JP2685110B2 - 表面処理厚鋼板 - Google Patents

表面処理厚鋼板

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JP2685110B2
JP2685110B2 JP3249076A JP24907691A JP2685110B2 JP 2685110 B2 JP2685110 B2 JP 2685110B2 JP 3249076 A JP3249076 A JP 3249076A JP 24907691 A JP24907691 A JP 24907691A JP 2685110 B2 JP2685110 B2 JP 2685110B2
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津 司 今
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性、溶接性、ガス
切断性、塗装性などの優れた性能を付与した鋼板に関
し、橋梁、造船、建設機械などに利用でき、構造物の塗
装寿命またはメインテナンスの期間を延長できる表面処
理厚鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】表面処理厚鋼板への要求としては、耐食
性が優れ、加工性、特に溶接性を損なわないことが挙げ
られる。
【0003】現状の表面処理厚鋼板としては、ショット
ブラスト後、ウォッシュプライマー塗布または、ジンク
リッチプライマー塗布材がある。これらは、いずれも溶
接時に、これらの被膜を剥離あるいは削り取らないと、
溶接に問題がある。
【0004】これらの被膜はいずれも、溶接時あるいは
ガス切断時に熱により劣化あるいは破壊されてしまい、
被膜としての性能を失ってしまう。
【0005】そこで、これらの問題を解決する対策とし
ては、溶接性等に支障のない金属で被膜を形成するか、
耐食性よりも溶接性を重視するため、ウォッシュプライ
マーなどの膜厚を小さくするかである。厚鋼板を用いた
構造物としては、加工後、塗装によって防食するので、
上塗り塗装性をも考慮すべきである。
【0006】従来、ショットブラスト後、ウォッシュプ
ライマーを塗布する表面処理厚鋼板は、耐食性について
は十分とは言えず、溶接時にはウォッシュプライマーを
剥離または削り取る必要があった。これは、現状のウォ
ッシュプライマー厚さでは、溶接時にブローホールやピ
ットが多発するためである。これを防止する対策として
は、ウォッシュプライマーを薄くするしかない。しか
し、ウォッシュプライマーを薄くすると耐食性が劣り、
下塗り時のケレン(さび除去等、鋼面の表面調整)作業
に工数が多くかかってしまう欠点があった。溶融亜鉛め
っき等を施した厚鋼板はあるが、この厚鋼板も溶接時に
はZnめっきを剥離または削り取る必要がある。ウォッ
シュプライマー塗布材同様、溶着金属部にブローホール
またはピットが多発する原因になるからである。
【0007】また、Zn系めっきの鋼板は、ガス切断性
が非常に劣り、Zn系めっきの融点が低いため、Zn系
めっきの焼損部が大きく、この部分の処理に多くの労力
が必要となる。さらに、この部分は、Zn系めっきの焼
損により、耐食性が劣る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの欠点を解消す
るために本出願人は、厚鋼板の表面にNiめっきを施
し、さらにその上にウォッシュプライマーを塗布する耐
食性に優れる金属材の下地処理方法を特開平2−225
691号で提案したが、この提案では溶接性に優れた下
地処理については全く触れていなかった。しかし、この
ように下地処理を施した厚板を用い、溶接により構造物
を作ることは避けられないため、耐食性はもちろんのこ
と溶接性に優れることが望まれていた。
【0009】本発明は、厚鋼板の耐食性を向上させると
ともに、優れた溶接性を付与し、下塗り塗装時の工数を
削減できる表面処理厚鋼板を提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、表面処理
厚鋼板の要求特性として次の5点を挙げ、この要求項目
をすべて満足すべき対策・検討を重ね、本発明に至っ
た。 耐食性…ウォッシュプライマー塗布材での耐食性が格
段に優れること。 溶接性…ブローホール、ピットの発生が現行材より少
ないこと。 切断性…ガス切断性が現行材(ショットブラスト+ウ
ォッシュプライマー塗布材)と同等か優れること。 塗装性…ウォッシュプライマーの付着性が長期間優
れ、あらゆる塗装系の下地となること。 作業性…ガス切断時、溶接時のヒュームなど、作業環
境を損なわないこと、溶接時のスパッターの剥離性が良
好なこと、本装時の下地手入れが簡単なこと等。
【0011】すなわち、上記目的を達成するために本発
明によれば、脱脂、酸洗またはショットブラストを施し
た板の少なくとも片面に、1μm以上3μm以下のNi
めっき層を備え、さらに、その上に7超〜15μmのウ
ォッシュプライマー塗布層を備え、Niめっき層が薄い
時にはウォッシュプライマー層を厚くし、Niめっき層
が厚い時にはウォッシュプライマー層を薄くすることを
特徴とする表面処理厚鋼板が提供される。
【0012】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】本発明では、Niめっきと薄ウォッシュプ
ライマー塗布により、加工時、特に溶接時に溶接部の手
入れが不要であったり、ガス切断のまま、溶接ができれ
ば作業能率が格段に向上させられることを狙ったもので
ある。
【0014】Niめっきのみでは、めっき金属が、鋼よ
り貴な金属であるため、めっき時のピンホールや傷が付
くと問題があるため、ウォッシュプライマーとの併用
で、その欠点を補った。
【0015】Niめっき+ウォッシュプライマーで防食
し、薄ウォッシュプライマーで溶接性を向上、塗装性を
維持させたものである。
【0016】ウォッシュプライマー15μm塗布の場
合、Niめっき厚さは、1μmでも効果は認められ、3
μm以上になると耐食性は格段に向上する。
【0017】ウォッシュプライマー膜厚は、耐食性には
大きいほうがよいが、溶接性等には小さいほうがよい。
従来のように、溶接時にウォッシュプライマーを除去す
るのであれば、15μm程度でもよく、ウォッシュプラ
イマーを除去しない場合は10μm以下で優れた溶接性
が得られる。溶接性重視か耐食性重視かによって、めっ
き厚さとウォッシュプライマー厚さを選択すればよい。
また、Niめっき面は、ウォッシュプライマーをはじめ
各種プライマーの付着性が良好であるため、ウォッシュ
プライマーがない面でも優れた塗装性が得られる。
【0018】
【実施例および比較例】 まず、耐食性についてである
が、表1に示すめっき条件により厚鋼板(幅100mm
×長さ150mm×厚さ12mm)の片面に0〜10μ
mNiめっきを行い、ウォッシュプライマーを18μm
塗布し、100時間、400時間の塩水噴霧試験および
飛沫帯での3カ月間の腐食試験を行い、Niめっき厚さ
と点さびおよびふくれ発生数を調査した。比較のため、
現行材(ショットブラスト+ウォッシュプライマー18
μm塗布材)も試験した。その結果を図2に示す。ウォ
ッシュプライマーとしては、例えば関西ペイント社製メ
タラクトH15を挙げることができるがこれに限るもの
ではない。
【0019】図より、Niめっき厚さが1μm以上あ
ると、比較材の現行材に比べて、点さびおよびふくれ発
生数は激減し、3μm、5μm以上のNiめっき厚さに
なると点さびおよびふくれ発生数はほとんど発生しなく
なり、優れた耐食性を示した。
【0020】以上のように、Niめっきが1μm以上あ
ると耐食性が非常に向上することから、Niめっき厚さ
を1μm以上とした。
【0021】このように、Niめっき面にウォッシュプ
ライマーを塗布することにより、耐食性が格段に向上す
るため、ウォッシュプライマー厚さを薄くすることが可
能と考え、次にウォッシュプライマーを現行材より薄く
塗布し、塩水噴霧試験により耐食性を調査した。すなわ
ち、Niめっき厚さを1μm、3μm、5μmとし、ウ
ォッシュプライマーを5〜15μm塗布し塩水噴霧試験
400時間で耐食性を評価した。
【0022】その結果、現行材のショットブラスト+ウ
ォッシュプライマー18μmに比較すると、Niめっき
厚さ1μmでは、ウォッシュプライマー12〜15μ
m、Niめっき厚さ3μmではウォッシュプライマー7
〜10μmで同等または優れた耐食性を示した。よっ
て、ウォッシュプライマーの厚さを、7超〜15μmと
限定した。なお、前記試験材のNiめっきは液めっき法
で行ったが、これに限らず本出願人が先に提案した特開
平2−225691号公報で開示したペーストめっき法
等で行ってもよい。
【0023】次に、溶接性について説明する。
【0024】表2に示す溶接条件で隅肉溶接を行った。
試験材の各部a〜eを図3に示す。図4に、Niめっき
のめっき厚さとブローホールの発生数の関係を示す(○
印)。比較のため、Znめっきのめっき厚さとブローホ
ールの発生数の関係も示す(●印)。なお、Niめっ
き、Znめっきともウォッシュプライマーは塗布してい
ない場合のブローホールの発生数である。
【0025】Niめっきは、めっき厚さが大きくなって
も、ブローホールの発生がないのに対し、Znめっきは
1μmでもブローホールが発生し、めっき厚さが大きく
なるにつれて、急激にブローホールが増大する。Znめ
っきは4〜5μmで、ウォッシュプライマー20μmの
ブローホール発生数に匹敵する。また、Znめっきは、
溶接時のスパッター、ヒュームの発生量の限界が、約3
μmであった。
【0026】Niめっきは、めっき厚さが大きくなって
も、ブローホールの発生がないことが確認できたので、
Niめっき面にウォッシュプライマーを塗布して、溶接
性を試験した。その結果を表3に示す。比較のため、N
iめっきなしのウォッシュプライマー塗布材および黒皮
材も試験した。表中、溶接サイド1および2は溶接の順
序を示し、1を先に溶接し、次に2を溶接した。
【0027】ウォッシュプライマー18μm塗布材が、
成長の大きなブローホールと大きなブローホール発生率
を示すのに対し、Niめっき3μmにウォッシュプライ
マーを10μm以下塗布材は成長の小さな、少量のブロ
ーホール発生であり、ウォッシュプライマーを剥離ある
いは削り取らなくても、優れた溶接性が得られた。ウォ
ッシュプライマー15μmでは、約10%のブローホー
ル発生率であるが、溶接時のブローホール発生限界(日
本海事協会規格:NK規格で10%)と近似しているこ
とから、ウォッシュプライマー膜厚を15μm以下とし
た。
【0028】以上のように、厚鋼板をショットブラスト
あるいは脱脂、酸洗後にNiめっきを1μm以上行い、
さらにウォッシュプライマーを7超〜15μm塗布する
ことにより、図1に示す断面を有する優れた耐食性およ
び溶接性等を付与した表面処理厚鋼板を提供できる。図
1において1は厚鋼板、2はNiめっき層、3はウォッ
シュプライマー層を示す。
【0029】
【0030】
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、厚鋼板にNiめっき+薄ウォッシュプライマ
ー塗布の表面処理層を備えることにより、加工中のウォ
ッシュプライマー塗布材の耐食性が格段に向上し、優れ
た溶接性が得られ、さらに、構造物の本塗装時の下地処
理工数を削減できる。
【0033】 本塗装後も優れた下地処理であるため、構
造物の塗装寿命が延長でき、メインテナンス期間を長く
できる可能性がある。
【0034】 橋梁をはじめ、陸上の鋼構造物や造船用の
一部に適用が可能な表面処理厚鋼板である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表面処理厚鋼板の一例を示す部分断
面図である。
【図2】 ウォッシュプライマー塗布材のNiめっき厚
さと点さびおよびふくれ発生数との関係を示すグラフで
ある。
【図3】 試験材の各部を示す斜視図である。
【図4】 NiおよびZnめっきのめっき厚さとブロー
ホール発生数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 厚鋼板 2 Niめっき層 3 ウォッシュプライマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−200792(JP,A) 特開 平2−225691(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱脂、酸洗またはショットブラストを施し
    た板の少なくとも片面に、1μm以上3μm以下のNi
    めっき層を備え、さらに、その上に7超〜15μmのウ
    ォッシュプライマー塗布層を備え、Niめっき層が薄い
    時にはウォッシュプライマー層を厚くし、Niめっき層
    が厚い時にはウォッシュプライマー層を薄くすることを
    特徴とする表面処理厚鋼板。
JP3249076A 1991-09-27 1991-09-27 表面処理厚鋼板 Expired - Lifetime JP2685110B2 (ja)

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JPH0586486A JPH0586486A (ja) 1993-04-06
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JPH02225691A (ja) * 1988-09-07 1990-09-07 Kawasaki Steel Corp 耐食性に優れる金属材の下地処理方法
JPH02200792A (ja) * 1989-01-31 1990-08-09 Kawasaki Steel Corp 耐気孔性に優れた隅肉アーク溶接用鋼材およびその製造方法

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