JP2004263262A - 鋼材および海洋鋼構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼材1は、炭素鋼部材21と、該炭素鋼製部材21と同一断面のステンレス鋼製部材22とが長手方向に接合された鋼材であって、ステンレス鋼製部材22が下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼である。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海岸、湾岸、河川において岸壁や護岸形成等に使用される鋼材および海洋鋼構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建造物を取り巻く環境に対する意識の高まり、建設コスト縮減等のニーズ等により、構造物の長寿命化が重要課題となっている。これまでは、構造物の供用年数を50年程度に設定しておけば十分とされたものでも、100年以上の供用年数を設定するケースも見受けられる。特に、海洋鋼構造物の場合、長期供用を図るためには、如何にして構造物の耐食性を高めるかが課題の一つとされ、これまで様々な研究がなされてきた。
従来、海洋鋼構造物を防食する方法として、耐海水ステンレス鋼板やチタンクラッド鋼板などの高耐食性金属板からなる被覆材をその外周に被覆する方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−293663号公報
【特許文献2】
特開2000−199224号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、海洋鋼構造物が、鋼矢板や鋼管矢板などのように継手を有する構造物であったり、継手を有しない場合であっても、海洋鋼構造物自体が例えばH形鋼杭のように複雑な形状の場合には、複雑な形状の金属被覆材を製造するのは困難である。
また、海洋鋼構造物が鋼管杭の場合には、金属被覆材の加工はしやすいものの、被覆材自体に漂流物などが衝突して貫通孔が生じると、この部分で異種金属接触腐食が発生するので、その対策として絶縁や保護を目的として樹脂を挟んでおく必要がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたもので、どのような形状の構造物であっても複雑な形状の被覆材を製造する必要がなく、防食部の損傷により防食効果が低下する恐れのない鋼材および海洋鋼構造物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の鋼材は、炭素鋼製部材と、該炭素鋼製部材と同一断面のステンレス鋼製部材とが長手方向に接合された鋼材であって、前記ステンレス鋼製部材が下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼であることを特徴とする。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。
【0007】
本発明は、継手の有無を問わず、鋼管杭あるいはH形鋼杭等の杭や、鋼管矢板、U形鋼矢板、ハット形鋼矢板、Z形鋼矢板あるいはH形鋼矢板や、ボックス形鋼矢板などの様々な形状に適用できる。また、炭素鋼製部材とステンレス鋼製部材とは、例えば、溶接によって接合したり、あるいはボルト等の固定具により接合したりすることができる。この場合、ボルト等の固定具も上記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼により形成されていることが好ましい。また、本発明の鋼材の側部に本発明の他の鋼材が接合されていてもよいし、あるいは本発明の鋼材の側部に本発明以外の鋼材が接合されていてもよい。
【0008】
請求項1に記載の発明においては、鋼材を構成するステンレス鋼製部材が海水に対する耐食性能が極めて大きい上記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼により構成されている。したがって、鋼材のこの部分の耐食性能の向上を図ることができる。
また、炭素鋼製部材に、孔食指数PIが40以上のステンレス鋼製部材を長手方向に接合すればよいので、従来のようにチタンクラッド鋼板等の被覆材を、被覆する構造物に合わせて複雑な形状に加工する必要がない。
さらに、上記ステンレス鋼製部材自体が高い耐食性を有するので、漂流物が衝突して損傷し、異種金属接触腐食が発生して防食性が低下する恐れもない。したがって、長期間にわたって高耐食性を有する矢板壁等を製造することができる。
【0009】
ここで、孔食指数が40以上のステンレス鋼からなるステンレス鋼製部材は、鋼材が水底地盤に打ち込まれた際に水に接する部位等、腐食しやすい部位に設けられていればよいが、その部位以外の部分にも設けられていてもよい。
【0010】
請求項2に記載の鋼材は、長手方向に連続する継手を有し、この継手同士を連結して矢板壁を製造可能な炭素鋼とステンレス鋼とからなる鋼材であって、継手から継手に至る部位の少なくとも一部が下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼であることを特徴とする。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。
【0011】
本発明は、例えば、U形、ハット形、H形等の鋼矢板、鋼管矢板、角形鋼管に継手を取り付けたボックス形鋼矢板、ハット形鋼矢板のウェブにH形鋼やT形鋼などを取り付けた鋼材など、継手を有する様々な形状の鋼材に適用できる。また、炭素鋼とステンレス鋼とは、例えば、溶接によって接合したり、あるいはボルト等の固定具により接合したりすることができる。この場合、ボルト等の固定具も上記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼により形成されていることが好ましい。
【0012】
請求項2に記載の発明においては、継手から継手に至る部位の少なくとも一部が、海水に対する耐食性能が極めて大きい上記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼により構成されている。したがって、鋼材のこの面が海側に面するように配置すれば、海に面し腐食環境の厳しい部分の耐食性能の向上させることができる。
また、炭素鋼にステンレス鋼を接合するだけで良く、ステンレス鋼は海側に面する一部分だけで良いので、鋼材の製造コストを低く抑えることができる。
さらに、ステンレス鋼自体が高い耐食性を有するので、金属被覆による防食のように、漂流物が衝突し貫通孔が生じ、異種金属接触腐食が発生して防食性が低下する恐れもない。したがって、長期間にわたって高耐食性を有する矢板壁等を製造することができる。
【0013】
ここで、孔食指数が40以上のステンレス鋼とする部位は、鋼材が水底地盤に打ち込まれた際に水に接する部位等、腐食しやすい部位とすればよいが、その他の部位もステンレス鋼としてもよい。
【0014】
請求項3に記載の海洋鋼構造物は、請求項1または請求項2に記載の鋼材が、水底地盤に打ち込まれて成る海洋鋼構造物であって、前記鋼材が水底地盤に打ち込まれた際に干満帯近傍の水中部となる位置および飛沫帯となる位置が、前記ステンレス鋼であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明においては、水底地盤に打ち込まれた際に、海水などの水に接することで腐食しやすい、干満帯近傍の水中部および飛沫帯となる部分の腐食が防止され、長期間の供用年数を有し、長期的に安定して使用することができる。
すなわち、打設後の防食処理をすることなく鋼材を打設するだけで、耐食性に優れた海洋鋼構造物とすることができるので、現場での施工速度に優れコスト削減が図れるのみならず、海中作業による作業性の低下や現場作業者の技量のばらつきにより耐食性が損なわれることもない。
【0016】
請求項4に記載の海洋鋼構造物は、請求項3に記載の発明において、電気防食が施されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明においては、炭素鋼とステンレス鋼の接合位置が水中に位置する場合でも異種金属接触腐食を防ぐことができる。また、岸に沿って水底地盤に打ち込まれた海洋鋼構造物の水に接する鋼面部分には、電気防食が施されているので、チタン材で海洋鋼構造物を被覆する従来のもののように水素吸収による脆化が起こる恐れがなく、鋼面部分における腐食を防ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態を示す図であって、図1は、本実施の形態に係る海洋構造物としての矢板壁の要部を示す概略縦断面図、図2は、図1の矢板壁の横断面図、図3は、図1の矢板壁の斜視図である。
本実施の形態に係る矢板壁10は、複数個の鋼矢板(鋼材)1が、海岸7Aに沿って直立するように海底地盤(水底地盤)7に打ち込まれるとともに、これらの鋼矢板1が直線状に連結されて形成されている。この鋼矢板(海洋鋼構造物)1は、U形鋼矢板であって、ウェブ2とこのウェブ2の両端からそれぞれ斜めに立ち上げられたフランジ3,3と各フランジ3,3の端部に対称形に設けられた継手4,4とを備えている。矢板壁10は、各鋼矢板1が交互に反対向きに配置され、隣接する継手4,4どうしが係合されて形成されている。
【0019】
矢板壁10を形成する鋼矢板1の上端部1aは、それぞれ陸上に設けられる湾岸構造物のコンクリート製の基端部5に埋設されており、下端部1bは海底地盤7に埋め込まれ、さらに上端部1aと下端部1bとの間の部位は、それぞれ下方から海中に配置される海中部(水中部)1cと、海が干満した際の海面レベルSが変動する範囲(H.W.L〜L.W.Lの間)と略同レベルに位置する干満帯1dと、波の飛沫がかかる飛沫帯1eとなっており、1fは気中部となっている。
【0020】
鋼矢板1は、炭素鋼からなるU形鋼矢板21と、このU形鋼矢板21と断面が同一で、かつ下記▲1▼式で表される孔食指数(Pitting Index : PI)が40以上のステンレス鋼からなるU形鋼矢板22とが長手方向に溶接により接合されて形成されている。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。
この鋼矢板1においては、上端部1aから気中部1f、飛沫帯1e、干満帯1dおよび海中部1cの干満帯1d直下の部分に渡る部分が、上記ステンレス鋼からなるU形鋼矢板22により構成されており、このU形鋼矢板22の下方に炭素鋼からなるU形鋼矢板21が接合されている。
なお、孔食指数PIが40以上のステンレス鋼は、自然海水慣用において孔食や隙間腐食が起こりにくいものである。
【0021】
ここで、U形鋼矢板(ステンレス鋼)22を構成する孔食指数が40以上のステンレス鋼材としては、例えば、社団法人鋼材倶楽部編「海洋鋼構造物の防食Q&A」技報堂出版に挙げられている、フェライト系・オーステナイト系・二相系の耐海水性ステンレス鋼など、上記▲1▼式を満足する耐食性ステンレス鋼であれば良い。
ステンレス鋼は、その組成により大きく性質が異なるので、孔食指数を満足することに加えて、鋼矢板の形状に応じて溶接性や加工性、コストという観点からも適当な材料を選定すれば良い。例えば、Cr含有量が高い高耐食性フェライト系ステンレス鋼は、特にCやNを低減しておかないと耐衝撃特性が損なわれ易い他、溶接時には大気中のN2を吸収すると溶着鋼の靭性が低下するという問題がある。また、オーステナイト系ステンレス鋼は、比較的Ni,Mo量が高く高価であり、かつ隙間腐食感受性があるという課題がある。すなわち、材料選定の際には、耐食性に加えて必要とされる曲げ加工等の加工性、接合時の溶接性、コスト等を勘案して最適材料を選定すれば良い。この観点より、本発明において用いる耐食性ステンレス鋼としてふさわしい材料としては、特開平5−132741号公報記載の高耐食・高強度二相ステンレス鋼が一例として挙げられる。
【0022】
特開平5−132741号公報記載の二相ステンレス鋼材は、重量%で、C:0.03%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、P:0.040%以下、S:0.008%以下、sol.Al:0.04%以下、Ni:5.0〜9.0%、Cr:23.0%〜27.0%、Mo:2.0〜4.0%、W:1.5%を超え5.0%まで、N:0.24〜0.32%、Fe及び不可避不純物:残部なる化学組織を有し、しかも前記▲1▼式で表される孔食指数が40以上である高耐食・高強度二相ステンレス鋼である。この二相ステンレス鋼は、耐食性が極めて高く、強度が高いので、流木等の浮遊物衝突による損傷の恐れが低い。さらに、σ相等の金属間化合物の析出が少なく熱的組織安定性に優れるので、溶接の熱影響による鋭敏化や脆化という問題もなく、加工性や溶接性に優れ、さらに、NiやMo量も少ないので、比較的安価であるという点で本発明に使用するステンレス鋼(U形鋼矢板22)に適している。
【0023】
上記鋼矢板1において、炭素鋼からなるU形鋼矢板21のうち、海中部1cを構成する部分、海中に接触する鋼面部分には、流電陽極6が設けられ、この流電陽極6により前記鋼面部分の腐食が防止される電気防食処理がなされている。この電気防食により、U形鋼矢板(ステンレス鋼)22とU形鋼矢板(炭素鋼)21との接合部分の異種金属接触腐食が防止される。鋼面の腐食を防止する(−0.77V vs. SCEより卑な電位に保つ)ため用いられる流電陽極としては、Al合金、Zn合金等が使用される。
【0024】
なお、前記の高耐食・高強度二相ステンレス鋼はフェライト相を含むため若干の水素脆化感受性を有する材料なので、U形鋼矢板(ステンレス鋼)22に用いる場合には、−1.05V vs. SCEより卑な電位にはならないよう過防食に配慮する必要がある。流電陽極としてAL合金を用いた場合であっても、一般的に、−1.05Vvs. SCEより卑な電位にはならず、流電陽極の製品としてのばらつきを考えても、高々−1.10V vs. SCE程度である。なお、Zn合金を用いた場合には高々−1.0Vvs. SCE程度である。また、海中部の鋼面の腐食を防ぐ目的で取り付ける流電陽極は、あまり浅い位置に取り付けると、流木等の衝突により流電陽極自体が外れる等の懸念があることや、鋼面全体を効果的に防食すること等により、流電陽極はU形鋼矢板(ステンレス鋼)22の下端よりさらに下に取り付けられる。
【0025】
一般的には、前記二相ステンレスをU形鋼矢板22に用いた場合であっても、二相ステンレスによるU形鋼矢板22の下端位置の電位は、流電陽極取り付け位置よりも貴となり、−1.05V vs. SCEより十分に貴な電位となるので、前記二相ステンレスをU形鋼矢板22に用いても、実用上、水素脆化の恐れはない。つまり、適正カソード防食電位域がないチタン被覆の場合と異なり、流電陽極取り付け位置やZn合金による流電陽極を用いる等の配慮をするだけでよく、従来の電気防食と塗装との併用工法において、過防食に伴う塗膜の陰極剥離を防ぐため、防食電位に配慮するのと同様の配慮をするだけでよい。
【0026】
また、鋼矢板1において、U形鋼矢板(ステンレス鋼)22とU形鋼矢板(炭素鋼)21との接合部分の陸側の土砂と接する面には、ポリウレタン塗装(防食被覆)が施されている。一般的に、U形鋼矢板(ステンレス鋼)22とU形鋼矢板(炭素鋼)21との接合部分の土砂と接触する陸側においては、酸素の供給が少なく腐食速度は小さいので、異種金属接触によるU形鋼矢板(炭素鋼)21の腐食速度は海側のそれに比べて非常に遅い。したがって、必ずしも防食の必要はないが、前記鋼矢板1では、前記接合部の近傍をポリウレタン塗装により防食被覆を施している。また、U形鋼矢板(ステンレス鋼)22の陸側の土砂と接する面をポリウレタン塗装し、カソードとなる面積をより小さくすることにより、異種金属接触腐食がさらに発生し難いものとすることもできる。
【0027】
このように矢板壁10を構成する鋼矢板1において、上端部1aから気中部1f、飛沫帯1e、干満帯1dおよび海中部1cの干満帯1d直下の部分に渡る部分が、孔食指数が40以上のステンレス鋼材を用いたU形鋼矢板により構成されており、この部分の耐食性能の向上を図ることができる。
【0028】
以上の通り、本発明によれば、耐食被覆するため必要となるクラッド鋼の複雑な加工の問題、さらには、クラッド鋼端部における異種金属接触腐食という様々な従来技術の課題を解決することが可能となる。また、流木等の衝突による損傷に伴い異種金属接触腐食が発生する恐れもなく、耐食効果を維持することができるので、従来のように絶縁や保護を目的として樹脂を介在させるなどの必要がない。
また、工場で管理された状態で炭素鋼と高耐食性ステンレス鋼とを接合し、この鋼材を現場にて打設するだけでよいので、海中作業が伴うことによるコストアップの問題のみならず、現場作業者の技量のばらつきによる耐食性のばらつき発生の問題も生じない。
そして、この容易に製造することができる高耐食性を具備する鋼矢板1を連結してなる矢板壁10は、長期期間にわたって安定して供用することができる。
【0029】
なお、上述の実施の形態では、U形鋼矢板22を鋼矢板1における上端部1aから海中部1cの干満帯1d直下の部分までに渡る部分に設けたが、U形鋼矢板(ステンレス鋼)22をこれ以外の部分に設けることもできる。また、U形鋼矢板(ステンレス鋼)22およびU形鋼矢板(炭素鋼)21は、複数個を長手方向に接合することもできる。
【0030】
また、上述の実施の形態においては、鋼矢板1により構成される矢板壁10は、海岸に設けられたものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、湾岸、川岸などにおいて岸壁や護岸として利用されるものなどでもよい。
【0031】
図4および図5は、本発明の第2の実施の形態を示す図であって、図4は、本実施の形態に係る鋼材を示す斜視図、図5は、図4の鋼材を使用した矢板壁の横断面図である。
【0032】
図4に示すように、本実施の形態に係る鋼材(鋼矢板)30は、ハット形鋼矢板40のウェブにH形鋼50が溶接により接合されて構成されている。
ハット形鋼矢板40は、ウェブ41と、このウェブ41の両端からそれぞれ斜めに立ち上げられたフランジ42,42と、各フランジ42,42の各端部からウェブ41と平行に延びる腕部43,43と、各腕部43,43の各端部に設けられた継手44,45とを備えている。H形鋼50は、ウェブ51と、このウェブ51の両端にそれぞれ設けられたフランジ52,52とを備えている。鋼材30は、ハット形鋼矢板40のウェブ41における腕部43と反対側の面と、H形鋼50の一方のフランジ52の外側面とが当接され、溶接により一体化されている。
【0033】
ハット形鋼矢板40は、炭素鋼からなるハット形鋼矢板60と、このハット形鋼矢板60と断面が同一で、かつ前記▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼からなるハット形鋼矢板70とが長手方向に溶接により接合されている。
【0034】
このように構成された鋼材(鋼矢板)30が、第1の実施の形態と同様に、海岸に沿って直立するように海底地盤(水底地盤)に複数個打ち込まれるとともに、これらの鋼材30が直線状に連結されることにより、矢板壁が形成される。すなわち、図5に示すように、複数個の鋼材30がハット形鋼矢板40が海側に位置するように配置され、隣接する継手44,45が係合されて直線状に連結されることにより、矢板壁10Aが形成される。なお、本実施の形態では、鋼材30どうしを連結する例で説明するが、鋼材30と鋼材40とを交互に配置するなど、連結する鋼材は必ずしも同形状の鋼材どうしでなくても良い。
【0035】
第1の実施の形態の場合と同様に、この矢板壁10Aを形成する鋼材30の上端部は、それぞれ陸上に設けられる湾岸構造物のコンクリート製の基端部に埋設されており、下端部は海底地盤に埋め込まれ、さらに上端部と下端部との間の部位は、それぞれ下方から海中に配置される海中部(水中部)と、海が干満した際の海面レベルが変動する範囲(H.W.L〜L.W.Lの間)と略同レベルに位置する干満帯と、波の飛沫がかかる飛沫帯となっており、飛沫帯と埋設された上端部との間は気中部となっている。
【0036】
この鋼材(海洋鋼構造物)30においては、海側に位置するハット形鋼矢板40の上端部から気中部、飛沫帯、干満帯および海中部の干満帯直下の部分に渡る部分が、前記▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼からなるハット形鋼矢板70により構成されており、このハット形鋼矢板(ステンレス鋼)70の下方に炭素鋼からなるハット形鋼矢板60が接続されている。
【0037】
鋼材30において、ハット形鋼矢板40の炭素鋼からなるハット形鋼矢板60のうち、海中部を構成する部分、海中に接触する鋼面部分には、第1の実施の形態の場合と同様に、流電陽極が設けられ、この流電陽極により前記鋼面部分の腐食が防止される電気防食処理がなされている。この電気防食により、ハット形鋼矢板70とハット形鋼矢板60との接合部分の異種金属接触腐食が防止される。
【0038】
また、鋼材30において、ハット形鋼矢板(ステンレス鋼)70とハット形鋼矢板(炭素鋼)60との接合部分、およびハット形鋼矢板(ステンレス鋼)70とH形鋼50との接合部分の陸側の土砂と接する面には、第1の実施の形態の場合と同様に、ポリウレタン塗装(防食被覆)が施されている。一般的に、陸側の土砂と接触するこれらの接合部分においては、酸素の供給が少なく腐食速度は小さいものであるため、異種金属接触によるハット形鋼矢板(炭素鋼)60およびH形鋼50の腐食速度は海側のそれに比べて非常に遅いものとなっており、防食の必要はない。しかし、前記鋼材30では、ハット形鋼矢板(ステンレス鋼)70の陸側の土砂と接する面をポリウレタン塗装し、カソードとなる面積をより小さくすることにより、異種金属接触腐食がさらに発生し難いものとなっている。
【0039】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るH形鋼矢板を示す斜視図である。
このH形鋼矢板(鋼材)80は、ウェブ81と、このウェブ81の両端にそれぞれ溶接により接合されたフランジ82,82とを備えている。各フランジ82の両端部にはそれぞれ継手83が形成されている。両フランジ82,82の一方のフランジ82は、フランジ(炭素鋼)84と、このフランジ84と断面が同一で、かつ前記▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼からなるフランジ85とが長手方向に溶接により接合(接続)されて形成されている。
【0040】
このように構成されたH形鋼矢板80が、第1の実施の形態と同様に、海岸に沿って直立するように海底地盤(水底地盤)に複数個打ち込まれるとともに、これらのH形鋼矢板80が直線状に連結されることにより、矢板壁が形成される。すなわち、複数個のH形鋼矢板80が、フランジ(ステンレス鋼)85とフランジ(炭素鋼)84とを備えたフランジ82が海側に位置するように配置され、隣接する継手83どうしが係合されて直線状に連結されることにより、矢板壁が形成される。
【0041】
このH形鋼矢板(海洋鋼構造物)80においては、海側に位置するフランジ82の上端部から気中部、飛沫帯、干満帯および海中部の干満帯直下の部分に渡る部分が、前記▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼からなるフランジ85により構成されており、このフランジ84の下方に炭素鋼からなるフランジ84が接続されている。
【0042】
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る鋼管杭を示す斜視図である。
この鋼管杭(鋼材)90は、炭素鋼からなる鋼管91と、この鋼管91と断面が同一で、かつ前記▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼からなる鋼管92とが長手方向に溶接により接合されて形成されている。
【0043】
このように構成された鋼管杭90が、水底地盤に打ち込まれて海洋鋼構造物とされる場合には、鋼管杭90の上端部から気中部、飛沫帯、干満帯および海中部の干満帯直下の部分に渡る部分が、前記▲1▼式で表される孔食指数が40以上のステンレス鋼からなる鋼管92により構成されており、この鋼管92の下方に炭素鋼からなる鋼管91が接合されている。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、長期間の供用年数に耐えうる高防食性を備えたものとなり、水底地盤に下端部が埋め込まれた際に、表面が水に接触していても長期的に安定して使用することができる。
また、炭素鋼に、孔食指数PIが40以上のステンレス鋼からなるステンレス鋼を長手方向に接続すればよいので、複雑な形状の被覆材を製造する必要がなく、製作が容易である。
さらに、漂流物などが衝突して損傷した場合でも防食効果が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る矢板壁の要部を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の矢板壁の横断面図である。
【図3】図1の矢板壁の斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る鋼材を示す斜視図である。
【図5】図4の鋼材を使用した矢板壁の横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るH形鋼矢板を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る鋼管杭を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 鋼矢板(鋼材、海洋鋼構造物)
1a 上端部
1b 下端部
1c 海中部(水中部)
1d 干満帯
1e 飛沫帯
1f 気中部
6 流電陽極
7 海底地盤(水底地盤)
10,10A 矢板壁
21 U形鋼矢板(炭素鋼)
22 U形鋼矢板(ステンレス鋼)
30 鋼材(海洋鋼構造物)
40 ハット形鋼矢板
50 H形鋼
60 ハット形鋼矢板(炭素鋼)
70 ハット形鋼矢板(ステンレス鋼)
80 H形鋼矢板(鋼材、海洋鋼構造物)
84 フランジ(炭素鋼)
85 フランジ(ステンレス鋼)
90 鋼管杭(鋼材、海洋鋼構造物)
91 鋼管(炭素鋼)
92 鋼管(ステンレス鋼)
Claims (4)
- 炭素鋼製部材と、該炭素鋼製部材と同一断面のステンレス鋼製部材とが長手方向に接合された鋼材であって、前記ステンレス鋼製部材が下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼であることを特徴とする鋼材。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。 - 長手方向に連続する継手を有し、この継手同士を連結して矢板壁を製造可能な炭素鋼とステンレス鋼とからなる鋼材であって、継手から継手に至る部位の少なくとも一部が下記▲1▼式で表される孔食指数PIが40以上のステンレス鋼であることを特徴とする鋼材。
孔食指数PI=[Cr]+3.3{[Mo]+0.5[W]}+16[N]・・・▲1▼
ここで、[ ]内は各元素の重量%を表す。 - 請求項1または請求項2に記載の鋼材が、水底地盤に打ち込まれて成る海洋鋼構造物であって、
前記鋼材が水底地盤に打ち込まれた際に干満帯近傍の水中部となる位置および飛沫帯となる位置が、前記ステンレス鋼であることを特徴とする海洋鋼構造物。 - 電気防食が施されていることを特徴とする請求項3に記載の海洋鋼構造物。
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