JPH11335861A - 超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法

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JPH11335861A
JPH11335861A JP10257335A JP25733598A JPH11335861A JP H11335861 A JPH11335861 A JP H11335861A JP 10257335 A JP10257335 A JP 10257335A JP 25733598 A JP25733598 A JP 25733598A JP H11335861 A JPH11335861 A JP H11335861A
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sicl
colloidal silica
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Masao Iguchi
征夫 井口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄損が格段に優れ、かつ磁歪特性にも優れた
一方向性珪素鋼板を、従来に比べて極めて安価にしかも
高生産性の下で得る。 【解決手段】 仕上焼鈍済みの一方向性珪素鋼板を、 S
iCl4を主成分とする塩化物の水溶液中に浸漬して地鉄表
面を溶解したのち、その表面に、リン酸塩とコロイダル
シリカを主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液を
水で薄めた希釈液中にFe, Si, AlおよびB等を含む無機
化合物を微量添加した処理液を、塗布・乾燥後、または
その後さらに非酸化性雰囲気中で短時間の熱処理を施す
ことによって、該鋼板の表面に張力絶縁被膜成分中にF
e, Si, AlおよびB等の窒化・酸化物を微細に分散させ
た極薄下地被膜を被成し、ついで常法に従ってリン酸塩
とコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜を被成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超低鉄損一方向性
珪素鋼板の製造方法に関し、特に仕上焼鈍済みの珪素鋼
板の表面または線状の凹領域をそなえる仕上焼鈍済みの
珪素鋼板の表面に、被膜中にFe, Si, AlおよびBのうち
から選んだ1種または2種以上の窒化・酸化物を微細に
分散させた極薄下地被膜を強固に被着させ、その上に重
ねて張力絶縁被膜を被成することによって、鉄損特性の
一層の改善を磁歪の圧縮応力特性の改善と共に、低コス
トの下で実現しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板は、主として変圧器そ
の他の電機機器の鉄心として利用され、磁化特性として
磁束密度(B8 値で代表される)が高く、鉄損(W
17/50 で代表される)が低いことが要求される。
【0003】一方向性珪素鋼板の磁気特性を向上させる
ためには、第一に鋼板中の2次再結晶粒の〈001〉軸
を圧延方向に高度に揃える必要があり、第二には最終製
品中に残存する不純物や析出物をできるだけ少なくする
必要がある。
【0004】このため、N.P.Gossによって一方向性珪素
鋼板の2段冷延による基本的な製造技術が提案されて以
来、その製造技術に数多くの改良が重ねられ、一方向性
珪素鋼板の磁束密度および鉄損値は年を追って改善され
てきた。その中で特に代表的なものは、SbとMnSeまたは
MnSとをインヒビターとして利用する特公昭51-13469号
公報に記載の方法、もう一つはAlNとMnSをインヒビタ
ーとして利用する特公昭33−4710号公報、特公昭40-156
44号公報および特公昭46-23820号公報等に記載の方法で
あり、これらの方法によればB8 が1.88Tを超える高磁
束密度を有する製品が得られるようになった。
【0005】さらに高磁束密度の製品を得るために、特
公昭57-14737号公報では素材中にMoを複合添加したり、
また特公昭62-42968号公報では素材中にMoを複合添加さ
せたのち、最終冷延直前の中間焼鈍後に急冷処理を施す
などの改良を加えて、B8 が1.90T以上の高磁束密度
で、かつ鉄損W17/50 が 1.05 W/kg(製品板厚:0.30m
m) 以下の低鉄損が得られることが、開示提案されてい
るが、なお十分な低鉄損化については改善すべき余地が
残されていた。
【0006】とくに、十数年前のエネルギー危機を境と
して電力損失を極力低減することへの要請が著しく強ま
り、それに伴って鉄心材料の用途においても、より一層
の改善が望まれている。そのため、渦電流損をできる限
り小さくすることを目的として、製品板厚を薄くした0.
23mm厚(9mil)以下のものが数多く使用されるようにな
ってきた。
【0007】これとは別に、一方向性珪素鋼板の絶縁被
膜の観点からも、大幅な改良が加えられた。すなわち、
現在商品化されている珪素鋼板は、鋼板とフォルステラ
イト系下地被膜の絶縁被膜の熱膨張係数の差を利用する
ことによって、鋼板に張力を加えることによって鉄損の
低減と磁歪の改善が図られている。この代表的な絶縁被
膜形成方法として、特公昭53-28375号公報に開示された
リン酸アルミニウムとコロイダルシリカと無水クロム酸
を主成分とするコ−ティング液を利用する方法、および
特公昭56-52117号公報に開示されたリン酸マグネシウム
とコロイダルシリカと無水クロム酸を主成分とするコ−
ティング液を利用する方法が挙げられる。
【0008】上記した技術はいずれも、主に冶金学的な
手法であるが、これらの方法とは別に、特公昭57−2252
号公報に提案されているような、仕上焼鈍後の鋼板の表
面にレーザー照射やプラズマ照射(B.Fukuda, K.Sato,
T.Sugiyama, A.Honda and Y.Ito : Proc. of ASM Con.
of Hard and Soft Magnetic Materials, 8710-008,(US
A), (1987) )を行い、人為的に 180°磁区幅を減少さ
せて鉄損を低減する方法(磁区細分化技術)が開発され
た。この技術の開発により、一方向性珪素鋼板の鉄損
は、大幅に低減された。しかしながら、この技術は、高
温での焼鈍に耐え得ないという欠点があり、用途が歪取
焼鈍を必要としない積鉄心変圧器に限定されるという問
題があった。
【0009】この点、歪取焼鈍に耐え得る磁区細分化技
術として、一方向性珪素鋼板の仕上焼鈍後の鋼板表面
に、線状の溝を導入し、溝による反磁界効果を応用して
磁区の細分化を図る方法が工業化された(H.Kobayashi,
E.Sasaki, M.Iwasaki and N.Takahashi : Proc. SMM-
8., (1987), P.402 )。また、これとは別に、一方向性
珪素鋼板の最終冷延板に局所的な電解エッチングを施す
ことによって溝を形成し、磁区を細分化する方法(特公
平8−6140号公報)も開発され、工業化されている。
【0010】さらに、上記した珪素鋼板の製造方法とは
別に、特公昭55-19976号公報、特開昭56−127749号公報
および特開平2−3213号公報に開示されているように、
非晶質合金が通常の電力用トランスや高周波トランス等
の材料として注目されている。しかしながら、このよう
な非晶質材料では、通常の一方向性珪素鋼板に比較して
非常に優れた鉄損特性が得られる反面、熱的安定性に欠
ける、占積率が悪い、切断が容易でない、あまりにも薄
く脆いためトランスの組み立て工数のコストアップが大
きい等実用上の不利が多いことから、現状では大量に使
用されるまでには至っていない。
【0011】その他にも、特公昭52-24499号公報におい
て、珪素鋼板の仕上焼鈍後に形成されるフォルステライ
ト下地被膜を除去し、鋼板表面を研磨した後、この鋼板
表面に金属メッキを施すことからなる方法が提案されて
いる。しかしながら、この方法は、低温では低鉄損が得
られるものの、高温処理を施すと金属が珪素鋼板中に拡
散するため、かえって鉄損が劣化するという欠点があっ
た。
【0012】この点、発明者らは先に、上記の不利を解
消するものとして、特公昭63-54767号公報等において、
研磨により平滑化した一方向性珪素鋼板上にCVDやイ
オンプレーティング, イオンインプランテーション等の
ドライプレーティング(PVD)により、Si, Mn, Cr,
Ni, Mo, W,V,Ti, Nb, Ta, Hf, Al,Cu, ZrおよびB
の窒化物、炭化物のうちから選んだ1種または2種以上
の張力被膜を被成させることによって超低鉄損が得られ
ることを開示した。この製造法により、電力用トランス
や高周波トランス等の材料として非常に優れた鉄損特性
が得られるようになったが、それでもなお、最近の低鉄
損化に対する要求に対しては十分に応えているとはいい
難かった。
【0013】そこで、発明者らは、従来に比べて鉄損の
一層の低減を図るべく、あらゆる観点から根本的な再検
討を加えた。すなわち、発明者は、安定した工程で平滑
化した一方向性珪素鋼板表面上に種々の窒化物、炭化物
のうちから選んだ1種または2種以上の張力被膜を被成
させて超低鉄損の製品を得るためには、一方向性珪素鋼
板の素材成分から最終の処理工程に至るまでの根本的な
再検討が必要であるとの認識に立って、珪素鋼板の集合
組織の追跡から、鋼板表面の平滑度や最終のCVDやP
VD処理工程に至るまで鋭意検討を重ねた。その結果、
以下に述べる知見を得た。
【0014】(1) 珪素鋼板に被覆したセラミック (代表
例として TiN膜を使用) の薄膜は、1.5 μm 以上の厚み
に被成しても、鉄損向上の度合いは少なくなる。すなわ
ち1.5 μm 以上の厚みのTiN 膜は、鉄損については僅か
の向上しか期待できず、むしろ占積率および磁束密度の
劣化を招く。 (2) この場合の TiNの役割は、セラミック特有の張力付
加に加えて、珪素鋼板との密着性の役割の方がより重要
である。すなわち TiN横断面の透過電子顕微鏡観察 (井
口征夫:日本金属学会誌, 60 (1996), P.781〜786 参
照) では、10nmの横縞が観察され、これは珪素鋼板の
〔011〕方向のFe−Fe原子の5原子層に相当する。 (3) TiN 被覆領域および化学研磨領域のX線による二層
の集合組織の同時測定(Y.Inokuti:ISIJ Internationa
l, 36 (1996), P.347〜352 参照) では、研磨領域のFe
の{200}ピーク形状は円形である。しかし TiN被覆
領域でのFeの{200}ピーク形状は楕円形であり、珪
素鋼板の〔100〕si-steel方向に強力に張力付加され
た状況になっている。 (4) TiN 薄膜の張力 (井口征夫、鈴木一弘、小林康宏:
日本金属学会誌、60 (1996), P.674〜678 参照) は8〜
10 MPaで、これにより 0.014〜0.016 T程度の磁束密度
の向上が期待できる。(これは約1°のGoss方位集積度
を向上させたことに相当する。)
【0015】以上が、セラミック被覆についての新規知
見であるが、さらにセラミック膜と鋼板の表面状態に関
し、以下に述べる知見を得た。 (5) 珪素鋼板の最終冷延板に局所的な電解エッチングを
施すことによって溝を形成し、さらに2次再結晶処理後
の鋼板表面を研磨により平滑化した後、 TiNセラミック
膜を被覆した場合には、導入した溝に起因した反磁界効
果による磁区細分化に加えて、さらにセラミック被膜に
よる張力付加により、効果的に鉄損が低減する。 (6) セラミック被覆前に、鋼板表面上に凹状の溝を形成
した場合の引張りによる鉄損の低減効果は、通常の研磨
により平滑化した珪素鋼板の場合よりも大きい(特公平
3-32889号公報参照)。すなわち、溝を導入した場合に
は珪素鋼板表面上に異張力が作用し、引張り張力による
鉄損の低減度合いが増大する。 (7) 凹状の溝を形成した珪素鋼板上にセラミック膜を被
覆した場合は、通常の研磨により平滑化しセラミック膜
を被覆した場合よりも、鉄損の低減効果がより効果的で
ある。( 例えば、特公昭63-35686号公報参照) すなわ
ち、線状の溝を導入し、溝による反磁界効果を応用して
磁区を細分化したのち、セラミック張力被膜を被成し
て、さらに 180°主磁区を細分化する方が一層効果的
で、超低鉄損が得られる。 (8) 珪素鋼板の最終冷延板に局所的な電解エッチングを
施すことによって溝を形成した場合は、2次再結晶処理
を施した後の鋼板表面を研磨により平滑化しない表面状
態で TiNセラミック膜を被成した場合であっても、かな
りの鉄損低減効果が発揮される。すなわち、研磨により
平滑化しない状態、例えば酸洗処理等により表面に小さ
な凹凸が存在する状態であっても、熱膨張係数の小さな
セラミック膜を被覆することによって、珪素鋼板の表面
に強力な張力を付加することが可能であり、これによっ
て鉄損を有利に低減することができる。
【0016】そこで、発明者は、上記の新規知見を基
に、所期した目的を達成すべく数多くの実験と検討を重
ねた結果、表面を平滑化した珪素鋼板および線状の溝を
導入した珪素鋼板いずれであっても、該珪素鋼板の表面
に被成するセラミック張力被膜を複数種とし、しかもこ
のセラミック張力被膜について、その熱膨張係数が外側
にいくほど小さくすることが、鉄損の低減に極めて有効
であることの知見を得、これに基づき極めて鉄損の低い
一方向性珪素鋼板を新たに開発した(特願平9−328042
号明細書)。
【0017】かくして得られた一方向性珪素鋼板は、極
めて薄く、かつ密着性に優れたセラミック膜の張力被膜
をそなえ、超低鉄損の達成が可能なだけでなく、絶縁性
を具備し、しかも占積率にも優れているため、まさに理
想的な珪素鋼板といえる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな緻密なセラミック膜を被成するには、真空中で高プ
ラズマ雰囲気下での処理が不可欠であり、かような方法
ではセラミック膜の高速成膜ができず、生産性が低いた
め、工業化に際して、コストアップになるというところ
に問題を残していた。
【0019】なお、これとは別に、最近、特許第 26624
82号および 2664326号各公報において、平滑化した鋼板
の表面に酸化Al−酸化B系の複合膜を形成させることに
よって、被膜密着性と鉄損を改善した低鉄損一方向性珪
素鋼板が提案された。しかしながら、この方法による珪
素鋼板の鉄損値W17/50 は、0.2 mm板厚の製品で0.77〜
0.83 W/kg 程度にすぎず、製品板厚が薄いにもかかわら
ずこの程度の到達鉄損値では、やはり改良すべき余地が
残されているといわざるを得ない。さらに、この方法で
製造した酸化Al−酸化B系の複合セラミック膜は、真空
プラズマを利用して作成したセラミック膜に比較して、
緻密さや平滑性の面で劣ることから、この一方向性珪素
鋼板の絶縁被膜は、化学的安定性が十分でなく耐食性、
耐水性の改善が指摘されている。
【0020】そこで、発明者らは、上記の新規知見を基
に、再度、珪素鋼板の表面状態、さらにはその表面に被
成する張力絶縁被膜について検討を行った。また、その
際、磁歪の圧縮応力特性(以下、単に磁歪特性という)
の改善についても併せて検討した。ここに、珪素鋼板の
磁歪とは、鋼板を磁化した時に鋼板が伸縮振動する現象
で、変圧器騒音の最も大きな原因となるものである。
【0021】この磁歪挙動は、鋼板の磁化過程が90°磁
壁移動および回転磁化を含むことに起因し、鋼板にかか
る圧縮応力に応じて磁歪は増大する。変圧器の組み立て
時には、不可避的に鋼板に圧縮応力が加わることから、
予め鋼板に張力を与えておけば、磁歪特性の面では有利
である。勿論、鋼板に張力が付加されることは、方向性
珪素鋼板の鉄損の改善にも有効に寄与する。従来、方向
性珪素鋼板は、2次再結晶前の脱炭・1次再結晶焼鈍時
に鋼板表面に形成されるサブスケール(SiO2)と、MgO
を主成分とする焼鈍分離剤との仕上げ焼鈍の際における
高温反応によって形成されるフォルステライト質下地被
膜とその上に重ねて被成されるリン酸塩とコロイダルシ
リカを主成分とする張力絶縁被膜とによって張力が加え
られ、磁歪特性の改善が図られていたのであるが、この
ような従来法では十分満足いくほどの磁歪特性の改善は
望み得なかったのである。
【0022】さて、上記の検討の結果、珪素鋼板の表面
に、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力絶
縁被膜を被成するに先立ち、この張力絶縁被膜用のコー
ティング液を水で希釈し、かつその希釈液中にFe, Si,
AlおよびBのうちから選んだ1種または2種以上を含む
無機化合物を添加した処理液を薄く塗布し、鋼板の表面
に微量のFe等を含む無機化合物を付着させたのち、非酸
化性雰囲気中で短時間の熱処理を施してやると、基本的
に張力絶縁被膜と同じ被膜成分になる極薄被膜が形成さ
れると共に、該被膜中に存在するFe等を含む無機化合物
が活性度の高いFe等の窒化・酸化物に変化し、これが鋼
板表面に強固に固着する結果、上記極薄被膜は高い密着
性の下で鋼板表面に被成され、一方この極薄被膜はその
上に被成する張力絶縁被膜と同質であるため、これらの
密着性も極めて良好であることから、結果として、従来
に比較して密着性が格段に優れた張力絶縁被膜を鋼板の
表面に被成することができ、かくして鉄損の極めて低い
一方向性珪素鋼板を、生産性良く、また低コストの下で
製造できることを見出し、特願平10-43238号明細書にお
いて開示した。
【0023】本発明は、上記技術の改良に係わり、上記
した極薄下地被膜の鋼板に対する密着性をさらに改善す
ることによって、鉄損特性の一層の向上を磁歪特性の改
善と共に可能ならしめたものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
構成は次のとおりである。 1.板厚が0.05〜0.5 mmの仕上焼鈍済みの一方向性珪素
鋼板を、SiCl4 またはSiCl4 を主成分とする塩化物の水
溶液中に浸漬して地鉄表面を溶解したのち、その表面
に、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力絶
縁被膜用コーティング液を水で薄めた希釈液中にFe, S
i, AlおよびBのうちから選んだ1種または2種以上を
含む無機化合物を微量添加した処理液を、塗布・乾燥し
たのち、常法に従ってリン酸塩とコロイダルシリカを主
成分とする張力絶縁被膜を被成することを特徴とする超
低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
【0025】2.板厚が0.05〜0.5 mmの仕上焼鈍済みの
一方向性珪素鋼板を、SiCl4 またはSiCl4 を主成分とす
る塩化物の水溶液中に浸漬して地鉄表面を溶解したの
ち、その表面に、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分
とする張力絶縁被膜用コーティング液を水で薄めた希釈
液中にFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または
2種以上を含む無機化合物を微量添加した処理液を、塗
布・乾燥したのち、非酸化性雰囲気中で短時間の熱処理
を施すことによって、該鋼板の表面に張力絶縁被膜成分
中にFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または2
種以上の窒化・酸化物を微細に分散させた極薄下地被膜
を被成し、ついで常法に従ってリン酸塩とコロイダルシ
リカを主成分とする張力絶縁被膜を被成することを特徴
とする超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
【0026】3.上記1または2において、SiCl4 また
は SiCl4を主成分とする塩化物水溶液中への浸漬処理
後、鋼板表面を含N非酸化性雰囲気中に曝す暴露処理を
行うことを特徴とする超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造
方法。
【0027】4.上記1,2または3において、鋼板の
地鉄表面に、圧延方向と交差する向きに2〜10mmの間隔
で、幅:50〜500 μm 、深さ:0.1 〜50μm の線状の凹
領域を設けたことを特徴とする超低鉄損一方向性珪素鋼
板。
【0028】本発明では、SiCl4 または SiCl4を主成分
とする塩化物水溶液中への浸漬処理またさらにはその後
の下地被膜処理によって、鋼板の板厚減少を0.01〜3.0
μm程度とすることが好ましい。また、本発明では、仕
上焼鈍済みの一方向性珪素鋼板の表面を、平滑化表面と
しておくことが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。まず、本発明による成功が導かれるに至った経過に
ついて説明する。C:0.073 wt%、Si:3.38wt%、Mn:
0.070 wt%、Se:0.020 wt%、Sb:0.025 wt%、Al:0.
020 wt%、N:0.0078wt%およびMo:0.012 wt%を含有
し、残部は実質的にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブ
を、1340℃、5 時間の加熱処理後、熱間圧延を施して板
厚:2.0 mmの熱延板とした。この熱延板に1000℃、3分
間の均一化焼鈍を施した後、1050℃の中間焼鈍を挟む2
回の圧延を施して板厚:0.23mmの最終冷延板とした。
【0030】その後、最終冷延板は次のように処理し
た。この最終冷延板の表面に、アルキド系樹脂を主成分
とするエッチングレジストインキをグラビアオフセット
印刷により、非塗布部が圧延方向にほぼ直角に幅:200
μm 、間隔:4mmで線状に残存するように塗布したの
ち、200 ℃で3分間焼き付けた。このときのレジスト厚
は2μm であった。このようにしてエッチングレジスト
を塗布した鋼板に、電解エッチングを施すことにより、
幅:200 μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、つい
で有機溶剤中に浸漬してレジストを除去した。このとき
の電解エッチングは、NaCl電解液中で電流密度:10 A/d
m2、処理時間:20秒の条件で行った。
【0031】その後、 840℃の湿H2中で脱炭・1 次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面に CaO(20%), Al2O3(60
%), SiO2(20%) の組成になる焼鈍分離剤をスラリ−
塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から10
℃/hの速度で1150℃まで昇温してゴス方位に強く集積し
た2次再結晶粒を発達させた後、1220℃の乾H2中で純化
処理した。
【0032】かくして得られた製品の表面被膜を除去
し、ついで化学研磨により珪素鋼板の表面を平滑化した
のち、以下に述べる工程で処理を施した。 (A) 工程:珪素鋼板を、1500ccの蒸留水中に SiCl4
液:20ccを溶解した80℃の水溶液中に1〜90秒間浸積し
た後、さらに珪素鋼板を、リン酸塩とコロイダルシリカ
を主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液:250cc
を1500ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4溶液:30cc
とAlPO4:20gとH3PO3:20gを複合添加した80℃の処理液
中に1〜60秒間浸積し、水洗後、乾燥した。 (B) 工程:珪素鋼板を、1500ccの蒸留水中に SiCl4
液:30ccを溶解した80℃の水溶液中に1〜90秒間浸積し
た後、さらに珪素鋼板を、リン酸塩とコロイダルシリカ
を主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液:250cc
を2000ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4溶液:30cc
とAlPO4:20gとH3PO3:20gを複合添加した80℃の処理液
中に1〜60秒間浸積し、水洗後、乾燥した。 (C) 工程:珪素鋼板を、1500ccの蒸留水中に SiCl4
液:20ccと FeCl3:10gを溶解した80℃の水溶液中に1
〜90秒間浸積したのち、さらに珪素鋼板を、リン酸塩と
コロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜用コーテ
ィング液:250 ccを1500ccの蒸留水で薄めた希釈液中に
SiCl4溶液:25ccとFeCl3:15gとAlPO4:10gとH3PO3:10
gを複合添加した80℃の処理液中に1〜90秒間浸積し、
水洗後、乾燥した。
【0033】その後、 (A)〜(C) の工程で処理した珪素
鋼板を、それぞれ 950℃で10分間、N2(50%)+H2(50
%)混合ガス中で処理した。その後、さらに得られた鋼
板の表面に、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とす
る張力絶縁被膜用コーティング液を、塗布・乾燥後、 8
00℃のN2ガス中で焼き付けて、2.0 μm 厚の張力絶縁被
膜を被成した。
【0034】かくして得られた各製品の鉄損特性W
17/50(W/kg) と張力絶縁被膜用コーティング液の塗布前
における板厚減少量(両面)との関係について調べた結
果を、図1に示す。
【0035】同図から明らかなように、珪素鋼板の鉄損
17/50(W/kg) は、(A), (B)および(C) 工程共に、板厚
減少量が0.01〜3.0 μm の範囲において低減効果が顕著
であることが判る。この理由については次のとおりと考
えられる。すなわち、珪素鋼板に、下地被膜を被成する
に先立ち、SiCl4 や SiCl4を主成分とする塩化物の水溶
液中に浸積し、鋼板の表面反応を促進して鋼板表面のFe
成分をある程度溶解することによって、鋼板表面の活性
度ひいては密着性が高まる。ついで、その活性化にした
鋼板表面に、下地被膜中のFe, Si, AlおよびB等の微細
窒化・酸化物が強固に被着し、これらの微細窒化・酸化
物がアンカーの働きをして珪素鋼板と下地被膜の密着性
が向上するだけでなく、その上の重ねて被成した張力絶
縁被膜による張力付与効果も同時に向上するので、超低
鉄損が得られるものと考えられる。
【0036】上記した珪素鋼板と下地被膜との界面の状
況は、前述した(2) の TiN被覆珪素鋼板の界面の電子顕
微鏡観察の10nm程度に観察された横縞に類似の現象を作
り出していると考えられる。なお、本発明においては、
PVDの真空下でのプラズマ処理によるTiN ほど薄い界
面層を作り出すことは原理的に不可能であるが、このよ
うな真空プラズマ法を用いなくても安価に鋼板表面を活
性化させ、もって、一方向性珪素鋼板の超低鉄損の達成
が可能であることが注目される。
【0037】また、上述したような珪素鋼板の塩化物溶
液による0.01〜3.0 μm の板厚減少は、0.0005〜0.15g
の重量減少に相当する。すなわち、真空処理のプラズマ
の場合には、前述した(2) の TiN被覆珪素鋼板の界面の
電子顕微鏡観察の10nm程度に観察された横縞に類似の現
象を作り出しまさに理想の混合層を作り出すことが可能
であるが、本発明のように真空を使用しないでも珪素鋼
板の0.0005〜0.15gの重量減少を作り出すことによっ
て、鋼板面を活性化させこれらFe, Si, Al, B等の微細
窒化・酸化物を界面層に優先的に形成させることにより
超低鉄損化を達成したものである。
【0038】図2に、Fe, Si, AlおよびB等の無機化合
物として SiCl4を利用して、鋼板の表面にSiの窒化・酸
化物を分散させた極薄下地被膜を被成した場合におけ
る、該窒化・酸化物中の酸化物組成を、 XPS法で測定し
た結果を示す。同図から明らかなように、この方法によ
って形成される酸化物は、主にFeSiO3(Clinoferrosilit
e)とFe2SiO4(Fayalite)からなっていることが注目され
る (なお、厳密には、FeSiO3の生成物の方が Fe2SiO4
りも多い)。ここに、上記のような酸化物は、次式 SiCl4 + 2H2O + 2FeO → Fe2SiO4+ 4HCl のような反応によって形成されるものと考えられる。そ
して、上記したような酸化物は、従来からのSiO2のサブ
スケールとは異なり、極めて緻密であり、かような緻密
な酸化物が微細な窒化物と共に生成するために、従来に
比べると格段に密着性が向上するものと考えられる。
【0039】なお、この種の従来技術として、特開昭60
−131976号、特開平6−184762号および特開平9-78252
号各公報において、研磨した珪素鋼板表面上に外部酸化
型のSiO2膜の酸化層を形成させる方法が提案されてい
る。しかしながら、これらの手法の骨子は、珪素鋼板の
有害なCを除去するために行われる脱炭・1次再結晶焼
鈍時の湿H2中での処理によるSiO2を主成分とするサブス
ケ−ルの形成と類似の方法である。特に、このような鋼
板の酸化処理を使用することによるSiO2を利用する手法
は、珪素鋼板の鏡面化による鉄損低減効果が激殺される
ことが既に指摘されている。
【0040】
【作用】本発明の素材である含珪素鋼としては、従来公
知の成分組成いずれもが適合するが、代表組成を掲げる
と次のとおりである。 C:0.01〜0.08wt% Cは、0.01wt%より少ないと熱延集合組織の抑制が不十
分となって大きな伸長粒が形成されるため磁気特性が劣
化し、一方0.08wt%より多いと脱炭工程で脱炭に時間が
かかり経済的でないので、0.01〜0.08wt%程度とするの
が好ましい。
【0041】Si:2.0 〜4.0wt % Siは、 2.0wt%より少ないと十分な電気抵抗が得られな
いため渦電流損が増大して鉄損の劣化を招き、一方 4.0
wt%より多いと冷延の際に脆性割れが生じ易くなるの
で、 2.0〜4.0 wt%程度の範囲とすることが好ましい。
【0042】Mn:0.01〜0.2 wt% Mnは、一方向性珪素鋼板の2次再結晶を左右する分散析
出相としてのMnSあるいはMnSeを決定する重要な成分で
ある。Mn量が0.01wt%を下回ると2 次再結晶を生じさせ
るのに必要なMnS等の絶対量が不足し、不完全2次再結
晶を起こすと同時に、ブリスタ−と呼ばれる表面欠陥が
増大する。一方、 0.2wt%を超えると、スラブ加熱等に
おいてMnS等の解離固溶が行われたとしても、熱延時に
析出する分散析出相が粗大化し易く、抑制剤として望ま
れる最適サイズ分布が損なわれて磁気特性が劣化するの
で、Mnは0.01〜0.2 wt%程度とすることが好ましい。
【0043】 S:0.008 〜0.1 wt%、Se:0.003 〜0.1 wt% SおよびSeはいずれも、 0.1wt%以下、中でもSは 0.0
08〜0.1 wt%、またSeは 0.003〜0.1 wt%の範囲とする
ことが好ましい。というのは、これらが 0.1wt%を超え
ると熱間および冷間加工性が劣化し、一方それぞれ下限
値に満たないとMnS、MnSeとしての1 次粒成長抑制機能
に格別の効果を生じないからである。その他、インヒビ
タ−として従来公知のAl, Sb, Cu, SnおよびB 等を複合
添加しても、本発明の効果を妨げるものではない。
【0044】次に、本発明に従う超低鉄損一方向性珪素
鋼板の製造工程について説明する。まず、素材を溶製す
るには、LD転炉、電気炉、平炉、その他公知の製鋼炉
を用い得ることは勿論のこと、真空溶解やRH脱ガス処
理を併用することもできる。
【0045】本発明に従い、素材中に含有されるS、Se
あるいはその他の1 次粒成長抑制剤を溶鋼中に微量添加
する方法としては、従来公知の何れの方法を用いても良
く、例えばLD転炉、RH脱ガス終了時あるいは造塊時
の溶鋼中に添加することができる。また、スラブ製造
は、コスト低減、さらにはスラブ長手方向における成分
あるいは品質の均一性等の経済的・技術的利点のため連
続鋳造法の採用が有利ではあるが、従来の造塊スラブの
使用を妨げるものではない。
【0046】連続鋳造スラブは、スラブ中のインヒビタ
−を解離・固溶させるために、1300℃以上の温度に加熱
される。その後、このスラブは熱間粗圧延ついで熱間仕
上圧延が施されて、通常厚み 1.3〜3.3 mm程度の熱延板
とされる。
【0047】次に熱延板は、必要に応じ 850〜1100℃程
度の温度範囲で熱延板焼鈍(均一化焼鈍ともいう)を施
したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を
施して最終板厚とするが、高磁束密度で低鉄損の特性を
有する製品を得るには最終冷延率(通常55〜90%)に注
意を払う必要がある。このとき、珪素鋼板の渦電流損を
できるかぎり小さくする観点から、製品厚の上限は0.5
mmに、またヒステリシス損の弊害を避けるために板厚の
下限は0.05mmに限定した。
【0048】鋼板表面に線状の溝を形成する場合には、
この最終冷延を終え製品板厚となった鋼板に対して行う
のがとりわけ有利である。すなわち、最終冷延板または
2次再結晶前後の鋼板の表面に、圧延方向と交差する向
きに2〜10mmの間隔で、幅:50〜500 μm 、深さ:0.1
〜50μm の線状の凹領域を形成させるのである。ここ
に、線状凹領域の間隔を2〜10mmの範囲に限定したの
は、2mmに満たないと鋼板凹凸があまりにも顕著で磁束
密度が低下し経済的でなくなり、一方10mmを超えると磁
区細分化効果が小さくなるからである。また、凹領域の
幅が50μm に満たないと反磁界効果を利用することが困
難となり、一方 500μm を超えると磁束密度が低下し経
済的でなくなるので、凹領域の幅は50〜500 μm の範囲
に限定した。さらに、凹領域の深さが 0.1μm に満たな
いと反磁界効果を効果的に利用することができず、一方
50μm を超えると磁束密度が低下し経済的でなくなるの
で、凹領域の深さは 0.1〜50μm の範囲に限定した。な
お、線状凹領域の形成方向は、圧延方向と直角方向すな
わち板幅方向とするのが最適であるが、板幅方向に対し
±30°以内であればほぼ同様の効果を得ることができ
る。
【0049】さらに、線状凹領域の形成方法としては、
最終冷延板の表面に、印刷によりエッチングレジストを
塗布、焼き付けた後、エッチング処理を施し、しかるの
ち該レジストを除去する方法が、従来のナイフの刃先や
レーザー等を用いる方法に比較して、工業的に安定して
実施できる点、および引張り張力により一層効果的に鉄
損を低減できる点で有利である。
【0050】以下、上記のエッチングによる線状溝形成
技術の典型例について具体的に説明する。最終冷延板の
表面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジ
ストインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部
が圧延方向にほぼ直角に幅:200μm 、間隔:4mmで線
状に残存するように塗布したのち、 200℃で約20秒間焼
き付ける。このとき、レジスト厚は2μm 程度とする。
このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、
電解エッチングまたは化学エッチングを施すことによ
り、幅:200 μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、
ついで有機溶剤中に浸漬してレジストを除去する。この
時の電解エッチング条件は、NaCl電解液中で電流密度:
10 A/dm2、処理時間:20秒程度、また化学エッチング条
件は、HNO3液中で浸漬時間:10秒間程度とすれば良い。
【0051】ついで、鋼板には脱炭焼鈍が施される。こ
の焼鈍は、冷延組織を1次再結晶組織にすると同時に、
最終焼鈍(仕上焼鈍とも呼ばれる)で{110}〈00
1〉方位の2次再結晶粒を発達させる場合に有害なCを
除去することを目的とし、例えば 750〜880 ℃の湿水素
中で行う。
【0052】最終焼鈍は、{110}〈001〉方位の
2次再結晶粒を十分発達させるために施されるもので、
通常箱焼鈍によって直ちに1000℃以上に昇温し、その温
度に保持することによって行われる。この最終焼鈍は通
常、マグネシア等の焼鈍分離剤を塗布して行い、表面に
フォルステライトと呼ばれる下地被膜も同時に形成す
る。しかしながら、この発明では、フォルステライト下
地被膜を形成させたとしても、次工程でこの下地被膜を
除去するため、かようなフォルステライト下地被膜を形
成させないような焼鈍分離剤の方が有利である。すなわ
ち、フォルステライト下地被膜を形成させる MgOの含有
比率を低減し(50%以下)、代わってかかる被膜を形成
させない CaO, Al2O3, CaSiO3, SiO2, PbCl3等の含有比
率を高く(50%以上)した焼鈍分離剤が有利である。
【0053】この発明において{110}〈001〉方
位に高度に集積した2次再結晶組織を発達させるために
は、 820℃から900 ℃の低温で保定焼鈍する方が有利で
あるが、その他、例えば 0.5〜15℃/h程度の昇温速度の
徐熱焼鈍でも良い。
【0054】この純化焼鈍後に、鋼板表面のフォルステ
ライト下地被膜や酸化物被膜は、公知の酸洗などの化学
的方法や切削、研磨などの機械的方法またはそれらの組
み合わせにより除去して、鋼板表面を平滑化する。すな
わち、鋼板表面の種々の被膜を除去した後、化学研磨、
電解研磨等の化学研磨やバフ研磨等の機械的研磨あるい
はそれらの組み合わせなど従来の手法により、中心線平
均粗さRaで 0.4μm 以下程度まで鋼板表面を平滑化す
る。
【0055】なお、本発明では、珪素鋼板の表面を必ず
しも平滑化する必要はない。従ってこの場合には、コス
トアップを伴う平滑化処理を行わなくても、酸洗処理の
みで十分な鉄損低減効果を発揮できるという利点があ
る。とはいえ、やはり平滑化処理を施すことが有利であ
ることに変わりはない。また、この段階で鋼板表面に凹
形状の溝を導入することもできる。溝の導入方法は、最
終冷延板または2次再結晶前後の鋼板の表面に施す場合
と同じ方法を用いれば良い。
【0056】上記の処理後、極薄下地被膜の形成に先立
ち、前処理として、珪素鋼板を、SiCl4 または SiCl4
主成分とする塩化物の水溶液中に浸漬して地鉄の表面を
ある程度溶解する。かような、前処理を施す理由は、前
述したとおり、地鉄表面のFe成分をある程度溶解するこ
とによって、地鉄表面の活性度ひいては密着性を高める
ためである。
【0057】ここに、地鉄表面の好適な溶解量は、前掲
図1に示したとおり、板厚減少量で0.01〜3.0 μm 程度
(重量減少量で0.0005〜0.15g程度)の範囲である。な
お、板厚減少量は、後続の下地被膜の形成の際、処理液
中に添加する無機化合物として SiCl4等の塩化物を用い
ない場合には、この前処理のみで定まるが、上記の無機
化合物として塩化物を用いた場合には、この下地被膜形
成用処理液の塗布によっても地鉄は幾分溶解されるの
で、かような場合、板厚減少量は、下地被膜形成処理後
の値で評価するものとする。また、 SiCl4以外の塩化物
としては、MgCl2, CaCl2, SrCl2, BaCl2等が有利に適合
するが、極微量であればTiCl3, ZrCl4, NbCl5, TaCl5,
CrCl3, CoCl3, NiCl 2, CuCl2, ZnCl2, TlCl3等も使用す
ることができる。さらに、塩化物水溶液中への珪素鋼板
の浸漬処理に代えて、かような塩化物水溶液を鋼板表面
に噴霧あるいは噴射するようにしても良い。
【0058】上記したような前処理を施した後、珪素鋼
板の表面を含N非酸化性雰囲気中に曝すいわゆる暴露処
理を施すことは有利である。というのは、かような暴露
処理によって鋼板の表面にはN濃化層が形成され(Siの
窒化・酸化物層が形成されていると考えられる)、これ
が被膜密着性の向上に有利に作用するからである。ま
た、このような暴露処理の代わりに、 500℃以上の非酸
化性雰囲気中で焼鈍処理を実施しても良い。
【0059】図3に、仕上焼鈍後の鋼板を、 SiCl4を溶
液(80℃) 中に浸漬後、N雰囲気中に曝した際の鋼板表
層部のN濃度をSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscop
y)で測定した結果を、3%HFと97%H2O2 の混合液中で化学
研磨のみを施した場合と比較して示す。同図に示したと
おり、鋼板を SiCl4溶液中に浸漬し、その後にN雰囲気
中に曝すだけでも、鋼板表面には、化学研磨材に比べる
と格段に高いN濃化層が形成されていることが注目され
る。
【0060】ついで、下地被膜として、リン酸塩とコロ
イダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜と同じ被膜成
分中にFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または
2種以上の窒化・酸化物を微細に分散させた極薄被膜を
形成する。この極薄下地被膜を形成するには、まず、リ
ン酸塩とコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜
用コーティング液を水で希釈し、この希釈液中にFe, S
i,AlおよびBのうちから選んだ1種または2種以上を含
む無機化合物を微量添加したものを処理液として用い
る。
【0061】ここに、リン酸塩とコロイダルシリカを主
成分とする張力絶縁被膜用コーティング液としては、例
えば特公昭53-28375号公報に開示のような、コロイド状
シリカ:4〜16wt%、リン酸アルミニウム:3〜24wt
%、無水クロム酸および/またはクロム酸塩:0.2 〜4.
5 wt%を添加したコ−ティング液や、特公昭56-52117号
公報に開示のような、コロイド状シリカ:7〜24wt%、
リン酸マグネシウム:5〜30wt%(ただし、リン酸マグ
ネシウムとコロイド状シリカとのモル比:20/80〜30/
70)、さらに必要に応じてこれら無水クロム酸、クロム
酸塩および/または重クロム酸塩:0.01〜5wt%を添加
したコ−ティング液が有利に適合する。
【0062】また、上記コーティング液の希釈程度につ
いては、1〜60%程度好ましくは10〜20%(例えば、15
00ccの水溶液中に 100〜1000ccのコーティング液を溶解
した程度の量)程度まで希釈することが好ましい。とい
うのは、本発明において、地鉄に強固に密着した下地被
膜を被成するためには、下地処理液中に含有させたFe,
Si, AlおよびB等の無機化合物を窒化・酸化物に変化さ
せる必要があるが、この下地処理液の濃度が濃すぎる
と、その際の処理雰囲気(好適には N2(50%)+H2(50%)混
合ガス雰囲気)では無機化合物をうまく窒化・酸化物に
変化させることが難しく、かかる窒化・酸化を効果的に
促進させるためには適量の水で希釈することが効果的だ
からである。
【0063】さらに、Fe, Si, AlおよびBのうちから選
んだ1種または2種以上を含む無機化合物の希釈液中に
おける添加量は、無機化合物の量にして5〜500 g程度
( 0.001〜0.5 mol/l 程度)とすることが好ましい。と
いうのは、これらの無機化合物の量が少なすぎるとその
効果を発揮することができず、一方多すぎる場合には経
済的でないだけでなく、かえって被膜特性が劣化するか
らである。ここに、上記した各種無機化合物のうち、Fe
を含む無機化合物としてはFeCl3,Fe(NO3)3等が、Siを含
む無機化合物としてはSiCl4, Na2SiO3, SiO2等が、Alを
含む無機化合物としてはAlCl3, Al(NO3)3, AlPO4等が、
Bを含む無機化合物としてはH3BO3, Na2B4O7等がとりわ
け有利に適合する。
【0064】なお、上記したような極薄被膜のベースと
しては、必ずしもリン酸塩とコロイダルシリカを主成分
とする張力絶縁被膜である必要はなく、リン酸塩とクロ
ム酸を主成分とする通常の絶縁被膜であっても良い。
【0065】さて、上記したような、張力絶縁被膜用コ
ーティング液の希釈液中にFe, Si,AlおよびB等の無機
化合物を微量添加した処理液を、鋼板表面に塗布・乾燥
することにより、地鉄表面に微量のFe, Si, AlおよびB
等の無機化合物を付着させたのち、好ましくは非酸化性
雰囲気中で短時間の熱処理を施して、該鋼板の表面に張
力絶縁被膜成分中にFe, Si, AlおよびB等の窒化・酸化
物を微細に分散させた極薄下地被膜を被成する。また、
本発明においては、上記したような短時間の熱処理は必
ずしも必要とはしない。というのは、このような短時間
の熱処理を施さなくても、その後の絶縁被膜形成時の熱
処理によって、鋼板表面に上記したようなFe, Si, Alお
よびB等の窒化・酸化物を微細に分散させた極薄下地被
膜が優先的に形成されるからである。
【0066】ここに、塗布方法としては、通常のロール
コーター等による塗布の他、鋼板そのものを処理液中に
漬ける浸漬方法、また処理液を鋼板表面に直接噴霧ある
いは噴射する方法、さらには電解処理法など公知の方法
いずれもが使用できる。処理温度は、常温でもかまわな
いが、より有効に付着させるためには50〜100 ℃程度の
温溶液中で処理する方が好ましい。また、浸漬処理を利
用する場合には、浸漬時間は1〜100 秒程度とすること
が望ましい。
【0067】ついで、水洗後、乾燥させたのち、微細な
Fe, Si, AlおよびB等の窒化・酸化物を鋼板の界面に形
成させるために、好ましくは非酸化性雰囲気中で短時間
の熱処理を施す。処理雰囲気としては、窒化の促進を図
るため含N非酸化性雰囲気とすることが好ましく、例え
ば(N2+H2)混合ガス雰囲気およびアンモニアを含む(N
H3+H2)混合雰囲気がとりわけ好適である。また、処理
温度は 200〜1100℃程度(好ましくは 500〜900 ℃程
度)、処理時間は1〜100 分間程度(好ましくは3〜30
分間程度)が好適である。
【0068】かくして、被膜中に微細に分散させたFe,
Si, AlおよびB等の窒化・酸化物の存在により、鋼板の
表面に強固に被着した極薄下地被膜を被成することがで
きる。なお、下地処理液の塗布量は、 0.001〜0.5 g/m2
程度とすることが好ましく、この程度の量を塗布したの
ち熱処理を施すことにより、最終的に 0.001〜3.0 μm
程度の好適厚みになる極薄下地被膜を得ることができ
る。
【0069】その後、上記した極薄下地被膜の表面に、
常法に従い、コロイダルシリカとリン酸塩を主成分とす
る張力絶縁被膜用コーティング液を塗布した後、 500〜
1000℃の温度で焼き付けて、張力絶縁被膜(0.5〜5μm
厚) を形成する。上記した張力絶縁被膜用のコーティン
グ液としては、前掲した特公昭53-28375号公報に開示さ
れた、コロイド状シリカとリン酸アルミニウムと無水ク
ロム酸等を主成分とするコ−ティング液や、特公昭56-5
2117号公報に開示された、コロイド状シリカとリン酸マ
グネシウムと無水クロム酸等を主成分とするコ−ティン
グ液が有利に適合するが、下地被膜の場合と同様、リン
酸塩とクロム酸を主成分とする通常の絶縁被膜用コ−テ
ィング液であっても良い。さらに、これらを混合した絶
縁被膜の使用も可能である。この場合、珪素鋼板に対し
て一層良好な傾斜機能を発揮させるためには、珪素鋼板
側には通常の絶縁被膜を被成し、その上に重ねて張力絶
縁被膜を被成することが有利である。
【0070】ここに、上記した極薄下地被膜とその上に
被成した張力絶縁被膜は同質であるので、これらの密着
性は極めて高く、それ故結果として、従来に比較して格
段に密着性に優れた張力絶縁被膜を鋼板の表面に被成す
ることができ、かくして鉄損の極めて低い一方向性珪素
鋼板を、生産性良く、また低コストの下で得ることがで
きるのである。
【0071】
【実施例】実施例1 C:0.078 wt%, Si:3.36wt%, Mn:0.070 wt%, Se:
0.019 wt%, Sb:0.022 wt%, Al:0.019 wt%, N:0.
0076wt%およびMo:0.012 wt%を含有し、残部は実質的
にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1340℃で5時間
の加熱処理後、熱間圧延を施して厚み:2.2 mmの熱延板
とした。ついで 950℃の均一化焼鈍を施した後、1000℃
の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の最
終冷延板とした。ついで、 840℃の湿H2中で脱炭・1次
再結晶焼鈍を行った後、鋼板表面にCaO(20%), Al2O3(40
%), SiO2(40%)の組成になる焼鈍分離剤をスラリ−塗布
し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から10℃/h
の速度で1100℃まで昇温してゴス方位に強く集積した2
次再結晶粒を発達させた後、1200℃の乾H2中で純化処理
を施した。
【0072】かくして得られた珪素鋼板の表面の酸化物
被膜を除去した後、化学研磨による平滑化処理、10
%HClによる酸洗処理を施した。ついで、珪素鋼板を、15
00ccの蒸留水中に SiCl4溶液:20ccとSiO2:5gを溶解
した80℃の水溶液中に20秒間浸積した後、 N2(50%)+H2
(50%) 混合ガス中にて900 ℃で5分間の熱処理施した。
その後、リン酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成
分とする張力絶縁被膜用コーティング液:250 ccを1500
ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:20cc,AlPO4:10
g, H3BO4:10gを複合添加した処理液(80℃)中に20
秒間浸漬した。このときの重量減少は約0.06gすなわち
板厚減少量は約 1.2μm であった。ついで、 N2(93%)+
H2(7%)混合ガス中において 900℃で5分間の熱処理を施
し、厚み:0.3 μm の下地被膜を形成した。その後、鋼
板表面にリン酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成
分とする張力絶縁被膜用コーティング液を、塗布・乾燥
後、800 ℃で焼き付けて、厚み:約2μm の張力絶縁被
膜を被成した。
【0073】かくして得られた製品の磁気特性、密着性
および磁歪特性は次のとおりであった。 平滑化処理を施した場合 磁気特性 B8 : 1.93 T W17/50 : 0.64 W/kg 密着性 直径:15mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。 磁歪特性 圧縮応力σ=0.4 kg/mm2の時の磁気ひずみλPP= 0.8×10-6 〃 =0.6 kg/mm2の時の磁気ひずみλPP= 1.1×10-6 であり良好な値を示した。 酸洗処理を施した場合 磁気特性 B8 : 1.92 T W17/50 : 0.67 W/kg 密着性 直径:15mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。 磁歪特性 圧縮応力σ=0.4 kg/mm2の時の磁気ひずみλPP= 0.9×10-6 〃 =0.6 kg/mm2の時の磁気ひずみλPP= 1.2×10-6 であり良好な値を示した。
【0074】実施例2 C:0.072 wt%, Si:3.36wt%, Mn:0.071 wt%, Se:
0.019 wt%, Sb:0.023 wt%, Al:0.019 wt%, N:0.
0073wt%およびMo:0.013 wt%を含有し、残部は実質的
にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1360℃で5時間
の加熱処理後、熱間圧延を施してて厚み:2.0 mmの熱延
板とした。ついで1000℃の均一化焼鈍を施した後、1000
℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の
最終冷延板とした。ついで、最終冷延板の表面に、アル
キド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキを
グラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向と
ほぼ直角な方向に幅:200 μm 、圧延方向の間隔:4mm
で線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で約20秒
間焼付けた。このときのレジスト厚は2μm であった。
このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、
電解エッチングを施すことにより、幅:200 μm 、深
さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸
漬してレジストを除去した。この時の電解エッチング
は、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20
秒間の条件で行った。
【0075】その後、 850℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(5%), CaO(25%), Al2
O3(30%), CaSiO3(10%), SiO2(30%)の組成になる焼鈍分
離剤をスラリ−塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍
後、 850℃から12℃/hの速度で1050℃まで昇温してゴス
方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させた後、1200
℃の乾H2中で純化処理を施した。かくして得られた珪素
鋼板の表面の酸化物被膜を除去した後、化学研磨により
一方向性珪素鋼板の表面を平滑化した。
【0076】ついで、珪素鋼板を、1500ccの蒸留水中に
SiCl4:15ccと FeCl3:10gを混入した85℃の水溶液中
に10秒間浸積した後、 950℃の N2(50%):H2(50%) 混合
ガス中で処理した。その後、さらにリン酸マグネシウム
とコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜用コー
ティング液:250 ccを1500ccの蒸留水で薄めた希釈液中
に SiCl4:25cc, AlCl3: 5g, H3BO4:10gを複合添
加した処理液(80℃)中に20秒間浸漬した。このときの
重量減少は約0.04gすなわち板厚減少量は約 0.8μm で
あった。ついで、 N2(93%)+H2(7%)混合ガス中において
900℃で10分間の熱処理を施し、厚み:0.2 μm の下地
被膜を形成した。その後、鋼板表面にリン酸マグネシウ
ムとコロイダルシリカを主成分とする張力絶縁被膜用コ
ーティング液を、塗布・乾燥後、800 ℃で焼き付けて、
厚み:約1.5μm の張力絶縁被膜を被成した。
【0077】かくして得られた製品の磁気特性および密
着性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.90 T W17/50 : 0.58 W/kg 密着性 直径:10mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0078】また、化学研磨をせず、酸洗処理ままの鋼
板の表面に、上記と同様の条件で、前処理、下地被膜処
理および張力絶縁被膜処理を施して得た製品の磁気特性
および密着性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.90 T W17/50 : 0.64 W/kg 密着性 直径:10mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0079】実施例3 C:0.042 wt%, Si:3.36wt%, Mn:0.068 wt%, Se:
0.022 wt%, Sb:0.025 wt%およびMo:0.012 wt%を含
有し、残部は実質的にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブ
を、1330℃で4時間加熱処理後、熱間圧延を施して厚
み:2.4 mmの熱延板とした。ついで、 950℃の均一化焼
鈍後、 980℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して
0.23mm厚の最終冷延板とした。その後、最終冷延板の表
面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジス
トインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部が
圧延方向とほぼ直角な方向に幅:200 μm 、圧延方向の
間隔:4mmで線状に残存するように塗布したのち、200
℃で約20秒間焼付けた。このときのレジスト厚は2μm
であった。このようにしてエッチングレジストを塗布し
た鋼板に、電解エッチングを施すことにより、幅:200
μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶
剤中に浸漬してレジストを除去した。この時の電解エッ
チングは、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時
間:20秒間の条件で行った。
【0080】ついで、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(5%), Al2O3(50%), C
aSiO3(5%), SiO2(40%) の焼鈍分離剤をスラリ−塗布
し、ついで 850℃で50時間の保定焼鈍によりゴス方位に
強く集積した2次再結晶粒を発達させた後、1200℃の乾
H2中で純化処理を施した。
【0081】かくして得られた珪素鋼板の表面の酸化物
被膜を除去した後、化学研磨により一方向性珪素鋼板の
表面を平滑化した。ついで、珪素鋼板を、1500ccの蒸留
水中に SiCl4:15ccを混入した90℃の水溶液中に15秒間
浸積した後、900 ℃の N2(50%):H2(50%) 混合ガス中で
処理した。その後、リン酸塩アルミニウムとコロイダル
シリカを主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液:
100 ccを1500ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:15
cc, AlCl3:5g, H3BO4:5gを複合添加した処理液
(85℃)中に15秒間浸漬した。このときの重量減少は約
0.08gすなわち板厚減少量は約 1.6μm であった。つい
で、 N2(93%)+H2(7%)混合ガス中において 880℃で3分
間の熱処理を施し、厚み:0.4 μm の下地被膜を形成し
た。その後、鋼板表面にコロイダルシリカとリン酸塩を
主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液を、塗布・
乾燥後、800 ℃で焼き付けて、厚み:約 2.5μm の張力
絶縁被膜を被成した。
【0082】かくして得られた製品の磁気特性および密
着性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.88 T W17/50 : 0.63 W/kg 密着性 直径:15mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。 その後、この製品に 800℃での3時間の歪み取り焼鈍を
行った時の磁気特性は次のとおりであった。 このように歪取焼鈍にも耐える珪素鋼板であることがわ
かる。
【0083】また、化学研磨をせず、酸洗処理ままの鋼
板の表面に、上記と同様にして、前処理、下地被膜処理
および張力絶縁被膜処理を施して得た製品の磁気特性お
よび密着性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.88 T W17/50 : 0.67 W/kg 密着性 直径:10mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0084】実施例4 C:0.074 wt%, Si:3.31wt%, Mn:0.076 wt%, Se:
0.020 wt%, Sb:0.023 wt%, Al:0.020 wt%, N:0.
0071wt%およびMo:0.012 wt%を含有し、残部は実質的
にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1340℃で5時間
の加熱処理後、熱間圧延を施してて厚み:2.0 mmの熱延
板とした。ついで1000℃の均一化焼鈍を施した後、1000
℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の
最終冷延板とした。ついで、最終冷延板の表面に、アル
キド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキを
グラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向と
ほぼ直角な方向に幅:200 μm 、圧延方向の間隔:4mm
で線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で約20秒
間焼付けた。このときのレジスト厚は2μm であった。
このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、
電解エッチングを施すことにより、幅:200 μm 、深
さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸
漬してレジストを除去した。この時の電解エッチング
は、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20
秒間の条件で行った。
【0085】その後、 850℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(5%), CaO(25%), Al2
O3(30%), CaSiO3(10%), SiO2(30%), PbCl2(20%)の組成
になる焼鈍分離剤をスラリ−塗布し、ついで 850℃で15
時間の焼鈍後、 850℃から12℃/hの速度で1050℃まで昇
温してゴス方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させ
た後、1200℃の乾H2中で純化処理を施した。かくして得
られた珪素鋼板の表面の酸化物被膜を除去した後、化学
研磨により一方向性珪素鋼板の表面を平滑化した。
【0086】ついで、珪素鋼板を、1500ccの蒸留水中に
SiCl4:15ccと FeCl3:5gを混入した85℃の水溶液中
に10秒間浸積した。その後、リン酸マグネシウムとクロ
ム酸を主成分とする絶縁被膜用コーティング液:250 cc
を1500ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:15cc, A
lCl3:5g, H3BO4:5gを複合添加した処理液(80
℃)中に20秒間浸漬した。このときの重量減少は約0.02
gすなわち板厚減少量は約 0.4μm であった。ついで、
リン酸マグネシウムとクロム酸を主成分とする絶縁被膜
用コーティング液を 0.5μm 厚みで形成したのち、さら
にその上にコロイダルシリカとリン酸マグネシウムを主
成分とする張力絶縁被膜用コーティング液を、塗布・乾
燥後、800 ℃で焼き付けて、厚み:約 1.0μm の張力絶
縁被膜を被成した。
【0087】かくして得られた製品の磁気特性および密
着性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.91 T W17/50 : 0.63 W/kg 密着性 直径:10mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0088】また、化学研磨をせず、酸洗処理ままの鋼
板の表面に、上記と同様の条件で、前処理、下地被膜処
理および絶縁被膜処理を施して得た製品の磁気特性およ
び密着性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.91 T W17/50 : 0.67 W/kg 密着性 直径:10mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0089】実施例5 C:0.076 wt%, Si:3.41wt%, Mn:0.078 wt%, Se:
0.019 wt%, Sb:0.025 wt%, Al:0.020 wt%, N:0.
0076wt%およびMo:0.012 wt%を含有し、残部は実質的
にFeの組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350℃で 4時間
の加熱処理後、熱間圧延を施してて厚み:2.0 mmの熱延
板とした。ついで1000℃の均一化焼鈍を施した後、1020
℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.23mm厚の
最終冷延板とした。ついで、最終冷延板の表面に、アル
キド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキを
グラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向と
ほぼ直角な方向に幅:200 μm 、圧延方向の間隔:4mm
で線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で約20秒
間焼付けた。このときのレジスト厚は2μm であった。
このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、
電解エッチングを施すことにより、幅:200 μm 、深
さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸
漬してレジストを除去した。この時の電解エッチング
は、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20
秒間の条件で行った。
【0090】その後、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結
晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(5%), CaO(25%), Al2
O3(30%), CaSiO3(10%), SiO2(30%)の組成になる焼鈍分
離剤をスラリ−塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍
後、 850℃から12℃/hの速度で1050℃まで昇温してゴス
方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させた後、1200
℃の乾H2中で純化処理を施した。かくして得られた珪素
鋼板の表面の酸化物被膜を除去した後、化学研磨により
一方向性珪素鋼板の表面を平滑化した。
【0091】ついで、真空グロ−ボックスでN2 ガス雰
囲気中で珪素鋼板を処理した。すなわち、珪素鋼板を、
1500ccの蒸留水中に SiCl4:25ccと AlNO3: 5gを混入
した90℃の水溶液中に10秒間浸積した後、N2 ガス雰囲
気中に5秒間曝した。この処理を3回繰り返し行った。
その後、さらにリン酸マグネシウムとコロイダルシリカ
を主成分とする張力絶縁被膜用コーティング液:250 cc
を1500ccの蒸留水で薄めた希釈液中に SiCl4:25cc, A
lCl3: 5g, H3BO4:10gを複合添加した処理液(80
℃)中に20秒間浸漬した。このときの重量減少は約0.04
gすなわち板厚減少量は約 0.8μm であった。その後、
鋼板表面にリン酸マグネシウムとコロイダルシリカを主
成分とする張力絶縁被膜用コーティング液を、塗布・乾
燥後、800 ℃で焼き付けて、厚み:約 1.5μm の張力絶
縁被膜を被成した。
【0092】かくして得られた製品の磁気特性および密
着性は次のとおりであった。 磁気特性 B8 : 1.90 T W17/50 : 0.57 W/kg 密着性 直径:20mmの丸棒上での 180°曲げを行っても剥離が無く、良好 であった。
【0093】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、鉄損特性お
よび磁歪特性に優れた一方向性珪素鋼板を、従来に比べ
て極めて安価にしかも高生産性の下で得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】張力絶縁被膜用コーティング液の塗布前におけ
る板厚減少量と製品板の鉄損特性W17/50(W/kg) との関
係を示した図である。
【図2】極薄下地被膜中に分散させたSiの窒化・酸化物
中における酸化物組成を示した図である。
【図3】化学研磨材と SiCl 材の表面N濃度を比較して
示したグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚が0.05〜0.5 mmの仕上焼鈍済みの一
    方向性珪素鋼板を、SiCl4 または SiCl4を主成分とする
    塩化物の水溶液中に浸漬して地鉄表面を溶解したのち、
    その表面に、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とす
    る張力絶縁被膜用コーティング液を水で薄めた希釈液中
    にFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または2種
    以上を含む無機化合物を微量添加した処理液を、塗布・
    乾燥したのち、常法に従ってリン酸塩とコロイダルシリ
    カを主成分とする張力絶縁被膜を被成することを特徴と
    する超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 板厚が0.05〜0.5 mmの仕上焼鈍済みの一
    方向性珪素鋼板を、SiCl4 または SiCl4を主成分とする
    塩化物の水溶液中に浸漬して地鉄表面を溶解したのち、
    その表面に、リン酸塩とコロイダルシリカを主成分とす
    る張力絶縁被膜用コーティング液を水で薄めた希釈液中
    にFe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または2種
    以上を含む無機化合物を微量添加した処理液を、塗布・
    乾燥したのち、非酸化性雰囲気中で短時間の熱処理を施
    すことによって、該鋼板の表面に張力絶縁被膜成分中に
    Fe, Si, AlおよびBのうちから選んだ1種または2種以
    上の窒化・酸化物を微細に分散させた極薄下地被膜を被
    成し、ついで常法に従ってリン酸塩とコロイダルシリカ
    を主成分とする張力絶縁被膜を被成することを特徴とす
    る超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、SiCl4 また
    は SiCl4を主成分とする塩化物水溶液中への浸漬処理
    後、鋼板表面を含N非酸化性雰囲気中に曝す暴露処理を
    行うことを特徴とする超低鉄損一方向性珪素鋼板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、鋼板の
    地鉄表面に、圧延方向と交差する向きに2〜10mmの間隔
    で、幅:50〜500 μm 、深さ:0.1 〜50μmの線状の凹
    領域を設けたことを特徴とする超低鉄損一方向性珪素鋼
    板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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