JPH10245667A - 超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造方法

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JPH10245667A
JPH10245667A JP5156097A JP5156097A JPH10245667A JP H10245667 A JPH10245667 A JP H10245667A JP 5156097 A JP5156097 A JP 5156097A JP 5156097 A JP5156097 A JP 5156097A JP H10245667 A JPH10245667 A JP H10245667A
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silicon steel
tension
ultra
thin silicon
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Masao Iguchi
征夫 井口
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CVD、イオンプレーティング、イオンイン
プランテーションのような真空処理法以外の方法により
極薄一方向性けい素鋼板の鋼板表面上にセラミックの張
力被膜の被成させて、鉄損の低い一方向性けい素鋼板を
安価で極めて安定した方法で製造する。 【解決手段】 現行の平滑化した極薄けい素鋼板表面上
に プラズマ溶射法を用いて種々の酸化物、窒化物、炭化
物のうちから選んだ1種又は2種以上の張力被膜を被成
させること、 0.05〜5MPa の張力付加した極薄けい素鋼板表面上に
これらの張力被膜を被成させること、 大気中あるいは非酸化性雰囲気中であるいはの処
理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アモルファス合
金薄帯と同程度の超低鉄損を有する、製品板厚の極く薄
い一方向性けい素鋼板の製造方法に関するもので、この
方法によって製造される超低鉄損一方向性極薄けい素鋼
板は、トランスなどの鉄心材料として有利に使用され
る。
【0002】
【従来の技術】一方向性けい素鋼板は、主として変圧器
その他の電気機器の鉄心として利用され、ここに磁気特
性が優れていること、すなわち磁気特性として磁束密度
(B8値で代表される)が高く、また鉄損(W17/50で代
表される)が低いことが要求される。一方向性けい素鋼
板の磁気特性を向上させるためには、第一に鋼板中の二
次再結晶粒の〈001〉軸を圧延方向に高度に揃える必
要があり、第二には最終製品中に残存する不純物や析出
物をできるだけ少なくする必要がある。
【0003】このため N.P.Goss によって一方向性けい
素鋼板の2段冷延による基本的な製造技術が提案されて
以来、その製造技術に数多くの改善が重ねられ、一方向
性けい素鋼板の磁束密度及び鉄損値は年を追って改善さ
れてきた。その中で特に代表的なものは、SbとSe又はS
とをインヒビターとして利用する特公昭51−1346
9号公報に記載の方法であり、この方法によればB8
1.88Tを超える製品が得られるようになった。
【0004】更に高磁束密度の製品を得るために、特公
昭57−14737号公報では素材中にMoを複合添加さ
せたり、また、特公昭62−42968公報では素材中
にMoを複合添加させた後、最終冷延直前の中間焼鈍後に
急冷処理を施すなどの改良を加えることにより、B8
1.90T以上の高磁束密度で、鉄損W17/50が1.05W/kg(製
品板厚:0.30mm厚)以下の超低鉄損を得ることが開示提
案されたが、さらなる低鉄損化の要請に対し、なお改良
すべき点が残されていた。特に最近では、十数年前のエ
ネルギー危機を境として電力損失の極めて少ないことへ
の要請が著しく強まり、鉄心材料の用途ではより一層の
改善が望まれている。そのため渦電流損をできる限り小
さくすることを目的として、製品板厚を薄くした0.23mm
厚(9mill)以下のものが数多く使用されるようになっ
てきた。
【0005】一方、これらの一方向性けい素鋼板とは別
に、特公昭55−19976号公報、特開昭56−12
7749号公報、特開平2−3213号公報において開
示されているような非晶質合金薄帯が通常の電力用トラ
ンスや高周波トランス等の材料として注目されてきてい
る。このような非晶質材料は、通常の一方向性けい素鋼
板に比較して非常に優れた鉄損特性が得られるものの、
熱的安定性に欠ける、占積率が悪い、切断が容易でな
い、あまりにも薄く脆いためトランスの組み立て工数の
コストアップが大きい等、実用上の不利な点が多く、大
量に使用されるには至っていないのが現状である。
【0006】このように非晶質材料には不利な点がある
ため、一方向性素けい素鋼板に関して発明者は、特開平
4−45274号公報において、製品板厚の極く薄い一
方向性けい素鋼板上にCVD、イオンプレーティング、
イオンインプランテーションにより、Si, Mn, Cr, Ni,
Mo, W,V,Ti, Nb, Ta, B, Cu, Zr, Cu, Zr, Af及び
Arの窒化物、炭化物のうちから選んだ1種又は2種以上
の張力被膜を被成させることによって超低鉄損を得たも
のを開示した。かかる一方向性けい素鋼板は、非晶質合
金としての通常の電力用トランスや高周波トランス等用
の材料と同じ程度の、非常に優れた鉄損特性が得られ
る。しかし、CVD、イオンプレーティング、イオン
インプランテーションといった高真空中での処理を必要
としているので、製品コストが極めて高い、CVD、
イオンプレーティング、イオンインプランテーションの
技術は高度で、まだ解決されなければならない技術課題
が残存する等の理由から、工業化により大量生産される
までには至っていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
CVD、イオンプレーティング、イオンインプランテー
ションといった高真空中での処理を施すことなしに、非
晶質合金薄帯に匹敵する優れた低鉄損特性を有する一方
向性けい素鋼板を製造することのできる方法を提案する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の要請に応えるべ
く、あらゆる観点において根本的な再検討を加えた結
果、現行の平滑化した極薄けい素鋼板表面上に プラズマ溶射法を用いて種々の酸化物、窒化物、炭化
物のうちから選んだ1種又は2種以上の張力被膜を被成
させること、 0.05〜5MPa の張力付加した極薄けい素鋼板表面上に
これらの張力被膜を被成させること、 大気中あるいは非酸化性雰囲気中であるいはの処
理を行うことが特に有利であることを見い出した。
【0009】かかる知見に立脚するこの発明は、0.01〜
0.15mm厚の平滑化した極薄けい素鋼板の表面上に、プラ
ズマ溶射法を用いて酸化物、窒化物、炭化物のうちから
選んだ1種又は2種以上の張力被膜を、大気中あるいは
非酸化性雰囲気中で被成させることを特徴とする超低鉄
損一方向性極薄けい素鋼板の製造方法である。また、こ
の発明は、0.01〜0.15mm厚の平滑化した極薄けい素鋼板
の表面上に、0.05〜5MPa の張力付加の下で、酸化物、
窒化物、炭化物のうちから選んだ1種又は2種以上の張
力被膜を、大気中あるいは非酸化性雰囲気中で被成させ
ることを特徴とする超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の
製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明による成功が導か
れるに至った経緯及び発明の内容を具体的に説明する。
さて、発明者らは、平滑化した極薄けい素鋼板表面上に
種々の酸化物、窒化物、炭化物のうちから選んだ1種又
は2種以上の張力被膜を被成させて超低鉄損の製品を、
安定した工程により得るためには、極薄けい素鋼板の素
材成分から最終の処理工程に至るまでの根本的な再検討
が必要であるとの認識に立って、けい素鋼板の集合組織
の追跡から最終のCVDやPVD処理工程に至るまで鋭
意検討を重ねた末に、この発明を完成させるに至ったの
である。
【0011】この発明を完成するに至る実験について説
明する。C:0.069 wt%(以下、単に「%」で示
す。)、Si:3.48%、Mn:0.082 %、Se:0.021 %、S
b:0.028 %、Al:0.026 %、N:0.0081%及びMo:0.0
13 %を含有するけい素鋼板用連鋳スラブを、1360℃、
4時間の加熱処理後、熱間圧延を施して板厚2.0 mmの熱
延板とした。この熱延板に980 ℃、3分間の均一化焼鈍
を施した後、960 ℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を
行って板厚0.15mmの最終冷延板とした。その後、840 ℃
の湿水素雰囲気中で脱炭・1次再結晶焼鈍を行った後、
鋼板表面にMgO を主成分とする焼鈍分離剤をスラリー塗
布し、次いで850 ℃から8℃/hr の昇温速度で1050℃ま
で昇温してゴス方位に強く集積した二次再結晶粒を発達
させた後、1220℃の乾水素中で純化処理を施した。
【0012】かくして得られた製品の表面の被膜を除去
した後、化学研磨によりけい素鋼板の表面を平滑化し、
その後、 Ar雰囲気中でのプラズマ溶射により、けい素鋼板表面
上にAl2O3 を約0.5 μm 被成した、 けい素鋼板に1.5 MPa の引っ張り張力を付加しながら
Ar雰囲気中でのプラズマ溶射により、けい素鋼板表面上
にAl2O3 を約0.5 μm 被成した、 N2ガス雰囲気中で、けい素鋼板に1.5 MPa の引っ張り
張力を付加しながらプラズマ溶射により、けい素鋼板表
面上にAl2O3 を約0.5 μm 被成した、 通常の二次再結晶処理を施したまま(比較材)、の4
種のけい素鋼板について、磁気特性を測定した。その結
果を表1に示す。また、比較のためにとして非晶質材
料(Fe92 3 Si5 0.1 )(wt%)の磁気特性値を併
せて表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1から明らかなように、この発明に従う
,,の条件では、の通常のけい素鋼板鋼板(比
較材)はW13/50(W/kg)が0.45W/kgであるのに比較して、
W13/ 50(W/kg)がそれぞれ0.26W/kg, 0.15W/kg, 0.14W/kg
で、顕著に優れていることが注目される。特に、,
の条件では、の非晶質材料(20μm 厚)と比べても同
程度の優れた磁気特性値であることが注目される。ま
た、この, の条件の極薄けい素鋼板の板厚は150 μ
m で、の非晶質材料の20μm 厚に比較して7〜8倍の
厚みであることも注目される。
【0015】次に、上述の実験に用いたのと同じ試料を
用いて、プラズマ溶射により、けい素鋼板表面上にAl2O
3 を約0.5 μm 被成し、その時のけい素鋼板への張力と
雰囲気とを種々に変えた場合の磁気特性の変化を図1に
まとめて示す。図1から明らかなように、けい素鋼板へ
の引っ張り張力が 1.5〜5PMa の範囲において磁気特性
が極めて優れた製品が得られること、そして、その場合
のプラズマ溶射の雰囲気は、酸化性雰囲気を除いて良好
な磁気特性が得られることが注目される。すなわち、表
面を平滑化した極薄のけい素鋼板では、張力の付加の作
用が板厚が厚い場合よりも顕著となり、わずかの引っ張
り張力で磁壁間移動が容易になるので超低鉄損化が可能
であり、その場合、プラズマ溶射の雰囲気によっても磁
気特性が異なることが明らかとなった。
【0016】以上のように、この発明における磁気特性
の顕著な向上は、Goss方位に強く集積した二次再結晶粒
を発達させた極薄のけい素鋼板の表面を平滑化して磁壁
の移動を容易にし、その上に引っ張り張力を付加しなが
ら非酸化雰囲気中で張力被膜の付加により超低鉄損化が
可能であることを発見したのが特徴であり、従来の高真
空中でのプラズマコーティングと異なり、極めて安価で
セラミック被覆が安定してできることが強調できる。
【0017】以上述べたとおり、この発明は従来の高真
空中のPVD,CVDによるプラズマコーティングとは
全く異なった手法により、磁気特性の優れた極薄一方向
性けい素鋼板を用いて、最適な張力付加と、非酸化性雰
囲気中での安価でかつ安定したプラズマ溶射法によるセ
ラミックの張力被膜の被成によって有効な磁区細分化が
可能であることを発見したものであり、この技術の斬新
性、この技術によって得られる効果も従来に比較して画
期的であることが強調できる。
【0018】この発明の素材である含けい素鋼として
は、従来公知の成分組成いずれもが適合するが、代表組
成を揚げると次のとおりである。 〔C:0.01〜0.08%〕Cは、0.01%より少ないと熱延集
合組織の抑制が不十分となって大きな伸長粒が形成され
るため磁気特性が劣化し、一方0.08%より多いと脱炭工
程で脱炭に時間がかかり経済的でないので、0.01〜0.08
%程度が好ましい。
【0019】〔Si:2.0 〜4.0 %〕Siは、2.0 %より少
ないと電気抵抗が低く渦流損失の増大に基づく鉄損特性
の劣化が大きく、一方 4.0%より多いと冷延の際にぜい
性割れが生じ易くなるので、2.0 〜4.0 %程度の範囲と
することが好ましい。
【0020】〔Mn:0.01〜0.2 %〕Mnは、一方向性けい
素鋼板の二次再結晶を左右する分散析出相としてのMnS
あるいはMnSeの分散状況を決定する重要な成分である。
すなわち、Mn量が0.01%を下回ると二次再結晶を起こさ
せるのに必要なMnS 等の絶対量が不足し、不完全二次再
結晶を起こすと同時に、ブリスターと呼ばれる表面欠陥
が増大する。一方0.2 %を超えると、スラブ加熱等にお
いてMnS などの解離固溶が困難になる。また仮に解離固
溶がおこなわれたとしても、熱延時に析出する分析析出
相は粗大化し易く、抑制剤として望まれる最適サイズの
分布が損なわれて磁気特性が劣化するので、Mnは0.01〜
0.2 %程度が好ましい。
【0021】S,Seは何れも0.1 %以下、なかでもSは
0.008 〜0.1 %、又はSeは0.003 〜0.1 %の範囲とする
ことが好ましい。それというのはこれらが0.1 %を超え
ると熱間及び冷間加工性が劣化し、一方、それぞれの下
限値に満たないとMnS, MnSeとしての一次粒成長抑制機
能に格別の効果を生じないからである。その他インヒビ
ターとして従来公知のAl, Sb, Mo, Cu, Sn及びB等を復
号添加しても、この発明の効果を妨げるものではない。
【0022】次にこの発明による一連の製造工程につい
て説明する。まず、素材を溶製するには転炉、電気炉、
平炉その他の公知の製鋼方法を用いて得ることはもちろ
んのこと、真空溶解等の真空処理を併用することもでき
る。この発明に従い素材中に含有されるS,Seあるいは
その他の一次粒成長抑制剤を溶鋼中に微量添加する方法
としては、従来公知の何れの方法を用いてもよく、例え
ばLD転炉、RH脱ガス終了時あるいは造塊時の溶鋼中
に添加することができる。
【0023】次にスラブ製造は、コスト低減、更にはス
ラブ長手方向における成分あるいは品質の均一性等の経
済的・技術的利点のため連続鋳造法の採用が有利ではあ
るが、従来の造塊スラブの使用を妨げるものではない。
連続鋳造以後の工程は所定の条件下で実施することが肝
要である。この連続鋳造スラブは、スラブ中のインヒビ
ターを解離、固溶させるため1300℃以上の温度に加熱さ
れる。その後このスラブは熱間粗圧延、更に熱間仕上圧
延を施されて、通常厚み1.3 〜3.3 mm程度の熱延板とさ
れる。
【0024】次に熱延板は、必要に応じ 850〜1100℃の
温度範囲の中間焼鈍を挟んで2回実施して最終冷延とす
るが、高磁束密度で低鉄損の特性を有する製品を得るに
は、最終冷延率(通常55〜90%程度)に注意を払う必要
がある。このときの製品板厚は0.15〜0.01mm程度が好適
である。最終冷延を終え、製品板厚となった鋼板は次に
脱炭焼鈍に供される。この焼鈍は冷延組織を一次再結晶
組織にすると同時に、最終焼鈍で{110}〈001〉
方位の二次再結晶粒を発達させる場合に有害なCを除去
することを目的とし、例えば 750〜880 ℃の湿水素中で
行う。
【0025】最終焼鈍は、{110}〈001〉方位の
二次再結晶粒を十分発達させるために施されるもので、
通常箱焼鈍によって直ちに1000℃以上に昇温し、その温
度に保持することによって行われる。この最終焼鈍は通
常、マグネシア等の焼鈍分離剤をあらかじめ塗布してか
ら行う。この発明において{110}〈001〉方位に
高度に集積した二次再結晶組織を発達させるためには、
820 ℃から900 ℃の低温で保定焼鈍する方が有利である
が、その他、例えば0.5 〜15℃/h程度の昇温速度の徐熱
焼鈍でも良い。
【0026】最終焼鈍の後は、鋼板表面に形成されたフ
ォルステライト質被膜等の下地被膜を除去する処理の後
に、化学研磨、電解研磨などの電気化学的研磨やバフ研
磨などの機械的研磨あるいはそれらの組み合わせ等、従
来公知の手法により鋼板表面を平滑化する。平滑化の程
度は、中心平均粗さで0.01〜0.4 μmが好適である。
【0027】このような鋼板表面の平滑化処理の後のけ
い素鋼板表面には、溶射法を用いて種々のセラミック被
膜を被成するが、この際、この発明においては、鋼板表
面に0.5 〜5MPa の張力を付加すること、更に非酸性性
雰囲気中で行うことが特に有利である。また、この溶射
法は、プラズマ溶射等、現在公知の方法を用いることが
可能である。更にこれらセラミック被膜は0.005 〜5μ
m 程度の厚みで形成させるのが効果的である。
【0028】更に、このように形成したセラミック被膜
の上に従来公知の磁区細分化処理、例えば、レーザー照
射、プラズマ照射、溝形成処理等施すことも有効であ
り、これらの手法も好適に使用することができる。これ
らの処理した後、場合によっては、りん酸塩とコロイダ
ルシリカを主成分とする絶縁処理を施すことも好適に使
用できる。
【0029】
【実施例】
(実施例1)C:0.043 %、Si:3.42%、Mn:0.073
%、Se:0.021 %、Sb:0.026 %及びMo:0.014 %を含
有し、残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼連続鋳造
スラブを、1340℃、4時間の均熱処理後、熱間圧延を施
して、厚み1.8 mmの熱延板とした。その後900 ℃の均一
化焼鈍を施した後、950 ℃の中間焼鈍を挟む2回の圧延
を施して厚み0.15mmの最終冷延板とした。なお、圧延に
際しては 350℃の温間圧延を行った。その後、820 ℃の
湿水素中で脱炭・一次再結晶焼鈍後、鋼板表面上にMgO
をスラリー塗布してから、850 ℃、50時間の二次再結晶
焼鈍を行った後、1220℃の乾水素中で純化焼鈍を行っ
た。
【0030】その後、鋼板表面を酸洗、化学研磨処理に
より平滑化した後、プラズマ溶射法を用いて種々のセラ
ミック被覆(約1μm )を行った。なお、このセラミッ
ク被覆形成に際しては、約2.0 MPa の張力を付加しなが
ら、N2雰囲気中で行った。また、一部の試料は磁区細分
化処理も行った。かくして得られた製品の磁気特性を表
2に示す。なお、磁区細分化処理は、圧延方向に直角方
向に5mm間隔にナイフで微少歪を導入したものである。
【0031】
【表2】
【0032】(実施例2)C:0.074 %、Si:3.46%、
Mn:0.077 %、酸可溶Al:0.025 %、N:0.0074%、S
e:0.021 %、Mo:0.011 %、Cu:0.21%及びSb:0.023
%を含有し、残部は実質的にFeの組成になるけい素鋼
板連続鋳造スラブを、1260℃で40%の再圧処理後、昇温
速度1.5 ℃/minで1360℃まで徐熱し、引き続きこの温度
に4時間保定する均熱処理を施した後、熱延圧延を施し
て厚み1.8 mmの熱延板とした。次いで1050℃の均一化焼
鈍後、1000℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して
0.15mm厚の最終冷延板とした。なお、圧延に際しては、
300 ℃の温間圧延を行った。その後、840 ℃の湿水素中
で脱炭・一次再結晶焼鈍後、鋼板表面上にMgOをスラリ
ー塗布した後、850 ℃から12℃/hの昇温速度で1080℃ま
で昇温して二次再結晶させた後、1220℃の乾H2中で純化
焼鈍を行った。
【0033】その後鋼板表面は酸洗、化学研磨処理によ
り平滑化した後、プラズマ溶射法を用いて種々のAl2O3
のセラミック被覆(約1μm )を行った。なお、このセ
ラミック被覆形成に際しては、0〜3MPa の張力を付加
しながら、Ar雰囲気中で行った。これら製品の磁気特性
を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】以上この発明の詳細な方法及び実施例か
ら明らかなように、この発明の一方向性けい素鋼板の製
造方法は、磁気特性の優れた極薄一方向性けい素鋼板を
用いて、安価でかつ安定したプラズマ溶射法によるセラ
ミックの張力被膜の被成によって、一方向性けい素鋼板
を安価で極めて安定した方法で製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】張力と磁気特性の関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.01〜0.15mm厚の平滑化した極薄けい素
    鋼板の表面上に、プラズマ溶射法を用いて酸化物、窒化
    物、炭化物のうちから選んだ1種又は2種以上の張力被
    膜を、大気中あるいは非酸化性雰囲気中で被成させるこ
    とを特徴とする超低鉄損一方向性極薄けい素鋼板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 0.01〜0.15mm厚の平滑化した極薄けい素
    鋼板の表面上に、0.05〜5MPa の張力付加の下で、酸化
    物、窒化物、炭化物のうちから選んだ1種又は2種以上
    の張力被膜を、大気中あるいは非酸化性雰囲気中で被成
    させることを特徴とする超低鉄損一方向性極薄けい素鋼
    板の製造方法。
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