中のワックスが防湿層表
面に析出(ブリード)し、防湿紙の反対裏面に転写して
滑りやすくなったり、内容物にワックスが転移し内容物
を汚染するといった問題がある。また、このようなワッ
クスを含む防湿紙を古紙として利用した再生紙がワック
スのため滑りやすくなるといった問題もある。
【0004】本発明者らは、前記したワックスエマルジ
ョンを含有する防湿層を有する防湿性紙の問題点を検討
した結果、ワックスを含まない防湿層を有する防湿性
紙、すなわち、紙支持体および、前記紙支持体の少なく
とも片面上に形成された防湿層を含み、前記防湿層が
(a)防湿性・皮膜形成性合成樹脂、(b)5〜50μ
mの平均粒子径と5以上のアスペクト比を有する平板状
フィロケイ酸塩化合物粒子、および(c)防湿性向上剤
を含む防湿性紙を先に提案した(特願平8−24964
7号明細)。
【0005】しかしながら、前記防湿紙は、相対湿度が
90%程度であれば充分な防湿性(JISZ0208透
湿度50g/m2・24hr以下)を示すが、相対湿度が100
%の高湿度条件、もしくは防湿紙表面に結露した状態に
なると、防湿性が急激に悪くなるといった問題点があっ
た。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高湿条件下
や結露した状態において高い防湿性を有し、しかも古紙
として使用可能な易離解性の防湿紙を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙支持体の少
なくとも片面にフィロケイ酸塩化合物とスチレン−ブタ
ジエン系共重合体ラテックスを含む防湿塗料から形成さ
れた防湿層を有する防湿紙において、スチレン−ブタジ
エン系共重合体ラテックス中にアルカリ金属イオンが固
形分に対して0.05〜1重量%、アンモニウムイオン
が0.1〜2%含まれることを特徴とする易離解性防湿
紙である。
【0007】また本発明は、前記フィロケイ酸塩化合物
がカップリング剤で処理されている易離解性防湿紙であ
る。また本発明は、前記スチレン−ブタジエン系共重合
体のゲル分率が80%〜99%であり、かつガラス転移
温度が−10℃〜40℃である易離解性防湿紙である。
【0008】また本発明は、前記スチレン−ブタジエン
系共重合体が活性水素を有する官能基を含む易離解性防
湿紙である。また本発明は、前記防湿塗料が活性水素反
応性化合物を含む易離解性防湿紙である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明で使用するフィロケイ酸塩化合物は平板状顔料で
ある。フィロケイ酸塩化合物に属するものは板状または
薄片状であって明瞭な劈開を有し、雲母族、パイロフィ
ライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑石、蛇紋
石、スチルプノメレーン、粘土鉱物がある。これらの中
でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母
(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フ
ロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母
(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイ
カ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲
母などが挙げられる。
【0010】これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白
雲母または絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比など
の点から好適である。本発明では平板性が保持されてい
る顔料であればよいが、より好ましい平均粒子径(レー
ザー回折法による測定値)範囲としては1μm〜100
μm、さらに好ましい平均粒子径範囲としては5μm〜
50μm ある。平均粒子径が5μm 以下のものは塗工
層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になり
にくく、50μm 以上になると平板状顔料の一部が塗
工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度と
なるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層
数が少なくなってしまうために防湿性能向上効果が減少
する。また、好ましいアスペクト比(前記平均粒子径を
厚さで除した値。厚さは電子顕微鏡の観察により測定し
た。)は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が
10以上の平板状顔料である。アスペクト比が5以下の
ものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため防湿
性能が劣る。アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗
工層中における層数が大きくなるため高い防湿性能を発
揮する。
【0011】本発明に用いられるスチレン−ブタジエン
系共重合体ラテックス(SBRラテックス)はスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブ
チルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合
物とブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタ
ジエンなどの共役ジエン化合物及びこれらと共重合可能
なその他の化合物からなる単量体を乳化重合することに
よって得られる共重合体ラテックスである。芳香族ビニ
ル化合物としてはスチレン、また、共役ジエン化合物と
しては1,3−ブタジエンが好適である。
【0012】共重合可能なその他の化合物としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和カル
ボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテント
リカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸;マレイン酸
モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不
飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、
(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n
−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エス
テル;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有エ
チレン性不飽和化合物;(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、などのエチレン性不飽和酸のグリシジルエーテル;
アリルグリシジルエーテルなどの不飽和アルコールのグ
リシジルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド
系化合物などが用いられる。上記化合物は一種類以上用
いることができる。これらの中でも活性水素を有する不
飽和カルボン酸、不飽和多価カルボン酸、(メタ)アク
リルアミド系化合物が好適である。
【0013】単量体の各構成成分の組成比は適宜選択さ
れるが、通常、芳香族ビニル化合物25〜75重量部、
好ましくは30〜70重量部、共役ジエン化合物20〜
60重量部、好ましくは25〜50重量部、共重合可能
なその他の化合物0〜50重量部である。スチレン−ブ
タジエン系共重合体ラテックスに含まれるアルカリ金属
イオン(ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)はス
チレン−ブタジエン系共重合体ラテックス固形分に対し
て0.05〜1%であることが好ましく、より好ましく
は0.05〜0.5%である。アルカリ金属イオンの量が
0.05%より少ないとラテックスとして安定性が悪
く、1%を越えると防湿性が悪くなる。
【0014】スチレン−ブタジエン系共重合体ラテック
スに含まれるアンモニウムイオンは、スチレン−ブタジ
エン系共重合体ラテックス固形分に対して0.1〜2%
であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1%で
ある。アンモニウムイオンの量が0.05%より少ない
と超高湿度条件における防湿性が悪くなり、3%を越え
ると効果が頭打ちになる。スチレン−ブタジエン系共重
合体のゲル分率(溶媒としてテトラヒドロフランを用い
たときの不溶部分の重量%)は80%〜99%が好まし
く、より好ましくは90%〜99%である。ゲル分率が
80%より小さいと、得られる防湿紙の離解性が悪くな
ったりブロッキング(防湿面と他の面が熱や圧力により
融着する現象)が起きやすくなる。ゲル分率を上げるた
めに、アルキルメルカプタンや四塩化炭素のような連鎖
移動剤(分子量調整剤)の使用量を減らしたり、ジビニ
ルベンゼンのようなモノマーを共重合させたりする。ス
チレン−ブタジエン系共重合体のガラス転移温度(T
g)は−10℃〜40℃、より好ましくは0℃〜35℃
である。Tgが−15℃より小さいと、離解性が悪くな
ったりブロッキングが起きやすくなる。また、Tgが4
5℃を越れると防湿性が悪くなる。
【0015】また、本発明に使用するフィロケイ酸塩化
合物とスチレン−ブタジエン系ラテックスとの配合(固
形分重量)比率は30:70〜70:30、好ましくは
35:65〜60:40である。
【0016】本発明で使用するカップリング剤として
は、親水基部分にSiを含むシランカップリング剤、親
水基部分にTiを含むチタネートカップリング剤、親水
基部分にAlを含むアルミニウムカップリング剤等が挙
げられる。カップリング剤の構造は、フィロケイ酸塩化
合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂
のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、
特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やSiに
結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
【0017】一方、カップリング剤の疎水基部分につい
ては、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化
合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に
疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果が
ある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミ
ノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と
樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層
樹脂マトリックスとの接着性が高まる。該カップリング
剤には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γメ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルアセトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピル
トリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネートなど
が挙げられる。
【0018】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗料に
カップリング剤を直接添加する方法である。また、前処
理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップリ
ング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加量
はフィロケイ酸塩化合物100重量部に対して0.1〜
5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量
が0.1重量部未満の場合、カップリング剤によるフィ
ロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分となるため好まし
くなく、5重量部を越える場合、カップリング剤の効果
が頭打ちとなるため不経済である。
【0019】本発明で使用する活性水素反応性化合物
は、合成樹脂ラテックスに含まれるカルボキシル基、ア
ミド基、水酸基等の活性水素官能基と反応して合成樹脂
ラテックスを架橋、高分子化(三次元網目構造)するも
のである。こうした活性水素反応性化合物としては
(1)メチロール基を有し、上記親水性官能基と脱水縮
合反応を起こすもの(メラミン−ホルムアルデヒド樹
脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂など);(2)アルデ
ヒド基を有し、上記親水性官能基と付加反応を起こすも
の(グリオキザールなど);(3)エポキシ基を有し、
上記親水性官能基と開環付加反応を起こすもの(ポリグ
リシジルエーテルなど);(4)多価金属を有し上記親
水性官能基と配位結合および共有結合を形成するもの
(炭酸ジルコニウムなど);(5)水溶液中でカチオン
性を示しアニオン性官能基とイオン結合を形成するもの
(ポリアミン化合物、ポリアミドアミン樹脂やポリアミ
ドエピクロロ樹脂などのカチオン性樹脂)などがある。
活性水素反応性化合物の配合量は合成樹脂ラテックス1
00重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部が望ましい。活性水素反応性化合物の
配合量が0.01重量部未満の場合、活性水素反応性化
合物と活性水素官能基との反応性が著しく低下するため
好ましくなく、10重量部を越えても透湿度向上や耐ブ
ロッキングに対する効果が頭打ちとなったり、未反応の
活性水素反応性化合物が析出するなどの問題が発生する
ため好ましくない。
【0020】以上の材料を混合して防湿性塗料(水性)
とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸など
の分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤を添加し
たりすることができる。この塗料を常法により紙支持体
に塗工して防湿層を形成する。塗工設備として特に限定
はしないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナ
イフコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式
が、平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。
防湿層の塗工量は片面に塗工した場合(両面に塗工した
場合は両面の合計塗工量)、固形分として15〜40g/
2、好ましくは20〜35g/m2である。
【0021】本発明に用いられる紙支持体は機械的離解
作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とするも
のであれば特に制限はないが、包装紙として一般的に用
いられている晒または未晒クラフト紙(酸性紙または中
性紙)が好適である。紙支持体の坪量は50〜150g
/m2、好ましくは60〜135g/m2である。紙支持体
の厚さは70〜170μm、好ましくは75〜165μ
mである。
【0022】本発明の防湿紙の透湿度はJISZ020
8カップ法(B法)で測定して20〜50g/m2・24hr、
好ましくは25〜45g/m2・24hrである。
【0023】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ
「重量部」及び「重量%」を表す。
【実施例】
<スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス>実施例
および比較例で用いたスチレン-ブタジエン系共重合体
ラテックスを表1に示す。
【表1】 表1中において、Stはスチレンモノマー、Bdはブタ
ジエンモノマー、MAAはメタクリル酸モノマー、MM
Aはメタクリル酸メチルモノマー、ANはアクリロニト
リルモノマーを表す。モノマー比は重量比である。なお
スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスの固形分は
すべて50%である。
【0024】<実施例1>水50重量部に、フィロケイ
酸塩化合物マイカAB32(白雲母、平均粒子径22μ
m、アスペクト比20〜30:山口雲母工業所(株)製)
50重量部とラテックスA100重量部を加えて調製し
た防湿性塗料を、晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ
100μm)に固形分として片面30g/m2塗工後、熱
風乾燥機を用いて110℃で1分間乾燥させて防湿紙を
製造した。
【0025】<実施例2〜11>スチレン−ブタジエン
系共重合体ラテックスとしてラテックスAの代わりに下
記のラテックスを用いたこと以外は実施例1と同様にし
て防湿紙を製造した。 実施例2 :ラテックスB 実施例3 :ラテックスC 実施例4 :ラテックスD 実施例5 :ラテックスE 実施例6 :ラテックスH 実施例7 :ラテックスJ 実施例8 :ラテックスL 実施例9 :ラテックスN 実施例10:ラテックスP 実施例11:ラテックスQ
【0026】<実施例12>水50重量部に、カップリ
ング剤KBM603(アミノシランカップリング剤:信
越化学工業(株)製、有効成分99%以上)0.5重量
部を加え攪拌した後、ポリアミドポリ尿素樹脂SR30
2(活性水素反応性化合物:住友化学製、固形分60
%)0.5重量部を加え攪拌した後、フィロケイ酸塩化
合物KF1325(絹雲母、平均粒子径13μm、アス
ペクト比20〜30:中央カオリン(株)製)50重量部
とラテックスC 100重量部を加えて調製した防湿性
塗料を、晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μ
m)に固形分として片面30g/m2塗工後、熱風乾燥機
を用いて110℃で1分間乾燥させて防湿紙を製造し
た。
【0027】<実施例13>フィロケイ酸塩化合物とし
てマイカAB32の代わりにマイカA11(白雲母、平
均粒子径5μm、アスペクト比20〜30:山口雲母工
業(株)製)を用いたこと以外は実施例3と同様にして防
湿紙を製造した。
【0028】<実施例14>フィロケイ酸塩化合物とし
てマイカAB32の代わりにマイカA41(白雲母、平
均粒子径46μm、アスペクト比20〜30:山口雲母
工業(株)製)を用いたこと以外は実施例3と同様にして
防湿紙を製造した。
【0029】<比較例1〜5>合成樹脂ラテックスとし
てラテックスAの代わりに下記のラテックスを用いたこ
と以外は実施例1と同様にして防湿紙を製造した。 比較例1 :ラテックスF 比較例2 :ラテックスJ 比較例3 :ラテックスK 比較例4 :ラテックスM 比較例5 :ラテックスO
【0030】<比較例6〜8>フィロケイ酸塩化合物と
してマイカAB32の代わりに下記の顔料を用いたこと
以外は実施例3と同様にして防湿紙を製造した。 比較例6:マイカB72(白雲母、平均粒子径82μ
m、アスペクト比20〜30:山口雲母工業(株)製) 比較例7:UW−90(白雲母、平均粒子径1.5μ
m、アスペクト比2〜5:エンゲルハート製) 比較例8:ミクロエースP−3(タルク、平均粒子径
1.8μm、アスペクト比5〜10:日本タルク製)
【0031】<試験方法> 1)透湿度 JIS Z0208 B法(カップ法)で塗工面を外側
にして、40℃90%(相対湿度)および40℃99%
(相対湿度)にて透湿度を測定した。40℃90%にお
ける透湿度が50g/m2・24hr以下、より好ましくは45g
/m2・24hr以下、40℃100%における透湿度が100
g/m2・24hr以下、より好ましくは80g/m2・24hr以下であ
れば十分実用性がある。 2)離解性試験 TAPPI標準離解機を用いて、約3cm四方の防湿紙
45gを水1500mlとともに、20分間攪拌した。
得られたパルプスラリーで坪量70坪量の手抄シートを
作成した。未離解物の離解片の大きさが1mm×1mm
以下のものを○、1mm×1mm〜5mm×5mmを
△、5mm×5mm以上を×とした。
【0032】以上実施例、比較例の測定結果を表2〜4
に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】表2より、アルカリ金属イオンの含有量は
0.05〜1重量%、アンモニウムイオンの含有量は0.
1〜2重量%が好適である。表3より、SBRラテック
スのゲル分率は80〜99%、Tgは−5〜40℃が好
適である。表4より、MMAやANで変性したスチレン
−ブタジエン系共重合体ラテックスも使用できる。ま
た、使用する顔料の平均粒子径は5〜50μmが好適で
ある。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る易離解性防湿紙は、40℃
で相対湿度100%の高湿度条件下等でも優れた防湿性
を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙支持体の少
なくとも片面にフィロケイ酸塩化合物とスチレン−ブタ
ジエン系共重合体ラテックスを含む防湿塗料から形成さ
れた防湿層を有する防湿紙において、スチレン−ブタジ
エン系共重合体ラテックス中にアルカリ金属イオンが固
形分に対して0.05〜1重量%、アンモニウムイオン
が0.1〜2重量%含まれることを特徴とする易離解性
防湿紙である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】単量体の各構成成分の組成比は適宜選択さ
れるが、通常、芳香族ビニル化合物25〜75重量部、
好ましくは30〜70重量部、共役ジエン化合物20〜
60重量部、好ましくは25〜50重量部、共重合可能
なその他の化合物0〜50重量部である。スチレン−ブ
タジエン系共重合体ラテックスに含まれるアルカリ金属
イオン(ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)はス
チレン−ブタジエン系共重合体ラテックス固形分に対し
て0.05〜1重量%であることが好ましく、より好ま
しくは0.05〜0.5重量%である。アルカリ金属イオ
ンの量が0.05重量%より少ないとラテックスとして
安定性が悪く、1重量%を越えると防湿性が悪くなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】スチレン−ブタジエン系共重合体ラテック
スに含まれるアンモニウムイオンは、スチレン−ブタジ
エン系共重合体ラテックス固形分に対して0.1〜2重
量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1
重量%である。アンモニウムイオンの量が0.05%よ
り少ないと超高湿度条件における防湿性が悪くなり、3
重量%を越えると効果が頭打ちになる。スチレン−ブタ
ジエン系共重合体のゲル分率(溶媒としてテトラヒドロ
フランを用いたときの不溶部分の重量%)は80%〜9
9%が好ましく、より好ましくは90%〜99%であ
る。ゲル分率が80%より小さいと、得られる防湿紙の
離解性が悪くなったりブロッキング(防湿面と他の面が
熱や圧力により融着する現象)が起きやすくなる。ゲル
分率を上げるために、アルキルメルカプタンや四塩化炭
素のような連鎖移動剤(分子量調整剤)の使用量を減ら
したり、ジビニルベンゼンのようなモノマーを共重合さ
せたりする。スチレン−ブタジエン系共重合体のガラス
転移温度(Tg)は−10℃〜40℃、より好ましくは
0℃〜35℃である。Tgが−15℃より小さいと、離
解性が悪くなったりブロッキングが起きやすくなる。ま
た、Tgが45℃を越れると防湿性が悪くなる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙支持体の少なくとも片面にフィロケイ
    酸塩化合物とスチレン−ブタジエン系共重合体ラテック
    スを含む防湿塗料から形成された防湿層を有する防湿紙
    において、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス
    中にアルカリ金属イオンが固形分に対して0.05〜1
    重量%、アンモニウムイオンが0.1〜2%含まれるこ
    とを特徴とする易離解性防湿紙。
  2. 【請求項2】 フィロケイ酸塩化合物がカップリング剤
    で処理されていることを特徴とする請求項1に記載の易
    離解性防湿紙。
  3. 【請求項3】 スチレン−ブタジエン系共重合体のゲル
    分率が80%〜99%であり、ガラス転移温度が−10
    ℃〜40℃であることを特徴とする請求項1〜2のいず
    れかに記載の易離解性防湿紙。
  4. 【請求項4】 スチレン−ブタジエン系共重合体が活性
    水素を有する官能基を含むことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の易離解性防湿紙。
  5. 【請求項5】 防湿塗料が活性水素反応性化合物を含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の易離
    解性防湿紙。
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