JPH11333564A - チタンクラッド薄鋼板と鋼体との溶接部防食構造 - Google Patents

チタンクラッド薄鋼板と鋼体との溶接部防食構造

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JPH11333564A
JPH11333564A JP10145236A JP14523698A JPH11333564A JP H11333564 A JPH11333564 A JP H11333564A JP 10145236 A JP10145236 A JP 10145236A JP 14523698 A JP14523698 A JP 14523698A JP H11333564 A JPH11333564 A JP H11333564A
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JP
Japan
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titanium
steel sheet
thin
steel
welded
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JP10145236A
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English (en)
Inventor
Yasushi Tanaka
靖 田中
Shigeru Nakagawa
茂 中川
Mitsugi Fusamae
貢 房前
Yoshibumi Fujimoto
義文 藤本
Toshio Takano
俊夫 高野
Yoshiaki Shimizu
義明 清水
Moriaki Ono
守章 小野
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタンクラッド薄鋼板が溶接された鋼体の耐
食性を向上させる。 【解決手段】 チタンクラッド薄鋼板2を鋼矢板1に溶
接にてライニングする構造において、チタンクラッド薄
鋼板2の端面2cおよび前記溶接によって生じた溶接金
属部3をチタン薄板4でカバーして封止する。その際、
チタン薄板4とチタンクラッド薄鋼板2とをチタン材5
を用いて溶接し、チタン薄板4と鋼矢板1とをロウ付け
材6を用いて溶接する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海水等に晒される
鋼矢板等の鋼体の耐食性を高めるための構造を提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術】港湾施設の護岸工事に多く使われる鋼矢
板には、40年〜50年程度の長期耐久性が期待されて
いる。耐久性を高めるためには海水に対する防食性能を
高めることが必要であり、この目的からポリエチレン、
あるいはウレタン系の重防食塗装を鋼矢板製造時に施
し、場合によっては電気防食を施さなくても優れた防食
性能を付与することが可能となっている。これらの重防
食塗装は鋼矢板製造時に作業環境の優れた工場において
行なうため、現地塗装に比べて品質的にも、コスト的に
も優れた方法として定着している。これらの重防食塗装
に対してさらに耐久性を高めた方法として、鋼矢板の防
食面に金属溶射被膜を介して一体に接した繊維強化性樹
脂層を有する防食鋼矢板(特開昭60−11675)、
あるいは鋼矢板に耐食性金属を冶金的に拡散接合するク
ラッド鋼矢板(特開平1−178608)が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術には以下のような問題点もある。重防食塗装
法は材料自体の長期防食性は優れているものの、流木等
により表面に損傷を受けやすく、耐衝撃性の点で問題が
ある。また、鋼矢板の表面に金属溶射被覆層を介して一
体に成形した繊維強化性樹脂層を有する防食鋼矢板は、
金属溶射層自体の鋼矢板との密着性が十分でない点、お
よび封孔処理が十分でない点により、総合的に耐食性が
十分とは言いがたい。その上、繊維強化層が流木などで
損傷を受ける可能性もある。さらに、鋼矢板に耐食性金
属を冶金的に拡散接合するクラッド鋼矢板は、長期防食
性能や流木などが原因となる耐衝撃性能に極めて優れた
性能を示すが、ウェブ部およびフランジ部において冶金
的に耐食金属を拡散接合させる方法が工業的に容易でな
くコスト高を招くうえに、また鉄と金属間化合物を形成
する金属との組み合わせでは界面の機械的性質に問題を
生じる可能性もある。
【0004】これに対して本発明者らは、チタンクラッ
ド薄鋼板を鋼矢板等の鋼体に溶接固定することにより優
れた耐食性、耐衝撃特性を得ることが可能であることを
見出した。
【0005】図4はそれを利用した溶接部の構造であ
る。ここで、1は鋼矢板、2は薄鋼板2aとチタン2b
からなるチタンクラッド薄鋼板、3はチタンクラッド薄
鋼板を鋼矢板に溶接する際に生じた溶接金属部である。
この場合、チタンクラッド薄鋼板2と鋼矢板1の溶接に
はMAG溶接、TIG溶接あるいはCO2 溶接等が用い
られるが、その溶接部は海水に対する耐食性が鋼本体と
同等であるため、鋼本体と同様に腐食が進行することに
なる。特に、チタンクラッド薄鋼板の端面2cおよび溶
接金属部3から腐食が進行する。このような腐食が進行
すると、溶接部を固定している部分が外れることとな
り、チタンクラッド薄鋼板による防食に問題が出てきて
しまう。すなわち、これらの鋼矢板では、継手部、特に
溶接部において他の部分よりも耐食性が劣るという問題
があった。本願発明は、この課題を解決することを目的
としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、チタンクラッ
ド薄鋼板を鋼体に溶接にてライニングする構造におい
て、前記チタンクラッド薄鋼板の端面および前記溶接に
よって生じた溶接金属部をチタン薄板でカバーして封止
するようにしたものである。また、前記チタン薄板と前
記チタンクラッド薄鋼板とをチタン材を用いて溶接し、
前記チタン薄板と前記鋼体とをロウ付け材を用いて溶接
するようにしたものである。また、前記チタン薄板と前
記チタンクラッド薄鋼板との溶接端部近傍および前記チ
タン薄板と前記鋼体との溶接端部近傍における、前記チ
タン薄板と前記チタンクラッド薄鋼板との間隙および前
記チタン薄板と前記鋼体との間隙を、ロウ付け材を用い
て封止するようにしたものである。さらに、前記ロウ付
け材が、純Agロウ付け材あるいはチタンロウ付け材と
したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3に基づき、本発
明に係るチタンクラッド薄鋼板と鋼矢板との溶接部の構
造を説明する。なお、これらの図中、図4と同一符号は
同一又は相当物を表すものとする。図1の構造は本発明
の一形態であり、チタン薄板4を、チタンクラッド薄鋼
板2の端部とチタンを用いて隅肉溶接し(図1の番号5
で表示した部分)、また鋼矢板1とロウ付け材を用いて
TIG溶接やプラズマ溶接する(図1の番号6で表示し
た部分)ことにより、チタンクラッド薄鋼板2の端面2
c及び溶接金属部3をチタン薄板4で封止したものであ
る。
【0008】図2の構造は図1の構成に加えて、さら
に、チタン薄板4とチタンクラッド薄鋼板2との溶接端
部近傍およびチタン薄板4と鋼矢板1との溶接端部近傍
における、チタン薄板4とチタンクラッド薄鋼板2との
間隙およびチタン薄板4と鋼矢板1との間隙を、ロウ付
け材を用いて封止したものである。図2では、この封止
部を番号7で表している。
【0009】なお、ロウ付け材としては、純Agロウ付
け材やチタンロウ付け材等を用いることができる。この
構造によれば、チタンクラッド薄鋼板の端面2cや溶接
金属部3が海水と直接接することがなくなり、耐食性上
の問題が解決される。
【0010】本発明で提案された防食構造は、図3に示
す鋼矢板の干満帯Aおよび飛沫帯Bに位置する溶接部に
のみ適用すればよい。その他の部分は電気防食により防
食されるからである。本発明は、海水等に晒される鋼矢
板に対して適用することを念頭になされたものである
が、同様の使用状態、腐食環境であれば、他の用途の鋼
体にも適用できる。なお、鋼矢板にはその施工条件に適
した種々のサイズ、形状のものや、鋼管矢板もあるが、
本発明はそのいずれにも適用可能である。
【0011】
【実施例】有効幅500mmの鋼矢板に、曲げ加工され
たチタンクラッド薄鋼板(全厚5mm、チタン厚1m
m、Fe厚4mm)をMAG溶接する。そして、鋼矢板
とチタンクラッド薄鋼板の溶接部に、板厚1mmのチタ
ン薄板を用いて図1と同様にカバーを施した。すなわ
ち、チタン薄板とチタンクラッド薄鋼板の端部との隅肉
溶接はチタンを用いた溶接を行い、チタン薄板と鋼矢板
面では純Agロウ材を用いた溶接を行って、チタンクラ
ッド薄鋼板の端面およびMAG溶接部を封止した。さら
に、チタン薄板とチタンクラッド薄鋼板との溶接端部近
傍およびチタン薄板と鋼矢板との溶接端部近傍におけ
る、チタン薄板とチタンクラッド薄鋼板およびチタン薄
板と鋼矢板との間隙を、純Agロウ付け材を用いて封止
した。これを実施例1とする。
【0012】上記の実施例1に対して、上記の鋼矢板と
チタンクラッド薄鋼板の溶接部にチタン薄板のカバーを
施さないものを比較例1とする。
【0013】これらの実施例1、比較例1の試験材を、
海洋の干満帯や飛沫帯に1年間暴露し、海水耐食性の試
験を行った。その結果、実施例1では、ロウ付け材の溶
出、腐蝕、き裂および剥離等の異常が発生しなかったの
に対して、比較例1では、チタンクラッド薄鋼板の端面
および溶接金属部に腐蝕が発生した。これにより、実施
例1が優れた海水耐食性を有することが確認できた。
【0014】また、実施例1で用いた純Agロウ付け材
の代わりに、チタンロウ付け材を用いたものを実施例2
とし、一方、Ag−Cuを主成分とするロウ付け材を用
いたものを比較例2として、実施例1および比較例1の
場合と同様の海水耐食性の試験を行った。その結果、実
施例2では実施例1と同様に異常が生じなかったが、比
較例2ではロウ付け材の封止部から銅の溶出が発生し、
耐食性の点で実施例1および実施例2に劣ることが判明
した。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、チタンクラッド薄鋼板
を鋼体に溶接によりライニングする構造において、チタ
ンクラッド薄鋼板の端面および前記溶接によって生じた
溶接金属部をチタン薄板でカバーして封止したので、チ
タンクラッド薄鋼板と鋼体との溶接部においても他の部
分と同様な耐食性を得ることが可能となり、鋼体全体と
して優れた耐食性が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチタンクラッド薄鋼板と鋼矢板と
の溶接部の構造図である。
【図2】本発明の別の態様に係るチタンクラッド薄鋼板
と鋼矢板との溶接部の構造図である。
【図3】鋼矢板における干満帯Aおよび飛沫帯Bを示す
説明図である。
【図4】従来のチタンクラッド薄鋼板と鋼矢板との溶接
部の構造図である。
【符号の説明】
1 鋼矢板 2 チタンクラッド薄鋼板 3 溶接金属部 4 チタン薄板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B23K 103:24 (72)発明者 藤本 義文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 高野 俊夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 清水 義明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 小野 守章 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタンクラッド薄鋼板を鋼体に溶接にて
    ライニングする構造において、 前記チタンクラッド薄鋼板の端面および前記溶接によっ
    て生じた溶接金属部をチタン薄板でカバーして封止する
    ことを特徴とする、チタンクラッド薄鋼板と鋼体との溶
    接部防食構造。
  2. 【請求項2】 前記チタン薄板と前記チタンクラッド薄
    鋼板とをチタン材を用いて溶接し、 前記チタン薄板と前記鋼体とをロウ付け材を用いて溶接
    することを特徴とする請求項1記載の構造。
  3. 【請求項3】 前記チタン薄板と前記チタンクラッド薄
    鋼板との溶接端部近傍および前記チタン薄板と前記鋼体
    との溶接端部近傍における、前記チタン薄板と前記チタ
    ンクラッド薄鋼板との間隙および前記チタン薄板と前記
    鋼体との間隙を、ロウ付け材を用いて封止することを特
    徴とする請求項2記載の構造。
  4. 【請求項4】 前記ロウ付け材が、純Agロウ付け材あ
    るいはチタンロウ付け材であることを特徴とする請求項
    2又は3記載の構造。
JP10145236A 1998-05-27 1998-05-27 チタンクラッド薄鋼板と鋼体との溶接部防食構造 Withdrawn JPH11333564A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012006034A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Chiyoda Kako Kensetsu Kk 鋼製部材へのライニングプレートの固定構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012006034A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Chiyoda Kako Kensetsu Kk 鋼製部材へのライニングプレートの固定構造

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