JPH11352888A - インモ―ルド成形用ラベル - Google Patents

インモ―ルド成形用ラベル

Info

Publication number
JPH11352888A
JPH11352888A JP9451799A JP9451799A JPH11352888A JP H11352888 A JPH11352888 A JP H11352888A JP 9451799 A JP9451799 A JP 9451799A JP 9451799 A JP9451799 A JP 9451799A JP H11352888 A JPH11352888 A JP H11352888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
label
component
molecular weight
resin
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9451799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4386494B2 (ja
Inventor
Takatoshi Nishizawa
孝利 西澤
Maki Shiina
真樹 椎名
Yasuhiro Ueda
安宏 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yupo Corp
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Yupo Corp
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yupo Corp, Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Yupo Corp
Priority to JP09451799A priority Critical patent/JP4386494B2/ja
Publication of JPH11352888A publication Critical patent/JPH11352888A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4386494B2 publication Critical patent/JP4386494B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 表面に印刷が施された熱可塑性樹脂フィ
ルム基材層(I)の裏面に、ヒートシール性樹脂層(I
I)を設けたインモールド成形用ラベルであって、ヒー
トシール性樹脂層(II)が、成分a:ポリエチレン系
樹脂55〜90重量%、成分b:(成分b1:両末端に
カルボキシル基を有する数平均分子量200〜5,00
0のポリアミドと、成分b2:数平均分子量300〜
5,000のビスフェノール類のアルキレンオキシド付
加物とから誘導される芳香族環含有ポリエーテルエステ
ルアミド)5〜40重量%、成分c:ポリアミド樹脂3
〜20重量%および成分d:水酸基、アルボキシル基ま
たはオキシアルキレン基より選ばれた基を有する変性低
分子量ポリエチレン1〜20重量%、を含有する樹脂組
成物から形成されたものであることを特徴とするインモ
ールド成形用ラベル。 【効果】 本発明のインモールド成形用ラベルは、金型
内への挿入が容易であり、ブリスターの発生がなく、容
器とラベルの融着力の高いラベル貼合容器を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラベルを、予め金
型内に該ラベルの印刷が施こされた表面側が金型壁面に
接するようにセットし、金型内に溶融した熱可塑性樹脂
のパリソンを導き中空成形して、或いは溶融した熱可塑
性樹脂シートを真空成形もしくは圧空成形してラベル貼
合容器を製造するインモールド成形に用いるラベルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ラベル付きの樹脂成形容器を一体
成形するには、金型内に予めブランク又はラベルをイン
サートし、次いで射出成形、中空成形、差圧成形、発泡
成形などにより該金型内で容器を成形して、容器に絵付
けなどを行なっている(特開昭58−69015号公
報、ヨーロッパ公開特許第254923号明細書参
照)。この様なインモールド成形用ラベルとしては、グ
ラビア印刷された樹脂フィルム、オフセット多色印刷さ
れた合成紙(例えば、特公平2−7814号公報、特開
平2−84319号公報参照)、或いは、アルミニウム
箔の裏面に高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸
ビニル共重合体をラミネートし、その箔の表面にグラビ
ア印刷したアルミニウムラベルなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
インモールド成形用ラベルやブランクを用いてインモー
ルド成形によりラベルで加飾されたラベル貼合容器を製
造する方法においては、自動ラベル供給装置を用いて金
型内にラベルを供給する際に、ラベルの帯電防止機能が
不十分であると、特に冬期の低湿度の環境においては積
み重ねられたラベル間の静電気が除去されずに、ラベル
が2枚あるいはそれ以上が同時に金型内に供給され、正
規でない位置にラベルが貼合した容器(不良品)が生じ
たり、ラベルが有効に利用されないという問題が生じて
いる。
【0004】また、ラベルの製造工程におけるフィル
ム、合成紙への印刷加工、特にオフセット印刷時に、こ
れらフィルム、合成紙の給排紙性が悪化し、何度もラベ
ル製造機の停止、再スタートが強いられるという問題が
指摘されている。このような問題を解決するために、ラ
ベルのヒートシール性樹脂層であるエチレン系樹脂に、
ソルビタンモノオレート、グリセリンモノステアレート
等の、練込型の低分子量帯電防止剤を練り込んだインモ
ールド成形用ラベルや、ヒートシール性エチレン系樹脂
層の表面に、ポリ(オキシエチレン)誘導体等の低分子
量の帯電防止剤を塗布し、乾燥させた帯電防止膜を形成
させたインモールド成形用ラベルが提案されている。
【0005】しかし、両者のインモールド成形用ラベル
とも、帯電防止機能の長期持続性が短いといった欠点
や、さらには、前者のインモールド成形用ラベルにおい
てはヒートシール性樹脂層の表面に、帯電防止剤成分が
移行したり、集中したりする為に、該ヒートシール性樹
脂の容器への融着性能を著しく阻害し、ラベルが容器に
全く融着しない不良品の容器が形成されたり、或いは、
容器に貼着したラベルにブリスターが発生した不良品を
形成する問題があった。本発明は、ブリスターの発生が
なく、ラベルの容器への融着強度が高いラベル貼合容器
を与え、給排紙性に優れたインモールド成形用ラベルの
提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に印刷が
施された熱可塑性樹脂フィルム基材層(I)の裏面に、
ヒートシール性樹脂層(II)を設けたインモールド成
形用ラベルであって、ヒートシール性樹脂層(II)
が、 成分a:ポリエチレン系樹脂 55〜90重量%、 成分b:ポリエーテルエステルアミド 5〜40重量%、 成分c:変性低分子量ポリエチレン 1〜20重量%および 成分d:ポリアミド樹脂 0〜20重量% を含有する樹脂組成物から形成されたものであるインモ
ールド成形用ラベルを提供するものである。
【0007】
【作用】ヒートシール性樹脂層(II)に、長期持続型
で非粘着性の帯電防止機能を有する(b)ポリエーテル
エステルアミドおよび必要により(c)ポリアミド樹脂
を含有させることにより、インモールド成形用ラベルの
金型内への挿入(給排紙性)を良好とし、かつ、容器本
体へのラベルの融着を強固とした。
【0008】
【発明の実施の形態】インモールド成形用ラベルの構
造:本発明のインモールド成形用ラベルについてさらに
詳細に説明する。図1は、中空成形用ラベルの断面図を
示したものであり、図中、1はインモールド成形用ラベ
ル、2は熱可塑性樹脂フィルム基材層(I)、3は印
刷、4はヒートシール性樹脂層(II)である。ヒート
シール性樹脂層(II)は、必要により表面にエンボス
加工を施こし、それによりラベル貼合容器のラベルのブ
リスターの発生を防ぐことができる(特開平2−843
19号公報、特開平3−260689号公報参照)。5
はエンボス模様の山を、6はエンボス模様の谷を示す。
図2は、別の態様のインモールド成形用ラベルの断面の
部分拡大図である。
【0009】基材層(I):インモールド成形用ラベル
の基材層(I)の素材としての熱可塑性樹脂としては、
例えばポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなど
の融点が135〜264℃の樹脂フィルム、あるいは、
特公昭46−40794号公報に開示されているような
無機微細粉末を8〜65重量%含有させたポリプロピレ
ンフィルムを延伸して得られる微多孔性延伸フィルムよ
りなる合成紙、あるいは、前記樹脂フィルムもしくは合
成紙の表面上に無機微細粉末含有ラテックス(ピグメン
ト塗工剤)を塗工した塗工フィルム、あるいは、前記フ
ィルムにアルミニウム蒸着したもの、もしくは、前記フ
ィルムにアルミニウム箔を貼着したもの等が用いられ
る。上記熱可塑性樹脂の数平均分子量は、通常10,0
00〜500,000、好ましくは15,000〜10
0,000である。また、上記無機微細粉末としては、
例えば炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう
土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等が挙げられ、
好ましいものは炭酸カルシウムである。
【0010】これらの中でも、印刷性、ラベルの金型内
への供給性、熱収縮防止性の面から、基材層(I)とし
ては、無機微細粉末を5〜30重量%、高密度ポリエチ
レン3〜20重量%およびプロピレン系樹脂を92〜5
0重量%の割合で含有する樹脂組成物の二軸延伸フィル
ムコア層(A)の片面に、無機微細粉末を35〜65重
量%、高密度ポリエチレン0〜10重量%およびプロピ
レン系樹脂を55〜35重量%の割合で含有する樹脂組
成物の一軸延伸フィルムの表面層(B)を、この表面層
(B)とは反対のコア層(A)の片面に無機微細粉末を
35〜65重量%、高密度ポリエチレン0〜10重量%
およびプロピレン系樹脂55〜35重量%の割合で含有
する樹脂組成物の一軸延伸フィルムよりなる裏面層
(C)が貼合された微多孔性積層樹脂フィルム(図2参
照)が好ましい。上記無機微細粉末としては、例えば平
均粒径が0.1〜30μm、好ましくは0.2〜20μ
mの、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう
土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等が挙げられ
る。これらのうち好ましいものは炭酸カルシウムであ
る。
【0011】又、基材層(I)の密度調整のため、上記
コア層(A)と表面層(B)の間に密度調整用の層を設
けた次の如き基材層フィルムも好ましい。例えば、無機
微細粉末を5〜30重量%、高密度ポリエチレン3〜2
0重量%およびプロピレン系樹脂を92〜50重量%の
割合で含有する樹脂組成物の二軸延伸フィルムコア層
(A)の片面に、無機微細粉末を35〜65重量%、高
密度ポリエチレン0〜10重量%およびプロピレン系樹
脂を55〜35重量%の割合で含有する樹脂組成物の一
軸延伸フィルムの裏面層(C)を、この裏面層(C)と
は反対のコア層(A)の片面には無機微細粉末を35〜
65重量%、高密度ポリエチレン0〜10重量%および
プロピレン系樹脂55〜35重量%の割合で含有する樹
脂組成物の一軸延伸フィルムよりなる中間層(D)と、
無機微細粉末を35〜65重量%、高密度ポリエチレン
0〜10重量%、およびプロピレン系樹脂を55〜35
重量%の割合で含有し、かつ、中間層(D)とは無機微
細粉末の含有率が異なる樹脂組成物の一軸延伸フィルム
よりなる表面層(B)が貼合された微多孔性積層樹脂フ
ィルム、である。上記(A)、(B)、(C)および
(D)各層の厚みは、それぞれ12〜80μm(好まし
くは20〜70μm)、2〜40μm(好ましくは3〜
35μm)、2〜40μm(好ましくは3〜35μm)
および0〜40μm(好ましくは0〜35μm)であ
る。
【0012】これら微多孔性積層延伸樹脂フィルムの密
度は0.65〜1.02g/cm3の範囲である。これ
ら微多孔性積層延伸樹脂フィルム(I)においては、印
刷は表面層(B)側に設け、ヒートシール性樹脂層(I
I)は裏面層(C)側に設けられる。基材層(I)の肉
厚は20〜200μm、好ましくは40〜150μmの
範囲である。
【0013】ヒートシール性樹脂層(II): (1)構成成分 本発明のインモールド成形用ラベルのヒートシール性樹
脂層(II)を構成する樹脂成分は、下記の成分(a)
〜成分(c)および必要により成分(d)を含有するも
のである。 (a)ポリエチレン系樹脂 (a)成分のポリエチレン系樹脂としては、密度が0.
900〜0.935g/cm3 の低密度ないし中密度の
高圧法ポリエチレン、密度が0.880〜0.940g
/cm3 の直鎖線状ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン
・アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン・メ
タクリル酸アルキルエステル共重合体(アルキル基の炭
素数は1〜8)、エチレン・メタクリル酸共重合体の金
属塩(Zn、Al、Li、K、Naなど)等の融点が8
0〜130℃のポリエチレン系樹脂が用いられる。該ポ
リエチレン系樹脂の融点は、前記基材層(I)で用いら
れる熱可塑性樹脂の融点より15℃以上、好ましくは1
5〜90℃低いことが望ましい。融点の差が15℃未満
の場合は、製造時のシートロール巻き取り中に、シート
表裏面が融着し易く、作業性が悪い。
【0014】好ましくは、結晶化度(X線法)が10〜
60%、数平均分子量が10,000〜40,000の
高圧法ポリエチレン、又は直鎖線状ポリエチレンがよ
い。中でも容器への接着性の面からエチレン40〜98
重量%と、炭素数が3〜30のα−オレフィン60〜2
重量%とを、メタロセン触媒、特にメタロセン・アルモ
キサン触媒、または、例えば、国際公開公報WO92/
01723号公報等に開示されているようなメタロセン
化合物と、メタロセン化合物と反応して安定なアニオン
を形成する化合物とからなる触媒を使用して、共重合体
させることにより得られる直鎖線状ポリエチレンが最適
である。
【0015】これらポリエチレン系樹脂は、単独でも、
あるいは二種以上の混合物であってもよい。本発明のヒ
ートシール性樹脂層(II)成分中の成分(a)の含有
量としては、通常55〜90重量%、好ましくは60〜
85重量%である。成分(a)の含有量が55重量%未
満では、インモールド成形時、容器へのラベルの融着力
が低く、かつ、ブリスターが発生しやすい。また、90
重量%を超過するとヒートシール性樹脂層(II)の帯
電防止性が低下し、インモールド成形用ラベルの金型内
へのインサートがトラブルことがある。
【0016】(b)ポリエーテルエステルアミド (b)成分の帯電防止機能を有するポリエーテルエステ
ルアミドとしては、例えば特開昭58−118838号
公報および特開平6−317079号公報に記載のポリ
エーテルエステルアミドを挙げることができる。これら
のうち好ましいものは、 成分b1:両末端にカルボキシル基を有する数平均分子
量200〜5,000のポリアミドと 成分b2:数平均分子量300〜5,000のビスフェ
ノール類のアルキレンオキシド付加物とを反応させて得
られる芳香族環含有ポリエーテルエステルアミドであ
る。
【0017】上記成分(b)の芳香族環含有ポリエーテ
ルエステルアミド(永久帯電防止剤)を構成する両末端
にカルボキシル基を有するポリアミド(成分b1)は、
炭素数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調整剤とし
て使用し、これの存在下にアミド形成性モノマーを常法
により開環重合或いは重縮合させることによって得られ
る(1)炭素数6〜12またはそれ以上のラクタム開環
重合体、(2)炭素数6〜12またはそれ以上のアミノ
カルボン酸の重縮合体、若しくは、(3)炭素数4〜2
0のジカルボン酸と炭素数6〜12またはそれ以上のジ
アミンの重縮合体である。上記(1)のラクタム開環重
合体を形成するラクタムとしては、例えば、カプロラク
タム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノ
ラクタム等を挙げることができる。
【0018】上記(2)のアミノカルボン酸の重縮合体
を形成するアミノカルボン酸としては、例えば、ω−ア
ミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカ
プリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン
酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸等を挙げることができる。上記(3)のジカルボン酸
とジアミンの重縮合体を形成するジカルボン酸として
は、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸等を挙げ
ることができる。また、ジアミンとしては、例えば、ヘ
キサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オク
タメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等を挙げる
ことができる。上記アミド形成性モノマーとして例示し
たものは二種以上のものを使用しても良い。これらの中
でも好ましいものは、カプロラクタム、ラウロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、及び、アジピン酸−ヘキ
サメチレンジアミンであり、特に好ましいものはカプロ
ラクタム及び12−アミノドデカン酸である。
【0019】上記炭素数4〜20のジカルボン酸として
は、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ
酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン酸や、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸や、1,4−ジクロヘキサン
ジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン
酸等の脂肪族ジカルボン酸及び3−スルホイソフタル酸
ナトリウム、3−スルホイソフタル酸カリウム等の3−
スルホイソフタル酸アルカリ金属塩を挙げることができ
る。これらの中で好ましいものは脂肪族ジカルボン酸、
芳香族ジカルボン酸及び3−スルホイソフタル酸アルカ
リ金属塩であり、特に好ましいものはアジピン酸、セバ
シン酸、テレフタル酸、イソフタル酸及び3−スルホイ
ソフタル酸ナトリウムである。
【0020】上記両末端にカルボキシル基を有するポリ
アミド(成分b1)の数平均分子量は、200〜5,0
00、好ましくは500〜3,000である。上記ポリ
アミド(成分b1)の数平均分子量が上記範囲未満では
ポリエーテルエステルアミド自体の耐熱性が低下し、上
記範囲を超過すると反応性が低下するためポリエーテル
エステルアミド製造時に多大な時間を必要とする。成分
(b)の芳香族環含有ポリエーテルエステルアミドを構
成するもう一方の成分であるビスフェノール類のアルキ
レンオキシド付加物(成分b2)のビスフェノール類と
しては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドキシジフ
ェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,
4’−ジヒドキシジフェニルメタン)、ビスフェノール
S(4,4’−ジヒドキシジフェニルスルホン)、4,
4’−ジヒドキシジフェニル−2,2−ブタン等を挙げ
ることができる。これらの中で特に好ましいものはビス
フェノールAである。
【0021】また、成分b2のアルキレンオキシド付加
物を構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、1,2−もしくは1,4
−ブチレンオキシド、及び、これらの二種以上の混合物
(ブロックおよび/またはランダム付加)を挙げること
ができる。これらのうち好ましいものはエチレンオキシ
ドおよびエチレンオキシドと他のアルキレンオキシド
(好ましくはプロピレンオキシド)との併用(エチレン
オキシド含量が50重量%以上、好ましくは80重量%
以上)であり、特に好ましいものはエチレンオキシドで
ある。上記成分b2のビスフェノール類のアルキレンオ
キシド付加物の数平均分子量は、通常300〜5,00
0、好ましくは1,000〜3,000である。上記数
平均分子量の範囲未満では帯電防止性能が不十分とな
り、上記範囲を超過すると反応性が低下するためポリエ
ーテルエステルアミド製造時に多大な時間を必要とす
る。
【0022】上記芳香族環含有ポリエーテルエステルア
ミド(b)中の成分b2のアルキレンオキシド付加物の
含有量は、前記成分b1と成分b2の合計重量に対し
て、通常20〜80重量%、好ましくは25〜75重量
%の範囲である。成分b2の含有量が上記範囲未満では
成分(b)の帯電防止性能が劣り、上記範囲を超過する
と成分(b)自体の耐熱性が低下するので好ましくな
い。芳香族環含有ポリエーテルエステルアミド(成分
b)の製造方法については、例えば、下記に示す製法
又は製法を挙げることができる。 製法: アミド形成性モノマー及び炭素数4〜20の
ジカルボン酸を反応させて成分b1の両末端にカルボキ
シル基を有するポリアミドを形成せしめ、これに成分b
2のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物を加
えて、高温、減圧下で重合反応を行なう方法。
【0023】製法: アミド形成性モノマー及び炭素
数4〜20のジカルボン酸と成分b2のビスフェノール
類のアルキレンオキシド付加物を同時に反応槽に仕込
み、水の存在下又は非存在下に、高温で加圧反応させる
ことによって中間体として成分b1の両末端にカルボキ
シル基を有するポリアミドを生成させ、その後、減圧下
で成分b1の両末端にカルボキシル基を有するポリアミ
ドと成分b2のビスフェノール類のアルキレンオキシド
付加物との重合反応を行なう方法。また、上記の重合反
応には、通常、公知のエステル化触媒が使用される。該
触媒としては、例えば三酸化アンチモン等のアンチモン
系触媒、モノブチル オキシド等の錫系触媒、テトラブ
チルチタネート等のチタン系触媒、酢酸亜鉛等の酢酸金
属塩系触媒等を挙げることができる。これらエステル化
触媒の使用量は、成分b1と成分b2の合計量に対して
通常0.1〜5重量%である。
【0024】芳香族環含有ポリエーテルエステルアミド
(成分b)の還元粘度(0.5重量%m−クレゾール溶
液、25℃)は、通常0.5〜4.0、好ましくは0.
6〜3.0の範囲内であることが望ましい。上記還元粘
度が上記範囲未満であると耐熱性が悪く、上記範囲を超
過すると成形性が低下する傾向がある。ヒートシール性
樹脂層(II)成分中の芳香族環含有ポリエーテルエス
テルアミド(成分b)の含有量は、通常5〜40重量
%、好ましくは5〜30重量%である。上記成分bの量
が上記範囲未満であるとヒートシール性樹脂層(II)
の帯電防止性が不十分であり、上記範囲を超過するとラ
ベルの容器への融着力が低い。
【0025】(c)変性低分子量ポリエチレン 上記成分(c)に用いられる変性低分子量ポリエチレン
は、成分(a)のポリエチレン系樹脂と、成分(b)の
芳香族環含有ポリエーテルエステルアミド(永久帯電防
止剤)及び後述の成分(d)のポリアミド樹脂との相溶
化剤機能を果たすものであり、800〜30,000の
数平均分子量を有し、水酸基、(無水)カルボン酸基、
オキシアルキレン基、エポキシ基およびアミノ基から選
ばれる基を分子内に1個以上有するものが挙げられる。
かかる変性低分子量ポリエチレン(成分c)の好ましい
ものとしては、下記の成分c1および成分c2から選ば
れる少なくとも一種が用いられる。 成分c1: 数平均分子量が通常800〜25,00
0、好ましくは1,000〜20,000であり、酸価
が通常5〜150、好ましくは10〜100の変性低分
子量ポリエチレン。 成分c2: 数平均分子量が通常850〜28,00
0、好ましくは1,000〜20,000であり、成分
c1の(無水)カルボン酸単位の一部または全部がアル
カノールアミンおよび/または水酸基もしくはアミノ基
含有ポリオキシアルキレン化合物で二次変性されてなる
変性低分子量ポリエチレン。
【0026】成分c1 成分c1の変性低分子量ポリエチレンとしては、エチレ
ンを重合して得られる、又は高分子量ポリエチレンの熱
減成法によって得られる数平均分子量700〜20,0
00の低分子量ポリエチレンにα,β−不飽和カルボン
酸及び/又はその無水物を必要により有機パーオキサイ
ドの存在下、溶液法又は溶融法のいずれかの方法で反応
させて変性することによって得られることができる。変
性のし易さから、熱減成法によって得られる低分子量ポ
リエチレンを用いるのが好ましく、これは例えば特開平
3−62804号公報記載の方法に準じて製造すること
ができる。また、変性に使用するα,β−不飽和カルボ
ン酸及び/又はその無水物としては、(メタ)アクリル
酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン
酸及び無水シトラコン酸等を挙げることができる。これ
らの中でも特に好ましいものは無水マレイン酸である。
【0027】変性に使用するこれらα,β−不飽和カル
ボン酸及び/又はその無水物の含有量は、低分子量ポリ
エチレンの重量に基づき、通常1〜25重量%、好まし
くは3〜20重量%である。上記方法によって得られる
成分c1の数平均分子量が上記範囲未満であるとラベル
の給排紙性が悪く、上記範囲を超過すると相溶化剤とし
ての効果が乏しくなり、ラベルの容器への融着力が低下
する。また、上記成分c1の酸価が上記範囲未満である
と相溶化剤としての効果が乏しく、上記範囲を超過する
と色相が悪化するため、ヒートシール性樹脂層(II)
の着色の原因となる。
【0028】成分c2 成分c2は、上記成分c1の(無水)カルボン酸単位の
一部または全部をアルカノールアミンおよび/または水
酸基もしくはアミノ基含有ポリオキシアルキレン化合物
等で二次変性(イミド化またはエステル化)することに
よって得ることができる。該アルカノールアミンとして
は、例えば、モノエタノールアミン、モノイソプロパノ
ールアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノー
ルアミン等を挙げることができる。これらの中で特に好
ましいものはモノエタノールアミンである。
【0029】水酸基もしくはアミノ基含有ポリオキシア
ルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4)化合物として
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルの様な両末端に水酸基を有する化合物、上記水酸基を
アミノ基又はエポキシ基に置き換えた化合物〔アミノ基
は水酸基をシアノエチル化後水素化して導入、エポキシ
基は水酸基にエピハロヒドリン(エピクロロヒドリン
等)を付加させグリシジルエーテル基化して導入〕等を
挙げることができる。更に、アルコール類(メタノー
ル、エタノール、ブタノール、オクタノールラウリルア
ルコール、2−エチルヘキシルアルコール等)、フェノ
ール類〔フェノール、アルキル(炭素数1〜20または
それ以上)フェノール、ナフトール、フェニルフェノー
ル、ベンジルフェノール等〕等の活性水素を有する化合
物にアルキレンオキサイドが付加し、基本的に片末端に
水酸基を有するポリアルキレン化合物等を挙げることが
できる。
【0030】これらポリオキシアルキレン化合物の分子
量は、通常300〜5,000である。二次変性率につ
いては特に制限はないが、成分c1の(無水)カルボン
酸単位の10〜100モル%がイミド化またはエステル
化されていることが好ましい。成分c2の数平均分子量
が上記範囲未満ではラベルの給排紙性が低下し、上記範
囲を超過すると相溶化剤としての効果が乏しくなる。上
記で例示した変性低分子量ポリエチレン成分c1および
成分c2は二種以上を併用しても良い。なお、分子中に
カルボキシル基、水酸基及びポリオキシアルキレン基を
全て有する変性低分子量ポリエチレンを使用しても良
い。本発明のヒートシール樹脂層(II)成分中の成分
(c)の含有量は、通常1〜20重量%、好ましくは3
〜15重量%である。成分(c)の含有量が上記範囲未
満では相溶化効果が小さくなり樹脂間の相分離が起こり
易くなり、上記範囲を超過すると給排紙性が低下する。
【0031】(d)ポリアミド樹脂 上記成分(d)に用いられるポリアミド樹脂としては、
(1)炭素数6〜12またはそれ以上のラクタムの開環
重合体、(2)炭素数6〜12またはそれ以上のアミノ
カルボン酸の重縮合体及び(3)炭素数4〜20のジカ
ルボン酸と炭素数6〜12またはそれ以上のジアミンの
重縮合体を挙げることができる。具体的には、ナイロン
66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン46等を挙げることができる。また、ナイロン6/6
6、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン6
/66/12等の共重合ポリアミド類も使用することが
できる。更には、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香
族ジカルボン酸とメタキシレンジアミン又は、脂肪族ジ
アミンから得られる芳香族含有ポリアミド類などを挙げ
ることができる。
【0032】これらの中でも特に好ましいものはナイロ
ン66、ナイロン6、ナイロン12である。成分(d)
のポリアミド樹脂には、相対粘度(98%硫酸、濃度1
g/100ml、25℃)が、通常5以下、好ましくは
1.2〜4のものを使用するのが望ましい。ヒートシー
ル性樹脂層(II)中の成分(d)のポリアミド樹脂の
含有量は、通常0〜20重量%、好ましくは1〜10重
量%である。上記成分(d)の含有量が上記範囲を超過
するとフィルム成形性が低下する。
【0033】(e)任意成分 本発明のヒートシール性樹脂層(II)成分には、該ヒ
ートシール性樹脂層の要求性能を阻害しない範囲で公知
の他の樹脂用添加剤を任意に添加することができる。該
添加剤としては、染料、核剤、滑剤、可塑剤、離型剤、
酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等を挙げることがで
きる。ヒートシール性樹脂層(II)の肉厚は1〜10
μm、好ましくは2〜8μmである。この肉厚は中空成
形時にヒートシール性樹脂層(II)のフィルムがパリ
ソンの溶融ポリエチレンやポリプロピレンの熱により溶
解し、成形品の容器とラベルが強固に融着するために1
μm以上必要であり、また、10μmを越えるとラベル
がカールし、オフセット印刷が困難となったり、ラベル
を金型へ固定することが困難となるので好ましくない。
【0034】前述したようにラベルのヒートシール性樹
脂層には、中空成形時のブリスターの発生を防止するた
めに、特開平2−84319号公報、特開平3−260
689号公報に記載するようにエンボス加工を施こすこ
とが好ましい。そのエンボス模様は、例えば2.54c
m当り5〜25線のエンボス加工であって、このエンボ
ス加工の谷の深さが1〜8μm(ミクロン)であって、
かつ、ヒートシール性樹脂層の肉厚の1/3以上であ
る。エンボス加工は、射出成形用ラベルには必要がな
い。
【0035】これらのインモールド成形用ラベルは必要
あればコロナ放電加工等によって基材層(I)の表面の
印刷性を改善しておくことができる。印刷は、グラビア
印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷
などの印刷を施して、バーコード、製造元、販売会社
名、キャラクター、商品名、使用方法などが印刷された
ものを使用することができる。
【0036】印刷及びエンボス加工されたラベル(1)
は、打抜加工により必要な形状寸法のラベルに分離され
る。このインモールド成形用ラベルは容器表面の一部に
貼着される部分的なものであってもよいが、通常はカッ
プ状容器の側面を取巻くブランクとして、中空成形では
瓶状容器の表側及び/又は裏側に貼着されるラベルとし
て製造される。
【0037】(インモールド成形)このインモールド成
形用ラベルは、該ラベルを差圧成形金型の下雌金型のキ
ャビティ内にラベルの印刷側が金型のキャビティ面に接
するように設置した後、金型吸引により金型内壁に固定
され、次いで容器成形材料樹脂シートの溶融物が下雌金
型の上方に導かれ、常法により差圧成形され、ラベルが
容器外壁に一体に融着されたラベル貼合容器が成形され
る。
【0038】差圧成形は、真空成形、圧空成形のいずれ
も採用できるが、一般には両者を併用し、かつプラグア
シストを利用した差圧成形が好ましい。また、このラベ
ルは、溶融樹脂パリソンを圧空により金型内壁に圧着す
る中空成形にも適用可能である。このようにして製造さ
れたラベル貼合容器は、ラベル(1)が金型内で固定さ
れた後に、ラベルと樹脂容器が一体に成形されるので、
ラベル(1)の変形もなく、容器本体とラベル(1)の
密着強度が強固であり、ブリスターもなく、ラベルによ
り加飾された外観が良好な容器となる。
【0039】
【実施例】以下に実施例及び比較例よりなる本発明を更
に具体的に説明する。 〔I〕物性の測定方法と評価方法 実施例及び比較例における物性の測定と評価は、以下に
示す方法によって実施した。 (1)物性の測定: (a)MFR:JIS K7210に準拠 (b)密度:JIS K7112に準拠 (c)表面固有抵抗:ラベルのヒートシール性樹脂層
(II)側の表面固有抵抗を、20℃、相対湿度50%
の雰囲気下で測定した。
【0040】(2)インモールド成形: (d)ラベルの金型内への挿入適性 横60mm、縦110mmの寸法に打抜いたラベルを、
20℃、相対湿度40%の環境下、ぺんてる(株)製の
自動ラベル供給装置にて、100枚連続で、ブロー成形
用割型へ供給を行ない、成形を行った時のミス(2枚差
しや、型よりラベルが落下する)の回数を計測した。 ○:1回もミスが発生しない △:1〜5枚ミスが発生する ×:6枚以上ミスが発生する。
【0041】(e)ラベルの容器への融着強度:容器に
貼着したラベルを15mm幅に切り取り、ラベルと容器
との間の接着強度を、島津製作所製の引張試験機「オー
トグラフ AGS−D形」を用い、300mm/分の引
張速度で、T字剥離することにより求めた。ラベル使用
上の判断基準は次の通りである。 400(g/15mm)以上:実用上全く問題がない 200〜400(g/15mm):やや接着性が弱い
が、実用上問題がない 200(g/15mm)以下:実用上問題である
【0042】〔II〕実験例 〔芳香族環含有ポリエーテルエステルアミド(成分b)
の製造〕 製造例1 内容量3リットルのステンレス製のオートクレーブ内
に、ε−カプロラクタム112部、数平均分子量1,0
00のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物10
5部、アジピン酸15部、「イルガノックス 101
0」(チバガイギー社製酸化防止剤;商品名)0.3
部、酢酸ジルコニル0.5部及び水7部を仕込み、オー
トクレーブ内を窒素ガスで置換した後、220℃の温度
で加圧密閉下1.5時間加熱攪拌し均質溶液とした。そ
の後、245℃、1mmHg以下の減圧の条件下で3.
5時間重合し、粘稠なポリマーを得た。このポリマーを
ベルト上にストランド状で取り出し、ペレタイズするこ
とによってポリエーテルエステルアミドを得た。このも
のの還元粘度(ηsp/C、m−クレゾール溶媒、25
℃、C=0.5重量%、以下同様)は1.80であっ
た。このポリエーテルエステルアミドをを〔B1〕と略
記する。
【0043】製造例2 内容量3リットルのステンレス製のオートクレーブ内
に、12−アミノドデカン酸110部、アジピン酸1
6.3部、「イルガノックス 1010」0.3部及び
水7部を仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換し
た後、220℃の温度で加圧密閉下4時間加熱攪拌し、
両末端にカルボキシル基を有する酸価107のポリアミ
ドオリゴマーを117部得た。次に、数平均分子量2,
000のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物2
25部、酢酸ジルコニル0.5部を加え、245℃、1
mmHg以下の減圧の条件下で5時間重合し、粘稠なポ
リマーを得た。以下製造例1と同様な操作を行い、ポリ
エーテルエステルアミドを得た。このものの還元粘度は
2.10であった。このポリエーテルエステルアミドを
〔B2〕と略記する。
【0044】〔変性低分子量ポリオレフィン(成分c)
の製造〕 製造例3 熱減成して得られた数平均分子量3,000、密度0.
92g/cm3 の低分子量ポリエチレン95部と無水マ
レイン酸5部およびキシレン60部を窒素気流下140
℃の温度で溶融し、次いでこれにターシャリーブチルパ
ーオキサイド1.5部を溶かしたキシレン50%溶液を
15分かけて滴下し、その後1時間反応を行った。反応
終了後、溶剤を留去して酸変性低分子量ポリエチレンを
得た。このものの酸価は25.7、数平均分子量は5,
000であった。この変性物を〔C1〕と略記する。
【0045】製造例4 製造例3で得られた酸変性低分子量ポリエチレン95部
をキシレン100部に窒素気流下120℃の温度で溶解
し、次いで、これにモノエタノールアミン5部を15分
かけて滴下し、その後1時間反応を行った。反応終了
後、溶剤及び未反応モノエタノールアミンを留去して水
酸基を有する変性低分子量ポリエチレンを得た。このも
のの水酸基価は25.2、数平均分子量は6,000で
あった。この変性物を〔C2〕と略記する。
【0046】製造例5 製造例3で得られた酸変性低分子量ポリエチレン95部
とラウリルアルコールのエチレンオキサイド24モル付
加物50部を窒素気流下180℃の温度で溶融し、次い
で、10mmHg以下の減圧の条件下で5時間エステル
化反応を行って、ポリオキシアルキレン変性低分子量ポ
リエチレンを得た。このものの水酸基価は0.5であ
り、数平均分子量は7,000であった。また、NMR
による分析結果から、エステル化反応が定量的に行えて
いることを確認した。この変性物を〔C3〕と略記す
る。
【0047】ラベルの製造例 (実施例1) (1)日本ポリケム(株)製ポリプロピレンである“ノ
バテックPP,MA−8”(商品名、融点164℃)6
7重量部、日本ポリケム(株)製、高密度ポリエチレン
“ノバテックHD,HJ580”(商品名、融点134
℃、密度0.960g/cm3 )10重量部および粒径
1.5μmの炭酸カルシウム粉末23重量部よりなる樹
脂組成物(A)を押出機を用いて溶融混練したのち、ダ
イより250℃の温度でシート状に押出し、約50℃の
温度となるまでこのシートを冷却した。次いで、このシ
ートを約153℃に加熱したのち、ロール群の周速度を
利用して縦方向に4倍延伸して、一軸延伸フィルムを得
た。
【0048】(2)別に、日本ポリケム(株)製ポリプ
ロピレン“ノバテックPP,MA−3”(商品名;融点
165℃)51.5重量部、密度0.950g/cm3
の高密度ポリエチレン“HJ580”3.5重量部、粒
径1.5μmの炭酸カルシウム粉末42重量部、粒径
0.8μmの酸化チタン粉末3重量部よりなる組成物
(B)を別の押出機を用いて240℃で溶融混練し、こ
れを前記縦延伸フィルムの表面にダイよりフィルム状に
押し出し、積層(B/A)して、表面層/コア層の積層
体を得た。
【0049】(3)メタロセン触媒を用いてエチレンと
1−ヘキセンを共重合させて得たMFRが18g/10
分、密度が0.898g/cm3 であるエチレン・1−
ヘキセン共重合体(1−ヘキセン含量22重量%、結晶
化度30、数平均分子量23、000)53重量部と、
MFRが4g/10分、密度が0.92g/cm3 の高
圧法低密度ポリエチレン17重量部の混合物70重量部
と、前記製造例1にて得られたポリエーテルエステルア
ミド〔B1〕18重量部と、ポリアミド樹脂(UBEナ
イロン6)を6重量部、及び製造例3にて得られた酸変
性低分子量ポリエチレン〔C1〕を6重量部を、タンブ
ラーミキサーで3分間混合した後、230℃の温度に設
定されたベント付二軸押出機で混練し、これをダイより
ストランド状に押し出しカッティングしてヒートシール
性樹脂層用ペレット(II)を得た。
【0050】(4)ポリプロピレン“MA−3”51.
5重量部、高密度ポリエチレン“HJ580”3.5重
量部、粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末42重量部
および粒径0.8μmの酸化チタン粉末3重量部よりな
る組成物(C)と、前記ヒートシール性樹脂層用ペレッ
ト(II)を、それぞれ別の押出機を用い、230℃で
溶融混練し、一台の共押出ダイに供給して、該ダイ内で
積層した後、この積層物をダイより230℃でフィルム
状に押し出して、前記表面層/コア層用の積層体(B/
A)のA層側にヒートシール性樹脂層(II)が外側に
なるように押し出し、これを積層した。この四層フィル
ム(B/A/C/II)をテンターオーブンに導き、1
55℃に加熱した後テンターを用いて横方向に7倍延伸
し、次いで164℃で熱セットし、更に表面層(B層)
側に、70W/m2 /分のコロナ放電処理をしたのち、
55℃迄冷却し、耳部をスリットして、密度0.790
g/cm3 、肉厚が100μm(B/A/C/II=3
0/40/25/5μm)の四層構造の微多孔性樹脂延
伸フィルムを得た。
【0051】この四層構造の積層延伸樹脂フィルムの表
面層(B)側に、25℃、相対湿度40%の環境にてオ
フセット印刷を施した。このようにして得られたインモ
ールド成形用ラベル用紙は、静電気の発生が少ない為、
印刷の給排紙がスムーズで、途中で停止するようなこと
もなかった。次いで、この印刷が施されたラベル用紙を
エンボスロールに通して1.27mm間隔(20線)、
谷の深さ8μmのドットをヒートシール性樹脂層(I
I)側にエンボス加工した。このエンボス加工されたヒ
ートシール性樹脂層(II)のベック平滑度(JIS
P−8119)は、300秒であった。次いで、これを
断裁及び打ち抜き加工して、インモールド成形用ラベル
(1)(横60mm、縦110mm)を得た。このラベ
ルのヒートシール樹脂層(II)側の表面固有抵抗の測
定を行った。またさらに、常温環境下で、6ヵ月間放置
した後の、表面固有抵抗を測定した。結果を表1に示
す。
【0052】又、これらのインモールド成形用ラベル
(1)を自動ラベル供給装置を用いてブロー成形用割型
の一方に真空を利用して印刷面側が金型と接するように
固定した後、高密度ポリエチレン(融点134℃)のパ
リソンを200℃で溶融押出し、次いで割型を型締めし
た後、4.2kg/cm2 の圧空をパリソン内に供給
し、パリソンを膨張させて型に密着させて容器状とする
と共にインモールド用ラベルと融着させ、次いで該型を
冷却した後、型開きをしてラベルが貼着した中空容器を
取り出した。この際の、ラベルの金型内への挿入適性、
ブリスターの発生の有無、ラベルの密着強度を表1に示
す。このラベル貼合中空容器は印刷の退色もなく、ラベ
ルの収縮やブリスターの発生も見受けられなかった。容
器とラベルの融着強度は550g/15mm幅であっ
た。このものの評価結果を表1に示す。
【0053】(実施例2〜5、比較例1,4〜5)実施
例1において、ヒートシール性樹脂層(II)の組成を
表1に記載の組成のものに変更した以外は、実施例1と
同様にしてインモールド成形用ラベルを得た。このもの
の評価結果を表1に示す。 (比較例2)実施例1において、ヒートシール性樹脂層
(II)の組成として実施例1で得たエチレン・1−ヘ
キセンの共重合体74重量部、密度0.920g/cm
3 の高圧法低密度ポリエチレン24重量部に、低分子量
移行型帯電防止剤として、ラウリルジエタノールアミド
0.8重量部とナトリウムアルカンスルホネート1.2
重量部の混合物を添加した組成物を用いる以外は実施例
1と同様に行って、インモールド成形用ラベルを得た。
このものの評価結果を表1に示す。
【0054】(比較例3)比較例1にて得られたインモ
ールド成形用ラベルのヒートシール性樹脂層に、50W
/m2 /分のコロナ放電処理を行った後、水溶性アクリ
ル型樹脂帯電防止剤「サフトマー3200」(三菱化学
(株)製)を0.1g/m2 (固形分量)となる様に塗
布し、乾燥した。このものの評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明のインモールド成形用ラベルは、
金型内への挿入が容易であり、ブリスターの発生がな
く、容器とラベルの融着力の高いラベル貼合容器を与え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一態様のインモールド成形用ラベルの断面図で
ある。
【図2】別の態様のインモールド成形用ラベルの断面図
である。
【符号の説明】
1 インモールド成形用ラベル 2 熱可塑性樹脂フィルム基材層(I) 3 印刷 4 ヒートシール性樹脂層(II) 5 エンボス模様の山 6 エンボス模様の谷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 安宏 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に印刷が施された熱可塑性樹脂フィ
    ルム基材層(I)の裏面に、ヒートシール性樹脂層(I
    I)を設けたインモールド成形用ラベルであって、ヒー
    トシール性樹脂層(II)が、 成分a:ポリエチレン系樹脂 55〜90重量%、 成分b:ポリエーテルエステルアミド 5〜40重量%、 成分c:変性低分子量ポリエチレン 1〜20重量%および 成分d:ポリアミド樹脂 0〜20重量% を含有する樹脂組成物から形成されたものであることを
    特徴とするインモールド成形用ラベル。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルム基材層(I)を構
    成する主成分の熱可塑性樹脂が、ヒートシール性樹脂層
    (II)を構成する成分aのポリエチレン系樹脂の融点
    より15℃以上高い融点を有する、請求項1記載のイン
    モールド成形用ラベル。
  3. 【請求項3】 成分bのポリエーテルエステルアミド
    が、 成分b1:両末端にカルボキシル基を有する数平均分子
    量200〜5,000のポリアミドと 成分b2:数平均分子量300〜5,000のビスフェ
    ノール類のアルキレンオキシド付加物とから誘導される
    芳香族環含有ポリエーテルエステルアミドである、請求
    項1または2記載のインモールド成形用ラベル。
  4. 【請求項4】 成分cの変性低分子量ポリエチレンが、
    下記成分c1および成分c2から選ばれた変性低分子量
    ポリエチレンである、請求項1〜3のいずれか記載のイ
    ンモールド成形用ラベル。 成分c1:数平均分子量が800〜25,000であ
    り、酸価が5〜150の変性低分子量ポリエチレン。 成分c2:数平均分子量が850〜28,000であ
    り、成分c1の(無水)カルボン酸単位の一部または全
    部がアルカノールアミンおよび/または水酸基もしくは
    アミノ基含有ポリオキシアルキレン化合物で二次変性さ
    れてなる変性低分子量ポリエチレン。
  5. 【請求項5】 成分aのポリエチレン系樹脂が、結晶化
    度10〜60%、数平均分子量が10,000〜40,
    000、融点が80〜130℃のポリエチレン系樹脂で
    ある、請求項1〜4のいずれか記載のインモールド成形
    用ラベル。
JP09451799A 1998-04-06 1999-04-01 インモールド成形用ラベル Expired - Lifetime JP4386494B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09451799A JP4386494B2 (ja) 1998-04-06 1999-04-01 インモールド成形用ラベル

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10845298 1998-04-06
JP10-108452 1998-04-06
JP09451799A JP4386494B2 (ja) 1998-04-06 1999-04-01 インモールド成形用ラベル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11352888A true JPH11352888A (ja) 1999-12-24
JP4386494B2 JP4386494B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=26435792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09451799A Expired - Lifetime JP4386494B2 (ja) 1998-04-06 1999-04-01 インモールド成形用ラベル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4386494B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002160287A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 Yupo Corp インモールド成形用ラベル
JP2002258752A (ja) * 2000-12-26 2002-09-11 Yupo Corp インモールド成形用ラベル
JP2003519025A (ja) * 2000-01-04 2003-06-17 ザ スタンダード プロダクツ カンパニー 基体と押出し高密度ポリエチレン層との積層品
US6764760B2 (en) 2000-07-24 2004-07-20 Yupo Corporation Label for in-mold decorating and labeled resin molded article
WO2005114620A1 (ja) * 2004-05-21 2005-12-01 Yupo Corporation インモールド成形用ラベルおよびラベル付き樹脂成形品
WO2017057739A1 (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社ユポ・コーポレーション オフセット印刷用複合材、並びに、これを用いた粘着シート、はがき、及びウィンドウフィルム

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519025A (ja) * 2000-01-04 2003-06-17 ザ スタンダード プロダクツ カンパニー 基体と押出し高密度ポリエチレン層との積層品
US6764760B2 (en) 2000-07-24 2004-07-20 Yupo Corporation Label for in-mold decorating and labeled resin molded article
JP2002160287A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 Yupo Corp インモールド成形用ラベル
JP2002258752A (ja) * 2000-12-26 2002-09-11 Yupo Corp インモールド成形用ラベル
WO2005114620A1 (ja) * 2004-05-21 2005-12-01 Yupo Corporation インモールド成形用ラベルおよびラベル付き樹脂成形品
CN100446053C (zh) * 2004-05-21 2008-12-24 优泊公司 模内成型用标签和带标签树脂成型品
US8097338B2 (en) 2004-05-21 2012-01-17 Yupo Corporation In-mold label, and labeled resin-labeled article
WO2017057739A1 (ja) * 2015-10-02 2017-04-06 株式会社ユポ・コーポレーション オフセット印刷用複合材、並びに、これを用いた粘着シート、はがき、及びウィンドウフィルム
JPWO2017057739A1 (ja) * 2015-10-02 2018-07-19 株式会社ユポ・コーポレーション オフセット印刷用複合材、並びに、これを用いた粘着シート、はがき、及びウィンドウフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4386494B2 (ja) 2009-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100544043B1 (ko) 인몰드 라벨
US6764760B2 (en) Label for in-mold decorating and labeled resin molded article
JP3727598B2 (ja) インモールド成形用ラベル
EP0810077B1 (en) Synthetic paper with excellent printability
WO2000022601A1 (fr) Etiquette pour moulage en moule
US20020037969A1 (en) Polypropylene based compositions and films and labels formed therefrom
WO2000036040A1 (fr) Etiquette
TWI433069B (zh) 用於模內成型之標籤及附有該標籤之樹脂容器
US20200016801A1 (en) Label for in-mold molding and labeled resin molded article
WO2000017839A1 (fr) Etiquette transparente
JP4737875B2 (ja) インモールド成形用ラベル
US8097338B2 (en) In-mold label, and labeled resin-labeled article
JP4386494B2 (ja) インモールド成形用ラベル
JP3768447B2 (ja) インモールド成形用ラベル
JP4887000B2 (ja) インモールド成形用ラベルおよびラベル付き樹脂成形品
JP4822589B2 (ja) インモールド成形用ラベル
JP4666566B2 (ja) 切離部を有するインモールド用ラベル
WO2004049284A1 (ja) 切離部を有するインモールド用ラベル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090929

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term